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水051103   787 vs A350

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まえがき この資料は787 と A350 について現時点で知りうる限りの資料に基づき、公平な対比を 試みたものである。但し、両機種とも未だ完全には最終形態が定まっておらず、また項 目によっては対等な資料を揃えられず片手落ちのところがあるのはご容赦願います。 1 背景 1-1;757/767 の競争力低下―――――200 席前後の 767 は第 2 次石油危機で燃料価 格が暴騰していた1978 年に、高速性を多少犠牲にしながら燃費節減を最大の目標とし て開発が始まった。本来は 727 を代替する米大陸横断用の中距離機であったが、折か らの航空自由化の波による北大西洋路線の細分化などで長距離機にも転用されるよう になり、販路を拡大してきた。しかし、その後、燃料価格が安定する一方で、後に開発 された一回り大きなA330/A340 に対して、速度、貨物容量、座席当りの経済性などが 見劣りするようになり、これまで964 機を受注したものの、現時点の受注残は 32 機に まで落込んできた。また、767 と殆ど同時にこれを補完する細胴機として開発された 757 は、767 との共通操縦資格等で好評を博し、これまでに 1048 機を出荷したが、需 要の中心であった米国の旧大手エアラインの構造的不調などで、2005 年4月には遂に 生産終了に追い込まれた。 1-2;747 と A380 の争い――――このように 757/767 の競争力が徐々に低下してい く一方で、420 席の 747 との間に 1995 年から就航させた 777 はこの 10 年で 718 機と いう極めて好調な販売実績を残してきた。しかし、747 自体は現在の-400 型の後に -500/-600 や Advanced 747-400 等と種々の派生型を検討してきたものの、今後 20 年間 で旅客型270 機、貨物型 130 機の合計 400 機程度の需要しか予測できないボーイング にとっては、いずれも投資額が大きすぎて開発に踏切れないでいた。その間にエアバス は長年の宿願であった747 に対抗する 550 席の新型 A380 の開発を 2000 年末に決定し、 目下2006 年初の就航に向けて飛行試験中である。 1-3;ソニック・クルーザから7E7/787 へ――――そこで将来の長距離市場で、A380 のような大型機による大空港間での大量輸送よりも、自由化で旅客の利便を優先する市 場の細分化、即ち小型機による中小都市間の直行化や多便数化の普及を予測するボーイ ングは、2001 年初に 250 席前後で、音速に近い高速で巡航できるソニック・クルーザを 提案した。しかし、折からの不況に2001 年 9 月の同時多発テロ事件が重なって経営に 苦しむ大多数のエアラインは、これまでの技術進歩の適用先として、追加運賃が必要と なる高速機よりも格段に経済性の高い通常型機材の開発を希望した。このため2002 年 末にソニック・クルーザ開発を一旦諦めて通常型 7E7 の検討を開始した。この機体は 2003 年末に社内でエアラインへの販売が承認され、2004 年 4 月に全日空から 50 機の

787 vs A350

(公財)航空機国際共同開発促進基金 【解説概要 17-3】 この解説概要に対するアンケートにご協力ください。

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発注を得て開発が開始され、呼称も787 と改められた。全日空の発注には 767 後継の 中距離機としての‐3 型と長距離機としての‐8 型の双方が含まれている。 図1-3 ソニック・クルーザから7E7 へ 出所;ボーイング資料 1-4;A350――――ボーイングの新型機 787 に対して、エアバスは 550 席の超大型機 A380 の開発に忙しい上に、250 席前後の小型広胴機にはたいした市場はないと見てい て、787 用に開発される新型エンジンを既存 A330 に換装すれば十分競争できると考え ていた。従って、初期のA350 は開発費が 20 億ユーロ(26 億ドル)で、787 就航後 1 年の2009 年に投入可能という案で 787 の販売を牽制していた。ところが全日空の発注 で787 の開発が始まると、忽ち多くのエアラインが興味を示し始め、A330 の単なる焼 きなおしではエアラインが満足しないことが明らかになった。そこで2004 年 12 月に エアバス社内でエアラインへの提案が認められた機体は、A330 と外形はほぼ同じで、 操縦資格の共通性を維持するが、開発費40 億ユーロ(52 億ドル)を投じて徹底的に改 修されて機体の90%は新しくなり、就航時期も 787 から 2 年遅れの 2010 年 6 月にな った。しかも‐800 と‐900 の 2 機種で構成されるファミリーの大きい方は 300 席で、 777-200ER とも正面から競合できる機体となり、ボーイングも 2-3 年後と考えていた 787 の胴体延長型‐9 の開発を早めざるを得なくなった。

