人工膝関節全置換術後の深部静脈血栓症予防に対する当日理学療法(PT ケア)の効果
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(2) 156. 理学療法学 第 48 巻第 2 号. また,離床を伴わない治療方法であり,意識消失等の有. PT ケア群と対照群における術後翌日の DVT 発生割合. 害事象は認められないと考えられる。. 2 を比較するための χ 独立性の検定を想定した。先行研. そこで本研究の目的は,ランダム化比較試験にて,術. 究. 後当日にベッド上での下肢挙上,下. 10). の静脈血栓塞栓症予防に対する時期別(前期・後. マッサージ,足関. 期)での運動療法非実施群と運動療法実施群の DVT 陽. 節他動的底背屈運動(以下,PT ケア)を実施すること. 性率{運動療法非実施群:27.9%(50/179 名) ,運動療. によって,安全に DVT 予防の効果があるか検証するこ. 法実施群 0%(0/183 名) }を参考にした。また,サンプ. ととした。. ルサイズの算出の設定は,有意水準 5%,検出力 80%, 割りつけ比 1:1 とし,統計ソフトウェアの SAS Ver.9.4. 対象と方法. (SAS Institute Inc, Cary, NC)を用いた。必要症例数. 1.研究デザイン. は各 42 名となった。また,脱落者はきわめて少ないこ. 研究デザインは,性にて層別化したランダム化比較試. とが想定されたため,目標対象者数は各 42 名,計 84 名. 験とした。対象者は,通常プロトコルおよび PT ケアを. とした。目標対象者数に達した時点で,取り込みを終了. 受ける PT ケア群と,通常プロトコルのみの対照群にラ. した。. ンダムに割りつけられた。割りつけは,Microsoft Excel 2013 の「RAND」による乱数表発生プログラムを用い. 5.通常プロトコルおよび各群の治療内容. て行った。乱数発生方法は,「女性」と「男性」におい. 1)通常プロトコル. て PT ケア群と対照群が 1:1 の比率になるようブロッ. 通常プロトコルは,術後帰室後より間欠的空気圧迫装. クランダム化とした。また, 「RAND」で発生させた数. 置(日東工器社製,メドマー DVT-2500)を両下. 値で 0.5 以上なら「AB」とし,0.5 未満なら「BA」と. 着し,術後翌日の午前 6 時まで実施した。間欠的空気圧. へ装. 割りつけた。なお, 「A」は PT ケア群, 「B」は対照群. 迫装置の設定は,圧 4.0 kpa とし,加圧時間 17 秒,休. として計画した。割りつけは,手術予定が確定した順. 止時間 60 秒の 1 サイクルとした。また,術前および術. (手術前日)に行われた。なお,割りつけ順番の作成,. 後帰室後より DVT 予防として,理学療法士および看護. 参加者の組み入れは,本研究の第一著者のみで行った。. 師が両足関節自動的底背屈運動をできる限り行うよう紙 面を見せながら口頭にて指導した。抗血栓薬は,術後. 2.対象. 48 時間経過にて投与開始である。. 対象者は,2018 年 6 月∼ 2019 年 8 月に当院で TKA. 2)各群の治療内容. を施行した者とした。適格基準は,1)変形性関節症を. PT ケア群は,術後帰室後より通常プロトコルを実施. 原疾患とし,初回片側または両側 TKA を受ける者,2). し,加えて,術後 3 時間以降に,ベッドサイドにて術後. 55 ∼ 85 歳の者,3)手術が午前中に行われる者とした。. 当日 PT ケアを実施した。PT ケアの内容は,両下肢挙. 除外基準は,1)関節リウマチを有する者,2)中枢系疾. 上位(膝関節屈曲 60°股関節屈曲 60°)にて,先行研. 患を有する者,3)認知症を有する者,4)術前より抗凝. 究. 固療法を施している者,5)下. 他動的底背屈運動を 30 秒間実施した。下. および足関節の著しい. 10)11). を参考に片側ずつ下. マッサージおよび足関節 マッサージ. 筋骨格系疾患を有する者,6)術前の D-dimer 値が 1.0 μ g/. および足関節他動的底背屈運動の実施時は,足関節底屈. ml 以上の者,7)術前から DVT を有する者,8)PT ケ. 