1
研 究 論 刻 UDC :624.
131.
3 日本 建 築 学 会 構 造系 論 文 報 告 集 第 354 号・
昭 和 60 年 8 月宅 地 盛 土 地 盤
の
土
質
工
学
的
性
質
宅
地
盛
土地 盤
に関
する研 究 ・
その1
正 会 員 二木
幹
夫
*1.
はじめに 大 都 市 周 辺 部 を中 心と し た住 宅 地の不 足か ら, こ こ数 十年来宅 地 開 発 が 急 速に増加し て お り. 今日, 都市住宅 の 20−
30% はな ん らか の宅 地 開 発 事 業に よっ て供 給さ れ て いる。
旧来, 良質な地 盤は市街地等にすで に利用さ れ ていること が多い。
し た がっ て宅 地 開 発は, 地 盤 条件 の比 較 的 悪い ,.
丘 陵 地, 軟 弱 地 盤 を対 象に行わ れ るこ と が ほ と んどであ り, その結果不等沈 下等による被 害も発 生して い る。
宅 地 開 発は,
その造 成工事に当っ て多 数の切 土・
盛 土 を伴 うのが普 通で あり, 時に は数 10m に及ぶ 高 盛 土が な さ れる こともある。 造 成され た地 盤の中で, 切 り土 部 分は比 較 的工学 的 問 題の発 生が少ない地 盤で ある。
これ に対し,
盛土部 分につ い て は, 人工的に施工管理され る 地 盤 なの で, 材 料 特 性, 施 工 技 術, 施 工 方 法 が,;その品 質に大き く影 響 を 及ぼす。
また,
造 成され る盛 土 地 盤の 規 模は数 100ha か ら, 1ha 以下の もの まで千差万別で ある。
さ らに,
施 工 方 法 も大 規 模に造 成さ れ る地 盤 を 除 けば道 路 等の公 共 施 設の盛 土に比 較すると, 施 工 管理 が 十 分に な さ れ る こ と は少な い。
ま た, 盛 土材と し て使用 さ れ る材 料は一
般に現 地 発 生 材 を用い る こと が多く, 有 機 質土を除い て,
ほ と ん どの土 質 材 料が使 用 されてい る。
こ の よ うに宅 地 盛土地 盤は, 規 模, 施工方 法, 施工管理 方 法および使 用 材 料の種 類が多い上,
完 成 後の盛 土 地 盤 につ い て地 盤 調 査が行わ れ ることも少な く,
その実 態は 今だに よ く判っ て い ない点が多い。
本 論 文は, こ の よ うな状 況 下に ある宅 地 盛 土 地 盤に関 し,
盛 土 材の種 類,
地 盤の工 学 的 性 質につ い て,
実 験 を 含めた実 態 調 査 研 究 を下 記の方 法に よ り行った もの であ る。 1) 全 国 各 地の公 的 機 関に,
宅 地 盛 土 地 盤につ い ての 地 盤調査結 果の提 供を依 頼し, 盛土材 料の種 類お よ び盛 土 地 盤の工学的性質につ い て,
収 集し た資 料を 整 理し た。
2)・
宅 地 盛 土 地 盤か ら,
不 攪 乱 試料の採 取 を 行い,
実 験 室 内に お い て静 的 およ び動 的三軸圧縮 試 験を実 施 した。
2
.
調 査 お よ び 実 験 結 果 12.
1 収 集 資 料に よ る調 査 結 果 今 回の調 査結 果の対 象とな っ た県 名 と団 地 数 を表一1
, 地 盤 調査の実 施 年 度を図一
1に示 す。
各 県の宅 地 造 成 工 事 数に比例し た調 査 数が得ら れ てい る とは必ずし も 思 わ れ ないが,
関東 地 方が全 体の約3割 を 占め ている。
団地 の規模は1ha
以 下の もの から 100ha
を越え る もの ま で 存 在し,
土 質 試 験結果お よ び 地盤 調 査 結 果の内 容も非 常 に簡単で少ない ものから,
詳 細なもの まで あ り, 調 査 程 度が異なっ ている。 2、
1−
1 盛 土材の種類前述し た よ うに
,
宅 地 開 発に伴 う盛 土にお.
いて は, 原 則的に現 地 発 生 材が使 用 されてい る の で,
今回の調 査 結 果に おい ても,
有機質土 を除い て,
広 範囲の.
土 質が使用 さ れて いるこ と が明らか になっ た。
土 質の判断は, 収集 し た土 質 柱 状 図 をも と に行い,
表一
2の 12種 類に分類 した
。
現在,
盛土 お よ び基 礎 用の土の分類 法と して 「統一
分 類 法 」が よ く使 用 されて い る。
し か し, 今回の調 査に おい て は,
統一
分 類 法が判 断根 拠とし てい る細 粒 分 含 有 表一
1 謂査県名と団地 数 表一
3 盛 土 材の分 類 表一2
盛 土 材の種 類 * 建 設 省 建 築 研 究 所 主 任 研 究 員 (昭 和 59年8 月 6日原稿 受 理日.
昭和60年3月29日 改 訂原 槁 受理 日,
討 論 期 限 昭 和 60 年 11 月 未日} 1 粘 性.
±: IC、
L.
SI, 2 砂 ISレ 3 礫 lG ) 4 砂.
翼 り 粘 性 土{’
SL.
SC.
SS■, 5 礫 混 り 粘 性 土lGL、
GC.
OSけ 6 礫混 り 砂 〔GS , 図± 1 土 質調 査の 年度別 係 数一
67
一
率 等の値が求め ら れて い
.
