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神戸市感染症予防実務者講習会

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Academic year: 2021

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(1)

神戸市感染症対策特別講座

神戸市保健所 予防衛生課 2014年度 配布資料

(2)

発 見 さ れ た 感 染 症 の 種 類 人畜共通感染症 (狩猟採集) 都市では 集団発生 (産業革命)

感染症の広がり

腸管感染症 呼吸器感染症 (農耕開始) 100万年前 1万年前 天然痘・ 麻疹・風疹 コレラ・チフス (灌漑農耕開始) 5500年前 260年前 新興 感染症 3 0 年 前 か ら 4 0 種 類 以 上 の 新 し い 感 染 症 が 発 見 さ れ て い る 麻疹ウイルス <19世紀> 結核菌 コレラ菌 発見 人骨に結核 の痕跡

(3)

天然痘ウイルス

麻疹ウイルス コレラ菌

(4)

感染のしくみ

感染源

感染経路 3つ全てが揃うと 感染が成立 ウィルスや細菌を 体内に運ぶ経路 ウイルスや 細菌など病原体 発病 不顕性感染 宿主の感受性 体の中で病原体が増 殖する可能性 予防接種をしていたり抵抗力 があると発病しない場合がある

(5)

咽頭粘膜 腸管粘膜

感染と発症

• 体外

• 体内

暴露

下痢

細菌・ウイルス

発熱

嘔吐

感 染 発 症

増殖

潜伏期を経て・・・

(6)

・ を持ち込まない

・ を広げない

・ を持ち出さない

感染経路を絶つ

抵抗力をつける

手洗い 汚物の始末

感染症予防とは・・・

咳エチケット 宿主(人間)の抵抗力の向上 日常の健康管理、予防接種・予防内服など 感染源 感染源 感染源

(7)

感染源

ウイルス・細菌・原虫・節足動物などの病原体

• インフルエンザ • 麻疹 ・ 風疹 • ノロウイルス ・ロタウイルス (感染性胃腸炎) • HIV ・スピロヘータ(梅毒) ・ヒゼンダニ(疥癬) • 結核 ・ MRSA • 腸管出血性大腸菌 (0157・026)

(8)

感染経路

• 飛沫感染 :咳やくしゃみのしぶき

• 空気感染(飛沫核感染)

:しぶきの水分が取れた病原体(核)

• 接触感染 :手や皮膚を介する

• 経口感染 :口から胃腸に入る

• 血液感染 :傷や注射針を介する

(9)

標準予防策

嘔吐物・排泄物・血液・体液・分泌物

感染源と考え、

創傷皮膚・粘膜などは、感染経路として防御する。

感染症にかかっているという証拠がなくても!

(検査で陽性でなくても、症状や流行状況から判断)

→ 手洗いが基本

+ マスク・手袋・ゴーグルなどを装着

マスクは 咳エチケット用と

感染防御用は使い方やタイプが違う

(10)

手袋の着用

便・嘔吐物・血液等に触れる前に手袋を!

→ 感染源に直接触れない

手袋使用後・非汚染物・清潔な部分に触る

前や他の患者のところへ行く時には手袋を

外し、

手洗いをする

→ 感染源を広げない、清潔を保つ

手袋は、手洗いの代わりではない

(11)

飛沫感染

水分 (しぶき) インフルエンザ・風疹・ムンプスウイルス等 病原体 (核) 大 き く て 重 い の で 速 く 落 ち る 咳エチケット

(12)

インフルエンザ

特 徴:急激に発病。流行は爆発的。毎年流行 流行時期:冬場(例年12月~3月下旬) 1月末~2月上旬にピーク 感染経路:主に飛沫感染、接触感染もある 潜伏期間:1日~4日(平均2日) 感染期間:発熱1日前から解熱・症状軽快後も数日 ~ウイルス排泄している間 症 状:鼻水・のどの痛み・頭痛・38度以上の 発熱・咳・筋肉痛・関節痛・倦怠感等 経 過:

一般に1週間程度で軽快 注意すべき 感染症

(13)

登校基準:

