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第1子誕生に伴う夫からみた夫婦関係の変化の過程

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第1子誕生に伴う夫からみた夫婦関係の変化の過程

The changes in relationship among married couples

after the birth of the first child

金 澤 悠 喜(Yuki KANAZAWA)

*1

加 納 尚 美(Naomi KANO)

*2 抄  録 目 的 第1子誕生に伴う夫からみた夫婦関係の変化の過程を明らかにすることを目的とした。 対象と方法

生後1~3ヶ月の第1子のいる父親に,Focus Group Interviews(以下,FGIと略す。)を用いて質的帰納 的研究を行った。承諾を得た市町村保健センターに,研究協力者の募集を依頼した。研究協力者は,5 名と 4名の2 組のグループに別日程で承諾を得た上で,録音と録画を行いながら FGIを実施した。FGI 内容は,逐語録にし,一定比較法と自然主義的探査法手続きを参考に分析を行った。本研究は,茨城県 立医療大学倫理委員会の承認を得た。 結 果 第1子誕生に伴う夫からみた夫婦関係は,5つの過程で変化していた。子どもの誕生により,2人で子 どもを育てるという【夫婦共通の目標への歩みの開始】をし,夫は【育児の大変さを理解し妻をサポー トする役割の追加】をする。夫が妻をサポートする役割の追加をすることにより,夫婦は【夫婦関係の バランスを保つ工夫や再調整の実施】を行う。それにより,夫婦双方は【親になるお互いを受け入れよ うとする姿勢の出現】が生じる。これらの変化の過程を繰り返しながら,夫婦は共に2人で子どもを育 てていくという【責任感の芽生えによる家族意識の向上】をするという変化の過程が生じていた。 結 論 夫からみた夫婦は,これまで明確ではなかった夫婦共通の目標を持ち歩み始める。共通の目標への歩 みの開始は,夫に妻をサポートする役割を再認識させ,それに伴い夫婦は夫婦関係の再調整を行う。夫 婦は再調整を行うことにより,親になるために共に成長していくことの必要性に気付き,双方が親にな ることを受け入れようとする姿勢を持つ。親になるという姿勢の出現により,夫婦で共に子どもを育て ていこうという夫としての責任感が芽生え,夫からみた夫婦は徐々に子どもを含めた家族意識を高めて いく。第1子誕生後の夫婦は,以上のような変化の過程を踏み,家族発達をしていくことが示唆された。 キーワード:夫,夫婦関係,変化,フォーカス・グループ・インタビュー 2017年10月2日受付 2018年10月14日採用 2018年12月25日公開 *1茨城県立医療大学大学院博士後期課程(Ibaraki Prefectural University of Health Sciences, Doctoral Course)

*2茨城県立医療大学保健医療学部看護学科(Department of Nursing, Ibaraki Prefectural University of Health Sciences)

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Abstract Purpose

This research explores how husbands view the changes of their marital relationship after the birth of the first child.

Methods

We conducted focus group interviews with nine research participants. Research participants were divided into two groups of five and four, were called for the focus group interview on separate days. We conducted the focus group interview one time for each group. Research participants are males who have become a father to their first child between one to three months prior to the focus group interview. We obtained permission from local Health Centers to gather and interview research participants. Interview data were coded and categorized, using the word-for-word list extracted from the data, and analyzed qualitatively. This research was approved by the Ethics Committee at the Ibaraki Prefectural University of Health Sciences.

Results

Married couples change a family upon the partner relationship they have established. Interview data indicated that the couples have been going through major changes after their first child being born. Addition of a new family member has brought married couples new challenges to their relationships; research participants explained they have [created mutual goals with their wives] in order to overcome the challenges. Research participants stated that sharing the same goals enabled them [to share the responsibilities and to adjust their relationships], resulting in showing [appreciation to their partners for making efforts]. Research participants have been trying to understand the role of being a mother, and [added obligations as a husband to support their wife]. Couples [developed the sense of family] by having the mutual goals and coming up with strategies on how to achieve the goals, as well as, showing appreciation to each other. Conclusion

The birth of the first child brings married couples a major change to their relationship. Participants shared their experiences during the interviews that they redefined their marital relationship, and had created a new mutual goal centering their child. In order to accomplish the goals, research participants have imposed the obligation as a husband in addition to responsibilities of being a father. Participants explained that they have made an effort to maintain the balance between being a partner and a parent, recognizing the transformations of their partners into parents. Being aware of additional role as a parent and recognizing changes in their relationship, the sense of family evolves from the sense of partnership.

Key words: husband, marital relationship, change, focus group interviews

Ⅰ.緒   言

一組の男女が,結婚に始まり,家族の中で果たす 機能等家族関係すべての質的量的な変化をしながら 発達していくことを家族発達という(Hill, 1970)。こ の過程には6段階の変化があり,夫婦が子どもを授か る時期を第 3 段階としている(Carter et al, 1980)。こ の時期は,夫婦という一対一の関係性から新たに子 どもが加わり,各々の家事や仕事に加え,子育て役割 の調整をし直す。そのため,夫婦間の役割意識や 様々な生活分担を変えざるを得ないことから,夫婦関 係の再調整を乗り越えて家族を発達させなくてはなら ない。 国内の研究では,互いにサポートし合える子どもを 持つ夫婦は,夫婦相互の満足感が高くなると報告して いる(藤田他,2014;笠井他,2007;長沢他,1998; 高木,2015)。また,子どもの誕生した夫婦の育児や家 事の役割分担がされていなくても,育児の悩みを夫婦 で一緒に考える等の共感的な関わりがあると,夫婦関 係に不和をもたらさずに夫婦関係をより良く維持でき るとされている(神谷,2013)。日本より男女平等社会 が実現しているとされている国外の研究でも,子ども の誕生により夫婦間の役割分担が上手くいかず,夫婦 間のトラブルや葛藤が生じると報告されている(Giallo et al, 2015)。ところが,夫婦の関係性を詳細に分析す ると,妊娠前から役割調整がされている夫婦は,産後 の子育てに伴う大きな生活の変化に順応し,家族の発 達がスムーズであるという報告もある(Ngai et al, 2015)。子どもの誕生前から,子育ての役割調整を含む 夫婦関係の変化をある程度予測した上での相互の理解 が,夫婦関係をより促進するかどうかのカギとなって いることが分かる。

