食品テロの早期察知への PMM の活用可能性に関する実証実験
研究分担者 岡部信彦(川崎市健康安全研究所・所長、
国立感染症研究所感染症情報センター・客員研究員)
研究代表者 今村知明(奈良県立医科大学 健康政策医学講座・教授)
研究要旨
A.研究目的
本研究は、インターネットを通じて食品等の 商品の受発注を行う生協組合員をモニターとし て、インターネットアンケートによって得られ た健康調査データと、モニターの商品購入デー タを組み合わせることで、健康被害の発生の早 期発見のための食品PMM手法を開発、検証す ることを目的とする。
開発手法の検証については、分析対象期間の 中で健康被害の疑いが強い食品候補について、
発症者の年齢や発症時期などの詳細を確認する ことで、特定の食品の購入者群に発生した健康
被害であるか否かを評価する。
今年度は特に、手法の実用性を向上するため、
細菌性の食中毒が増加しやすい夏季における PMM の実行可能性を検証することを主眼に取 り組んだ。
B.研究方法 1.健康調査 1.1 概要
インターネットを活用し、国民から直接的に リアルタイムで健康情報を収集する健康調査は、
「通信連絡機器を活用した健康危機情報をより 本研究では、販売した食品の喫食による健康被害の発生の早期発見のための手法として、食品の 市販後調査(PMM: Post Marketing Monitoring)による食中毒などの急性疾患発生を早期発見す る手法と、原因食品と個別商品名や販売日をスクリーニングする手法を開発し、検証した。
食品のPMMは、調査対象者の健康情報と食品購入リストがあれば、ある種類の食品の購入者に、
健康被害が起きているかどうかをモニタリングすることが可能となる。そこで、本研究では、食品 の PMMに活用可能な健康調査のデータとして、2013年度の「食品テロの早期察知に向けたPMM の活用可能性に関する検証」(研究代表者:今村知明)において収集したパルシステム東京および コープこうべにおける生協組合員のモニターデータを活用した。具体的には、2013年5月16日か ら9月20日の期間でインターネットアンケートにより収集した健康調査データ、および同期間に おける健康調査モニターの生協での商品購入データを組み合わせて食品PMMの分析を実施した。
分析手法については、医薬品副作用PMMにおけるシグナル検出方法をもとに昨年度検討した食品 PMMの手法に、米国CDCで実施されている早期異常探知システム(EARS)の手法などを組合せ て2012年度までに構築した枠組みを適用し、これまでに対象期間とした1〜4月ではなく、夏季を 対象期間とした分析に焦点を当てて検討した。
1968世帯、総勢6007名のデータについて2週間おきに分析を行い、健康被害疑いがある食品が 検出された場合には早期の対応を図れる体制を確保した。結果として対象期間中に健康被害疑いが ある食品は検出されなかったが、細菌性の食中毒が増加しやすい夏季においてもPMMの実施が実 現可能であることが確認された。
また、新年度は昨年度と同様にコープこうべのモニターデータを活用し、過年度と同様の枠組み でのPMMデータ収集を開始する予定である。
PMMデータの分析にあたっては㈱三菱総合研究所が支援した。
迅速に収集する体制の構築及びその情報の分析 評価に関する研究」(研究代表者:今村知明)(以 下、「PC サーベイ」)において確立された手法 である。
本研究では、2013年度に実施された「食品防 御の具体的な対策の確立と実行検証に関する研 究」(研究代表者:今村知明)の中で行われた「食 品テロの早期察知へのPMMの活用可能性に関 する検証」において収集したデータを利用した。
これは、日本生活協同組合連合会(以下、日本 生協連)、生活協同組合パルシステム東京(以下、
パルシステム東京)、生活協同組合コープこうべ
(以下、コープこうべ)の協力を得て、インタ ーネットを通じて商品の受発注を行う生協組合 員をモニターとして活用し、上記研究において 独自に構築したインターネットアンケートシス テムによって実施・収集した健康調査のデータ である。
また、新年度はコープこうべの協力を得て、
2009〜2013 年度と同様、モニターデータを活
用し、同様の枠組みで健康調査を実施予定であ る。
1.2 2013年度生協組合員モニターを活用し た健康調査の調査方法
本研究において、食品PMM手法の開発、検 証に用いたデータは、2013年度の「食品テロの 早期察知へのPMMの活用可能性に関する検証」
で得られた健康調査データを利用したものであ る。その調査方法等は2011年度と同様であり、
既に「PCサーベイ」の報告書で報告済である。
ここでは健康調査の調査方法等をあらためて以 下に示す。
1.2.1 調査対象
健康調査の調査対象は以下のとおりである。
(1) パルシステム東京
パルシステム東京のインターネットを通じ て商品の受発注を行う組合員のうち、東京都内 全域(島しょ部を除く)を対象とした。
(2) コープこうべ
インターネットを通じて商品の受発注を行 うコープこうべの組合員(コープこうべネット のeふれんず会員)で、兵庫県、および 京都府 京丹後市、大阪府(豊中市、池田市、箕面市、
豊能郡、茨木市、高槻市、吹田市、摂津市、
島本町、大阪市東淀川区、淀川区、西淀川区)
在住者。
1.2.2 調査項目
健康調査の調査項目は以下のとおりであり、
パルシステム東京とコープこうべの双方で共通 である。
・下痢・嘔吐などの症状で病院を受診したか否 か、薬を服用したか否か。
・インフルエンザと診断されたか否か。
・熱中症と診断されたか否か。
・各症状(17項目)の有無:微熱38.5度未満、
高熱38.5度以上、鼻水、咳、下痢、嘔吐、胃 痛または腹の痛み、けいれん、目のかゆみ、
発疹、熱中症症状、頭痛、のどの痛み、くし ゃみ、皮膚のかゆみ、めまい、不眠。
1.2.3 調査実施プロセス
健康調査の実施プロセスは、パルシステム東 京とコープこうべの双方で共通であり、モニタ ー募集とモニター登録、症状の回答(調査本体)、 最終アンケートの4段階で実施した。
(1) モニター募集
商品受発注システムに設置するバナーや、パ ルシステム東京・コープこうべが組合員に送信 しているメールニュースにて周知し、協力を依 頼した。モニターとして健康調査にご協力いた だける組合員はバナーやメールニュースに記載 したリンク先からモニター登録システムにアク セスし、モニター登録を行う形態とした。
(2) モニター登録
日本生協連が管理するインターネットアン ケートシステムのモニター登録システムにおい て、連絡用メールアドレス(IDを兼ねる)、サ ブメールアドレス(携帯メール可)、パスワード、
組合員番号、居住地(市区町村まで)、モニター を含む世帯構成員の情報(年齢、性別)、リマイ ンドメールの間隔(毎日、隔日、2日おき)等 の情報をご登録いただいた。アンケートは遡っ て7日間分の回答が可能である。なお、これら の情報項目については、これらの登録情報から モニター個人を特定できることのないよう配慮 した(個人情報に該当しない)。
また、登録時には、健康調査にのみ協力する
力するか(グループB)の同意確認を行った。
(3) 症状の回答
日本生協連が管理するインターネットアン ケートシステムにおいて、登録モニターに世帯 構成員の調査対象症状等の有無をご回答いただ いた。
(4) 最終アンケート
日本生協連が管理するインターネットアン ケートシステムにおいて、登録モニターに健康 調査終了後のアンケート調査にご回答いただい た。
1.2.4 調査スケジュール
(1) パルシステム東京
・2013/4/18〜2013/5/13 モニター登録申込み
・5/16 本調査開始
・9/20 調査終了
・9/27〜10/10最終アンケート実施
(2) コープこうべ
・2013/4/18〜2013/5/13 モニター登録申込み
・5/16 本調査開始
・9/20 調査終了
・9/27〜10/10最終アンケート実施
1.2.5 謝礼
(1) パルシステム東京