運動に合わせて手掌にて下. ア実施前に DVT を有する者,9)DVT の既往がある者,. 運動に合わせて下. 10)TKA 再置換術の者,11)術後の周術期管理が行え. を,下. ない者,12)同意を得られなかった者とした。. 回とした。下. 後面を圧迫し,足関節背屈. 後面の圧迫を緩めた(図 1)。これ. マッサージおよび足関節他動的底背屈運動の 1. 施した。下. マッサージは,遠位から近位の方向へ実 マッサージの強度は,痛みのない範囲で,. 3.倫理的配慮. 手掌での圧迫時にヒラメ筋の深層を触知できるまで下. 本研究はヘルシンキ宣言に則り趣旨と内容,データの. 後面を握りこむ程度とした。また,足関節他動的底背屈. 利用に関する説明を行い,書面にて同意を得た。また,. 運動の強度は,筋の伸張感(正常な end feel:soft)を. 苑田会倫理審査委員の承認(番号:第 76 号)を受け,. 感じる可能な範囲での最大底屈位から最大背屈位までの. University Hospital Medical Information Network Clin-. 運動とした。下. ical Trials Registry(UMIN-CTR)に登録(試験 ID:. 動の実施頻度は,10 秒間に 30 回(30 秒で合計約 90 回). 000033879)して実施した。. とし,実施後は 1 分間の休憩をとった。これを 1 サイク. マッサージおよび足関節他動的背屈運. ルとし,片側に対して合計 3 サイクルを実施した。また, 4.サンプルサイズ. 片側・両側手術例ともに両下肢に実施し(合計 6 サイク. サンプルサイズは,本研究のメインアウトカムである. ル),これを PT ケア「1 回」とした。なお,PT ケア群.
(3) 人工膝関節全置換術後の深部静脈血栓症に対する当日治療の効果. 157. 図 1 PT ケアの下 マッサージおよび足関節他動的底背屈運動の方法 A:下 マッサージおよび足関節他動的底屈運動時の方法.筋の伸張感を感じる可能な範囲での足関節他動的底屈運動 に合わせて,痛みのない範囲で,手掌での圧迫時にヒラメ筋の深層を触知できるまで下 後面を握りこむ. B:下 マッサージおよび足関節他動的背屈運動時の方法.筋の伸張感を感じる可能な範囲での足関節他動的背屈運動 に合わせて,下 後面の圧迫を緩める. 下 マッサージおよび足関節他動的底背屈運動は,A から B を実施することを 1 回とした.下 マッサージおよび足 関節他動的底背屈運動の実施頻度は,10 秒間に 30 回とし,30 秒間実施し,1 分間の休憩をとった.これを 1 サイクル とし,片側に対して合計 3 サイクルを実施した.. における PT ケアは,1 回のみとした。PT ケア実施者は,. キング法などの血流誘発法で血流シグナルが認められな. 実施内容が統一できるように事前に練習を行った。練習. いか一部欠損を認めたものとした(図 2)。血栓有無の. 内容は,下. 評価者は,放射線技師であり,マスク化された。評価時. マッサージおよび足関節他動的底背屈運動. の実施時間に対して,30 秒間連続でできるようにタイ. 期は,術後翌日とした。. マーを使用した。また,頻度および強度に対して,メト. 2)サブアウトカム. ロノームにて 1 秒間に 3 回となるように 180 beats per. サブアウトカムは,PT ケアの有害事象を評価した。. mininute に設定し,健常者に対して練習した。. 有害事象について,PT ケア群における自覚症状(気分. 対照群は,術後帰室後から通常プロトコルのみを実施. 不快,嘔気,めまい)の有無,安静時膝疼痛,塞栓症徴. した。. 候(SpO2 の低下,頻呼吸,胸痛,ショック)の有無を 評価した。自覚症状の評価は,問診にて「現在,気分不. 6.メインアウトカムおよびサブアウトカムの測定プロ. 快,嘔気,めまいはありますか」と聴取した。安静時膝 疼痛における強度の評価は,Numeric Rating Scale(以. トコル(評価時期,評価環境,評価者) 1)メインアウトカム. 下,NRS)を用い,問診にて聴取した。安静時膝疼痛の. メインアウトカムは,術後翌日の DVT 発生割合とし. NRS の数値が,PT ケア開始前に比べ PT ケア終了後に. た。DVT 発生の有無の評価は,下肢静脈超音波検査を. 