発症した後5日を経過し、

かつ解熱した後2日を経過するまで

(保育所等では後3日経過) 治 療:抗インフルエンザ薬、対症療法など 予防方法:手洗い、うがいの励行、ワクチン接種 咳エチケット 集団保育での留意事項: 保育者や乳幼児家族も含めてワクチン接種 集団生活復帰後も咳が続く間は、マスク着用

インフルエンザ

集団感染

注意

(14)

空気感染

結核菌 麻疹ウイルス 水痘ウイルス ノロウイルス 等 病原体のみ の塊(核) 口から飛び出した飛沫の核になっている病原体が 空中に浮遊し、空気の流れにより飛散する

換気が必要

普通のマスクでは防げない

(15)

特 徴:感染力が非常に強い 最も強いのは発しん前の咳の出始め 感染経路:空気感染、飛沫感染、接触感染 潜伏期間:10日~12日 感染期間:発熱出現1~2日前から発疹出現4日間 症 状:発熱、咳、鼻水、結膜充血、耳の後部 や首すじから全身に拡がる赤い発しん 経 過:脳炎、肺炎、中耳炎をおこすことあり

麻しん

注意すべき 感染症

(16)

登園基準:

解熱後3日を経過するまで出席停止

予防方法:麻しん風しん混合(MR)ワクチン 1歳のお誕生日を迎えたら → 1回目 就学前の1年間に → 2回目 集団保育での留意事項: • 入園時に、麻しん風しん(MR)ワクチン接種歴、 麻しん既往歴の確認。未接種者には受診勧奨 • 施設内で、1人でも発症したら未接種、未罹患児 は主治医と相談するよう指導

麻しん

集団感染 注意

(17)

・2週間以上 せきやタンが続く ・からだがだるい ・急に体重が減る 早めの受診! 抵抗力(免疫力)低下 菌の強さ・量 睡眠不足 ・ストレス 感染 発病 ★感染しても発病する人は、10人に1人か2人 ★感染から発病までに時間がかかる (早くて半年~2年 遅いと20~30年)

結核菌によっておこる

慢性の感染症

結核

(18)

空気感染対策が必要

結核を疑い検査結果を待つ間は、 ・ できれば個室利用 ・ 職員は感染予防用のN95マスクを着用 ・患者さんに使うマスクは外科用かタオル 結核と診断がついたら、治療をしましょう(排菌 していたら結核病院への入院が必要) 排菌していなかったり、結核病院から退院した 場合は、治療中であっても、人に感染させる 患者さんではありません

(19)

神戸市発生状況 2012年 65人 2013年 317人

風疹

全国(2013年) 2,386人 75%が男性

(20)

風しん

注意すべき 感染症 感染経路:飛沫感染、接触感染 潜伏期間:16日~18日(2~3週間) 感染期間:発しん出現7日前から発しん出現7日間 症 状:発熱と同時に発しん、リンパ節の腫脹 経 過:発しん出現後3~5日で治癒 まれに血小板減少性紫斑病や脳炎 登園基準:

発しんが消失するまで出席停止

予防方法:麻しん風しん混合(MR)ワクチン 1歳のお誕生日を迎えたら → 1回目 就学前の1年間に → 2回目

(21)

風しん対策の目的:先天性風しん症候群 (妊娠早期に風しんにかかると胎児に感染し、心臓 や目や耳に障害を生じることがある)の防止 感染拡大防止のために:予防接種 •妊娠前の女性 •妊娠中の女性の家族の方 •風しんにかかったことがない方 •予防接種をうけたことのない方 【神戸市の風しん抗体検査の助成】

風しん

胎児へ 影響あり

(22)

接触感染

ノロウイルス アデノウイルス 腸管出血性大腸菌 MRSA・緑膿菌 など 感染者 未感染者 ヒトからヒトへ感染 最も頻度が高い伝播経路である 直接接触感染:握手・抱っこ・キス等 間接接触:ドアノブ・手すり・遊具等

(23)

MRSAや緑膿菌

• 抵抗力が保たれている人については症状なし。 • 病院とは関係なく、健康な人からも見つかることがある。 • つまり、施設においても無症状でこれらの菌を保菌して いる人が入所している可能性あり。 対 策: • 平常時は特別扱いする必要はなく、標準予防策をきち んとすればOK • むしろ保菌者に対して過剰の対応をすることで、差別 に繋がらないように注意する • 有症状時は、接触予防策(ガウンテクニック等)の追加