登録者に謝礼として、調査を途中でやめなか った方に調査終了時に500ポイント(500円相 当)を付与した。
(2) コープこうべ
登録者に謝礼として、e-ポイントを登録時に 300ポイント(300円相当)付与した。調査を やめなかった方には調査終了時に200ポイント
(200円相当)を付与した。
1.3 新年度生協組合員モニターを活用した 健康調査の調査方法
前節と同様の方法により、新年度にも健康調 査を実施する。ここで収集されるデータは、今 年度の収集データと併せ、分析に利用する予定 である。
健康調査の調査対象は以下のとおりである。
コープこうべ
インターネットを通じて商品の受発注を行 うコープこうべの組合員(コープこうべのeふ れんず会員)で、兵庫県、および 京都府京丹後 市、大阪府(豊中市、池田市、箕面市、
豊能郡、茨木市、高槻市、吹田市、摂津市、
島本町、大阪市東淀川区、淀川区、西淀川区)
在住者。
1.3.2 調査項目
健康調査の調査項目は2013 年度の健康調査 と同様に以下のとおりである。
・下痢・嘔吐などの症状で病院を受診したか否 か、薬を服用したか否か。
・インフルエンザと診断されたか否か。
・熱中症と診断されたか否か。
・各症状(17項目)の有無:微熱38.5度未満、
高熱38.5度以上、鼻水、咳、下痢、嘔吐、胃 痛または腹の痛み、けいれん、目のかゆみ、
発疹、熱中症症状、頭痛、のどの痛み、くし ゃみ、皮膚のかゆみ、めまい、不眠。
1.3.3 調査実施プロセス
健康調査の実施プロセスは、2009 年度〜
2013 年度と同様にモニター募集とモニター登 録、症状の回答(調査本体)、最終アンケートの 4段階で実施する。
1.3.4 調査スケジュール
以下の同スケジュールで調査を実施予定で ある。(本報告書執筆時点においてはシステム準 備中)
・2014.4月下旬 システム運用開始、バナー設 置
・4月下旬〜5月中旬 モニター募集
・5月中旬 健康調査実施
・9月末 調査終了予定
・10月上旬 最終アンケート実施
1.3.5 謝礼 (1) コープこうべ
登録者に謝礼として、e-ポイントを登録時に 300ポイント(300円相当)、調査をやめなかっ た方には調査終了時に200ポイント(200円相 当)を付与する予定である。なお、登録者は先 着1,000名を予定している。
2.食品の市販後調査
本研究における食品のPMM は、2013 年度 の「食品テロの早期察知へのPMMの活用可能 性に関する検証」で得られたモニターの健康調 査データを活用し、モニターの商品購入データ と組み合わせて実施するものである。これが本 研究の核を成すパートである。
2.1 背景と過年度の取組み
食品の市販後調査(PMM)は、Codex にお いてトレーサビリティと並び記載されており、
販売後の健康被害を少しでも喰い止めるべく迅 速に対応する方法である。しかし、その実効性 の難しさと費用の大きさから、なかなか受け入 れられるに至っていない現状があった。
しかし、PC およびインターネットの普及を 受けて開発されたインターネット調査の手法に より、調査対象者の健康情報を従来よりも容易 に得ることが可能になってきた。調査対象者の 健康情報と食品購入リストがあれば、ある種類 の食品の購入者に、健康被害が起きているかど うかをモニタリングすることが可能となる。
そこで本研究では、健康調査データと商品購 入データを用いて、これを統計分析することで、
食品による健康被害の早期発見を目指す枠組み を構築し、調査データにおける健康被害の発生 有無の評価を実施する。
2010 年度は構築した枠組みにより、食品 PMMの実現可能性を確認した。2011年度は手 法を高度化するため、米国 CDCで実施されて いる早期異常探知システム(EARS)1などを組 み合わせ、食中毒など健康被害の急性疾患発生 が疑われる食品候補を早期に発見する手法、お よび原因食品と個別食品名や販売日をスクリー ニングする手法を構築した。食品候補を段階的
1 http://www.bt.cdc.gov/surveillance/ears/
に絞り込むことでシグナル検出の精度向上を図 り、その実効性を評価できるようになった。
2012 年度は手法のリアルタイム性向上をめざ し、従来1月ごとであった分析サイクルを2週 間ごとに縮め、またこれを円滑に実現するため の手法及び体制構築について検討した。そして 2013年度は、これまでに対象期間とした1〜4 月ではなく、細菌性の食中毒が増加しやすい夏 季を対象期間とした分析に焦点を当て検討した。
2.2 食品PMM手法
本研究では、医薬品PMMのシグナル検出手 法にもとづき2010〜2012年度に開発してきた 食品PMM手法を用いる。同手法により、健康 被害の疑いを早期に発見し、原因として疑われ る食品候補を段階的にスクリーニングすること ができる。
分析用データの作り方に関する詳細は 2010 年度の分担報告書に詳しいためここでは割愛す る。また、具体的な食品分析手法に関する詳細 は 2011 年度の分担報告書に詳しいためここで は割愛し、概要のみ以下に記載する。
スクリーニングの実施フローを図 1に示す。
フローは次の3つのStepで構成される。なお、
ある日にある症状について少なくとも1人の有 症状者が発生した世帯を「有症状世帯」とする。
各Stepのスクリーニング基準を表 1に示す。
表 1 スクリーニング基準 分析手順 スクリーニング基準 Step1
(EARS) C1 > 2、C2 > 2、C3 > 2のいずれかを 満たし、かつ当該検出日に症状を報告 した世帯のうち、3 世帯以上が購入し ていた食品
※20分割データはさらに「EARSの値
が2.5%以上」を条件に追加
Step2
(オッズ比) Odds(-) >= 1、n11 > 3、組合員ID数 >
1の3条件を全て満たす食品のうち、
Odds(-)の値が上位10位以内の食品
Step3
(散布図) 世帯内発症、下痢と嘔吐の同時発症な
どの状況から個別判断
食品PMM手法では3段階のStepを通じて、
健康被害疑いがある食品を抽出する。各 Step の概要は次のとおり。
食品を抽出
オッズ比順位表の作成例を
食品名 1. 麺類A 2. 生鮮食品 3. 加工食品 4. … 5. …
○Step 3
世帯での発症状況を時系列に並べた散布図 で分析し、世帯内同時発症の有無、下痢・嘔 吐の同時発症の有無
補を絞り込 表 3に示す。
組合員 ID
137
501
※M:男性、
を抽出する。
オッズ比順位表の作成例を
表 2 オッズ比順位表の例 食品名
A 生鮮食品B 加工食品C
Step 3:散布図による発症状況確認 の発症状況を時系列に並べた散布図 で分析し、世帯内同時発症の有無、下痢・嘔 吐の同時発症の有無
補を絞り込みアラート に示す。
表 3
性別
/年齢 10 11 M31
F31 F8
M4 △
M47 F43 M12
M8
:男性、F:女性、数字:年齢
。
図 1
オッズ比順位表の作成例を表 2
オッズ比順位表の例 Odds Odds(
4.29 2.10 1.82
… …
… …
:散布図による発症状況確認 の発症状況を時系列に並べた散布図 で分析し、世帯内同時発症の有無、下痢・嘔 吐の同時発症の有無などを確認、原因食品候
みアラートを出す。
散布図の例
日にち(1 11 12 13 14
▲
△ △ ● △
● ●
:女性、数字:年齢
1 スクリーニング
2に示す。
オッズ比順位表の例
Odds(-) n11 ID 3.10 15 1.92 9 1.65 28
… …
… …
:散布図による発症状況確認 の発症状況を時系列に並べた散布図 で分析し、世帯内同時発症の有無、下痢・嘔 を確認、原因食品候 散布図の例を
散布図の例
1月)
14 15 16 17
▲ ▲
△ △
● ● ● △
:女性、数字:年齢
位
スクリーニング(全体)
ID数 7 3 16
…
…
の発症状況を時系列に並べた散布図 で分析し、世帯内同時発症の有無、下痢・嘔 を確認、原因食品候 散布図の例を
17
△
△:下痢のみ、▲:嘔吐のみ、●:下痢・嘔吐
C.
