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第1編 春日井市下水道事業の現状と課題

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5.2 水処理方式の検討 5.2.1 春日井市下水道整備の状況 1) 下水道施設 春日井市公共下水道施設は 3 箇所の下水浄化センター、3 箇所の汚水中継ポンプ場、 7 箇所のマンホール形式ポンプ場、2 箇所の特殊沈砂池で構成されている。位置図を 図 5-1 に示す。 図 5-1 春日井市下水道施設(汚水) 2) 下水道人口普及率と河川水質の推移 市内で最も古い高蔵寺浄化センターは昭和 43 年(1968 年)、勝西浄化センターは昭 和 51 年(1976 年)、南部浄化センターは平成 9 年(1997 年)に供用開始され、下水 道普及率は年々向上し、平成 22 年度末 65.9%である。春日井市の 3 浄化センターは ともに、庄内川水系に位置している。 下水道人口普及率と河川水質の推移を図 5-2 に示す。 庄内川の水質は、下水道人口普及率の向上とともに、確実に改善されているが、近 年は横ばい状況である。

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図 5-2 下水道人口普及率と河川水質の推移 5.2.2 公共用水域の水質改善 三大湾や指定湖沼などの閉鎖性水域では、富栄養化による赤潮、青潮、アオコ等の 発生により、水産業、生態系、景観へ深刻な影響が懸念されている。閉鎖性水域の水 質改善には、過去から蓄積された汚濁負荷への対策とともに、流入負荷の早期削減が 重要である。富栄養化の原因である窒素、リンの流入を削減するため、春日井市の浄 化センターにおいても高度処理の導入を検討する。現在、供用中の浄化センターでは、 標準活性汚泥法を導入しているが、部分的な施設、設備の改造等により、高度処理を 段階的に導入し、処理水質の向上を推進する。 5.2.3 既設浄化センターの概要 1) 高蔵寺浄化センター 高蔵寺浄化センターの配置図を図 5-3、フローシートを図 5-4 に示す。本浄化セン ターは市内東北部丘陵の高蔵寺ニュータウン住宅団地開発に伴って建設された市内 で最も古い浄化センターである。供用開始から 43 年経過している。 下水道人口普及率と河川水質の推移 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 B O D ( mg/ L ) 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% (% ) 城嶺橋 大留橋 水分橋 人口普及率

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図 5-3 高蔵寺浄化センター平面配置図 図 5-4 高蔵寺浄化センターフローシート 汚水 ポンプ場 最初沈殿池 反応槽 最終沈殿池 ポンプ槽ろ過 重力濃縮槽 貯留槽汚泥 機械濃縮装置 脱水機 放流 汚泥搬出 塩素 消毒槽 自然流下

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本浄化センターの設計諸元を表 5-1 に示し、主要な水処理施設の負荷等について、 表 5-2 に示す。 表 5-1 高蔵寺浄化センターの設計諸元(見直し前) 項 目 諸 元 計 画 人 口 61,480 人 晴天時 1 日平均処理水量 22,100m3/日 晴天時 1 日最大処理水量 28,000m3/日 水 処 理 法 凝集剤併用型ステップ流入式 3 段硝化脱窒法+急速ろ過法+活性炭吸着法 汚 泥 濃 縮 法 生汚泥:重力濃縮 余剰汚泥:機械濃縮(遠心濃縮機) 汚 泥 処 理 法 機械脱水(遠心脱水機) → 搬出処分 放 流 先 新繁田川(一級河川庄内川水系) 供 用 開 始 昭和 43 年 5 月 用 地 面 積 3.9ha 表 5-2 主要水処理施設の負荷等(既設:見直し前) 名称 寸法 水面積 容量 水面積負荷 滞留時間 (m) (m2 (m3 (m3/m2/日) (時) 最初沈殿池 W8.0×L24.0×H2.5×5 池 960 2,400 29.2 2.1 反 応 槽 W7.0×L32.0×H4.0×4×2 池 --- 7,168 --- 4.7 最終沈殿池 W10.0×L26×H3.0×5 池 1,300 3,900 28.2 2.6 急速ろ過池 5m2×6 基×4 ユニット 120 --- 305.0 2) 勝西浄化センター 勝西浄化センターの配置図を図 5-5、フローシートを図 5-6 に示す。本浄化センタ ーは市内中心部である中央処理区の汚水を処理するもので、隣接した第1プラントと 第2プラントから構成されている。供用開始から 35 年経過している。 本浄化センターの設計諸元を表 5-3 に示し、主要な水処理施設の負荷等について表 5-4 に示す。

