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平成27年度CG報告書における女性の活躍状況の記載 報告書

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内閣府委嘱調査

平成 27 年度資本市場における女性活躍状況の見える化と

女性活躍情報を中心とした非財務情報の

投資における活用状況に関する調査

報告書

-コーポレート・ガバナンスに関する報告書における

「女性の活躍」状況に関する記載について-

平成 28 年 3 月

日興リサーチセンター株式会社

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目 次

1.  はじめに ... 1  2.  本報告書の構成 ... 2  3.  調査方法の概要 ... 3  3.1  調査に用いたデータ ... 3  3.2  「『女性の活躍』状況に関する記載」の定義及びデータの作成方法 ... 3  4.  コーポレート・ガバナンス報告書における「『女性の活躍』状況に関する記載」の状況 ... 6  4.1  分析に用いたデータの状況 ... 6  4.2  「『女性の活躍』状況に関する記載」がある企業数及び記載比率 ... 13  4.3  企業属性別「『女性の活躍』状況に関する記載」の状況の比較 ... 16  4.4  「『女性の活躍』状況に関する記載」内容の詳細 ... 19  5.  「女性活躍の方針・目的」の記載状況 ... 24  6.  まとめ ... 27  【参考資料】女性関連指標データの分布 ... 28 

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1. はじめに

本報告書では、「平成 27 年度資本市場における女性活躍状況の見える化と女性活躍情報を中 心とした非財務情報の投資における活用状況に関する調査」の一つである、「コーポレート・ガバナ ンスに関する報告書」(以降、コーポレート・ガバナンス報告書)における「『女性の活躍』状況に関 する記載」状況の調査結果をまとめている。調査では、2015 年 8 月 31 日時点の上場企業 3,591 社を対象に、各上場企業が報告する当該時点で最新のコーポレート・ガバナンス報告書の文字情 報を基に、女性取締役など役員の有無や女性管理職、女性従業員、女性採用者の人数または比 率に関する情報の記載状況のほか、女性が活躍するための方針や目的を記載する企業について も調査を行った。 2015 年 6 月より、東京証券取引所がコーポレートガバナンス・コードを上場規程として適用したこ とを受け、コーポレート・ガバナンス報告書の記載要領が改正された。2015 年 3 月決算の上場企業 は同年 12 月までに、コーポレート・ガバナンス報告書の中で、その取り組み状況を開示することが 求められることとなった。そのため、本調査年は、企業によるコーポレート・ガバナンス強化の元年と 位置づけられる。 コーポレートガバナンス・コードの原則 2-4 には「女性の活躍促進を含む社内の多様性の確保」、 すなわち企業による女性の活躍促進への取り組みを求める項目が設けられている。このことは、女 性の活躍促進に関する取り組みが、コーポレート・ガバナンス強化の視点から求めてられているこ とを示唆している。 さらに、コーポレートガバナンス・コードとスチュワードシップ・コードが「車の両輪」にたとえられて いることからもわかるように、企業と投資家はコーポレート・ガバナンスに関する様々なテーマにつ いて「目的を持った対話」を行うことが求められている。したがって、女性の活躍に関わる多様性の 方針と企業価値向上との関係性、あるいは、それらに関する情報開示についても、企業と投資家と の「目的を持った対話」の一つのテーマとなる可能性がある。このことは、女性の活躍に関連する情 報について、ステークホルダーだけでなく投資家の視点での情報開示が求められていることを示 唆している。 調査時点(2015 年 8 月 31 日)では、コーポレートガバナンス・コード適用の移行期間中であり、 分析に用いたデータにおいてコーポレートガバナンス・コードに対応していた企業はわずかであっ たため、コードに対応した企業に関する言及は一部にとどめるが、コーポレート・ガバナンス強化元 年において、企業が「女性の活躍」について、どのような開示を行っているのか注目される。

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2. 本報告書の構成

本報告書では、全上場企業の「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」(本報告では、コーポ レート・ガバナンス報告書と呼ぶ)を基に、基本データの状況、「『女性の活躍』状況に関する記載」 の状況、「女性活躍の目的・方針」に関する記載の状況について報告する。具体的には下記の通 りである。 第 3 章「調査方法の概要」では、本調査に用いたデータの概要と本報告書における「『女性の活 躍』状況に関する記載」の定義等について言及する。 第 4 章「コーポレート・ガバナンス報告書における「『女性の活躍』状況に関する記載」の状況」で は、まず 4.1 節「分析に用いたデータの状況」で、分析に用いるデータの基本情報(取引所、 TOPIX-17 シリーズによる業種分類、外国人持ち株比率、連結従業員数、連結売上高別等)を概 観する。さらに、取締役人数、社外取締役人数、監査役人数、社外監査役人数、執行役、執行役 人数といった役員、経営陣等の状況についても報告する。 4.2 節「『女性の活躍』状況に関する記載」がある企業数及び記載比率」では、女性役員・取締役 の有無や女性管理職数など、「『女性の活躍』状況に関する記載」がある企業数及び記載比率、 「女性の活躍」に関する記載項目別の内訳について、2014 年と比較を行っている。 4.3 節「企業属性別「『女性の活躍』状況に関する記載」の状況の比較」では、業種別、組織形態 別等の企業属性別に記載状況を報告する。 4.4 節「『女性の活躍』状況に関するの記載」内容の詳細」では、「『女性の活躍』状況に関する記 載」がある企業のうち、女性の登用のあることを記載する企業と登用のないことを記載する企業に分 類し、記載企業数や全上場企業に占める記載比率を集計した結果等を報告する。 第 5 章「『女性活躍の方針・目的』の記載状況」では、女性管理職数の増大に向けた取り組みや 働きやすさ等、女性の活躍に関する方針や目的について記載している企業の状況を報告する。 最後に、参考資料として、「『女性の活躍』状況に関する記載」がある企業における、女性役員数 や女性管理職比率、女性従業員比率、女性採用比率等の各実数値に関する分布状況について 添付する。

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3. 調査方法の概要

3.1 調査に用いたデータ

本調査では、各金融商品取引所(東京証券取引所、名古屋証券取引所、札幌証券取引所、福 岡証券取引所)に上場する企業が提出するコーポレート・ガバナンス報告書の 2015 年 8 月 31 日 時点での最新の情報を用いている。なお、比較分析で用いる 2014 年のデータは、同年 9 月 30 日 時点での同報告書の情報を用いている。取締役人数、監査役人数、執行役員数などのコーポレ ート・ガバナンスに関するデータについては、2015 年の当該報告書で記載されている項目を用い、 組織形態や外国人持ち株比率、連結従業員数、連結売上高などを用いた分類は、同報告書で定 義された仕様を基にしている。

