• 検索結果がありません。

脳卒中患者における障害の重症度と低栄養が歩行自立再獲得日数に及ぼす影響

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "脳卒中患者における障害の重症度と低栄養が歩行自立再獲得日数に及ぼす影響"

Copied!
9
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)理学療法学 第 45 巻第 1 号 9 ∼脳卒中の障害の重症度と低栄養が歩行自立再獲得日数に及ぼす影響 17 頁(2018 年). 9. 研究論文(原著). 脳卒中患者における障害の重症度と低栄養が 歩行自立再獲得日数に及ぼす影響* ─共分散構造分析による検証─. 長 野 友 彦 1)# 友 田 秀 紀 1) 小 泉 幸 毅 1) 森 山 雅 志 1) 山 本 大 誠 2)  赤 津 嘉 樹 1) 德 永 武 男 1) 梅 津 祐 一 1). 要旨 【目的】本研究の目的は,回復期リハビリテーション病棟における脳卒中患者の歩行自立再獲得日数への 障害の重症度と低栄養の影響を検証することであった。【方法】対象は病棟内歩行が自立した 65 歳以上の 脳卒中患者 116 名とした。分析は歩行自立再獲得日数に関連する潜在変数を障害の重症度と低栄養に分類 してそれらに関連する観測変数から仮説モデルを作成し,共分散構造分析で検証した。【結果】年齢を層 別化すると,前期高齢者群ではおもに障害の重症度が歩行自立再獲得日数に関連しており,低栄養の関連 性は認められなかった。後期高齢者群では障害の重症度と低栄養が歩行自立再獲得日数に関連し,低栄養 には嚥下障害が関連していた。【結論】回復期リハビリテーション病棟の脳卒中患者では,障害の重症度 と低栄養のそれぞれが歩行自立再獲得日数に影響することが明らかになった。さらに,嚥下障害を伴う後 期高齢者群では栄養管理の重要性が示唆された。 キーワード 低栄養,歩行自立再獲得日数,共分散構造分析. はじめに. プローチすることが勧められている(グレード B) 。リ ハ目標やリハプログラムの立案,入院期間の設定などを.  脳卒中リハビリテーション(以下,リハ)は,日常生. 行うためには,入院時の患者の機能・活動水準から基本. 活 動 作(Activities of Daily Living: 以 下,ADL) ,機. 動作や ADL などが自立可能か否かを判断することが重. 能障害,患者属性,併存疾患,社会的背景などをもとに. 要となる。特に理学療法士にとって歩行能力の予後予測. 予測される機能,在院日数,転帰先を参考にしてリハプ. は,リハゴールの立案やリハを効果的かつ効率的に行う. ログラムを計画することが脳卒中治療ガイドライン. うえで重要である。. 2015. 1). で勧められている(グレード B)。また,回復期.  脳卒中患者の歩行の予後予測に関する先行研究では, 2). が報告されており,発症. リハでは,転帰予測による目標の設定(短期ゴール,長. 二木による早期自立度予測. 期ゴール),適切なリハプログラムの立案,必要な入院. 30 病日以内の脳卒中患者の年齢,運動障害,寝返り,. 期間の設定などを行い,リハチームにより,包括的にア. 起き上がりなどの基本動作能力に基づいて , 発症後 6 ヵ. *. Influence of the Severity of the Disorder and Malnutrition on the Number of Days for Patients Who Had a Stroke to Regain Independent Ambulation: Verification using a Covariance Structure Analysis 1)小倉リハビリテーション病院 (〒 803‒0861 福岡県北九州市小倉北区篠崎 1‒5‒1) Tomohiko Nagano, PT, Hidenori Tomoda, PT, MSc, Kouki Koizumi, PT, Masashi Moriyama, PT, Yoshiki Akatsu, MD, Takeo Tokunaga, MD, PhD, Yuichi Umezu, MD, PhD: Kokura Rehabilitation Hospital 2)神戸学院大学総合リハビリテーション学部 Taisei Yamamoto, PT, PhD: Faculty of Rehabilitation, Kobe Gakuin University # E-mail: nagano838@gmail.com (受付日 2016 年 12 月 20 日/受理日 2017 年 10 月 17 日) [J-STAGE での早期公開日 2017 年 12 月 14 日]. 月での機能回復状態を予測する方法が提案されている。 また,先行研究では麻痺側機能. 3). や体幹機能 4)に焦点. をあてた調査が多数報告されている。しかし,これらの 報告は最終的な帰結に関する報告がほとんどである。  平成 28 年度の診療報酬改定により,回復期リハ病棟 のアウトカム指標として実績指数が導入された。このこ とにより,「いつ頃どのような状態になるのか」といっ たゴール達成期間の設定の重要性が高まっている。その ような背景の中で,歩行の自立などの最終的な帰結だけ でなく,いつ頃歩行が自立するのかといった歩行自立再.