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妻を対象に夫婦関係を調査した研究では,夫の育児 サポートと夫婦関係には正の相関が認められている (笠井他,2007)。妻が子育てを夫との共同で行えると 認識できることで,妻の育児負担感が減るだけでな く,妻が安心も感じる(前原,2014)。夫の協力不足 は,初・経産婦ともに産後1ヶ月からストレスの原因 となっている(武田他,2013)。従って,夫が積極的に 妻をサポートし育児に関わることで,妻は夫との関係 に満足感を得ると言える。夫を対象に夫婦関係を調査 した研究では,子どもの誕生後の夫自身の役割を,収 入を得る・妻の理解者・子どものしつけと認識してい る(鈴木,2013)。育児を積極的に行う夫は,不安・恐 怖・心配・怒り・イライラという否定的な精神反応を 持ち,中でも夫の育児信念が強い程に不安傾向が高い ことが報告されている(清水,2006)。国外の調査で も,ある外国の夫が日本の夫と同様に育児不安を感じ ていたとの報告もされている(Fenwick et al, 2012)。 このように,子どもの誕生により夫婦は,試行錯誤し ながら育児に取り組む中で,相互に協力し合い,夫婦 間の役割や関係を変化させ家族として発達していく。 では,子どもが誕生した夫婦は,どのような過程の 中で,夫婦の関係性を変化させながら家族発達の段階 を進んでいくのだろうか。夫婦双方を対象にした夫 婦関係の変化に影響を与える要因の調査では,妊娠・ 愛情・仕事の有無・育児分担・子どもの特性があると 言われる(小野寺,2005;佐々木他,2005)。さらに, 3年で夫婦関係が変化したと捉えている夫は58.8%で, 妻は 73.5% である(小野寺,2005)。妻側の調査では, 夫の不満の出現や夫との絆の強まり等が夫婦関係の 変化に影響を及ぼすとされ(岡他,2012;新道他, 2012),妻側からみた夫婦関係の研究は,妊娠中から 出産後および量的質的にも多くの研究がなされてい る。しかし,子どもの誕生に伴う夫婦関係の変化の過 程を質的に明らかにした研究は少なく,特に詳細に記 述し夫の立場から主観的に調査した質的研究は非常に 少ない。出産前後の夫婦の研究者は女性が多く,当事 者の男性に直接本音を聞き出すことが難しいことや育 児期の男性は仕事をしており直接面接することが困難 ではないかと推測される。このような現状であって も,夫側に焦点を当て,第1子誕生に伴う夫からみた 夫婦関係の変化の過程を明らかにすることには,夫自 身が捉える夫婦関係の変化を確認する機会となるだけ でなく,夫婦双方や同類者が夫自身を知ることにより 夫婦関係を維持・向上させるための参考になると考え られる。その上,医療従事者を含めた支援者が子育て 夫婦を支える手掛かりとなると言える。従って,質的 研究を用いて第1子誕生後の夫側の主観や気づきを直 接的に聞き,第1子誕生に伴う夫からみた夫婦関係の 変化の過程を明らかにすることを研究の目的とした。

Ⅱ.研 究 方 法

1.研究デザイン

本研究は,Focus Group Interviews(以下,FGI と略 す。)を用いた質的帰納的研究である。ファシリテー ターが女性であることから,男性は女性という存在を 目の前にしたときに,男らしさの志向に作用されると 言われるため(伊藤,1996),できるだけリラックス して話せる環境下にするためにこの手法を用いた。ま た,同様の立場に置かれた状況の人々が集まり話すこ とで,共有や共感,同情の感情等を持ち合い,相互が 刺激され有効的で活発な意見が出やすい効果があるた め(Vaughn et al, 1996),女性が男性の意見を聞き出 す有効手段である。 2.研究対象者および募集方法 研究対象は,生後 1 から 3ヶ月以内の第 1 子のいる 父親であり,かつ,養子等遺伝的な繋がりのない父親 は除いた。研究協力の承諾を得られたA県の市町村保 健センター2施設に研究協力募集のポスター掲示及び 研究対象者,もしくは研究対象者の配偶者にポス ターと類似した内容のチラシの配布を依頼した。ポス ターの掲示とチラシの配布では,十分な研究対象者が 集まらなかったので,研究協力施設より研究対象者に なり得る対象に声掛けを依頼した。声掛けは,出生届 提出時もしくは新生児家庭訪問時に実施された。声掛 け時には,断っても不利益がないことを十分に説明し てもらうこと及び強制力が掛からないように配慮した 上で,研究協力を依頼した。依頼後すぐに返答はもら わずに,研究協力を希望する場合には,研究者に直接 メールをしてもらい,その後,研究者から研究依頼文 書を添付メールで送り,依頼文を確認してもらった上 で,メールで研究協力意思の確認を行った。 3.データ収集方法 あらかじめFGIの日程を設定し,1回目は研究対象 者5名(以下,1組目とする),2回目は4名(以下,2組 目とする)が集まった。募集は,研究協力施設の保健

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師による声掛けで集められた。FGIは,保健センター に併設されている育児支援センターの一室を借用し 行った。FGI時は,誰が話をしたかが明確になるよう に,研究対象者の承諾を得て,内容の録音・録画を 行った。インタビューガイドをもとに研究対象者の グループに FGI を実施した。インタビューガイドは, スノーボール・サンプリング法にて本研究と類似した 対象者2名に同意を得た上で,プレFGIを実施し修正 したものを利用した。1 つ目の FGI を 30 分程度とし, 休憩時間 10 分間を挟んで,2 つ目の FGI を行った。1 つ目のインタビューガイドは,「子どもがいなかった頃 の実際ご自分たち夫婦は,いかがだったでしょう か?」から開始し,2 つ目のインタビューガイドは, 「妊娠してから,赤ちゃんが生まれて1か月ですが,先 程言われた夫婦関係は何か変わりましたか?」から開 始した。FGI は,研究者がファシリテーターとなり, 第1子誕生後の夫婦関係の変化が明確化するようにグ ループの会話に合わせて進めたが,インタビューガイ ドの内容が会話の中で混ざり合うこともあった。しか し,2つのインタビューガイドから脱線しない程度で あれば,会話を遮ることなく続けた。ファシリテー ターとして,FGI 前にインタビューの練習を行った。 データ収集期間は2016年5月から9月であった。 4.分析方法 FGIの分析について詳細に示された著書は少ない (Vaughn et al, 1996/1999)。その中でも段階を踏んで 詳細に記載されている Vaughn et al(1996/1999)の著 書を参考に,一定比較法と自然主義的探査法で分析を 行った。分析手順は,はじめにデータから逐語録を作 成し,第1段階はFGIの結果から,いくつかの予想さ れるコアカテゴリーを考えた。第2段階は,データを 単位化してコードを作成した。逐語録作成時,どの研 究対象者が発言したのか不明確な場合には,録画した データを確認した。第3段階は,コードを集約してサ ブカテゴリーを作成した。第1段階から第3段階まで, 研究者 1名で行った。第 4段階は,サブカテゴリーを 基に指導教員と共に,何度も繰り返し検討を行いカテ ゴリーとコアカテゴリーを作成した。第 5 段階では, 第1段階で予測していたコアカテゴリーと抽出された コアカテゴリーを比較した。推測した第1段階と抽象 化された第4段階を比較することで,抽象化により重 要なデータの欠如の有無や偏りのある分析の有無を確 認するための再検討となった。実際に,推測した第1 段階と抽出した第4段階のコアカテゴリーには違いが みられた内容もあり,再検討した上で,コアカテゴ リーを決定した。データの分析は,指導教員と研究者 が検討を重ね,合意に至るまで討議した。さらに,研 究対象者全員に分析結果をメールや郵送で報告し,分 析内容が信用性や確証性に欠けていないかの確認を 行った。確認の結果,修正はなく,分析内容に同意が 得られた。 5.倫理的配慮 茨城県立医療大学倫理委員会の承認(承認番号 No. 703;迅速審査 No. 58)を受け,研究協力施設に, 研究目的と方法,研究対象者募集の依頼,研究対象者 へ の 倫 理 的 配 慮, 施 設 一 室 使 用 の 依 頼, イ ン タ ビュー時の録音と録画について文書と口頭にて説明し 承諾を得た。研究対象者には,研究の説明と研究参加 の中断,拒否の自由,個人情報の保護と匿名性の保 障,インタビュー時の録音と録画,データの管理法に ついて,事前に文書で説明した。インタビュー当日に も,文書と口頭で説明し,承諾書の署名をもって研究 協力の承諾とした。また,FGI時の個人名称は,記号 化して行い個人情報管理を行った。インタビュー内容 を録音及び録画したデータは,研究者のみが使用し, 氏名やインタビュー内容,施設名等のデータの取り扱 いには十分に注意した上で逐語化し分析を行った。

