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Academic year: 2021

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(1)

神経学的解釈と運動学的解釈

神経系専門理学療法士 梅 田 匡 純 京丹後市立弥栄病院リハビリテーション科

(2)

2005.10 第2回PKAFO療法講習会参加

.12 1症例目 回復期脳梗塞 左片麻痺

2006. 5 2症例目 回復期脳出血 右片麻痺 10m歩行5秒

この間8週間

(3)

2005.10 第2回PKAFO療法講習会参加

.12 1症例目 回復期脳梗塞 左片麻痺

2006. 5 2症例目 回復期脳出血 右片麻痺 10m歩行5秒

. 8 3症例目 維持期脳出血 左片麻痺

この間3週間

(4)

生活自立 歩行自立 レベル 近位監視 歩行レベル 車いす・ 歩行レベル 車いす レベル 発症 11年8ヶ月 2年 経過期間 67秒/10m 38歩 80秒/10m 41歩 14秒/10m 22歩 開始約3週間で歩行自立 11秒/10m 19歩 入院・通所などでの回復過程 PKAFO療法 歩行自立度

Kyotango City Yasaka Hospital

(5)

卒中のリハビリテーション

認知運動療法

Bobath

PNF

CIMT

BWSTT

TMS

ほか

解剖学

神経生理学

運動学

系統発生学

発達学

心理学

ほか 神経生理学的根拠に基づいた アプローチ

(6)

日の主な論点

理論的背景は定まってきているが…

「装具=固定」からの転換

ほどよい制限と可動性

P.KAFOが生体に与えている影響

筋電図学的検証

(7)

動制御の基本的枠組み

(8)

内側運動制御系と外側運動制御系

(高草木、2010)

(9)

動に先行する姿勢セットと

精緻運動の神経機構に関する作業仮説

「すべての運動において、姿勢の制御(postural set)が随伴しており、先行する姿勢制御がない 限り、意図する運動を実行できない」 (高草木,2010)

(10)

• 先行性姿勢制御(Preparatory APAs : pAPAs)

– 随意運動によって生じる姿勢の乱れを予測し、運動に 50msec以上(100msecという文献もある)先行して姿勢を 安定させる

– 主に同側性支持性に伴う体幹の活動

• 随伴性姿勢制御(Accompanying APAs : aAPAs)

– 随意運動中、姿勢を安定させている

– 特に、末梢部の運動に先行する近位部(肩甲帯や股関節 など)の活動

行随伴性姿勢制御

Anticipatory Posture Adjustments ; APAs

(11)

行随伴性姿勢制御

Anticipatory Posture Adjustments ; APAs

姿勢と運動の全体的企画 pAPA信号 pAPA pAPA/aAPA aAPA aAPA信号 運動発現の信号 第一次運動野(4野) 運動前野、補足運動野 大脳基底核、小脳など 早い100ms~ 遅い300~ 400ms 視 蓋 脊 髄 路 赤 核 脊 髄 路 皮 質 橋 網 様 体 脊 髄 路 外 側 皮 質 脊 髄 路 橋・延髄 網様体 吻側橋網様核 同側体幹 同側頭部 反対側リーチ 両側:パターン発生器 反対側の運動 (手の運動) 尾側橋網様核 延髄巨大細胞性 網様核 延髄巨大細胞性網様核 皮質延髄網様体脊髄路 (Schepens B 2004)

(12)

測的姿勢調整(APA’s)

• 姿勢の安定性が低過ぎても、高過ぎても

APA’s は生じにくい

(Aruin et al 1998, Weaver et al 2012)

• 転倒の恐怖感があると減弱する

(Adkin et al 2002)

• 一側上肢での強い把握はAPA’s を減弱させる

(Roberto et al 2012)

(13)

姿

勢制御のための脊髄小脳路

• 背側脊髄小脳路:位置覚 や運動の正確な情報(固 有感覚情報)を小脳に伝 える。筋紡錘、ゴルジ腱器 官、皮膚受容器、関節受 容器からの情報を伝える。 交差しない。 • 腹側脊髄小脳路:全般的 な感覚情報と現在進行し ている運動(活動)の情報 を伝える。2回交差する。 運動の階層性制御 森茂美 運動制御と運動学習 協同医書出版社 1997

(14)

Rhythm generator

Pattern formation Half center model

(15)

C

PGは四肢の協調された動きから生まれる

• 上肢と下肢の運動の間、規則的 にこれらの四肢を調整するリズミ カルなCPGコントローラーがある • 中央の疑問符は未知の領域を 表すが、固有脊髄路と上位脊髄 の連結を推定した点に注意が必 要 • 上肢と下肢におけるCPGsの対側 対同側の相対的な強さは、ヒトで は不確定