(2) 10. 理学療法学 第 45 巻第 1 号. 獲得日数を予測することも入院時に詳細な治療計画を立. の歩行自立再獲得日数に対して,障害の重症度および低. 案するうえで重要であると考えられる。回復期リハ病棟. 栄養の双方がどのように影響しているのかについて明ら. における歩行自立再獲得日数については,ワイブル加速. かにすることを目的とした。. モデルを用いた先行研究. 5). を実施した。この先行研究. 対象および方法. では,脳卒中患者における入院時の感覚障害や認知機 能,座位・立位能力を予測因子として,病棟歩行が自立. 1.対象. するまでの日数を予測する方法について報告した。ま.  2011 年 8 月∼ 2014 年 6 月の期間に当院回復期リハ病. た,永井ら. 6). は脳卒中患者の入院時における機能的自. 棟に入院した 65 歳以上で入院中に病棟歩行が自立した. 立度評価法(Functional Independence Measure:以下,. 脳卒中患者を対象として,入院時に低栄養状態であった. FIM) の 運 動 合 計 点 を 9 層 に 層 別 化 し, 各 層 ご と に. 58 名と,それらと年齢および性別をマッチングした低栄. FIM の各運動細項目得点から自立者の割合と自立まで. 養状態でなかった 58 名の計 116 名のデータを診療録よ. の日数を示しており,歩行自立再獲得日数は入院時の. り後方視的に調査した。低栄養状態の定義は,Geriatric. FIM10 点台が入院より 8 週,20 ∼ 30 点台が 10 週,40. Nutritional Risk Index(以下,GNRI)が 92 点未満とし. 点 台 が 8 週,50 点 台 が 6 週,60 点 台 が 4 週,70 ∼ 80. た. 点台が 2 週であったと報告している。さらに,脳卒中患. や入院時より歩行が自立レベルの者を除外するために入. 者の歩行自立への関連要因については,山内ら. 7). が. 19). 。なお,入院期間中の病態悪化などによる転院者. 院 3 日以内の歩行自立者は対象外とした。本研究は,疫 20). における既存資料等のみを. Stroke Impairment Assessment Set(SIAS)など機能. 学研究に関する倫理指針. 障害の重症度とともに,栄養評価の一指標である Body. 用いる観察研究であり,研究対象者からインフォーム. Mass Index(以下,BMI)の関連を報告している。先. ド・コンセントを受けることを必ずしも要しない場合に. 行研究においては,低栄養患者は運動療法の介入効果が. 該当する。以上のことを踏まえ,小倉リハビリテーショ. 得られにくいことや 報告されており. 8). ,歩行能力に影響を及ぼすことが. ン病院倫理委員会の承諾を受けて研究を実施した。. 9)10). ,リハを効果的かつ効率的に実施. していくうえで機能障害の重症度に加えて栄養管理が重. 2.測定項目. 要な指標となる。.  本研究では,歩行自立再獲得日数をアウトカムとし.  我が国では急速に高齢化が進展しており,2015 年の. た。歩行自立再獲得日数は,回復期リハ病棟に入院して. 高齢化率(65 歳以上の人口割合)は 26.0%,後期高齢. から病棟内での歩行が自立するまでの日数とした。歩行. 化率(75 歳以上の人口割合)は 12.5%で,2025 年には. 自立の基準は,「歩行補助具(杖,シルバーカーなど). 高齢化率が 28.7%,後期高齢化率が 16.7%にまで及ぶと. や装具を使用して,対象者が屋内を介助・監視および指. 11). 。今後の超高齢社会において,特に. 示なしに一人で,自発的に,安全にかつ安定して歩行が. 後期高齢者が陥りやすい低栄養をいかに解決していくか. 遂行できること」とした。回復期リハ病棟はチームアプ. 予測されている. が重要な課題となっている. 12). 。脳卒中における低栄養. 14). ローチが基本であり,当院における動作の自立判定は. ,回復期リハ. チームによるアセスメントを必須条件としている。当院. と高頻度に認められ,加齢自. の歩行自立の判定は,①理学療法士による評価,②看護. の頻度は,急性期病院では 8.2 ∼ 49.0% 病棟においても 37.7%. 13). 体も低栄養のリスクとされていることから. 15)16). ,高齢. 師・介護職による評価,③主治医による判断,という多 21). (図 1),最終的な歩行自立日. 者に多く発症する脳卒中患者において低栄養について検. 職種によるものであり. 討することは重要な課題である。低栄養の脳卒中患者に. は医師により歩行自立と判断された日とした。なお歩行. おける歩行の予後予測については,the Feed Or Ordinary. 2 自立の範囲は,1 病棟約 1,200 m のフロア内とし,床頭. Diet(FOOD)Trial collaboration における大規模多施. 台やトイレなどの居室内の移動や居室から食堂までの移. 設研究. 17). で,低栄養が最終的な歩行能力に悪影響を及. ぼすことが報告されている。歩行自立再獲得日数に関連 18). 動などとした。  測定項目は,対象者の診療録から得られた基本情報項. において,入院時に低栄養である脳卒. 目として,年齢,性別,脳卒中分類,発症から回復期リ. 中患者は,歩行自立再獲得日数が有意に長期化すること. ハ病棟に入院するまでの期間(以下,発症から入院まで. を報告した。しかし,低栄養患者は脳卒中の障害の重症. の期間),回復期リハ病棟に入院した期間(以下,入院. 度が高い傾向にあったことから,本先行研究において. 期間),歩行自立再獲得日数,入院時評価項目として認. は,歩行自立再獲得日数に影響を及ぼした因子が低栄養. 知機能,嚥下障害,高次脳機能障害,感覚障害,運動麻. なのか,障害の重症度なのかについて明らかにすること. 痺,BMI,エネルギー摂取量,血清アルブミン,ヘモグ. が課題となっていた。. ロビン,総コレステロール,CRP であった。認知機能.  そこで本研究は,回復期リハ病棟における脳卒中患者. は Mini-Mental State Examination( 以 下,MMSE)23. する先行研究.

