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Japan Petroleum Energy Center News

一般財団法人 石油エネルギー技術センター ホームページアドレス http://www.pecj.or.jp/ 編集・発行 一般財団法人 石油エネルギー技術センター 〒105-0001 東京都港区虎ノ門4丁目 3番9号 住友新虎ノ門ビル TEL 03-5402-8500 FAX 03-5402-8511

国際会議

「第5回日欧石油技術会議」開催

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2013.3

CONTENTS

■ 特集  ◎国際会議 「第5回日欧石油技術会議」開催  ◎調査報告  「革新的次世代石油精製等技術開発事業の紹介」 ■ トピックス  「製油所の安全安定運転の支援の取組み」  「韓国オートオイル委員会」メンバーと情報交換会を開催  第15回『月例報告会』開催  ハートエネルギー社の情報提供会開催 1 9 15 25 27 27

特集

当センターは、2012 年 12 月 6 日(木)∼ 7 日(金)に、欧州石油環境保全連盟(Conservation of Clean Air and Water in Europe, CONCAWE)と「第 5 回日欧石油技術会議」をベルギー、ブ リュッセルの CONCAWE 本部で開催しました。 欧州連合(EU)は域内の環境保全・温暖化対策の長期目標設定、諸制度の構築、実施手続・評 価などについて欧州委員会(EC)を中心に加盟諸国が協力体制を組んで実行に当たり、この分野 で世界をリードしています。この環境主導の動きは先進的である一方で欧州石油業界を含む産業 界に大きなコスト負担を負わせる、あるいは企業戦略の再構築を迫るなどの影響を及ぼしつつあ ります。この影響はグローバル経済の視点から見て、欧州に止まらず我が国及び世界にも波及し つつあり、具体的には、産業界の CO2排出量制限、自動車排出ガス規制の強化による EURO6 の 導入、再生可能エネルギー政策・制度の展開、燃料品質性状の設計条件など多くの注目すべき課 題が含まれています。 CONCAWE は欧州に石油精製設備を有する企業を支持メンバーとする調査研究機関で、欧州 石油業界に対して石油及び環境問題に関して広範囲で権威のある技術情報を提供しています。当 センターは CONCAWE と共催の石油技術会議を 2008 年度に開始して、これまで 4 回の会議を 欧州と日本で交互に開催しました。今回も、最新の欧州の環境保全・温暖化対策の動向と欧州石 油産業の生き残りをかけた戦略動向を把握するとともに、日本側からも同様の情報提供を行いま した。 この石油技術会議の参加者は、日本側からは、当センターの亀井常務理事、自動車・新燃料部 斉藤部長、技術企画部 川添主任研究員及び欧州事務所 髙橋所長と、日本自動車工業会欧州事務 所(JAMA-EU)から沢田所長代理のご参加を得て合計 5 名、欧州側は CONCAWE からの 6 名と 欧州石油連盟(EUROPIA)からの 1 名の計 7 名が参加しました。

【講演発表の概要】

石油技術会議は 1.日欧参加機関の紹介及び石油精製の戦略課題セッション、2.車両及び運 輸燃料に関する戦略課題セッション、3.技術戦略課題セッションで構成され、日本側から 5 件、 欧州側から 7 件の合計 12 件の講演発表がありました。 JPECニュース_3月号.indd 1 JPECニュース_3月号.indd 1 2013/03/09 13:11:332013/03/09 13:11:33

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表 1 第 5 回日欧石油技術会議プログラム

開会挨拶 亀井常務理事 / Mr. Lane CNCAWE 事務局長

1.日欧参加機関の紹介及び石油精製の戦略課題セッション

CONCAWE の活動概要 Mr. Lane CONCAWE

JPEC の活動概要 髙橋所長 石油エネルギー技術センター

Impacts of EU policies on EU refi ning Mr. Lane CONCAWE

日本におけるエネルギー及び石油政策動向 髙橋所長 石油エネルギー技術センター

EU legislation and policies also impact EU refi ning Mr. Bartelloni EUROPIA

2.車両及び運輸燃料に関する戦略課題セッション

EU Biofuels situation Dr. Rose CONCAWE

JATOP(Japan Auto Oil Program)の研究開発概要 斉藤部長 石油エネルギー技術センター

日本における次世代自動車の動向 沢田所長代理 日本自動車工業会

3. 技術戦略課題セッション

Refi ning technology in EU Mr. Reid CONCAWE

石油精製技術の最新情報 - ペトロリオミクス技術開発 川添主任研究員 石油エネルギー技術センター

Air Quality Mr. Roberts CONCAWE

Water in EU Legislation & the Refi ning Industry s response

Dr. den Haan CONCAWE

閉会挨拶 亀井常務理事 / Lane 事務局長

表 1 に示すとおり、日本側からは、JPEC の活動概要、日本のエネルギー及び石油政策と石油 精製業への影響、JATOP 研究開発の進捗状況、日本の次世代自動車の動向及びペトロリオミクス 技術開発について報告しました。

欧州側からは、CONCAWE の活動概要、EU エネルギー政策と製油所の動向、EU バイオ燃料 動向、EU 石油精製技術動向と IMO 規制の影響、及び大気・水質規制の動向等、多くのテーマに ついて詳細な最新情報が提供されました。 欧州では石油の需要が継続的に低下するとともに中間留分需要比率が上昇する、という石油精 製業界にとって厳しい市場環境の中で、CO2排出量取引、バイオ燃料、大気・水質の環境規制な どの分野で、企業運営をさらに困難にする反石油( anti-oil )的な政策・規制がすでに定められたり、 継続審議の段階にあります。CO2排出量規則の厳しい EU から工場が逃避するという「カーボン リーケージ」の問題が現実のものとなっているようです。石油精製業者は、このような厳しい状 況下におかれつつも、軽油留分とガソリンの需給インバランスを少しでも解消するため、設備投 資を行い市場ニーズに応えていく方向にあるという説明を受けました。 日本側の発表では、欧州と同様に継続的な需要低下と余剰設備の廃棄を進める石油精製業の動 向や、東日本大震災後の日本のエネルギー政策と災害時の石油の役割認識等についての説明に、 非常に興味を持って貰いました。また当センターの主力事業であるペトロリオミクス技術開発の 進展に興味を示すとともに、JATOP のバイオ燃料利用技術開発については、定期的な情報交換を 行いたいと希望されました。 この石油技術会議は、当センター欧州事務所を通じての CONCAWE との適時の情報交換に加 えて、定期開催の会議として充実した内容の最新情報交換を行う機会として、日欧とも高い期待 を持つもので、今回もそれを確認することができました。 以下に各セッションの発表内容について、特に欧州側の発表を中心にご紹介します。 JPECニュース_3月号.indd 2 JPECニュース_3月号.indd 2 2013/03/09 13:11:542013/03/09 13:11:54

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3 CONCAWE 及び日本側の主な出席者

1.日欧参加機関の紹介及び石油精製の戦略課題セッション

(1)CONCAWE の活動概要(CONCAWE) CONCAWE は、石油ダウンストリーム事業の環境・健康・安 全に係る諸問題について、科学的、経済的、技術的側面から利害 関係者の理解を促進することを目的として、1963 年に設立され ました。2月に 50 周年記念のシンポジウムが開催されたところ です。現在、調査研究スタッフは 11 名、事務職員が 5 名と少人 数ながら、「大気環境」、「燃料品質とエミッション」、「石油精製 技術」、「水質 / 土壌質と廃棄物」、「石油パイプラインと安全」、「欧 州化学品規制(REACH)」「健康」、「石油製品のリスクアセスメ ント」の 8 分野の各種ワーキンググループ(WG、メンバー会社 の専門家で構成)を統括、運営しています。 研究所を有しており自ら研究開発を実施している当センターと は違いがあるものの、石油精製技術、環境保全、燃料品質、自動 車エミッションなどの分野で果たす役割は日欧両機関で共通であ り、お互いの役割 ・ 機能を再確認し、継続的な情報交換をする事 に合意しています。 メンバー会社は欧州に石油精製設備を持つ 42 社(欧州の精製能 力のほぼ 100%に相当)です。過去においては欧州石油精製業者 が主なメンバーでしたが、最近は EU 域内の製油所を買収した石油 トレーディング会社、バイオ燃料会社及び米国系独立精製販売会社等も参画しているのが特徴です。 (2)JPEC の活動概要(JPEC) JPEC 事業については個別に発表があるペトロリオミクスと JATOP を除いた技術開発を中心 に、概要説明を行いました。日本の水素エネルギー利用の取組みについての説明に興味を示され ました。

