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目次 1. 第 20 回秋田県合同輸血療法委員会 1 2. 血液製剤使用状況調査報告 平成 29 年度秋田県合同輸血療法委員会中央地区輸血講演会 平成 29 年度秋田県合同輸血療法委員会看護師部会活動報告 平成 29 年度秋田県合同輸血療法委員会検査技師活動報

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平成 29 年度

秋田県合同輸血療法委員会

秋田県

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目次

1. 第 20 回秋田県合同輸血療法委員会 ・・・・・・・・・・・・・・1 2. 血液製剤使用状況調査報告 ・・・・・・・・・・・・・・・・・60 3. 平成 29 年度秋田県合同輸血療法委員会中央地区輸血講演会 ・・111 4. 平成 29 年度秋田県合同輸血療法委員会看護師部会活動報告 ・・112 5. 平成 29 年度秋田県合同輸血療法委員会検査技師活動報告 ・・・114 6. 全体討論主題と特別講演・基調講演一覧 ・・・・・・・・・・116 7. 秋田県合同輸血療法委員会による I&A 受諾施設 ・・・・・・・117 8. 血液製剤使用適正化方策調査研究事業研究計画書 ・・・・・・118 9. 血液製剤使用適正化方策調査研究事業実績報告書 ・・・・・・133

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第20回 秋田県合同輸血療法委員会プログラム

日時 平成29年11月16日(木)13時30分〜17時00分 会場 県庁第二庁舎大会議室 総合司会 秋田県健康福祉部医務薬事課 柳谷 由己 次第 ○ 開会挨拶 (13:30~13:40) 秋田県健康福祉部次長 佐々木 薫 秋田県赤十字血液センター所長 面川 進 ○ 報 告 (13:40~14:00) 「血液製剤使用状況等に関するアンケート調査結果」 秋田県合同輸血療法委員会世話人(秋田県健康福祉部医務薬事課) 飛澤 悟 「臨床研修医における輸血療法に関する周知度調査」 秋田県合同輸血療法委員会世話人(大曲厚生医療センター臨床検査科) 林崎 久美子 ○ 特別講演1 (14:00~14:30) 座長 秋田大学医学部附属病院輸血部副部長 藤島 直仁 先生 『秋田県合同輸血療法委員会20年のあゆみ』 秋田県合同輸血療法委員会代表世話人 面川 進 休憩 ○ 特別講演2 (14:40~15:40) 座長 秋田県合同輸血療法委員会代表世話人 面川 進 『PBMの今後の展開』 佐賀大学医学部臨床検査医学講座教授 末岡 榮三朗 先生 ○ 討論主題 (15:40~17:00) 『Bloodless Medicineの実践を目指した各医療機関における院内監査の推進と若手医師の教育』 座長 市立秋田総合病院心臓血管外科科長 星野 良平 先生 大館市立総合病院副診療局長 小笠原 仁 先生 報 告 制限輸血講演会の実施から 秋田県合同輸血療法委員会世話人(秋田大学医学部附属病院輸血部副部長) 藤島 直仁 先生 話題提供 院内輸血監査について 大館市立総合病院副診療局長 小笠原 仁 先生 話題提供 輸血教育について 由利組合総合病院診療部長・内科臨床研修プログラム責任者 西成 民夫 先生 ○ 閉会挨拶 (17:00) ※ 秋田県合同輸血療法委員会への出席は、日本輸血・細胞治療学会の認定制度、学会認定・臨床輸血看護師、 また、学会認定・自己血輸血看護師において、研修及び業績に関する基準単位が認められており、医師、 臨床検査技師、看護師の出席者には参加証明書を配布いたします。

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【 開会挨拶 】

秋田県健康福祉部次長 佐々木 薫 本日は、お忙しい中、第20回秋田県合同輸血療法委員会に多くの医療機関の皆様からご出席いただ きまして誠にありがとうございます。また、皆様におかれましては、日頃より院内における輸血療法委員会 の設置や血液製剤の一元管理の推進など血液製剤の適正使用にご尽力いただいておりますことを、こ の場をお借りしましてお礼を申し上げます。 さて、この合同輸血療法委員会は、輸血医療を実 施している医療機関及び秋田県赤十字血液センタ ーのご協力を得て、血液製剤の適正使用を推進し ていくための情報共有、さらには課題等の整理、検 討の場として、平成10年度から開催しており、今回 で20 回目を迎えることとなりました。 ご存知のとおり、我が国の輸血医療は国民の「善 意」の献血によって支えられており、血液の安定供 給を確保するため、県、市町村並びに赤十字血液 センターが連携して、献血運動の推進を図ってお ります。本年7月には国民一人一人が献血の重要 性を認識する契機となりますよう、関係各位のご協力をいただきまして第53回献血運動推進全国大会を 本県において開催したころであります。近年、少子高齢社会により、献血可能人口が減少する一方で、血 液製剤の需要は高まっており、血液製剤を安定的に供給するために、その適正使用がさらに重要となっ ているところです。

本日は、患者中心の輸血医療の新しい流れである「Patient Blood Management(PBM)」の最新の状況に ついて、日本輸血・細胞治療学会PBM ガイドライン検討タスクフォースの委員長でもあります、佐賀大学 医学部臨床検査医学講座教授の末岡榮三朗先生をお招きし、「PBM の今後の展開」と題しまして、ご講 演をいただくこととなっております。 また、20回目の開催である今回は、秋田県赤十字血液センター所長であり、この秋田県合同輸血療法 委員会代表世話人の面川進様から「秋田県合同輸血療法委員会20年のあゆみ」と題しましてご講演いた だくこととしております。いずれも、豊富な経験に基づいた貴重なお話となっておりますので、是非、皆様 の今後の業務の参考にしていただきたいと考えております。また、討論の時間においては是非、積極的 なご参加をいただき、ご意見を下さいますようお願いいたします。 結びに、本県の血液事業に対しまして、引き続きご理解とご協力を賜りますようお願いいたしまして、開 会のご挨拶といたします。

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秋田県合同輸血療法委員会代表世話人 面川 進 (秋田県赤十字血液センター) 皆さんこんにちは。秋田県合同輸血療法委員会代表世話人の面川でございます。先ほど、健康福祉 部の佐々木次長からもご紹介がありました通り、本会は平成10 年からの開催で、今回は第 20 回と なります。現在は、ほぼ全国に都道府県単位の合同輸血療法委員会が設置されておりますが、秋田 県は、まさにその先駆けでありました。秋田県より先に全国で開催したのは福岡県だけであり、秋 田県の1 年前に開催されていました。 さて、今回はお時間を頂きまして、特別講演 として20 年間の歩みをご紹介させていただき ます。1つの合同輸血療法委員会に20 年も携 わっているというのは全国的にもそういなく、 私は最初から関わっていますので、その歴史を 感じながらご紹介させていただきたいと思い ます。また、佐々木次長からもお話がありまし たが、今回は特別講演としてPBM ということ で末岡先生にご講演をいただきます。最後の全 体討論におきましては、日本語訳では制限輸血ということですが、Bloodless medicine の実践を目 指したということで、院内監査をどうするか、若手医師の教育をどうするかということで事例発表 を含めてご討論いただきたいと思います。 この合同輸血療法委員会は 20 回を重ねており、毎年いろいろなテーマで討論をしておますが、そ れが医療機関において輸血療法委員会の活性化、ひいては各部門のレベルアップ、そして最終的に は輸血を受ける患者さんへの適正で安全な輸血に結びつくのが本来の目的でございます。今回の講 演、討論の内容を是非各医療機関に持ち帰って活かしていただいて、良い輸血医療の実践に役立て ていただきたいと思います。 本日は長い時間ではございますが、どうぞよろしくお願いいたします。