1.
1.1
「
性に関する検証 けるモニターの登録 は、
モニター めて計 グループ ター 計2,9
ム東京および ーは、合計
1.2 新
状況は、本報告書執筆時点では、
で、
登録のためのシステムを準備中である。
2.
健康調査、および当該期間の 用い
のスクリーニング 症状は下痢と嘔吐の
位10位以内
(全体)の実施フロー
.研究成果 1.健康調査
1.1 2013年度健康調査
「食品テロの早期察知への 性に関する検証
けるモニターの登録 は、グループ A モニター987世帯 めて計3,056名)
グループAモニター ター981世帯、合計
2,951名)であった ム東京およびコープこうべ ーは、合計1,968
1.2 新年度健康調査
新年度の健康調査におけるモニターの登録 状況は、本報告書執筆時点では、
、1,000 世帯の募集定員
登録のためのシステムを準備中である。
2.食品の市販後調査
健康調査、および当該期間の
用い、健康被害の早期発見および原因食品候補 のスクリーニング
症状は下痢と嘔吐の
位以内の食品を抽出
の実施フロー
年度健康調査 食品テロの早期察知への 性に関する検証」の 2013 けるモニターの登録数は、
Aモニター13 世帯、合計1,00 名)であった。
モニター19世帯
、合計1,000
であった。すなわち、
コープこうべ 68世帯のモニター
年度健康調査
の健康調査におけるモニターの登録 状況は、本報告書執筆時点では、
世帯の募集定員
登録のためのシステムを準備中である。
市販後調査の活用 健康調査、および当該期間の
、健康被害の早期発見および原因食品候補 のスクリーニングを実施した。
症状は下痢と嘔吐の2つである。
食品を抽出する。
年度健康調査
食品テロの早期察知へのPMMの活用可能 3 年度の健康調査にお
、パルシステム東京 13 世帯、グループ 1,000世帯(家族を含
。コープこうべ 世帯、グループ
1,000世帯(家族を含めて
すなわち、パルシステ コープこうべのグループ
モニターが登録された
の健康調査におけるモニターの登録 状況は、本報告書執筆時点では、コープこうべ 世帯の募集定員を見込んでモニター 登録のためのシステムを準備中である。
活用可能性の検討 健康調査、および当該期間の食品購入情報を
、健康被害の早期発見および原因食品候補 を実施した。分析対象とする である。パルシステム の活用可能 健康調査にお パルシステム東京で
、グループB
(家族を含 コープこうべでは、
、グループBモニ
(家族を含めて パルシステ グループBモニタ が登録された。
の健康調査におけるモニターの登録 コープこうべ を見込んでモニター 登録のためのシステムを準備中である。
可能性の検討 購入情報を
、健康被害の早期発見および原因食品候補 分析対象とする パルシステム
トも別々に提示した。
2.1.1 Step1:EARSによるスクリーニン グ結果
全食品を対象にEARSを算出したところ、下 痢と嘔吐の有症状世帯が過去のトレンドに比べ 大きく増加した日として、2013年5月16日か ら9月20日までの計128日間のうち、表 4に 示す日数が検出された。20分割合計は、食品を 20 分 割 し て 作 成 し た 各 グ ル ー プ に つ い て EARS 計算を行い検出された日の総和であり、
全食品に比べて感度が高くなっている。なお、
すべての分割グループにおいて、全食品を対象 とした場合とは異なる日も検出された。
表 4 EARSによる検出日数 東京 神戸 下痢(全食品) 22 28 下痢(20分割合計) 23 25 嘔吐(全食品) 21 31
対象食品の総数はパルシステム東京が 8,816 品目、コープこうべが 10,667 品目。このうち
Step1の検出基準で絞り込まれた食品数は表 5
のとおりである。
表 5 Step1で抽出された原因食品候補数 東京 神戸 下痢(全食品) 1,394 1,093 下痢(20分割合計) 2,456 2,560 嘔吐(全食品) 936 0
2.1.2 Step2:オッズ比によるスクリーニ ング結果
Step1のスクリーニングを通過した原因食品
候補について、EARS検出日を起点としてオッ ズ比を計算した結果の一部を表 6、表 7に示す。
なお、ここに示す食品名は匿名化のために個別 の商品名を丸めたもので、食品群を表すもので はない。集計は個別の食品ごとに行っている。
表 6 オッズ比順位表
(パルシステム東京、上位3食品)
食品名 Odds Odds(-) n11
下痢(全食品)の順位
1. 鶏肉(冷凍) 5.32 2.67 11 2. チョコレート 5.53 2.59 9 3. ジュース 4.33 2.28 12 下痢(20分割計)の順位
1. ジュース 3.78 1.87 10
2. アイス 2.99 1.72 16
3. 無洗米 2.74 1.52 14
嘔吐(全食品)の順位
1. 魚加工品 10.5 4.16 6 2. 豚肉(冷凍) 4.13 2.08 13
3. お菓子 4.75 2.08 7
表 7 オッズ比順位表
(コープこうべ、上位3食品)
食品名 Odds Odds(-) n11
下痢(全食品)の順位
チョコレート 6.94 3.2 9
油 4.21 2.32 14
ハム 3.31 2.17 30
下痢(20分割計)の順位
チョコレート 6.94 3.2 9
油 4.21 2.32 14
トマト缶 3.4 1.99 17 嘔吐(全食品)の順位
(該当なし)
パルシステム東京とコープこうべを合わせ ると、Odds(-)の上位3食品は、下痢では「鶏肉
(冷凍)」、「チョコレート」、「野菜ジュース」、 嘔吐では「魚加工品」、「豚肉(冷凍)」、「お菓子」
であった。
2.1.3 Step3:散布図による詳細分析結果 各食品について、散布図により時系列の詳細 な発症状況を確認した。具体的には、同時期に 複数家族での発症、同一家族内での複数名発症、
同じ人物での下痢と嘔吐同時発症、などを評価 した。継続して2週間おきに分析を実施した。
その結果、パルシステム東京について、「ス イートポテト」、「骨ぬきさばみりん干し」の 2 食品で下痢・欧と症状の家族内発生が複数見ら れたことから、食中毒の可能性も考慮し健康被 害の可能性を生協連へ報告した、いずれの場合 も、関連する苦情などの問い合わせがないこと などから、アラートを出し追跡調査まで行うに
D.考察 1.健康調査
新年度の調査でも十分な人数の登録が想定 され、有意義な分析が実施できる見込みである。