ない もの が多い こ と,
ま た,
土 質柱状図に記入 さ れ てい る説 明を も とに,
統一
分 類 法に よ る判定 を行うこ と が 困 難であっ たこ と等の理 由に よ り,
土 質の分類は, 分類 法に捕われず 記 載 内 容を も とに 行っ た。
し た が っ て, 土 質の判 定は, 現 場に お ける肉 眼 件 100 数 8Q604020Q ]4v120 件 1叩 BO 数 ti〔, 4020 L C SL S SI SS SC GC GL GSI GS G 図一
2 土 質の種 類と件数 201脚
凹 【ev 10F ; 123、
4.
567H9 図一
3 盛 土の層数 N 値 図一4
N 値の分 布 (粘 性土} //
1 3 1 5 H IL的
図一
5 N 値の分布 (砂}一
一68.
一
に よ る判 断に負う と こ ろが大き く,
あ る程 度の個 人 的 誤 差 を含んで い る こと を付 言し ておき たOts 図亠 2に盛 土 体の 土質と そ の件 数を示す。 盛 土 体は必 ずしも同一
の材 料では構 成さ れて いない。 したがっ て そ の場 合に は,
同一
盛 土 体で あっ て も,
土 層 が 変 化 す る こ とに件数に加 え て整理 し た。 図一2
に よ れば,
全体的に礫 混り土が多く,
全体の50
% 以 上を占めてい る。
大別す れ ば,
粘性 土に よ る 盛 土 (L,C ,
SI
> が Z8%,
砂混 り土によ る 盛 土 が15
%,
礫混 り土に よ る盛 土が57
% で あ る。 礫 混り土の 判定は土質柱状図中の記載を参考に決定し たが,
礫 径は2mm
か ら100 mm を 越 え る もの まで千 差 万 別であ る。 ま た,
同じ礫 混り土であっ て も,
広 範 囲の礫 を含んで い ること が一
般的である。
.
礫の種 類は,
砂 岩,
凝 灰 岩,
頁 岩 お よ び その 風化 岩が多く,
マ サ 土 地帯では 風化火崗 岩 の岩 砕で あ ること が多い。 図一3
は,
’
盛土体を構 成す る 土層 (土質材料},
の 数を調べ た もの である。
単一
土層か ら な る 盛 土 が最っ と も多く,
層数 が多く な るに従い漸 減 して いること が分か る。 な お,
層 数が多い盛土は,
数種 の盛 土材が 互層になっ ている もの が多く,
盛 土材の種 類 と しては,
多い もの でも 3〜
4種であ る。
、
2i1−2
盛土体の標 準 貫入試験結果 ∴、
fi匸〕 03 件 2り
り
’
1/
〕
UL
‘
十 N 値 図一
i N 値の分布 〔砂 混り粘性 土 ) N 軌 図一
ア N 値の分 布.
〔粘 性土+砂+砂 混り粘 性土) 歌コ
o 図一
8 N 値の分布 (礫 〕L
,
o 併 ]u」
L増
50 b { N l直 図一
9 N 値の分 布 (礫 混り砂)【
,
L 3 3 1 5 6 7撞
9匹
0 11 L2匹
3レ
L」
う
16【
1B」
9加
2【
躍:
3z4
z5
z
巳
2r9
δ
2,
湘
N 値 図一
10 N 値の分布 (礫混 り粘 性土) 上 述の分 類に従い,
収 集した標 準 貫入試 験 結 果 を土 質 別に整 理 した。
しか し,
デー
ター
数の多い 土 質では,
分 布 形 状が明 瞭である の に対し, デー
ター
数の少な い一
部 の 土 質で は判 断が困 難で あっ た。 また,
12種 類に分 類 し た方 法で は,
多 少 煩 雑 過ぎ るの で,
分 類 を表一
3の 6 種に整 理し直し, N 値との関 係 を調べ たもの が, 図一
4〜
図一
10である。
これ等の図によ れば , 1)粘 性 土 盛 土, 2渺 盛 土,3}砂 混り粘 性 土 盛 土の 3つの タイ プの盛 土は,
N
値=
3を最 頻 値と する正 規分布に ほぼ近い分布状況に あることが 判る。N
値 がO−
2の非 常に緩い盛 土 部 分も 存 在する こと が認め られ, 特に砂 盛 土 地 盤でN
値≦5 の地 盤が約 60% を締め る こ と は, 地下水 位等の条件次 第で は地 震 時の液 状 化 現 象が懸 念さ れる。
こ れ等の 3つ の タイ プの盛土のN
値の分 布は類 似 してい るの で これ 等を ま と めて整理 し た結 果を タイプ1
と し て図一
7に示 す。一
方,
礫 地 盤では,
広 範 囲に N 値の値が分布 し(タ イ プll
:図一
8>,
同一
地 盤 内で もか な り大きさが上 下す る (図一
12).
こ れ は, 従 来か ら指 摘され てい るよ うに, 礫 地 盤に対 する標 準 貫 入 試 験の適 用 限 界 (特に礫径)の 問 題が大き く影 響して いる と考えられる。
こ の種の地 盤 に対し て は N=
=
20前 後が最 頻 値と判 断さ れ る。
同 様な こ と は,
礫混り砂につ い ても言え る (タイ プ 田:図一
9)。
こ の場合に は,N
値の分 布 形 状は,
台 形 分 布に近くジ その最 頻 値は判 全 と し ない が,
6〜
20程度の 値が多い。 礫ある い は礫 混り砂 地 盤につ いて は, 標準貫 人試験値を もとに,
設 計 を行う よ うな場 合に は,
こ のバ ラツキ を考 慮し,
最 小 値を用い る な どの配 慮が必 要で あ る と考え ら れ る。
ま た,
礫混り粘 性土 盛 土の場 合,
末 広がり の分 布 に近く な り (図一10
),
対 数正規分 布で近 似で き る (タ イ プ 】V
:図一
11)。
粘 性 土 盛 土と 比較す る と その最 頻 値 は約2
倍のN =5− 6
を示 し, 礫 混入の影 響が現れて い る もの と考え られ る。
’
2.