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(司会) プログラムに従い、報告を始めます。初 めに「血液製剤使用状況等に関するアンケート調 査結果」を秋田県健康福祉部医務薬事課の飛澤 から報告いたします。 (飛澤) 医務薬事課の飛澤と申します。「血液製 剤使用状況等に関するアンケート調査結果」につ いてご報告いたします。 調査の概要です。調査対象施設は、年間100単 位以上の供給があった施設及び過去に調査した ことのある施設で、今年度は55施設です。調査対 象期間は、平成 28 年 1 月 1 日から 12 月 31 日で す。調査対象期間は、例年は 1 月から 6 月となっ ておりましたが、今回から 1 年間ということで、実 際に使った実績に応じた調査を行ったところであ ります。回収率は 81.8%でした。血液製剤使用割 合は 99.2%で、供給が 175,821 単位、使用が 174,430 単位でした。 輸血部門の設置状況は、“設置済み”が 25、“未 設置”が 20 でした。 時間内・時間外の輸血責任者の決定状況は、時 間内輸血責任者を“決定済み”が 40、“未決定”が 5でした。時間外輸血責任者の“決定済み”が36、

【 報 告 】

「血液製剤使用状況等に関するアンケート調査結果」

秋田県合同輸血療法委員会世話人

飛澤 悟

(秋田県健康福祉部医務薬事課)

「臨床研修医における輸血療法に関する周知度調査」

秋田県合同輸血療法委員会世話人

林崎 久美子

(大曲厚生医療センター臨床検査科)

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“未決定”が 9 でした。 輸血療法委員会の設置状況は、“設置済み”が 37、“未設置”が 8 でした。 輸血療法委員会が設置されている 37 施設の開 催状況は、“2 ヶ月に 1 回”が 20 施設で 54%、“月 1 回”が 3 施設、“年 1 回”が 3 施設で、70%の施 設が輸血療法委員会を開催しているということで した。そして 30%はその他となっております。 血液製剤等の保管部署です。血液製剤につい ては、“輸血部”が 4、“検査室”が 31、“薬剤部”が 5、“その他”が 5 でした。アルブミン製剤について は、“輸血部”が 4、“検査室”が 13、“薬剤部”が 22、“その他”が 5、未回答が 1 となっております。 アルブミン以外の血漿分画製剤は、“輸血部”が 0、 “検査室”が 4、“薬剤部”が 34、“その他”が 6、未 回答が 1 となっております。 血液製剤の使用状況ですが、血液製剤使用単 位割合として円グラフで表しています。PC が 62%、RBC が 32%、FFP が 7%でした。実際の数 字につきましては、スライドに示しております。 アルブミン製剤使用状況、使用本数ですが平成 28 年度は 17,620 本となっており、平成 27 年度か ら 1,414 本減っています。グラム数はスライドに示 した通りです。 血液製剤の廃棄状況は、RBC の使用単位数は 55,402 で廃棄単位数が 1,064、廃棄率は 1.9%で した。FFP は使用単位数が 11,228 で廃棄単位数 は225、廃棄率は2%でした。PCは使用単位数が 106,114 で廃棄単位数が 220、廃棄率が 0.2%で した。 輸血患者の人数です。赤血球製剤の実人数は

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7,299 人、延べ人数が 23,680 人と一番多くなって います。2 番目に多いのがアルブミン製剤で、実 人数が 2706 人、延べ人数が 13,330 人でした。 FFP、アルブミンと RBC の比については、平成 28 年度の FFP/RBC 比は 0.21 と平成27 年度から 若干下がっています。アルブミンとの比では、平 成 28 年度は 1.27 となっております。 貯血式自己血輸血の実施医療機関数は、平成 28 年度は“実施”が 24、“未実施”が 21 でした。 貯血式自己血輸血の症例数と患者割合では、 平成 28 年については症例数が 1,255、同種輸血 が 7,297、割合は 14.7%となっております。平成 27 年の割合は 26.1%であり、低くなっています。 貯血式自己血輸血の実施率と平均症例数で、 輸血管理部門の設置状況別です。設置済みでは 実施率が 68%であり、未設置では 35%でした。 平均症例数は、設置済みは 48.4 例、未設置が 4 例でした。 同じく、輸血療法委員会の設置状況別です。設 置済みでは実施率が61%、未設置は25%でした。 平均症例数は、設置済みは34.5例、未設置が1.3

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例でした。 その他のデータにつきましては、本日配付して おります参考資料に詳細が記載されております ので参照して下さい。 報告は、以上で終わります。ご清聴ありがとうござ いました。 (司会) ただ今の報告につきまして、ご質問等ご ざいませんでしょうか。 ないようですので、続きまして「臨床研修医にお ける輸血療法に関する周知度調査」について大 曲厚生医療センター臨床検査科林崎様からご報 告をお願いします。 (林崎) 大曲厚生医療センター臨床検査科の林 崎です。よろしくお願いします。 今年度の秋田県合同輸血療法委員会の血液製 剤使用適正化方策調査研究事業の一環で、 『Bloodless Medicine の実践を目指した各医療機 関における院内監査の推進と若手医師の教育』 を目的として、輸血療法に関する臨床研修医の 周知度調査を行いました。 対象は、秋田県内の基幹型臨床研修病院 14 施 設の、平成 29 年度前期・後期の臨床研修医で す。 調査内容は、大きく 3 つで、1 つは輸血実践へ の教育影響度、自己評価、問合せ先の認知度で す。2 つ目は、血液製剤の使用指針に関する内 容として、今回改訂されました指針をもとに、○× で答えて頂き評価をしております。3 つ目の輸血 副作用などに関する内容ですが、今回この調査 の参考文献から、アメリカなどでは臨床医を対象 とした周知度調査を実施していることがわかりまし た。その内容が BEST-TEST であり、アメリカやカ ナダなどで行われており、それをもとに調査内容 を設定しました。 回答していただいた施設は 8 施設、35 名です。 前期 1 年目が 19 名、前期 2 年目が 16 名でした。 今回の報告にあたり、アンケート内容を皆様の お手元にお配りしております。この中には、回答 も入っておりますので、これと合わせて見て頂け ればわかりやすいと思います。 「学生時代に輸血医療の講義はどの程度ありま したか」、「研修医になってから輸血医療の研修 等はどの程度ありましたか」という質問には研修 の時間で答えてもらっています。“4+”は 4 時間以 上です。学生は、4 時間以上が多く 42.9%でした。 研修医では逆に“4 時間以上”が少なく、1 時間程 度が多かったという結果でした。“4 時間以上”で は、実際は 5 時間から 6 時間という回答が多くあり