2.食品の市販後調査の活用可能性の検討 本手法で検出することのできる原因食品候 補は、有症状世帯数が過去のトレンドに比べ急 に増加した日にその有症状世帯が喫食可能であ った食品(Step1)のうち、当該食品を購入し ていない世帯に比べて有症状世帯の割合が特に 高い食品(Step2)の中で、有症状世帯の発症 状 況 と 喫 食 と の 関 係 が 否 定 で き な い 食 品
(Step3)である。ただし、検出された食品は 今回の分析データに限って得られる結果に過ぎ ず、この結果をもってそのまま、危険な食品が 抽出された、と解釈することはできない。同様 に、表 6 および表 7 に示した数値もその食品 の危険度を示すものではない。提案した手法に より検出された原因食品候補と健康被害疑いと の関係の有無を判断するためには、過去のデー タを追う、季節による健康状態の特性や食品の 特性、喫食方法といった他の情報を加える、購 入者からのクレームの有無を確認する、出荷前 の検査結果を確認する、等のより詳細な分析が 必要である。
今年度は細菌性の食中毒が増加しやすい夏 季を対象に食品市販ご調査を実施することで、
残存食品の食中毒菌調査など日本生協連による 追跡調査を含めた対応を、食中毒の増加が想定 されるシーズンにも実行できるよう体制を検討 した。
その結果、開発した食品PMM手法によって、
パルシステム東京とコープこうべで、夏季にお いてもそれぞれ 1週間おき(1つの生協では2 週間おきで、これを交互)の分析が可能である ことが確認された。
アラート提示のための散布図による分析、そ の後の追跡調査などはまだ人手による部分も大 きいため、アラートが増えると分析チームの負 荷が増大し、対応しきれなくなる恐れがある。
る可能性があることが確認された。
調査結果について、パルシステム東京および コープこうべ向けに作成した概要報告書を別紙 1、別紙2として末尾に示す。
E.結論
2013年度に、日本生協連を通じて、パルシス テム東京およびコープこうべの協力を得て実施 した「食品テロの早期察知へのPMMの活用可 能性に関する検証」で収集された健康調査デー タ、および調査に参加した世帯の商品購入デー タを用いて、医薬品PMMの分野で適用されて いる枠組みや手法に、米国 CDCで利用されて いる EARSの手法などを組み込んで開発した、
食品による健康被害の早期発見・スクリーニン グ手法による分析を試行した。
実用性の観点から、細菌性の食中毒が増加す ると想定される夏季における手法適用可能性の 検証を行い、その有効性を実証した。アラート 提示のための散布図による分析の負荷を平準化 する仕組みがうまく機能することを確認した。
またその後の追跡調査についても、食中毒が増 加すると予想される夏季であってもアラートが 対応可能な数におさまる可能性があることが確 認された。
今後はより長期間での運用実証などを通じ、
継続しやすい実用的なリアルタイムアラート手 法などを検討していく必要がある。
F.研究発表 1.論文発表
Hiroaki Sugiura, Manabu Akahane, Yasushi Ohkusa, Nobuhiko Okabe, Tomomi Sano, Noriko Jojima, Harumi Bando, Tomoaki Imamura. Prevalence of Insomnia Among Residents of Tokyo and Osaka After the Great East Japan Earthquake: A Prospective Study. interactive Journal of Medical Research. 2013;18;2(1):e2.
Tomomi Sano, Manabu Akahane, Hiroaki
Tomoaki Imamura. Internet survey of the influence of environmental factors on human health: environmental epidemiologic investigation using the Web-based Daily Questionnaire for Health. International Journal Of Environmental Health Research.
2013 Jun;23(3):247-257.
Harumi Bando, Hiroaki Sugiura, Yasushi Ohkusa, Manabu Akahane, Tomomi Sano, Noriko Jojima, Nobuhiko Okabe, Tomoaki Imamura. Association between first airborne cedar pollen level peak and pollinosis symptom onset: a web-based survey.
International Journal Of Environmental Health Research. 2014.
神奈川芳之、赤羽学、今村知明. 第1編 食品 衛生管理と食の安全 第6章 フードディフェ ンスという概念. 美研クリエイティブセンタ ー 編集. 微生物コントロールによる食品衛生 管理 −食品の安全・危機管理から予測微生物 の活用まで−. 2013;p.91-108.
今村知明. 食品防御から見たバイオリスク認 知・バイオリスク評価・バイオリスクマネジメ ントの考え方と食品バイオテロに対する食品防 御による対応. JBSA ニュースレター. 2013 Apr;3(1):21-28.
神奈川芳行、赤羽学、今村知明、長谷川専、
山口健太郎、鬼武一夫、高谷幸、山本茂貴.
食品汚染防止に関するチェックリストを基 礎とした食品防御対策のためのガイドライ ン の 検 討 Tentative Food Defense Guidelines for Food Producers and Processors in Japan. 日本公衆衛生雑誌.
2014 Feb;61(2):100-108.
今村知明 他. 食品保健. 医療情報科学研 究所 編集. 保健・医療・福祉・介護スタッ フ の 共 通 テ キ ス ト 公 衆 衛 生 が み え る. 2014 Mar;p.302-319.
今村知明、神奈川芳行 他. 第5章 社会に
おける対応の現状と対策 1.アレルギーの 表示の現状と対策. 中村 丁次 他編. 【第 2版】食物アレルギーAtoZ 医学的基礎知 識 か ら 代 替 食 献 立 ま で . 2014 Mar;p.151-159.
2.学会発表
2013年10月23日〜25日(三重県、三重県総 合文化センター)第 72 回日本公衆衛生学会総 会. 杉浦弘明、赤羽学、鬼武一夫、今村知明.