3.2 「『女性の活躍』状況に関する記載」の定義及びデータの作成方法

(1) 「『女性の活躍』状況に関する記載」の定義 本調査では、「『女性の活躍』状況に関する記載」を、「役員への女性の登用状況」、「女性管理 職数・比率」、「女性従業員数・比率」、「女性採用者数・比率」のいずれかについて記載しているも のとして定義する(図表 1)。「役員への女性の登用状況」には、女性役員や取締役など登用する旨 の記述に加え、男性のみである旨の記述(全員男性、女性はいない等)も含める。「女性採用者 数・比率」は本調査より新たに加えた情報である。 そのため、2014 年については、2015 年の「『女性の活躍』状況に関する記載」の定義のうち、「女 性採用者数・比率」以外のいずれかについて記載している企業について再集計を行った結果を掲 載する。したがって、今年の集計との厳密な比較はできないこと、過去の報告書での集計結果とは 値が異なることに留意が必要である。 図表 1 本調査における「『女性の活躍』状況に関する記載」の定義 2014 年 定義 2015 年 定義 「女性の 活躍」状 況に関す る記載 役員への女性 の登用状況 女性役員の有無(グループ全体) ○ ○ 女性取締役の有無(グループ全体) ○ ○ 女性取締役の有無(本社) ○ ○ 女性管理職数・比率 ○ ○ 女性従業員数・比率 ○ ○ 女性採用者数・比率 × ○ なお、昨年の調査報告書では「『女性の活躍』状況に関する記載」の定義には、上記のほかにも 「方針・目標値の設定」、「各種取り組み」等に関する記述を含めていたが、本年の「『女性の活躍』

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状況に関する記載」では役員・管理職・従業員・採用等の人数や比率等の実績のみに限定してい る点にも留意が必要である。 「『女性の活躍』状況に関する記載」の定義に関連した各種用語の定義は、図表 2 のとおりであ る。 図表 2 「『女性の活躍』状況に関する記載」の定義に係る各種用語の定義 変数名 定義 役員 • 取締役(社内、社外)、監査役(社内、社外)、執行役、執行役員 • 女性役員には、本社、連結子会社、グループ子会社等を含む • 理事、経営会議グループにおける女性は女性役員に含まず その他役員 • 監査役(社内、社外)、執行役、執行役員 • 女性役員には、本社、連結子会社、グループ子会社等を含む • 理事、経営会議グループの女性は女性役員に含まず 女性取締役(本社) • CG 報告書内の「現状のコーポレート・ガバナンス体制の概要」等で、取締役人数と 同時に女性取締役人数などが書かれている場合、本社の女性取締役とする。 例)役員状況・取締役(9 名)・・・、男性 8 名/女性 1 名・監査役(5 名)・・・、男性 5 名 /女性 0 名 • 上記定義において、女性がいない記述があれば、「本社に女性取締役がいない」と する。 例)当社は、取締役(8 名:男性のみ)、・・・ 例)女性役員はおりません。 女性取締役 (グループ全体) • 上記「本社に女性取締役がいる」の定義に該当する女性取締役及び、連結子会社 やグループ会社に女性取締役(代表取締役も含め)がいることを記載している場合、 「女性取締役がいる」と定義する。 女性役員 (グループ全体) • 上記「役員」に当てはまる女性の役員について言及している。 • 役員の人数等は不明だが、女性役員がいることに言及している。 例)役員状況・取締役(9 名)・・・、男性 8 名/女性 1 名・監査役(6 名)・・・、男性 5 名 /女性 1 名 例)単体では女性役員はおりませんが、連結では取締役 4 名、執行役員 6 名の女性役 員が活躍しています。 男性のみの記述 • 取締役会、監査役会、執行役(員)に女性がいないことが記載されている。 例)女性の役員は、現在 0 名となります。 例)取締役会の男女構成は、男性 10 名(内訳:取締役 6 名、監査役 4 名)、女性 0 名 です。 例)取締役 9 名(男性 9 名)であり、・・・監査役 3 名(男性 3 名)です。 ※「女性役員なし(グループ企業含む)」も同様に定義。 管理職 • 管理職、役付者、マネジメント(職)、役職者を本報告書における「管理職」とする。 • 「部長職」「課長職」といった表現は明確に管理職に当てはまらない可能性があるた め、除外。 • 単独、連結のいずれもが表記されている場合は連結を優先する。 • 連結子会社(ホールディングス傘下)ベースでの開示は、各数値を総和し「管理職」 の人数とする。 従業員数 • 従業員数。 • 単独、連結のいずれもが表記されている場合は連結を優先する。 採用者数 • 採用者数。 • 単独、連結のいずれもが表記されている場合は連結を優先する。

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(2) 「『女性の活躍』状況に関する記載」企業のデータ作成方法 【STEP1】 全上場企業のうち、各社のコーポレート・ガバナンス報告書における以下の項目のなかに、女性 に関する記述がある企業を検索して抽出を行った。その結果、744 社、延べ 981 件(※1 社で複数 箇所にまたがっている)となり、昨年の 718 件から増加している。 「コーポレート・ガバ ナンス報告書」の中 で確認する項目1 Ⅰ.コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方及び資本構成、企業属性その 他の基本情報 1.基本的な考え方 Ⅱ.経営上の意思決定、執行及び監督に係る経営管理組織その他のコーポレート・ガ バナンス体制の状況 2.業務執行、監査・監督、指名、報酬決定等の機能に係る事項(現状のコーポレー ト・ガバナンス体制の概要) Ⅲ.株主その他の利害関係者に関する施策の実施状況 3.ステークホルダーの立場の尊重に係る取り組み状況 女性の記述の 検索ワード2 女性、男性、性差、性別、男女 【STEP2】 STEP1 で抽出された企業について、前掲の図表 1 及び図表 2 の「『女性の活躍』状況に関する 記載」の定義に従い、関連する項目を整理し、分析用データを作成した。 1 現在のフォーマットは 2015 年 6 月改訂版であり具体的には「ステークホルダーの立場の尊重に係る取り組み状況」のう ち、「補足説明、その他、ステークホルダー」に関するテキストデータを確認している。一部の企業については、2015 年 6 月改訂版以前の仕様を採用しており、「Ⅲ.株主その他の利害関係者に関する施策の実施状況」に代わって「3.ステー クホルダーの立場の尊重にかかわる取り組み状況」にある「ステークホルダーに対する情報提供に係る方針等の策定」の 中の「その他、補足説明」から取得している。 2 検索には KH Coder を用いた。これ以降のテキストデータを用いる分析についても同様である。