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図1-4 殆ど新型のA350 出所;エアバス資料 1-5;助成をめぐるWTO での争い―――――A350 はこの 2005 年6月のパリ・エア ショー期間中に正式ランチが発表されると期待されていたが、A380 と A400M の並行 開発による技術者不足と政府助成をめぐるWTO での米欧間の論争のために遅れ、30% までの政府助成を認めた米欧間合意が失効する10 月6日に正式にランチされた。 2 諸元比較 表―2 787とA350の諸元比較 機種 787 A350 型式 -3 -8 -9 -800 -900 全長(m) 57 57 62 58.8 65.2 翼幅(m) 50~52 59 60 61.1 全高(m) 16.5 17.4 客室幅(m) 5.74 5.64 最大離陸重量(kg) 185,700 217,900 226,800 245,000

エンジン GEnx 又は Trent 1000 双発 GEnx-1A 又は

Trent 1700 双発 推力(1000lb) 53~56 65~67 68~70 63~75 運航速度(マッハ) 0.85 0.82 最大運用高度(ft) 43,000 41,450 座席数(3 クラス) 296(2 クラス) 223 259 253 300 設計航続距離(km) 6,500 15,700 15,400 16,300 13,900 就航時期 2010 年 2008 年 2010 年 2010 年中 2010 年末

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2-1;787――――787 の本来の狙いは、大都市ハブ空港間での大量輸送を目指す超 大型A380 に対して、最終目的地までの直行化(路線数が増えて細分化するので市場の フラグメンテーションと呼ばれる)や大都市間でも多便数化で旅客の利便を優先する小 型長距離機である。従って基準となる‐8型の航続距離15,700km は従来の 300 席以 上の777 や A340、或いは 747-400ER や A380 等の長距離機に劣らないもので、同等 の座席数を有する767 より 5,000km以上長い(図2-3参照)。但し、開発決定を主 導したランチ顧客の全日空が、国内や近距離国際線に運航する現有50 機の 767 の代替 も要求したため、最初から中距離用の-3 型の開発も決定した。航続距離は基準となる-8 型の 1/2 以下で 6500km、翼幅は大きく短縮され、最大離陸重量も 30t以上軽い。前 者は2008 年就航を目指しているが、後者は 2010 年となる。さらに 1~2 年遅れで胴体 を延長して大型化する-9 型を計画していたが、300 席になる A350-900 の 2010 年就航 がきまり、競走上こちらもAir Canada がランチ顧客となって同じく 2010 年就航を目 指すことになった。それでもA350-900 には 40 席及ばないところから、Emirates 航空 からは更に胴体を延長した-10 型の要求があるが、どの程度大型化するのか未だ決定し ていない。競走上は受注したいが、もう開発や生産が追いつかないという事情もある。 図2-1 787-8の三面図 出所;Jane 年鑑 2-2;A350―――A350 ファミリーの小さい方の-800 の外形は A330-200 と同一で あり、大きい方の‐900 は A330-300 の後胴を 2 フレーム分延長した機体となっている が、航続距離はいずれも4,000km 長くなっている。共に最大離陸重量は 245t で、最も

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重いA330 ファミリーより更に 12t 重い。-800 は 787-8 より 30 席大きい 253 席で、航 続距離は600km 長い 16,300km となっており、-900 は 787-9 より 40 席大きいが、航 続距離は1,500km 短い 13,900km である。前者は 2010 年 6 月から、後者は 2010 年末 から就航する計画である。なおA350 は従来の A330 や A340 との共通性から、全くの 新型機である787 に対して胴体幅(5.74m:5.64m)や運航速度(0.85M:0.82M)で やや劣るが、一方でエアバス機材に一貫したファミリー・コンセプトの利点がある。 図2-2 A350 の三面図 出所;エアバス資料 なお787 と A350 のサイズと航続距離の在来機との関係は下の図2-3を参照されたい。 図2-3 ボーイング・ファミリーとエアバス・ファミリー

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100

200

300

400

500

600

5,000

10,000

15,000

20,000

航続距離(km)

座席数(3ク

;エアバス ;ボーイング A350-800 A350-900 787-8 787-9 787-3 777-200LR 777-300ER 767-300ER 767-400ER 767-200ER 747-400ER A330-200 A330-300 A340-300 A340-500 A340-600 A380-800