花粉症シーズンにおけるアトピー性皮膚炎患者 の皮膚症状の日々の発生頻度の検討.
2013年10月23日〜25日(三重県、三重県 総合文化センター)第 72 回日本公衆衛生学 会総会. 神奈川芳行、赤羽学、今村知明、長 谷川専、山口健太郎、鬼武一夫、高谷幸、山 本茂貴. 食品防御対策に関する諸外国や国 際組織における検討状況とその対策.
G.知的財産権の出願・登録状況 1.特許取得
無し
2.実用新案登録 無し
3.その他 無し
2013 年 11 月 12 日
インターネットを活用した健康調査報告(概要)
生活協同組合パルシステム東京様
奈良県立医科大学 健康政策医学講座
今村 知明
赤羽 学
杉浦 弘明
奈良県立医科大学 健康政策医学講座
6-10
別紙1
生活協同組合パルシステム東京様
この度は、平成 25 年度「インターネットを活用した健康調査」に御協力いただき誠にあり がとうございます。また、日々の健康状態を入力いただいた組合員様にも深く感謝いたしま す。
つきましては、調査概要の速報について御報告いたします。
▽日々健康調査の概要
■
調査主体 生活協同組合パルシステム東京■モニター募集対象 生活協同組合パルシステム東京の組合員のうち 募集定員 1,000 名
■調査機構 奈良県立医科大学健康政策医学講座 今村知明、赤羽学、杉浦弘明
■調査期間
・モニター登録の申込み期間
平成 25 年 4 月 18 日〜平成 25 年 5 月 13 日
健康調査アンケートの実施と登録募集に関するメールマガジンを配信
・本調査の期間
平成 25 年 5 月 16 日 〜 9 月 20 日
・最終アンケートの回答期間
平成 25 年 9 月 27 日 〜 10 月 10 日
■モニター登録された組合員様への謝礼
・調査終了後に 500 ポイントを付加する。
(ただし、途中でモニターをやめた方にはポイント付与はなし。)
■調査ご協力数
・モニター登録いただいた組合員数
1,000 名 (家族を含めて計 3,092 名)
Aグループ(健康調査のみ)
: 13 名 (家族を含めて計 36 名)
Bグループ(健康調査および市販後調査)
: 987 名 (家族を含めて計 3,056 名)
・日々健康調査の回答組合員数
929 名 (家族を含めて計 2,878 名)
・日々健康調査の回答のべ数(家族を含めて)
292,120 名
Aグループ(健康調査のみ)
: 3,700 名
Bグループ(健康調査および市販後調査)
: 288,420 名
・最終アンケートの回答組合員数
801 名 (家族を含めて計 2,470 名)
■調査項目
1)モニター登録
・グループAまたはグループBを選択し同意していただく。
グループA:日々の健康状態・症状等に関するアンケート調査に御協力い ただける方
グループB:グループAの健康調査に関するアンケートに加え、食品市販 後調査(PMM)に使用する商品購入情報の提供に御協力いただ ける方
・本人および家族の年齢、性別等の登録
2)本調査
・日々の症状等の入力
下痢・嘔吐などの症状で病院を受診したまたは薬を服用した インフルエンザと診断された
熱中症と診断された 各症状(17 項目)の有無
(微熱、高熱、鼻水、咳、下痢、嘔吐、胃痛または腹の痛み、けいれん、
目のかゆみ、発疹、熱中症症状、頭痛、のどの痛み、くしゃみ、皮膚のか ゆみ、めまい、不眠)
奈良県立医科大学 健康政策医学講座
6-12
別紙1
3)最終アンケート
・日常の環境に関して
オール電化、浄水器、食洗機、加湿器、空気清浄機の使用状況等
・症状や健康面に関して
黄砂の飛来による体調の変化等
・健康調査の感想 など
▽PMM調査の概要
2週おきに、グループBに登録された組合員の商品購入リストをパルシステム東京より提 供いただき、賞味期限に基づき喫食可能食品を割り出す。
その商品と各組合員が日々入力された健康状態とを組み合わせ、健康被害が出ていないか を解析し、健康被害を起こしている可能性が高い商品がないかを詳細検討する。
検討結果は、随時奈良医大より日本生協連に報告する。
■パルシステム東京
調査対象期間 解析終了
EARS 検出日数(回) Odds(‑) 最大値
日本生協連へ 下痢 報告
Gp
下痢 Al
嘔吐 Al
下痢 Gp
下痢 Al
嘔吐 Al
第 1 報 5 月 16 日〜
5 月 24 日 6 月 7 日 0 0 0 なし なし なし 6 月 11 日 問題なし
第 2 報 5 月 16 日〜
6 月 7 日 6 月 20 日 3 2 1 1.2 1.53 なし 6 月 24 日 問題なし
第 3 報 5 月 16 日〜
6 月 21 日 7 月 4 日 8 4 2 1.86 1.86 1.26 7 月 8 日 問題なし
第 4 報 5 月 16 日〜
7 月 5 日 7 月 18 日 8 7 4 1.86 1.86 1.26 7 月 22 日 問題なし
第 5 報 5 月 16 日〜
7 月 9 日 8 月 1 日 8 9 8 1.86 1.86 2.08
8 月 1 日〜
8 月 7 日
※1 別記 第 5 報
再解析
5 月 16 日〜
7 月 26 日 8 月 21 日 9 10 10 1.87 1.87 2.08 8 月 12 日 問題なし
第 6 報 5 月 16 日〜
8 月 9 日 8 月 22 日 12 13 13 1.87 2.11 2.08 8 月 26 日 問題なし
第 7 報 5 月 16 日〜
8 月 23 日 8 月 29 日 17 18 13 1.87 2.67 2.0 9 月 2 日 問題なし
第 8 報 5 月 16 日〜
9 月 6 日 9 月 12 日 19 22 19 1.87 2.67 2.08 9 月 17 日 問題なし 第 8 報
再解析
5 月 16 日〜
9 月 6 日 9 月 19 日 23 21 21 1.87 2.67 4.16
9 月 19 日〜
10 月 2 日
※2 別記 第 9 報 5 月 16 日〜
9 月 20 日 9 月 26 日 23 21 21 1.87 2.67 4.16 10 月 1 日 問題なし
第 10 報 5 月 16 日〜
9 月 20 日 10 月 3 日 23 22 21 1.87 2.67 4.16 10 月 7 日 問題なし
※第 6 報は、解析が1週間遅れとなる
奈良県立医科大学 健康政策医学講座
6-14
別紙1
※1 別記 スイートポテト
下痢・嘔吐症状の家族内発生が複数見られたため、食中毒の可能性も考慮し健康被害の可能性 を報告した
※2 別記 骨ぬきさばみりん干し
下痢・嘔吐症状の家族内発生が複数見られたため、食中毒の可能性も考慮し健康被害の可能性 を報告した
【結果報告】
いずれの商品も、パルシステム東京から提供された組合員のお申し出情報に特段のものがなか ったため、購入商品による健康被害によるものではないと判断し詳細なサンプル調査等は実施し なかった。
