床のすべりの評価指標および評価方法の提示 : 床のすべりおよびその評価方法に関する研究(その4)

【研 究 論 文

1

UDC ：69．025 ：539．53 ：ア2．011．8 日本 建 築 学 会構 造 系 論 文 報 告 集 第 356 号・昭和 60 年10月

床

の

す

べ

_り

_の

_{評 価 指 標}

_お

_{よ び}

_評価

_{方 法}

_の

_{提 示}

床の すべ _りお よ び その評価方 法に _関す る研 究

　

（そ の

4

_） 正 会 員 正 会 員 正 会 員 小 須 武 野 藤 田 英 　 　 　 　 　 　 　 ＊ 　 ＊ 　 ＊ 哲 拓 清 　1．序 　前 報 （そ の 3）llで は，床の すべ り に対する人 間の感 覚と対 応 するすべ _{り抵 抗 を 測 定}で きるすぺ _{り試 験 機 （}0− Y ・PSM ：0 −Y　PULL 　SLIP　METER _{） を 設 計} ・_{試 作}

し，その_妥当性を証 明し た こと を述べ た。

　本 報 告で は，床の _すべ り に対 する人 間の評 価 と， 0 − Y ・PSM で測 定さ れ る すべ り抵 抗 係 数 （C ，S，R ：CQ −

efficient 　of　Slip　Resistance_）1〕の関 係を考 察し た後，両 者の対 応から求 められるすべ _りの評 価 指 標お よびすべ _り の評 価 方 法 を提 示 する。 な お，本 報 告の一部の概要は 日 本 建 築 学 会 大 会に発 表し て い る2 ）。 　2．本 研 究の 目的 ・範 囲 お よ び 既 往の研 究 　 本 研 究の 目 的は，すべ _{り抵 抗}の大 小 と人 間の評 価の対 応を考 察し，すべ り の評 価 指 標 を求める とと もに評価 方 法を提 示す るこ とにある。 　対 象は事務 所 等一般 建 築 物 床および住 居 床と し，動 作， 履物な ど はこ れ らの床におい て一般 的な もの とする。さ らに_， すべ _りの_{評 価}の_{観 点}に は従 来 重 視 されて きた安 全 性のみ な らず，必要な場 合は歩き やすさ な どの観 点か ら の快適性も含め る こと_．と する。 　床のすべ _りの評 価に関 して は，従 来， 解 析 的 あるいは 実 験 的にすべ ら ない ために必 要なすべ _{り抵 抗 値や摩 擦 係} 数など を求め た研 究が ある3 ｝辱7〕。し か し な が ら，すべ _り 抵 抗 値や摩 擦 係 数およびそ の測 定 方 法などの妥 当 性を 証 明して いない こと，すべ り抵 抗 値な どと評 価 を連 続 し た 関 係と して把 握 して い ない こ と，評 価の観 点を安 全 性に 限定し てい ること， な ど か ら， 客 観 性，．汎 用 性のある評 価 指標お よび 評価方 法が提示さ れて いる と はい い難い の が実情とい え る。 　な お， 本研究で対象と す る建 築 物 床は，日常 お もに歩 行に供す る水 平な床のすべ _りの_評価指標を求め る た めの 床として，行わ れる動 作の形 態，激 し さ お よ び使用さ れ ＊1 東京工業大 学　助教授・工博 ＊ t _{佐藤工業 株 式 会 社 中央技 術 研 究 所}・_工修 ts 東 京工業 大 学 　 大学院 生 　 （昭 和 59 年 12 月 5日原 稿 受 理日，昭 和 50 年5月 27ロ 改訂 原 稿 受 理 　 日，討 論 期 限 昭 和61年1月末日｝ る履 物の観 点か ら一般的 な床で あり かつ _{十 分と判 断し た} もの で ある。 　