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4. コーポレート・ガバナンス報告書における「『女性の活躍』状況に関す

る記載」の状況

4.1 分析に用いたデータの状況

本節では、全上場企業の市場、組織形態、外国人持ち株比率、連結従業員数、連結売上高、 業種(TOPIX-17 シリーズ)といった区分を用いて分析データの概要を整理する。さらに、取締役、 社外取締役、監査役、社外監査役、独立役員、執行役、執行役員の分布状況についても概観す る。 (1) 上場区分 上場区分ごとの企業数(図表 3)について確認すると、対象となる 3,591 社の上場企業は、複数 の市場にまたがって上場している企業があるため、延べ企業数は 3,929 社となる。このうち、東京第 一部、いわゆる東証一部上場企業が 1,877 社と最も多く、東京 JASDAQ 上場企業が 819 社、東京 第二部、いわゆる東証二部上場企業が 532 社とつづく。 図表 3 上場区分(計:3,929 社) 1,877 532 238 819 190 91 13 51 6 100 12 0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600 1,800 2,000 東京 第一部 東京 第二 部 東京 マ ザ ーズ 東京 JASDAQ 名古 屋 第 一部 名古 屋 第 二部 名古屋 セ ン ト レ ッ ク ス 札幌 既存 市場 札幌 ア ン ビ シ ャ ス 福岡 既 存 市場 福岡 Q ‐Bo ard 社 数 注)※複数上場する企業もあるため、合計は延べ企業数。

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(2) 組織形態区分 2015 年 5 月の会社法改正により、これまでの監査役設置会社、委員会設置会社(会社法改正に より、指名委員会等設置会社と名称変更)に加え、監査等委員会設置会社という新しい組織形態 を採用することが可能となった。 2015 年 8 月末時点では、監査役設置会社を採用する上場企業は 3,343 社、全体の約 93%と最 も多い。その他、指名委員会等設置会社が 65 社(約 2%)、新たに加わった監査等委員会設置会 社が 183 社(全体の約 5%)となっている(図表 4)。 図表 4 組織形態別(計:3,591 社) (3) コーポレートガバナンス・コード 2015 年 6 月よりコーポレートガバナンス・コードが上場企業を対象に適用され、上場企業は、コ ーポレート・ガバナンス報告書の中で、各原則について「コンプライ・オア・エクスプレイン」すること が求められている。 2015 年 3 月決算企業については、コーポレートガバナンス・コードへの対応のため、同年 12 月 末に提出期限が延長されたため、調査時点(2015 年 8 月末)でコーポレートガバナンス・コードに 対応している企業3は 123 社であった。 3 コーポレート・ガバナンス報告書の【コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由】または、【コーポレートガ バナンス・コードの各原則に基づく開示】に開示のある企業を「コーポレートガバナンス・コードに対応した企業」とする。

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(4) 外国人持ち株比率 外国人持ち株比率別の企業数(図表 5)については、10%未満の企業が最も多く、2,268 社にの ぼる。一方で外国人持ち株比率が 30%以上の企業は、337 社と最も少ない。 図表 5 外国人持ち株比率(計:3,591 社) (5) 連結従業員数 連結従業員数別の企業数(図表 6)については、1,000 人以上の企業が 1,511 社と最も多く、100 人以上 500 人未満の企業が 1,088 社、500 人以上 1,000 人未満の企業が 652 社、100 人未満の 企業が 340 社とつづく。 図表 6 連結従業員数(計:3,591 社) 2,268 630 356 337 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 10%未満 10%以上20%未満 20%以上30%未満 30%以上 社 数 340 1,088 652 1,511 0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600 100人未満 100人以上500人未満 500人以上1000人未 満 1000人以上 社 数

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(6) 連結売上高 連結売上高別の企業数(図表 7)については、100 億円以上 1,000 億円未満の企業が 1,744 社と 最も多く、100 億円未満の企業が 935 社、1,000 億円以上 1 兆円未満の企業が 764 社であり、1 兆 円以上の企業は 148 社で最も少ない。 図表 7 連結売上高(計:3,591 社) (7) 業種 TOPIX-17 シリーズ(以下、業種別と呼ぶ)を用いて業種別企業数を見ると、情報通信・サービス その他が 865 社と最も多く、エネルギー資源が 20 社と最も少ない(図表 8)。 図表 8 業種別内訳(計:3,591 社) 935 1,744 764 148 0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600 1,800 2,000 100億円未満 100億円以上1000億 円未満 1000億円以上1兆円 未満 1兆円以上 社 数 142 20 323 298 62 118 87 232 320 865 25 123 340 346 92 83 115 0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1,000 食 品 エ ネ ル ギー 資 源 建 設 ・ 資 材 素 材 ・ 化 学 医 薬 品 自 動 車 ・ 輸 送 機 鉄 鋼 ・ 非 鉄 機 械 電 機 ・ 精 密 情 報 通 信 ・ サー ビ ス そ の 他 電 気 ・ ガ ス 運 輸 ・ 物 流 商 社 ・ 卸 売 小 売 銀 行 金 融( 除 く 銀 行) 不 動 産 社 数

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(8) コーポレート・ガバナンスの体制 以下では、取締役、独立役員数、社外取締役(独立役員含む)、社外監査役(独立役員含む)、 執行役、執行役員等の取締役会・経営幹部の各人数の分布について確認する。 ① 取締役数 上場企業 3,591 社の取締役人数(図表 9)は、平均 7.8 名、中央値 7 名となっている。主に 5~9 名の範囲に分布が集中している。 図表 9 取締役人数(計:3,591 社) ② 独立役員数 上場企業の独立役員数(図表 10)は、平均 2.7 名、中央値は 3 名である。独立役員数 1~3 名の 範囲に分布が集中し、かつこれらの区分はいずれも同程度の企業数である。 図表 10 独立役員数(計:3,591 社) 1 0 80 277 425 528 555 488 368 278 178 139 96 67 46 27199 2 3 1 0 1 0 1 1 0 0 0 1 0 100 200 300 400 500 600 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 社 数 取締役人数(人) 888 863 860 570 273 97 27 8 3 2 0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1,000 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 社 数 独立役員数(人)