1−3
一
軸圧縮 試 験 結 果一
般に,
盛土地 盤の造 成は,
1)品 質 管 理に よる方 法,
2) 施 工管理に よ る 方 法のど ちら か で行わ れて い る。
宅 地 盛 土 造成の場 合,
後 者によ るもの が ほ と ん どであ る。 しか し,
完成し た宅地盛 土地 盤 に対して,
その品 質を確 認す る た めの 地 盤 調 査 が行わ れ ること は ま れで ある。
宅 地 盛 土 地 盤に対す る調 査は,
建物設計段 階で実 施さ れ るのが一
般 的で あり,
し か も 下記の理由で,
土質試験が行わ れ る ことは極 め て 少 ない。
1
) 戸 建て住宅で は経済的理由,
あ るい は地 盤 調 査を行う習 慣が普及 してお らず
,
現 地 踏 査のみです ま す こと が多い。
2
) くい基礎を用い る場 合で も,
設 計に際して は,
標 準 貫入試 験結果のみ を用いること が多い。
1りUoo90 TO 件 60 救 5040 :102Ulo o o oqo o 0oeeg OOa oloo lQL N
−
VALtJF.
(LOG N) 図一
11 N 値の分 布 (礫混 り粘性 土 ) 5 深 さ 10 15 {m } 20N
「0 20 30 40 50 図一
12 丿V値の分 布 (礫 盛 土 ) 10t一 69 一
2u9 … 置5 軸 tL lo 縮 強 度 5 L6
一
而「N/ 」
鴇
N− 一轟.
▲!
!
」
ノ
’
’
!
’’
‘ 1’
!
‘〆
〆
’
』_
N’
’
▲
’
噛
o〆
’
!
ノ
〆
’
’
’
▲’
’
o / 8’
’
’
2
.
/’
詈
o.
‘
枯性 ヒ o 懷 混り拈性土〆
’
o[
O iO N 値』
図一
13N 値と一
軸 圧 縮 強 度と の関 係 153
) 礫混 り地 盤に対し て は, サン.
プリン グあ るい は室 内 実 験用供 試 体の 作 成が 困難であ る・
こと が多い。
こ こ で整理 し た一
軸圧縮 試 験の結果は,
前 出のN
値 の デー
ター
に比較す る と デー
タ数が少な く, ま た対 象 も サン プリン グ等が可 能な粘 性 土 (C ,L ,
SL ,
SC
) と 礫混 り粘性土に つ い て の もの で ある。
図一
13にN
値と一
軸圧縮 強度の関係を示す。
両者の関 係を簡 略 化して示 サた め,
原点を通る直線で近似す れば下 記の よ うである。
粘 性土 盛 土に対 してq
・÷趣
嘩
・N
≦1・)…・
……一
(1) 礫 混り粘 性 土盛土に対して はq.÷
拒
一 た だ ・N
≦1
・)・
…・
・
一 一
(・) た だ しq。 :一
軸 圧 縮 強 度 (tf/m2) な る 関係が得られ る。
し た がっ て礫 混り地 盤に対し ては,
同 じ強 度の 粘性土 盛 土に比 較 する と約2倍のN
値が得 ら れているこ とになる。
ちなみ に,
前 述 し たよ うに,N
値の 最頻 値 が 粘性 土 盛 土に対し て N=
3,
礫 混り粘 性 土 盛 土に対し て はN =5〜
.
6
とい うこと を考え れば,
粘 性t ,
礫混り粘性土 盛 土 と も,
q。÷4〜
5 (tf/m2 )の強 度 を有す る 盛 土 が 最 も 多いと も言え る。
図一
13に は,
自 然 の沖積粘 性 土に対する平 均 的な 1V値とq
“の 関 係 11,
q。=
10/8・
N
(tf/mZ > を合わせ て示し た が,
粘 性 土 盛 土 の ほぼ 下 限値,
礫 混り粘 性土盛土の上限 値 近くに位置す ること が 分か る。.
2.
1−
4 スウェー
デン式貫入試 験 結果 標 準 貫入試 験は,
対 象 地 盤の広さの割に は比 較 的 調査 本 数が少な く, 地盤の面 的な変 化を捕え る に は不十 分 な 場合が多い。
特に大 規摸
な丘 陵 地 宅 地 盛 土 地 盤で は 盛土 厚さ,
旧 地 表 面の傾 斜 等が複 雑に変 化す る ので,
同 じ造 成 地 内に おい ても,
.
その 品 質 が 異な るこ と が予 想 さ れ る。
図一
14−
16は, 大 規 模な丘陵 地 宅 地 盛土につ い て調 査 され た,
ス ウェー
デン式 貫人試験の結果 につ い て,1V
、w (1m 当りの半回転 数 )の全 体の分 布お よ び深さ別の 分 20 件 搬 tO 件 敬 500400 300200 lOO《
’
° 凡鶉 鶚Y
,認 調 鶉 鵲器翻暑『躙
Nsw
図一
14 从 胃の分布 状況Nsw
螽o 20 件 敬 lO O 1 2 5 ffさ 4 5 cm⊃ 図一
15 深さと分 布 状 況 〔AV。
w≦0) o1
2
S 礎 4
(m )5
’
図一
16 深さと分 布 状 況 〔Nsw≧100) 布を示 し た もの で あ る。
こ の盛 土は,
ロー
ムを主 体と し,
最 大 盛 土 厚さ は約10m
である が, 調 査深 さ「
の最大は5
m’
である。 全 体 的に はN
、w=
=
10〜
20 の値が最っ と も多 く,
約 30 % を占め,
Nsw=
10〜
30で は約50% を占める。
し か し,
Ns iv≦0 (100 kg以 下で の 自 沈 を含む}の もの が約 9%あり,
し かもそ れ は,
全 深 さに分 布していて,
か なり緩い締 固め部 分が ランダムに存 在し て い る可 能 性 を 示 して い る {図一
15)。一
方N
跚 ≧100 につ い て.