(3) 脳卒中の障害の重症度と低栄養が歩行自立再獲得日数に及ぼす影響. 11. Harris-Benedict の式を用いて,身長,体重,年齢より基 礎エネルギー消費量(Basic Energy Expenditure:以下, BEE)を算出し,算出した BEE に活動係数およびスト レス係数を乗じて予測必要エネルギー量を算出し,実際 のエネルギー摂取量が予測必要エネルギー量に足りてい たか否かで判断した。なお,活動係数およびストレス係 数は,日本静脈経腸栄養学会ガイドラインに基づいた係 数. 23)24). に準じて,活動係数はベッドサイドの症例を 1.2,. リハ室での症例を 1.3 とし,ストレス係数は褥瘡や肺炎 などの感染症を合併した症例を 1.2,合併していない症例 を 1.0 として算出した。GNRI は,Bouillanne ら. 25). によ. り提唱された計算式 14.89 ×血清アルブミン+ {41.7 ×(現 体重 / 理想体重) }により算出した。 3.統計解析  統計学的分析は,脳卒中患者の歩行自立再獲得日数に 図 1 当院での「病棟歩行自立」が決定されるまでのフロー チャート. 対する障害の重症度および低栄養の双方の影響を検討す るために,共分散構造分析を用いた。分析では,歩行自 立再獲得日数に関連する潜在変数を障害の重症度,低栄 養に分類し,それらに関連する入院時評価項目を観測変. 点以下を認知機能低下「あり」とし,24 点以上を認知. 数とした。なお,障害の重症度に関連する観測変数は,. 機能低下「なし」とした。嚥下障害は,藤島式摂食・嚥. 脳卒中患者の歩行能力への関連要因を調査したシステマ. 下グレードにおいてグレード 9 以下を嚥下障害「あり」. ティックレビュー. とし,グレード 10 を嚥下障害「なし」とした。. 脳機能障害,感覚障害,運動麻痺とした。また,低栄養.  高次脳機能障害は,入院時の対面診察や入院後の. に関連する観測変数は嚥下障害,BMI,エネルギー摂取. ADL,リハ場面などにおける行動観察に基づいてリハ. 量とした。血清アルブミンなどの生化学パラメーターは. 科専門医が高次脳機能障害を有する,あるいは,疑いあ. 低栄養の基準を GNRI で評価し,その項目に血清アルブ. りと判断された患者が高次脳機能障害ありと判定され. ミンが含まれていたため交絡因子と判断して観測変数か. た。これらの患者に対し,リハ科専門医から依頼を受け. ら除外した。. た作業療法士および言語聴覚士が高次脳機能障害の評価.  分析手続きは,臨床的見解をもとにした仮説モデルの. を実施した。高次脳機能障害の評価として標準注意検査. 立案から開始し,パス係数を用いて各変数間の関連性を. 法(Clinical Assessment for Attention:CAT),Trail. 示した。次に,仮説モデルの修正と改良を繰り返し,修. Making Test(TMT) , 行 動 性 無 視 検 査(Behavioural. 正過程ではパス係数が低く,統計学的に有意な関連性を. Inattention Test:BIT) ,コース立方体組み合わせテス. 示さなかったパスを除外し,最終的なモデルを作成し. ト,遂行機能障害症候群の行動評価(Behavioural As-. た。モデルの適合度は,Comparative Fit Index(以下,. sessment of the Dysexecutive Syndrome:BADS) ,前. CFI) ,Root Mean Square Error of Approximation(以. 頭葉機能検査(Frontal Assessment Battery at bedside:. 下,RMSEA)を用いて判定した。なお,モデルは 1 方. FAB) ,三宅式記銘力検査,標準失語症検査(Standard. 向の矢印を因果関係,両方向矢印を相関,四角枠を観測. Language Test of Aphasia:SLTA) ,Token Test,実. 変数,楕円を潜在変数,円を誤差(独自因子)で表記. 用コミュニケーション能力検査(Communication ADL. した。. Test:CADL)などが実施され,注意障害や半側空間無.  作成したモデルは,75 歳未満の前期高齢者群と 75 歳. 視,遂行機能障害,失語症などが評価された。. 以上の後期高齢者群で層別化し,各年齢層におけるモデ.  運動麻痺は下肢 Brunnstrom stage で評価した。感覚. ルの特徴を整理した。群間比較は,カイ二乗検定および,. 障害は下肢の表在感覚障害と深部感覚障害を評価し,. シャピロ・ウィルクの正規性の検定後にウィルコクソン. Fugl-Meyer Assessment の感覚項目で減点があるもの. の順位和検定を用いて分析した。各分析において,統計. を「あり」とし,減点がないないものを「なし」とした。. 学 的 な 有 意 水 準 は 5% と し た。 統 計 学 的 解 析 に は R. 2.  BMI は低栄養の基準と示されている 18.5 kg/m をカッ トオフとして. 22). 2 値化した。また,エネルギー摂取量は. 26)27). などを参考に,認知機能,高次. version 3.2.2,JMP version 9.0 を使用した。.