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ました。研修医期間では、“4 時間以上”が 17.1% と少なくなっていますが、実際に病院でも初期研 修の時に輸血として時間を作るのは難しいのか、 何か工夫が必要なのかと考えさせられる結果でし た。 「学生時代の講義は、どの程度役にたっている とお感じですか」、「研修医になってからの研修は、 どの程度役にたっているとお感じですか」というと こです。学生時代は、“極めて”はなかったので すが、研修医期間では“極めて役立っている”と いう回答がありました。実際、初期研修の時に輸 血の実践に役立っていると感じているのか、この ような結果となりました。 皆さんのお手元にお配りしている資料には、 Q1-10 と 12 は載っていませんので、スライドをご 覧下さい。 「勤務されている病院には輸血の院内マニュア ルはありますか」では、“ある”という回答が 77.1% でした。 「患者から輸血に関するインフォームド・コンセ ントをご自分で取得されたことはありますか」では、 “ある”と言う回答が 68.6%でした。 「輸血に関する質問があった際、輸血管理部門 への連絡先をご存じですか」では、“知っている” という回答が 62.9%でした。 「輸血に関する質問があった際、輸血責任医師 への連絡先をご存じですか」では、“知っている” が 34.3%とちょっと低い結果でした。 「輸血医療に関して、今後研修等が行われると したら役に立つと思いますか」では、 “とても役に 立つ”、“極めて役に立つ”が少し低い回答でし た。 「患者への適切なケアに際し、輸血療法の知識 はどの程度重要だと思いますか」では、とても大 切である”、“極めて大切である”と感じているとい う結果となりました。 「ご自分の輸血に関する知識について」5 段階 で の 評 価 を お 願 い し ま し た 。 内 容 は 、 BEST-TEST を日本語に訳したものです。 RBC、FFP、PC それぞれの輸血の必要性の決 定についてです。RBC については、それほど不 安はないようですが、FFP、PC については少し不 安があるという結果となりました。「発熱した患者 への診断と治療」、「呼吸困難患者への診断と治 療」では、ちょっと不安があるという回答になって います。FFP、PC の必要性の決定には少し不安 があるということと、副作用については少し知識が 少ないと思っているという結果となりました。ここま でが、周知度の報告となります。

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次は、それぞれの設問についての正答率を、 低いものから上げてみました。 RBC に関する設問ですが、今回改正された使 用指針を基に、一部文言を変えて出題しておりま す。この中で注目したいと思うのは、Q2-5「血性 心疾患を有する患者の手術(非心臓手術)トリガ ー値」で、正答率が 40%とこの中では低い結果と なっています。 次に Q2-8 の「腎不全による貧血への対応」で すが、正答率が 34.3%でした。Hb 値 10g/dL とあ りますが、正解は 7g/dL ということです。 次に、PC・FFP の設問です。Q2-10 で「抗 HLA 抗体が検出される場合の ABO 適合血小板濃厚 液の使用」では、HLA 適合血小板が必要となりま すが、正答率が低く 37.1%という結果でした。 Q2-13「CCI の判断値」ですが、そもそもこの CCI という言葉を先生方がわかってるのかどうか は判りませんが、42.9%で半分以上にはなりませ んでした。 Q2-14「造血器腫瘍において、原疾患や治療に 伴う出血のリスクを回避するために、血小板輸血 を予防的に行うことを推奨する」は、“○”としても らいたかったところですが、“×”と答えた方が多 く、正答率は 20%でした。 Q2-21「血小板減少による重篤な活動出血を認 める場合の維持血小板値」については、3 万/μL とありますが、5 万/μL が正解です。これを“○” にした方が多かったという結果でした。 Q2-22「活動性出血において、外傷性頭蓋骨内 出血を認める場合のトリガー」ですが、血小板数 5 万/μL となっていますが、正解は 10 万/μL で す。5 万/μL でいいという解答が多かったという 結果です。 Q2-27 は「MTP」ということで、通常、大量出血時 に希釈性凝固障害による止血困難になることがあ り、その場合の FFP と RBC の比率ですが、1/1〜 2.5 が正解となります。これは、難しかったと思い ますが、ほぼ半分の正答率という結果でした。

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次は TRALI についてです。ここからの出題は日 本輸血・細胞治療学会の e ラーニングの中で、 BEST-TEST の項目とマッチしているものを出して おります。 「FFP 適応に関するもの」は、正答率は 62.9%と 高かったのですが、未だに胃がん末期患者で低 タンパク血症が著明となった場合の投与を“○”と している先生方がいるという結果でした。 Q3-3「TRALI の治療として適切なのはどれか」 ですが、第一は呼吸管理ですが、次にステロイド パルス療法ということで、これは半分以上が正答 でした。 次は TACO についての設問です。正答率が非 常に低いという結果で、TACO の認知度が低かっ たのではないかと思われる結果となりました。 次に、不適合輸血に関しての設問です。Q3-8 は「輸血での血管内溶血の結果としてみられるも のはどれか。2 つ選んで下さい。」では、正解は “血圧の低下”と“DIC”ですが、中には“黄疸”とい う答えがあり、正答率が 22.9%という結果になりま した。 「赤血球輸血でメジャーミスマッチはどれですか。 2 つ選んで下さい」では、正答率は 54.3%でした。 数字が合わないところがありますが、全く解答し ていない先生もいましたので、これを数に入れて いないためです。 細菌感染の問題ですが、これについては少し 難しかったのかと思われ、正答率が低かったで す。このようなことを教えて行く機会を作っていか なければならないのではないか、と思っていると ころです。

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次は、感染症についての問題です。この設問は、 輸血後感染症検査を実施した時に、輸血後感染 症ではなく再活性も疑われるということがある、と いう内容で正答率は 45.7%でした。 次は、GVHD に関する問題で、これも正答率が 低いという結果となっています。注目するところは “白血球除去フィルターにより予防できる”と答え ている先生方もいらっしゃるというところです。今 はどの製剤も照射されて病院に届いていますが、 どのくらいのカリウムが入っているのかということ を知っておかなければならないということを思わ せる設問が Q3-14 で、正解は 7mEq で正答率 34.3%と少し低い結果でした。 投与量についての設問で「体重 60Kg、出血に よる急性貧血で Hb5.0g/dL の成人に Hb7.5g/dL を目標として輸血を行う場合、400mL 由来赤血球 製剤が何バッグ必要か」ということですが、正答率 が 45.7%でした。3 バッグや 5 バッグという解答も みられました。 簡単ですが、私からの報告は以上です。 多岐にわたる調査内容で、大変だったと思います。 ご協力いただき、本当にありがとうございました。 今回の結果については、今後秋田県合同輸血療 法委員会の活動の中で活かしていきたいと思っ ております。以上で報告を終わります。 (司会) ただ今の報告につきまして、何かご質問 等ございませんでしょうか。 それでは、これで報告を終わります。

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(司会) 特別講演 1 は「秋田県合同輸血療法委 員会 20 年のあゆみ」と題しまして、秋田県合同輸 血療法委員会代表世話人の面川進様からご講演 いただきます。 座長を秋田大学医学部附属病院輸血部副部長 であります藤島直仁先生にお願いします。それで は藤島先生、よろしくお願いいたします。 (藤島) 皆さん、こんにちは、秋田大学の藤島で す。本日は特別講演 1 として秋田県赤十字血液 センター所長で本委員会の代表世話人でもありま す、面川進先生より「秋田県合同輸血療法委員会 20 年のあゆみ」についてお話をいただきます。皆 さん、面川先生のことはよくご存じだと思いますが、 恒例によりましてご紹介いたします。 面川先生は、昭和 54 年に東北大学医学部をご 卒業されまして、東北労災病院の外科で研修をさ れた後、昭和 56 年から東北大学医学部附属病院 の第 1 外科に配属になっています。昭和 60 年か らアメリカ合衆国オハイオ州クリーブランドクリニッ ク財団研究所の人工臓器部門で Research Fellow をされまして、その後昭和 63 年 12 月から秋田大 学に来られて外科学第一講座、現在の第一外科 に所属されています。平成3 年7 月から秋田大学 医学部附属病院輸血部へ私の前任として、長らく ご活躍されました。平成 21 年から現在の秋田県 赤十字血液センターの所長として、秋田県をそし て日本をリードしていらっしゃいます。学会は、日 本輸血・細胞治療学会、日本自己血輸血学会は じめ多くの学会で重要な役職を務めています。 それでは、面川先生よろしくお願いします。 (面川) 藤島先生、ご紹介ありがとうございました。 ご紹介にありました通り、私は 1998 年の秋田県合 同輸血療法委員会設立から関り、今年で 20 回と なりました。そこで、振り返ってその内容をご紹介 したいと思います。 秋田県では1998年から、今日もご担当されてお ります県医務薬事課、血液センター、主要医療機