み る と (図一16
),
地 表 面 近くに最も多く.
存 在し,1m
以 下 が約 40% を 占めて い る。
地 表 面 付 近の みが比 較 的 締 まっ て い る現 象は,
、
N 値の調査時に も明ら か に.
なっ た 事 実であり・
,
宅 地 盛土地盤の 特 徴の一
つ であ る』原因 と して.
は,
完 成 後の 自動車等の表 面 荷 重に よ る効果,
乾燥 による影 響,
地 表 面 付 近の施工性の良 さ等が考え ら れ る。
2,
1−
5 乾 燥 密 度につ い て 宅 地 盛 土 地 盤の盛 土 管 理は, 盛 土 地 盤の密 度 管 理によ り な さ れ るのが一
般 的で あり,
乾 燥 齋 度,
空気 間げ き率等で規 定さ れ ている。 しか し, 現 状におい ては
,
大 規模 な造 成地 を除く と,
十分 な施 工 管 理が な さ れ ること は ま れ である。
図一
17〜19
は今回の調 査で得 ら れ た乾燥密 度 を粘 性 土,
ロー
ム,
砂質土につ い て整 理 し たもの であ る。
そ れ ぞ れ の最 頻値は順に, 7d=
Ll−
1.
2 (g/cm3 ),
O.
6〜
O.
7 (g/cm3 ),
1.
3〜
L4 (g/cm3)で ある。
各 試料 と も,
最 大 乾 燥 密度の値が得られ て い な い の で,
その締 固 めの程度につ いて は,
明確な判 断は できない。.
し か し,
既存の資 料eVkLS’
2)・
9’・
m )を 参考にその締 固め程 度の検 討す ることは可 能であ る と考え ら れ る。
例え ば砂 盛 土につ い て みる と,
宅 地盛 土に使用され る砂の多 くは山砂で あ る と思われ るの で,
全 国各地の山 砂の最 大 乾 燥 密 度を調べ鸞
10 〕 O % 5 尉 Lり 含 lu.
Ln M、
11 11.
田 12.
L.
十
ltl−
IM E,
i・
1S 巴.
t6 1fi.
t,
T 乾 燥 密 座〔S/di) 図一
17 乾燥密 度の分 布 〔砂 質 上 ) 略Lm
冊咀 肥凵
噂 吟.
m凶
「
凵
貶 燥 密 甌 (9 /認 , 図一
18 乾 燥 密 度の分 布 {ロー
ム} Lヨ
1「
卩
唱
即
.
屮
り
/
.
11脚
脚
.
L冨
1」
.
L」
L1」
L II 」tt 卩.
1.
ih.
Xt埋 仲「
匹 〔/;
tt
.
Ol/ 図一
19 乾 燥 密 度の分 布 {粘 性 土1
1τ
臥μ仁
F搾己
L,
121」
ト齟
1a,
−
表一
4 静 的 試 験 用 試 料の物 性 試料 名 比 重 液性 限 界 困 塑 性 腆 界 鉛 刑性 指 数 乾 燥 密 度 (曜 ) 試料 採 取 傑 度 い1 Al27735952854D1llL1.
0−
2.
O A2z67374628745908 日 10−
11 A5272011 &呂 4737LO0772L−
22 B 蹴 z7298ZL3474760922.
5−
3,
0 B227 δ59639 巳 562o&
54.
o−
4,
5 t[]1 )一
gv § 乏6UbF i“ 蠹 憂.
LV) 畑 唇 1川脚幅.
11
Ai, AlA ! i) ° °,
1/T°
1
錯
肖D 【
IL1
図一
20 粒 度 分 布 1tt て みる とz),
その値は 1.
470〜
2.
120 (g/cm3 )の範 囲に あ る。 その 内, 砂分が80% 以上で あ る山砂の多くは 1.
69/cm3 以上の 最大 乾 燥 密 度 を 有し,
そ の平均は約 L7g /cm3 で あ る。
細粒 分 を多く含ん だ山 砂の最 大乾燥 密 度はより大き く な り1.9g
/cm3 程 度の ものが多い,
仮 に砂 盛土の平 均 的な最 大 乾 燥 密 度 をL79 /cm3 と す れ ば,
砂盛 土の最 頻 値に対 応する締 固め度は,
76.
5〜82.
4 % と な り,
通 常の締固 め規 準か らみ ると.
や や締 固め不 足であると考え ら れ,
前 述のN
値の調 査 結 果と対応し た結 果とな る。
2.
2 サンプリング試 料に よ る静 的およ び 動 的 3軸 圧 縮 試 験関 東地方の代 表的 住 宅 地盛 土 地 盤か ら の サン プリング 試 料を用い て
,
静 的お よび動 的3
軸 圧 縮 試 験 を実 施し,
そ の強度,
変形特性につ いて調 査 を行っ た。 2.
2−
1 静 的3
軸 圧 縮試 験 1) サンプ リング試 料につ い て 試 料は東 京 都 内2か所 (A ,B
)お よ び千葉県 (1
か所 ) 内の宅 地 盛 土か ら シ ンウォー
ルサ ンプリングに よ り採取 し たロー
ム質土でφ
る。 この種の盛 土は,
関 東 地 方の代 表 的な盛 土 地 盤の 1つ である。 各 試 料の物 性,
試 料 採 取 深度およ び代 表 的な粒 度 分布を表一
4お よ び図一
20に そ れ ぞ れ示す。
各 試 料は ロー
ム を主 体 と して いる が,
とこ ろどころ砂 あるい は小 礫 を挟んで おり,
その程 度が若 干 異な っ ている。
2
) 実 験 方 法につ い て 供 試 体 寸 法は直 径5cm、
高さユOcm (円柱 状 )と し,
供 試 体を飽 和さ せ る た め に ブ ラッ シ ング を行っ た後,
バ ックプレッシ ャー
を1.