Ⅲ.結   果

1.研究対象者の基本的属性(表1) 研究対象者の年齢は,平均 30.9±4.3 歳であり,配 偶者の年齢は,平均 30.8±4.2 歳であった。子どもの 月齢は,平均68.1±28.5 日であった。夫婦の婚姻期間 は,平均 1 年 4ヶ月であり,先行妊娠の夫婦が 1 組い たが,妊娠以前より婚姻前提に同棲しており,同棲か ら1年以上経過していたため,分析の対象とした。家 族構成は,全員が夫・妻・子の核家族であり,FGIに より,遠方に里帰りをしている夫婦はおらず,自宅と 妻の里帰り先の実家が毎日通える程に近距離の夫婦 は,1ヵ月程度夫は妻の実家に毎日通っていたが FGI 時には,妻は自宅に戻っていた。FGI 時間は,1 組目 が1時間20分程度,2組目が1時間25分程度であった。 2.分析による抽出結果(表2) 分析により,53 個のサブカテゴリーと 13 個のカテ

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ゴリー,5 個のコアカテゴリーが生成できた。以下, サブカテゴリーを〈 〉,カテゴリーを《 》,コアカ テゴリーを【 】,生データを“ ”および斜体で示す。 第1子誕生に伴う夫からみた夫婦関係の変化の過程 の第一歩は,夫婦で子どもを育てていくという共通の 目標を持ち【夫婦共通の目標への歩みの開始】から始 まっていた。子どもを育てるという夫婦共通の目標を 共有したことで,夫は【育児の大変さを理解し妻をサ ポートする役割の追加】をしていた。さらに,育児に 伴い夫婦関係のバランスが不安定になっても,夫から みた夫婦は【夫婦関係のバランスを保つための工夫や 再調整の実施】を行っていた。また,親役割が追加さ れたことで,夫婦双方に【親になるお互いを受け入れ ようとする姿勢の出現】がされていた。この変化の過 程により,夫と妻の二者関係だった夫婦は,徐々に子 どもを含めた三者関係として意識が変わり,親として の【責任感の芽生えによる家族意識の向上】が獲得 されていた。以上の第 1 子誕生に伴う夫からみた夫 婦関係の変化の過程をカテゴリーごとに詳しく記述 する。 1つ目のコアカテゴリー【夫婦共通の目標への歩み の開始】は,4 個のカテゴリーで構成された。以下に 詳細を示す。1つ目の《家族の将来を考え始めている》 は,“お産に立ち会って,子どもを抱っこしたら,父 親になったんだ。この子のためにこれから2人で頑張 らないと,と思いました”等と語られ,子どものため に将来に向けて頑張っていこうという決意がみられた り,“将来的なことを考えて,英語を始めたり,マッ サージを始めたりしている”等と語られ,〈夫婦相互の こだわりを持った子育てを手探りで開始している〉こ とから,子どもが誕生して直ぐから,子どもの将来に ついて考える姿勢が生じていた。さらには,第1子の 将来だけでなく,“2人目どうしようか話しています” 等と語られ,すでに〈将来の家族について見通しを立 て始めている〉行動がみられた。 2つ目の《夫婦の会話は子どものことが中心になる》 は,“子どもの話題がメインになっています”等と語 られ,〈子どもの話題が中心である〉というように子ど もの存在が夫婦に話題を提供していた。また,“子ど ものことを考えてペットを飼おうかって話している” 等と語られ,〈子どものことを考えることが増えた夫 婦の会話になっている〉といった夫婦相互の考えの共 有を図っていた。さらに,“子どもの様子が知りたい ため,妻に話しかけるようになった”等と語られ,〈子 どものことについて夫婦で話す機会が増えている〉こ とが分かった反面,“夕方頃早く帰って一緒にいても 3~4 時間くらいで,先に 2 人は寝ちゃうから,(会話 が)逆に減っちゃったんです”等と語られ,〈妻が育児 に忙しく夫婦の会話が減った〉夫婦もいた。 3つ目の《子ども中心の生活スタイルに合わせよう とする姿勢》は,例えば“夫婦で子育てに追われ, 日々の生活にゆとりがない”等と語られ,〈日々の生活 が育児で精一杯〉であったり,“子どもがぐずるとイ ライラしてしまって,子育て大変だなと思う”等とも 語られ,〈育児の大変さを実感している〉ことから,子 どもとの生活に慣れるために夫婦で時間の使い方や感 情のコントロールをしていた。子どもとの生活に慣れ るためには,〈平日も休日も子ども中心の生活〉とな り,“お風呂入れたりしないとならないので,早く帰 るようになりました”等と語られたことや“出掛ける 場所が近所になり,外食や遠出ができなくなった”等 と語られ,〈子ども中心の生活範囲や生活時間になっ ている〉という変化が認められた。さらには,“夫婦 で一緒の寝室であったが,妻と子とは別の寝室で寝て いる”等と語られ,〈寝室の使い方が変わった〉ことか らも分かるように,子どもを中心とした生活に夫婦が 変わり始めていた。 4つ目の《家族だけでなく周囲との繋がりの拡大》 は,例えば“平日は嫁の実家のお父さんとかにお風呂 に入れてもらう”等と語られ,〈夫婦相互の両親の協力 表1 研究対象者の基本的属性 グループ 1組目 2組目