【 特別講演 1 】

座長 秋田大学医学部附属病院輸血部副部長 藤島 直仁

秋 田 県 合 同 輸 血 療 法 委 員 会 2 0 年 の あ ゆ み

秋田県合同輸血療法委員会代表世話人 面川 進

(秋田県赤十字血液センター 所長)

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関が中心となって、秋田県合同輸血療法委員会 を組織いたしました。目的は「輸血療法委員会活 動の活性化」と「血液製剤使用適正化」でございま す。 その後、秋田県合同輸血療法委員会も 20 年も 経ちますと発展してまいりまして、活動内容も多岐 にわたってきております。各医療機関の輸血療法 委員会に血液センターがオブザーバー参加し、 情報提供して活動しております。また、合同輸血 療法委員会という名の下に種々の活動を行い、 複合的な情報提供をしております。また、合同輸 血療法委員会の中には、医師部会、検査技師部 会、看護師部会を設けて活動しております。 今回は、合同輸血療法委員会の 20 年の活動状 況を振り返るとともに、今後の展望についてもお 話したいと思います。 まず、秋田県合同輸血療法委員会の目的、体 制についてです。 先ほどお話しました通り、1998 年に秋田県医務 薬事課、血液センター、主要医療機関が中心に なって秋田県合同輸血療法委員会を作り、各医 療機関の輸血療法委員会の方々に集まっていた だいて問題点を検討しようということでした。当初 は、輸血療法委員会がない施設もありましたが、 そのような病院にも出席していただいて、輸血療 法委員会を設置してもらおうということでした。 当時、20 年前は輸血部門が一元化されておら ず、検査と製剤の払い出しが別々であるということ が多かったことから、輸血部門を設置するような 働きかけができないか、ということも課題でした。 それから発展してきますと、輸血療法委員会自 体の活動を活性化しなければならないということ です。さらに情報交換と、今日のような会議に出 席していただき、特別講演等を通して最新の輸血 情報を習得していただくこと。これらのことは、ひ いては血液製剤の使用適正化と安全で適正な輸 血療法委員会の推進につながるということです。 先ほどのこの会の冒頭でもお話した通り、秋田 県の1年前である 1997 年に福岡県で初めて、当 時は「輸血療法委員会合同会議」と称して発足し

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ました。我々もこれを作ろうということで、具体的に 言いますと、私が当時の血液センターの大里技 術部長に掛け合い、そして県医務薬事課にも働 きかけました。当時は県の血液事業に関係する 予算もありましたので、県内の輸血療法委員会に 働きかけて、集まる会を作るように設置してもらい、 名称を福岡県に倣って「輸血療法委員会合同会 議」と称して文書を発出したという記憶がございま す。 今お話しました通り、県医務薬事課、血液センタ ーと主要医療機関の三位一体となったところが、 非常に重要なところと思います。 目的としては、1 つ目のスライドにお示ししたよう なことを実行するということです。輸血療法委員会 を活発化してもらうこと、最新の輸血情報をこの場 で習得してもらうこと、もっと多数の方にご参加い ただいて情報を提供するということです。それが、 血液製剤の使用適正化につながるし、各施設で 実施していることなどを情報交換ができるだろうと いうことであります。 設立当初を 1998 年から 2005 年までとしました。 これはなぜかといいますと、ここまでは「輸血療法 委員会合同会議」と称していたからです。 当時の委員会としては、医療機関から医師 2 名 と臨床検査技師2 名、秋田県医務薬事課から 2 名、 血液センターからは当時の所長、技術系部長と 課長の 3 名ということでした。 そこで合同会議を開催するにあたっての主題、 討論テーマ、アンケートなどの内容を決めており ました。アンケートを実施することは、非常に重要 な責務と思っており、先ほど県からご報告がありま した通り、20年に亘って血液製剤の使用状況を調 査しております。膨大なデータであり、使用単位 数のみならず、実患者数、延べ患者数、疾患別患 者数、自己血輸血患者数などの調査をしておりま すので貴重なデータとして種々全国に発信して いるところであります。それから、特別講演を決定 するということ、また I&A にも取り組んだところであ ります。 転機となったのは 2005 年で、それまでは県の 血液事業に関係する予算で支持を得ていたとこ ろですが、それが執行できなくなったということで す。そこで国でも、各県に合同輸血療法委員会の 設置を推進することになり、2005 年 6 月 6 日に通 知が出ました。ご承知でない方もいらっしゃると思 いますが「血液製剤の適正使用推進に係る先進 事例等調査結果及び具体的強化方策の提示等 について」という厚生労働省からの通知です。 どういうことかといいますと、厚生労働省医薬食

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品局血液製剤対策課から出ており、平たくいいま すと各県で合同輸血療法委員会の実施に関して、 それを是非やりなさいという通達です。同時に「血 液製剤使用適正化方策調査研究事業」の公募が 始まった年でもあります。つまり、各県単位で県の 予算で合同輸血療法委員会または輸血療法委員 会合同会議を開催している県がある一方、開催し ていない県があり、そこをどうレベルアップして行 くかということで、国としてこのような通達を出した ということです。また、国で予算をつけようという時 期があり、それがこのタイミングでありました。 国から出た通知の中で、しっかりとした組織を作 りなさいということがありました。そこで、2006 年 8 月に名称を「秋田県合同輸血療法委員会」として、 要綱を定めました。「秋田県輸血療法委員会合同 会議」は、実際に輸血療法委員会の皆様が集まる 会議と認識し開催してきておりましたが、考えて みますと、しっかりとした規約があったかは定かで はありませんでした。この時に国では、合同輸血 療法委員会としての要綱があり、しっかりと組織化 しているということを予算請求の条件となることか ら、このような組織を作ったということです。要綱 の雛形が国から示されたと記憶しておりますが、 名称について、組織構成について、目的をどのよ うにするかということ、執行部・世話人をどのように するかということなどの規定を各県で作りなさいと いうことで、われわれも組織化したということでし た。 2006 年からは「血液製剤使用適正化方策調査 研究事業」ということで、国が各年 10 数都道府県 に対して予算措置を行って合同輸血療法委員会 を開催し、目的に添った事業、つまり血液製剤適 正使用推進または輸血療法委員会の活性化など の事業を行うようにということでした。 スライドには、平成29 年度血液製剤使用適正化 方策調査研究事業に係る企画書の評価基準を示 しています。評価事項としては、血液製剤適正使 用推進の体制はどうなっているか、血液製剤使用 事業計画はどうなっているか、血液製剤適正使用 推進体制・血液製剤使用事業の発展性があるか どうかで、それぞれに点数がついて評価されると いうことになっています。平成 29 年度は 18 団体 から応募があって、採択されたのが 10 団体という ことです。 評価(1)、(2)の合計点数と(3)の点数それぞ れで、上位 5 団体から選ばれているのではない かと推測されます。因に秋田県の今年度の研究 は、今回の討論テーマとほぼ同じ題名で応募し、 採択されました。(1)と(2)の合計点数が 18 団体 中 11 位で上位 5 団体からは漏れていますが、(3) の発展性の項目で 18 団体中 3 位だったというこ とです。平成 28 年度は、もっと良い順位でした。 過去のことをお話しますと、2006 年当初は 2 位、 その後 1 位、1 位、2 位と毎年上位に入っていた 時代がございましたが、一時マンネリ化というよう な状態で採択されなかった暗黒の時代が少しあり ました。それでも開催は継続されて、県は会場等 を提供してくれるということ、手前味噌ではありま