E.Paul Zehr: Neural Control of Rhythmic Human Movement: The Common Core Hypo thesis; Exercise and Sport Sciences Reviews, 2005

(16)

線維の種類と性質

性質 筋線維の種類 S型 FR型 FF型 収縮速度 遅い 速い 速い 疲労度 極めて難 難 易 運動ニューロンサイズ 小 中 大 神経支配比 小 中 大 閾値 低 中 高 支配筋線維 Ⅰ(SO) Ⅱa(FOG) Ⅱb(FG) 収縮タイプ 持久型 パワー型 瞬発型 張力 低 高 遅高

(17)

イズの原理

• 収縮張力が小さく、疲

労しにくい筋線維を支

配しているα運動ニュー

ロン(

神経細胞体が小

さく、動員閾値が低い

から順次動員される

• 姿勢筋は筋細胞が小さ

く、閾値が低いので発

火しやすく、疲労しにく

ヒラメ筋 腓腹筋 (Henneman;1965)

(18)
(19)

関節筋と二関節筋

• 姿勢筋は単関節筋で深部に多い • 単関節筋は重力対応のために生まれた筋であり、二関節筋は運 動制御担当のために生まれてきた。したがって寝たきりになり、重 力負荷が消えると一番に衰えるのは単関節筋(熊本水頼:二関節筋、 医学書院2008) • 姿勢異常を有する多くの症例は単関節筋が機能不全を起こし、多 関節筋が過剰に機能している(理学療法:p182.2007.1) • 姿勢筋はtypeⅠ(遅筋)、ヒラメ筋は89%がtypeⅠ • 単関節筋:主として関節の固定と正しい運動方向の誘導 • 二関節筋:大きな運動をつかさどる(関節モーメントを発揮する)筋 (福井勉) (大槻資料より一部改変)

(20)

線維タイプによる反応

• typeⅠ線維では刺激頻度 が多くなると、加重による融 合が生じ、強縮(tetanus)と なって単収縮時より大きな 張力となる • typeⅡ線維では大きな張力 を発生するが、頻度が多少 高い刺激でも加重は生じな い (堀 清記;1999)

(21)

P.KAFO効果の神経学的裏付け

54歳男性 維持期右視床出血

Kyotango City Yasaka Hospital

(22)

入前(1/18)

短下肢装具(DPC足継手) サイドケイン 3動作 後ろ型 大殿筋 外側広筋 半腱様筋 前脛骨筋 腓腹筋 ヒラメ筋

(23)

下腿前後傾角

(SVA ; shank to vertical angle)

≠ ROM

基本軸:靴底

移動軸:下腿

(24)

ラスチック製長下肢装具(PKAFO)

伸展-10°制動 底屈5°制動 踵補高(35㎜) 四頭筋活動を促通させる 伸張反射を惹起させない ROM SVA

(25)

2

週間後(1/31)

PKAFO サイドケイン 3動作 揃え型 大殿筋 外側広筋 半腱様筋 前脛骨筋 腓腹筋 ヒラメ筋

(26)

10

週間後(3/27)

PKAFO 杖なし 大殿筋 外側広筋 半腱様筋 前脛骨筋 腓腹筋 ヒラメ筋

(27)

歩行中のEMGのタイミングと相対的な大きさ

(28)

行学習の過程

大殿筋 外側広筋 半腱様筋 前脛骨筋 腓腹筋 ヒラメ筋 フットスイッチ 膝角度

2”50 sec 3”00 sec 1”22 sec

立脚:遊脚 73:27 76:24 51:49

荷重連鎖障害 促通期 再構築期

(29)

(ネッター解剖学アトラスより)

(30)

踵の形状は不安定 転がる(Rocker Function)には最適 足関節周囲筋によってスティッフネスを高め安定化させる必要あり 伸張反射経路の興奮が増大される(Christensen) (ネッター解剖学アトラスより) 外側運動制御系の活動を求める必要がある 踵骨は床面との相性が良いとはいえない Clinical Reasoning 特にtypeⅠ線維を多く含むヒラメ筋は閾値が低く影響を受けやすい 痙性は荷重連鎖となる足部と膝・股関節の運動制御を困難にさせる(佐藤) 伸張反射亢進⇒加重⇒強縮

(31)

