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技術基準改訂による付着検討・付着割裂破壊検討の取り扱いについてわかりやすく解説

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Academic year: 2021

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技術基準改訂による

付着検討・付着割裂破壊検討の取り扱いについて

わかりやすく解説

2016 年 6 月 株式会社 構造ソフト はじめに 2015年に「建築物の構造関係技術基準解説書」(以下、技術基準と表記)が2007 年版から改訂されて、付着検討および付着割裂破壊検討に関して、2007年版と2015 年版では記載に差がみられ、お客様から様々な質問が寄せられています。 ここでは、付着検討や付着割裂破壊検討に関して、技術基準(2007)と技術基準 (2015)との違いや、弊社の一貫構造計算プログラム「BUILD.一貫Ⅴ」ではどのよう に組み込まれて入力制御できるのかについて説明します。 1. 技術基準(2007)と技術基準(2015)で何が変わったのか? 技術基準(2007)では、許容応力度計算の付着検討は1991年版の「鉄筋コンクリー ト構造計算規準」(以下、RC規準と表記)を満足することでよいとされていました。 付着割裂破壊検討に関しては、許容応力度計算では計算ルート2-3に関してわず かな記述があるだけで、基本的には計算ルート3で部材種別をFA~FCにするために、 “付着割裂破壊が生じないこと”を確認する必要があるとされていたものです。 技術基準(2015)では、許容応力度計算の付着検討は RC 規準(2010)を満足すること でよいとされ、付着割裂破壊検討では、前述の計算ルート3での確認に加え、建築行 政情報センター(以下、ICBA と表記)の Q&A No.19 により、計算ルート1,2で も検討が必要となりました。

(なお、技術基準(2015)では、計算ルート2-3は廃止されていますので、計算ルー ト2は、計算ルート2-1,2-2を指します)

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2. RC規準の付着検討の推移 技術基準(2015)では、RC規準(2010)が採用されているわけですが、RC規準(1991) やRC規準(1999)も関わった内容になっておりますので、それぞれの年代の規準の位 置づけを整理しながら、RC規準(2010)の付着検討に関してまとめてみます。 RC規準(1991)は許容応力度に基づく設計法です。RC規準(1999)は終局状態を対象 とした付着割裂強度式から導かれているので、付着割裂破壊を防止して安全性を確保 するための設計法でした。しかしながら、RC規準(1999)の設計法は付着割裂破壊を 生じるおそれのない曲げ補強鉄筋に対しては過剰設計になる場合があることや、現行 の建築基準法令で規定される許容付着応力度と整合していないために実務で採用さ れることが少ないなどの課題がありました。そのためか、技術基準(2007)での許容応 力度計算での付着検討は、RC規準(1991)でよいとされていました。 RC規準(2010)では、設計目標を以下の使用限界、損傷限界、安全限界の3つに分 けています。 ・使用限界: 長期荷重時の曲げ補強鉄筋の付着性能に起因して、部材の常時使用にあたって 機能的ないしは感覚的な障害が生じないことにより使用性が確保される限界 ・損傷限界: 短期荷重時の曲げ補強鉄筋の付着性能に起因して、部材の過大な残留ひび割れ や変形が生じないことにより損傷が制御される限界 ・安全限界: 曲げ補強鉄筋に沿った付着割裂破壊が生じないこと、および付着割裂破壊にと もなう部材の曲げ終局強度やせん断終局強度の低下が生じないことにより安 全性が確保される限界 RC規準(2010)は、使用限界、損傷限界については、RC規準(1991)の設計法を採用 し、安全限界については、RC規準(1999)の設計法を採用しています。使用限界、損 傷限界の設計に使う許容付着応力度は建築基準法令と整合をもたせたものになって おり、RC規準(1991)とRC規準(1999)の2つを踏襲し融合させ、建築基準法令とも整 合を持たせた規準となっています。 RC規準(2010)において、使用性確保については、(16.1)または(16.2)式で検討し、 損傷制御のための検討は、(16.3)または(16.4)式で検討することになっています。 (16.1)と(16.3)は曲げ補強筋の曲げ付着応力度(以下、τa1と表記)が許容付着応力度 以下であることを確認する式で、(16.2)と(16.4)は、鉄筋の引張り応力度に対する平均 付着応力度(以下、τa2と表記)が0.8×許容付着応力度以下であることを確認する