(3)Impacts of EU policies on EU refining (CONCAWE)

CONCAWE 事務局長の Lane 氏は、欧州の環境・エネルギー政策は、まさに反石油的( anti-oil )

だと述べていました。2050 年に CO2を現状から 80 ∼ 95% 削減しようとしていますが、温暖化

CONCAWE 事務局長と亀井常務

会議風景−欧州側発表

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ガス(GHG)だけに焦点が当てられているだけではなく、従来からの排出ガス、大気改善、騒音、 水質等の規制も同時並行的に進められており、2030 年までは、石油精製業界にとってかなりの コストのかかる対応が必要とのことです。欧州石油精製業に影響を与える様々な政策の具体例と して、まず大気関連では、2013 年は European year of the air の年で、大気質に関する規制が 強化される可能性があります。気候変動関係では、2020 年における 3 つの 20% 目標(再生可能 エネルギー率 20%、GHG 削減率 20%、エネルギー効率 20% 向上)達成のための政策がありま すが、EC は既に 2020 年以降の議論を開始しているとのことです。 欧州の石油製品需要の割合と、中間留分 / ガソリン比率(赤色の折れ線)を図 1 に示します。 ジェット燃料、軽油等の中間留分は、現在でもガソリンの 4 倍の需要となっていますが、2030 年には 6 倍以上になると CONCAWE は予測しています。図 2 は予測も含めた石油製品需要の推 移です。2005 年から 2030 年までの期間で 166Mt(百万トン)減少すると見込んでおり、この 値は欧州の 9 大製油所の合計能力、または 40 の小製油所の合計能力に匹敵するとのことです。 ガソリンや重油だけではなく、中間留分の需要も減少傾向となりますが、他の需要の減少幅が大 きいため、相対的な割合が高くなります。このように、需要自体が低下するなかで、中間留分増 産のために設備投資を行うのは、石油業界にとってインセンティブがないと述べていました。 上述した欧州の anti-oil 政策と需要低迷、そして EU 域外との競争激化等により、2008 年か ら 2015 年にかけて、欧州精製能力の約 5%(36Mt)に相当する製油所閉鎖が公表されていま す。一方で能力拡大計画もあり、EU の製油所稼働率は 2008 年の 86% から 2015 年には 82% に低下すると予測を立てています。もし更なる製油所閉鎖、能力削減が進まなければ、稼働率は 2030 年には 75% 程度まで落ち込むとのことです(図 3)。 設備投資に関して、2009 年から 2015 年にかけて、約 300 億ドルの精製設備の投資が公表さ れています。具体的な内容は、水素化分解装置等中間留分増産のための能力を 28% 増強、残さ 油分解装置、コーカー等の、残さ油低減のための能力を 37% 増強、脱硫や水素化のための水素 CDU capacity Mt/a CDU throughput Mt/a 85.8% 80.7% 81.5% CDU uƟůŝsaƟon % 74.5% 70% 75% 80% 85% 90% 500 800 2008 2010 2015 2020 2025 2030 CD U Ca p aci ty U Ɵůŝ sa Ɵ on R at e (% ) Cr u d e D is Ɵůů on Uni t C apa ci ty or Th ro ug hput ( M t/ a) -10% 0% 10% 20% 30% 40% 50%

CDU VDU REF DHC RHC FCC COK VIS HDS H2U

Ca p ac it y c h an ge (% )

EU27+2 ReĮnery Projects 2009-2015 Capacity change by process unit versus year-end 2008

Capacity addiƟons Capacity reducƟons Net change 46% 61% 19% 10% 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030 Midd le d ist il la te / Ga soline demand ra tio LPG Gasoline Petrochemicals Middle distillates Residual marine fuel Residual inland fuel Others MD/Gasoline ratio (RH axis)

S ource: Wood Mackenzie, CONCAWE

Total demand including biofuels

in EU27 + 2

(% m/m)

S ource: Wood Mackenzie, CONCAWE

2.4 6.3 351 333 115 48 717 552 0 100 200 300 400 500 600 700 800 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030 LPG Gasoline Petrochemicals Middle distillates Residual marine fuel Residual inland fuel Others

S ource: Wood Mackenzie, CONCAWE

Total demand for reĮned products

in EU27 + 2 (Mt/a) 図 1  欧州における石油製品需要の割合と、中間留分 / ガソリン比率 図 2 石油製品需要の推移  図 3 欧州の精製能力と稼働率の推移 図 4 2009-2015 年における石油精製設備投資計画 JPECニュース_3月号.indd 4 JPECニュース_3月号.indd 4 2013/03/11 17:40:092013/03/11 17:40:09

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5 化精製能力を 49% 増強する等です。一方、FCC 装置や常圧蒸留装置等の能力は削減される見込 みです(図 4)。 (4)日本におけるエネルギー及び石油政策動向(JPEC) 日本のエネルギー政策、石油関連政策について説明を行いました。また、2 年前に発生した東 日本大震災において、優れた運搬性や保管性、高エネルギー密度、分散型エネルギー等の、石油 製品の優れた特性により、震災時に被災地へのエネルギー供給に重要な役割を担ったことを説明 しました。 日本の石油産業は、継続的な需要低下、エネルギー供給構造高度化法に基づく精製能力削減等、 厳しい状況にあるものの、今回の震災を教訓にし、政府と協力しつつ災害対応力の更なる強化や 競争力強化のための重質油分解技術開発などに取り組むことで、石油の有効利用、安定した需要 の確保、サプライチェーンの適切な維持等を図り、日本の新たなエネルギー政策の実現に貢献し ていくと説明しました。

(5)EU legislation and policies also impact EU refining(欧州石油連盟) 欧州石油連盟からは、様々な EU 指令が欧州石油業界に及ぼす影響についての説明がありまし た。欧州排出量取引制度(EU-ETS)では、2013 年から第 3 期間が開始されます。低迷してい る炭素価格を改善させるため、EC 内で無償割当量の見直しの声もあり、石油精製業への第 3 期 間の影響は不透明な状況にあります。 船舶燃料規制関連について、EC は「特定の燃料に関する規制の改正案」を提案しました。IMO の燃料硫黄分規制との整合性を取ると共に、欧州一般海域で使用する燃料硫黄分の上限値を、現 在の 3.5wt% から 2020 年に 0.5wt% まで引き下げるというものです。ほぼ IMO 規制に沿った ものですが、IMO 規制の場合は 0.5wt% 硫黄分規制を 2020 年または 2025 年に実施するかを 2018 年時点で判断するとしていますが、EU 規制では有無を言わさず、EU 水域に対して 2020 年からこの規制を導入するとする点が IMO 規制とは異なります。

2011 年 6 月に EC が提案したエネルギー効率化指令(Energy Effi ciency Directive: EED)では、 エネルギー供給事業者に対して販売したエネルギーの 1.5%に相当する量の年間エネルギー節減 を達成する、という内容が盛り込まれていましたが、目標値の義務化については回避された模様 です。 また EC は、域内で代替エネルギー・燃料(電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)用水素、 天然ガス車用 CNG & LNG、バイオ、LPG)を普及させるため、これらの供給インフラ設置促進 に関する活動指針を発表する予定とのことでした(この指針は 2013 年 1 月末に公表されました)。

2.車両及び運輸燃料に関する戦略課題セッション

(1)自動車排出ガス規制と燃料品質・政策 (CONCAWE) ① EU 自動車排出ガス規制 欧州では、乗用車に関する排出ガス等の様々な規制が計画されています。排出ガス規制につい ては、2020 年以降に「EURO7」が設定される可能性が噂されています。また実走行での排出量 を規制化する「RDE(リアルドライブエミッション)規制」について、2014 年からモニタリン グが開始され、2017 ∼ 2018 年には規制化される予定となっています。CO2については、EC は 環境効率評価(Well to Wheel、WTW)の規制の検討を開始したとのことです。 EURO6 への対応ではエンジン側の対策と後処理側の対策をどの様に行うかについて、欧州各 メーカーで考え方が異なるようです。NOx 対策技術としては、吸蔵還元触媒(Lean NOx Trap、 LNT)と尿素による選択還元触媒(Selective Catalitic Reduction、SCR)とがありますが、欧州メー カーは重量車で既に SCR を経験しているので、乗用車にもこれを採用するだろうと予測してい