O〜
2.
e (kgf
/cmZ )を付 加し た。 その結果, skempton の 間 げ一
き水 圧 係 数 〔=B
)は0.
9− O.95
と な り,
ほ ぼ飽 和に近い 状 態 を得ることがで き た。 せ ん断試験は所定の有効拘 束圧力 (.
A
試料につ い て は1,2,3kgf
/cm2 ,B
試料につ いて は, 採 取 位 置で の 平 均 土か ぶり圧 )で圧密し た後,
非排水状態で実 施し た(σ σ試 験 }。な お,せ ん断中の軸ひずみ速度は 0.
25(% /min )と し, 計 測 値は すべて自記 記 録さ せ てい る。
3
)実 験 結 果につ い て 図一
21に応 力〜
ひずみ関係 (A3 試料の場合}を 示す。
ロー
ム質 盛 土の応 力〜
ひずみ関 係は,
通 常の練 返し再 圧 密 粘 性 土 と同 様に,
明 僚な ピー
クを示さず,
ダクタイル な曲 線とな る。一
般に,水で飽 和させ た盛 土 (締 固め土 }+
は,主に,締固め た時の含 水 比,締 固め圧 力 (エ ネルギー
) , 土か ぶ り圧 力 (拘 束 圧 力 }お よ び締 固め方 法に より そ の 性 質が異な ると考え ら れ る.
図一
22は,
こ れ ら の諸 条 件によっ て,
締 固め 土 が間げ き比一
拘 束圧力 面上の どこ に位 置す る か を模式 的に描い た概 念図であ る3:。
締固 め 土を水で 飽和し,
圧密する と,
締固 め含 水 比の違いによ り,
異な る圧密 曲 線が得られる のが一
般 的であ る (図一
一 71 一
踟
§
斗
1.
o 碗 殉 棄 圧=
2◎曜溜 ↓ 榊 拘束 圧=
L卿 川 ↓ ↓1σ
・
7e・
’
の
ビ
7ク 間 げ き 比 ZQ辜
冒
評
o 図」 21 5【
0 15 9rRAIN (f) 応 カー
ひずみ関 数 (A3 ) P2 Pt Pc 丶土 か ぷ り 圧 図一
22 締 固め含 水比 と 圧密 曲線.
砕 霙 琶 ao N罫
a」
’
十
σ
■
’
−
T /一
〔【
鍔細 図一23
ベ ク トル カー
ブ (A1 )1
’
』
』響 (・・t/di) ∵ 1図一
24.
ベ ク ト.
ル カー
ブ.
〔A2)ミ
』
量・.
・ ピ、
L
b 1.
0 」準
c・・tfa・〉 図一一
25.
ベグトルヵ一
ブ (A3 )・
一
72
−一
22で は,
w,
ω’
,
が の締 固 め含 水比に対 応し た圧密 曲 線を示 し て ある}。
例 え』
ば, 締固め含 水 比が W’
である 土 がザ締め固め圧 力 (Pc )T
’ 十 分に.
締.
め固 め られた と す る と,
X 線に沿っ て,
圧力Pc の位 置まで達し,
転 圧の 繰返 し効 果 等に より Y 線上 め点Yc
に達 する (図 中の 記 号 (≧) は,
転 圧の繰 り返 し等に よ る間 げ き比の減 少 を表し た もの である )。
その後,
土 か ぶ り圧の大き さ(Pi,p2,
p
Ω に対 応 し て,.
点y
,,Y2
あ るい はV3
の位 置に 達す ることに な るe一
方,
締め 固 め が不 十 分である場 合 には (転圧回 数が少な いと か,
.
締め 固 めに伴っ て間げき 水 圧 が発生 する場 合な.
ど), 盛 土の状 態は,X
線とY
線の間に位 置し,
例え ば, 締め 固 め後の土 か ぶ り 圧力が ρi の時に は,
線 分X、 Yi上に位置 してい る と考え ら れ る。 点y
、が最も よ く締まっ た状 態であ り,
点X
,が締 固め 効 果が ない,
最っ とも緩い状 態に対 応し てい る。し た がっ て盛 土は,
そ の応 力 履 歴か ら考え ると, 締 固 め 圧 力 を 先 行 荷 重とす
る一
種の過 圧密土と も考え ら れ;
る。 図一
23r26 はそ れ ぞ れA1 ,
A2 ,
A3 ,
B1 ,
B2
試 料 に対する非 排 水せ ん断 時のベ ク トル カー
ブを描い たもの で ある。 こ こで, B試料.
は.
試 験時の拘 束圧 を試 料 採 取 位 置にお け る平 均 土か ぶり圧 (静 止 土圧係 数を0,
5と仮 定 ) に そ れぞれ等しくし:
て試 験 を行っ.
た もの であ る。
ま た,
A
試料は 試験 採 取 位 置の平 均土か ぶ り圧とは無関係に拘 束圧 を変えて行っ たもの である。 A試 料あ場 合,
試 験 時 の締め 固 め 圧力比 (締 固め圧 力と拘 束圧の比 )の大 き さ に よ り,
ダ ィレイタンシー
特 性が異な ると考え られ るの で,
そ れ ぞ れの ベ クトルカー
ブは, 拘 束 圧 を変え た時に 相似 型に はな ら な い (図一 23)。
ち なみ に,A1 ,
A2 ,
A3 の平均土か ぶ り圧.
は, おお よ そ.
O.
15
kgf
/qm2,1.
O
kgf
/cm2,2.