※用語について
・Odds(‑)最大値:調査対象期間における分析対象商品リスト中のオッズ比(95%信頼区間の下 限値)の中で、最大だった値。
・EARS 検出日数:EARS システムによって直近に対して症状の報告が急増したと判断された日数
(アラートが出された日数)。
・Gp:分割グループ別
・Al:対象者全体
【到達点と課題】
昨年度までは冬季を中心として健康調査および食品市販後調査(PMM調査)を実施して きました。
今回は食中毒発生のリスクが高い夏季を含めて従来よりも期間を長くして調査を実施致し ました。
本研究で開発を試みているPMM調査システムの長期の運用は可能であることが今回の実 施にて検証することができました。しかし、調査期間が長くなるにつれ、あるいは今回初め て実施した夏季調査という特徴のためか、ノイズ(食中毒以外による体調不良)の影響が大 きくなることも判明し、今後の課題としてとらえることができました。
■データ集計速報
1)定点あたりインフルエンザ報告数と各症状(高熱・咳)
5〜6月上旬にインフルエンザ報告はみられたもののその後は少なく、他の症状との関連も なかった。
2)平均気温と各症状(下痢・嘔吐・胃痛または腹痛)
平均気温と下痢、嘔吐、胃痛または腹の痛みの間に明らかな関連は見られなかった。
0 5 10 15 20 25 30 35
0.0%
0.2%
0.4%
0.6%
0.8%
1.0%
1.2%
1.4%
2013/5/16 2013/6/16 2013/7/16 2013/8/16 2013/9/16
平均気温 下痢(%) 嘔吐(%) 胃痛または腹の痛み(%)
(℃)
(人)
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8
0.0%
0.5%
1.0%
1.5%
2.0%
2.5%
3.0%
3.5%
4.0%
4.5%
2013/5/16 2013/6/16 2013/7/16 2013/8/16 2013/9/16
定点インフル 高熱(%) 咳(%)
奈良県立医科大学 健康政策医学講座
6-16
別紙1
3)定点あたりノロ報告数と各症状(下痢・嘔吐・胃痛または腹痛)
定点あたりのノロ報告数と下痢、嘔吐、胃痛または腹の痛みの間に明らかな関連は見られな かった。
4)黄砂量と各症状(鼻水・目のかゆみ・くしゃみ)
黄砂の量と鼻水の症状との間には関連がありそうである。より詳しい分析が必要である。
※黄砂MED1Dとは:国立環境研究所が計測している黄砂のデータより算出。その日の黄 砂測定値の中央値。
(人)
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
0.0%
0.2%
0.4%
0.6%
0.8%
1.0%
1.2%
1.4%
2013/5/16 2013/6/16 2013/7/16 2013/8/16 2013/9/16
定点ノロ 下痢(%) 嘔吐(%) 胃痛または腹の痛み(%)
0.000000 0.000005 0.000010 0.000015 0.000020 0.000025 0.000030 0.000035
0.0%
1.0%
2.0%
3.0%
4.0%
5.0%
6.0%
7.0%
8.0%
9.0%
2013/5/16 2013/6/16 2013/7/16 2013/8/16 2013/9/16 黄砂量MED1D 鼻水(%) 目のかゆみ(%) くしゃみ(%)
■参考資料 (次ページ以降を参照)
・最終アンケートでの組合員様のアンケート調査に対する感想
① 集計
② 自由回答
・健康コラム「今日の一言」
・入力画面
① モニター登録画面
② 日々の症状入力画面
③ 最終アンケート画面
以 上
奈良県立医科大学 健康政策医学講座
6-18
別紙1
参考資料(パルシステム東京の組合員様より)
最終アンケートでの組合員様のアンケート調査に対する感想(集計)
21.0% 35.5% 32.6% 1.0%10.0%
1:自分の回答が反映され、面白かった
2:自分の住んでいる地域の健康状態が分かり役に立った
3:「過去の結果」ではなく「現在の状況」をリアルタイムで確認できるのは良いと思った 4:地図に表示された情報は信じられないと思った
5:このような地図は不要である
Q.今回の調査結果は、地図に反映されるしくみになっていました。
これについてどう思われましたか?
46.7% 53.3%
1:はい 2:いいえ
Q. ポイントがつかなくても今後このような調査に協力したいと思いますか?
27.6% 43.3% 24.0%
0.2%
4.9%
1:ぜひ協力したい
2:内容によってはやってもいい
3:ポイントがもらえるなら、やってもいい 4:もう二度とやりたくない
5:その時にならないと、わからない
Q. 今後このようなアンケートを実施するとき、またご協力をお願いできますか?
26.2%
26.5%
9.6%
17.5%
8.2%
7.6%
26.7%
4.2%
26.2%
7.9%
73.8%
73.5%
90.4%
82.5%
91.8%
92.4%
73.3%
95.8%
73.8%
92.1%
「このアンケートで何がわかるのだろう」と疑問 に思った
社会的に役立つのだな、と意義を感じた 同じ事ばかり繰り返しているようで、イヤになっ
た
インターネットにアクセスできなかった日があ り、まとめて入力するのは面倒だった 体調が悪い日はアンケートに答える気がせず、
後から思い出すのは大変だった 自分や家族が体調を崩した日は、アンケートを
重荷に感じた
地図画面にある日々のコメントが面白かった 地図画面にある日々のコメントがつまらなかっ
た
結構大変なアンケートなので、回答者に特典が あるといいと思う
すべてに該当しない
1:はい 2:いいえ Q. この健康調査のご感想をお聞かせください。(複数回答可)
奈良県立医科大学 健康政策医学講座
6-20
別紙1
参考資料 健康コラム「今日の一言」
毎日健康状態を答える、という単純で飽きてしまいやすい作業を組合員の方々に続けてい ただきやすいよう、週替わりでテーマを決めて、日替わりで健康に関する情報を健康コラム
「今日の一言」でご提供させていただきました。
本文の執筆は、奈良県立医科大学健康政策医学講座の教員や大学院生(社会人院生を含む)、 博士研究員で担当し、つなぎの文や季節のあいさつや Web へのアップは事務で分担して行い ました。
期 間 ハンドルネーム テーマ
第 1 週 5 月 16 日〜 医師 A はじめの挨拶・ダイエット 第 2 週 5 月 20 日〜 医師 S 在宅医療
第 3 週 5 月 27 日〜 看護師 K マラソンでダイエットはできるのか?
第 4 週 6 月 3 日〜 看護師 K マラソンは不健康になる!
