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市場営業統括部
・今週号本文はニューヨーク時間金曜日15時までの情報をもとに作成しています。
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フォレックス・ウィークリー) 本レポートは情報の提供を目的としており、何らかの行動を喚起するものではありません。ここに示した意見は本レポート作成日 現在の筆者の意見を示すのみです。データや数値の抽出範囲・基準は任意で設定している場合があります。データ・資料等につい ては、数値等の誤りが含まれている可能性があります。本レポートに基づき、お客さまが投資のご判断をされた結果に基づき生じ
チーフ・エコノミスト 山下えつ子
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Global View
… 不確実性とは何か →
p.2 ・ VIX 指数の低下はあたかも、不確実性がほとんどないかの投資家の認識を示している。 ・ だが、将来のことは常に不確実だ。Fed は金融政策についても将来が不確実であることをマーケ ットに知ってもらいたい。US View
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Fedのスタンスに大きな変化なし
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p.3 ・ FOMC 議事録は一部の警戒感ほどタカ派なコメントはなかった。 ・ 来週はイエレン議長の議会証言が最大注目材料。FX Outlook
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相場にトレンドなし
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p.4 <来週の予想ポイント> ドル/円 レンジ ・ 米国には材料は多いが、相場への影響は限定的。 ユーロ/円 レンジ ・ 日銀の金融政策決定会合は材料視されず。 今週のレンジ 本日東京 9 時 来週の予想レンジ 今後 3 ヶ月の予想レンジ ドル/円 101.06-102.22 円 101.31 円 101.00-102.00 円 100.00-105.00 円 ユーロ/ドル 1.3576-1.3651ドル 1.3605ドル 1.3550-1.3650ドル 1.3000-1.4000ドル ユーロ/円 137.50-139.06円 137.82円 137.50-138.50 円 130.00-145.00 円 (今週のレンジは先週金曜日東京9時~本日東京9時、予想レンジは本日東京9時~来週金曜日東京9時)Global View
… 不確実性とは何か
2014 年も早いもので既に半年が過ぎた。今年の前半については、どのように相場が動くのか、年 初のマーケットのコンセンサス通りにはならなかった。 米国の景気は悪くはないが一向に加速せず、欧州では追加緩和が実施され、一方、中国は不動産市 況に陰りが見えるが急失速には至っていない。日本は消費増税の悪影響が懸念されたが、想定よりも 軽微にとどまった。年初の予想に比べ、欧米の状況が下振れ、日中の状況は上振れている。ウクライ ナ、イラク、イスラエル、と年初にはほぼ視野になかった地政学リスクも浮上している。 現在、不確実性を示す指標の一つである VIX 指数が史上最低水準まで低下し、米国の Fed は警戒感 を高めている。地政学リスクや経済金融危機などがある時には不確実性が高まり、VIX 指数は上昇す る。それならば、この指数が低水準にあるということは、リスクや危機が少ないことを意味して良い ことのように思える。しかし、Fed の考えは異なる。不確実性に対する投資家の認識が不足している、 というのである。リスクや危機が少ないのではなく、リスクや危機が少ないと“思っている”から指 数が低下している、という説明だ。 確かにそうだ。VIX 指数はあくまでも投資家の認識を示している指数であり、現実を判断している わけではない。つまり、VIX 指数が低下しても、リスクや危機がないことを意味するのではなく、投 資家がそう思っていることを意味しているだけである。 Fed は不確実性の一つとして、自らの金融政策の先行きも挙げている。利上げの開始時期、利上げ のペース、は今のところ、ゆっくりとされている。