大きくなった場合,安静時膝疼痛が増悪したと判断し. 用いた。超音波検査には,超音波診断装置(Canon 社製,. た。塞栓症徴候の評価は,SpO2 の低下は,手指にパル. Xario)を使用し,7.5 MHz のリニア型プローブを用い. スオキシメーターを装着し測定した。頻呼吸は,視診に. た。検査者は,放射線技師により実施され,すべての対. て呼吸数を確認した。胸痛およびショックは,問診およ. 12). にした. び視診にて所見がないか評価した。評価時期は,PT ケ. がって超音波検査を両下肢に実施した。検査体位は,仰. ア開始前,PT ケア終了後とした。加えて,各群におけ. 臥位にて膝窩静脈で静脈血流の呼吸性変動をパルスドプ. る術前から術後翌日における C-reactive protein(以下,. ラ法で観察した。次に膝窩静脈,ひらめ静脈,腓骨静脈,. CRP)の変化量を評価した。. 象者に日本超音波医学会が推奨する診断基準. 後脛骨静脈を横断像で捉え,プローブで静脈を圧迫法で 静脈が圧迫で潰れるか否かを観察した。さらに各静脈. 7.統計解析. は,B モードとカラードプラ法を併用して観察部位より. 効果判定には,メインアウトカムである術後翌日の. 末梢を用手的に圧迫し(ミルキング法),静脈還流の変. 2 DVT 発生割合の比較に,χ 独立性の検定を用いた。ま. 化を観察した。血栓有りの定義は,両下肢どちらかに,. 2 た,χ 独立性の検定における効果量(φ )および対照群. 静脈圧迫法で静脈内腔の消失が認められないもの,ミル. に対する PT ケア群の相対危険度(リスク比)を算出し.
(4) 158. 理学療法学 第 48 巻第 2 号. 図 2 静脈圧迫法による診断 A:健常例のヒラメ筋静脈(V)横断像.非圧迫時(A-a)に比べ,圧迫時(A-b)には, ヒラメ筋静脈が圧縮されているのが観察される. B:ヒラメ筋静脈血栓症の横断像.非圧迫時(B-a)に比べ,圧迫時(B-b)には,ヒラメ 筋静脈が変形するが圧縮されず血栓ありと診断する.. た。効果量(φ )の大きさの基準は,効果量小 φ = 0.10, 効果量中 φ = 0.30,効果量大 φ = 0.50,とした. 13). 。さ. となった(図 3)。2 群間の基本属性および術中因子情報 は,表 1 に示した。. らに,性の影響を考慮するために,性別を共変量とした Mantel-Haenszel 検定を用いて調整解析した。この要因 の選択は,先行研究における DVT 発生のリスク因子を 3)14). 2.PT ケア群,対照群における術後翌日の DVT 発生割 2 合の比較(χ 独立性の検定). 。DVT 発生部位および PT ケアの有害. 術後翌日の DVT 発生割合は,PT ケア群 11.9%(5/42. 事象の評価は記述統計とした。また,2 群間における術. 名) ,対照群 40.5%(17/42 名)であり,PT ケア群のほ. 前から術後翌日の CRP 値の変化量における比較は,術. うが対照群に比べ有意に低かった(p = 0.003)。また,. 前 CRP 値を共変量とした共分散分析を用いた。統計解. χ 2 独立性の検定における効果量 φ = 0.325 であった。加. 析には IBM SPSS Statistics(Ver.21)を用い,有意水. えて,対照群に対する PT ケア群のリスク比は,0.29. 参考とした. 準は 5% とした。 結 果. (95% 信頼区間:0.119 ‒ 0.724)であり,DVT 発生割合 を減少させた。さらに,Mantel-Haenszel 検定の結果は, 性の因子を加味しても,PT ケア群で術後翌日の DVT. 1.対象者の属性. 発生割合が有意に少なかった(p = 0.005) 。各群におけ. 対象患者となった 440 名のうち,除外基準に含まれた. る DVT 発生部位は,表 2 に示した。. 356 名が除外された。適格基準を満たした 84 名の対象 者が,PT ケア群 42 名と対照群 42 名に割りつけられた。. 3.PT ケアの有害事象の評価. また,術直後に DVT を有する者は 0 名であり,各群と. PT ケアの有害事象の評価については,PT ケア前後. もに脱落はなかった。そのため,分析対象者は,84 名. における自覚症状の発生 0 名,安静時膝疼痛の増悪を認.