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3 新技術(機体とエンジン) 3-1;787 3-1-1;構造――――787 は同じ座席数の現用機と比較して、燃費 20%減、整備性 向上、軽量化で運航費 10%減を実現する。これらは主として機体構造の 50%に複合材 (45%が炭素繊維、5%がガラス繊維)を適用したことによっている。最新の 777 型で 初めて複合材主要構造を採用し、そこでは合計 10%が複合材(7%が炭素繊維、3%がガ ラス繊維)であったのに対し、787 では大幅な進歩といえよう。ただ、複合材の比強度は 実験室ではアルミより 30%優れるが、実機適用上は 15%にとどまっている。また、軽 量化の他に耐腐食性と疲労強度が高いことで、整備コストを軽減するが、そこに留まら ず経済寿命が長く、機体の残存価値を高く保つので、償却費あるいはファイナンス・コ ストを大幅に低下させる可能性がある。 図3-1-1 787の革新材料による構造 出所;ボーイング資料 3-1-2;燃費――――20%燃費節減のうち 3%はこの複合材による構造重量 10,000lb 減を実現することによる。残りは 8%がエンジン、3%が主翼等の空力形状改 善、3%が各種系統の改善、それにこれらの統合効果で3%である。 3-1-3;整備費――――複合材構造は耐腐食性と疲労強度に優れる。事実 777 の 複合材の床には全く腐食が見つかっていない。このため767 と比較して 787 の C-Check 間隔は18 ヶ月から 36 ヶ月に、D-check の間隔は 6 年から 10~12 年に延長され、整備

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費は最初が15%、機令 12 年目以降では 32%削減される。また複合材構造に埋め込まれ たピエゾ電気素子センサーによる構造健全性監視システムが検討されているが、実用化 できれば不要な整備を排除して整備コストを更に軽減する。 3-1-4;客室――――旅客は客室の広さを、従来考えていた座面や肘掛の位置では なく、目の位置で感ずることが分かり、787 の客室断面は通常の円形よりもずっと縦長 で、着席した旅客の目の高さが最も広くなる楕円形をしている。A330/A350 に対して 床面で2”(212”vs210”)、座面で 5”(215”vs210”)広いだけだが、床から 50”の高さでは 内部幅が14”(205.6”vs191.6”)広くなっている。 また、疲労強度の高い複合材胴体 のため窓は従来より 30%大きく できる。窓の下端は今までの位置 とし、上方に5”伸ばして高さ 19”、 幅 5”の窓となり、背丈 6-ft 3-in の旅客でも窓から上方を10 度見 上げることが出来る。 更に複合材胴体の利点を生かし て、客室内の圧力と湿度が増加さ れる。与圧高度を従来の 8,000ft から6,000ft に引下げるが、これ までのアルミ胴体では疲労強度 維持のための重量増が大きすぎ た。また複合材胴体から熱が逃げ にくいことから、今までは5%ま で下がることがあった湿度を、客室空調の数値制御で容易に与圧高度6,000ft で 16%に 保てる。これらは長距離飛行で旅客をリフレッシュし、疲労感を和らげる。旅客は何故 に客室の気分が良いのか分からぬかも知れぬが、次の旅行で選択できる場合はこの787 の便を選ぶであろう。 3-1-5;各種系統――――進歩した各種系統は燃費3%削減に貢献するが、それは 必要な電力が減少し、かつ軽量化が図られたことによる。例えばコンピュータの台数は、 777 では 100 種の機器に対し 80 台使用されているが、787 では 1 台で 80 の機能をこ なすものもあって、全体で30 台まで減少する。また、更に重要なことは、それらのコ ンピュータ・システムのソフトは従来はメーカ各社の基準で設計されてきたが、787 で はArinc-653 基準で統一的に設計され、その維持、整備、改修(ソフトの交換等)がきわ めて容易になった。 図3-1-4 787の胴体断面図 出 所 ; ボ ー イ ン グ 資 料

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最も劇的変化は、これまでエンジン抽気で駆動していた空調系統を電動モータによる空 気圧縮方式に変更し、抽気の利用はナセルの加熱とカウルの防氷だけに限ったことであ る。従って、これまで近代的な機体のエンジンは電気系統のために60 キロワット程度 を発電してきたが、787 では 1 メガワットになる。電化の利点は必要に応じて発電でき るため、エンジン燃費が節減できることにあり、抽気系統では無駄が多かった。 3-1-6;エンジン――――耐久性が高く、整備費が低い複合材の利点はGEnx にも 及んでいる。前方ファンケースおよびGE90 の 22 枚から 18 枚まで減ったファンブレ ードはCFRP(炭素繊維複合材)製で、耐久性が大幅に向上して殆ど整備を要しない上に、 767 の金属製 CF6-80C2 に比して 350lb の重量削減ができる。同時にバイパス比 9.5 で 15%燃費が低く、オーバーホール間隔は 18,000 時間から 25,000 時間に延長される。 図3-1-6-1 GEnx の新技術 出所;Flight] 2004-4-12 号 これと対抗するロールスロイスの Trent-1000 は、1995 年から運航に供された Trent シリーズの5 番目の派生型で、これまでに 3500 万時間の飛行実績があり、就航直後か ら99.95%の出発信頼性を目標にしている。また、これらの 3 軸形態は中圧段から動力 を取出せるので、電気系統が多い787 には特に適しており、通常の 2 軸エンジンに比 して6%燃費がよい。また、バイパス比を 11 まで上げたことで、777 の Trent-800 に 対しても燃費は11%優れている。更に Trent-1000 は知能エンジンと呼ばれ、健全性診 断能力を内蔵していて、重要運航データは地上に連絡され、飛行時間や飛行サイクルに 応じて整備要求を出して整備費削減に貢献する。このため、大きな推力と優れた燃費に も拘らず、整備費は767 の CF6 と同等である。 なおボーイングは、新たな試みとして両エンジンに共通の搭載方式を要求し、エンジン の換装を容易にしてリース会社の利便を図ると共に、機体の再販を容易にして残存価格