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すが血液センターの予算を使って実施してきた 時期もあります。 合同輸血療法委員会として、どのような活動をし ているか、今日の会を参考にしていただければ 分かりやすいと思います。 特別講演は何とか入れようということで、予算が ない時には近隣の県または県内の専門家を招く、 という時期もありました。 それから組織化をして、秋田県合同輸血療法委 員会としました。 何度も言うように、秋田県の予算があったのが ゼロになってしまい、厚労省の「血液製剤使用適 正化方策調査研究事業」に応募して継続して来 たということです。 輸血の実態調査は、輸血療法委員会の設置状 況、血液製剤の使用数、廃棄数、患者数、自己血 輸血状況などを、第 1 回から行っております。先 ほど医務薬事課の飛澤さんからダイジェストした 内容のご報告がありましたが、今日の資料の中に 詳しい内容が参考資料として載っております。こ れは、20 年を重ねたデータであり、非常に貴重な ものです。数字の羅列にはなっておりますが、こ れを読み解くと非常に興味深い内容となっており ます。自分の施設がどの位置にあるかということも わかりますので、是非参考にして頂きたいと思い ます。 秋田県においては輸血の実態調査に加え、合 同委員会でいろいろなプログラムを実践してきま した。日本輸血・細胞治療学会で実施しておりま す I&A を合同輸血療法委員会で実施するというこ とをしてきました。これは、全国どこを見ましても やっていないことです。合同輸血療法委員会のメ ンバーが I&A 受審を希望する医療機関に出向い て I&A を実施します。日本輸血・細胞治療学会で 実施している内容と同じですが、“模擬”とついて いるのは認証まで至らないからです。これを受け ていただいて、日本輸血・細胞治療学会の本番を うけて頂くということになります。それから、輸血の リスクマネージメント、適正使用、副作用、感染症 と遡及調査等、いろいろなその時々にトピックスと なっている事柄を取り上げて、実態調査に加えて 追加調査を行ってきたということです。 2 番目のテーマであります「秋田県合同輸血療 法委員会の歩み」についてお話したいと思いま す。 1998 年から 2007 年までの開催状況です。だい たいこの 11 月の決まった時期に開催するというこ とで、皆さんも 11 月になると合同輸血療法委員会 があるということを分かっていただいていると思い

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ます。 特別講演を必ずやるということをお話しましたが、 その時々に応じて特別講師に来て頂いてテーマ についてお話していただいています。当初は、 「輸血療法一元化と輸血療法委員会」、「血液製剤 使用指針」、「リスクマネージメント」、「EBM」、そし て「I&A」、「リスク管理」、「製剤の適正使用」等々 です。 2006 年まで予算がついておりましたが、2007 年 2008 年と県の予算がつかなくなったという時期で、 行政から厚労省の中山先生をお呼びして講演を いただいたということもありました。 そして、特別講演に関係した内容で、必ずいく つかの病院に事例発表していただいて全体討論 をしています。各医療機関の輸血担当者、輸血療 法委員会の先生がたには大変ご負担をおかけし たと思いますが、事例発表をしていただき、議論 していただくということで、得る部分も大きいので はないかと思います。 1 回目は、我々より 1 年前に開始された福岡県 輸血療法委員会合同会議を行ったということで、 当時九州大学にいらした稲葉先生を早速お呼び しました。稲葉先生がここでお話していますが“近 くの病院で、しかも規模的によく似た病院で、あっ ちはこうやっていると、どうもうちはビハインド”だと いうこと、少し違うのではないかということが形に 現れてくるということ。先ほどお話しました参考資 料として使用状況や患者数、自己血輸血状況な どがありますが、同じような病院規模であっても、 自己血輸血の患者数が半分以下となっている、と いうようなことが見えてきます。比較するとよくわか ります。そうすることで、改善につながるということ です。各病院が実際にどのようにやっているのか ということの情報公開をお互いにすると参考にな る、ということをお話いただいて、合同輸血療法委 員会の役割についてお話しいただいております。 第 4 回には、「輸血医療と EBM」ということで慶 応大学の半田先生に来ていただきまいた。テー マとしては「血液製剤の使用指針・輸血療法に関 する指針の取り組み」ということで、科学的に指針 に対するエビデンスがあるかどうかということ等を 踏まえて、お話いただいております。輸血療法は エビデンスに乏しいところが多いのですが、でき るだけ EBM に近づけた輸血医療を実践するべき だというお話でした。 第 8 回は、県の予算がなかった時ですので、当 時の厚生労働省医薬食品局血液対策課の課長 補佐である中山先生に来ていただいています。 中山先生は秋田大学の出身です。その後 2007

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年に指針の改訂があったと記憶しておりますが、 その時に中山先生が深く関わったということも聞 いております。 当時、「厚生労働大臣の医療事故緊急アピール」 ということで輸血医療の事故等を重く見て、輸血 の体制、輸血療法委員会の設置、輸血部門の設 置等による管理強化というアピールが出ましたの で、そのようなことを中心にお話されました。 第 9 回では、輸血の実態調査に加えて「輸血管 理料」をテーマとして、実際にどのように取得され ているのかという事について比留間先生に講演 をいただくと同時に、各病院から事例発表をして いただきました。当時問題となっていたのは、 FFP、アルブミンとの比が悪いと輸血管理料がと れないため、それをどのように削減するかというこ とでした。 それから、サブテーマとして「輸血時の危機管 理」について、交差適合試験をどうするか、異型 適合血の状況はどうか、院内体制がどうなってい るか等についても調査しました。 第 2 期ということでもございませんが、歩みの 2 番目となります。2008 年から、地域開催を始めま した。これは、年 1 回 11 月のこの時期にお集りい ただいて、特別講演、全体討論を行っていますが、 秋田県は県土が広いため、大館・鹿角地区の方、 県南の方、由利本荘地区の方など、実際の輸血 医療に関わっている方が、出席できないというこ とがありますので、地域開催ということを行いまし た。 11 回と 12 回は、県南と県北と 2 カ所で行いまし た。ここ数年は、1 回だけの開催ということで 1 月 から 3 月にかけて行っています。今年度は来年 2 月 10 日に秋田厚生医療センターをお借りして、 当該の病院や周辺の病院の方に来ていただいて 開催します。基本的に 12 回に示しましたように、 本会と同じテーマで開催地の病院の方に事例発 表していただくということで、県内全体に広がりを 見ています。 第 11 回は、輸血管理料ととても関わりがあるこ ととしてアルブミン製剤の使用をどう抑えるかにつ いての取り組みについて事例発表していただき ました。 翌年 2009 年の第 12 回は、緊急・大量輸血時の 輸血体制構築ということで、極めて危機的な状況 となった産科手術があったという事例の発表がご ざいました。体制をどのように構築するか、院内 の体制はどうなっているのか、マニュアルがある のか、緊急時の血液型はどうするのか、今は指針