O
kgf
/cm2 で あ る。 筆 者 が 行っ た実 験に よ れば3},
図一22
のX
線上の状態 におけ る非 排 水せ ん断 試験 時のベ ク トル カー
ブ は 図一
26の B2 の よう に な り, ダ イレイタンシー
の特性が負 (圧縮 )か ら正 (膨 張 )に 転 ずる.
,
いわ ゆ るダ イレイ タンシー
の最 大圧縮 点8.
1を有 LO婁
琶
ピ
。.
5 N ピ 02 0.
4 0,
6 0β単
〔la・・t・D 図一
26.
ベ ク トル カー
ブ 〔B)す る場 合が
一
般 的であ る。 し たが っ て, B2 は締め固め を受けて い ないか,
あ るいは締め 固 め ら れ て も平 均 土か ぶ り圧よりも小さ な圧力で締め 固 め ら れ た盛 土であ る と 推 察で き る。一
方,
A1 ,
A2 ,
A3 ,
B1
の盛土は, 平 均 土か ぶ り圧と同じ拘 束圧状態 で は,
過 圧密土と類 似し た挙動を示す。
こ れ は,
締め 固 め 圧 力 が 平 均土か ぶ り 圧 よ りも大 きい か,
あ るい は,
繰り返し転圧の効 果に よる もの と考えられ る。
し た がっ て,
こ の べ ク.
トル カー
ブの 形に よ り盛 土の施工性の良 否を あ る 程度判断す ること が 可 能であると 思わ れ る。 次に,
図一23−
26のベ ク トル カー
ブか らロー
ム盛土の強度定数につ いて み る と,
有 効 応 力に関する見か け の粘 着 力 (;
c’
)は,
ほ ぼ0
で あ る ことがわ か る。 試 料が水で飽 和す る と, 有効応力に関す る み か けの粘 着 力が極めて小さ く な るの は締め固め土の一
般 的 傾 向4} であ る が,
締 め 固 め度が極め て高く (90% 以 上 )にな る と,
粘性土で は粘 着 力 係 数が 急に増大 す る とい う事実も報告さ れ てい る5F。 宅 地 盛 土で締め固め度 が 90% 以 上 に施 工 管 理 され る こ と は極め て ま れで あ り,
通 常は c’
=0
と考え て も よいと思われる。
ま た,
摩 擦 角につ い てみ る と,41.
5
°
− 44.8°
となり, ロー
ム と し て は やや高めの値が得ら れ た が, 混 入 して い る小礫,
砂 の影 響と思わ れ る。2.2−2
動 的3
軸 圧 縮 試 験 宅 地開 発の規 模が大き く な ると,
それに伴っ て高盛 土 が施工 され る こ とも多い。 現 在,
宅 地 盛 土 地 盤に対 す る 耐 震 規 準は整 備さ れて いないけ れ ど も,
規 模が大き く な れば, それ だけ地 震 時の安 全 性の評価が重要であ る。
近 年, 宅 地 盛 土 地 盤に対す る 地震 時 安全性につ.
い ての関 心 が よ う や く高 まりつ つ はあ る が,
宅 地 盛土 地盤の動的変 形特 性につ い て調査さ れ た資 料は,
他の地盤種に比較す ればは な は だ少ない。
本 調 査は関 東 地 方の宅地盛土 地 盤 か ら サンプ リングされた試 料 を用い,
その動 的 変 形 特 性 につ いて室 内 実 験を行っ たもの で あ る。
1
) 実験 試料お よ び実 験 方 法につ い て 実 験に用い た資料の物 性 を表一
5,
また各 試 料の粒 度 分布を 図一
27に示す。
な お,
表 中の C試 料は静 的 3軸 圧縮試験に用い たA 試 料と同一
の もの であ る。
供試体寸 法は直 径5cm,
高さ10 cm (円柱 状 )と し,
バ ッ クプレッ シャー
(e.
5〜
1.
Okgf/cm2 )を付 加して行っ た。
2> 実 験 結 果につ い て 動 的 変 形 特 性 図一
28,
29に C 試 料の動 的 弾 性 係 数お よ び等価 減衰 定 数の ひずみ依 存 性を 示 す。
図一
28 の縦軸は軸ひずみ εa=
6.
7×10’
sでの動 的 弾 性 係 数E
。 で規 準 化して示し てあ る。 動 的 弾 性 係 数は軸ひず み 1XlO−
4 付 近か ら低 下 し始め,
1× 10−
4 を 過 ぎ る と 急速に低 下して,
1×10−
3 当りで は, 初 期 剛性の 60% 位にまで減 少する。一
方, 等 価 減 衰 定 数は,
小ひずみ域 (ε。
≦1XlO−
4 )では約3一
4 %で あ り,
軸ひずみがこの値を 過ぎ ると急 速に増 加し て ε。=
1×10−
z で は約15
% に達す る。
これ等の 図は拘 束 圧が1.
O−
3.
Okgf
/cm2 の時の試験 結果 をま と め て記 人し た もの で あり, 動 的 弾 性 係 数,
等 価 減 衰 定 数の ひず み依 存 性は,
拘 束圧の大き さにあ ま り影 響さ れ ないこと が分か る。
D 試 料 (lp=
26.
9)は,
C 試 料と 比較す る と細 粒分 が 約 IQ% 程 少ない砂 質ロー
ム であ る。 図一29,30
か ら明 ら か なように,
その動的弾性 係数,
減衰定 数の ひずみ依 存 性は C 試 料の場 合と大 差は ない。 E 試 料は,
砂分 が 約85 %の ロー
ム質 砂 (lp=
0)で あ る。 こ の試料の動 的 表一
5 動的試験に用い た試 料の特 性 試 料 名 e D E 採取 腸所 楽 京 都 内 千 葉 県 T 集 県 t 質卩
一
ム
砂 質卩一ム
卩一厶
貝 砂 採取 方 法 シン
ウォ
ー
ル サノ
ノ 1丿ア
ダ プロ
ワ サノ
プ
リノ
グブ
卩γ
ク サソ.