3

．本研 究の研 究 方 法 　本 研 究の研 究 方 法および手 順 は次の と おり で あ る。 　 1）　さ ま ざ まなすべ _{り抵 抗を も}つ _床を試 料と し，官 能 　　検 査 手 法 を用いて，すべ _{り に 関 す る評 価 尺 度を構 成} 　 　 する。 　 2） 0−Y ・PSM によ り試料床の C ，S，R _{を求 め}る。 　 3） 評 価 尺 度 とC ．S ．R の_対応を検討す る。 　4） 3）の検 討か ら，すべ りの最 適 範 囲， 許 容 範 囲の 　　例な どを求め， 評 価尺度とC ．S．R の対 応 図 と と も 　　に_， 床のすべ _りの_評価指標と して提 示 する。 　 5） 床の すべ _りの評 価 方 法 を提 示する。 　以 上で あるが， 人 間のすべ り に対 する評 価 判 断か ら す べ _りの評 価 尺 度 を求め る点，妥当性が証 明 され た試 験 機 ですべ _{り抵 抗を求め る点，す}べ _{り抵 抗と評価 を連 続した} 関 係と し て把 握する点， 評価の観 点に快 適 性 も含める点 が従 来の研 究 と異な る おもな点であ る。 　4．事 務 所 等一般 建 築物床のすべ り の評 価 指 標の提 示 　4．1 すべ り に_関する_{評 価 尺 度 構 成}のための官 能 検 査 　 4．1．1　構 成す る評価尺度の項 目お よ び動 作の設 定 　設 定し た評価尺度の_{項 目}を動 作ご とに表一1に示し た 　設 定し た動作は_{， 事務所 等}一_{般 建 築 物 床}にお け る代 表 的な動 作とみな さ れ る も のであ る。 　また，歩 行 時に は転 倒 な ど を生 じ な い安 全 性が重要と 同 時に，歩きや す さの観 点か らの_{快 適 性 も重 要 と考}え， 項 目に設 定 した。 　4，L2 官 能 検 査 手 法の選 定 　本 研 究で求める評 価 尺 度は， 絶対判断か ら構 成 するの が望ま しいため，いず れの場 合 も7段 階の 判 断 範ちゅ う （範 ちゅう は 図一2に示 す）による 系 列 範ちゅう法を用いること と し た。 　4．1．3　 試 料 床の設 定 　 官 能 検査におい て所 定の動 作 表一1 構 成す る尺度の 　 　 　 項 目および動作 動 作 歩 行 方 向 転 換 壓け出し 急L停 止 項目 婁雛 安 全 性 安 全 控 安 全 性 一 一

を行え る広さを もっ こと，すべ り抵 抗が 適当に分散す る こと，現 実の床の すべ り抵抗の_範翻を包含す るこ と，を 主 眼と して予 備 的 官 能 検査 お よ び C ．S ．R の測定を行い な が ら，表一2に_示す 9 個の 試料床を設 定し た。 　 4，1．4 履 物の選 定　 　1 　 ’　 　 　 』 　事 務 所 等一般建築 物床で一_般的に用い ら れ る とい う観 点か ら写 真一1に示す履物を 選定し たe な お，試料床と の すべ り抵 抗を検査中一定に保つ た め_，．写真一1に示 す よ うに履 物 底に綿 ブロード40 番をてん付す ること と し た。 　4．1，5 検 査 員の選 定および動 作の_規制 　 検査 員 として成 人 男 子15名 （21 才一

　

．

　

，1 ．表t−2 試

魁

床の概要 計30名 を 選定し た．。． ． 　 　 　 　 検 査 員の _層と して 　 　 　 　 　 　 　 　 加さ せ かつ 明 確な判　 　　 　 　略 々 の 床 の大Sさ：45，mtr360 、。 断を求め るこ と が 現．_． ． 　 　 　 男　　　紳士靴　　　　サ ンダル 1 実 的に は_非常に_困難 な た め，検査員の層 を限定 せざるを得な かっ た。老 人， 子供，．． 身体障害者などのす べ りに対す る 評 価 を い か に抽 出す る か は ． 今 後の課 題 と し た い。 　 動 作は，各 動 作ご とに事 務 所の_廊下等 に_．お け る多 少 忙が し 女 そ う な状 況で の動 作を 想定さ せ る程 度と し た。理由と し て，動 作を厳 密に規制す る と判 断に集 中で きない可 能 性 が高い こと， 一般的な状況 に お け る評 価尺度 を得るた め に は，動作に多少自_由度を持たせ る方が妥 当な こと，前 報 （その 1）s｝で動作の規 制を厳 密に し な くて も，すべ りの_感覚的判 断に大き な個人 差 が 生じ な かっ たこと， を あ げ るこ と がで き る。 　4．L6 　官能 検 査 経 過 お よび結果 　4．Ll 〜4．L5 の条 件で官能 検 査 を実 施し基 礎 データ を得た。 　表一3に官能 検 査の分散分析 結果 を示し た。いずれ の 検 査におい ても， 主 効 果の分散 比が高 度に有 意で かつ 寄 t ： 増 幅，記 鎌 器　．　8 ：修勤用 車 輪　 　　　 　　 　15 ：ガ イド レール 2 ： メ ィンスィ 7チ　 9 ：皿 蟄　 　 　 1fi ：弓畷商皿 ifszamtt 3 ：定 遷モ　9−　．tO 二すべり片　 　 　 17 己固 定 啣　． 4 ；織還機　 　 　　 　11 ：Tべり 片受 台　 　 　 　　18 ；ワイヤー 5 ；ワイセー鍵 取 ＃　 　12 ：ユニバーサ ル ジヨインF　t9 ：が イドレ．一ル昇 降 器 6 ： ス9一トスイ7 チ 　13 ：物 閉 荷賃 国豎 器　 　 　 　20 ：引張角屡 国 曁器 中 ヒール 　 　 　サ ンダル2