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の向上に努めている。 図3-1-6-2 Trent 1000 の新技術 出所;航空技術、2005 年 5 月 3-2;A350 A350 は A330-200/300 に対して大幅な重量削減と抵抗低減が図られる。主要な改修部 分は次の通りである(図3-2参照)。 図3-2 A350;A330 からの主要変更点 出所;Flight 05-06-07 ● 胴体構造 ● 主翼構造と高速空力の改善 ● エンジン、ナセル、パイロン(チタニウム製)

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● 降着装置 ● 補助動力源 ● 尾翼 ● 新たな頭上手荷物収納場所と大きな窓の広い客室 ● 操縦室機能 ● 各種系統 ● 操縦士休憩室の再配置 3-2-1;構造――――従来機では15%であった革新材料が A350 では 60%に達し てA330 より 8t の重量軽減が図られる。機体重量の 37%、降着装置を除けば 46%、即 ち主翼の大部分、尾翼、尾胴、胴体キールビーム、窓枠、翼胴整形部が CFRP(炭素繊 維強化樹脂)製となる。残る 23%は胴体の大部分に使用されるアルミ・リチウムで 700kg の重量軽減に貢献する。787 の胴体は全て CFRP 製だが、エアバスではアルミ・リチウ ムとのトレード・スタディで、A330/340 用の既存冶具や生産技術の応用及び CFRP の 修理に対する顧客の心配を考えて、全複合材とはしなかった。アルミ・リチウムの胴体 外皮や床構造はアルミ・銅合金より耐腐食性が高く、過去25 年使用されてきた 2000 シ リーズのアルミ・銅合金と同等の強度で5~6%密度が低い。価格もかなりアルミ・銅合金 に近づいてきている。 主翼は金属の小骨を除いて殆ど全複合材となっていて、同じ大きさのA330 主翼と比較 して2.5t軽くなっている。 3-2-2;空力――――A330 に対して、最新の CFD(計算空気力学)による主翼形 状、翼胴整形部、フラップ整形部、ウイングレットの改善で巡航時の抵抗が1%低減し た。また、内舷スラットは A380 を真似たドループ・ノーズに置換することで離着陸時 の抵抗を 3%低減し、滑走路長に対する許容離着陸重量が 2t 増加した。巡航速度は A330/A340 と同じマッハ 0.82 だが、大きな抵抗増大なしに 0.83 とすることが可能に なった。787 のマッハ 0.85 より低いが、太平洋横断路線で飛行時間が 15~20 分長くな るだけで、たいした差ではない。 3-2-3;機器・系統――――操縦室は A330 をベースに、操縦資格の共通性を維持 しつつ、A380 での新技術を組入れて、少なくとも 787 と同等以上のものとなっている。 新技術にはVertical Flight-path Information や On-board Information Terminal を組 入れた大型表示装置などがある。また、ボーイングとエアバスの間で空調方式について は大きな差がある。787 ではエンジン抽気によらない電気空調方式を採用したが、A350 では従来どおりの抽気方式である。抽気方式を大型発電機による電力方式に替えても、 機体の効率には殆ど変化はなく、かえって電気系統が複雑となり、整備費増大を招くだ