皮質脊髄路障害に対して末梢のコントロール(外側系)は課題が大きい 立脚初期、ヒラメ筋の痙縮を惹起させない 下腿三頭筋に過度な伸長を課さず踵のウェッジと底屈制動で SVAを整えることが効果的な荷重連鎖を開始させる (ネッター解剖学アトラスより) Heel Contact をつくる 踵骨は床面との相性が良いとはいえない 膝伸展を制動し、股・体幹に床反力を伝える 外側系の課題をコントロールし、内側系の姿勢制御を優先的に求めるアプローチ 立脚相の抗重力伸展活動を促通する

(32)

安静時

typeⅠ線維の反応が変化した

(33)

入前(1/18)

大殿筋 外側広筋 半腱様筋 前脛骨筋 腓腹筋 ヒラメ筋

(34)

10

週間後(3/27)の歩行練習の前

大殿筋 外側広筋 半腱様筋 前脛骨筋 腓腹筋 ヒラメ筋

(35)

10

週間後(3/27)の歩行練習のあと

大殿筋 外側広筋 半腱様筋 前脛骨筋 腓腹筋 ヒラメ筋 14秒後

(36)

静時筋活動の変化

(腓腹筋とヒラメ筋) 1.18 練習前 3.27 練習前 3.27 練習後 1.03 7.53 1.42 1.22 1.23 3.03 平均活動電位 (μV) 14 秒 後 1.78μV 3.65μV

Modified Ashworth Scale 2 Modified Ashworth Scale 3

(37)

P.KAFO効果の運動学的裏付け

70歳男性 両下肢痙性麻痺

Kyotango City Yasaka Hospital

(38)

Heel Rockerを

ターゲットに

底屈

制動機能を

備えた製品が

注目されてきた

が・・・。

(39)

関節背屈制限が立脚相に与える影響

先行研究

• 立脚終期の下腿三頭筋の働きを代償し、heel offが出現する ことで、膝伸展角度が保持できた(岡村;2012) • 麻痺側立脚中期の足関節底屈筋の活動を補助し、膝折れを 防ぐ(小山ら;2006、高木ら;2007、岡田ら;2013)

目的

足背屈制動によって、ankle rockerからforefoot rockerに必要な 下腿三頭筋の筋活動を補うことが、下腿の前方傾斜を抑制し 膝折れを防ぐことを筋電波形から検証すること

(40)

常歩行立脚相のrocker function3相

Heel rocker Ankle rocker Fore foot rocker

(41)

常歩行立脚相のrocker function3相

Heel rocker Ankle rocker Fore foot rocker

重心を上昇させる

Kyotango City Yasaka Hospital MSt.以降の足底屈パワーが重要

(42)

弛緩性麻痺によくみられる膝折れ

Heel rocker Ankle rocker Fore foot rocker

歩行中断

(43)

フランケル分類D1 足クローヌス+ Barthel Index85点 歩行能力 両側ロフストランド杖 両側長下肢装具 理学療法室内自立

Th6 Th7 MSt時に両側膝折れやスナッピングが 生じ、その現象が著明な右側(下図) を被検側とした。

70歳代男性

両下肢痙性麻痺 (T6・7化膿性脊椎炎) 左側立脚 右側立脚

(44)

定条件1

共通条件 CCADジョイント(FRAP技研)付長下肢装具 膝継手伸展制動-10° 足継手底屈制動なし SVA 0° 条件A 足関節背屈制動なし 膝伸展制動 -10° 制動なし 条件B 足関節背屈制動あり 前方ストッパーに よる 背屈制動 膝伸展制動 -10° 条件A’ 足関節背屈制動なし 制動なし 膝伸展制動 -10°

(45)

定条件2

被検筋 大殿筋 外側広筋 半腱様筋 前脛骨筋 腓腹筋 ヒラメ筋 計測条件 機 器 Noraxon G2 インピーダンス 10kΩ以下 電極間距離 25mm 解析方法 ①フットスイッチにより、歩行周期を特定する ②生波形を正規化、RMS処理(50msec)し、安定した5歩行周期の電位(μV)の平均と標準偏差を求めた ③測定条件下(A-B-A’)の立脚相のみを抜き出し、それを100%とした ④各筋がピーク電位(μV)を示したタイミングを立脚相に換算し、測定条件間での変化を検証した ⑤正常歩行時の活動ピークは、RLANRCを参考にした 自由歩行を条件A-条件B-条件A´の順で測定

(46)

歩行中のEMGのタイミングと相対的な大きさ

(Knutson LM, Soderberg GL.1995)

100%

(47)