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がありますが実際はどうしているかということで す。驚くのは、躊躇しないで輸血をしなければな らない状況だとは思うのですが、“躊躇する”、“わ からない”、“交差適合試験をする”というような回 答があったことです。何を優先するかということは 非常に大事な事です。かなり輸血と臨床が密接 に結びつく、ご自身が遭遇する可能性のある緊 急大量輸血のお話がありました。 輸血療法委員会の活性化ということも、この会の 大きな目的であります。輸血療法委員会は何をし ていいのか具体的にわからないということがありま したので、2010 年の第 13 回には、各病院でどの ようなことをやっているのかということを調査して、 最低限議論するべきことの雛形をまとめてみまし た。 年間のテーマを決めて、目標を達成するため に、輸血療法委員会が主体となった院内研修会 を実施することが大事です。テーマはどんなこと でも結構です。その病院で一番お困りになってい ることから始まって、輸血管理料を取っていなけ れば取る努力、廃棄が問題であれば廃棄のこと、 検査と薬剤が一緒になっていないところは一元化 を考える、マニュアルがなければ作るなど、いろ いろなことを参考にしてテーマを決めて、これを 議論していただくということです。それから、検査 部門が主体となった輸血療法委員会ですが、委 員長は医師がなっていると思いますので、不適正 な使用をする診療科があったら、そこに意見を申 し上げるのは、検査科ではなかなか難しいという ようなことがあったら、輸血療法委員会の委員長 から言ってもらうなどの通達の方法はどうか。ま た、大切なのは定期的に開催すること、合同輸血 療法委員会でやっている I&A または日本輸血・ 細胞治療学会の I&A の受審を目的にすること、 学習会・勉強会・新人教育等を輸血療法委員会が 主体となってやっていただきたい、ということをお 話しました。活性化のテーマとしてこれらのことが あるということを雛形として示しました。 2011 年から 2014 年までを示しております。この 時は、輸血の安全性教育ということで、認定制度 に関係すること、認定医、認定技師、認定看護師 制度をご紹介いただき、どのような教育をするの が大事なのかということをお話しました。地域開催 も同様でした。2012 年は、自己血採血の安全な 実施も含めた、輸血の安全性に関しての看護部 門からの発表もありました。自己血採血を看護師 が行っている施設も多いということでやりました。 2013 年は、今日も PBM のお話をしていただき ますが、PBM についての紹介ということで講演を しています。 また、副作用は常について回ることですので、 それらの基礎について地域でも開催しておりま す。 これは、2011 年の「輸血の安全性教育」につ いて、当時の日本輸血・細胞治療学会認定医制 度審議会の会長であった浅井先生に来ていただ いて、輸血認定医制度のご紹介をしていただきま した。

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2012 年は「輸血の安全性確保 看護部門での アプローチ」ということで、自己血輸血を含めた安 全性をどのように担保するかということを、当時山 梨大学にいらした岩尾先生に来ていただいて、 輸血の現場である看護部門の重要性、どのような 安全対策ができるかということを、とても面白くご 講演いただきました。 2013 年には、北海道大学の豊嶋先生に来てい ただいて「患者中心の輸血医療 Patient Blood Management」の講演でした。PBM の走りと言いま すか、PBM という単語には、まだ馴染みのない頃 でもございましたので、解説いただいて知識を深 めたということです。 最近の 18 回から 20 回です。18 回は、「輸血根 拠、輸血量設定および効果判定の実態調査と医 療機関での監査体制の構築」という重要なテーマ でした。しかしながら、残念なことに 18 回は厚生 労働省の血液製剤使用適正化方策調査研究事 業には採択されませんでした。 第 19 回の昨年から Bloodless Medicine につい て、藤島先生が中心となって教育講演等を実施し ているところです。これを発展させて今年度は 「Bloodless Medicine の実践を目指した各医療機 関における院内監査の推進と若手医師の教育」と いうことで、院内監査をどのようにしているかの事 例発表が後ほどあります。また、先ほど林崎さん からアンケート調査の報告があった通り、医師に 問題を出してみたところあまり解答率が芳しくなか ったということでした。 継続して年 1 回の開催、継続した調査、院内輸 血の活性化、種々のテーマ、現在は Bloodless Medicine ということで進めようということです。 合同輸血療法委員会の中には世話人会もありま すが、医師部会、看護師部会、検査技師部会が できてそれぞれ活動しているということも大きいと ころであります。医師部会は、各病院の輸血療法 委員会委員長に集まっていただきますので、委 員長会議と同じということです。検査技師部会、看 護師部会の活動も非常に重要なところでありま す。

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さて、今後どういうことを考えていかなければな らないかということになります。 これは、2016 年と 2017 年に厚生労働省の血液 製剤使用適正化方策調査研究事業に採択状況 で、今年は、青森、秋田、山形、埼玉、茨城、新 潟、兵庫、広島、福岡、大分が採択されていま す。2 年続けて、Bloodless Medicine ということで 採択され喜んでおりますが、来年はまたどうする か、ということを考えなければいけないということ です。 合同輸血療法委員会の特別な活動として、模擬 I&A をやっています。これは、日本輸血・細胞治 療学会のチェックリストを用いて、全く同じことをや っています。院内を回り、I&A と同じようにやって いただくということで、改善レポートも出していた だいております。そのようなことで、日本輸血・細 胞治療学会の I&A を受けていただいた病院が、 現在県内に 6 病院あります。 看護師教育は、看護師部会が中心となって年 1 回、看護師のステップアップセミナーを開催して おります。これは、とても好評であり、多くの病院 の輸血をする各病棟から多くの方に集まっていた だいております。看護師同士のネットワークを作 って、なおかつ各病院の認定看護師が力を発揮 していただくという組織作りも伴って、看護師教育 に力を入れているということです。秋田県は、学 会認定・自己血看護師、学会認定・臨床輸血看護 師がとても多い県です。棒グラフは地域毎の自己 血看護師の数で、九州・沖縄が 128 人、東北は 106 人と多く、秋田は 53 名います。鹿児島県が 58 人と一番多いのですが、それに迫る勢いで、 人口比にするとトップとなっています。そのような 形で、学会認定・自己血看護師の養成にも力を入 れています。同じように学会認定・臨床輸血看護 師の制度があり、秋田県は 42 名、青森県が 72 名で一番多く東北全体では 196 名ということで す。このように輸血看護師の養成を図ることは、安 全な輸血の実施に有益ではないかと考えており ます。 検査技師も輸血専任ではない、小さい病院で

