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DSpace at My University: 英語教育リレー随想 53号(2014.6) 最近の新聞記事から

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大阪女学院大学・大阪女学院短期大学 教員養成センター http://www.wilmina.ac.jp/ojc/edu/ttc/ 〈英語教育リレー随想〉第 53 号 大阪女学院大学・大阪女学院短期大学 教員養成センター

<教育リレー随想> 第 53 号

2014 年 6 月

最近の新聞記事から

中垣芳隆 最近の新聞記事に大阪の教育のことがよく報じられています。明るい話題とそうでない 話題の比率から言えば残念ながら気持ちが引き気味になる事柄の方が多いように感じま す。その中から2つばかり記事を拝借して雑感を少々。 一つは 5 月 20 日の産経新聞に教育長通達「全府立高校 綱紀保持を」の大見出しで、教 育長は「大きな社会問題となっているにもかかわらず、体罰が相次ぎセクハラも後を絶た ない。府教委は教職員の不祥事根絶に向け、今後より一層厳しい姿勢で臨む」とあります。 かつても体罰事案はあったし今で言うハラスメント事象を仄聞したこともありました。 当時は水面下で処理されていた事柄が、時代の変化とともに表面化するようになったとい うことでしょう。そういう意味では教育行政を預かる府教委の危機管理対応の姿勢は至極 当然のことと受け止めるところです。 しかしながら、教職課程で学ぶ学生の、この記事を読んでの感想を聞いて、余計な心配 が頭をよぎります。この夏も全国で多くの教員志望者が教員採用試験に挑むことでしょう。 教員の年齢構成からして優秀な人材確保が喫緊の課題である府立高校。さて、このニュー スを読んで、求める人材が「大阪の府立高校こそ自分の力量を発揮できるところ」と果敢 にチャレンジしてくれるのか、それとも大阪府を敬遠して他府県に流れるのか、是非とも 前者であって欲しいと願うものの・・・・ いま一つは 5 月 27 日の朝日新聞に「校長公募 曲がり角」として大阪市議会で来春の 校長公募関連経費を予算案から削除する方針・・・学校運営の改革を目指した橋下市長肝 いりの施策は、全面的な見直しを迫られる、と続くものです。結果的には議会での再議を 経て次年度も公募という形で落ち着きそうですが。 今回の件は、採用に当たっての市教委の選考の丁寧さ、研修の在り方が問われる事案で あるにもかかわらず、大阪市議会での騒動は、教育がまたもや政争の具とされている感が あります。 新自由主義の旗印のもと、民間人校長の登用を可能とするよう法が改正されたのが 2000

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大阪女学院大学・大阪女学院短期大学 教員養成センター http://www.wilmina.ac.jp/ojc/edu/ttc/ 〈英語教育リレー随想〉第 53 号 年、今も 21 都府県で 90 人の民間人校長が学校現場で日々奮闘努力されています。 しかしながら、昨年来この方、大阪における不祥事ばかりがクローズアップされ、民間 校長によって学校がこのように変化したという好感度な報道についぞお目にかかることが ありません。馴れない文化の中で頑張っておられる先生方はさぞや悔しい思いをされてい るのではと推測します。 そこで、判官贔屓ではありませんが、かつて民間校長の中にこんな素晴らしい人もおら れたという紹介を少々。 大阪の府立高校における民間校長採用は、2002 年の2名がスタートでしたが、そのうち のお一人の話。課題を抱えた府立高校での4年間、転じて私学の校長7年間、合計 11 年間 にわたり、同僚性を大事にしながらも先駆的に PDCA サイクルを取り入れ学校改革に取り 組まれました。その率先垂範の実践は他の校長先生方に良い影響と刺激を与えていたよう に思います。二つ三つ例を挙げますと 一 学校の様子を保護者を始め多くの人に知ってもらう、平たく言えば開かれた学校づ くりの取り組みの一環として、11 年間、ほぼ毎朝 5 時 30 分に校長便りを学校の HP に アップしてから出勤。結果として、保護者の学校への眼差し、信頼感は高まり、中学校 からの評価も日を重ねるにつれ上昇。 二 パソコンに全校生徒の顔写真と名前を取り込み、行き帰りの電車の中の時間を始め 自由時間を活用して記憶、晴雨にかかわらず校門で生徒を出迎え、一人一人の名前を 呼んで声かけを通しての生徒の様子の観察。 三 「産業社会と人間」の授業を受け持ち、松下電器四国支店長に至るまでの社会人経 験を生かし、今でいうキャリア教育を実践。 ある時、「なぜ、そこまで頑張るのか。」と問うたとき、返ってきた答は、「松下のモ ットーは現場第一主義と顧客満足。生徒の様子を観察し、学校の様子を保護者に知らせる 事は最低限の仕事。今まで蓄積したノウハウの応用。」 この人のような民間校長さんが教育界に刺激を与えてくれることを望むや切ですが、さ て、彼に今回の大阪市の件についての感想を求めるとどのような答が返ってくるのでしょ うか。「ん~、公募という仕組みの是非というよりは、所詮は有能な人物を得ることがで きる採用手順の問題。」と言いそうな気がしますが。 (中垣 芳隆 教授)

参照

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