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③ 社外取締役数 上場企業の社外取締役人数(図表 11)は、平均 1.6 人、中央値は 1 名である。主に 1~2 名の範 囲に分布が集中している。 図表 11 社外取締役数(計:3,591 社) ④ 社外取締役のうち独立役員数 図表 11 で示した社外取締役の人数を記載している企業(3,161 社)のうち、独立役員と認定され た社外取締役人数は、平均 1.4 名、中央値 1 名である。主に 1~2 名の範囲に分布が集中している (図表 12)。 図表 12 社外取締役のうち独立役員数(計:3,161 社) 430  1,488  1,110  340  125  67  21  7  1  2  0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600 記入 なし 1 2 3 4 5 6 7 8 9 社 数 社外取締役数(人) 497  1,478  905  185  59  22  0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 社 数 社外取締役のうち独立役員数(人)

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⑤ 社外監査役数 監査役設置会社(3,343 社)における社外監査役人数は、平均 2.4 人、中央値は 2 名である。主 に 2~3 名の範囲に分布が集中している(図表 13)。 図表 13 社外監査役数(計:3,343 社) ⑥ 社外監査役のうち独立役員数 監査役設置会社(3,343 社)のうち、独立役員と認定された社外監査役人数は、平均 1.4 名、中 央値 2 名である。主に 1~2 名の範囲に分布が集中している(図表 14)。 図表 14 社外監査役のうち独立役員数(計:3,343 社) 7  1,985  1,215  132  4  0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 1 2 3 4 5 社 数 社外監査役数(人) 304  1,252  1,225  521  39  0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 0 1 2 3 4 5 社 数 社外監査役のうち独立役員数(人)

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⑦ 執行役数及び執行役員数 指名等委員会設置会社を設ける企業 65 社の執行役の人数は、平均 10.9 人、中央値 10 人であ る。その他の組織形態の企業の中で、裁量的に執行役員制度を設ける企業のうち、執行役員の人 数を記載する企業 72 社における執行役員数は平均 14.0 人、中央値 12 人である(図表 15)。 図表 15 執行役数(計:65 社)及び執行役員数(計:69 社)

4.2 「『女性の活躍』状況に関する記載」がある企業数及び記載比率

(1) 「『女性の活躍』状況に関する記載」がある企業数及び記載比率 2015 年に「『女性の活躍』状況に関する記載」がある企業数は 494 社で全上場企業の 13.8%を 占める。2014 年データを再集計した結果(2015 年の定義のうち、「女性採用者数・比率」を含まな い形で換算した結果)では 572 社(16.2%)であった。定義が異なるため、厳密な比較はできないが、 2015 年は 2014 年から 78 社(2.4%ポイント)減少している(図表 16)。 13 26 14 5 7 11 19 18 9 12 0 5 10 15 20 25 30 ~5人 6~10人 11~15人 16~20人 21人以上 社 数 執行役 執行役員

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図表 16 「『女性の活躍』状況に関する記載」がある企業数及び上場企業に占める比率 (2) 「『女性の活躍』状況に関する記載」項目別の内訳 「『女性の活躍』状況に関する記載」について、記載項目別の企業数(図表 17)を昨年と比較す ると、いずれも昨年より減少している。 記載項目別に記載企業(2014 年は 572 社、2015 年は 494 社)に占める比率について 2014 年と 比較すると、女性役員や取締役の記載比率はほとんど変わらない。一方、「女性管理職数・比率」 や「女性従業員数・比率」の記載比率については昨年より低下している。 なお、2015 年の記載比率は、「女性役員の有無(グループ全体)」で 91.5%、「女性取締役の有 無」に関する 2 項目(グループ企業及び本社)についても 7 割以上(それぞれ 78.5%、75.7%)であ り、役員・取締役に関する記載比率はいずれも高い。一方で、「女性管理職数・比率」は 24.9%、 「女性従業員数・比率」も 10.7%と低い。 2015 年より新たに定義に加えた「女性採用者数・比率」について記載している企業数は 6 社 (1.2%)にとどまる。 572 494 16.2% 13.8% 0.0% 5.0% 10.0% 15.0% 20.0% 25.0% 30.0% 35.0% 40.0% 45.0% 50.0% 0 100 200 300 400 500 2014年(計:3,523社) 2015年(計:3,591社) % 社 数 記載企業数 上場企業に占める記載比率 注 1)2014 年の「『女性の活躍』状況に関する記載」がある企業数・記載比率については、本 年調査の定義に基づき、2014 年調査データから再集計した数値である。ただし、2014 年の調査では、「女性採用者数・比率」について調査を行っていないため、当該データ を含んでいない。 注 2)2014 年は 2014 年 9 月末時点、2015 年は 2015 年 8 月末時点の情報を利用している。

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図表 17 「『女性の活躍』状況に関する記載」企業における記載項目別の内訳 (計:572 社(2014 年),494 社(2015 年)) 520 437 434 200 82 452 388 374 123 53 6 90.9% 76.4% 75.9% 35.0% 14.3% 91.5% 78.5% 75.7% 24.9% 10.7% 1.2% 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 80.0% 90.0% 100.0% 0 100 200 300 400 500 600 女 性 役 員 の 有 無( グ ルー プ 全 体) 女 性 取 締 役 の 有 無( グ ルー プ 全 体) 女 性 取 締 役 の 有 無( 本 社) 女 性 管 理 職 数 ・ 比 率 女 性 従 業 員 数 ・ 比 率 女 性 採 用 者 数 ・ 比 率 % 社 数 2014年(社数) 2015年(社数) 2014年(比率) 2015年(比率) 注)2014 年の「『女性の活躍』状況に関する記載」企業数については、本年調査の定義に基づき、 2014 年調査データから再集計した数値である。ただし、2014 年の調査では、女性採用者数・比 率について調査を行っていないため、当該データを含んでいない。

(20)