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ます。しかしその場合は尿素水の補給が必要となり、尿素の供給インフラ整備や、車両搭載の尿 素タンクの規模など様々な課題があります。これらの問題をどのように克服しながら EURO6 対 応車を投入してくるか、欧州各メーカーの技術開発動向が注目されます。 ②軽油品質 2012 年 10 月に欧州 18 カ国で実施した軽油市場調査結果の紹介がありました。各国のサー ビスステーションから 163 サンプルを採取し、軽油の FAME 含有量や酸化安定性(Rancimat、 PetroOxy 等)、セタン価向上剤の添加量等を調査しています。FAME 含有量については、欧州軽 油品質規格(EN590、7vol% 以下)を全てのサンプルで満足していました(図 5)。また中には FAME 未混合品も見受けられました。セタン価向上剤(2-ethyl-hexyl nitrate、2EHN)については、 ほとんどの国で利用しています。尚、フィンランドは添加が確認されませんでしたが、これは高 セタン価バイオ燃料基材である水素化植物油(HVO)を利用しているため、セタン価を添加剤な しで維持できていると CONCAWE は推察しております。酸化安定性については、3 カ国(クロ アチア、イタリア、ポーランド)を除いて品質規格(Rancimat110℃試験で 20 時間以上)を満 足していました(図 6)。尚、欧州標準化委員会(CEN)が、試験時間短縮のために Rancimat 試 験の温度を 110℃から 120℃に変更する検討をしていますが、両温度で実施した場合の試験結果 は高い相関が得られていました。一方、Rancimat110℃と、PetroOxy 試験器による 140℃試験(試 験時間∼ 1 時間)との相関は高くないことを把握しています(相関係数:R2 = 0.4183)。また、 FAME 含有量と Rancimat 及び PetroOxy による酸化安定性結果とは相関がなく、FAME 含有量 でこれら酸化安定性予測することはできないとのことです。 ③バイオ燃料政策 バイオ燃料の政策動向について、再生可能エネルギー指令(RED)におけるバイオ燃料利用に 関する見直し案が 2012 年 10 月に EC から発表されました。同案は、RED の運輸部門 2020 年 再生可能エネルギー目標値の 10% に対して、穀物由来のバイオ燃料の比率を最大 5%(これま での目標値の半分)に制限し、代わりに固形廃棄物や農林業水産廃棄物由来のバイオ燃料は 4 倍 でカウントできるようにする(例えば 1% の利用でも 4% とカウントできる)、というものです。 更に見直し案には、でんぷん系、糖類、植物油系バイオ燃料の間接土地利用変化(ILUC)による GHG 排出量導入の内容も盛り込まれました。明らかに穀物由来以外の次世代バイオ燃料へのシフ トを促す提案となっており、既存のバイオ製造業者は強く反対している状況です。本提案が施行 となった場合、RED10% の目標達成は難しいと CONCAWE は考えており、2014 年に RED の リビューが行われる予定になっていますが、目標値自体が見直されるだろうと、CONCAWE を含 め、多くの利害関係者が成り行きを見守っているとのことです。 図 6  2012 年軽油市場調査(酸化安定性、 Rancimat at 110℃) 図 5 2012 年軽油市場調査(FAME 含有量) JPECニュース_3月号.indd 6 JPECニュース_3月号.indd 6 2013/03/09 13:12:082013/03/09 13:12:08

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(2)JATOP(Japan Auto Oil Program)の研究開発概要 (JPEC)

バイオディーゼル(FAME)の酸化安定性評価試験や常温貯蔵安定性試験の結果を中心に、 JATOP で実施した自動車燃料評価試験についての報告 と、JATOP Ⅱで現在実施中の、ディーゼル車将来燃料に 関する研究開発について紹介しました。欧州では FAME が広く使われているということもあり、CONCAWE は、 FAME に関連する試験、特に常温貯蔵安定性試験におけ る常温析出物の解析について強い興味を示していました。 将来型ディーゼル燃料に関する検討の説明に対して、将 来の性状想定図に対する質問やバイオ燃料混合、セタン 価向上剤添加に対する質問等がありました。 (3) 日本における次世代自動車の動向(JAMA-EU)(都合により当日説明ができなかった ため、2013 年 1 月 9 日に CONCAWE に説明していただきました。) 2010 年に経済産業省が公表した「次世代自動車戦略 2010」、エコカー減税の導入後の環境に 優しい新型車(EFV)の市場導入状況、2015 年以降の燃費規制等についてご紹介いただきました。

3.技術戦略課題セッション

(1)Refining technology in EU(CONCAWE)

IMO 船舶燃料規制等の将来的な品質規制が、石油精製業のコストや CO2排出へ及ぼす影響に ついての説明がありました。この品質規制に対応するために、前述のとおり 2009 年から 2015 年にかけて、約 300 億ドルの投資が欧州石油精製業界から発表されていますが、2008 年から 2020 年までの間、全ての規制に合致するために必要な投資額は 510 億ドル、即ち更に 210 億 ドルが追加で必要となると CONCAWE は試算しています。これは主に IMO における 2020 年の グローバル船舶燃料規制(硫黄分 :0.5wt% 以下)に対応させるための費用です。510 億ドルは 2008 年から 2020 年までの原油処理費用に換算すると 1 ドル / バーレルに相当するとのことです。 欧州製油所から排出される CO2について(図 7)、2008 年から 2010 年にかけ、製品需要の低 下により石油精製における CO2排出量は 7Mt(百万トン)減少しました。しかし、2015 年の硫

黄酸化物排出規制海域(SOx Emission Control Area、SECA)規制、2020 年のグローバル規制

により CO2排出量は大幅に増大(約 15Mt)すると試算しています。只、2020 年から 2030 年 にかけての製品需要の低下により CO2は 9Mt 減少するため、2030 年における排出量は 2008 年 と同レベルと予測しています。EC に対しては、「石油製品の品質は向上するが CO2は減少しない」 と主張しているとのことです。 会議風景−日本側発表 図 7 EU 製油所から排出される CO2(2008-2030 年) 140 145 150 155 160 165 Base case - 2008 Demand 2010 FQD PAH 8% SECA bunker 1.0% Demand 2010-2015 Inland Marine Gasoil 10 ppm Non-road Diesel 10 ppm S SECA bunker 0.1%, switch to disƟllate Demand 2015-2020 IMO general bunker 0.5%, Ferry bunker 0.1% Demand 2020-2025 Demand 2025-2030

CO2emissions (Mt/a)

Demand-related Quality-related

These figures assume constant refinery energy efficiency frozen at the 2008 level

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また、上述の IMO 規制を満足させるため、全ての船舶業者が SOx を除去するスクラバー設備 を導入した「Scrubber ケース」と、全くスクラバーを導入せず、製油所が IMO 規制に適合した

製品を提供する「IMO ケース」とで、欧州製油所における CO2排出量と投資コストの違いについ

て試算しており、IMO ケースは Scrubber ケースに対して、投資コストで 190 億ドル、CO2排出

量で 17Mt/ 年増加する、という結果が得られています(但し船舶にスクラバーを導入すると燃費 が悪化(8Mt)するため、船舶からの CO2を含めたネットでのスクラバー CO2削減効果は 9Mt (17-8)となります )。 (2)石油精製技術の最新情報 - ペトロリオミクス 技術開発(JPEC) 2011 年度から当センターで開始したペトロリオミク ス技術開発について、概要と進捗状況等について説明し ました。詳細構造解析や反応モデリングに関しての質問 がありましたが、本技術開発に対しては興味深く、今後 も情報提供をしてほしいとの要望が出されました。 (3)Air Quality (CONCAWE)

製油所等からの排出ガスを規制する EU 産業排出指令(Industrial Emissions Directives)につ いての説明がありました。「利用可能な最善の技術(Best Available Techniques、BAT)」が参照 用文書(Best Available Technique Reference、BREF)に盛り込まれ、BAT の適用が対象施設 に義務付けられることになりました。これにより産業界に要求される排出ガス対策のレベルが上 がるため、EU 石油業界全体で総額で 100 ∼ 300 億ユーロの設備投資が必要になるとのことです。 CONCAWE の大気グループでは、業界が BAT をスムーズに導入できるようにするため、製油所 における BREF のレポートを作成し、情報提供を行っています。