(4) 12. 理学療法学 第 45 巻第 1 号. 障 害 は「 あ り 」 が 51 名(44.0 %) ,「 な し 」 が 65 名. 結   果. (56.0%) ,深部感覚障害は「あり」が 48 名(41.4%) , 「な. 1.対象者の基礎属性. し」が 68 名(58.6%),運動麻痺はⅢが 6 名(5.2%),.  表 1 に対象者の基本情報項目と入院時評価項目につい. Ⅳ が 11 名(9.5 %) , Ⅴ が 37 名(31.9 %) , Ⅵ が 41 名. て示した。対象者の平均年齢は 77.5 ± 6.6 歳,男性が. (35.3%) , 「なし」が 21 名(18.1%) ,BMI は 21.6 ± 3.7 kg/. 54 名(46.6%) ,女性が 62 名(53.4%),発症から入院. 2 , 「不 m ,エネルギー摂取量は「十分」が 87 名(75.0%). ま で の 期 間 は 平 均 27.1 ± 11.9 日, 入 院 期 間 は 87.0 ±. 十分」が 29 名(25.0%)であった。. 33.3 日,歩行自立再獲得日数は 36.1 ± 29.6 日(最小値.  年齢を層別化すると,前期高齢者群は 40 名で,平均. 4 日,25%四分点位 15 日,中央値 28.5 日,75%四分点. 年齢 70.5 ± 3.0 歳,男性が 20 名(50.0%) ,女性が 20 名. 位 47 日,最大値 141 日)であった。認知機能低下は「あ. (50.0%) ,発症から入院までの期間は平均 28.4 ± 10.9 日,. り」が 45 名(38.8%), 「なし」が 61 名(52.6%), 「不明」. 入院期間は 86.4 ± 31.2 日,歩行自立再獲得日数は 36.0. が 10 名(8.6%) ,嚥下障害は「あり」が 28 名(24.1%),. ± 34.5 日(最小値 5 日,25%四分点位 15 日,中央値 25. 「なし」が 88 名(75.9%),高次脳機能障害は「あり」. 日,75%四分点位 38.5 日,最大値 141 日)であった。. が 74 名(63.8%) ,「なし」が 42 名(36.2%) ,表在感覚. 認知機能低下は「あり」が 9 名(22.5%),「なし」が 26. 表 1 対象者の基礎属性. 年齢(歳) 性別 脳卒中分類. 全対象者 (n=116). 前期高齢者群 (n=40). 後期高齢者群 (n=76). 77.5 ± 6.6. 70.5 ± 3.0. 81.2 ± 4.6. 男性. 54(46.6). 20(50.0). 34(44.7). 女性. 62(53.4). 20(50.0). 42(55.3). 脳梗塞. 86(74.1). 26(65.0). 60(79.0). 脳出血. 26(22.4). 11(27.5). 15(19.7). くも膜下出血. p値. 0.589 0.127. 4(3.5). 3(7.5). 1(1.3). 発症から入院までの期間(日). 27.1 ± 11.9. 28.4 ± 10.9. 26.4 ± 12.4. 0.167. 入院期間(日). 87.0 ± 33.3. 86.4 ± 31.2. 88.5 ± 32.6. 0.377. 歩行自立再獲得日数(日) 認知機能低下. 嚥下障害 高次脳機能障害 表在感覚障害 深部感覚障害 運動麻痺. 36.1 ± 29.6. 36.0 ± 34.5. 36.1 ± 26.9. 0.567. あり. 45(38.8). 9(22.5). 36(47.4). 0.013. なし. 61(52.6). 26(65.0). 35(46.0). 不明. 10(8.6). 5(12.5). 5(6.6). あり. 28(24.1). 7(17.5). 21(27.6). なし. 88(75.9). 33(82.5). 55(72.4). あり. 74(63.8). 29(72.5). 45(59.2). なし. 42(36.2). 11(27.5). 31(40.8). あり. 51(44.0). 22(55.0). 29(38.2). なし. 65(56.0). 18(45.0). 47(61.8). あり. 48(41.4). 19(47.5). 29(38.2). なし. 68(58.6). 21(52.5). 47(61.8). 6(5.2). 4(10.0). 2(2.6). Ⅲ Ⅳ. 11(9.5). 5(12.5). 6(7.9). Ⅴ. 37(31.9). 15(37.5). 22(29.0). Ⅵ. 41(35.3). 13(32.5). 28(36.8). なし. 21(18.1). 3(7.5). 2 BMI(kg/m ). エネルギー摂取量. 21.6 ± 3.7 十分. 87(75.0). 28(70.0). 59(77.6). 29(25.0). 12(30.0). 17(22.4). ヘモグロビン(g/dl) 総コレステロール(mg/dl) GNRI. 0.152 0.083 0.333 0.083. 18(23.7) 21.6 ± 3.9. 不十分 血清アルブミン(g/dl). CRP(mg/dl). 21.6 ± 3.5. 0.217. 0.659 0.371. 3.6 ± 0.4. 3.6 ± 0.5. 3.5 ± 0.4. 0.207. 11.8 ± 1.4. 11.9 ± 1.5. 11.8 ± 1.3. 0.871. 165.4 ± 34.5. 168.4 ± 33.6. 163.8 ± 35.1. 0.393. 0.6 ± 1.2. 0.7 ± 1.4. 0.6 ± 1.1. 0.894. 91.9 ± 8.2. 93.0 ± 8.3. 91.3 ± 8.2. 0.392. 連続変数は平均±標準偏差,カテゴリカル変数は度数(%)で表記した. 発症から入院までの期間:発症から回復期リハ病棟に入院するまでの期間,入院期間:回復期リハ病棟に入院した期間, BMI:Body Mass Index,GNRI:Geriatric Nutritional Risk Index.