(5) 人工膝関節全置換術後の深部静脈血栓症に対する当日治療の効果. 図 3 ランダム化比較試験のフローチャート. 表 1 解析対象者の基本属性および術中因子情報. 年齢(歳) 女性 † 身長(cm). PT ケア群 (n=42). 対照群 (n=42). 73.2 ± 6.1. 73.4 ± 5.7. 34(81) 152.7 ± 7.8. 33(78.6) 153.0 ± 8.3. 体重(kg). 62.2 ± 10.8. 63.6 ± 8.3. Body mass index(kg/m2). 26.6 ± 3.5. 27.2 ± 3.3. 9. 16. Kellgren Lawrence scale(膝数) Grade III Grade IV 高血圧 †. 58. 58. 28(66.7). 23(54.8). 心疾患 †. 8(19). 3(7.1). 糖尿病 †. 13(31). 10(23.8). 両側例 †. 25(59.5). 32(76.2). 122.9 ± 37.8. 137.2 ± 37.0. 88.6 ± 14.5. 88.5 ± 23.3. 手術時間(分) タニケット装着時間(分) 平均値±標準偏差 †:人数 (%). 159.
(6) 160. 理学療法学 第 48 巻第 2 号. 表 2 各群における DVT の発生部位 PT ケア群 (n=5). 対照群 (n=17). ひらめ静脈(例). 5. 15. 後脛骨静脈(例). 0. 1. 腓骨静脈(例). 0. 1. DVT:deep venous thrombosis. 表 3 2 群間における術前から術後翌日の CRP 値の変化量に対する比較 PT ケア群 (n=42). 対照群 (n=42). 平均差. p値. 95%CI. 術前 CRP 値. 0.13 ± 0.29. 0.25 ± 0.91. 0.12. 0.428. ‒ 0.41 ‒ 0.18. CRP 値の変化量. 4.85 ± 2.24. 5.37 ± 1.63. 0.52. 0.237. ‒ 0.35 ‒ 1.38. 平均値±標準偏差 CRP :C-reactive protein CI :confidence interval. めた者 0 名,塞栓症徴候の発生 0 名となった。また,2. Haenszel 検定を用いて調整解析した。結果,性による. 群間における術前から術後翌日の CRP 値の変化量に対. 影響を加味しても,PT ケアは DVT の発生割合の減少. する比較は,有意差を認めなかった(p = 0.237) (表 3)。. につながったと考えられる。 TKA 後の DVT 発生要因は,Virchow の三徴(血管. 考 察. 内皮障害,静脈還流の停滞,血液凝固能の亢進)が挙げ 3). 。DVT 予防に. 本研究では,TKA 術後翌日の DVT 予防に対する術. られ,これらが複雑に絡み合っている. 後当日の PT ケアを含む理学療法について,性にて層別. おいて,理学的予防法と薬物予防法の大きく 2 つに分け. 化したランダム化比較試験により検証した。その結果,. られ,DVT 発生要因である静脈還流の停滞に対しては,. PT ケアによって TKA 術後翌日の DVT 発生割合の減. 理学的予防法の対象となる. 少に有効であることが明らかとなった。PT ケア群にお. 対する理学的予防法において,積極的下肢運動と早期離. ける術後翌日の DVT 発生割合は 11.9% であり,本邦に. 床・早期歩行,弾性ストッキングの装着,間欠的空気圧. おける TKA 後の DVT 発生割合を示したいくつかの先. 迫法が代表的である. 行研究. 3) 5) 15). と比較しても低かった。また,本研究では, 2. 3). 。TKA 後の DVT 発生に. 3)15). 。早期離床・早期歩行は,下. 肢の筋ポンプ機能を発揮させるとともに,足底静脈叢に. 術後翌日の DVT 発生割合における χ 独立性の検定の. 貯留した血液を押し上げ,静脈血流増加作用により. 効果量は,φ = 0.325 であり中等度の効果量を示した。. DVT を予防する. 10). 16). 。また,弾性ストッキングの装着は,. では,静脈血栓塞栓症予防に対する運. DVT 発生の高リスクである TKA 後において,単独で. 動療法効果を示し,DVT 陽性率は,運動療法非実施群:. の予防効果は高くないが,間欠的空気圧迫法と併用する. 27.9%(50/179 名) ,運動療法実施群 0%(0/183 名)と. ことで薬物予防法と同等の評価で推奨されている. なり,効果量は φ = 0.405 であった。また,Imai らの報. さらに,間欠的空気圧迫法は,出血リスクの高い TKA. 船山らの報告. 告. 11). では,人工股関節全置換術患者の DVT 予防に対. する下. マッサージおよび足関節他動的運動(Manual. 後患者では,DVT 予防のために推奨されている. 17). 。. 16). 。こ. れらのように,DVT の予防には多くの種類があるが,. calf massage and passive ankle motion:以下,CaM and. 