(4)Water in EU Legislation & the Refining Industry s response (CONCAWE) 欧州水枠組み指令 (The Water Framework Directive、WFD)の説明と、CONCAWE の取組み についての説明がありました。この指令は、欧州の水質と水量を保護するために制定されたもので、 2015 年に中間目標を定め、2027 年に全ての廃水からの汚染物質を排除することを最終目標とし ています。CONCAWE は、2011 年までに WFD に指定され、河川流域の管理計画(River Basin Management Plans)を提出した国々に対し、製油所が利用している河川流域の水質状況を評価 しています。欧州では水の汚染防止対応が極めて重要で、大量の水を消費する製油所の対応の重 要性が示されました。

おわりに

当センターは、EU が環境保全・温暖化対策の政策・制度の構築と実行の分野で長期的な目標 を持って進んでいることと、これが我が国を含めて世界への影響、波及効果が大きいとみられる ことから、EU の最新の動向を適時に把握する事は極めて重要と考えます。そのため、今後も欧 州事務所を通じた情報収集を継続するとともに日欧間の技術交流を継続的に企画・推進して、わ が国石油産業の国際競争力を強化するための事業展開に資する技術情報の収集・分析と提供に努 めたいと考えます。 次回の第 6 回日欧石油技術会議は 2013 年度に東京で開催する予定ですので、皆様の会議への 聴講参加を歓迎致しますとともに、開催に当たってのご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。 会議風景−日本側発表 JPECニュース_3月号.indd 8 JPECニュース_3月号.indd 8 2013/03/09 13:12:152013/03/09 13:12:15

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特集

1.はじめに

当センターでは平成 19 年度から平成 23 年度までの 5 年計画で実施した『革新的次世代石油 精製等技術開発事業』により、今後予想される非在来型原油等の供給源の多様化や従来型原油の 重質化、国内石油製品需要の白油化、重油需要の減少に対応するための技術開発に取り組みました。 今回はその中で(4)革新的精製技術シーズ創製のための研究として実施した、分離膜を用い る精製技術の省エネルギー化の基礎研究について紹介します(図 1)。 図 1 革新的次世代石油精製等技術開発事業

2. 新規イオン液体を用いるメンブレン・コンタクター法および

液膜法によるプロピレン/プロパンの分離に関する研究(神戸大学)

(1)研究開発の目的 エチレンやプロピレンに代表されるオレフィン系炭化水素化合物は石油化学工業の重要な基礎 化学品の一つとして世界で大量に生産されています。 石油・石化プロセスにおいて、プロピレン/プロパン等の同じ炭素数のオレフィン/パラフィ ンの分離は低温蒸留法を用いて行われていますが、両者の蒸気圧差が非常に小さいので、多くの 精留段数(約 300 段,塔高約 100m)を有する精留塔を用いて高還流比(10 以上)で分離され ています。特にプロピレン/プロパンの分離は多量のエネルギーを要する分離操作の一つです。 このような背景から、蒸留法に代わり省エネルギー化を実現する技術として膜分離法等のオレ フィン/パラフィンの分離法が研究されていますが、その一つとして、オレフィンが Ag イオン と錯体を形成する特性を利用して、オレフィンをパラフィンから分離する方法が注目されていま す。硝酸銀水溶液によるプロピレン、プロパンの吸収機構を図 2 に示します。プロパンは液に物 理的に吸収されるのに対して、プロピレンは物理的に溶解するのと同時に液中の Ag イオンと可 逆的に反応してπ錯体(Ag-C3H6) + を形成することで化学的に吸収されます。放散過程では吸収 過程と逆の方向に反応が進行してプロピレンが放出されます。

調査報告

「革新的次世代石油精製等技術開発事業の紹介」

∼有機または無機材料の分離膜を用いる精製技術の基礎研究∼

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図 2  (a) 硝酸銀溶液へのプロパン、プロピレンの吸収機構 および (b)Ag+とオレフィン系炭化水素が形成 する電荷移動型錯体の結合様式 本研究では、このプロピレンと Ag イオンの化学的な反応を利用した分離膜の基礎研究として、 メンブレン・コンタクター法とキャリア含有イオンゲル膜法によるプロピレン/プロパンの分離 に関する研究を行いました。 ※コンタクター:膜自身に化学的な機能性を付加し、反応を膜中や膜表面で行う反応形式。 (2)研究開発の成果 ①メンブレン・コンタクター法における中空糸膜の作製 メンブレン・コンタクターによるガス 吸収操作では、図 3 に示すように吸収用 中空糸膜モジュールの中空糸膜の一方に フィードガスを、他方に吸収液を供給し ます。フィードガス中の可溶成分は、膜 の細孔内を吸収液側へ拡散し吸収液に吸 収されます。ガスを溶解したリッチ吸収 液は放散モジュールにて溶解ガスを放出 し、リーン吸収液となって吸収モジュー ルに循環されます。 メンブレン・コンタクターを用いた気 液接触は、非常に大きな気液接触面積が 得られることや、ローディングやフラッディングが起こらないこと等、多くの長所があります。 一方、短所として膜が吸収液で濡れる(細孔内に吸収液が浸入する)と吸収速度が著しく低下す ることが挙げられます。従って、メンブレン・コンタクターの課題は膜の濡れを如何に防止する かであり、吸収液に濡れない膜の作製が重要です。 そこで、本研究では、膜素材として疎水性が極めて高く、且つ機械的強度に優れるポリフッ化 ビニリデン(PVDF)を用いました。PVDF 高分子溶液を原料とし、中空糸膜作製時の条件として、 内部流体(溶媒または窒素)、凝固浴温度を変えることで、内表面、外表面の多孔度を変化させた 5 種類(A ∼ E)の PVDF 膜を作製し(図 4)、図 5 に示す実験装置による分離性能の評価を行い ました。 ②メンブレン・コンタクター法におけるプロピレンの分離 吸収用メンブレン・コンタクターと放散用メンブレン・コンタクターを接続して、吸収と放散 の一体化モジュールとし、プロピレン/プロパン混合ガスからのプロピレンの分離について検討 ⭷ෆഃ 䜺䝇 ྾཰ᾮ ␯Ỉᛶ୰✵⣒ከᏍ⭷ 䝯䞁䝤䞁䝁䞁䝍䜽䝍䞊 ᨺᩓ 䝰䝆䝳䞊䝹 ྾཰䝰䝆䝳䞊䝹 䝣䜱䞊䝗䜺䝇 C3H6/C3H8 ᤼ฟ䜺䝇 ᅇ཰⃰⦰C3H6 ྾཰ᾮ䛾ᚠ⎔ 䜺䝇 ⭷እഃ ྾཰ᾮ ⣽Ꮝ Ẽᾮ ⏺㠃 㻯㻟㻴㻢 㻯㻟㻴㻢 ⭷ෆഃ 䜺䝇 ྾཰ᾮ ␯Ỉᛶ୰✵⣒ከᏍ⭷ 䝯䞁䝤䞁䝁䞁䝍䜽䝍䞊 ᨺᩓ 䝰䝆䝳䞊䝹 ྾཰䝰䝆䝳䞊䝹 䝣䜱䞊䝗䜺䝇 C3H6/C3H8 ᤼ฟ䜺䝇 ᅇ཰⃰⦰C3H6 ྾཰ᾮ䛾ᚠ⎔ 䜺䝇 ⭷እഃ ྾཰ᾮ ⣽Ꮝ Ẽᾮ ⏺㠃 㻯㻟㻴㻢 㻯㻟㻴㻢 䝯䞁䝤䝺䞁䝁䞁䝍䜽䝍䞊㻌 図 3 メンブレン・コンタクターの模式図 (a) (b) C3H8(g) C3H6(g) C3H8(l) C3H6(l) AgNO3 Ag+ + NO3 -C3H6(l) + Ag+ Complex Surface ྾཰ ࢖࢜ࣥゎ㞳 㘒ᙧᡂ཯ᛂ Gas phase Liquid phase JPECニュース_3月号.indd 10 JPECニュース_3月号.indd 10 2013/03/09 13:12:212013/03/09 13:12:21