(5) 脳卒中の障害の重症度と低栄養が歩行自立再獲得日数に及ぼす影響. 13. 名(65.0%) ,「不明」が 5 名(12.5%),嚥下障害は「あ. ‒ 0.55,低栄養が ‒ 0.34 であった。障害の重症度には運. り」が 7 名(17.5%),「なし」が 33 名(82.5%),高次. 動麻痺,深部感覚障害,高次脳機能障害が抽出され,パ. 脳機能障害は「あり」が 29 名(72.5%),「なし」が 11. ス係数は運動麻痺が 0.96,深部感覚障害が 0.41,高次脳. 名(27.5%) ,表在感覚障害は「あり」が 22 名(55.0%),. 機能障害が 0.03 であった。また,低栄養には嚥下障害,. 「なし」が 18 名(45.0%),深部感覚障害は「あり」が. BMI,エネルギー摂取量が抽出され,パス係数は嚥下障. 19 名(47.5%),「なし」が 21 名(52.5%),運動麻痺は. 害が 0.80,BMI が 0.27,エネルギー摂取量が 0.13 であっ. Ⅲ が 4 名(10.0 %), Ⅳ が 5 名(12.5 %), Ⅴ が 15 名. た。モデルの適合度は CFI = 0.83,RMSEA = 0.10 で. (37.5%),Ⅵが 13 名(32.5%), 「なし」が 3 名(7.5%),. あった(図 2)。. 2 BMI は 21.6 ± 3.5 kg/m ,エネルギー摂取量は「十分」. が 28 名(70.0%) , 「不十分」が 12 名(30.0%)であった。 表 2 各評価の実施状況.  後期高齢者群は 76 名で,平均年齢 81.2 ± 4.6 歳,男 性が 34 名(44.7%),女性が 42 名(55.3%),発症から. 実施数. 入院までの期間は平均 26.4 ± 12.4 日,入院期間は 88.5. 藤島式摂食・嚥下グレード. 116(100). ± 32.6 日,歩行自立再獲得日数は 36.1 ± 26.9 日(最小. Brunnstrom stage. 116(100). 値 4 日,25%四分点位 15.75 日,中央値 30 日,75%四 分点位 55.5 日,最大値 129 日)であった。認知機能低 下は「あり」が 36 名(47.4%), 「なし」が 35 名(46.0%) ,. Fugl-Meyer Assessment(感覚項目). 116(100). BMI. 116(100). エネルギー摂取量. 116(100). MMSE. 106(91.4). 「不明」が 5 名(6.6%),嚥下障害は「あり」が 21 名. TMT. 59(50.9). (27.6%) ,「なし」が 55 名(72.4%),高次脳機能障害は. BIT. 45(38.8). SLTA. 44(37.9). 「 あ り 」 が 45 名(59.2 %),「 な し 」 が 31 名(40.8 %), 表在感覚障害は「あり」が 29 名(38.2%),「なし」が 47 名(61.8%),深部感覚障害は「あり」が 29 名(38.2%) , 「なし」が 47 名(61.8%) ,運動麻痺はⅢが 2 名(2.6%), Ⅳ が 6 名(7.9 %), Ⅴ が 22 名(29.0 %), Ⅵ が 28 名 (36.8%), 「なし」が 18 名(23.7%),BMI は 21.6 ± 3.9 kg/ 2 「不 m ,エネルギー摂取量は「十分」が 59 名(77.6%),. 十分」が 17 名(22.4%)であった。なお,各評価の実 施状況を表 2 に示した。 2.共分散構造分析による解析  全対象者 116 名における仮説モデルを検証した結果, 歩行自立再獲得日数へのパス係数は障害の重症度が. コース立方体組み合わせテスト. 41(35.3). CADL. 22(19.0). 三宅式記銘力検査. 21(18.1). FAB. 14(12.1). Token Test. 9(7.8). BADS. 6(5.2). CAT. 5(4.3). 括弧内の数値は全対象者数の 116 で各評価項目の実施者数 を除して求めた実施率を記載した. BMI:Body Mass Index, MMSE:Mini-Mental State Examination, TMT:Trail Making Test, BIT:Behavioural Inattention Test, SLTA:Standard Language Test of Aphasia, CADL:Communication ADL Test, FAB:Frontal Assessment Battery at bedside, BADS:Behavioural Assessment of the Dysexecutive Syndrome, CAT:Clinical Assessment for Attention. 図 2 全対象者における歩行自立再獲得日数への関連モデル CFI = 0.83,RMSEA = 0.10 BMI:Body Mass Index 全対象者では歩行自立再獲得日数に障害の重症度と低栄養の双方が関連しており,障害の 重症度がより高かった.障害の重症度へのおもな関連因子は運動麻痺,深部感覚障害,高 次脳機能障害,低栄養は嚥下障害,BMI,エネルギー摂取量であった..

(6) 14. 理学療法学 第 45 巻第 1 号. 図 3 前期高齢者群における歩行自立再獲得日数への関連モデル CFI = 1.00,RMSEA = 0.00 前期高齢者では歩行自立再獲得日数に低栄養の関連が低かった.障害の重症度へのおもな 関連因子は運動麻痺および深部感覚障害,低栄養はエネルギー摂取量であった.. 図 4 後期高齢者群における歩行自立再獲得日数への関連モデル CFI = 0.98,RMSEA = 0.05 後期高齢者では歩行自立再獲得日数に障害の重症度と低栄養の双方が関連していた.障害 の重症度へのおもな関連因子は運動麻痺,深部感覚障害,高次脳機能障害,低栄養は嚥下 障害であった..  年齢を層別化して検証した結果,前期高齢者群におけ るパス係数は,障害の重症度が ‒ 0.50,低栄養が ‒ 0.03. 考   察. であった。障害の重症度には運動麻痺,深部感覚障害が. 1.評価および統計学的手法の選択. 抽出され,パス係数は運動麻痺が 1.41,深部感覚障害が.  一般的に低栄養の評価は,簡易栄養状態評価法(Mini. 0.26 であった。また,低栄養にはエネルギー摂取量が抽. ® Nutritional Assessment:MNA )や主観的包括的評価. 出され,パス係数は 1.00 であった。モデルの適合度は. 法(Subjective Global Assessment:SGA)などのスク. CFI = 1.00,RMSEA = 0.00 であった(図 3) 。後期高齢. リーニング評価や,BMI,上腕三頭筋皮下脂肪厚,下. 者群におけるパス係数は,障害の重症度が ‒ 0.54,低栄. 周囲長などの身体組成,血清アルブミンやヘモグロビン. 養が ‒ 0.27 であった。障害の重症度には運動麻痺,深部. などの生化学パラメーター,体重変化などの臨床的評価. 感覚障害,高次脳機能障害が抽出され,パス係数は運動. が用いられており,低栄養の判断指標は多岐にわたる。. 麻痺が 0.83,深部感覚障害が 0.47,高次脳機能障害が 0.09. また,障害の重症度についても運動麻痺や感覚障害,高. であった。低栄養には嚥下障害が抽出され,パス係数は. 次脳機能障害なども同様にその判断指標は多岐にわ. 1.00 であった。モデルの適合度は CFI = 0.98,RMSEA. たる。. = 0.05 であった(図 4) 。.  共分散構造分析は,構造方程式モデリングとも呼ばれ る統計解析技法で,最大の特徴は因果関係のモデルを自 由につくって,それを検証できることである. 28). 。また,. モデル式として目的変数と説明変数という限局的な枠組.