〆
リノ
グ 比 重 C且 c2c3277326732.
720 2.
704 2.
68昼 液性 隈 界 ClC2C3 686746LL &3.
6L3 N.
P 嘸性限 界 CLC2C328.
5287473 344 N.
P 塑 性 指 数 ClC2C340145971.
o 269一
looQ80
)
畢 60’
屈 噸 40 姻 2000.
OOI 粒径加 積 曲線 C3C1C2 D E 1.
2 L v8 601己
国 \ 国 o.
4 02 u10 e 0.
01 0.
1 1.
0 粒 径 D (mm) 図一
27 粒 度 分 布 10.
0 (晦fπ 紛 O 拘 束 圧=
30 A ム”
=
20▲
o A 帖 O”
rLO
ム 矚 ’ ¢)▲ ◇」△も
A 奄 80 ▲ o ▲ 10−
s ID−
4 1D−,
AXIAL STRAIN 図一
28 動 的変形 係 数とひず み関 係 (C) 1‘〕.
3一 73 一
.
(
感)
国8
り く 」 霆一
塞
r
20 (Kgf嗣 〕 1「
8
,拘 柬圧二
3,
0 ■}
■ D・
‘FP 一
20 ◇〃1=
】ρ 15 1 戸o、
,
. . 0 ム、
10 oo/ ‘u
「1
L/
%
●亙
・/ ■ ◇ b くb ●‘
5 o o一
嗣 ム艀
3A
1
◇ ◇厂
010−
e 10−!
10−
6 10−:
AXIAL STRAIN 図一
29 等価減衰定数と ひずみ関 係 (C,
D> 12 10冒
:
1a 昼ミ
、、 国「
o.
● 02010一
N丶
、
一
一
一
一
c 試料 o D賦 料、
s丶
・
図・
−
30 12 10.
,
10−
4 10.
幽
10.
r
AXIAL s血ヘlN 動的弾 性 係 数 と軸ひず み 〔D) E賦 料 1 昭要
・.
・ a4 吼2一
一
一
一
c試料 O E附、
、、
、
丶
\ 20 雌 皿 5(
邑 属 2 』 託 望円
塞
D10.
e 10.
■
1 『・
10.
!
10’
:
AXIth s皿 IN.
.
図一
31 動 的 弾 性 係 数と軸ひずみ (E〕 010.
o
LO−.
10’
0 1e°
‘
10−
t AXI△LSTHAIN 図
一
32 等 価 減 衰 定 数と軸ひずみ (D.
E) OD 試 科 oH 試 科「
.
.
74
一
弾 性 係 数は,
小ひずみ・
(ユ×10二5) 領域か ら ひずみ依 存 性が 認 められ,
C,
D 試 料に比 較す る と,
緩かにその剛 性が低 下 する (図一
31)。
例えば,E
/E
。=O.8
および 0。
5の時 におけ る ひずみ比に よっ て 両者の 動的 弾 性 係 数 の 低 下 を 比較す る と, ロー
ム 質 砂 (E
試 料 )は,
εe.
5/εo.
8=
10,
ロー
ム (C
試 料 ), 砂 質ロー
ム (D
試 料 ) で は約 5とな る.
。
し た が っ てロー
ム,
砂 質ロー
ム盛土材 は,
』
』
ロー
ム質 砂 盛 土材に比較して約 2倍の こ う配で動 的 弾 性 係 数が低 下 すると言え る。一
方,
.
等価 減 衰 定 数につ い てはTt 3者に有 意な差は認め ら れ な かっ た1
図一
32)。
次に,
初 期 剛性に及ぼす拘 束 圧の影響を,ロー
ム盛土(C
試 料 )につ い て調べ たもの が図一
33で あ る。
こ の場合,
初 期剛性と拘 束圧の関 係は,
両 対 数で ほ ぼ直 線関係にあ り,
その こ う配は約O.
5である。
こ の値は一
般に認 め ら れ ている平 均 的な値とよ・
く一
致して いる6)・
7)。
な お,
図 中に は,
両 者の関 係 式 を示 し,
合わ せ て,D
試料,
E
試料の動 的 弾 性 係 数 を プロ ッ トした。
動 的 応 力履歴の影響につ い て 地 震 後に おけ る盛 土 地 盤の静 的 強 度 特 性 を 求め る た め に,
動 的 試 験 終了後直 ちに同じ拘 束圧力で 24 時間圧密 を行っ た後に静 的せん 断 試 験を行っ た。A
,C
試 料は同一
の試料で あり,
し たがっ て,
A
,C
試 料につ い て の静 的せ ん 断 試 験結 果は そ れぞれ, 動 的 応 力履 歴の無い状 態と影 響を受け た状態につ い て の もので あ る。 図一
34は,
両 者の弾性係 数を,
軸ひずみ が 1% の時の割 線 弾 性 係 数で 比較し た も.
の である。
動 的 応 力の 岡蠧
り
H
靨 5 国 LO1.
,/
゜
o/ 8 200102 LO竃
/
Rζ
_ ・ O C試 料 ム D隅科 0 9試料 10.