A氏 B氏 C氏 D氏 E氏 F氏 G氏 H氏 I氏 mean±SD 協力者の年齢 20代後半 30代後半 30代前半 30代前半 20代後半 20代後半 20代後半 20代後半 30代後半 30.9±4.3y 配偶者の年齢 20代後半 30代後半 30代前半 30代前半 20代後半 20代後半 20代後半 20代後半 30代後半 30.8±4.2y 子どもの月齢 生後1ヶ月 生後1ヶ月 生後2ヶ月 生後3ヶ月 生後3ヶ月 生後1ヶ月 生後2ヶ月 生後3ヶ月 生後3ヶ月 68.1±28.5d 婚姻期間 1年半程度 2年半程度 1年以内 1年程度 1年程度 1年程度 1年程度 1年程度 2年程度 16.8±7.2m 家族構成 妻・子 妻・子 妻・子 妻・子 妻・子 妻・子 妻・子 妻・子 妻・子 妻・子 y=歳,d=日,m=ヶ月

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が子育てに必要と実感している〉ことや“親戚にも会 うことが増えている”等と語られ,〈親類との繋がりが 濃厚になっている〉ことから,夫婦 2人のときよりも 家族や親類との関係が濃厚となっていた。さらに, “子どもがいる先輩達もいるので相談するし,仕事の 間でも子どもの話とか自然と出る”等と語られ,家族 表2 第1子誕生に伴う夫からみた夫婦関係の変化 コアカテゴリー カテゴリー サブカテゴリー 夫婦共通の目標への歩 みの開始 家族の将来を考え始めている 夫婦相互のこだわりを持った子育てを手探りで開始している将来の家族について見通しを立て始めている 夫婦の会話は子どものこ とが中心になる 子どもの話題が中心である 子どものことを考えることが増えた夫婦の会話になっている 子どものことについて夫婦で話す機会が増えている 妻が育児に忙しく夫婦の会話が減った 子ども中心の生活スタイ ルに合わせようとする姿 勢 日々の生活が育児で精一杯 育児の大変さを実感している 平日も休日も子ども中心の生活 子ども中心の生活範囲や生活時間になっている 寝室の使い方が変わった 家族だけでなく周囲との 繋がりの拡大 夫婦相互の両親の協力が子育てに必要と実感している 親類との繋がりが濃厚になっている 他者の意見などを求める姿勢 育児の大変さを理解し 妻をサポートする役割 の追加 妻を理解し子育てしやす く行動する 妻の大変さを理解し妻への対処を学ぶ姿勢 主導権は妻で,夫は妻に合わせようとしている 子育ての大変さを理解し,妻のために家事と育児に取り組んでいる 妻の精神的な安定を図ろ うとする姿勢 妻に気遣い,機嫌を伺う 妻を観察し大変さを理解しようとする姿勢 育児による妻の自由の制限を心配する思いやり 夫婦関係のバランスを 保つための工夫や再調 整の実施 妻との関わりに対する気持ち 妻を信頼し家事や育児を任せている 妻への負担が大きく妻に感謝している 夫婦円満のために感情を表出しない 夫は妻に努力を認めてもらいたいと思っている 夫婦のバランスを手探り に調整している 夫婦それぞれが出掛けることへの遠慮の出現 妻は夫に対し,感謝・気遣い・協力して欲しい・頼りたい気持ちをもつ 子育てが始まり育児・家事・仕事などを夫婦で分担していくのか手探りな状況である 妻の夫への気遣いを感じ夫婦のバランスが取れている 親になるお互いを受け 入れようとする姿勢の 出現 親になっていくお互いを 受け入れようとする調整 の開始 子から親への呼ばせ方のこだわり 子どもを通した呼称の変化による夫婦相互の規範の変化 妻が母親に変化するのを感じ取っている 夫婦相互の恋愛感情や愛情表現が減少している 共通目標の出現による夫 婦の結びつきの強まり 夫婦で育てるという共通目標がある 子どもの存在が,夫婦の直接的繋がりから間接的な強い結びつきへ 性生活が夫婦のコミュニケーションではなくなった 責任感の芽生えによる 家族意識の向上 家族を支える父親として の責任の芽生え 子ども中心のため時間の制限を感じている 男同士の付き合いに名残りおしい気持ち 子どもが生まれたことで父親として仕事や友達関係の見直しをしている 育児の大変さを実感し良い経験と捉えている 育児をしようという父親としての責任 父親の責任感や家族の絆が深まっている 子どもの存在が父親にさせている 子どもの存在が父親に意欲を与える効果がある 子どもの存在が父親の新たな一面を導き出している まだ父親の自覚を持てていない 夫婦で子どもを育てる経 済的責任の芽生え 長期的に育児をしていこうと経済的な事を考え始めている 経済基盤が独立していたが一部は夫婦での拠出へ 夫婦独自の金銭的な使い道に子どもへの支出が含まれている 夫婦ともに経済的な責任感の芽生え 二者関係から子どもを含 めた「家族」へ 子ども中心のため3人で過ごす時間が増えている 仕事と家庭の両方に気持ちが向いている なんでもない時間に幸せや喜びを感じている 子どもを通して「夫婦」から子どもを含めた「家族」という捉え方になっている