21.9 16.7 3.1 18.8 21.2 14.1 12.5 6.1 11 104.7 95.5 104.7 57.1 73.8 61.9 67.9 57.6 54.9 0 20 40 60 80 100 120 条件A 条件B 条件A 立 脚 相 の 時 間 ( % ) 大殿筋 外側広筋 半腱様筋 前脛骨筋 腓腹筋 ヒラメ筋 正常歩行時の ピーク 大殿筋 13.7% 外側広筋 18.4% 半腱様筋 159.2% 前脛骨筋 12.2% 腓腹筋 75.5% ヒラメ筋 81.6% RLANRC部分修正¹⁾ ´ 各筋の筋電波形がピークを示した立脚相のタイミング

(48)

今回の足関節背屈制動によって生じた腓腹筋のピーク時期のTst.への遅れは、下 図右のメカニズムを発生させ、荷重連鎖から生じる下肢の抗重力伸展活動を促すこ とができる環境が整えられる可能性があると考えた。 背屈モーメント 足関節を中心とした円軌道 ①底屈モーメント 発生 ③実効長の延長 中足指節間関節を中心とした円軌道 ②支点の移動(FR) ④重心の急激な 下降を避ける 重心の高さ 重心の高さ 足関節背屈制動あり 足関節背屈制動なし

(49)

足関節背屈制動あり

足関節背屈制動なし

(50)

常歩行立脚相のrocker function3相

Heel rocker Ankle rocker Fore foot rocker

重心を上昇させる

足背屈制動 足底屈制動

装具に求められる機能

(51)

2014.3.1 京都・伊根町「舟屋の里」において

(52)
(53)

動歩行ロボット(円弧型足部)

重力効果のみによって、遊脚膝が自然に曲がり脚の振り抜きが行われる.これは、本質的にリ ンク構造のみで「歩ける」ことを意味している (佐野)

(54)

2005.10 第2回PKAFO療法講習会参加 .12 1症例目 回復期脳梗塞 左片麻痺 2006. 5 2症例目 回復期脳出血 右片麻痺 10m歩行5秒台 . 8 3症例目 維持期脳出血 左片麻痺 2007. 7 5症例目 中心性頸髄損傷 不全痙性四肢麻痺 .11 9症例目 頸椎症性頸髄症 不全痙性四肢麻痺 両TKA 2014. 5 脊柱管狭窄症手術後 両下肢弛緩性麻痺 MMT poor

(55)

床反力を効率よく膝→股→体幹に伝えることで、筋力が乏しくてもPKAFOの構造によって、 シェル構造をリンク構造の作用に変換でき、立脚相を得ることが可能となっている

(56)

床反力を効率よく膝→股→体幹に伝えることで、筋力が乏しくてもPKAFOの構造によって、 シェル構造をリンク構造的な作用に変換でき、立脚相を得ることが可能となっている

(57)

部の形状の違い

ギネス認定実機(円弧型足部) 人足型足部

(58)

(名古屋工業大学 佐野研究所より資料提供)

前足部

(59)

動歩行ロボット(人足型足部)

足関節に動きを与えると両脚支持期が約20%生じ、ヒトの歩行に近づくが、難易度は非常に高 くなる

(60)

P.

KAFOの特長

• 生体との親和性

• シェル型構造

• 前面の大腿カフ

• 足関節と膝関節の同時制御

(61)

属素材と生体の親和性

背屈制限0° 制限なし

膝継手遊動の金属支柱型長下肢装具を健常者が装着し、ダブルクレンザック足継手を制限なしと前方制 限背屈0度(ロッド固定)の際の筋活動 Kyotango City Yasaka Hospital

(62)

Kyotango City Yasaka Hospital

(63)

ェル型構造

内部に脚を収めること

ができる

接触面積が広い

コントロールしやすい

装具の内部に人の下肢が収まることで、リンク構造として機能することに加え、下肢の活動の 制限と促通などコントロールが容易に可能となっている

(64)

面の大腿カフ

大腿カフが前面にあることで、足底接地の際に床反力ベクトルを膝軸より前方で得ることがで き、下肢を抗重力伸展方向に促す 膝軸のモーメントアーム 足軸のモーメントアーム 大腿カフ 伸展制動 背屈制動 床反力ベクトル 足と膝を同時にコントロールできる

(65)
(66)

日のまとめ

歩行練習の理論的背景は同じ

神経学的・運動学的に適した調整が可能

– 姿勢制御(postural set)を先行するアプローチを行った – 筋活動の促通効果が期待できる(膝・股関節) – 背屈制動によりankle rocker以降のコントロールが可能 – 少ない筋活動で効率のよい歩行を可能にする

装具の調整と筋電波形の変化

(67)

みなさまとディスカッションができればと思っています ご清聴ありがとうございました

参照

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