4.3 企業属性別「『女性の活躍』状況に関する記載」の状況の比較

本節では、「『女性の活躍』状況に関する記載」について、業種、組織形態、連結従業員数、昨 年の報告書における記載の有無等、様々な企業属性別に報告する。 (1) 業種別 業種別に記載企業数を見ると、情報通信・サービスその他が 124 社と最も多い。記載比率(各業 種の企業総数に占める記載企業数の割合)では、銀行(45.7%)、電気・ガス業(40.0%)で 4 割超と 高い。一方で、鉄鋼・非鉄は 5%未満となっている(図表 18)。 図表 18 「『女性の活躍』状況に関する記載」がある企業数及び記載比率(業種別) 24 3 37 41 11 9 4 16 40 124 10 20 38 46 42 21 8 16.9% 15.0%11.5% 13.8% 17.7% 7.6% 4.6% 6.9% 12.5% 14.3% 40.0% 16.3% 11 2% 13.3% 45.7% 25.3% 7 0% 0 0% 5 0% 10.0% 15.0% 20.0% 25.0% 30.0% 35.0% 40.0% 45.0% 50.0% 0 20 40 60 80 100 120 140 食 品( 1 4 2 社) エ ネ ル ギー 資 源( 2 0 社) 建 設 ・ 資 材( 3 2 3 社) 素 材 ・ 化 学( 2 9 8 社) 医 薬 品( 6 2 社) 自 動 車 ・ 輸 送 機( 1 1 8 社) 鉄 鋼 ・ 非 鉄( 8 7 社) 機 械( 2 3 2 社) 電 機 ・ 精 密( 3 2 0 社) 情 報 通 信 ・ サー ビ ス そ の 他( 8 6 5 社) 電 気 ・ ガ ス( 2 5 社) 運 輸 ・ 物 流( 1 2 3 社) 商 社 ・ 卸 売( 3 4 0 社) 小 売( 3 4 6 社) 銀 行( 9 2 社) 金 融( 除 く 銀 行) 8 3 社) 不 動 産( 1 1 5 社) % 社 数 記載企業数 記載比率

(21)

(2) 組織形態別 組織形態別に記載企業数を見ると、監査役設置会社が 447 社と最も多い。記載比率(各組織形 態の企業総数に占める記載企業数の割合)では、指名委員会等設置会社で 44.6%と高いが、一 方で監査役設置会社と監査等委員会設置会社は、それぞれ 13.4%、9.8%と低い(図表 19)。 図表 19 「『女性の活躍』状況に関する記載」がある企業数及び記載比率(組織形態別) (3) 連結従業員数別 連結従業員数別に記載企業数を見ると、1,000 人以上の企業が最も多く、303 社となっている。 記載比率(各連結従業員数区分の企業総数に占める記載企業数の割合)についても、1,000 人以 上の企業が 20.1%で最も高い(図表 20)。 図表 20 「『女性の活躍』状況に関する記載」がある企業数及び記載比率(連結従業員数別) 447 29 18 13.4% 44.6% 9.8% 0.0% 5.0% 10.0% 15.0% 20.0% 25.0% 30.0% 35.0% 40.0% 45.0% 50.0% 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500 監査役設置会社 (3,343社) 指名委員会等設置会社 (65社) 監査等委員会設置会社 (183社) % 社 数 記載企業数 記載比率 30 76 85 303 8.8% 7.0% 13.0% 20.1% 0 0% 5 0% 10.0% 15.0% 20.0% 25.0% 30.0% 35.0% 40.0% 45.0% 50.0% 0 50 100 150 200 250 300 350 100人未満 (340社) 100人以上500人未満 (1,088社) 500人以上1000人未満 (652社) 1000人以上 (1,511社) % 社 数 記載企業数 記載比率

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(4) 独立役員数別 独立役員数別に記載企業数を見ると、独立役員数が 4 名以上の企業が 243 社で最も多い。 記載比率(各独立役員数区分の企業総数に占める記載企業数の割合)も独立役員数が 4 名以 上の企業が 24.8%で最も高く、独立役員数が少ない企業よりも多い企業で記載比率が高い(図表 21)。 図表 21 『女性の活躍』状況に関する記載」がある企業数及び記載比率(独立役員数別) (5) 2014 年の「女性の活躍」状況の記載有無別 2014 年のコーポレート・ガバナンス報告書に「『女性の活躍』状況に関する記載」がある企業4のう ち、2015 年も記載した企業は 426 社であり、これは 2014 年に記載した企業の 75.3%にあたる。 一方、2014 年のコーポレート・ガバナンス報告書に「『女性の活躍』状況に関する記載」がなかっ た企業のうち、2015 年に記載した企業は 62 社である。これは 2014 年に記載しなかった企業の 2.1%であり、今年新たに記載した企業は少ない(図表 22)。 65 87 99 243 7.3% 10.1% 11.5% 24.8% 0.0% 5.0% 10.0% 15.0% 20.0% 25.0% 30.0% 35.0% 40.0% 45.0% 50.0% 0 50 100 150 200 250 300 独立役員1名 (888社) 独立役員2名 (863社) 独立役員3名 (860社) 独立役員4名以上 (980社) % 社 数 記載企業数 記載比率

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図表 22 『女性の活躍』状況に関する記載」がある企業数及び記載比率 (2014 年報告書での記載有無別)

4.4 「『女性の活躍』状況に関する記載」内容の詳細

本節では、役員及び取締役などの項目別に、女性の登用のあることを記載する企業(女性の登 用あり記載)と登用のないことを記載する企業(女性の登用なし記載)のそれぞれについて、記載 企業数や全上場企業に占める記載比率を見る。加えて、「女性管理職数・比率」の記載状況につ いて業種別に比較する。 (1) 女性役員・取締役の有無に関する記載の内訳 全上場企業に占める女性役員、取締役の有無を記載している企業の比率を見ると、「女性役員 の有無(グループ全体)」は 12.6%(452 社)、「女性取締役の有無(グループ全体)」は 10.8%(388 社)、「女性取締役の有無(本社)」は 9.9%(356 社)となっている(図表 23)。 このうち、「女性役員(取締役)がいない」ことを記載している企業が、「女性役員の有無(グルー プ全体)」と「女性取締役の有無(本社)」はいずれも 3.3%(120 社)、「女性取締役の有無(グルー プ全体)」は 4.0%(144 社)となっている。 426 62 75 3% 2.1% 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 80.0% 90.0% 100.0% 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 2014年に記載がある企業(566社) 2014年に記載がない企業(2,904社) % 社 数 記載企業数 記載比率

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図表 23 女性役員・取締役の有無別記載企業数と記載比率 (2) 業種別女性役員・取締役の有無に関する記載の内訳 ここでは、前述(1)で総計された記載企業数や全上場企業に占める記載比率を、業種別に確認 する。 ① 女性役員の有無(グループ全体) 「女性役員の有無(グループ全体)」を記載している企業数は、情報通信・サービスその他(116 社)、小売(43 社)、素材・化学(39 社)の順に多い。 業種別の全上場企業に占める記載比率5は、電気・ガス(40.0%)、銀行(31.5%)、金融(除く銀 行)(24.1%)で高い(図表 24)。エネルギー資源以外の業種では、記載企業のなかに、「女性役員 がいない」ことを記載している企業が 1.4~6.5%含まれていることがわかる。 5記載比率は、「女性役員の有無(グループ全体)」の「女性の登用あり」「女性の登用なし」の合計数を業種内の標本数で 割った値を小数点第 2 位で四捨五入した値であるため、グラフ内の女性の登用あり/なしの各記載比率の合計値と一致 9.2% (332社) 6.8% (244社) 6.6% (236社) 3.3% (120社) 4.0% (144社) (120社)3.3% 0.0% 5.0% 10.0% 15.0% 20.0% 25.0% 30.0% 女性役員の有無 (グループ全体) 女性取締役の有無 (グループ全体) 女性取締役の有無 (本社) 比 率 女性の登用あり記載 女性の登用なし記載 計:12.6% 計:10.8% 計:9.9%