だが、雇用情勢の改善に対して利上げを急ぐべき との意見もあれば、労働市場にはスラックがあり、利上げには慎重、という立場もある。金融危機の 後の米国の労働市場は過去にない高水準の長期失業者を抱えているほか、経済的理由でパートタイマ ーとなっている労働者など、失業率で見るよりも労働市場の需給は引き締まっていない、と考えられ ている。だが、データで判明していることは、長期失業者の数やパートタイマーの数であり、それら の存在が賃金にどれだけの影響を及ぼすのか、未だ学会では決着がついていない。更に、賃金が上昇 してきたとしても、その結果どの程度インフレが上昇するのかも、実は明確な結論が存在しない。こ のため、現時点で得られるデータと過去の実績に基づく理論モデルをベースに予想を立てても、予想 が正しいとは限らないのである。 VIX 指数が低下したのはなぜか。具体的に言えば、一つには中国リスクが小さいと認識されたこと。 代わって浮上している地政学リスクは金融市場を揺るがすほどではないと認識されていること。一方、 欧米の経済は予想から下振れたが、金融政策の見通しは立てやすいと認識されていること。こうした 認識が理由だろう。だが、リスクや危機がほとんどないとの認識と、金融政策の見通しに不確実性が 小さいとの認識は、投資家の“認識”に過ぎず、将来はいつも不確実性に満ちている。不確実性が小 さいとの認識自体が誤りだと Fed は考えているのである。 マーケットとのコミュニケーションを重視し、出来るだけ不確実性を除去しようと試みつつ、同時 に、不確実性は決して完全には排除できないこともマーケットに理解してほしい。これが先日のイエレン議長の「不確実性」発言の真意だろう。昨年、QE 縮小を始めるにあたってマーケットが非常に 大きく動揺したため、次の利上げ開始時にはマーケットの動揺を避けたいが、Fed にとっても先行き が不確実である以上、金融政策に関わる不確実性は決してゼロにはならない。
US View
… Fedのスタンスに大きな変化なし
今週は主要な経済指標の発表はほとんどなく、FOMC 議事録(6/17-18 開催分)の公表が主要な材料 となった。議事録の内容にはサプライズはなかったものの、インフレの上昇や 7 月初旬の雇用統計の 上振れを受けて、マーケットは議事録にややタカ派なコメントがあることを警戒していたのだろう。 議事録後、債券相場は利回り低下、為替相場はドル下落、の反応だった。 議事録では、金融政策の正常化の枠組み作りが進んでいることが印象づけられた。議長の記者会見 では今年後半に新しい出口戦略が公表されるということだった。利上げ開始から正常化の期間におけ る短期金融市場の調節手段として IOER と ON RRP が使われる方向にあるが、その詳細については議論 中。また FF ターゲット金利の位置づけについても議論中。かなりテクニカルな議論に入っているが、 委員の中でも意見が分かれている。また、MBS への再投資の停止を利上げ後とするとの意見が多数に なりつつあるが、これも未だ決着していない。 QE 縮小は淡々と進められているが、毎回 100 億ドルずつの縮小で、10 月の FOMC にて最後は 150 億ドル縮小を決定して縮小を終了することで、ほぼ合意された。この場合、11 月から QE は再投資の みで新たな資産購入はなくなる。新しい出口戦略は恐らくその前後の FOMC で公表されることになろ う。ただ、6 月の議事録で意見がまだかなり分かれていることから、9 月の FOMC ではまだ公表には至 らなそうだ。 労働市場については改善しているが、依然としてスラックが大きいと多数の参加者が考えている。 6 月の FOMC の後に発表された雇用統計では失業率が 6.1%まで低下したが、この議事録はそれ以前の FOMC なので、それに対する評価は不明。失業率が 6.1%でもスラックは依然としてあるとの見解に相 違はなかろうが、この後、8 月、9 月ともし失業率が低下を続けた場合には、その改善を FOMC がどう 評価するのか。注目すべき点である。地区連銀総裁の中には、失業率の低下を受けて利上げ開始の時 期を早めるべきとの意見もあるが(プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁)、エバンズ・シカゴ連 銀総裁のように、労働市場には失業率で見る以上にスラックがあり、インフレ率が 2%を下回って推 移する見通しに基づくと利上げ開始は 2016 年が妥当との意見もある。 