商業科から中学生の皆様へ
1 商業科の取り組み （1） 授業やカリキュラムの特徴 ≪1年次にはビジネスの基礎科目を学習します。≫ 「ビジネス基礎」は、生産・流通・消費という経済の仕 組みの中におけるビジネスの意義や役割などビジネスに 関する基礎的な知識と技術を身に付けます。３年間、商業 科目を学ぶ目的と学び方についてのガイダンスを行い、商 業の学習への動機付けや卒業後の進路についての意識を 高めます。 「簿記」は、商店や会社など企業が様々な経営活動（商 品の販売、広告宣伝、給料の支払いなど）を計画的に行う ため、その活動を一定のルールに従って、帳簿に記録・計 算・整理する技術です。その基本的な仕組みについて理解 し、適正な会計処理を行う能力と態度を身に付けます。 「情報処理」は、表計算・文書作成・プレゼンテーショ ンのソフトウェアや情報通信ネットワークを活用して、ビ ジネスの諸活動において情報を適切に活用する能力と態 度を身に付けます。 ≪2年次は、学科ごとに専門性を高める学習をします。≫ 【総合ビジネス科】 ２年生で学ぶ専門科目の３分の２の時間を使って「会計」「原価計算」といっ た簿記会計分野の学習をします。ビジネスにおいて将来の会計スペシャリストや 職業人として活躍できる即戦力を育成します。 【情報ビジネス科】 １年次に身に付けた表計算ソフトウェア「Ｅｘｃｅｌ」の基礎的な知識と技術 をより発展的・実践的に活用できる能力を身に付けます。また、マクロプログラ ミングやデータベースソフトウェア「Ａｃｃｅｓｓ」の利用を通して情報のデー タベース化や有効に活用するための基礎的な知識と技術を身に付けます。≪3年次にはこれまで学んだことをより専門的・実践的に深めます。≫ 「総合実践」の授業では、地元の商店 の協力を得て、新商品の開発やサービス の提案を行っています。商工祭では、開 発した新商品とお店の商品を一緒に販売 しています。今年度は、各商店の販売促 進に重点を置き、消費者の購買意欲やお 店の販売意欲を引き出す取り組みを行い ます。この取り組みを通して１・２年次 で身に付けた専門的な知識・技術を実践的に活用する力を身に付けます。 ※ 本年度の協力店舗（敬称略） Ｈｅｒｂ、ミニヨン手作り工房カワムラ シュクルヴァン、Dream Light たこ太鼓、ぱおいち（８０１） １１月１６日（土）に開催した商工祭・ 商業科開設コーナーの様子です。 天候にも恵まれて千人を超える来場者 がありました。（幼児・小学生１２７人、 中・高校生３５９人、大人５４０人）
≪地域と連携した取り組みをしています。≫ 周南地域の豊富な教育資源を活用し、徳山大学（高大 連携５年目）をはじめ県内の専門学校や産業界の機関と 連携し、生徒の力がより実践的な力を身に付けることが できるカリキュラムで学習を進めています。この学びを 通して、地域の将来を担う人材として活躍する資質を身 に付けて、卒業後の進路や職業選択に繋がることを期待 しています。 「課題研究」の授業は、商業に関する課題を生徒が自ら設定します。その課題の 解決を図る学習を通して、専門的な知識と技術を深め、問題解決の能力や自発的、 創造的な学習態度を身に付けます。 「課題研究」研究内容一覧（平成２５年度） 地域活性化研究 ～第６次産業について～ 地域の活性化のための第６次産業（第１次産業×第 ２次産業×第３次産業）について研究しています。第 ６次産業の取り組みを積極的に実施されている地域 の企業との関わりながら研究を進めています。 （協力企業）陶千矛 やまいもまつり 広報活動に関する研究 ～Ｗｅｂページの作成を とおして～ 本校を取り巻く情報を整理し、発信する広報活動に ついて研究しています。主にＷｅｂページの作成をと おして研究を進めています。（実際に公開します。） （協力大学）徳山大学 工業商業共同研究 工業系の学科とコラボレーションをし、商品開発、 製造、販売活動を行う中で、各科で学習している内容 について相互理解を深めます。今年度は「ストラック アウト」を作成し、商工祭でお客様に楽しんでいただ きました。 国際理解 ～外国語コミュニケーシ ョン～ 中国語の学習をとおしてコミュニケーション能力 を養います。中国語については、あいさつや買い物、 さらに自己紹介などの簡単な日常会話が身に付くよ う学習します。英語が苦手だと思っている人は、中国 語にチャレンジしましょう。外国語に興味が出てくる かもしれません。