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図表 24 女性役員の有無(グループ全体)別記載企業数と記載比率(業種別) ② 女性取締役の有無(グループ全体) 「女性取締役の有無(グループ全体)」を記載している企業数は、情報通信・サービスその他 (101 社)、素材・化学(37 社)、小売(36 社)などで多い。 業種別の全上場企業に占める記載比率6では、銀行(26.1%)、電気・ガス(24.0%)、金融(除く銀 行)(19.3%)が高い。エネルギー資源以外の業種では、記載している企業のうち、「女性取締役が いない」ことを記載している企業が 2.1~6.5%含まれていることがわかる(図表 25)。 図表 25 女性取締役の有無(グループ全体)別記載企業数と記載比率(業種別) 6記載比率は、「女性取締役の有無(グループ全体)」の「女性の登用あり」「女性の登用なし」の合計数を業種内の標本数 で割った値を小数点第 2 位で四捨五入した値であるため、グラフ内の女性の登用あり/なしの各記載比率の合計値と一 致しない場合がある。 9.2% (332社) 15.5% (22社) 15.0% (3社) 5.6% (18社) 9.1% (27社) 9.7% (6社) 5.9% (7社) (1社)1.1% (10社)4.3% 6.3% (20社) 10.1% (87社) 36.0% (9社) 10.6% (13社) 6.8% (23社) 10.7% (37社) 27.2% (25社) 21.7% (18社) 5.2% (6社) 3.3% (120社) 1.4% (2社) (0社)0.0% 4.0% (13社) 4.0% (12社) 6.5% (4社) 1.7% (2社) 2.3% (2社) (6社)2.6% 4.7% (15社) 3.4% (29社) 4.0% (1社) 5.7% (7社) 3.8% (13社) 1.7% (6社) 4.3% (4社) 2.4% (2社) 1.7% (2社) 0.0% 5.0% 10.0% 15.0% 20.0% 25.0% 30.0% 35.0% 40.0% 45.0% 50.0% 比 率 女性の登用あり 女性の登用なし 6.8% (244社) 11.3% (16社)10.0%(2社) 4.3% (14社) 7.4% (22社) 9.7% (6社) 3.4% (4社) (1社)1.1% 2.2% (5社) 4.1% (13社) 7.6% (66社) 20.0% (5社) 8.1% (10社) 5.0% (17社) 7.2% (25社) 21.7% (20社) 16.9% (14社) 3.5% (4社) 4.0% (144社) 2.1% (3社) 0.0% (0社) 4.3% (14社) 5.0% (15社) 6.5% (4社) 2.5% (3社) (2社)2.3% 3.9% (9社) 5.0% (16社) 4.0% (35社) 4.0% (1社) 6.5% (4社) 4.1% (14社) 3.2% (11社) 4.3% (4社) 2.4% (2社) 2.6% (3社) 0.0% 5.0% 10.0% 15.0% 20.0% 25.0% 30.0% 35.0% 40.0% 45.0% 50.0% 比 率 女性の登用あり 女性の登用なし

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③ 女性取締役の有無(本社) 「女性取締役の有無(本社)」を記載している企業数は、情報通信・サービスその他(97 社)、素 材・化学、小売(いずれも 35 社)などで多い。 業種別の全上場企業に占める記載比率7は、銀行(26.1%)、電気・ガス(24.0%)、金融(除く銀行) (19.3%)で高い(図表 26)。エネルギー資源以外の業種では、記載している企業のうち、本社に 「女性取締役がいない」ことを記載している企業が 1.1~6.5%含まれていることがわかる。 図表 26 女性取締役の有無(本社)別記載企業数と記載比率(業種別) 7記載比率は、「女性取締役の有無(本社)」の「女性の登用あり」「女性の登用なし」の合計数を業種内の標本数で割った 値を小数点第 2 位で四捨五入した値であるため、グラフ内の女性の登用あり/なしの各記載比率の合計値と一致しない 6.6% (236社) 10.6% (15社)10.0%(2社) 4.0% (13社) 7.4% (22社) 9.7% (6社) 3.4% (4社) 1.1% (1社) 1.7% (4社) 4.1% (13社) 7.3% (63社) 20.0% (5社) 8.1% (10社) 4.7% (16社) 7.2% (25社) 21.7% (20社) 16.9% (14社) 2.6% (3社) 3.8% (138社) 2.1% (3社) 0.0% (0社) 4.0% (13社) 4.4% (13社) 6.5% (4社) 2.5% (3社) 1.1% (1社) 3.4% (8社) 5.0% (16社) 3.9% (34社) 4.0% (1社) 6.5% (8社) 4.1% (14社) 2.9% (10社) 4.3% (4社) 2.4% (2社) 3.5% (4社) 0.0% 5.0% 10.0% 15.0% 20.0% 25.0% 30.0% 35.0% 40.0% 45.0% 50.0% 比 率 女性の登用あり 女性の登用なし

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(3) 業種別女性管理職数・比率の記載状況 「女性管理職数・比率」を記載している企業数は、情報通信・サービスその他(27 社)、銀行(20 社)、小売(12 社)などで多い。 「女性管理職数・比率」の記載比率は、全体で 3.4%となっている。業種別の全上場企業に占め る記載比率は、銀行(21.7%)、金融(除く銀行)(9.6%)で高い(図表 27)。 図表 27 「女性管理職数・比率」記載企業数と記載比率(業種別) 3.4% (122社) 4.2% (6社) 0.0% (0社) 2.2% (7社) 2.7% (8社) 3.2% (2社) 0.8% (1社) 1.1% (1社) 1.3% (3社) 3.1% (10社) 3.1% (27社) 4.0% (1社) 4.1% (5社) 2.6% (9社) 3.5% (12社) 21.7% (20社) 9.6% (8社) 1.7% (2社) 0.0% 5.0% 10.0% 15.0% 20.0% 25.0% 30.0% 比 率