一方、インフレについては、インフレの上昇が速いとしてリスクをアップサイドに見る参加者もい たが、今でもインフレがトレンド以下である方にリスクを見ている参加者もいる。足元のインフレの 上昇はマーケットが思うほど FOMC では警戒されていない。 来週は 15 日に小売売上高、16 日に鉱工業生産、17 日に住宅着工件数など、主要経済指標の発表が あるが、それ以上に注目すべきイベントがイエレン議長の議会証言(15 日、16 日)である。議長の 議会証言は 6 月の FOMC と内容、トーンはほとんど変わらないと思われる。だが 7 月初旬の雇用統計を踏まえて、労働市場についてどう言及するか。また利上げとの関連でインフレの上昇をどう考える かなど質疑は多岐に及ぶだろう。 経済指標では個人消費のリバウンド期待が強いほか、生産、住宅着工にも改善予想がある。方向性 は改善でよいと思うが、6 月分の生産、および 7 月のエンパイア・ステート・インデックス、フィラ デルフィア連銀サーベイでは、自動車以外の生産活動にはスピード調整があることが示唆されると予 想する。一方、住宅指標は今回も良好だろう。経済指標のほか、16 日には Fed のベージュブックの 公表もある。インフレや賃金に上昇圧力があるというアネクドートが再び記されていると思われるが、 来週は議長の議会証言があるため、ベージュブックの記述を受けて利上げ観測が高まることはなかろ う。 来週は、経済指標やベージュブックよりも議長の議会証言が重要で、その内容が当面のマーケット の雰囲気を作ると考えられるので、材料は多いが、個々の材料に振り回されないように気を付けたい。
FX Outlook
…
相場にトレンドなし
米国の雇用統計後、ドルの上昇はトレンドにはならず、週初には再びドル円はドル安・円高方向へ と戻った。材料が乏しかったほか、FOMC 議事録でも警戒されたほどのタカ派な意見もなく、ドル買 いはサポートされなかった。FOMC 議事録発表後、ドル円は下落。それと相前後して、イスラエル情 勢の緊迫化やポルトガルの銀行に対する不安が新たに材料として浮上し、株式相場は軟調、ドル円は 10 日には 101.06 円まで下落した。 米国では来週は、小売売上高、鉱工業生産などのマクロ経済指標の発表のほか、イエレン FRB 議長 の議会証言が予定されている。多くの材料がある週だが、特に議長議会証言に注目したい。FOMC 議 事録ではインフレの上昇に対して懸念はあまり表明されていなかった。したがって、議会証言でもイ ンフレリスクに対する警戒感は前面には出ないと予想される。一方、労働市場については先般の雇用 統計で一段と雇用が改善し、失業率も低下したことから、どのような解釈・判断となっているかが注 目点。依然として労働市場のスラックが大きいという判断が押し出されれば、今週だけでなく、当面 の相場は債券利回り上昇→ドル上昇の流れは期待できなくなる。筆者は、一回のデータだけでトーン が変わることはないと考えているため、今夏のドル高相場は予想していない。 来週は他には中国の 4-6 月 GDP の発表が 16 日。1-3 月対比で景気は持ち直していると言われてい るが、GDP は 1-3 月とほぼ同水準、また同日発表される 6 月の鉱工業生産や小売売上高は 5 月よりも やや上振れが、予想される。先進国以外のリスクには、ウクライナ、イラク、イスラエルなどの地政 学リスクが入れ替わり浮上しているが、それ以外には中国リスクもなかなか払拭されない。だが、4-6 月も中国のリスクが示現しなかったことで、しばらくは中国リスクに対する警戒感は遠のくだろう。 来週の中国の経済指標の発表がリスクオフを増大させる可能性は小さい。 日本では、14 日・15 日に日銀の金融政策決定会合が開催される。夏のボーナスの伸びや雇用情勢 の改善は家計の消費に対する見通しを楽観視させる材料。一方、機械受注の落ち込みや輸出の伸び悩みは世界経済見通しや企業設備投資の先行きへの懸念材料。しかし総じて、現時点での日本経済につ いては 4 月の消費増税の影響が想定よりも軽微となり、大きなダウンサイドリスクを感じさせるもの はない。今後、世界経済が鈍化するなど外部環境が企業の設備投資や景況感に悪影響を及ぼすことが リスクと考えるが、そうしたリスクが示現するのは 7-9 月ではなく、あるとしてもそれ以降のことだ ろう。今回の日銀の決定会合についてもマーケットを動かす材料ではなかろう。 (データ出所:Reuters)