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図 5-5 勝西浄化センター平面配置図 図 5-6 勝西浄化センターフローシート 勝西汚水 ポンプ場 第1プラント最初沈殿池 第1プラント 反応槽 第1プラント 最終沈殿池 重力濃縮槽 汚泥 貯留槽 放流 汚泥搬出 第2汚水 ポンプ場 第2プラント 最初沈殿池 第2プラント 反応槽 第2プラント 最終沈殿池 塩素 消毒槽 脱水機

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表 5-3 勝西浄化センターの計画諸元(見直し前) 項 目 諸 元 計 画 人 口 85,810 人 計画 1 日平均処理水量 35,200m3/日 第 1 プ ラ ン ト 16,000m3/日 第 2 プ ラ ン ト 19,200m3/日 晴天時 1 日最大処理水量 44,900m3/日 第 1 プ ラ ン ト 20,400m3/日 第 2 プ ラ ン ト 24,500m3/日 水 処 理 法 既設第 1,新設第 2 :凝集剤併用型ステップ流入式 3 段硝化脱窒法+急速ろ過法 既設第 2 :凝集剤併用型ステップ流入式 2 段硝化脱窒法+急速ろ過法 汚 泥 濃 縮 法 生汚泥:重力濃縮 余剰汚泥:機械濃縮 汚 泥 処 理 法 ベルトプレス脱水 → 搬出処分 放 流 先 八田川(一級河川庄内川水系) 供 用 開 始 昭和 51 年 6 月 用 地 面 積 2.4ha 表 5-4 勝西浄化センターの主要水処理施設の負荷等(既設:見直し前) 名称 寸法 水面積 容量 水面積負荷 滞留時間 (m) (m2) (m3) (m3/m2/日) (時) 最初沈殿池 第 1:W9.6×L23.05×H2.5×4 池 885 2,213 23 2.6 第 2:W4.0×L(12.9+14.6)×H2.8×4 池 440 1,232 23 2.9 合 計 1,325 3,445 反 応 槽 第 1:W4.6×L39.6×H4.45×8 池 6,485 第 2:W8.0×L32.5×H8.0×4 池 4,160 合 計 10,645 5.2 最終沈殿池 第1:W9.6×L28×H3.2×4 池 1,075 3,440 19 4.0 第 2:W4.0×L(20+23)×H3.2×4 池 688 2,202 14.8 5.2 合 計 1,763 5,642

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3) 南部浄化センター 南部浄化センターの配置図を図 5-7、フローシートを図 5-8 に示す。本浄化センタ ーは最も新しい浄化センターであり、供用開始から 14 年経過している。 中央処理区を挟んだ市内中心部の北部と南部の汚水を処理する終末処理場である。 今後順次増設される予定であり、増設予定部は平成 21 年度から建設工事が行われて いる。 図 5-7 南部浄化センター平面配置図 増設予定部 図 5-8 南部浄化センターフローシート 汚水 ポンプ場 最初沈殿池 反応槽 最終沈殿池 重力濃縮槽 脱水機 汚泥搬出 塩素 消毒槽 放流 脱水機