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けと考えている。 3-2-4:整備費――――A350 は現用機より 15%という大幅な整備費低減が目標で、 -800 では 787-8 より 3%低くなる。その要因の一つはエンジン推力レートを低く抑える ことである。機体の中間整備間隔はA330 の 5 年に対し、就航時から 6 年、最終的には 7 年が目標であり、重整備は現行の 10 年に対し 12 年、最終的には 14 年を目標とする。 3-2-5;客室――――客室の居住性大幅改善はA350 計画の大事な要素である。客 室には常に15~20%の湿度が与えられ、長距離飛行の最終段階で飛行高度が上昇しても 室内高度は6000ft に抑えられる。また室内は胴体フレーム高を局所的に低くし、壁面 を再設計して、頭、肩及び足の高さで7.6cm(3in)広くなる。窓は A330/A340 より 8%大きく、頭上の手荷物収納場所はエコノミークラスで各人1個、ビジネスクラスで 各人2個の手引きバッグを収納できる広さがある。操縦士休憩室を操縦室の背後から床 下航法機器室に移してA330 より8席増やし,-800/-900 共に 787-8/-9より各々10%以 上多座席数が多くなっている。北米では小さな機体が好まれるが、アジア、中東、欧州 では大きな方が好まれ、その座席を常に旅客で満たすことが出来るなら、顧客に大きな 利益をもたらす。 3-2-6;エンジン――――現用機材に対する性能向上の大きな要因の一つは 787 用に開発される次世代エンジンで、燃費が15%改善される。787 用に全日空も採用した ロールスロイスのエンジンTrent 1000 は A350 用には Trent 1700 と称されているが、 詳細は未だ入手できていない。しかし、GE の GEnx については、787 用と A350 用と の差は下表の如くである。特徴としては、A350 用は離陸重量がやや大きいこともある が、3-2-4で述べたように整備費削減のために推力の大きなエンジンのレートを下 げて使用するようである。更に抽気をする影響もあってバイパス比が下がっており、多 少燃費を犠牲にしていると思われる。 表3-2-6 GEnx のファミリー 適用先 A350 787-3 787-8 787-9 派生型式名 -72A -54B -64B -70B 離陸推力(lb) 72,000 53,200 63,800 69,800 バイパス比(離陸/巡航) 8.9/8.36 9.6/8.53 9.2/8.53 9.1/8.53 全圧比(離陸/巡航) 44.5/50.6 36.1/52.3 41.4/52.3 44.5/52.3 ファン径=2.82m、全長=4.62m、圧縮器段数(ファン/ブースタ/高圧)=1/4/10、 タービン段数(高圧/低圧)=2/7、制御系=FADEC は各派生型共通。

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4 経済性 4-1;まえおき――――787 は 767、A310-300、A300-600、A340-200、更には A330-200 の代替機として提案されている。A350 は 787 と競合するのが目標である。787 と A350 が 旧型式機に対して実際にどの程度優れており、どちらが最良の解であろうか。勿論、両新 型機とも初飛行さえしておらず、正確な比較は無理であるが、開発の狙い等から大雑把な 比較は可能であろう。両メーカの我田引水的な比較を避けて、Aircraft Commerce 誌、2005 年2~3 月号の記事を紹介する。 4-2;787 の特徴――――787 の第1の特徴は複合材構造の大幅適用による軽量化と、腐 食や疲労に強いところからC 点検間隔は 767 の 18 ヶ月から 36 ヶ月になり整備費は 767 比 で 15%減と予測され、そのうえ年間運用時間が延長できる。更には経済寿命を延長できる 可能性もある。第2 は新型エンジン、GEnx または Trent1000 の搭載である。バイパス比 は前者が9.5、後者は 11 とかなり高くなっていて、燃費改善が期待できる。また伝統的な 抽気系統を廃して大幅な電化による燃費向上を図っている。これらを総合して、787 は同等 の大きさの機体に対して燃料消費が15~20%低いと考えられる。第 3 は 250 席前後の機材 を代替するだけでなく、8500 nm という超長距離航続性能によってロンドンからサンフ ランシスコやバリ島といった超長距離路線の開拓能力がる。 新製機の導入初期には整備の蜜月期(整備の必要がないか、あってもメーカが無料保証 をしている)があるが、この時期を過ぎると高い償却費で旧型機より総合コストが高く なるということがしばしばある。しかし、787 の場合は償却費の増加を補って余りある Cash DOC(償却費を除く直接運航費)低減をもたらす技術が適用されているようである。 4-3;DOC の定義――――DOC(直接運航費)の分析には次の項目が含まれる。即 ち、燃料費、整備費(機体整備、補用品、エンジン整備)、乗員費(操縦士、客室乗務員)、 航法・着陸料、ここまでがCash DOC と称され、これに償却費が加わる。これらの飛行 当りの総額を輸送距離と座席数で除した DOC/ASM が座席マイル当りの直接運航費で ある。なお原文では補用品はLRU=Line Replaceable Unit、償却費はファイナンシャ ル・コストと呼ばれている。また乗員費と航法・着陸料は機種別に大差なしとされている。 4-4;路線―――-787-3、-8、-9 に対して各々、米国内やアジア・太平洋地域で比較的 長い1200 浬の中距離、北大西洋市場を代表する 3500 浬の長距離、太平洋横断や欧州/ アジア路線を代表する5500 浬の超長距離の3路線で競合機との比較を試みる。 4-5;仮定―――-787 の年間飛行回数は多少巡航速度が速いことと重整備回数が少 ないことから、在来機より6~9%多い。787 の燃費は 767 より 20%、A350 は A330 よ り10%優れる。燃料単価は$1.10/USG。787 の機体整備費は 767 より 15~20%、A350