第 5 週 6 月 10 日〜 大学教員 M 学校検尿
第 6 週 6 月 17 日〜 保健師 M 健康日本 21(第 2 次)
第7週 6 月 24 日〜 保健師 W 紫外線 第 8 週 7 月 1 日〜 放射線技師 I 放射線
第 9 週 7 月 8 日〜 医師 T 検疫所ってどんなところ 第 10 週 7 月 15 日〜 保健師 K 更年期
第 11 週 7 月 22 日〜 看護師 T 看護職のワーク・ライフ・バランス(前半)
第 12 週 7 月 29 日〜 看護師 F 入院患者さんの一日 第 13 週 8 月 5 日〜 放射線技師 I 医療被曝
第 14 週 8 月 12 日〜 歯科医師 T 歯と口腔の健康
第 15 週 8 月 19 日〜 医療管理 Y 事務で行うベットコントロール 第 16 週 8 月 26 日〜 保健師 K 保健師の業務
第 17 週 9 月 2 日〜 看護師 T 看護職のワーク・ライフ・バランス(後半)
第 18 週 9 月 9 日〜 看護師 F
入院患者さんの一週間
第 19 週 9 月 16 日〜 医師 A 健康づくりのための3つのポイント 最終日 9 月 20 日 医師 A 最後のお礼
2013 年 11 月 12 日
インターネットを活用した健康調査報告(概要)
生活協同組合コープこうべ様
奈良県立医科大学 健康政策医学講座
今村 知明
赤羽 学
杉浦 弘明
奈良県立医科大学 健康政策医学講座
6-22
別紙2
生活協同組合コープこうべ様
この度は、平成 25 年度「インターネットを活用した健康調査」に御協力いただき誠にあり がとうございます。また、日々の健康状態を入力いただいた組合員様にも深く感謝いたしま す。
つきましては、調査概要の速報について御報告いたします。
▽日々健康調査の概要
■調査主体 生活協同組合コープこうべ
■モニター募集対象 生活協同組合コープこうべの組合員のうち 募集定員 1,000 名
■調査機構 奈良県立医科大学健康政策医学講座 今村知明、赤羽学、杉浦弘明
■調査期間
・モニター登録の申込み期間
平成 25 年 4 月 18 日〜平成 25 年 5 月 13 日
健康調査アンケートの実施と登録募集に関するメールマガジンを配信
・本調査の期間
平成 25 年 5 月 16 日 〜 9 月 20 日
・最終アンケートの回答期間
平成 25 年 9 月 27 日 〜 10 月 10 日
■モニター登録された組合員様への謝礼 ・登録時に 300 ポイントを付加する。
・調査終了後に 200 ポイントを付加する。(ただし途中でモニターをやめた方に は調査終了後の 200 ポイント付与はなし)
■調査ご協力数
・モニター登録いただいた組合員数
1,000 名 (家族を含めて計 2,997 名)
Aグループ(健康調査のみ)
: 19 名 (家族を含めて計 46 名)
Bグループ(健康調査および市販後調査)
: 981 名 (家族を含めて計 2,951 名)
・日々健康調査の回答組合員数
941 名 (家族を含めて計 2,815 名)
・日々健康調査の回答のべ数(家族を含めて)
303,711 名
Aグループ(健康調査のみ)
: 4,836 名
Bグループ(健康調査および市販後調査)
: 298,875 名
・最終アンケートの回答組合員数
846 名 (家族を含めて計 2,513 名)
■調査項目
1)モニター登録
・グループAまたはグループBを選択し同意していただく。
グループA:日々の健康状態・症状等に関するアンケート調査に御協力い ただける方
グループB:グループAの健康調査に関するアンケートに加え、食品市販 後調査(PMM)に使用する商品購入情報の提供に御協力いただ ける方
・本人および家族の年齢、性別等の登録
2)本調査
・日々の症状等の入力
下痢・嘔吐などの症状で病院を受診したまたは薬を服用した インフルエンザと診断された
熱中症と診断された 各症状(17 項目)の有無
(微熱、高熱、鼻水、咳、下痢、嘔吐、胃痛または腹の痛み、けいれん、
目のかゆみ、発疹、熱中症症状、頭痛、のどの痛み、くしゃみ、皮膚のか ゆみ、めまい、不眠)
奈良県立医科大学 健康政策医学講座
6-24
別紙2
3)最終アンケート
・日常の環境に関して
オール電化、浄水器、食洗機、加湿器、空気清浄機の使用状況等
・症状や健康面に関して
黄砂の飛来による体調の変化等
・健康調査の感想 など
▽PMM調査の概要
2週おきに、グループBに登録された組合員の商品購入リストをコープこうべより提供い ただき、賞味期限に基づき喫食可能食品を割り出す。
その商品と各組合員が日々入力された健康状態とを組み合わせ、健康被害が出ていないか を解析し、健康被害を起こしている可能性が高い商品がないかを詳細検討する。
検討結果は、随時奈良医大より日本生協連に報告する。
■コープこうべ
調査対象期
間 解析終了
EARS 検出日数(回) Odds(‑) 最大値
日本生協連へ 下痢 報告
Gp
下痢 Al
嘔吐 Al
下痢 Gp
下痢 Al
嘔吐 Al 第 1 報 5 月 16 日〜
6 月 8 日 6 月 13 日 4 6 5 2.50 2.82 なし 6 月 17 日 問題なし 第 2 報 5 月 16 日〜
6 月 22 日 6 月 27 日 6 10 7 2.45 3.35 なし 7 月 1 日 問題なし 第 3 報 5 月 16 日〜
7 月 5 日 7 月 11 日 11 12 11 2.45 4.1 なし 7 月 12 日 問題なし 第 4 報 5 月 16 日〜
7 月 19 日 7 月 25 日 15 18 15 2.45 4.1 なし 7 月 26 日 問題なし 第 5 報 5 月 16 日〜
8 月 2 日 8 月 7 日 16 17 15 3.20 3.20 なし 8 月 12 日 問題なし 第 6 報 5 月 16 日〜
8 月 16 日 8 月 22 日 19 20 16 3.20 3.20 なし 8 月 26 日 問題なし 第 7 報 5 月 16 日〜
8 月 30 日 9 月 5 日 24 21 19 3.20 3.20 なし 9 月 10 日 問題なし
第 8 報 5 月 16 日〜
9 月 13 日 9 月 19 日 25 28 28 3.20 3.20 なし
パル 8 報と同 時進行だった ため報告なし
問題なし 第 9 報 5 月 16 日〜
9 月 20 日 10 月 3 日 25 28 31 3.20 3.20 なし 10/7(月) 問題なし
【結果報告】
第1報〜第 9 報の 5 月 16 日から 9 月 20 日までの期間に関しては、健康被害を起こしてい る可能性の高い商品は発生していない。
奈良県立医科大学 健康政策医学講座
6-26
別紙2
※用語について
・Odds(‑)最大値:調査対象期間における分析対象商品リスト中のオッズ比(95%信頼区間の下 限値)の中で、最大だった値。
・EARS 検出日数:EARS システムによって直近に対して症状の報告が急増したと判断された日数
(アラートが出された日数)。
・Gp:分割グループ別
・Al:対象者全体
【到達点と課題】
昨年度までは冬季を中心として健康調査および食品市販後調査(PMM調査)を実施して きました。