(7) 脳卒中の障害の重症度と低栄養が歩行自立再獲得日数に及ぼす影響. みを設けることはないため,未測定の構成概念を表す潜 在変数の関連を分析できることも特徴である。狩野. 29). 15.  また本研究において,嚥下障害を有する後期高齢脳卒 中患者は栄養,自立歩行に悪影響を及ぼすことが明らか 32). は構造方程式モデリングでは尺度化,相関分析,回帰分. となった。横山ら. 析のように多段階の分析において活躍し,このような多. ADL は正常嚥下群より低いとの報告より,高齢脳卒中. 段階の分析をひとつのモデルで表現できると述べてい. 患者における嚥下障害の評価は歩行の予後予測を立案す. る。今回,潜在変数である障害の重症度と低栄養の双方. るうえで重要な指標になると考えられる。また,嚥下障. の影響を明らかにするうえで本研究の手続きとしてもっ. 害に対する早期介入が経口摂取の頻度を増すとのことか. とも適当な統計手法であった。. ら.  本研究では,仮説モデルを基に共分散構造分析を用い. が今後の課題である。さらに,嚥下障害への介入は,言. て最終的なモデルを作成し,その客観的な評価について. 語聴覚士を含む多職種による連携が重要であると考えら. は CFI および RMSEA で判断した。先行研究. 30). より,. の嚥下障害群の認知・運動機能,. 33). ,経口摂取と歩行能力改善を経時的に捉えること. れる。低栄養患者へのかかわりには,栄養サポートチー. CFI は 0.95 以上,RMSEA は 0.05 以下がモデルの適合. ム(Nutrition Support Team: 以 下,NST) の 介 入 も. 度の基準とされており,年齢で層別化したモデルでは,. 重要であるとされている. 適合度の基準を十分に満たしていた。. 学療法を含めた活動量,筋緊張,不随意運動などを考慮. 34)35). 。また,若林ら 36) は理. した活動係数について,理学療法士が NST で提示する 2.歩行自立再獲得日数への障害の重症度と低栄養の関 連性. ことでよりよい栄養管理が可能になると述べており,理 学療法士が積極的に栄養管理へ関心を示すことの重要性.  全対象者における検証では,歩行自立再獲得日数に障. を示している。栄養介入の効果は,脳卒中患者を対象と. 害の重症度と低栄養の双方が関連しており,障害の重症. した検証. 度の関連性がより高いことが明らかとなった。障害の重. た報告がある。Nishioka ら. 症度へのおもな関連因子は運動麻痺,深部感覚障害,高. 院している低栄養の高齢脳卒中患者では,栄養状態の改. 次脳機能障害であり,低栄養には嚥下障害,BMI,エネ. 善が ADL の改善と相関があると述べている。特に低栄. ルギー摂取量が関連していた。年齢を層別化した検証に. 養が歩行自立再獲得日数に悪影響を及ぼす可能性がある. おいて,前期高齢者群は障害の重症度が歩行自立再獲得. 後期高齢者に対しては,理学療法士をはじめとする医. 日数に対しておもに関連しており,低栄養の関連性はほ. 師,管理栄養士,言語聴覚士,看護師などと多職種協働. とんど認められなかった。障害の重症度への関連因子は. で栄養改善に向けた取り組みが重要な課題になると考. 運動麻痺,深部感覚障害であった。一方,後期高齢者群. える。. 37). や回復期リハ病棟入院患者 38)を対象とし 39). は,回復期リハ病棟に入. は障害の重症度と低栄養の双方が歩行自立再獲得日数に 関連し,障害の重症度への関連因子は運動麻痺,深部感. 3.本研究の限界. 覚障害,高次脳機能障害であり,低栄養には嚥下障害が.  本研究の限界として,対象者の取り込み基準や測定項. 関連していた。本研究の結果より,障害の重症度および. 目において低栄養状態,歩行自立再獲得日数および高次. 低栄養のそれぞれが歩行自立再獲得日数にどのように関. 脳機能障害の判定に課題を残した。低栄養状態の基準お. 連しているか明らかとなった。. よび観測変数の選択は先行研究および臨床的見解をもと.  前期高齢者に比べ後期高齢者が歩行自立再獲得日数に. に変数を定めて仮説モデルを立案したが,今後は低栄養. 低栄養の関連性が高かった要因として,高齢者では食後. に関係するとされている体重減少率や上腕周囲長,下. (たんぱく質摂取後)に誘導される骨格筋におけるたん. 周囲長などの身体計測など. 24). を含んだ検証が求められ. ぱく質合成が,成人と比較した場合に反応性の低下を示. る。また,歩行自立再獲得日数を捉えるためには,運動. し,同化抵抗性(anabolic resistance)が存在すること. 療法の介入効果や観測変数の経時的変化などの縦断的研. 31). 。また,重度の栄養障害もしくは栄養. 究による能力変化を検証することが課題である。そのた. 管理が不適切な場合は,レジスタンストレーニングや持. めには,対象者の取り込み基準を歩行自立再獲得日数が. が考えられる. 久力増強運動は逆効果になりうる可能性が高いこと. 22). や,低栄養状態では運動機能が低く,運動療法の介入効 8). 入院より 4 日以降にするのではなく,2 週間に延長する など介入効果や評価の経時的変化を追える期間設定にす. 。本研究で. る必要がある。本研究における高次脳機能障害はリハ科. は,運動療法の介入効果については未検証であることか. 専門医の診断あるいは ADL やリハ場面などにおける行. ら詳細な検討を継続することが必要となるが,後期高齢. 動観察,さらには机上検査において高次脳機能障害があ. 者群で特に低栄養の合併が身体機能の改善に悪影響を及. ると判定された者をすべて「あり」と判定し,それ以外. ぼし,歩行自立再獲得日数を遅延させる要因になること. を「なし」とする有無だけを調査するものであった。共. が示唆された。. 分散構造分析の結果,高次脳機能障害が障害の重症度の. 果が得られにくいことも報告されている.