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表 5-5 南部浄化センターの諸元(見直し前) 項 目 諸 元 計 画 人 口 88,180 人 晴天時 1 日平均処理水量 42,800m3/日 晴天時 1 日最大処理水量 52,500m3/日 水 処 理 法 既設 :凝集剤併用型ステップ流入式 2 段硝化脱窒法+急速ろ過法+活性炭吸着 新設 :凝集剤併用型ステップ流入式 3 段硝化脱窒法+急速ろ過法+活性炭吸着 汚 泥 濃 縮 法 生汚泥:重力濃縮 余剰汚泥:機械濃縮 汚 泥 処 理 法 ベルトプレス脱水 → 搬出処分 放 流 先 一級河川庄内川 供 用 開 始 平成 9 年 3 月 敷 地 面 積 3.6ha 表 5-6 南部浄化センター主要水処理施設の負荷等(既設:見直し前) 名称 寸法 水面積 容量 水面積負荷 滞留時間 (m) (m2 (m3 (m3/m2/日) (時) 最 初 沈 殿 池 W5.0×L18.5×H3.0×4 池 370 1,110 28.4 2.5 反 応 槽 W10.0×L26.2×H10.0×2 池 5,400 7.1 最 終 沈 殿 池 W5.0×L45.5×H3.0×4 池 910 2,730 11.5 6.2 4) 既設浄化センターの運転状況 各浄化センターに関する運転状況から、主要な事項について比較を行う。表 5-7 に 各浄化センターの主要項目について平成 17 年度から 20 年度の4年間の月平均、最大、 最小値の比較表を示す。

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表 5-7 各浄化センター運転実績の対比 平均 最大 最小 平均 最大 最小 平均 最大 最小 人 63,434 63,955 62,989 82,576 83,409 81,768 34,255 39,728 29,733 % 98 98 97 119 120 118 164 190 142 平均 m3/日 17,471 22,505 15,180 29,779 42,420 22,990 9,935 11,870 8,410 対計画 % 48 61 41 60 86 46 55 65 46 変動率* -- 1.51 2.58 0.98 1.21 2.52 0.91 1.20 2.43 0.98 l/人・日 275 357 240 326 509 307 291 338 261 入 mg/L 126 180 71 157 310 84 196 340 100 出 mg/L 7 25 1 6 15 2 4 18 1 入 mg/L 126 200 72 143 400 80 144 370 36 出 mg/L <5 16 <5 <5 6 <5 <5 6 <5 入 mg/L 123 150 92 106 160 80 120 180 86 出 mg/L 11 18 7 9 13 7 12 18 8 入 mg/L 35 51 16 40 56 25 43 59 33 出 mg/L 10.6 20.0 5.6 7.7 15.0 4.3 14.9 27.0 8.5 入 mg/L 5 11 3 5 6 3 6 14 2 出 mg/L 0.4 1.7 0.1 0.3 1.0 0.1 0.4 1.1 0.1 kWh/m3 0.64 0.76 0.52 0.45 0.54 0.33 1.01 1.14 0.86 mg/L 8 57 0 9 98 0 m3/日 12.6 15.7 9.8 20.3 23.4 10.9 8.1 11.1 6.2 % 74.0 76.3 62.1 74.6 76.6 69.1 73.9 77.1 71.0 t/日 3.3 4.7 2.7 5.2 6.8 2.8 2.1 2.6 1.7 mg/L 163.0 218.7 122.8 176.4 256.2 113.6 214 284 165 kg/m3 2.0 2.5 1.5 1.5 1.8 1.2 1.6 2.1 1.1 % 0.8 1.0 0.5 0.6 0.7 0.5 0.6 0.8 0.4 kg/m3 22.1 28.5 17.8 -- -- -- -- -- --mg/L 1.7 2.8 1.1 1.3 1.9 0.8 1.3 1.8 0.9 kg/千m3 11.2 20.0 6.3 6.4 14.2 0.6 2.0 36.0 0.0 *月間最大水量/年間平均水量 南部 ポリ鉄使用量 固形物当り使用量 次亜塩注入量 沈砂・しさ処分量 勝西 ケーキ含水率 固形物発生量 固形物発生原単位 高分子使用量 電力原単位 PAC注入率 ケーキ発生量 SS COD T-N T-P BOD 流入汚水 量 1人流入水量      浄化センター名 項目 高蔵寺 処理人口 対計画人口 以下に主な事項について比較する。 5) 計画に対する設計諸元の比較 現行計画と認可計画、全体計画に対する、計画人口、流入水量、原単位等の比較を 行うと表 5-8 のとおりとなる。また、晴天時の日最大流入量実績を表 5-9 に示す。