1 翫5 1ff 2 3 10b「
omCP 【旧 P凹S跚 [LagP ユM − 33
拘 束 圧 と 初 期動 的 弾 性 係 数の関 係ぎ
ε
200 弾 性’
数1lOO
・ 動 的 応 力N歴無 し ▲ り/
/
1 拘束 圧力 2 5 (kg flcrTb 図一
34 弾性 係 数の比 較2。
穃
ざ 。 茎這
臥
『 o tt°學
ap
(・g・’、誘
゜ 図一35
ベ ク トルカー
ブ 履歴 を受け たC
試料はA 試料に比較して約 5〜
10% そ の剛性が低下し てい る。
ま た, 両 者のせ ん断 時の有 効 応 力 径 路 (図一35
) をみ ると,
動 的 応 力 履 歴 を受 けたC
試 料はA
試 料に比較して よ り明瞭なダイレイタンシー
の最 大圧縮点を有す る よ う に な り, ま た, み か けの内部摩擦 角がか なり低下 して い る (こ の 場 合は約 14 %低 下 〉。
こ の よ うな地 盤の性 質の変 化は,
地震後の盛 土 地 盤, あ るい は盛 土 地 盤 上の構 造物の安全性を考え る上に おいて も検 討すべ き事 柄であ る と考え ら れ る。
3.
おわ りに 宅 地 盛土 地 盤の工学的性質につ い て, 収 集し た地 盤 調 査 結 果お よ び,
室内での 静 的,
動 的3軸 圧 縮 試 験 結 果 を も とに検 討し た。 得ら れ た諸 結 果を ま と めると, L 宅 地 盛土地 盤を構成す る土質は12
種 類に分類す る こと がで き,
大 別す れば,
粘 性 土 盛 土28 %,
砂 混り盛 土15%,
礫 混り盛土が57
%で あ る。 2.
宅 地 盛 土 地 盤の標 準 貫人試 験 値 (N
値)の分布 形 態は 4タイ プに分 類 可能であり,
そ れ ぞ れの 盛 土 の分 布 形 態は 1) 粘 性土盛土,
砂盛 土, 砂混 り粘性土盛 土につ い て は,
N;
3を最頻値と す る正 規分布 をな す。
2) 礫 地 盤につ い てはN
=20
を最頻値と す る正 規 分布を な す。
3) 礫混 り砂盛 土につ い て は,N =
6〜
20の値が多 い台 形 分 布を な す。 4) 礫 混り粘 性 土 盛 土の場合はN =
5〜
6を 最 頻 値 と す る対数正規分布をな す。
3.
粘 性 土 盛 土,
礫 混り粘 性土 盛 土にお けるN
値と一
軸圧縮 強 度 (tf/m2 }との 関係を, 原 点を 通 る直線で近 似す る と そ れ ・ れ
,
・。一 ・,
・・
一拒
(N
≦10)で表すこ と がで きる。
4,
ロー
ムを主 体と し た粘性土 盛 土にお け るスウェー
デン式 貫入試 験の 半 回 転 数 (IVsw)の 最 頻 値は,
ハJsw=
10〜
20であるg 5.
ロー
ムを主 体と し た粘 性 土盛土の せん断時の有効 応 力 径 路は拘 束 圧の違いに よっ て相似型にはならず ダ イレイタ ン シー
特 性が変化す る。
6.
ロー
ムを主 体 とした粘 性 土 盛土の締め固めの良否 はベ ク トルカー
ブの形によりあ る程 度判 断す る こ と がで き る。
7.
ロー
ム質 砂盛 土の動 的 弾 性 係 数の ひ ず み依 存 性 は,
ロー
ム盛 土よ りも 小さ なひず み領 域か らでは じ め,減少の程 度はロー
ム盛土に比較 して緩 かであ る。
8,
等 価減 衰 定 数の ひずみ依 存 性は,
ロー
ム質砂 盛土, ロー
ム盛 土 と もに ほぼ類 似し た関 係に な る。 9.
ロー
ム盛 土につ い て, 動 的応 力履歴の 影 響 をみると, 履 歴 を受け ない もの と比 較して弾 性 係 数が約 5
− 10
%,
内 部 摩 擦 角が約 14% 減少す る。 な お,
礫分 を多量に混 入した盛土, 礫 径の大 きい材 料 か ら な る盛 土につ いて は, その数が比 較 的 多い に もか か わ らず,N
値 以 外に 資 料 を 得る こと がで き な かっ た。
こ の理 由は,
主にこ の種の地 盤 材 料にっ い て,
通 常の室 内 変形 試 験が実施で き ない ことに よ る。
今 後,
大型の 3 軸圧縮試 験装置 (供 試 体 寸 法,
直 径=
1.
6m,
高さ=
2.
4m )を用い た, 静 的お よ び勤 的な試 験を行い,
こ の 種の地 盤の強 度・
変 形 特 性 を求める予 定である。最後に
,
貴 重な地 盤 調 査 結 果 を提 供し て頂い た関 係機 関の諸 氏に感 謝 致し ます。
な お, 本 研 究の一
部は建 設 省 総合技術開発プロ ジェ ク ト「震 災 構 造 物の復 旧 技 術の開 発」の 中で行っ たもの である。
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75
一
t/
t/.t
t
.t
t
.
'
'
'
'
SYNOPSIS
・-
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t.:
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THE
S.TUDY
ON
THE
CONSTRUCTED
FILL-UP
GROUNDS,
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HOUSING
LOTS
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Soil
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ofthe
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fill-up
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bY oMflKAI.?.JF.UTAKLBuildingResearchlnstitute,Mernber
t.
ttt/
This
paperisthestudy on theconstructedfill-up
grounds of'housing,lots.
In
part1,tlieengineering propertiesof constfucted fili-up
grounds
weve particulailyinvestigated.'
,
'
This study was carried out intliefollowing
・two
ways.・
・・
l. The ground
investigation
data
offill-up
grounds were gatheredfroTri
variousParts
ofJapan
an'd theywelregot
into
shape concerningkinds
o'f'soils composingfill-uP
grbunds, standardpenetration
testdata
and
Swedish
penetration testdata
etcl'.'.'
'
'・'・
'
2:'
The
static and'dynamic'deformation
'characteristics
of soils