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5. 「女性活躍の方針・目的」の記載状況

本章では、第 4 章の分析で用いたデータを活用して、下記に定義する「女性活躍の方針・目的」 について記載している企業がどの程度あるかを集計した結果を示す。 なお、データ作成方法は、第 4 章の分析と同様に、まず全上場企業のうち「女性」に関する記述 のあった企業 744 社に絞り込み、それらについて下記(1)に基づきデータを整理、集計している。 (1) 「女性活躍の方針・目的」の定義 コーポレート・ガバナンスに関する報告書の中で確認する項目の中から、「多様性に関するキー ワード」(図表 28)を持つ企業を抽出する。さらに「女性活躍の目的・方針」に関するキーワードを持 つ企業を抽出する。 図表 28 女性活躍の目的・方針に関する各定義 「多様性に関するキー ワード」 「Diversity」「多様性」「ダイバーシティ」「労働生産性」「機会…均等」「女性・・・活用」 「女性…活躍」「女性…管理職」「女性…リーダー」「女性…マネージャー」「女性…育 成」8 「 女 性 活躍 の目 的 ・ 方 針」 「推進…経営戦略」「女性…方針」「女性…仕事」「管理職」「キャリア」「登用」「ダイバ ーシティ…推進」「ダイバーシティ…方針」「方針」「ポリシー」「ガイドライン」 ※ 女性管理職比率などの数値のみ掲載している場合は該当しないものとする。 【本定義におけるサンプル例示】 <女性の活躍の方針・取組等について> 当社の今後の成長には、女性の活躍が必要不可欠であると認識しております。また、女性の 活躍推進に向けて、採用や昇格などあらゆるステージにおいて、性別に区別なく実力や成果 に応じた評価を行います。また、従業員の子育て支援の一貫として、昨年度に保育手当を導 入するなど、女性を支援する環境の整備を進めております。その他、女性のキャリアアップを 支援するために「女性育成プロジェクト」に基づく研修を実施しております。当社は、今後も継 続して女性が活躍できるように労働環境及び研修等を整備し、女性のキャリアアップを支援し ていく方針です。

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(2) 「女性活躍の目的・方針」の記載状況 「女性活躍の目的・方針」の記載企業数は 445 社(全上場企業の 12.4%)、延べ件数 456 件(※1 社で複数箇所にまたがって説明している)となった。「女性活躍の目的・方針」をコーポレート・ガバ ナンス報告書のどの項目で説明しているのかを確認すると、全体の 90%以上が「補足説明、その 他、ステークホルダー」であった(図表 29)。なお、コーポレートガバナンス・コードに対応した 123 社 (2015 年 8 月末時点)のうち、コーポレートガバナンス・コードに関する記載を行う項目(8 頁脚注 3 参照)において、「女性活躍の目的・方針」を記載した企業は 1 社のみであった。 図表 29 「女性活躍の目的・方針」について記載している項目(計:456 件) また、「『女性の活躍』状況に関する記載」がある企業のうち、「女性活躍の目的・方針」について も記載している企業は、全上場企業の 6.1%、219 社にとどまる。このほか、「『女性の活躍』状況に 関する記載」はないが「女性活躍の目的・方針」について記載している企業が、全上場企業の 6.3%、226 社ある(図表 30)。 図表 30 「『女性の活躍』状況に関する記載」と「女性活躍の目的・方針」の記載状況 「女性活躍の目的・方針」に関する 記載あり(計:445 社) 「女性活躍の目的・方針」に関する 記載なし(計:3,146 社) 「『女性の活躍』状況に関する記載」 あり(計:494 社) 219 6.1% 275 7.7% 「『女性の活躍』状況に関する記載」 なし(計:3,097 社) 226 6.3% 2,871 79.9% (上段:社数,下段:全上場企業に占める記載比率) 注) 1 企業が複数箇所で「女性活躍の目的・方針」を記載している場合がある ため、ここでは記載している件数を用いている。

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(3) 「女性活躍の目的・方針」の記載状況に関する業種別比較 業種別に「女性活躍の目的・方針」の記載企業数を見ると、情報通信・サービスその他(90 社)、 銀行(58 社)、電機・精密(40 社)、素材・化学(38 社)で多い。 記載比率(各業種の企業総数に占める記載企業数の割合)は、銀行(63.0%)で特に高く、次い で電気・ガス(28.0%)、金融(除く銀行)(22.9%)となっている(図表 31)。 図表 31 業種別「女性活躍の目的・方針」に関する記載企業数及び比率(計:445 社) 12.4% (445社) 14.1% (20社) 5.0% (1社) 5.6% (18社) 12.8% (38社) 16.1% (10社)(17社)14.4%12.6% (11社)(25社)10.8% 12.5% (40社)10.4% (90社) 28.0% (7社) 16.3% (20社) 8.8% (30社) 9.8% (34社) 63.0% (58社) 22.9% (19社) 6.1% (7社) 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 比 率

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6. まとめ

2015 年 8 月 31 日時点で日本の各金融商品取引所に上場している 3,591 社のコーポレート・ガ バナンス報告書における「『女性の活躍』状況に関する記載」について、以下のような特徴が確認さ れた。 (1) コーポレート・ガバナンス報告書のなかで「『女性の活躍』」状況に関する記載」がある企業数 及び全上場企業に占める記載比率は 494 社、13.8%であった。定義が異なるため厳密な比較 はできないが、2014 年と比較すると、記載企業数は 78 社減、記載比率は 2.4%ポイントの低下 となっている。 (2) 「『女性の活躍』」状況に関する記載」がある企業(494 社)に占める項目別の記載比率を見ると、 「女性役員の有無」(グループ全体)で 91.5%、「女性取締役の有無」に関する 2 項目(グルー プ企業及び本社)についても 7 割以上が記載しており、役員・取締役に関する記載比率は高 い。一方、「女性管理職・比率」は 24.9%、「女性従業員数・比率」も 10.7%と低い。 (3) 「『女性の活躍』状況に関する記載」比率を業種別に見ると、銀行(45.7%)及び電気・ガス業 (40.0%)で 4 割超と高い。組織形態別に見ると、指名委員会等設置会社(44.6%)で高いが、 監査役設置会社と監査等委員会設置会社では 10%前後にとどまる。連結従業員数別では、 連結従業員数 1,000 人以上の企業で 20.1%と最も高い。独立役員数別では、同 4 名以上の 企業で最も高く(24.8%)、独立役員数が少ない企業よりも多い企業で記載比率が高い。 (4) 「女性役員の有無(グループ全体)」、「女性取締役の有無(グループ全体)」、「女性取締役の 有無(本社)」について、全上場企業に占める記載比率を見ると、それぞれ 12.6%、10.8%、 9.9%となっている。また、記載している企業のなかには、「女性役員(取締役)がいない」ことを 記載している企業が、いずれも 3~4%程度含まれている。また業種別に見ると、それぞれの 項目についての記載比率は、いずれも電気・ガス、銀行、金融(除く銀行)で高い傾向がみら れる。「女性管理職数・比率」の記載比率は全体で 3.4%であり、業種別では銀行(21.7%)や 金融(除く銀行)(9.6%)で高い。 (5) 「女性活躍の方針・目的」について記載している企業は 445 社(全上場企業の 12.4%)であっ た。このうち、「女性の活躍」状況の有無についても記載している企業は 219 社で、全上場企 業の 6.1%にとどまる。このほか、「『女性の活躍』状況に関する記載」はないが「女性活躍の方 針・目的」について記載している企業が全上場企業の 6.3%、226 社ある。