(8) 16. 理学療法学 第 45 巻第 1 号. 関連要因として抽出されたが,高次脳機能障害は異なる 特性と重症度によって多様な症状を呈することから,歩 行自立再獲得日数への影響については,各検査によって 患者の特性を分類する,各検査のカットオフ値を採用す るなど,より詳細な検討が必要となる。また,低栄養状 態が発症前から認められていた可能性を含め,より精度 の高い検証を実施することが課題となる。 結   論  本研究の結果より,障害の重症度および低栄養のそれ ぞれが歩行自立再獲得日数に影響することが明らかに なった。また,嚥下障害がある後期高齢者では適切な栄 養管理の重要性が示唆された。今後は運動介入などによ り各評価指標がどのように変化し,歩行自立再獲得日数 へ影響を及ぼすかについての検証が必要であり,理学療 法の介入効果をさらに明らかにしていくことが望まれる。  本稿のすべての著者には規定された利益相反(conflict of interest)はない。また本稿の要旨の一部は,World Confederation for Physical Therapy(WCPT) Congress 2015 で報告した。 文  献 1)日本脳卒中学会 脳卒中ガイドライン委員会(編):脳卒 中治療ガイドライン 2015.協和企画,東京,2015,p. 275, 281. 2)二木 立:脳卒中リハビリテーション患者の早期自立度予 測.リハビリテーション医学.1982; 19: 201‒223. 3)菅原憲一,内田成男,他:片麻痺患者の歩行能力と麻痺側 機能との関係.理学療法学.1993; 20: 289‒293. 4)江西一成,安倍基幸,他:片麻痺患者の体幹機能と歩行能 力との関係.理学療法ジャーナル.1996; 30: 821‒826. 5)友田秀紀,長野友彦,他:脳卒中患者の歩行自立に至る期 間の統計学的考察―多施設共同研究における予測モデルの 検証―.理学療法学.2014; 41: 110‒111. 6)永井将太,奥山夕子,他:回復期脳卒中片麻痺患者におけ る入院時重症度別の FIM 運動細項目の経過解析.理学療 法科学.2010; 25: 1‒6. 7)山内康太,熊谷謙一,他:脳卒中発症 3 ヶ月後における 歩行自立予測―決定木分析による検討―.理学療法福岡. 2017; 30: 54‒60. 8)Kwon J, Suzuki T, et al.: Concomitant lower serum albumin and vitamin D levels are associated with decreased objective physical performance among Japanese community-dwelling elderly. Gerontology. 2007; 53: 322‒328. 9)Chevalier S, Saoud F, et al.: The physical functional capacity of frail elderly persons undergoing ambulatory rehabilitation is related to their nutritional status. J Nutr Health Aging. 2008; 12: 721‒726. 10)Yoo SH, Kim JS, et al.: Undernutrition as a predictor of poor clinical outcomes in acute ischemic stroke patients. Arch Neurol. 2008; 65: 39‒43. 11)厚生労働省:2015 年の高齢者介護―高齢者の尊厳を支え るケアの確立に向けて―.http://www.mhlw.go.jp/topics/ kaigo/kentou/15kourei/3.html(2017 年 2 月 1 日引用) 12)厚 生 労 働 省: 高 齢 者.http: //www.mhlw.go.jp/file/05shingikai-10901000-kenkoukyoku-soumuka/0000042643.pdf. (2017 年 2 月 1 日引用) 13)Foley NC, Martin RE, et al.: A review of the relationship between dysphagia and malnutrition following stroke. J Rehabil Med. 2009; 41: 707‒713. 14)高山仁子,西岡心大,他:回復期リハ病棟における栄養状 態と FIM の関連性―回復期リハ病棟協会栄養委員施設調 査―.静脈経腸栄養.2013; 28: 307. 15)大荷満生:後期高齢者の栄養管理.臨床リハ.2006; 15: 1129‒1133. 16)雨 海 照 祥:Mini Nutritional Assessment (MNA) ― 高 齢 者のアウトカム指標としての栄養判定基準―.臨床栄養. 2009; 114: 627‒636. 17)The FOOD trial collaboration: Poor nutritional status on admission predicts poor outcomes after stroke. observational data from the FOOD trial. Stroke. 2003; 34: 1450‒1456. 18)奈良 勲,神戸晃男,他:理学療法から診る廃用症候群― 基礎・予防・介入―.文光堂,東京,2014,p. 159. 19)西岡心大,高山仁子,他:本邦回復期リハビリテーション 病棟入棟患者における栄養障害の実態と高齢脳卒中患者に おける転帰,ADL 帰結との関連.日本静脈経腸栄養学会 雑誌.2015; 30: 1145‒1151. 20)文部科学省,厚生労働省:疫学研究に関する倫理指針. http://www. lifescience.mext.go.jp/files/pdf/37_139.pdf (2017 年 2 月 1 日引用) 21)嶋田智明,大峰三郎,他:理学療法プラクティス,リスク 管理,その解釈と統合―積極的な理学療法を目指して―. 文光堂,東京,2010,pp. 152‒153. 22)若林秀隆:リハビリテーション栄養ハンドブック.医歯薬 出版,東京,2010,p. 13. 23)本郷允彦:コ・メディカルのための静脈・経腸栄養ガイ ドライン.日本静脈経腸栄養学会(編) .南江堂,東京, 2000,pp. 9‒15. 24)若林秀隆:PT・OT・ST のためのリハビリテーション栄 養―栄養ケアがリハを変える―(第 2 版) .医歯薬出版, 東京,2015,pp. 30‒35, 44‒45. 25)Bouillanne O, Morineau G, et al.: Geriatric nutritional risk index: a new index for evaluating at-risk elderly medical patients. Am J Clin Nutr. 2005; 82: 777‒783. 26)Craig LE, Wu O, et al.: Predictors of poststroke mobility: systematic review. Int J Stroke. 2011; 6: 321‒327. 27)Preston E, Ada L, et al.: What is the probability of patients who are nonambulatory after stroke regaining independent walking? A systematic review. Int J Stroke. 2011; 6: 531‒540. 28)志堂寺和則:共分散構造分析.日本食品化学工学会誌. 2008; 55: 645‒646. 29)狩野 裕:構造方程式モデリングは,因子分析,分散分 析,パス解析のすべてにとって代わるのか? 行動計量学. 2002; 29: 138‒159. 30)豊田秀樹:共分散構造分析(R 編)―構造方程式モデリン グ―.東京図書,東京,2014,p. 34. 31)Volpi E, Mittendorfer B, et al.: The response of muscle protein anabolism to combined hyperaminoacidemia and glucose-induced hyperinsulinemia is impaired in the elderly. J Clin Endocrinol Metab. 2000; 85: 4481‒4490. 32)横山絵里子,中野明子:血管性認知障害のリハビリテー ション―慢性期脳卒中の栄養状態と認知機能 , 運動機能の 検討―.脳卒中.2010; 32: 634‒640. 33)Takahata H, Tsutsumi K, et al.: Early intervention to promote oral feeding in patients with intracerebral hemorrhage: a retrospective cohort study. BMC Neurol. 2011; 11: 6. 34)脇野昌司,藤田修平,他:低栄養患者における運動機能と 栄養状態の変化について― NST 群と control 群の比較―..