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3. 付着割裂破壊の検討 前章「1.」で記述したように、技術基準(2015)では、付着割裂破壊検討は計算ルー ト3での確認に加え、ICBAのQ&A No.19により、計算ルート1,2でも検討が必要 となりました。 計算ルート1,2の場合の付着割裂破壊検討 ICBAのQ&A No.19の内容は以下の通りです。 “RC規準15条2.(3)の許容せん断力式は荒川式を簡略化したものですので、荒川式 と同様、せん断破壊の検討とともに付着割裂破壊の検討も兼ねるものと考えるこ とができます。ただし、カットオフ筋がある場合は、付録1-3.1(1) はり⑥終局 強度c)付着、同(2)柱⑥終局強度d)付着などに従った安全性の検討(※1)が必要で、 RC規準(2010) 16条「付着および継手」1項「付着」(4) 3)に示す方法で検討す ることが考えられます。” ※1:下線はICBAのQ&Aの原文には付いていません。 以降の説明を簡便にするために付けています。 つまり、通し筋については、RC規準15条2.(3)の許容せん断力式を満足すればよい が、カットオフ筋については、上記Q&Aの下線部分の検討、又はRC規準(2010) 16 条「付着および継手」 1項「付着」(4) 3)に示す検討などを満足しなければならない ことになります。 ここで、上記Q&Aの下線部分の検討とは、(付1.3-20)式を参照することになるので、 「鉄筋コンクリート造建物の靭性保証型耐震設計指針・同解説」による検討を意味す ることになります。 計算ルート3の場合の付着割裂破壊検討 技術基準(2015)のルート3に関しての付着割裂破壊検討の記述では、技術基準 (2007)に記載されていた以下の2つの式が記載されていません。 ・「建築耐震設計における保有耐力と変形性能」の式 ・「鉄筋コンクリート造建物の終局強度型耐震設計指針・同解説」の式 これに代わり、以下の2つの式が記載されています。 ・「鉄筋コンクリート造建物の靭性保証型耐震設計指針・同解説」の式 (以下、靭性指針による付着割裂破壊検討 と表記) ・RC規準(2010)の大地震動に対する安全性確保のための検討 (以下、RC規準による付着割裂破壊検討 と表記) なお、この検討はRC規準(1999)の付着検討のσtをσyにした式と同等です。

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4. 「BUILD.一貫Ⅴ」での付着および付着割裂破壊に関する制御データ 技術基準(2015)に準じた検討をする場合は、許容応力度計算では、τa1による検討 かτa2による検討を満足させ、計算ルート1,2においては、カットオフ筋がある場 合には付着割裂破壊しないことの確認が求められ、計算ルート3についても部材種別 をFA~FCにするために、付着割裂破壊しないことの確認が必要です。 「BUILD.一貫Ⅴ」では、計算実行時の技術基準モードとして「2015年版」(※2) を選択すると、技術基準(2015)に準じた計算ができるようになっています。 技術基準モードを「2015年版」にした場合、デフォルト設定で、以下の検討を行い ます。 ・許容応力度計算の付着検討 RC規準(2010)のτa1による検討を行います。 (許容応力度計算データの[DCR1]でτa2による検討や、τa1,τa2の両 方で検討する設定が可能です。) ・計算ルート1,2の付着割裂破壊検討 カットオフ筋がある箇所に関して、靭性指針による検討方法で付着割裂破壊の 検討を行います。 (許容応力度計算データの[DCR1]の7項目の選択により、カットオフ筋 の有無に関わらず、全てのRC大梁を検討対象とすることも可能です。) ・計算ルート3の付着割裂破壊検討 靭性指針による付着割裂破壊検討を行います。 (保有水平耐力計算データ[ULA4]の16項目で、RC規準による付着割裂 破壊検討を選択することもできます。) ※2:技術基準モードとして「2015年版」を選択するには、「BUILD.一貫Ⅴ・ 2015年版 技術基準オプション」のライセンスが必要です。 今後、技術基準(2015)の運用が本格化し、今まで以上に技術基準(2015)に準じた 付着および付着割裂破壊検討が求められます。 この解説記事が皆さまの設計のお役に立ち、参考になれば幸いです。 また、運用が本格化することで、今後、ICBAにて新たなQ&Aや記載の変更が登録 される可能性がありますが、随時、対応してまいります。 (株式会社 構造ソフト)

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(付記) 弊社ホームページに掲載している以下の技術情報に関して、技術基準(2015)に対応 するにあたり、取り扱いが変わった点がありますので、この機会をお借りして、変更 点を記します。ご確認のほどお願いします。 技術情報 「付着割裂破壊の検討の概要と取り扱いの注意点」(2014年2月) URL → http://www.kozosoft.co.jp/gijyutu/qa201402.html ・変更点(1) RC規準による方法のσyを「BUILD.一貫Ⅳ+」から「BUILD.一貫V」に移行 する時に1.1倍を掛けるようにしました。 ・変更点(2) RC規準による方法の表現が、「BUILD.一貫Ⅳ+」ではRC規準(1999)のσtをσ yに置き換える方法としていましたが、「BUILD.一貫Ⅴ」では、RC規準(2010) の大地震動に関する検討方法の表現に変更しました。(検討内容は同じです) ・変更点(3) 技術基準(2007)による付着割裂破壊検討が、技術基準(2015)では記載がありま せん。 ・変更点(4) 技術基準(2015)では靭性指針による付着割裂破壊検討がメインの記述になって います。 ・変更点(5) 上記(3)(4)に伴い、計算ルート3での付着割裂破壊検討のデフォルトを以下のよ うに変更しました。 「BUILD.一貫Ⅳ+」:技術基準(2007)による付着割裂破壊検討 「BUILD.一貫Ⅴ」 :靭性指針による付着割裂破壊検討

参照

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