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11 しました。 実験装置の模式図を図 5 に示します。原料ガスはプロピレン/プロパン混合ガスを吸収モジュー ルのシェル側に供給し、硝酸銀水溶液は定量ポンプにより中空糸膜内側に供給しました。吸収モ ジュール上部から排出するリッチ溶液は放散モジュールに供給し、吸収液中に溶解したガスを放 散した後、吸収モジュールに循環しました。各々のモジュールから排出されるガスの組成はガス クロマトグラフィーを用いて測定しました。 図 6 に純プロピレン吸収速度の経時変化の一例を示します。実験開始直後では硝酸銀水溶液は プロピレンをほとんど吸収していないため、吸収速度が大きく、逆に放散速度は小さいですが、 時間の経過に伴う溶存プロピレン濃度の増加に伴い、この実験条件の場合は約 4 時間で定常状態 に達しました。また、液流量を増すほど定常状態に達するまでに要する時間は短くなることが分 かり、さらに、原料ガス中のプロピレン分率、吸収液の流量、Ag イオン濃度、および操作温度等 の条件を変えてプロピレン選択分離性を検討した結果、プロピレンを連続的に分離、回収できる ことが分かりました。 MFC MFC C3H6 C3H8 N2 MFC GC Absorptionmodule Desorption module Absorbent reservoir Gas flow meter Gas flow meter GC Vent Liquid level controller Sampling port Lean solution Rich solution Vent MFC MFC C3H6 C3H8 N2 MFC GC Absorptionmodule Desorption module Absorbent reservoir Gas flow meter Gas flow meter GC Vent Liquid level controller Sampling port Lean solution Rich solution Vent 0 1 2 3 4 5 0 0.002 0.004 0.006 0.008 ྾཰㏿ᗘ ᨺᩓ㏿ᗘ Propyl

ene absorption flux [mol/(m

2 s)]

Time [h]

図 6 プロピレン吸収速度、放散速度の経時変化 図 5 プロピレン分離試験装置の概略図

図 4  作製した PVDF 中空糸膜(A ∼ E)および市販 PTFE 膜(F)の内表面(1)および外表面(2)の SEM 写真 A1 A2 B1 B2 C1 C2 D1 D2 E1 E2 F1 F2 JPECニュース_3月号.indd 11 JPECニュース_3月号.indd 11 2013/03/09 13:12:232013/03/09 13:12:23

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③キャリア含有イオンゲル膜法 界面積の増大と装置のコンパクト化を同時に解決する膜分離法として、多孔質膜の細孔中に液 体を含浸した含浸液膜を用いる方法があり、回収目的物質と親和性の高い化合物(キャリア)を 溶解した液体を含浸させた膜は、特に促進輸送膜と呼ばれています(図 7)。促進輸送膜を用いた ガスの分離では、一般的な高分子膜に比べて非常に迅速な透過速度と極めて高い選択透過性が得 られますが、膜からのキャリア液の漏出や溶媒の揮発に伴う劣化が大きな問題とされています。 本研究では膜からのキャリア液の揮発損失を抑制するために、蒸気圧が無視できるほど小さいイ オン液体としてプロピレン・キャリアを溶解したイオンゲルをキャリア液に用いた膜を作製し、 図 8 の装置によりプロピレン/プロパンの分離を検討しました。

Ag 塩 化 合 物 の Silver bis(trifl uoromethanesulfonyl)imide(AgTf2N)、Silver trifl uoro-

methanesulfonate(AgTfO)、および Silver tetrafl uoroborate(AgBF4)をキャリアとして使用し、

ゲル化剤として低分子ゲル化剤および 12-hydroxyoctadecanoic acid(12-HODA)を用い、Ag 塩含有イオンゲルを調製して、親水性 PTFE 多孔膜を浸漬し、親水性 PTFE 膜の細孔内にキャリ ア液を含浸させて膜を作製し、図 8 に示す装置でプロピレン/プロパンガス透過試験を行いまし た。 その結果、ゲル化剤として 12-HODA を用いて作製した Ag 塩含有イオンゲル膜は、差圧が 250 kPa 程度でも膜が破たんせず、良好なプロピレン選択透過性を示しました。また、原料ガス のプロピレン分圧を変えて実験を行ったところ、プロピレン選択透過性はプロピレン分圧に大き く依存しており、一般的に促進輸送機構に特有の傾向とされる結果が得られました。 (3)まとめ 本研究では、Ag イオンとプロピレンの選択的な反応を利用したプロピレン/プロパンの分離膜 について、メンブレン・コンタクター法およびキャリア含有イオンゲル膜での検討を行いました。 ・メンブレン・コンタクター法 製膜条件を変えて異なる多孔度を有する PVDF 中空糸膜を作製した結果、吸収液に濡れにくい 中空糸膜を得ることができ、さらに、吸収と放散を一体化したモジュールと組み合わせて用い ることで、プロピレンを連続的に分離、回収できることが分かりました。 ・キャリア含有イオンゲル膜法 蒸気圧が無視できるほど小さいイオン液体として、ゲル化したキャリア液を用いて調製したキャ リア含有イオンゲル膜により、膜からのキャリア液損失による膜の劣化を抑制できることが分 かりました。また、プロピレン透過速度に及ぼすイオンゲル物性の影響について検討し、プロ ピレン選択分離に好適なイオンゲル膜作製に関して知見を得ました。 ࢟ࣕࣜ࢔㸸⭷ෆ࡛ศ㞳ᑐ㇟≀㉁࡜ྍ㏫ⓗ࣭ 㑅ᢥⓗ࡟཯ᛂࡍࡿ ཎᩱഃ ⭷ ㏱㐣ഃ ᅛᐃ࢟ࣕࣜ࢔ ⛣ື࢟ࣕࣜ࢔ C3H6 MFC ᕡ᷷᳓ᮏ ⤑ GC ࠟࠬಽᨆ ಄ළ᳓ᮏ ឃ᳇ ಄ළ᳓ᮏ ࠟࠬㅘㆊ࠮࡞ C3H8 MFC He MFC 図 8 ガス透過性能評価装置の概略図 図 7 促進輸送膜の気体透過概念図 JPECニュース_3月号.indd 12 JPECニュース_3月号.indd 12 2013/03/09 13:12:292013/03/09 13:12:29

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3. ゼオライトを材料とする C

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炭化水素等

分離膜部材の開発(早稲田大学)

(1)研究開発の目的 石油・石化プロセスの蒸留工程の省エネルギー化技術の候補として膜分離法がありますが、有 機高分子を材料とする分離膜を使用した場合、耐熱性、耐薬品性等が課題となります。無機材料 では耐熱性等に優れ、材料固有の特性に基づく高い選択性が得られる一方で、分子の大きさ等に よって分離対象が限られるという課題があります。 本研究では、様々な分離対象に対する幅広い応用展開を可能とする分離膜基礎技術の開発を目 的に、無機材料であるゼオライトを材料とした分離膜を用いた、C6程度の直鎖炭化水素と分岐炭 化水素の分離、キシレン異性体の分離を行う分離膜部材の開発を行いました。 (2)研究開発の成果 ① silicalite-1 ゼオライト膜合成 無機膜の中でもゼオライト膜は、ゼオライトの細孔の大きさに起因する分子ふるい作用や、ゼ オライト固有の吸着特性を利用した高い透過選択性が期待できます。 MFI 型ゼオライトである silicalite-1 は 0.6 nm 程度の細孔径を持ち、キシレン異性体の分子径 と大きさが近いことから、キシレン異性体の分離への応用を検討しました。 本研究では、図 9 に示すように、多孔質ーアルミナ管支持体上に種結晶を塗布し、その後ゼオ ライトの合成ゲル中で二次成長を行うことで silicalite-1 膜の合成を試みました。 まず、種結晶スラリー調製用として、蒸留水、エタノール、アンモニウムハイドロオキサイド 化合物 (TPAOH)、オルトシリケート化合物 (TEOS)を用いて合成ゲルを調製し、合成ゲルを水 熱条件下(433 K、24 時間)で結晶化することで silicalite-1 母結晶を合成しました。 種結晶スラリーは、母結晶を粉砕し、遠心分離によって大きな結晶を除去した後、分散媒を加 え濃度を調節することで調製しました。 silicalite-1 膜は、silicalite-1 種結晶を用いた二次成長法により支持体上に製膜しました。支持 体には多孔質 - アルミナ管を使用し、種結晶スラリーに浸して支持体上に担持した後、種結晶担 持済みの支持体が静置されたテフロン製容器に合成ゲルを注ぎ込み密封し、オートクレーブ内で 水熱合成(443 K、24 時間)することで結晶化して調製しました。 図 9  silicalite-1 膜調製の方法