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【参考資料】 女性関連指標データの分布

本節では、第 4 章で取りあげた「『女性の活躍』状況に関する記載」がある企業について、各役職 員の実数データの分布状況を参考に掲載する。 【人数・比率に関する記載状況】 「女性の活躍」に関する記載内容について、人数または比率のどちらでで記載しているのかを確 認すると、女性取締役をはじめ、(社外)取締役、(社外)監査役、執行役(員)などは、ほとんどが人 数による記載である。女性管理職や女性管理職については、人数と比率の記載が同程度であるが、 女性従業員については比率での記載が多い。 そこで、以下では、女性役員は人数に関する分布を、女性管理職、女性従業員及び女性採用 者については比率に関する分布を報告する。 役職名 人数に関する記載社数 比率に関する記載社数 女性取締役 269 7 女性社外取締役 62 2 女性監査役 124 1 女性社外監査役 35 1 女性執行役 10 0 女性執行役員 65 1 女性管理職 85 88 女性従業員 28 48 女性採用者 5 4

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【女性役員人数の分布状況】 ① 女性取締役数 女性取締役人数を記載する企業 269 社において、女性取締役の平均は 1.2 人である。分布は 1 名に集中している。 ② 女性社外取締役数 女性社外取締役人数を記載する企業 62 社において、女性社外取締役の平均は 1.0 名である。 36 179 43 7 1 1 0 1 0 0 0 1 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 社 数 人数 10 44 7 1 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 0 1 2 3 社 数 人数

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③ 女性監査役数 女性監査役数を記載する企業 124 社のうち、女性監査役の平均は 0.8 名である。 ④ 女性社外監査役数 女性監査役数を記載する企業 35 社のうち、女性監査役の平均は 0.8 名である。 37 83 3 0 0 1 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 0 1 2 3 4 5 社 数 人数 6 29 0 5 10 15 20 25 30 35 0 1 社 数 人数

(35)

⑤ 女性執行役数 女性執行役数を記載する企業 10 社のうち、女性執行役の平均は 1.1 名である。 ⑥ 女性執行役員数 女性執行役数を記載する企業 65 社のうち、女性執行役員数の平均は 1.5 名である。 3 3 4 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 0 1 2 社 数 人数 7 36 13 5 0 3 1 0 5 10 15 20 25 30 35 40 0 1 2 3 4 5 6 社 数 人数

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⑦ 女性管理職比率、女性従業員比率、女性採用者比率 女性管理職比率を記載する企業は 89 社であり、平均は 13.4%、比率が 10%以上 15%未満の企 業による記載が 23 社と最も多い。また、女性従業員比率を記載する企業は、48 社であり、平均は 33.7%、比率が 50%以上の企業による記載が 11 社と最も多い。なお、女性採用比率を記載する企 業は、4 社にとどまる。 各比率に関する記載企業数(単位:社数) 区間 女性管理職比率 女性従業員比率 女性採用比率 0% 3 0 0 0~1% 0 0 0 1~5% 19 0 0 5~10% 15 5 0 10~15% 22 5 0 15~20% 16 6 0 20~25% 5 5 0 25~30% 4 3 2 30~35% 2 2 0 35~40% 2 6 1 40~45% 0 2 0 45~50% 2 2 1 50%~ 1 11 0 総サンプル数 89 48 4

(37)

本報告書は、内閣府からの委嘱により、日興リサーチセンターが作成したものです。本報告書

は、信頼性の高いデータから作成されておりますが、日興リサーチセンターはデータの正確性・

確実性に関し、いかなる保証をするものではございません。

図表 16  「『女性の活躍』状況に関する記載」がある企業数及び上場企業に占める比率  (2) 「『女性の活躍』状況に関する記載」項目別の内訳  「『女性の活躍』状況に関する記載」について、記載項目別の企業数(図表 17)を昨年と比較す ると、いずれも昨年より減少している。  記載項目別に記載企業(2014 年は 572 社、2015 年は 494 社)に占める比率について 2014 年と 比較すると、女性役員や取締役の記載比率はほとんど変わらない。一方、「女性管理職数・比率」 や「女性従業員数・比率」の記
図表 17  「『女性の活躍』状況に関する記載」企業における記載項目別の内訳  (計:572 社(2014 年),494 社(2015 年))  520 437 434 200 82452388374123 53 690.9%76.4%75.9%35.0%14.3%91.5%78.5%75.7%24.9%10.7%1.2% 0.0% 10.0%20.0%30.0%40.0%50.0%60.0%70.0%80.0%90.0% 100.0%0100200300400500600 女 性 役 員 の 有 無( グ
図表 22  『女性の活躍』状況に関する記載」がある企業数及び記載比率  (2014 年報告書での記載有無別)      4.4  「『女性の活躍』状況に関する記載」内容の詳細  本節では、役員及び取締役などの項目別に、女性の登用のあることを記載する企業(女性の登 用あり記載)と登用のないことを記載する企業(女性の登用なし記載)のそれぞれについて、記載 企業数や全上場企業に占める記載比率を見る。加えて、「女性管理職数・比率」の記載状況につ いて業種別に比較する。  (1) 女性役員・取締役の有無に関する記載
図表 23  女性役員・取締役の有無別記載企業数と記載比率      (2) 業種別女性役員・取締役の有無に関する記載の内訳  ここでは、前述(1)で総計された記載企業数や全上場企業に占める記載比率を、業種別に確認 する。  ① 女性役員の有無(グループ全体)  「女性役員の有無(グループ全体)」を記載している企業数は、情報通信・サービスその他(116 社)、小売(43 社)、素材・化学(39 社)の順に多い。  業種別の全上場企業に占める記載比率 5 は、電気・ガス(40.0%)、銀行(31.5%)、金融
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