(24)

経口感染

ノロウイルス 腸管出血性大腸菌 サルモネラ属菌 カンピロバクター A型肝炎ウイルス等 ウイルスや細菌で 汚染された食べ物が 口に入ることで感染する 食中毒の発生 にもつながる

(25)

吐き気 下痢 おう吐 腹痛 汚染した食品から 感染者が調理した食品から 手から口へ 乾燥した汚物から ウイルスが浮遊して 口に入る 経口感染 経口感染 接触感染

感染力が強い

飛沫感染

感染性胃腸炎(ノロウイルス)

集団感染

注意

対症療法 (脱水に注意) 1~2日で軽快

(26)

血液感染

B型肝炎ウイルス

C型肝炎ウイルス

HIV

ウイルスや細菌で

汚染された血液による輸血、

薬物の回し打ち、医療事故

(27)

HIV感染症 および

後天性免疫不全症候群(AIDS)

特 徴:HIVウイルスの感染により生じ、適切な治療を受けないと、 重症な全身免疫不全により日和見感染症を引き起こす。 感染経路:血液、体液を介して感染(基本的には集団感染しません) 症 状:無症候期は症状なし 免疫抑制状態になると、発熱・下痢や日和見感染症の症状 治 療:抗レトロウイルス療法、日和見感染症の治療 予 防:血液感染・性行為感染・母子感染対策 日常生活で感染することはありません 留意事項:特別扱いをする必要はありません。 むしろ感染者に過剰の対応をすることで、 差別に繋がらないように注意しましょう

(28)

ヒゼンダニが人の皮膚に寄生、その死骸 やふんに対するアレルギー反応から、 かゆみを伴う皮膚の病気。 診 断:①臨床症状 ②顕微鏡検査などでのヒゼンダニの検出 ③疫学的流行状況(疥癬患者との接触) 治 療:内服薬 ストロメクトール(製剤名) 外用薬 オイラックス(製剤名)その他 治癒判定:1~2週間隔で2回連続してヒゼンダニを検出 できず、疥癬トンネルの新生がない場合 ★副腎皮質ホルモンの塗布は効果が無く、免疫力を下げる ため症状が悪化する可能性もある

疥癬

・通常疥癬と角化型疥癬がある。

(29)

感染症の発生と患者数の推移

発生を 探知 感染症対策 を実施 サーベイランスによる早期 探知によってこの範囲の 発生を抑制できる 一 日 の 発 生 患 者 数 発生からの日数

感染拡大を防ぐための早期探知

感染源のピークを抑制 感染拡大の時期を遅らせる → その間に対策が取れる 感染症の流行予測 感染症の流行制御 医療資源の枯渇を防ぐ 一日毎の発症者を数える

(30)

神戸市感染症情報

http://www.city.kobe.lg.jp/life/health/infection/trend/shuuhou.html 神戸市HP ・ 医師会等医療機関へ随時、情報提供 定点報告疾患 (抜粋) 2011 2012 2013 インフルエンザ 9,692 15,441 10,893 RSウイルス感染症 643 638 456 A群溶血性レンサ球菌咽頭 炎 1,076 1,431 1,537 感染性胃腸炎 13,026 14,978 12,796 水痘 1,589 1,756 2,246 百日咳 2 7 19 ヘルパンギーナ 797 1,219 1,111 流行性耳下腺炎 199 331 1,690

(31)

日常の健康観察で早期発見

過去にかかった感染症や予防接種の実施について 利用開始時に確認し、記録しておく 毎日症状の有無、排泄状況、食事摂取状況等観察 <症状がある場合> 便の状態・回数、腹痛、吐き気、嘔吐、発熱の有無 を中心に日々の変化を観察し、早期の対応を!