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輸血の頻度がそんなに多くないというところもあり ますので、そのようなところを対象に研修会を実 施しています。技師会に入っていないところもあり ますので、今年度も来月に開催し、事業として検 査教育も継続していく予定です。 看護師、検査技師、医師部会がそれぞれあると いうことをお話しましたが、輸血は1つの職種で完 結するものではないということを皆さん承知のこと と思います。日本輸血・細胞治療学会では、牧野 先生が中心となって輸血チーム医療に関する指 針策定タスクフォースができております。輸血は チーム医療であるということで、それにはどのよう な在り方が必要かということで、医師、看護師、検 査技師、薬剤師を含めて、それぞれの役割を明 記したことで指針ができています。日本輸血・細 胞治療学会のホームページにこのタスクフォース の指針案がでてパブリックコメントを募集中です ので、是非日本輸血・細胞治療学会のホームペ ージを見ていただきたいと思います。 来年の保険改定の時に、この輸血チーム医療 指針に従った輸血医療を実施している医療機関 に対して加算を考えているということです。平たく 言うと、現在輸血管理料にはⅠとⅡがあります が、それが改定される可能性が高いということで す。これは国次第でありますので、輸血管理料が どうなるかはわかりません。医療費削減の中です ので加点されるかわかりませんが、輸血管理料の 点数がアップする、つまり輸血チーム医療の指針 に添っていると点数が高くなるということを日本輸 血・細胞治療学会では狙っているところがありま すので、ご留意いただきたいと思います。 ここに示したブルースライドは 10 年前、第 10 回の時に私が「秋田県の輸血医療の実態−10 年 間の合同輸血療法委員会の調査から–」ということ で講演したものです。もうひとつは、そこで今後は どうするのかということで出したスライドです。今回 も同じことを示します。開始から 10 年たっても 20 年たっても、今後に関しては基本的に変わらない と思います。 まず、開催を継続するということです。中断とい う危機がありましたが、開催を継続してきた結果 20 回ということになりました。今後も開催していく ことが、まず大事なことだろうということです。 それから調査の継続も同様のことです。とても貴 重な輸血実態の調査がでていますので、それを 継続するということです。 そして、輸血医療の変遷に対応した活動・調査 を行うべきだということです。 それから、情報をこの場で交換する、または特

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別講演を聞いて新たな情報を得るということを継 続することが大事だと思います。 秋田県合同輸血療法委員会にはホームページ があります。ここに示した URL (http://plaza.umin.ac.jp/~tx-akita/)にアクセスし ていただくとホームページに行きます。ダウンロ ードできる資料等も順次準備していきますので、 是非ご覧になって下さい。20 年間にわたり、種々 の調査等でご苦労をおかけしていると思います が、それが素晴らしい結果になっておりますの で、ご協力いただいた皆様には、この場をお借り して感謝申し上げたいと思います。 最後に、この会のことからは少し離れますが、来 年の平成 30 年に赤十字血液シンポジウム東北 in AKITA を「適正で安全な輸血のために」をテー マに秋田アトリオン音楽ホールで、11 月 10 日に 開催します。予定に入れていただき多くの方にご 参集いただきたいと思います。輸血医療は、適正 で安全でなければいけないというこが永遠のテ ーマであると常日頃から思っております。そこで、 第一部では“適正な輸血”に関することとして、今 年改定された血液製剤の使用指針に関するご講 演をいただきます。第二部は“安全な輸血”という ことで、輸血チーム医療についてご講演いただき ます。皆様、是非ご参集下さい。 以上でございます。ご清聴ありがとうございまし た。 (藤島) 面川先生ありがとうございました。私が知 らないこの 20 年間について非常に深く勉強にな りました。お時間が押していますが、1 つだけコメ ントいただきたいと思いますが、いかがでしょう か。20 年の期間をご存じなのは阿部さんくらいで しょうか、一言お願いします。 (阿部) 血液センターの阿部です。面川所長と共 に、20 年間を秋田県合同輸血療法委員会のため に歩いてきたなと感じています。適正使用や安全 な輸血のために、秋田のために、これからも継続 して、次の世代の方に継いでいただければとお もいながら所長の講演を聞いておりました。 (藤島) 今後は、輸血チーム医療を発展させて いきたいと思いますので、先生よろしくお願いい たします。本日はありがとうございました。 (司会) 面川様、藤島先生ありがとうございまし た。

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(司会) 特別講演2「PBM の今後の展開」と題しま して佐賀大学医学部臨床医学講座教授でありま す末岡榮三郎先生からご講演いただきます。座 長を秋田県合同輸血療法委員会代表世話人の面 川様にお願いいたします。それでは末岡先生よ ろしくお願いいたします。 (面川) それでは、今日の特別講演を始めたい と思います。今日の特別講演は、「PBM(patient blood management)の今後の展開」ということで、 今ご紹介いただきました佐賀大学医学部臨床検 査医学講座教授の末岡榮三郎先生にお願いい たします。簡単ではございますがご略歴をご紹介 いたします。末岡先生は 1984 年 3 月に佐賀医科 大学医学部をご卒業され、その後国立がんセン ター研究所、埼玉県立がんセンターで研究員を 勤められたのち、2003 年 8 月に佐賀医科大学医 学部内科学助教授にご昇任されています。2010 年 10 月から佐賀大学医学部附属病院検査部長、 2011 年には輸血部の部長を兼任されたということ です。2013 年 8 月からは、現職であります佐賀大 学医学部臨床検査医学講座の教授にご就任され ております。また、昨年 2016 年 4 月からは、佐賀 大学医学部附属病院の病院長特別補佐、医療情 報部長、地域連携室長、バイオセンター長も兼務 されているということで、ご多忙のことと思います。 所属学会は、検査関連の学会、日本輸血・細胞治 療学会、日本血液学会、がん学会等で、血液、が ん、臨床検査、輸血の専門家でいらっしゃいます。 タイトルの下にございますように、日本輸血・細胞 治療学会の PBM に関するタスクフォースの委員 長をされていることもあり、このようなご講演をい ただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 (末岡) 面川先生、とても丁寧なご紹介をありがと うございます。 皆さんこんにちは、佐賀大学の末岡と申します。 秋田に来たのはおそらく何十年かぶりで、血液内 科の駆け出しの頃に、臨床血液学会で来た覚え があります。 何年か前に、ちょうど日本が PBM を導入しようと いう動きがあった始めの頃に豊嶋先生からすで に紹介いただいているということですので、今日 はこの PBM が今、世界で、日本でどのように動い ていくのかということを、私見も踏まえた上でご紹 介していければと思います。

【 特別講演 2 】

座長 秋田県合同輸血療法委員会代表世話人 面川 進

(秋田県赤十字血液センター所長)

『 P B M の 今

の 展

佐賀大学医学部臨床検査医学講座 教授 末岡 榮三郎 先生

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PBM と い う こ と で す が 、 Patient Blood Management を直訳すると何なのかよくわかりませ ん。豊嶋先生、紀野先生たちが PBM を日本に導 入する時に“患者中心の輸血医療”という言葉を 使いました。PBM を詳しく言うならば、“輸血が必 要な医療場面において、患者さんにとって最適な 医療効果を提供するため、そしてそれは科学的 な証拠に基づいた学術的なアプローチである”と 定義されます。これは、オーストラリアの PBM の ガイドラインにも書かれているのですが、これらの ことが定義されるということです。 そのような PBM がなぜ必要とされ、今一生懸命 いろいろな国がこれを実践しようとしているのかと いうことに関して、その背景がいくつかあります。 先月、韓国で行われた臨床検査の学会で、世界 各国の PBM の実践の人達が集まってシンポジウ ムが行われていました。その中でイギリス、韓国 の人達が報告していたのですが、アジアの中で も韓国は、今一生懸命 PBM を実践しようという取 り組みが進んでいます。 そのようなことを背景として考えるならば、先ほ どからいろいろお話いただき、そして面川先生も お話いただいていたのですが、輸血というのは、 様々な病態において有効な細胞および血液成分 の補充療法であるのですが、やはり同種血液とい うのは非自己であるということで、その非自己の血 液成分が体の中に入ってくると、それに伴う様々 な副作用が存在します。そこで、先ほど藤島先生 の Bloodless という言葉がありましたが、必要な場 面で必要な量だけの輸血を最低限行うという考え 方が必要となってくるということが、だんだん認識 されるようになってきたということだと思います。 そのような中で、実際に PBM を実践するために はどのようなことが必要なのかということです。 同種血輸血を極力避けるアプローチが必要で ある。これは輸血のガイドラインで規定する適正 な輸血医療を実践するプラスαとして、適正な輸 血を行うためには、その輸血医療の現場でいろ いろ改善する問題をどのように解決するかという ことも含まれています。そのアプローチを全て含 めたのが PBM ということと私たちは考えていま す。 それから、近年輸血による副作用を軽減するこ との重要性について認識されてきたのは当たり前 なのですが、その背景の中に少子高齢化で資源 そのものが不足してきている、あるいは治療とし ても分子標的療法あるいは分子免疫療法などの、 これまでの治療概念を一変するような大きな変革 が医療現場に出て来ています。このように治療内