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はA330 より 5%低い。月間償却費は実勢機体価格の 0.9%だが、787-3 と-8 の価格は定 価1 億 2000 万ドルの 30%引きで 8400 万ドル、787-9 と A350-800 は定価 1 億 3500 万ドルの30%引きで 9400 万ドルとする。 表4-5-1;中距離路線(1200nm)での運航コスト 787-3 767-300 A330-200 - 前 提 座席数(2クラス) 289 261 290 年間飛行回数 950 900 飛行時間(=FH) 200 min 200+ min 燃 料 消費量(USG) 3,360 4,200 4,600 コスト/飛行 $3,700 $4,620 $5,060 整 備 機体 $550/FH $645/FH LRU(=補用品) $250/FH エンジン(1 基当り) $275/EFH 総整備費/飛行 $4,455 $4,800 $5,050 乗 員 操縦士費/飛行 $1000 客室乗員費/飛行 $1900 航法・着陸料 $1550~1650 合計Cash DOC/飛行 $12,600 $13,880 $14,558 償 却 償却費/月 $756,000 $500,000 $750,000 償却費/飛行 $9,550 $6,670 $10,000 総DOC/飛行 $22,150 $20,550 $24,600

総DOC/ASM 6.4 cents 6.4 cents 7.0 cents

表4-5-2;長距離路線(3500nm)での運航コスト

787-8 767-200ER 767-300ER A310-300 前 提 座席数(3 クラス) 217 181 217 191 年間飛行回数 600 550 飛行時間(=FH) 460~470min 燃 料 消費量(USG) 9,000 10,330 11,300 11,460 コスト/飛行 $9,900 $11,400 $12,430 $12,600 整 備 費 機体 $330/FH $415/H 補用品 $215/FH

エンジン $155/EFH $145/EFH $155/EFH $145/EFH 総整備費/飛行 $6,600 $7,100 $7,300 $7,100

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乗 員 操縦士費/飛行 $8,200~8,800(殆ど機種間の差はない) 客室乗員費/飛行 着陸/航法支援費 合計Cash DOC/飛行 $25,080 $26,780 $28,580 $27,880 償 却 償却費/月 $756,000 $350,000 $500,000 $300,000 償却費/飛行 $15,120 $7,600 $10,900 $6,500 総DOC/飛行 $40,200 $34,400 $40,000 $34,350 総DOC/ASM 5.3cents 5.4cents 5.3cents 5.1cents

表4-5-3;超長距離路線(5500nm)での運航コスト

787-9 A350-800 767-400ER A330-200 前

座席数(3 クラス) 257 245 245 253 年間飛行回数 450 450 425 425 飛行時間(=FH) 695 min 695 min 740 min 695 min 燃 料 消費量(USG) 17,100 19,200 21,000 21,300 コスト/飛行 $18,810 $21,120 $23,100 $23,410 整 備 費 機体 $330/FH $415/FH $415/FH $435/FH 補用品 $215/FH $230/FH $215/FH $230/FH エンジン(1 基当り) $150/EFH 総整備費/飛行 $9,800 $10,900 $11,900 $11,200 乗 員 操縦士費/飛行 $9,000~9,500(2 名) 客室乗員費/飛行 $9,800~10,400(9 名) 着陸/航法支援費 $4.000~6,000 合計Cash DOC/飛行 $52,200 $55,400 $58,800 $59,900 償 却 償却費/月 $847,500 $847,500 $765,000 $765,000 償却費/飛行 $22,600 $22,600 $21,600 $21,600 総DOC/飛行 $75,000 $78.000 $81,200 $80,000

総DOC/ASM 5.3 cents 5.8 cents 6.0 cents 5.7 cents

4-6;経済性検討結果の考察―――-上記分析結果は詳細な数値を比較検討するほど の精度はないが、全般的にみて 787 の相当高い機体価格、即ち場合によっては在来中 古機より 50~100%も高い月間償却費を仮定しても、燃費改善、整備費低下、年間飛行 回数の増加がこれを補い、いずれの路線においても同等以上の経済競争力を有している ようである。その上、在来機より2000~4000 浬も長い航続性能を有しているので、運 航費の顕著な増大なくして長距離路線網を再編して収入増を図ることができる。しかも