今回は食中毒発生のリスクが高い夏季を含めて従来よりも期間を長くして調査を実施致し ました。
本研究で開発を試みているPMM調査システムの長期の運用は可能であることが今回の実 施にて検証することができました。しかし、調査期間が長くなるにつれ、あるいは今回初め て実施した夏季調査という特徴のためか、ノイズ(食中毒以外による体調不良)の影響が大 きくなることも判明し、今後の課題としてとらえることができました。
■データ集計速報
1)定点あたりインフルエンザ報告数と各症状(高熱・咳)
5〜6月上旬にインフルエンザ報告はみられたもののその後は少なく、他の症状との関連も なかった。
2)平均気温と各症状(下痢・嘔吐・胃痛または腹痛)
平均気温と下痢、嘔吐、胃痛または腹の痛みの間に明らかな関連は見られなかった。
(℃)
(人)
0.00 0.50 1.00 1.50 2.00 2.50
0.0%
0.5%
1.0%
1.5%
2.0%
2.5%
3.0%
3.5%
4.0%
4.5%
2013/5/16 2013/6/16 2013/7/16 2013/8/16 2013/9/16
定点インフル 高熱(%) 咳(%)
0 5 10 15 20 25 30 35
0.0%
0.2%
0.4%
0.6%
0.8%
1.0%
1.2%
2013/5/16 2013/6/16 2013/7/16 2013/8/16 2013/9/16
平均気温 下痢(%) 嘔吐(%) 胃痛または腹の痛み(%)
奈良県立医科大学 健康政策医学講座
6-28
別紙2
3)定点あたりノロ報告数と各症状(下痢・嘔吐・胃痛または腹痛)
定点あたりのノロ報告数と下痢、嘔吐、胃痛または腹の痛みの間に明らかな関連は見られな かった。
4)黄砂量と各症状(鼻水・目のかゆみ・くしゃみ)
黄砂の量と鼻水の症状との間には関連がありそうである。より詳しい分析が必要である。
※黄砂MED1Dとは:国立環境研究所が計測している黄砂のデータより算出。その日の黄 砂測定値の中央値。
(人)
0 2 4 6 8 10 12
0.0%
0.2%
0.4%
0.6%
0.8%
1.0%
1.2%
2013/5/16 2013/6/16 2013/7/16 2013/8/16 2013/9/16
定点ノロ 下痢(%) 嘔吐(%) 胃痛または腹の痛み(%)
0.000000 0.000020 0.000040 0.000060 0.000080 0.000100 0.000120 0.000140
0.00%
1.00%
2.00%
3.00%
4.00%
5.00%
6.00%
7.00%
2013/5/16 2013/6/16 2013/7/16 2013/8/16 2013/9/16 黄砂量MED1D 鼻水(%) 目のかゆみ(%) くしゃみ(%)
■参考資料 (次ページ以降を参照)
・最終アンケートでの組合員様のアンケート調査に対する感想
③ 集計
④ 自由回答
・健康コラム「今日の一言」
・入力画面
④ モニター登録画面
⑤ 日々の症状入力画面
⑥ 最終アンケート画面
以 上
奈良県立医科大学 健康政策医学講座
6-30
別紙2
参考資料(コープこうべの組合員様より)
最終アンケートでの組合員様のアンケート調査に対する感想(集計)
18.9% 37.7% 33.3% 2.2%
7.8%
1:自分の回答が反映され、面白かった
2:自分の住んでいる地域の健康状態が分かり役に立った
3:「過去の結果」ではなく「現在の状況」をリアルタイムで確認できるのは良いと思った 4:地図に表示された情報は信じられないと思った
5:このような地図は不要である
Q.今回の調査結果は、地図に反映されるしくみになっていました。
これについてどう思われましたか?
56.7% 43.3%
1:はい 2:いいえ
Q. ポイントがつかなくても今後このような調査に協力したいと思いますか?
27.4% 48.9% 19.4%
0.1%
4.1%
1:ぜひ協力したい
2:内容によってはやってもいい
3:ポイントがもらえるなら、やってもいい 4:もう二度とやりたくない
5:その時にならないと、わからない
Q. 今後このようなアンケートを実施するとき、またご協力をお願いできますか?
26.6%
26.7%
12.9%
12.2%
5.3%
4.6%
28.8%
1.7%
26.6%
7.8%
73.4%
73.3%
87.1%
87.8%
94.7%
95.4%
71.2%
98.3%
73.4%
92.2%
「このアンケートで何がわかるのだろう」と疑問に 思った
社会的に役立つのだな、と意義を感じた 同じ事ばかり繰り返しているようで、イヤになった インターネットにアクセスできなかった日があり、ま
とめて入力するのは面倒だった
体調が悪い日はアンケートに答える気がせず、後 から思い出すのは大変だった
自分や家族が体調を崩した日は、アンケートを重荷 に感じた
地図画面にある日々のコメントが面白かった 地図画面にある日々のコメントがつまらなかった 結構大変なアンケートなので、回答者に特典がある
といいと思う
すべてに該当しない
1:はい 2:いいえ Q. この健康調査のご感想をお聞かせください。(複数回答可)
奈良県立医科大学 健康政策医学講座
6-32
別紙2
参考資料 健康コラム「今日の一言」
毎日健康状態を答える、という単純で飽きてしまいやすい作業を組合員の方々に続けてい ただきやすいよう、週替わりでテーマを決めて、日替わりで健康に関する情報を健康コラム
「今日の一言」でご提供させていただきました。
本文の執筆は、奈良県立医科大学健康政策医学講座の教員や大学院生(社会人院生を含む)、 博士研究員で担当し、つなぎの文や季節のあいさつや Web へのアップは事務で分担して行い ました。
期 間 ハンドルネーム テーマ
第 1 週 5 月 16 日〜 医師 A はじめの挨拶・ダイエット 第 2 週 5 月 20 日〜 医師 S 在宅医療
第 3 週 5 月 27 日〜 看護師 K マラソンでダイエットはできるのか?
第 4 週 6 月 3 日〜 看護師 K マラソンは不健康になる!
第 5 週 6 月 10 日〜 大学教員 M 学校検尿
第 6 週 6 月 17 日〜 保健師 M 健康日本 21(第 2 次)
第7週 6 月 24 日〜 保健師 W 紫外線 第 8 週 7 月 1 日〜 放射線技師 I 放射線
第 9 週 7 月 8 日〜 医師 T 検疫所ってどんなところ 第 10 週 7 月 15 日〜 保健師 K 更年期
第 11 週 7 月 22 日〜 看護師 T 看護職のワーク・ライフ・バランス(前半)
第 12 週 7 月 29 日〜 看護師 F 入院患者さんの一日 第 13 週 8 月 5 日〜 放射線技師 I 医療被曝
第 14 週 8 月 12 日〜 歯科医師 T 歯と口腔の健康
第 15 週 8 月 19 日〜 医療管理 Y 事務で行うベットコントロール 第 16 週 8 月 26 日〜 保健師 K 保健師の業務
第 17 週 9 月 2 日〜 看護師 T 看護職のワーク・ライフ・バランス(後半)
第 18 週 9 月 9 日〜 看護師 F
入院患者さんの一週間
第 19 週 9 月 16 日〜 医師 A 健康づくりのための3つのポイント 最終日 9 月 20 日 医師 A 最後のお礼