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容が多様化する中で、私たちは輸血医療をもう一 度見直さなければいけないのではないか、という 時期にきているというふうに思います。 これは、古い提言ではありますが、“輸血が完全 に安全であるならば輸血を制限する理由はない”、 裏返せば、そうではないから輸血はきちんと制限 し、適正な輸血を実践しなければならないという ことを述べていることと理解しています。 私は輸血の医療現場の中で、医師としては 30 数年関わっていますが、輸血学会あるいは輸血 医療の中に入ってからはまだまだ経験は浅いの で、皆様がたのように言う事はできませんが、少 なくとも輸血は副作用と共に進歩して来たという一 面があると思います。AIDS しかり、GVHD しかり、 それからいろいろな感染症、ウイルスの検査方法 などの発展なども、実は副作用があったからこそ、 それをどうにか回避しようという技術の開発が背 景にあったと思います。 日本赤十字社に報告された副作用がありますが、 これは 2014 年です。少し古いのですが、非溶血 性の副作用と溶血性の副作用として、年間 1000 件を超えるような副作用が実際に報告されていま す。私たちの大学の経験からすると、実際の数は この倍以上あるのではなかと思っています。です から、決して輸血というのは安全ではないというこ とが背景にあるということは間違いないと思いま す。 そのような中で、いろいろなデータが出ていま すが、時間も押しているようですし中心は後半の ことですので、少し飛ばします。同種血輸血のリ スクと予後ということに関してもいろいろなデータ があります。それを背景に、考えて行くというよう に思っております。 輸血におけるガイドラインと PBM ということを考 えたときに、私はこれから先、PBM の実践のため のガイドラインを作っていかなければならないと いう立場なのですが、適正使用のガイドラインも 作られていますので、そことの関係をどのように 考えるかということを図にしてみました。

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私が血液内科医として患者さんに接する、そこ である患者さんの血液を調べたときに、白血病の 患者さんで血小板が減っていて 1 万/μL 以下で あるという結果が出たら、殆どの血液内科医は“よ し、輸血しよう”となると思います。これは輸血ガイ ドラインで適正な使用ではあります。ところが、そ の時にその患者さんの年齢はどうなのか、体格は どうなのか、合併症はあるのかないのか、輸血歴 はどうなのか、予測される予後はどうなのか、例え ば実際の治療が全く効かないで家族がこれ以上 過剰な医療はしてほしくないということを望んでい るのかどうなのか、というような背景をしっかり理解 した上で輸血の可否を決めるというのが、実際に これから先はPBMの基本となる考え方だと思いま す。ただし将来的には Precision Medicine という考 え方がありますので、このような背景と共に、実際 にこの患者がアナフィラキシー反応を起こしやす い遺伝子多型があるとか、HLA 抗体が発現しや すいタイプであるとかということが、これから先い ろいろな遺伝子解析でわかってくるようになって、 それが Precision Medicine の考え方の中で出てく る な ら ば 、 実際に は こ れ が さ ら に Precision Medicine と関わった形の一つの流れ、スキームが できていくのではないかと思います。 輸血に関するガイドライン策定の経緯に関して は、 1999 年に最初に「血液製剤の使用指針」及 び「輸血療法の実施に関する指針」が厚労省主 導ででき、2016 年に一部改定がありました。その 流れの中で 2013 年に日本輸血・細胞治療学会に ガイドライン委員会の分科会、これは赤血球製剤 のことだけ示していますが、タスクフォースが発足 し、2014 年に厚生労働省の松下班の研究がスタ ートしました。製剤の使用指針グループと輸血の 実施指針グループ、この大きな 2 つのグループ でそれぞれの活動を開始したということが背景に あります。 赤血球の輸血実施ガイドラインのコンセプトに 関して肝心なことだけ述べますが、ガイドライン小 委員会の基本的な考え方としては、制限的な輸 血を中心としてエビデンスを集めて実際にガイド ラインを策定しようという方向です。

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Clinical Question を設定し、それぞれの Clinical Question に対して国内外のエビデンスとなる論文 を集め、そしてそれぞれをレビューして、実際に 適正使用の項目に対して Question を A、B、C、D とエビデンスレベルが強いかどうか、推奨レベル かどうかということでスタートしました。この時に松 下先生が中心となり論文 9345 件を実際に集めて きて、絞り絞って最終的なガイドラインにつなげた ということになります。 今回の変更点の主なところ、特徴ですが、「推 奨の強さ」、「エビデンスの強さ」、「トリガー値」と 3 つのキーワードとなります。「推奨の強さ」と「エビ デンスの強さ」をきちんと明記したということと、赤 血球に関しては「トリガー値」を中心に、どのヘモ グロビン値まで下がったら輸血を考慮するかとい う、スタートを決めたというところが特徴だと思いま す。 これから先は PBM の考え方に入っていきます が、このスライドをある学会で紹介した時に、意見 されたことがあります。PBM はガイドラインとどう違 うかといったときに、ガイドラインは“適正使用を推 進し治療の向上を図るものである”ということはい いのですが、“臨床の場では、赤血球製剤の使用 は医療従事車の総合的な判断のもとで行われる 必要があり”というようなガイドラインの中で、PBM は“個々の状態に応じて輸血の実施方法を考慮 する実践的な輸血指針”ということをスライドで出 しました。そうすると、ガイドラインがあるのに PBM はまた全く別の指針を作るのか、というような受け 取り方をされてのことでした。私は、決してそのよ うなことを言うつもりはなく、ガイドラインがあるの が基本で、そのガイドラインの中で、患者さんそ れぞれの病態を全て網羅することはできないの で、PBM に関してはそのガイドラインの周りをサ ポートする指針、そしてそれぞれの病態をより詳 しく考えた上で、それぞれの指針を作るものという ように理解しています。 PBM には、どのような対象となる病態があるの かということを考えたときに、もちろんそれぞれの 国の事情によって優先されるべき PBM の対象状 態は変わると思っています。 現在、PBM のガイドラインとして一番しっかりし たものを提示しているのはオーストラリアだと思い ますが、オーストラリアの輸血医療の事情と、日本 の輸血医療の事情は少し違いますので、日本に は日本の PBM で、より優先するべき病態があると 思います。それこそ私たち PBM のタスクフォース は考えていかなければならないテーマですし、 そしてどの病態を優先して PBM ガイドラインを

図 1  制限輸血ポケットマニュアル

参照

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