集団の場では、一日毎の発症者を数える

(32)

主な症状 要注意のサイン 発熱 ぐったりしている 意識がはっきりしない 嘔吐 発熱、腹痛、下痢もある 下痢 便に血が混じっている 尿が少ない、口が渇いている 咳、咽頭痛・鼻水 熱があり、痰のからんだ咳がひどい 発疹(皮膚の異常) 圧迫や摩擦がおきやすいところに 厚い鱗屑がある

感染症を疑うべき症状

(33)

下痢が

続く 家庭、保育園、施設 など、ふれあいの多い

集団生活

下痢はおさまったが、 病原体が消えていない

排泄の世話

二次感染

こんなときは要注意

腸管

感染症

一日毎の発症者 を数える

(34)

集団発生が疑われる場合の対応

同様の症状を呈する利用者が多い ・症状はいつから? 発熱・咳・たん 嘔吐(回数)・下痢(性状・回数) 腹痛 その他の症状 報 告 施設管理者 主治医・嘱託医等 報 告 施設等所管課・各区健康福祉課(あんしんすこやか係) 対応窓口を 一本化

拡大防止

訪 問 ・ 調 査 報告 助言・指導 家族や集団の接触者調査・検査など 一日毎の発症者を数える

(35)

拡大防止

手洗いが感染予防の基本

職員の手指を介した感染は、 最も注意が必要 「1ケア1手洗い」と「ケア前後の手洗い」が基本 • 液状石けんと流水で時間をかけてもみあらい(30秒以上) • 手を洗ったら、タオルは個人用かペーパータオルを使用 (共用タオルは使用しない) • 感染者や感染しやすい状態にある人のケア時は、 消毒薬による 手指消毒を行う

二次

感染

(36)

職場環境づくり

職員の健康管理

・職員専用のトイレ 「1ケア1手洗い」がしやすい環境 ・感染症対応の研修、声かけ、気づき ・職員が有症状時の対応が決まっている (休日日数、業務内容の変更など) 例:下痢や嘔吐で休業 → 復帰後、食品や利用者のケアに直接触れる 作業は避ける等

朝礼や申し送り時、職員の体調確認

自己申告しやすい環境

(37)

抵抗力をつける 個人の健康管理

ぐっすり睡眠 バランスのとれた食事 適度な運動

健診

(38)

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療

に関する法律(感染症法)

平成

11

年施行

第1条(目的)感染症の発生の予防及びそのまん延の防止、公衆衛生の向上、 増進 第2条(基本理念) 国際的動向を踏まえ、保健医療を取り巻く環境の変化、国 際交流の進展等に即応し、新感染症その他の感染症に迅速かつ適確に対 応する目的にそった施策を、感染症の患者等の人権を尊重しつつ、総合的 かつ計画的に推進する。 第3条(国及び地方公共団体の責務) 知識普及、情報収集・分析・提供、研究、 検査能力向上、人材育成、多機関との有機的連携において、感染症の患者 等の人権を尊重しなければならない。 第4条(国民の責務) 国民は、感染症に関する正しい知識をもち予防に努め、 感染症の患者等の人権が損なわれることがないようにしなければならない。

(39)

第5条 (医師等の責務) 医師その他の医療関係者は、国及び地方公共団体が講ずる施策に協力し、 その予防に寄与するよう努め、感染症の患者等が置かれている状況を深く 認識し、良質かつ適切な医療を行うとともに、当該医療の適切な説明を行 い、当該患者等の理解を得るよう努めなければならない。 2 病院、診療所、病原体等の検査を行っている機関、老人福祉施設等の施設 の開設者及び管理者は、当該施設において感染症が発生し、又はまん 延しないように必要な措置を講ずるよう努めなければならない。 第12条(医師の届出) 一、二、三、四類感染症は直ちに保健所長を経由して都道府県知事へ。 五類感染症は全数と届出医療機関(定点)で週報(7日以内)または月報、と 分けられ、知事から厚生労働大臣へ報告する。

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療

に関する法律(感染症法)

随時改正 あり

(40)

①疾病の予防

感染症が発生しないような習慣

②早期発見と適切な治療の提供

早めの対応や接触者調査

③疾患を持って生きる事への支援

全ての人が社会の中で患者と、

感染症‘対策’とは・・・

「感染症の予防および感染症の患者に対する医療に関する 法律」 法の基本的理念 : 感染症の患者等の人権を尊重

事前対応

拡大防止

ともに生きる

参照

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