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燃料価格が仮定した$1.10/USG よりも高くなった場合、或いは 787 の寿命が 767 の 2 倍にもなって残存価値が高く維持され、月間償却費が仮定した価格の 0.9%から更に引 下げられるような場合には、この利点は一層拡大されることになる。 なお超長距離路線で 787-9 は A350-800 に僅かに優れるように見える。A350 は所詮 A330 派生型のくびきを逃れられないので、全くの新型 787 が優れているとボーイング は主張するが、まだ初飛行もしていない両機種の経済性の僅かな差だけで優劣は論じら れない。小差ならエアラインの選択は、現有機材との共通性や契約条件等で逆転する場 合も多い。また、A350-900 は 300 席の長距離機で 787 ではなく 777-200ER 等と競合 する機材として、この分析からは除外されている。 5 市場予測と販売状況 5-1;需要予測――――先ずはボーイング(2005~2024)とエアバス(2004~2023) の今後20 年間の航空機需要予測を比較して紹介する。図5-1-1は 100 席以上の機 体の出荷機数の予測で、図5-1-2はその出荷額である。両社が基礎とする航空旅客 の予測は共に年率5~6%の成長ということで殆ど一致しており、出荷総額も 2 兆ドル前 後で同じである。差は小型機材と大型機材のどちらの需要が多いかである。ボーイング は今後自由化が進む航空市場では旅客の利便を優先する路線の直行化や多便数化が進 み、小型機材の需要が盛上ると予測するのに対し、エアバスは市場の大きな部分は低運 賃を指向していて、小型機のためにコスト高となる直行便による路線細分化より、大型 機による低コスト輸送が可能な路線統合化が避けられないとして、比較的大型機の需要 を多く予測している。(なお、ボーイングの予測には、この外に100 席以下のリジョナ ル・ジェットとして3891 機、93 億ドルがある) 図5-1-1 ボーイングとエアバスの需要予測;機数、出所;各社HP 需要予測(20年);機数

15276

2437

907

3183

1648

1472

3306

10902

0 2000 4000 6000 8000 10000 12000 14000 16000 18000

細胴

広胴小型

広胴中型

広胴大型

機数

ボーイング 計21803機 エアバス  計17328機 15% 70% 63% 11% 4% 19% 8% 10%

(16)

図5-1-2 ボーイングとエアバスの需要予測;出荷額、出所;各社HP 需要予測(20年);出荷額 4 7 2 4 9 3 2 3 8 7 6 0 4 5 6 2 6 6 4 1 8 8 3 3 0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 細胴 広胴小型 広胴中型 広胴大型 10億 ド ル

ボーイング 計2.0兆ドル

エアバス  計1.9兆ドル

23% 41% 24% 12% 40% 24% 14% 22% エアバスの論拠の一つが図5-1-3に示した2004 年の米商務省調査で、旅客の国際 便選択理由の第1 位は低運賃で 33%、直行便は第 4 位で 11%であった。従ってエアバ スはボーイングの予測よりも細胴機が少なく、広胴機でも大型機の方が多くなっている。 図5-1-3 国際便選択の理由 出所:エアバス資料から作成 1 1 3 4 4 5 7 11 14 17 33 0 5 10 15 20 25 30 35 時間が正確 機中サービス 従業員の態度 航空会社への信頼 安全性の評判 その他 前回の好印象 直行便 優遇プログラム スケジュール 低運賃 回答の比率(%) 2004年米 商務省調査 国際便選択理由

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5-2;787――――ボーイングは 400 席を越える超大型機の需要は少なく、むしろ 200~300 席の 787 が対象とする小型広胴機市場が 20 年間で 3500 機、4000 億ドルにも 達すると予測している(これらの数値は図5-1-1や図5-1-2から読み取れるも のと多少異なる)。中でもかなりの部分を占める中距離機‐3 型に対抗するエアバスの 新機材がないことから、大きな販売シェアが獲得できると見ている。従って、長期的に は年産85~120 機が計画されている。但し、この 200~300 席クラスの 2004 年における 出荷数はエアバスのA330-200/300 及び A340-300 が 53 機とボーイングの 767 が 9 機 の合計62 機に過ぎず、前述の予測結果はひとえに将来の旅客が利便性の向上を求めて、 いかに小型広胴機による直行路線や便数の増大を好むかに懸かっている。 5-3;A350――――大型機を重視するエアバスでも、細胴機と中・大型広胴機との中 間の小型広胴機についてはボーイングと殆ど同じ需要(5-1節参照)を予測していた が、そこは既存のA330/A340 で十分対応可能と軽視していた。しかし 787 に対するエ アラインの好意的反応によりその重要性についての見方を変え、A330 を大改修する新 型に近いA350 開発に 40 億ユーロも投資することになった。 即ち、将来の航空旅客増大は路線の細分化(フラグメンテーション)と統合化(コンソリデ ーション)の双方で吸収されて、それらが各々A350 と A380 の需要を生み出すと考えた。 ただ、その間の割合は次のような複雑な要因があって予測は難しい。即ち、将来の人口 や商業中心地の分布、航空自由化の進展速度、直行便や多便数による利便性と大量輸送 による低運賃との間の旅客の選択、エアライン経営とハブ路線運航の経済性、空港空路 の混雑及び環境問題等である。近年の低コスト航空会社の予期せぬ大発展の例を見ても、 この種の予測の難しさは明らかである。 A350 が対象とする 250~300 席広胴機の今後 20 年間のエアバスの需要予測は 3100 機 である。中でもアジア・太平洋地域が1254 機、欧州が 1007 機と大きな部分を占め、北 米は比較的少なく462 機としている。 5-4;考察――――現在この分野の市場予測は非常に難しい。航空輸送は今曲がり角 に差掛っている。北米はもはや最大市場ではなくなってきた。旧大手エアラインは国内 では低運賃エアラインから、海外では新興国のエアラインから挑戦され、その将来は極 めて不透明である。誰も10~15 年後の上位 20 エアラインを言い当てることはできない。 従ってボーイングもエアバスも不確かな将来に賭けざるを得ない。エアバスは市場がど ちらに振れてもよいように、A380 と A330 の改修型 A350 で二股をかけた。同様にボ ーイングも787 に加えて、747 改修型を取上げる可能性がある。