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だけでなく〈他者の意見等を求める姿勢〉が生じ,夫 婦の子育ては周囲を巻き込むことで進められていた。 【夫婦共通の目標へ歩みの開始】により,夫は【育児 の大変さを理解し妻をサポートする役割の追加】をし ていた。2 つ目のコアカテゴリー【育児の大変さを理 解し妻をサポートする役割の追加】は,2 個のカテゴ リーで構成された。以下に詳細を示す。1 つ目の《妻 を理解し子育てしやすく行動する》は,“家事を奥さ んがやっている風にやろうって思う。でも,ちょっと 違うとかで,またやり直しってなると,逆に奥さんに ストレスが溜まっちゃうって心配したりとか,そうい う気遣いも,ちょっと増えたような気がします”等と 語られていることから,〈妻の大変さを理解し妻への 対処を学ぶ姿勢〉を持ち始めていた。さらには〈主導 権は妻で,夫は妻に合わせようとしている〉では, “妻からお風呂をちゃんとやってねっていうのがある ので,父親として信頼されている部分が少なくともあ るのかな”等と語られ,サポートするだけではなく, 自分の成長に繋がるような変化をしていた。また, 〈子育ての大変さを理解し,妻のために家事と育児に 取り組んでいる〉では,“食事を冷凍しておくとか準 備を色々やっています”等と語られ,妻を理解して夫 は行動に移していた。 2つ目の《妻の精神的な安定を図ろうとする姿勢》 は,“妻のストレスが溜まりにたまって,その仕返し が来るんだろうなっていうのがあります”等と語ら れ,〈妻に気遣い,機嫌を伺う〉姿勢を持って行動して いた。一方では,“肩揉んだら硬くて,抱っこするの とか,おっぱいあげるのとかも,きっと無理して頑 張っているんですよね”等と語られ,〈妻を観察し大変 さを理解しようとする姿勢〉や“奥さんは1日中子ども に付きっきりで,(母乳育児のために)食べたいものも 食べられないのに,自分が 1 日 2 日出かけられない, 飲みに行けないからってストレス抱えているよう じゃダメなんだろうなって思っている”というように 自分と妻を比較した上で,〈育児による妻の自由の制 限を心配する思いやり〉の姿勢が現れていた。 夫が【育児の大変さを理解し妻をサポートする役割 の追加】をしたことは,夫婦にとって【夫婦関係のバ ランスを保つための工夫や再調整の実施】へ繋がって いた。3 つ目のコアカテゴリー【夫婦関係のバランス を保つための工夫や再調整の実施】は,2 個のカテゴ リーで構成された。以下に詳細を示す。1 つ目の《妻 との関わりに対する気持ち》は,“妻に任せておけば 大丈夫という安心感がある”等と語られ,〈妻を信頼し 家事や育児を任せている〉ことや,ただ任せっきりに するのではなく,“子どもが生まれてから,逆に嫁さ んにありがとうとか,お疲れ様とか意識して言うよう になりました”等と語られ,〈妻への負担が大きく妻に 感謝している〉といった肯定的な意識が芽生えてい た。一方で“部屋の隅が汚れていたりとか言うのが, けっこう気になる部分があって,でも(妻に)言うと 機嫌が ⋯”等と語られ,〈夫婦円満のために感情を表 出しない〉ようにしていることや“掃除したのをたま に(妻が)気づいてくれて,やってくれたんだ,あり がとうって言われると嬉しい”ことや“妻に感謝され ればちょっと救われる”等と語られ,〈夫は妻に努力を 認めてもらいたいと思っている〉といった妻に対して 求める意見も示された。 2つ目の《夫婦のバランスを手探りに調整している》 は,“友人から誘いを受けても,奥さんに言うまでに 葛藤があります”等と語られ,子育てが始まり〈夫婦 それぞれが出掛けることへの遠慮の出現〉が生じてい た。反面,“嫁の方も気を使って,毎日,仕事中に写 メを送ってくれる”等と語られ,〈妻は夫に対し,感謝 ・気遣い・協力して欲しい・頼りたい気持ちをもつ〉 ことといった妻の変化を夫自身も感じていた。さら に,“夫婦で役割分担するのは大事だと思っていて, でもどうするかは,まだです”や“夫婦で役割を決め るのは良くないかな”等と語られ,〈子育てが始まり育 児・家事・仕事等を夫婦で分担していくのか手探りな 状況である〉という夫婦関係が示された。一方で, “仕事があるので,妻はお弁当も作って育児もしてく れています”等と語り,〈妻の夫への気遣いを感じ夫婦 のバランスが取れている〉夫婦関係も示された。 【夫婦関係のバランスを保つための工夫や再調整の 実施】を行うことにより,【親になるお互いを受け入れ ようとする姿勢の出現】に繋がっていた。4 つ目のコ アカテゴリー【親になるお互いを受け入れようとする 姿勢の出現】は,2 個のカテゴリーから構成された。 以下に詳細を示す。1 つ目の《親になっていくお互い を受け入れようとする調整の開始》は,“自分は,パ パって呼んでもらいたかったんですけど,妻がダメ だって”等と語られ,〈子から親への呼ばせ方のこだわ り〉があることや“自然と,お父ちゃん,お母ちゃ んって,子どもを通して呼んでいる”等と語られ,〈子 どもを通した呼称の変化による夫婦相互の規範の変 化〉が 3者関係になったことで夫婦間に夫と妻だけで