国際経済分野 （国際経済、国内経済、地 域経済） この分野で開設されている関連科目には「ビジネス 基礎」「国際ビジネス」「経済活動と法」があります。 現在の社会の問題を幅広く考える機会として、自分で 興味を感じるテーマを選ぶことができます。 研究課題の例としては、TPP、デフレ、資源・エネ ルギーの問題、原発と電力の問題、エコビジネス、コ ンビニ業界、ファストフード業界、周南市の貿易、生 活を変えてきた製品や産業・・・など。 経営情報分野 テーマ：Googleなどフリーウェア活用法の研究 今、フリーウェア（無料で使用できるソフトウェア） で優秀なものがたくさんあります。たとえば、Google、 アカウントを取得すれば、Gmailやビデオ通話システ ム、グループ掲示板などが無料で使えます。これらに ついて、研究をしてマニュアル等を作成します。 （2） 商業系部活動「デジタルクリエイト部」＆選択科目「マーケティング」の特 色ある取り組み ７月７日周南市誕生十周年記念の七夕まつり の「これからの周南市」をテーマにした高校生の 討論会に参加しました。会場で販売した「周南ラ ーメン」は、行列ができるほどの人気でした。 ※これまでの主な開発商品 ・水晶のアクセサリー ・かめの形の「かめろんぱん」 ・地元製麺店と開発した「周南ラーメン」他 Ｋビジョンショップチャンネル収録 の様子（周南ラーメン）
春季と秋季の年２回、商業系部活動の県大会 「商業教育実技競技大会」が開催されます。中 国大会、全国大会を目指して「簿記」「情報処 理」「ワープロ」「珠算・電卓」「英語スピー チ」の５つの競技が行われます。今年度の秋季 大会は、本校で開催されました。 （3）進学もできる商業生 ３割が進学しています。医療・看護系の学校への進学が増えてきています。 取得した資格・検定を使って推薦入試・ＡＯ入試による４年制大学に進学がで きます。また、全商協会の特別推薦制度を利用して進学することも可能です。 ２ 生徒の感想 私は３年前、商業科の体験入学に参加する前までは、高校生活への期待と、簿 記などの専門科目の授業についていけるのだろうか？という不安でいっぱいで した。実際に入学してみると、授業でわからないところは先生に聞けば優しく丁 寧に教えてくださるし、検定・資格取得は、放課後の課外授業のおかげで合格す ることができました。私は高校生対象の検定だけでなく、一般の人が受験し社会 で通用する日商簿記検定や秘書検定などの様々な検定・資格を取得することがで きました。 ３年生になると「総合実践」の授業で、実際に地元商店と連携し、新商品や新 サービスを開発・販売します。この授業のおかげで、将来社会に出た時に必要な ビジネスマナーやコミュニケーション能力など様々な力を身に付けることがで きます。そして、何といっても本校最大の特徴は、商業科と工業科が一つになっ ていることです。商業科の生徒も工業科の生徒も関係なくクラスマッチや文化祭 で大いに盛り上がったり、お互いの授業科目を選択できたり、専門以外の検定・ 資格も取得することもできます。 部活動も大変盛んです。熱心に指導してくださるので、人として成長すること ができます。多くの部活動が、中国大会や全国大会に出場しています。 本校には、商業科２学科と工業科３学科の５学科があるので、自分の本当にし たいことは何なのか、夢や将来についてもう一度考えてみてください。きっとあ なたに合う学科があります。１１月には、商工祭（文化祭）を開催しています。 本校の校風がよくわかる行事だと思いますので、是非ご家族やお友達と一緒に遊 びに来てください。 （総合ビジネス科３年生より）