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及んでいて、そのうちコミットされた機数は全日空の 50 機、日本航空の 30 機等の確 定受注194 機を含めて、25 社から 309 機となっている。 一方、A350 は 787 よりエ アラインへの提示が1 年、就航が 2 年遅いが、確定受注は Qatar Airways の 60 機等で 既に計10 社から 143.機に達した。 しかし現在、両機種の販売競争は共に就航開始直後の生産能力で制限されている。就航 開始直後は予期しない不具合による手戻り工事を最小とするため、量産機数を抑えてお きたいが、それでは相手方に注文を奪われるという板挟みになっている。ボーイングは 最初の2 年間の量産機数を異例に多い 95 機に設定し、しかもその後月産 14 機とする ことを検討しているが、それにはサプライアも含めて巨額の追加投資が必要になる。 6 海外パートナ 6-1;787――――ボーイングは意識的に、開発、設計、生産までの資金を用意して、 大きな部分を統合できる第一階層のサプライアの数を減らし、777 では数百社あったの を50 以下にしようとしている。最大のパートナは JADC を中心とした日本業界のグル ープで、全複合材による主翼や中央翼を中心に機体の約35%を分担する。次いで Vought (米)とAlenia(伊)の合同チームが全複合材胴体の大部分で、機体の約 26%を分担する。 各々の工場で製造した小構造組立は、合弁会社Global Aeronautica がノースカロライ ナ州に建設した工場で子組立部品に組上げられる。これらの子組立部品はエアバスの場 合と同様に内部艤装も含んでおり、工期短縮のために特別の大型貨物機 747-400BCF でシアトルに輸送される。これは日本の場合も同じである。シアトルでの最終組立工程 は僅か3 日になるといわれている。 図6-1 787 の構造分担 出所;Boeing 資料

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6-2;A350――――開発費 40 億ユーロ(52 億ドル)とされる A350 開発では、リス ク分散と海外市場確保の両面から、EU 以外のメーカの参加比率を 40%まで高める方針 である。現時点では中国に5%、ロシアに3%とされており、同様の狙いで印度にも近々 に技術センターが設立される模様であるが、全体の構想は未だ決定されていない模様で ある。 7 公的機関の助成 A350 最終形態の決定は 2006 年 4 月だが、開発費は現時点で 52 億ドルと推定されてい る。これに対しエアバスに参加する仏、独、英およびスペインの4 カ国政府は全面的支 援の意図を正式文書で表明した。内容は未詳であるが、A330/A340 或いは A380 の開 発と同様に、米欧間で1992 年に合意された開発費の 30%までの政府融資であろう。し かし、この合意は米側からの申出で今年10 月に失効した。エアバスやその株主である EADS と BAE は、米欧が現在 WTO で係争中の航空機開発に対する政府助成案件の妥 結を待ち、2007 年までは借入を実行しないと表明している。 これに対し米側は、現在WTO で政府助成の廃絶を目標に協議しており、各国政府が助 成を約束すること自体がWTO 違反であると反発している。しかし、欧州側は次のよう に米側の矛盾を指摘している。即ち、前述の米欧間協定が合意された 1992 年以降も、 ボーイングは米国政府から200 億ドルに及ぶ R&D 契約を得ただけでなく、787 の最終組 立工場設置にあたりワシントン州からは32 億ドルの免税と 42 億ドルの工場及びインフラ 改善費用の助成をうける。欧州での政府助成は返済を要する融資であるのに対し、これら は返済不要な直接助成である。 KEIRIN この事業は、競輪の補助金を受けて実施したものです。 この解説概要に対するアンケートにご協力ください。

参照

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