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なく,父と母になっていく過程の一部が生じていた。 その上,“妻は自分が産んだ子,自分の子って言うの が強いんだと思うんで,少しの子どもの変化も逃さな いです”等と語られ,夫は〈妻が母親に変化するのを 感じ取っている〉ことが示された。さらには“赤ちゃ んのことばっかり考えちゃって,奥さんの方にいく感 情がちょっと何か,細くなっているのか,薄れてい るっていうのか”や“奥さんは,赤ちゃん第一で,自 分のものっていう感情がすごく強い”等と語られ,〈夫 婦相互の恋愛感情や愛情表現が減少している〉という ように,子どもの存在が夫婦相互の感情や表現に変化 をもたらしていた。 2つ目の《共通目標の出現による夫婦の結びつきの 強まり》は,“妻は自分の子って感じでいうんですけ ど,俺の子でもあるし。家に帰ったら,1日のことを 聞きます”等と語られ,仕事と育児に分かれる時間が あっても〈夫婦で育てるという共通目標がある〉こと が示された。さらに,“抱っこ紐なので手とかは繋が なくなりましたけど,子どもがいるので子ども伝いに 繋がっているのかなっていう感じはある”等と語ら れ,〈子どもの存在が,夫婦の直接的繋がりから間接 的な強い結びつきへ〉と感覚の捉え方が違っていた。 その上,“性生活は,回数的には減ったのと…気持ち の変化も出てきますね。夫婦のコミュニケーションの 内容を変えていきたい”等と語られ,これまで性生活 を通して夫婦の絆を分かち合っていたが,〈性生活が 夫婦のコミュニケーションではなくなった〉という夫 婦の結びつき方に変化が生じていた。 これまでの夫婦関係の変化の過程を何度か行き来し つつ,第 1子誕生に伴う夫からみた夫婦関係は【責任 感の芽生えによる家族意識の向上】に繋がっていた。 5つ目のコアカテゴリー【責任感の芽生えによる家族 意識の向上】は,3 個のカテゴリーから構成された。 以下に詳細を示す。1 つ目の《家族を支える父親とし ての責任の芽生え》は,“付き合いは,限りなく無く なっています。もう,本当に妻と子どもの時間で全部 終わっちゃう”等と語られ,〈子ども中心のため時間の 制限を感じている〉ことが示された。その上“今まで 通りの男同士の付き合いはできなくなってくる。向こ う(友達等)も,気遣っていると思う。誘ってはもら いたいですけど,やっぱり断りにくい”等とも語ら れ,〈男同士の付き合いに名残りおしい気持ち〉を持つ 等夫自身の自分の時間の変化に葛藤や戸惑いが生じて いた。しかし,“仕事のための自己研鑽の時間とか, 仕事先の繋がり,友達との繋がりをどこまでケアしな がら,子育てにも参加するかを自分の中で組み立てて いくのが大変だなって”等と語られ,〈子どもが生まれ たことで父親として仕事や友達関係の見直しをしてい る〉といった前向きな姿勢を持ち,子どもが誕生後の 変化に適応しようとしていた。適応するために“育児 の大変さを妻と共感して,そのストレスをプラスに 持っていこうと考えています”や“奥さんには悪いけ ど,仕事で逃げられるからなと思って,育児を何とか プラスに捉えるようにしています”等と語られ,〈育児 の大変さを実感し良い経験と捉えている〉姿勢が見ら れた。さらに“小まめには,何かやれることある?と か聞くようにしています”等と語られ,〈育児をしよう という父親としての責任〉が芽生えていた。その背景 には,“この子を守ってあげなくちゃいけないなって 思うようになったし,父親としての実感なのかな”等 という語りや“妻からの信頼と子どもを抱っこした時 の安心した様子を見ると,父親の自覚が芽生えてきた 感じがする”等と語られたように,〈父親の責任感や家 族の絆が深まっている〉という感情が出現していた。 また“(買い物だけで)1 日終わってしまった時に,な んか父親っぽいことしたかなって感じるときはありま す”等と語られ,〈子どもの存在が父親にさせている〉 こと,さらには“辛い仕事があっても,この仕事は, 子どものために,って思うと,そこまで苦でもなく なった”等とも語られ,〈子どもの存在が父親に意欲を 与える効果がある〉といった子どもの影響を強く受け ていた。一方で,“(父親は母親と違って)子どもがい るお父さんかが見た目では分からないので,横の繋が りが作りづらい。同じ世代の男の人とか環境の人と会 える機会があればストンと肩の荷が落ちることもある と思う”等と語られ,父親にならないと生じてこない 〈子どもの存在が父親の新たな一面を導き出している〉 といった内面の気持ちが表出されていた。また,“父 親らしいことは,何もまだできてないから,父親の実 感は湧いてない”等と語られ,〈まだ父親の自覚を持て ていない〉という気持ちも示された。 2つ目の《夫婦で子どもを育てる経済的責任の芽生 え》は,子どもの誕生により,“大学卒業くらいまで にどれくらい掛かってとか,だいたい話してはいる” 等と語られ,〈長期的に育児をしていこうと経済的な 事を考え始めている〉ことや,“子ども用の貯蓄もし ているし⋯2人用の口座も新たに作って,2人で使う ものがあったら,そこから使う”等とも語られ,〈経済

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基盤が独立していたが一部は夫婦での拠出へ〉と 移っていた。夫婦各々の経済面への考え方も,“お小 遣いを使わなくなって,月末とかに余ったら子どもの もの買っちゃおうかな,ってなりました”等と語ら れ,〈夫婦独自の金銭的な使い道に子どもへの支出が 含まれている〉ようにもなり,“妻は働くつもりで ⋯ 少しでも扶養範囲内で将来のお金あった方がいいん じゃないかって考えてくれて”等と語られ,〈夫婦とも に経済的な責任感の芽生え〉が生じていた。 3つ目の《二者関係から子どもを含めた「家族」へ》 は,“同じベッドで,3人で寝ているんです”や“3人で まとめ買いに出かける”等と語られ,些細な日常生活 の中で,〈子ども中心のため3人で過ごす時間が増えて いる〉ことが,子ども含めた家族としての認識を強め ていた。3 人で過ごす時間が影響していることもあ り,“仕事中に子どもがどうしているかなと浮かぶこ とがある”等と語られ,〈仕事と家庭の両方に気持ちが 向いている〉ことが現れていた。その上,“何もして なくても,一緒にいるだけでいいなっていうのは,凄 く思います”等と語られ,〈なんでもない時間に幸せや 喜びを感じている〉ようになり,“車に3人で乗ってい るときとか,家族になったなって考えます”等と語ら れ,〈子どもを通して「夫婦」から子どもを含めた「家 族」という捉え方になっている〉ことが示された。

Ⅳ.考   察

1.研究対象者の特性 研究対象者の平均年齢は,30.9±4.3歳であり,配偶 者の平均年齢は,30.8±4.2歳であった。夫婦の平均婚 姻期間は,16.8±7.2ヶ月であった。研究対象者のうち 1組の夫婦は,妊娠先行型であった。妊娠先行型の夫 婦は,妊娠期から夫婦関係の満足感が低く,非妊娠先 行の夫婦よりも産後の夫婦関係満足感が低下しないと 言われているが(平田他,2014),本研究の妊娠先行 型の夫婦においては,同棲期間が長くFGIからも影響 がないと判断したため,分析から除外しなかった。 2012年の調査の平均初婚年齢は,夫が 30.8 歳,妻が 29.2歳であり,女性が第1子を産む平均年齢は 30.3歳 である(厚生労働省,2014)。このことから,研究対 象者及び配偶者は,一般的な婚姻や出産の時期である と言える。その上,研究対象者の世代は,男女共同参 画社会の形成や少子化対策による男性の働き方の施策 により,夫は仕事,妻は家庭という構図を変化させよ うとしてきた社会と共に成長した特性を持っていると 考えられる。 2.第 1 子誕生に伴う夫からみた夫婦関係の変化の 過程 分析結果により,第1子誕生に伴う夫からみた夫婦 関係は,5つの変化の過程が示唆された。【夫婦共通の 目標への歩みの開始】から始まり,目標を持った夫は 【育児の大変さを理解し妻をサポートする役割の追加】 をする。夫が役割の追加をすることにより,夫婦が 【夫婦関係のバランスを保つための工夫や再調整の実 施】をし,さらに夫婦双方には【親になるお互いを受 け入れようとする姿勢の出現】が生じていた。この変 化の過程を繰り返しながら,子どもが生まれる前は夫 と妻の二者関係だった夫婦は,徐々に子どもを含めた 三者関係として意識が変わり,親としての【責任感の 芽生えによる家族意識の向上】が獲得されていた。 第 1 子誕生後に伴う夫からみた夫婦関係の第一歩 は,夫婦で子育てをするという【夫婦共通の目標への 歩みの開始】をしていた。子どもが誕生し,父親が子 どもを見て,子どもに触れることにより,父親である という自覚を持ち,父親の自覚と,愛着,父親の育児 参加への自覚との関連が認められている(田中他, 2011)。実際の生データの,“生まれて直ぐに,子ども を抱っこしたら,父親になったんだ。この子のために 2人で頑張らないと,と思いました”という語りから も分かるように,研究対象者も子どもの誕生直後から 夫婦で子どもを育てていくという目標が芽生え始めて いた。さらに,我が子が生まれて直ぐに抱っこをする ことが,父親のボンディングを高めるとされ(Scism et al, 2017),研究対象者も,分娩に立ち会ったことや 誕生直後に子どもを抱いたことにより,《家族の将来 を考え始めている》姿勢が芽生えたと言える。共通目 標を持つことで,《夫婦の会話は子どものことが中心 になる》内容となり,夫婦で《子ども中心の生活スタ イルに合わせようとする姿勢》を持ち,子どもの生活 リズムに合わせていた。夫婦間のコミュニケーション が活発になるかどうかは,夫側のコミュニケーション 態度に影響されやすい(横谷,2014)。さらに,生後7 日目以内の子どものいる父親の9割以上が,「子どもに ついて話し合いたい」,「もっと妻を手伝ったり守らな くてはならない」という男性役割意識を持ち,良好な 夫婦関係を保とうという姿勢が見られる(奥住他, 2001)。夫婦に調査した結果では,夫から妻への情緒