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図一1 … Y ・PsM （・−Y　PULL 　SLIP　METER ） 畷 要 　 　 　 表一3 官 能 検 査の分 散 分 析 結果 性 別 男　 　 　 ・ F （O．05〕 厰 物 紳 士 靴、 サン_ダル 匸 主 効 果 2．02 動 作 歩 行 方 向 転 倹 駆 け 出 し 急．惇 止 歩1r 方 向 転 換 駆 け出し 急 惇止 岡 人琵 1．78 頃 目 快 適 性 安全 性 安 全 性 安全 性 安 全 性 快_廼性 安 全 性 安 全 性 ・安 全 性 安 全 性 Fo ．Ol） 主 効皿 　　　　「「 47 ．70 49　　　　r鹽．53 　　　　，、67 P3028　　　　．．99 鹽　　　　畠30 ．　15 ．　　　　國38 ，75 ，岨　　　　．B．　IB ，　　　　■3u 。93 卜　　　　7，3．7．36 　　　　，37 ．26 ，主 効 果．2．67 分 散 比 個 人 差 二．59 塵．87L 　61 　　　．4．　1．且． 1．52L 　60L 　八 ε 　　　，2．　 【 臼 　　　齟． 3・L9 　　　．5．　13．個 人 差 2．25 主効果 （％） 72 ．くト1．72 ．．6462 ．4B55 ．7862 ．27 后7．　97L 72 ．日866 ．臼 粗 93 ．E560 ．　20 寄 与 鵠 図 人 差 （％_） 　　 ．1．612 ．．282 ．251G ．841 ．95L ，8B1 ，243 ．506 ．74 置L 　99 ・・　 忍 度に有 宜 ’．_{．有 慧} ．性 別 ・　 　 　 女 　 　 　 　， F （0．σ5） 履 物 ． 　　　　．中 ヒール サ ン ダ ル2 主 効 果 2．02 動 作 歩行 方向 転 換 　　．駆 け出し 急 停 止 歩1了． プjl可 転換 馴星けIllし 　　　「 急 停 止 囮 人 差 1．7B 順目 隈 返 性 安 全 性 安 全 性 安 全 性 安 全 性 　　　．快適性 安 全 性 安 全 性 安 全性 安 全 性 FO ．01》 主 効 果 　　　　．． 24 ．97 　　　　．3L 　87 鹽 　　　　，_． L38 0340 ．　13 　　　　」．75 L21　　　　．22 ．34 鹽　　　　．．D5 736　　　　．3α．90 ．　　　　　　　　．乢2・O．71「　　　　．母「9．・8曙，主 効 累 2．67 分 散 比 皿 人 差 1．．23 　　　．．　37072 ．7日 　　　72．001 ．　030 ．97 ［．　1q1 ．　13 　　　■2、07 　　　．L　8α 個 人径 2．25 主 効 果 （％ ） 5ε．306L 　6959 ．3567 ．．90 ．55 ．．2656 ．0967 ，7266 ．6368 ．8076 ．35 ・・　 高 度に有意 ・　 　 有 意 寄 与 躍 個 人 差 （％） 0．97 α 7810 　．．71 3．030 ．　130 ．　 】2o ．4．60 ．　453 ．．　 】 屯 1．92 一 一