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表 5-8 各浄化センターの計画諸元の実績値に対する対比 浄化センター名 比較項目 高蔵寺 勝西 南部 計画人口 (人) 現計画 68,000 69,500 20,900 認可計画 61,706 81,375 47,254 全体計画 61,480 85,810 88,180 実績 63,434 82,576 34,255 普及率 (%) 対現計画 93 119 164 対認可 103 101 72 対全体 103 96 39 日平均流入水量 (m3/日) 現計画 28,800 36,960 15,100 認可計画 21,800 33,000 19,400 全体計画 22,100 35,200 42,800 実績 17,471 29,779 9,935 反応槽整備率(%) 100 82 20 流入負荷率 (%) 対現計画 61 81 66 対認可 80 90 51 対全体 79 85 23 原単位 (L/人・日) 現計画 424 532 722 認可計画 353 406 411 全体計画 359 410 485 実績 ※ 275 361 290 原単位割合 (%) 対現計画 65 68 40 対認可 77 89 71 対全体 77 88 60 ※家庭排水+工場排水+地下水を含む。 表 5-9 日最大流入量実績(晴天時) 単位:m3/日 H17 H18 H19 H20 H21 処理能力 高蔵寺 22,240 25,690 23,290 31,220 28,860 36,600 勝西 37,040 41,150 44,820 47,220 46,990 44,550 南部 10,400 12,640 12,900 14,630 16,110 18,200

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以上の内容を以下にまとめる。 (1) 計画処理人口は超過していること。 高蔵寺浄化センターは、ほぼ計画処理人口に達している状態である。勝西浄化セン ターは、すでに 20%程度計画処理人口を上回り、南部浄化センターも 64%も上回って いる。 (2) 汚水量原単位は小さいこと。 計画処理人口が達しているにもかかわらず流入汚水量が尐ないことから、排水量原 単位は計画値を大きく下回っている。流入水量の計画汚水量対する負荷率は高蔵寺、 南部浄化センターで特に低い。 実績の原単位(家庭排水+工場排水+地下水)は勝西浄化センターが 361 ℓ/人・日と 大きく、他浄化センターは高蔵寺 275 ℓ/人・日、南部が 290 ℓ/人・日と小さい。 汚水量原単位は、見直されてきているが、実績値に比較するとさらに小さい。特に 南部浄化センターについては、実績値が大きく異なる。 現処理区毎の人口は地区毎に増減傾向が予測されている。また、近年の社会情勢か ら、工場排水は誘致地区工場を除く新規立地工場の急激な増加は見込めない状況にあ り、現状の工場排水が継続して排出されるものと考えることができる。 これまでの算定においては、家庭排水+工場排水+地下水の合計値が計画一日平均汚 水量として算定されている。そこで、計画一日平均汚水量を検証するために排水量原 単位(家庭排水+工場排水+地下水を含む)を処理区毎に提案する。 高蔵寺:280 ℓ/人・日 勝西 :360 ℓ/人・日 南部 :290 ℓ/人・日 (3) 雤天時に不明水の流入があること。 勝西浄化センターは、豪雤時に処理能力を大幅に超過しているが、小中降雤により 浸入する不明水量は比較的小さい。 高蔵寺、南部浄化センターは表 5-10 に示すように、平均流入水量が小さいことも あって、雤水による水量の増加量は大きいが、処理能力の超過の度合いは小さい。 表 5-10 各浄化センターの処理能力に対する最大汚水量の対比 番号 項 目 浄化センター名 備 考 高蔵寺 勝西 南部 ① 日最大処理能力(現行計画) 36,600 49,550 18,200 ② 最大月平均流入量実績 22,505 42,420 11,870 H17~H20年度 ③ 割合 ②/① 0.6 0.9 0.7 ④ 最大流量実績値 44,100 82,340 26,210 H17~H20年度 ⑤ 割合 ④/① 1.2 1.7 1.4