予防効果の優劣に対して明らかなエビデンスはなく,ど. PAM)の検証によると,静脈血栓塞栓症の発症率は,. の予防法の組み合わせがよいかなど論議されている. 対照群 6.52%(9/138 名) ,CaM and PAM 群 0.79%(1/126. そのなかで,早期離床・早期歩行はコストが低く,合併. 名)となり,効果量は φ = 0.151 であった。これらより,. 症リスクが小さいため推奨されている. 本研究における DVT 発生割合に対する効果量は,先行. 術後患者における早期離床・早期歩行は,疼痛緩和目的. 研究と比べほぼ同等であった。さらに,対照群に対する. に使用される大. PT ケア群のリスク比より,対照群に比べ PT ケア群は,. 折れや血圧低下などを誘引することがある. DVT 翌日の発生割合を 0.29 倍,減少させることができ. め,転倒や意識消失のリスクには十分注意が必要であ. ると考えられる。加えて,DVT 発生のリスク要因とし. り,早期離床が困難な場合も多い。TKA 術後翌日に静. て多くの報告. 10)14). がある性別を共変量とした Mantel-. 14). 。. 15). 。しかし,TKA. 神経ブロックや硬膜外麻酔により,膝. 脈超音波検査を行った報告. 18). 9). 。そのた. で は,DVT の 発 生 を.
(7) 人工膝関節全置換術後の深部静脈血栓症に対する当日治療の効果. 161. 39.0% 認めたといわれている。そのため,術後翌日には. 後は,臨床適応していくためにも PT ケア群において. 血栓が形成されている可能性が高い。本研究の PT ケア. DVT が発生した者の特徴を捉える必要がある。また,. は,術後当日に下肢挙上位にて下. マッサージおよび足. 臨床で広く使われるためには,大規模な集団での検証が. 関節他動的底背屈運動を同時に実施し,離床を伴わない. 必要である。そのため,他病院でも適応可能か検証して. 方法である。下肢挙上は下肢の静脈還流を促通するとの. いきたい。. 報告がある. 19). 。また,下. マッサージおよび足関節他. 動的底背屈運動は,ヒラメ筋静脈を中心とした静脈の血 3) 流を促進するといわれている 。そのため,PT ケアは,. 利益相反 開示すべき利益相反はない。. DVT 発生機序に基づいたアプローチができていたと考 えられる。また,術後当日から治療をしたことで,早期. 謝辞:本研究の実施にあたりご協力いただきました苑田. から静脈還流が促進され,DVT 発生予防につながった. 会人工関節センター病院整形外科坂本雅光先生,北村憲. 可能性が考えられる。PT ケアの有害事象について,本. 司先生,林孝典先生,苑田会人工関節センター病院リハ. 研究では皆無であった。加えて,2 群間における術前か. ビリテーション部の池田光佑先生,小森陽介先生,木下. ら術後翌日の CRP 値の変化量に対する比較では,群間. 皓太先生,長野愛先生,八鳥愛加先生,八木勇太先生,. での有意差を認めなかった。これにより,PT ケアは,. および看護部のスタッフの皆様,ならびに対象者として. 炎症症状の増悪につながる可能性は低いと考える。その. ご参加いただきました皆様に深謝いたします。. ため,PT ケアは安全に実施できる方法だといえよう。 これらを踏まえて,本研究の PT ケアは,効果のある DVT 予防法のひとつとして提案したい。 本研究の強みは,評価者をマスク化し,性での層別ラ ンダム化比較試験のデザインを用いて治療効果を評価し ていることである。また,術後当日の PT ケア実施にお いて,離床を伴わないため安全に実施でき,特別な器具 を要せず実施できるという点である。一方で,本研究の 限界として,3 点挙げられる。まず,術後当日の PT ケ アにより DVT の発生割合が低下したものの,実際に下 の静脈血流量が改善したかは明らかでない点である。 次に,PT ケア方法は,PT ケアを実施する理学療法士 に対して十分に練習を実施し,可能な限り統一できるよ うにしていたが,下. マッサージの強度および頻度に再. 現 性 が あ っ た か は 不 確 か な 点 で あ る。Ikezoe ら の 報 告. 20). では,高齢者における下. の浅層筋および深層筋. までの筋厚は,平均 4 cm であるといわれている。しか し,本研究の下 実際に下. マッサージは,全プロセスを通して,. 後面を 2 ∼ 4 cm 握りこめていたかは明らか. ではない。最後に,各群ともに DVT 予防として足関節 自動的底背屈運動をできる限り実施するよう指導した が,実際の実施回数は記録できていない。そのため,実 際に足関節自動的底背屈運動の実施回数が揃っていたか は明らかでなく,それらが影響している可能性を否定で きないという点である。 結 論 本研究では,TKA 後の DVT 予防に対する術後当日 の PT ケアを含む理学療法について性での層別ランダム 化比較試験により検証した。その結果,PT ケア群は術 後翌日の DVT 発生割合が対照群に比べ有意に減少し た。また,PT ケアによる有害事象は認めなかった。今. 