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②透過分離試験 透過分離試験は図 10 に示す蒸気透過試験装置を用いた蒸気透過分離によって行いました。原 料混合液を気化室(Preheater)で気化し、原料ガスを希釈ガス(He)にて所定の分圧に希釈し た後にモジュール内の膜に導入、透過側には掃気ガスとして He を流し、原料ガスの分圧は原料 液体の混合比と希釈ガス流量を変えることで調整しました。原料としては、n- ヘキサン、2- メチ ルペンタン、2,2- ジメチルブタンの等モル混合液と m- キシレン、p- キシレンの等モル混合液を 用いました。膜を透過したガスをガスクロマトグラフィーで分析し、透過成分の透過度、分離係 数等を算出して、透過分離性能を評価しました。 図 11 に示すように、異性体の分離はゼオライト膜を担持させた支持体を原料ガスが通過する 際に、特定の異性体だけが膜を透過して支持体の外に出ることにより行われます。 本研究では、ゼオライト膜を調製する条件を変えて検討し、水スラリーを用いて合成した表面 が平滑な膜と、エタノールスラリーを用いて合成した膜での透過分離性能を比較しました。 その結果、n- ヘキサンと 2- メチルペンタン、2,2- ジメチルブタンでは、水スラリーを用いて 合成した表面が平滑な膜の方が、C6異性体の透過分離試験において高い n- ヘキサン選択性を示 しました。 さらに、水スラリーを用いて合成した表面が平滑な膜は、m- キシレン、p- キシレンのキシレン 異性体の透過分離試験において比較的高い選択性を示しました。 (3)まとめ ・silicalite-1 ゼオライト膜合成: 種結晶の担持状態と結晶成長条件を詳細に検討することで、管状支持体上に一段で炭化水素分 離性能を持つ silicalite-1 膜を合成することができました。 ・透過分離試験: 小さな種結晶を多く担持し、アスペクト比を小さく成長させて得た silicalite-1 膜は、C6異性 体の透過分離試験において高い n- ヘキサン選択性を示しました。また、キシレン異性体の透過 分離試験において高い p- キシレン選択性を示しました。 Vent Heater Membrane Graphite seal Vent GC (FID) Pump Feed Preheater He

Sweep gas(He); 100 mL(STP) min-1

Pump flow rate; 4.0μL (liq) min-1 Ar/

CH4

Dilution gas (He); 100 mL(STP) min-1

Standard substance gas(Ar/CH4); 5 mL(STP) min-1

;\OHQHLVRPHUV m-, o-xylene =HROLWH0HPEUDQH 6XSSRUWLQJ7XEH &HUDPLFV p-xylene m-, o-xylene p-xylene 図 11 キシレン分離メカニズム概念図 図 10 蒸気透過試験装置の模式図 JPECニュース_3月号.indd 14 JPECニュース_3月号.indd 14 2013/03/09 13:12:362013/03/09 13:12:36

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1.はじめに

当センターでは、製油所の安全安定運転を支援し石油の安定供給に資することを目的に、平成 17 年度より石油産業安全基盤整備事業を開始し、平成 23 年度に終了しました。この間、安全支 援システム(JPEC-SAFER)(図 1 参照)を構築・運営し、安全に係る教育教材・Web ラーニン グ教材、バーチャルリアリティ教材等の教育資料および国内外製油所等の事故事例等を収集・作成・ 登録し、データベースの充実を図り、約 1,700 件を超えるコンテンツを公開しました。石油各社 を中心として大学・企業および個人ユーザーによる JPEC-SAFER へのアクセス総数は約 46 万件 (平成 25 年 2 月現在)を超え、継続して利用されてきました。本稿では、JPEC-SAFER の分野別デー タベースの中で、これまでに多く閲覧された事例を紹介します。 図 1 JPEC-SAFER Web サイト画面 (URL:http://safer.pecj.or.jp/)

2.主なコンテンツ

この事業では、①第1期の事業で構築した情報共有化システム「JPEC-SAFER」のコンテンツ の充実とシステムの高度化、②工学分野で実績のある安全技術を製油所に適用できるように改善 改良する適用調査を実施しました。

「製油所の安全安定運転の支援の取組み」

∼安全支援システムの実績とコンテンツ事例の紹介∼

トピックス

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(1)データーベース JPEC-SAFER のデータベース(DB)は、安全教育 DB、事故事例 DB、ヒヤリハット DB、工 事管理 DB、劣化事例 DB から構成されます。データベース登録件数については、表 1 を参照願 います。 ①安全教育 DB ベテラン技術者が減少する中で、若手社員への保安技能の伝承や保安教育を支援する目的で、 教育資料合計 846 編を公開しています。(一般基礎知識 173 編、操作に関する知識・技術 597 編、 Web ラーニング/バーチャルリアリティ教材他 76 編) 表 1 JPEC-SAFER データベース(DB) 登録件数 ②事故事例 DB・ヒヤリハット事例 DB 製油所関係の事故事例および事故に至る前に防止できたヒヤリハット事例を収集し、トラブル の要因、再発防止対策等の解析を加えて活用しやすいように加工し、石油業界全体で共有するこ とによる事故の再発防止を狙いとしてヒヤリハット事例 320 件、事故事例 423 件を公開しました。 ③工事管理 DB・劣化事例 DB 設備に係る事故には、設備の劣化に起因するものと工事品質不良(溶接欠陥、フランジの締め 付け不良など)に起因するものがあります。劣化事例 DB は通常公開されない劣化事例を共有化 し水平展開することにより、事故の再発防止を狙いとするものです。工事管理 DB は設備所有者 の立場で工事品質を確保するために、管理のポイントを、ガイドラインとして纏めたものです。 劣化事例 153 件、工事管理ガイドライン 23 編を公開しました。 (2)Web ラーニング教材 Web ラーニングは、ウェブ上で動画や音声などを用いて学習を進める教材です。3 つのカテ ゴリー(知識編、操作編、事故事例編)があり、誰でもが手軽に自己学習できるようにしていま す。一教材の学習時間は5∼15分に設定しています。本教材については、平成 22 年 3 月号の JPEC ニ ュ ー ス(URL:http://www.pecj.or.jp/japanese/jpecnews/pdf/jpecnews201003.pdf) のトピックスで紹介しましたが、それ以降もさらにコンテンツを拡充し、表 2 に示すとおり、最 終的に 60 編の教材を作成・公開しました。Web ラーニング教材の例を図 2 に示します。 表 2 Web ラーニング教材 Web ラーニング教材のカテゴリ 件数 製油所のプロセス、運転、保全に関する技術(知識編) 10 操作に関する知識(操作編) 25 事故で得られた教訓(事故事例編) 25 JPECニュース_3月号.indd 16 JPECニュース_3月号.indd 16 2013/03/09 13:12:442013/03/09 13:12:44

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17 (3)バーチャルリアリティ教材 バーチャルリアリティ(VR)とは、仮想現実感、人工現実感ともいわれ、コンピューターグラ フィックスや音響効果を組み合わせて人工的に現実感を作り出し、その本質を伝える技術です。「み かけや形は現物そのものではありませんが、本質的あるいは効果としては現実であり現物である こと」と定義されています。この体験型教育教材の本質は、学習者に学んで欲しい事柄、つまり「危 険」を体験させることであり、モックアップや実際のプラントでは実現不可能な異常や事故を VR で再現し、学習者に本質を伝えることを目的としています。本教材については、平成 24 年 3 月 号 の JPEC ニ ュ ー ス(URL:http://www.pecj.or.jp/japanese/jpecnews/pdf/jpecnews201203. pdf)のトピックスで紹介しましたが、最終的に平成 24 年度に 3 編の教材を完成し、公開しました。 製油所プラントに係る安全教育用教材として、大変シンプルな形でVR技術を利用し作成・公開 したものであり、国内で初めての試みです。VR 教材の例を図 3 に示します。 図3  VR 教材の例:硫化水素中毒による死亡事故 教育内容 ・硫化水素の危険性 ・硫化水素を取り扱う設備の工事の安全対策 (仕切板の挿入、調節弁で遮断することの危険性) ・工事の連絡調整の重要性 (特に変更、追加工事) ・危険表示(赤テープ等)の周知徹底の重要性 ・硫化水素漏洩時の対応(2 次災害防止) 図 2  Web ラーニング教材(事故事例編)の例:BTX 製造装置における加熱炉加熱管の破裂火災 JPECニュース_3月号.indd 17 JPECニュース_3月号.indd 17 2013/03/09 13:12:442013/03/09 13:12:44