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的な話しかけは,妻から夫への情緒的な話しかけに比 べて,夫婦間の満足度に強く影響する(Cordova et al, 2005)。これらの先行研究からも分かるように,子ど もの誕生により,夫の夫婦関係は,コミュニケー ションの手段を使用することや生活リズムを子どもに 合わせることで,夫婦で育児をするという目標の共有 化を図ろうとしていると考えられる。 一方で,夫は夫婦だけで育児を行うことに限界を感 じ,《家族だけでなく周囲との繋がりの拡大》をし,子 どもの祖父母の協力を得ていた。結婚し親と住居や生 計が分離独立しても,親の家族との間には,援助と サービスの流れが生じることから(天木,2010),子 どもが誕生した夫婦の周囲にいる支援者は,育児をす る夫婦の大変さを知り,手を差し伸べようとしてお り,夫婦も周囲との繋がりを強固なものとして拡大し ていた。さらに夫は,子どもの誕生により,親以外に も〈他者の意見等を求める姿勢〉を持ち,職場の同僚 や友人に育児相談をしていた。妻は,友人を重要なサ ポート源と認識しているが(芝崎他,2015),夫も妻 と同様に友人が重要なサポート源と認識していること が明らかである。夫婦共通の目標を持つことで,夫と 周囲,妻と周囲というように,独立していた関係が, 夫婦と周囲として夫婦関係をより一体化させていると 考えられる。 夫は,夫婦関係が子どもを育てるという【夫婦共通 の目標への歩みの開始】という変化により,【育児の大 変さを理解し妻をサポートする役割の追加】を行い, 《妻を理解し子育てしやすく行動する》ことや《妻の精 神的な安定を図ろうとする姿勢》といった,夫婦関係 の調整をしていた。夫は,〈主導権は妻で,夫は妻に 合わせようとしている〉といった妻が育児や家事に主 導権を持つことを尊重しつつも,〈妻の大変さを理解 し妻への対処を学ぶ姿勢〉を持ち,〈子育ての大変さを 理解し,妻のために家事と育児に取り組んでいる〉と いうように,妻への負担を軽減させられるように 様々な面で妻のサポートを行っていた。そして,〈妻 を観察し大変さを理解しようとする姿勢〉を持ち,妻 の育児の大変さに理解を示し,妻を見守っていた。そ の上,妻を見守るだけでなく,〈妻に気遣い,機嫌を 伺う〉ように行動することや〈育児による妻の自由の 制限を心配する思いやり〉を持つことで,妻の精神面 に配慮しながら夫婦間の安定を図ろうとしていた。産 後2~3ヶ月の母親に対するパートナーのソーシャルサ ポートは,母親の精神的健康と関連しており(高木, 2015),妻が望む夫は,妻の疲労を和らげてくれる夫 であり,妻のヘルパーではなく,パートナーであると 報告されている(Belsky et al, 1994/1995)。夫の【育児 の大変さを理解し妻をサポートする役割の追加】は, 〈妻を観察し大変さを理解しようとする姿勢〉や〈育児 による妻の自由の制限を心配する思いやり〉等のよう に,妻を助けるヘルパーという存在ではなく,共に妻 と歩むパートナーであることを再認識した役割の獲得 であったと考えられる。 共にパートナーとして歩む夫婦は,【夫婦関係のバ ランスを保つための工夫や再調整の実施】をしてい た。夫が妻を理解しサポートをしなければ,夫婦で共 に子育てをすることはできず,一方的に妻だけが子育 てを行うならば,夫婦関係のバランスも崩れやすいと 考えられる。夫は,子育てする父親のストレスの特徴 として,妻に対して,家事や育児を行っても認めても らえないことに対する不満や虚しさを抱くと述べてい る(清水,2006)。研究対象者も,〈夫は妻に努力を認 めてもらいたいと思っている〉ことや〈夫婦円満のた めに感情を表出しない〉という葛藤や我慢が生じてい た。一方で夫は,〈妻は夫に対し,感謝・気遣い・協 力してほしい・頼りたい気持ちを持つ〉ことや〈夫婦 それぞれが出掛けることへの配慮〉というように,妻 を理解する姿勢があることも明らかである。神谷 (2013)は,育児期に役割調整されていない夫婦で あっても,夫婦相互の共感的な関わりによって夫婦の 関係が維持すると述べている。夫婦が相互に,夫婦の バランスを保持しようとすることで,夫婦関係は良好 に保たれやすい。このような互いの相乗効果により, 妻は夫に,夫は妻に対して配慮する余裕が生まれると 考えられる。夫婦は,子育てにより生じてくる互いへ の否定的な感情を持ちながらも,肯定的な部分も同時 に感じバランスを取ることで,夫婦関係を維持してい ることが示唆された。 夫からみた夫婦関係は,【夫婦関係のバランスを保 つための工夫や再調整の実施】をするように変化する 中で,夫婦双方に【親になるお互いを受け入れようと する姿勢の出現】が生じていた。人は,重要な他者と の関係の中で,他者の行動を見たり,自分自身に対し て他者が応じることにより,自己の立場や役割を明確 に定め,自分自身の立場や役割を獲得できる(伊藤, 1996;Kerr et al, 1978/2001)。妻は,主導的に育児を 行い,責任を持ち始め母親役割の自覚が強化されてい く。夫は,〈妻が母親に変化するのを感じ取っている〉