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放流水の技術上の基準(下水道法施行令第6条)は雤水の影響の尐ないときにおい て定めている。そこで、晴天時の日最大流入量と処理能力の関係は表 5-10 に示すと おり各浄化センター共に処理能力限界であることが判る。 (4) 流入と処理水質について 表 5-10 各浄化センター運転実績の対比から以下のことが考察される。 ① 流入水質 流入水の BOD、SS 等の濃度は南部浄化センターが高く、高蔵寺浄化センターが低い。 これは、南部浄化センターの雤水による浸入水の割合が尐ないと見られることから流 入水質は高く、高蔵寺浄化センターは工場排水量が尐ないことから流入水質が低いこ とに起因するものと考えられる。 ② 処理水質 処理水の BOD 、COD、T-P については各浄化センターとも大差はないが、処理水の T-N の値には大きな差がある。表 5-11 に各浄化センターの反応タンクと滞留時間を 比較しているが、勝西浄化センターの滞留時間が最も短いにもかかわらず、最も処理 水窒素の濃度が低い。 一方、滞留時間が最も長い南部浄化センターの処理水濃度が最も高い。通常十分な 窒素除去のためには、滞留時間が 12 時間程度必要とされるが、勝西浄化センターは 大幅にその滞留時間を下回っているものの窒素除去は順調である。これは硝化のため の空気供給量の差によるものと考えられる。 表 5-11 浄化センター毎の反応槽滞留時間と処理水窒素濃度 項 目 浄化センター名 高蔵寺 勝西 南部 平均実処理水量 (m3/日) 17,471 29,779 9,935 反応槽容量 (m3) 7,168 10,645 5,400 反応槽平均滞留時間 (時) 9.8 8.6 13.0 処理水平均 T-N (mg/ℓ) 10.6 7.7 14.9 (5) 汚泥処理処分について 汚泥の処理処分は、下水処理の内でも技術面および費用の面で大きな割合を占める。 3浄化センターについて汚水処理水量当たりの脱水汚泥発生量、高分子凝集剤注入量、 ポリ硫酸第 2 鉄(高蔵寺のみ)注入量を算定すると表 5-12 のとおりとなる。

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表 5-12 各浄化センターの水量当たり脱水汚泥発生量と助剤使用量 項 目 単位 浄化センター名 高蔵寺 勝西 南部 脱水汚泥発生量 m3/汚水1000m3 0.72 0.68 0.82 脱水汚泥含水率 % 74.0 74.6 73.9 固形物発生原単位 mg/ℓ 163.0 176.4 213.6 高分子凝集剤使用量 kg/汚泥m3 2.0 1.5 1.6 kg/汚水1000m3 0.128 0.103 0.130 固形物当り使用量 % 0.8 0.6 0.6 ポリ鉄使用量 kg/汚泥m 3 22.1 kg/汚水1000m3 1.4 固形物発生原単位は南部浄化センターが最も大きく、脱水汚泥発生量も大きい。高 分子凝集剤(脱水助剤)は高蔵寺浄化センターの使用量が大きい。これは、高蔵寺浄 化センターのみが遠心脱水機を用いており、勝西、南部浄化センターはベルトプレス 脱水機を用いていることによる高分子凝集剤使用量の差と考えられる。 (6) 維持管理コストについて 維持管理コストに関わる費用としては、1) 電力費、2) 薬品費(脱水助剤、凝集剤、 消毒剤、脱臭薬剤等)、3) 脱臭活性炭費(場合により)、4) 潤滑油費等、5) 交換部 品費、6) 管理人件費、7) 汚泥処分費、8) 点検補修、修理費、9) 汚泥、しさ、沈砂 処分費、10) 上水費、等がある。 ここでは、管理日報に記載があり、比較的大きな費用になる 1) 電力費、2) 薬品費 (脱水助剤:高分子凝集剤およびポリ鉄、凝集剤:PAC、消毒剤:次亜塩素酸ナトリ ウム)、汚泥、し渣、沈砂処分費について検討する。 以上の費用について、処理水量「m3」当たりと、処理人口「人」当たりについて算 定すると表 5-13 になる。