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図 4 VR(バーチャルリアリティ)教材(DVD 版) (4)AE 法を用いたタンク底部の腐食損傷評価技術に係る調査研究 当センターが調査研究で実施したタンク底部の腐食損傷評価に係る計測方法は、(一社)日本高 圧力技術協会が 2005 年 5 月に制定した技術指針(AE 法による石油タンク底部の腐食損傷評価 手法に関する技術指針、HPIS G110TR2005)に従った計測方法(側板方式)と、AE センサを アニュラ板の張出部に取り付ける計測方法(アニュラ方式)を併用したものです。この2つの方 式を併用し新たなノイズ処理手法を導入することにより、ノイズの識別精度および腐食位置の標 定精度が向上し、腐食診断の精度が向上するものと考えられます。当センターでは、製油所の実 機タンク底板の AE 計測・解析を行った結果、AE 活動度と平均最大腐食率との間に強い相関性が 認められ、腐食を評価する技術を確立できる可能性を見出して、腐食損傷評価ガイドラインを策 定しました。この技術が確立されれば、タンクの設備信頼性の向上とタンクの腐食状況に応じた 開放検査を行うための合理的な保全管理の実現が期待されます。本調査研究の内容詳細につきま しては、平成 24 年 7 月号の JPEC ニュース(URL:http://www.pecj.or.jp/japanese/jpecnews/ pdf/jpecnews201207.pdf)の特集で紹介してありますので、別途ご参照願います。

3. JPEC-SAFER の利用状況

(アクセス数の推移、分野別コンテンツ件数/アクセス数)

JPEC-SAFER のアクセス数の推移を図 5 に示します。年間の平均アクセス数は、約 7 万 3 千件。 分野別にみたコンテンツ件数を図 6 に、アクセス数の割合を図 7 に示します。本稿では、代表例 としてアクセス数が多い分野の上位コンテンツの中から、教育資料(安全教育全般、Web ラーニ 㧔134,800㧕 ᐕ㑆ߩᐔဋࠕࠢ࠮ࠬᢙ㧦⚂73,000 ઙ ੐ᬺߩታᣉᦼ㑆㧔ᐔᚑ17 ᐕᐲ㨪ᐔᚑ 23 ᐕᐲ㧕 図5 JPEC-SAFER へのアクセス数の推移 JPEC-SAFER に、以下の3つの教材を公開しました。 ・高温重質油サンプリング時の火災事故 ・硫化水素中毒による死亡事故 ・加熱炉点火時の爆発事故 本教材は、インターネットに接続可能な環境にあるパソコン (ディスプレイ・キーボード・マウス付)であれば基本的に 学習可能です。(図 4) JPECニュース_3月号.indd 18 JPECニュース_3月号.indd 18 2013/03/09 13:12:502013/03/09 13:12:50

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19 ング事例)および事故事例について、事例の概要を表 3 から表 5 に示しましたので、ご参照願い ます。 図 6 JPEC-SAFER のコンテンツ件数 図7 JPEC-SAFER のアクセス数

4.おわりに

JPEC-SAFER は、安全教育、設備安全、ヒヤリハット・事故事例等の複数のデータベースで構 成されている、国内外でも他に類を見ない環境安全情報データベースとして、たくさんのユーザー に幅広くご活用いただきました。本事業全体の推進にあたっては経済産業省より多大な支援を賜 り、データベース構築・運用等にあたっては、製油所安全に係る石油各社、大学ならびに関係事 業者の協力のもと、貴重なご意見等を頂戴しながら、コンテンツの拡充やシステム改善に反映し てまいりました。ご協力いただきました関係者の皆様に深く感謝いたします。 当センターでは、今後も引き続き、製油所等海外のエネルギー関連施設の環境安全情報を広く 収集し提供してまいります。皆さまのご理解、ご支援、ご協力をよろしくお願いします。 JPECニュース_3月号.indd 19 JPECニュース_3月号.indd 19 2013/03/09 13:12:512013/03/09 13:12:51

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表 3 教育資料(安全教育全般)アクセス数上位コンテンツ一覧(全 846 件中の 10 件の事例) タイトル 内容 アクセス数 公開年 作業の基本(1/2) 作業の基本についての説明とそれに関連した事故事例集。事例 については絵付でわかりやすい。 (1-1)服装、 (1-2)環境整備、 (1-3)作業の一般注意事項 7,180 2006 年 石油精製装置の概要 主な石油精製装置の概要・能力と単体機器について説明。 5,215 2006 年 体験安全施設一覧 緊急時の初期対応能力の育成の一助とするため、実火による防 災訓練等の疑似体験設備など国内の体験型安全教育施設を整理 して一覧を紹介。 3,900 2008 年 蒸留(1)蒸気圧と関係式 蒸気圧について、石油精製で取り扱う物質を例に、蒸気圧、沸 点や計算方法について解説している。練習問題も記載。 3,651 2006 年 新入社員教育資料 新入社員教育資料。 安全ルールやモラルについての説明。 1.職場のエチケット 2.仕事の安全衛生のプロとは 3.KYK(危険予知活動) 4.ヒューマンエラー(ことわざ編) 3,353 2006 年 第1章 保安意識の高揚 保安教育テキスト: 1.安全の概念 2.安全環境(社会情勢) 3.安全管理活動 4.運転基準類 2,763 2006 年 BP テキサスシティ製油所事 故状況アニメ・ビデオ(リ ンク) 2005 年 3 月 23 日、テキサス州 BP テキサスシティ製油所 で 15 名の死者、170 名以上の負傷者が出た事故状況を CG を用いてわかりやすく表現(英語)。

出 典:CSB(U.S. Chemical Safety and Hazard

Investigation Board) 2,646 2008 年 オフサイトシステム概要(新 入社員教育用) オフサイトのシステムを、環境や導入メリット、システム本体 について新入社員用にわかりやすく解説した資料。 2,569 2006 年 JSTWeb ラーニングプラザ (リンク) 技術者の継続的能力開発や再教育の支援を目的とし、科学技術 振興機構が無料にて提供する、技術者向けeラーニングサービ ス。ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・ 材料、電気電子、機械、化学、社会基盤、安全、科学技術史、 総合技術監理に関する教材を学習可能。 2,031 2006 年 職場人としての安全ルール 製油所での基本的なルール。 服装から始まり、整理整頓 、通 行と安全標識 、保護具 、電気 、健康 について説明。新入社 員及び製油所に初めて勤務する人用。 1,877 2006 年 JPECニュース_3月号.indd 20 JPECニュース_3月号.indd 20 2013/03/09 13:12:562013/03/09 13:12:56

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21 表 4 教育資料(Web ラーニング教材:事故事例編)アクセス数上位コンテンツ一覧 (全 25 件中の 12 件の事例) タイトル 内容 アクセス数 公開年 BTX 製造装置における加熱炉 加熱管の破裂火災 熱油循環加熱炉で、突如油が漏れ出し、火災が発生した事例 1,596 2008 年 重油留分サンプリング中の噴 出し火災 重油留分サンプリング中、サンプルが採取口から出ずバルブを 調整していたところ突然オイルが噴出し発火、火災となった事 例 857 2007 年 水添分解装置加熱炉加熱管の 爆発火災 水添分解装置加熱炉のスタックからの黒煙の発生及び酸素濃度 の低下に気付き、その対処中に爆発・火災が発生した事例 773 2008 年 水素ガスコンプレッサー緩衝 器の腐食による破裂火災 コンプレッサーの緩衝器が突然破裂し火災となった事例 718 2007 年 溶融硫黄タンクの爆発火災 溶融硫黄タンクの液面計が作動不良の為、現場で状況確認を行っ ていたところ、タンク内で爆発・火災が発生した事例 670 2008 年 逆止弁動作不良によるチャー ジポンプ破損漏洩火災 原料チャージポンプのメカニカルシール部分付近より火災が発 生した事例 630 2007 年 軽質油循環ポンプメカニカル シール油漏れによる硫化水素 中毒 軽質油循環ポンプを再起動したところ、メカニカルシール部よ り硫化水素を含む油が霧状に噴出した事例 553 2007 年 ウ ェ ザ ー シ ー ル や レ イ ン カ バーの不良による事故事例 機器・配管フランジに取り付けたウェザーシールやレインカバー の不良により、内部流体が漏洩したり、火災に繋がった事故が これまでに多々発生している。 ここでは、軽油脱硫装置反応塔、 出口フランジ部からの水素漏洩火災事故事例を中心に、過去の 類似事例を含めて原因や再発防止対策、教訓を学習する。 475 2010 年 タンクの浮屋根ポンツーン内 装工事中の爆発 施工要領を無視し手塗りでなく非防爆型電動式スプレーガンを 採用、又、大量のシンナーを使用し、換気も不十分なためポンツー ン内で爆発が発生した事例 470 2009 年 重質油ポンプメカニカルシー ルフラッシュ液用クーラータ ンク破裂 重質油タービンポンプ補修後のスタートアップ中に、メカニカ ルシールフラッシュ液用クーラータンクが破裂し火災が発生し た事例 399 2008 年 常圧蒸留装置定期修理中のエ アフィンクーラー火災 塔頂エアフィンクーラーで漏洩を発見し、窒素を封入しながら 修理したエアフィンクーラーのカバーを取り付けるため電動式 トルクレンチを使用したところ、逆流していた水素を含むガス に引火し火災が発生した事例 338 2009 年 重油水添脱硫装置停止作業中 の熱交換器と配管接続部から の重油漏洩火災 運転温度の急速な変化などにより急激な冷却が発生すると、フ ランジとボルトの熱膨張率の差により締付け力が低下し、漏洩 事故に繋がる危険性がある。本事例では、金属の熱膨張や熱収 縮の差によってフランジの締付け力が低下し、事故につながっ た事例について学習する。 334 2010 年 JPECニュース_3月号.indd 21 JPECニュース_3月号.indd 21 2013/03/09 13:12:562013/03/09 13:12:56