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ことだけでなく,〈子どもを通した呼称の変化による 夫婦相互の規範の変化〉を感じることで,母親に なっていく妻の存在や子どもの存在により,父親にな る自己の立場や役割を定め,親となる自己を獲得して いたと考えられる。さらに,〈子どもの存在が,夫婦 の直接的繋がりから間接的な強い結びつきへ〉と夫婦 関係を変化させることにより,夫と妻という役割に父 親と母親の役割意識を育ませ,親になるお互いを受け 入れていく姿勢が出現していた。夫婦が親になる パートナーを受け止めていくことが,自己の親役割獲 得にも効果があると考えられる。 第1子誕生に伴う夫からみた夫婦関係が,【夫婦共通 の目標への歩みの開始】,【育児の大変さを理解し妻を サポートする役割の追加】,【夫婦関係のバランスを保 つための工夫や再調整の実施】,【親になるお互いを受 け入れようとする姿勢の出現】の変化の過程を踏むこ とで,夫からみた夫婦は,子どもを含めて家族と捉え るようになり,【責任感の芽生えによる家族意識の向 上】を獲得していた。子どもが生まれる前は,結婚し ても,お互いの友人関係や職場との付き合いについ て,気を遣うことも少なく,経済的にも別々に家計の やりくりをしていた。しかし,研究対象者は,〈子ども 中心のため時間の制限を感じている〉ことや〈男同士 の付き合いに名残おしい気持ち〉があると思いつつも, 〈子どもが生まれたことで父親として仕事や友達関係 の見直しをしている〉ことや〈育児の大変さを実感し 良い経験と捉えている〉,〈仕事と家事の両方に気持ち が向いている〉等妻と子を気遣い,家庭に目を向けて いた。親になる軌跡は,男女で一致せず,特に夫の父 親になる過程は,徐々に,ゆっくりと,子どもの誕生 後に育児経験をする関係の中で,親になっていく (Grote et al, 2001;Kohn et al, 2012)。さらに,女性 には妊娠期間があり,男性にはない事から,親となる ことへの男女の時間差が生じてしまう(Kohn et al, 2012)。男女で親となるまでの時間差があったとして も,夫は〈子どもの存在が父親に意欲を与える効果が ある〉ことや〈子ども中心のため3人で過ごす時間が増 えている〉等,親であると感じる経験をする。男女で 親になる軌跡は違っても,子どもの存在や子育て,周 囲との関係の変化等の経験により,責任感が強まり, 夫婦は家族という意識を高めていくと考えられる。 さらに,子育てのために経済的な問題に早期に取り 組もうという夫婦の姿勢が示されていた。〈長期的に 育児をしていこうと経済的な事を考え始めている〉こ と等から,育児費用の経済的な問題について夫婦で考 え始めていた。父親になることは,子どもに確実な教 育環境を与え,家族を支えるために収入を得るという 新しい責任を経験する(Premberg et al, 2008)。夫は, 妻と子を養おうという視点から,経済面での責任感が 芽生えていたし,夫婦で子どもを育てようという意識 が高まっていたことが明らかである。 育児期の夫に本音を聞き出すことが困難ではないか と推測されたが,FGIを行ったことにより,これまで 見えていなかった些細な夫の妻への配慮や努力,苦労 が明らかになった。子どもの誕生により変化する夫婦 のバランスを維持できるのは,夫の妻への気遣いがあ るからこそなのかもしれない。その上,研究対象者 は,男女共同参画社会の形成や少子化対策に伴う男性 の働き方の施策により,夫は仕事,妻は家庭という構 図を変化させようとしてきた社会と共に成長した世代 である。研究対象者の世代が認識する父親像は,仕事 のみを担うのではなく,家事や育児を夫婦協働で行う べきであるという認識へと変化してきているのではな いだろうか。近年の先行研究においても,育児におい てサポートし合うことが,お互いの満足感を高めると 述べられ(藤田他 2014;神谷 2013;高木 2015),家事 や育児を夫婦協働で行うべきであるという認識は,社 会全体に広がりをみせている。反面,妻のサポートの ための夫へのアプローチをしていくという傾向も強 いため,夫側の意思や意向を捉え,偏りのあるアプ ローチにならないようにすることで,育児期の夫婦の パートナーシップ関係が保持されると考えられる。 育児を開始した夫婦は,子ども中心の生活スタイル に合わせた夫婦関係に家族を発達させていくのであ る。そのため,子ども中心の生活スタイルに合った夫 婦関係に変化できることが,重要な家族の発達課題で あると言える。子どものいる家族への新たな発達課題 を達成させるためには,夫婦が新しいルールを作り上 げる過程で,夫婦を取り巻く周囲―夫婦の親,友人, 会社の同僚,そして,保健医療福祉関係者等が,情報 提供や支援提供をしていく必要性が示唆された。特 に,子どもの誕生前後から関わることのできる助産師 は,妻のサポートのために夫にアプローチするのでは なく,夫が育児をしやすくするためにアプローチをす る必要がある。妊娠中の保健指導や入院中の育児・退 院指導を夫婦共に参加できるように介入していくこと や,夫だけ,夫とその子どもだけが参加できるグ ループ活動等を行うことが,夫へのサポートとなり,

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それが夫婦のパートナーシップ関係にもより良い影響 を及ぼすと考えられる。 3.研究の限界と今後の課題 本研究では,育児に積極的な夫が研究対象者で あった可能性が高く,妻のために努力している傾向が 強かったと考えられる。さらに,9 名の少数意見で あったことから,多様な対象者によって,検討を積み 重ねていく必要があると考える。夫婦関係の変化は, 子どもの成長とともにさらなる変化が予想される。ま た,研究対象が第 1 子の誕生直後の時期であったた め,妻との関係保持に最大限の努力をしていた可能性 が高い。従って,縦断的に研究する必要性がある。さ らに,子育て期は,夫であっても,妻であっても,夫 婦双方が良好なパートナーシップ関係を結ぶことが望 まれることから,夫と妻の両者の比較をした上で相互 に夫婦関係の変化を検討する必要があると考える。

Ⅴ.結   論

第1子の誕生に伴う夫からみた夫婦関係の変化の過 程は,子育てという夫婦共通の目標を持つことから始 まり,夫は妻のサポート役割を追加する。それによ り,夫婦は相互のバランスの維持や親になる互いを受 け止め,徐々に責任感が芽生える。この変化の過程に より,夫婦は家族意識を向上させ,家族発達をするこ とが示唆された。 謝 辞 ご協力を頂きました研究対象者の方には深く感謝申 し上げます。尚,本研究は 2016 年度茨城県立医療大 学博士前期課程の学位論文に加筆・修正を加えたもの で,研究の一部は第 31 回日本助産学術集会で発表 した。 利益相反 本論内容に関連する利益相反事項はない。 文 献 天木志保美(2010).第 12 章 家族とコミュニティ.井上 眞理子,家族社会学を学ぶ人のために(pp.269-270). 京都:世界思想社.

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参照

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