(9) 脳卒中の障害の重症度と低栄養が歩行自立再獲得日数に及ぼす影響 総合リハビリテーション.2015; 43: 51‒57. 35)笛吹 亘,園田 茂,他:脳卒中リハビリテーションへ の 栄 養 サ ポ ー ト チ ー ム 介 入 ― Functional Independence Measure を用いた効果検証―.リハビリテーション医学. 2008; 45: 184‒192. 36)若林秀隆,溝部恵美,他:チーム医療としてのリハビリ テーション栄養の実践.理学療法学.2015; 42: 671‒672. 37)Rabadi MH, Coar PL, et al.: Intensive nutritional supplements can improve outcomes in stroke. Neurology. 2008; 71: 1856‒1861.. 38)Yoshimura Y, Uchida K, et al.: Effects of nutritional supplements on muscle mass and activities of daily living in elderly rehabilitation patients with decreased muscle mass: A randomized controlled trial. J Nutr Health Aging. 2016; 20: 185‒191. 39)Nishioka S, Wakabayashi H, et al.: Nutritional improvement correlates with recovery of activities of daily living among malnourished elderly stroke patients in the convalescent stage: a cross- sectional study. J Acad Nutr Diet. 2016; 116: 837‒843.. 〈Abstract〉. Influence of the Severity of the Disorder and Malnutrition on the Number of Days for Patients Who Had a Stroke to Regain Independent Ambulation: Verification using a Covariance Structure Analysis. Tomohiko NAGANO, PT, Hidenori TOMODA, PT, MSc, Kouki KOIZUMI, PT, Masashi MORIYAMA, PT, Yoshiki AKATSU, MD, Takeo TOKUNAGA, MD, PhD, Yuichi UMEZU, MD, PhD Kokura Rehabilitation Hospital Taisei YAMAMOTO, PT, PhD Faculty of Rehabilitation, Kobe Gakuin University. Purpose: The purpose of this study was to investigate the influence of the severity of the disorder and malnutrition on the number of days for patients who had a stroke to regain independent ambulation, by using a covariance structure analysis. Methods: The subjects were 116 patients aged >65 years who had a stroke and hospitalized in convalescent rehabilitation wards. The latent variables related to the number of days for regaining independent ambulation consisted of the severity of the disorder and malnutrition in stroke. Based on a path-coefficient analysis and statistically significant differences, we created a hypothetical model connected with the number of days for regaining independent ambulation. The corrected and improved model was used in the covariance structure analysis. Results: The number of days for regaining independent ambulation was related to the severity of the disorder, but its relationship with malnutrition was not strong in the <75-year age group. It was related to both the severity of the disorder and malnutrition in the >75-year age group. The factor related to malnutrition was dysphagia. Conclusion: The present study revealed that malnutrition especially effected the number of days for regaining independent ambulation in very elderly people with dysphagia. Key Words: Malnutrition, Number of days for regaining independent ambulation, Covariance structure analysis. 17.

(10)

参照

関連したドキュメント

An easy-to-use procedure is presented for improving the ε-constraint method for computing the efficient frontier of the portfolio selection problem endowed with additional cardinality

If condition (2) holds then no line intersects all the segments AB, BC, DE, EA (if such line exists then it also intersects the segment CD by condition (2) which is impossible due

Let X be a smooth projective variety defined over an algebraically closed field k of positive characteristic.. By our assumption the image of f contains

It is suggested by our method that most of the quadratic algebras for all St¨ ackel equivalence classes of 3D second order quantum superintegrable systems on conformally flat

Keywords: continuous time random walk, Brownian motion, collision time, skew Young tableaux, tandem queue.. AMS 2000 Subject Classification: Primary:

It turns out that the symbol which is defined in a probabilistic way coincides with the analytic (in the sense of pseudo-differential operators) symbol for the class of Feller

We give a Dehn–Nielsen type theorem for the homology cobordism group of homol- ogy cylinders by considering its action on the acyclic closure, which was defined by Levine in [12]

We study the classical invariant theory of the B´ ezoutiant R(A, B) of a pair of binary forms A, B.. We also describe a ‘generic reduc- tion formula’ which recovers B from R(A, B)