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表 5 事故事例 アクセス数上位コンテンツ一覧(全 423 件中の 4 件の事例) タイトル 項目 記 アクセス数 公開年 ガソリン水素化処理装 置の配管が外面腐食に より破裂・火災 概要 2010 年 12 月 10 日 14 時 50 分、屋外タンクから常圧 蒸留装置に原油を送油中、原油供給配管に付属した空気抜き のためのエアーベント配管から原油が流出しているのを検査 員が発見した。 1,083 2012 年 原因 切り欠いた保温材の間から内部に雨水が浸入。なお、当該部 分は目視で腐食が著しい配管であったが、直近の点検は16 年前の放射線検査のみであり点検・検査が不十分であったと いえる。 再発防止 対策 ・吸水性の保温材の仕様をなるべく避ける。 ・外面腐食の可能性について、配管サポート、ベントノズル など配管に突起物がある場所は、保温の設計・施工の際に 十分な検討を行い、保守点検も入念に行う。 教訓・ コメント 保温材のある配管の外面腐食による事故は非常に多い。製油 所で外面腐食が発生した箇所を見ると、保温材のある炭素鋼 配管、使用温度が 50℃付近、間欠運転をするなどが条件と なることが多い。 22 原油配管地下埋設 部での腐食漏洩 概要 1996 年 8 月 18 日、浮屋根タンクから常圧蒸留装置へ原 油を移送していたところ、タンクヤード内の埋設配管より原 油が漏洩した。 発見した作業員は制御室に連絡し、制御室作業員が 119 番 通報した。緊急措置として漏洩防止、拡散防止措置を実施し、 漏洩油の回収をした。 1,043 2007 年 原因 (1) 原 油 タ ン ク 中 の 水 分 か ら 塩 素 イ オ ン(5,600 ∼ 51,000ppm)、 硫 酸 イ オ ン(360 ∼ 2,000ppm) が検出された。 (2) 配管の中心側から上層、中層、下層、貫通部のスラッ ジを分析した結果、貫通部及び中下層は酸性(pH4.4 ∼ 4.6、塩素イオン 2.5 ∼ 3.0%)を示していたが、 上層はほぼ中性(pH7.6、塩素イオン 0.5%)であった。 (3) 配管内表面がスラッジで覆われており、その下層部で 腐食が発生し、腐食部には塩素の濃縮が認められた。 腐食のメカニズムとして以下のシナリオが想定され る。 ・配管内部流速が遅く、配管内底部に原油に含まれるスラッ ジや水分が滞留 ・水分と配管内面(鉄)との反応により鉄が溶解し孔食が発生 ・水分あるいはスラッジ中の塩素が孔食内の Fe2+ と反応し、 スラッジ下に濃縮して塩化鉄となる ・孔食内で生成した塩化鉄が加水分解し、塩酸が生成され、 pH が低下し、孔食の成長と腐食の加速が起きた 再発防止 対策 漏洩配管の措置 ・配管を 22B から 18B に取り替えて管内流速を高める。 ・点検を容易にするため直接埋設をトレンチ配管に変更する。 埋設配管の点検は外面腐食を主体としてきたが、内部点検 を充実するため以下のようにする。 ・埋設配管に、腐食性物質が低流速のため滞留する可能性が ある配管、腐食性物質を含む油種の配管、操業開始以来使 用を継続している配管など、優先順位をつけて計画的に実 施する。 B JPECニュース_3月号.indd 22 JPECニュース_3月号.indd 22 2013/03/09 13:13:002013/03/09 13:13:00

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23 タイトル 項目 記 アクセス数 公開年 22 原油配管地下埋設 部での腐食漏洩 再発防止 対策 ・点検範囲を、配管形状、配管系、配管本数等に応じて、埋 設配管垂直部の掘削による点検、埋設配管中央部の掘削に よる点検、埋設配管内面からの点検とする。 ・配管底部は超音波探傷の探蝕子を縦横に移動させ、対象範 囲全面の肉厚を測定する方法に改善する。 ・新設配管は直接埋設でなくトレンチ方式にする。既設管に ついても検討する。 ・漏洩検知口、漏洩監視口を設置し、パトロール方法の改善 強化をする。 1,043 2007 年 教訓・ コメント 引火点 -10℃の原油で漏洩油の処理中に引火火災の危険性 も十分考えられるので、消火泡等による引火防止措置を実施 して作業に当たることが望まれる。 埋設配管の内部点検の優先順位づけ、点検ポイント、配管底 部の肉厚測定の方法は当該事例の再発防止対策を活用した い。 BTX 製 造 装 置 加 熱 炉 加熱管の破裂、火災 概要 1978 年 6 月 15 日、BTX 製造装置の熱油循環加熱炉にお いて加熱炉内の 6 本のマルチパス中、1 パスにベーパーロッ ク(蒸気閉塞)現象が生じ、加熱炉内の熱媒油の偏流が生じた。 さらに流量停止のため空焚き状態となって加熱管がクリープ 破断を起こし、漏洩した油によって加熱炉火災となった。直 ちに燃料ガス、原料熱媒油の供給停止をすると共に緊急停止 し、注水作業の結果、燃料及び残ガスが燃えつき 5 時 50 分鎮火した。 879 2007 年 原因 (1) 加熱炉内は 6 パスに分かれており、この内の 1 パス(C パス)が空焚き状態になり破断し、熱媒油が炉内に流 れ出し着火炎上した。パイプ破断の原因は、熱媒中に 規定(0.5%)を上回る水分(1.0%)が存在し、ベー パーロック現象の発生により C パスでほとんど流れな い状態になり、過熱・空焚き状態になり破断に至った。 (2) 事故前に熱媒油の出口温度および C パス加熱炉出口配 管表面温度計が異常に低い値を示したが、作業者は計 器故障と誤判断し、現場温度計未確認のまま運転を続 行した。 (3) 各パスに流量計が設置されておらず、ベーパーロック 現象が起きても早急に発見できなかった。ベーパー ロック・偏流検知設備が未設置であった。 (4) 設計上の水分含有量よりも高い含有量であったため ベーパーロック現象を起こしやすかった。またマニュ アルに水分含有量確認試験実施の規定が無かった。 再発防止 対策 運転方法の変更:系内の圧力を下げて運転 全パスに低流量アラーム付き流量計を設置 装置運転再開時の水切りの徹底 計器類の取扱い要領の徹底、BTX 装置運転マニュアルの再 教育の実施 教訓・ コメント 運転員の異常事態に対する判断力の向上教育をいかに行う かがポイントとなってくる。判断力向上のためには KNOW HOW よりも KNOW WHY を大事にする視点が常日頃の仕 事を通して求められる。 運転員は安易な判断を避け、現場・現物・現実を大事にする という、最も基本的なところでの真正面からの取り組みが必 要である。 B JPECニュース_3月号.indd 23 JPECニュース_3月号.indd 23 2013/03/09 13:13:002013/03/09 13:13:00

表 1 第 5 回日欧石油技術会議プログラム
図 6 プロピレン吸収速度、放散速度の経時変化図 5 プロピレン分離試験装置の概略図

参照

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