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表 5-13 各浄化センターの維持管理費の算定 項 目 単位 浄化センター名 費 用 高蔵寺 勝西 南部 契約電力 kW 850 990 700 契約電力量 円/m3 2.77 1.89 4.02 1,710 円/kW・月 消費電力量 円/m3 5.60 3.96 8.84 8.76 円/kW・月 脱水汚泥処分費 円/m3 8.63 8.18 9.81 12,000 円/m3 薬品費 高分子 円/m3 0.14 0.11 0.14 1,100 円/kg ポリ鉄 円/m3 0.07 48 円/kg PAC 円/m3 0.36 0.38 0.38 45 円/kg 次亜塩 円/m3 0.07 0.13 0.05 45 円/kg しさ、沈砂処分費 円/m3 0.22 0.13 0.04 20,000 円/m3 処理水量当処分費 円/m3 17.9 14.8 23.3 比率 -- 1.2 1.0 1.6 処理人口当処分費 円/人 4.9 4.8 6.8 比率 -- 1.0 1.0 1.4 注)平成 17~20 年度実績の平均を用いて、維持管理費を算定した。 表に示すように、電力量と脱水汚泥処分費が費用の大部分を占めており、薬品費の 占める割合は小さい。 契約電力量、消費電力量が高い南部浄化センターは、南部ポンプ場【計画雤水排水 量 28.0 m3/秒(1,680m3/分)、現有雤水排水量 14.5 m3/秒(870 m3/分)】を併設して 1 ヶ所で受電しているためと考えられる。

図 5-2  下水道人口普及率と河川水質の推移  5.2.2  公共用水域の水質改善  三大湾や指定湖沼などの閉鎖性水域では、富栄養化による赤潮、青潮、アオコ等の 発生により、水産業、生態系、景観へ深刻な影響が懸念されている。閉鎖性水域の水 質改善には、過去から蓄積された汚濁負荷への対策とともに、流入負荷の早期削減が 重要である。富栄養化の原因である窒素、リンの流入を削減するため、春日井市の浄 化センターにおいても高度処理の導入を検討する。現在、供用中の浄化センターでは、 標準活性汚泥法を導入しているが、部
図 5-3  高蔵寺浄化センター平面配置図  図 5-4  高蔵寺浄化センターフローシート  汚水 ポンプ場 最初沈殿池 反応槽 最終沈殿池 ろ過 ポンプ槽 重力濃縮槽 機械濃縮 装置汚泥貯留槽 脱水機 放流 汚泥搬出 塩素 消毒槽自然流下
図 5-5  勝西浄化センター平面配置図  図 5-6  勝西浄化センターフローシート  勝西汚水 ポンプ場 第1プラント 最初沈殿池 第1プラント反応槽 第1プラント最終沈殿池 重力濃縮槽汚泥 貯留槽 放流汚泥搬出 第2汚水 ポンプ場 第2プラント 最初沈殿池 第2プラント反応槽 第2プラント 最終沈殿池 塩素 消毒槽脱水機
表 5-3  勝西浄化センターの計画諸元(見直し前)  項    目  諸        元  計 画 人 口  85,810 人  計画 1 日平均処理水量  35,200m 3 /日  第 1 プ ラ ン ト  16,000m 3 /日  第 2 プ ラ ン ト  19,200m 3 /日  晴天時 1 日最大処理水量  44,900m 3 /日  第 1 プ ラ ン ト  20,400m 3 /日  第 2 プ ラ ン ト  24,500m 3 /日  水 処 理 法  既設第 1,新設第 2  :凝
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