３ Ｑ＆Ａ Ｑ１ 商業科では、どのような学習をするのですか。 普通高校では勉強しない商業の専門科目を全体の１／３程度勉強します。 学習する専門分野は、「マーケティング分野」「ビジネス経済分野」「会計 分野」「ビジネス情報分野」の４つあります。１年次は、３年間で学習する 商業科目の全体を紹介しながら、商業の基礎的な内容を学習します。２年次 からは、各自の興味・関心・適性に応じて専門分野の科目を選択することが できます。 ３年間で商業に関する専門的な知識・技術を習得することができ、実社会 で必要なビジネスマナーを身に付けることができます。 Ｑ２ 生徒が学ぶための施設・設備は充実していますか。 商業の専門科目を学ぶことができる専門の建物「商業棟」があります。各 階の教室を紹介します。 １階 「総合実践室」「ビジネス実習室」「オフィスルーム」 ２階 「第１情報処理実習室」「第２情報処理実習室」「情報講義室」 ３階 「簿記室」「ｺﾐｭｹｰｼｮﾝ実習室」「選択教室」「視聴覚教室」 ほとんどの教室にプロジェクタを設置していますので、各教室でプレゼン の練習や発表会などを行うことができます。コンピュータ設備も充実してい ます。４教室１４０台以上のパソコンがネットワークに繋がれており、快適 な環境で情報処理の学習をすることができます。 Ｑ３ 総合ビジネス科と情報ビジネス科の違いは何ですか。 総合ビジネス科は、３年間で学習する専門科目の授業時間の１／３以上を 使って、簿記・会計分野を学習します。全商簿記検定１級、日商簿記検定２ 級などビジネスで必要な検定を取得することができ、将来の会計スペシャリ ストを目指します。２年次からは、将来の進路に必要な専門科目を系統的に 履修することができます。 情報ビジネス科は、総合ビジネス科に比べて情報系の分野を多く学習しま す。表計算（Excel）を実践的に活用できる知識・技術を身に付け、その延長 機能であるマクロ(VBA)についても学習します。 プログラム言語やネットワークの学習などより専門的な情報分野は、２・３ 年次の選択科目を履修することで学ぶことができます。 Ｑ４ どんな検定・資格が取得できますか。 全国商業高等学校主催の各種検定を授業で指導を受けながら取得すること ができます。また、企業等で実務に携わる人が受験する商業系の検定も取得 できます。詳しくは、「学校概要」のページを見てください。
Ｑ５ 卒業生の進路状況を教えてください。 平成２４年度卒業生の進路は就職７割、進学３割でした。詳しくは、「進 路先一覧」のページを見てください。 Ｑ６ コンピュータの知識は、入学前にどの程度必要ですか。 「総合ビジネス科」「情報ビジネス科」ともに入学後に基礎から学習してい きますので、特に専門的なコンピュータの知識は必要ありません。 Ｑ７ 商業系の部活動はありますか。 ４つの部活動があります。主な活動内容を紹介します。 「情報処理部」 全商情報処理検定１級とＩＴパスポート試験などの検定・資格取得と 山口県高等学校商業教育実技競技大会での上位入賞を目指して活動して います。また、情報系の検定以外の検定も取得できるように指導してい ます。 「デジタルクリエイト部」 ＣＧ（コンピュータグラフィックス）作成などのデジタルコンテンツ 作成をとおして周南地域の活性化に向けた活動をする部活動です。最近 ではコンピュータでＰＯＰを作成するなどの活動の他、地元の特産品を 使った新商品の開発や地域イベントへの積極的な参加など活動の幅を広 げています。 「ワープロ部」 年２回開催される山口県高等学校商業教育実技競技大会への参加と全 商ビジネス文書検定1級以上の取得を目指して活動しています。 「トータルビジネス部」 「珠算・電卓」班と「簿記・外国語」班に分かれて活動しています。 「珠算・電卓」班は、珠算を中心に活動します。「簿記・外国語」班は、 簿記会計および英語・中国語の学習に取り組みます。どちらの班も年２回 実施される山口県高等学校商業教育実技競技大会で上位成績を目指しま す。またいずれの班も、建設経理事務士など、授業では学習しない資格試 験にも取り組みます。工業科と連携し、乙４危険物取扱者の資格にも挑戦 し、多くの合格者を出しています。 Ｑ８ 商業生が開発した商品はどこで買うことができますか。 地元周南や県内で開催されている各種のイベントで販売しています。最近 参加したイベントを紹介します。 平成２５年 ７月 ７日（日） 七夕祭り（徳山商店街） １０月２５日（金）～１２月８日（金）
周南ラーメン期間限定販売（陶千矛） ２６日（土） ビジネスメッセ周南 （ｷﾘﾝﾋﾞﾊﾞﾚｯｼﾞ周南総合ｽﾎﾟｰﾂｾﾝﾀｰ） １１月 ３日（日） ものづくりフェスタ2013（山口市） １０日（日） 地産地消フェア（ふるさと産品の店こあ） １６日（土） 本校文化祭（商工祭） １７日（日） 秋まつり（下松農業公園） ～にんにく姫コンテスト～ ２３日（土） こどもっちゃ！商店街（徳山商店街）