文 献 1)Juni P, Reichenbach S, et al.: Osteoarthritis: rational approach to treating the individual. Best Pract Res Clin Rheumatol. 2006; 20: 721‒740. 2)Kurtz S, Ong K, et al.: Projectons of praimary and revision hip and knee arthroplasty in the United States from 2005 to 2030. J Bone Joint Surg Am. 2007; 89: 780‒ 785. 3)伊藤正明,池田正孝,他:肺血栓塞栓症および深部静脈血 栓症の診断,治療,予防に関するガイドライン(2017 年 改訂版).http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2017_ it o_h.pdf(2019 年 5 月 1 日引用). 4)Henrik H, Kristian S, et al.: Low risk of thromboembolic complications after fast-track hip and knee arthroplasty. Acta Orthopaedica. 2010; 81: 599‒605. 5)飛山義憲,和田 治,他:人工膝関節置換術当日における 立位保持が身体機能の改善や深部静脈血栓症の予防に与 える影響─無作為化比較試験による検証─.理学療法学. 2014; 41: 407‒413. 6)山川直美,長岡由香,他:人工膝関節全置換術クリニカル パス短縮について.日本クリニカルパス学会誌.2017; 19: 115‒120. 7)河野稔典,松本 雄,他:人工膝関節全置換術患者のクリ ニカルパス導入∼理学療法学士の立場から.日本クリニカ ルパス学会誌.2012; 14: 224‒228. 8)町田理恵子,妹尾賢和,他:人工膝関節全置換術患者術後 5 日退院クリニカルパス達成の阻害要因.日本クリニカル パス学会誌.2016; 18: 193‒198. 9)堀田訓久,瀬尾憲正:術後鎮痛におけるこれからの選択 ─末梢神経ブロックを活用した術後鎮痛─.日臨麻会誌. 2009; 29: 620‒626. 10)船山 敦,武田勇樹,他:人工股関節全置換術における静 脈血栓塞栓予防対策としての手術中・手術直後の下 マッ サージ(IcaM 法)と足関節他動的底背屈運動(IPAM 法) の絶大なる効果.日関病誌.2015; 34: 75‒80. 11)Imai N, Ito T, et al.: Manual calf massage and passive ankle motion reduce the incidence of deep vein thromboembolism after total hip arthroplasty. J Orthop Sci. 2017; 22: 726‒730. 12)田中幸子,西上和宏,他:下肢深部静脈血栓症の標準的超 音波診断法.Jpn J Med Ultrasonics.2008; 35: 35‒39..
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ABSTRACT: [Purpose] In this study, we examined if a relationship exists between clinical assessments of symptoms pain and function and external knee and hip adduction moment
ABSTRACT: To reveal the changes of joint formation due to contracture we studied the histopathological changes using an exterior fixation model of the rat knee joint. Twenty
ポートフォリオ最適化問題の改良代理制約法による対話型解法 仲川 勇二 関西大学 * 伊佐田 百合子 関西学院大学 井垣 伸子
〈下肢整形外科手術施行患者における静脈血栓塞栓症の発症 抑制〉
However, because the dependent element in (4) is not a gap but a visible pronoun, readers could not realize the existence of relative clause until they encounter the head noun
Amount of Remuneration, etc. The Company does not pay to Directors who concurrently serve as Executive Officer the remuneration paid to Directors. Therefore, “Number of Persons”