与 率 も大 きい ことか ら， 試 料 床の すべ りに有意な差があ る こと， 検 査 自体 が 有 効なことがわ か ． る。個 人 差が有意 な_場合も ある が_， この_種の_検査で は通常あ り得ること， 分散比と寄与率が主効果と 比 べ_{て非常に小さい こと か} ら，検査員は すべ りに関して_共通の_{評価基 準}を持っ て い る こと が明ら かで，構 成さ れ る すべ _{り評 価 尺 度は十 分 意} 味 をもつ とい え る。 　 4．2　すべ _{り評 価 尺 度の 構 成} 　尺度構 成理論．に_従い すべ _{り評価 尺度を構 成 し た} 。 　 4．3　すべ _{り抵 抗 係 数}の測 定 　試 料 床の C ．S ．　R を 図一1に示す 0 −Y ・PSM で測定 し た．。な お，すべ り片には 官能検査に_{使 用}し た履 物の 底を所定の大き さ に切り取 り，表 面 に綿 ブロード40 番を て ん付し たもの を用い た。 　．4．4 すべ り評 価尺度と 　 　 　 すべ _{り抵 抗 係 数の} 　　 　 対応お よ び考察 　 図一2に 4．2お よ び4．3 で_求め た， すべ り評価 尺 度 とC ，S，R （3回 の測定の 平 均 値 ）の関係を 示 し た。 　いずれ の_図におい ても， 両 者の_関係は な め ら かで， そ れ ぞ れ目視で引いた点 線 の_{傾 向}が明 瞭にうか が え るQ 　ま た，各々 の図か ら，す べ _りの最適 但，およ び 「ど ち ら と もいえ ない_」の判 断 （D）を 仮にすべ りの _{許 容} 基準と し た場 合の C．S．R の範 囲 を許 容 範囲 と して示 したのが 図一3であ る。 　こ れ らの 図か ら ま ず全 体 とし て，各々 の_場合に C ． S ，R の _{最 適値}が あ ること， 最適値か らの C ．S．　R の _減 少にと も な う評価の_{低 下}の 割 合が， C．S．R．の 最適値 か ら の増 加の場 合と比 較し て非 常に大きい こと が考 察 で き る。こ の う ち_，、最 適 値 の存 在が 明確に さ れ たの は、　　　　　　　wutilちゆう 本 研究において， 初め てで あり，すべ _りの_評価に これ ・ 図一2 まで にない重 要な知 見 を 与え る もの といえ る。 　次に_， 要 因 別に以 下の こ と が考 察で き る。 　 ○安 全性と快適 性につ い て．：歩 行における安 全 性の評 価尺度とC ，S．R の 関 係は，快 適 性の 評 価 尺 度 と，　C ． S ．R の 関 係 と性 別，1履 物ご とに ほ ぼ同じ である。 　

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動 作に よ る差異につ いて ：方 向転 換と急 停 止の場 合 の C ．S．R の最 適 値は他と比較して多少小さい。理由と し て，他の動作の場合に も あて は ま る と考えられるが， C．S_．　R が 大き す ぎ る と， 所 定の動作を す る場 合に ひっ か か りな どを生 じて不 都 合にな ること な ど が想定さ れ る。ま た，許 容 範囲の幅は_， 方 向 転 換，急停止，歩 行， 快 遺₂ 男：覦_{臣 阯} ゼ rA 男：舗_性．サ頭「1 −_A 女一歩行　 　 　 　一一一A 　一快 適 性一中ヒール 女 一細 苧 ．一…A 　一快 適 性一サ ン ダ ル2 、「 　 　 1 評 価　o 尺 一一一冒一一一一一謄一B −一一_σ9，P、．．

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駆け出しの順に小さい。 　○性 別によ る差 異につ い て ：_男女の_履物が異な る た め 厳 密に差 を論 じ ること はで き ないが，歩 行におい て C ． S．R の最 適値が男性の場合 多少大きい傾 向が見受け ら れ る。 理由と して，男性の履物は安定性が高く動作が よ り激 し く な る た め， 多少大 き な すべ り抵抗 が 必 要 と なる こと な ど が想定さ れ る。1 　

0

履物に よ る差異につ い て ：歩行におい て，サンダル の場合の C ．S ，　R の最 適 値が他と比 較し て や や小さい _，・ 理由と し て サ ンダル履きの_場合， 動作が や や緩慢に な る こと な ど が想 定さ れ る。1 曲 作 項 目 性 　 眠 物 一 すぺ番　一 　　 　 C．S．　R 　 　一　 　すべら 獄 い 　 　 07翹　　　　　　　　o．6　　　　　　　　　0．8　　　　　　　　　↓．o 紳士穐 3響 灘一灘 ＿　＿攤 ＿・＿、．　i I 快 男 サンダ ル1 一　　　　臙一一　　　　　’肖’　　　　　　　11 1 適 性 中ヒール 　．　　ト　　　　　　　石　　　　　　罰，」　　　　　　II　　　　　　II 　　」　　　　　　　 I　　　　　　　 l 歩 女 サ ン ダ ル2 鳳・一・…1繍 鑢 飜・濃　 　

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行 紳 士 鞭 ’i∈繭 舞 　’醐ii．　 　　一溝、燕1：襲獣＿　∈F・ 竇 易 サ ン ダ ル1 蝋 締・、i　 　 　 ．醗 全 性 中 ヒール 瀦 繍 轢 糶糲 鱒ll醐麟 

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女 サ ン ダ ル2 辮　　　　　燃攤　　　　響　・漁　　　　　　Il 帥 士 靴 ・羈 …_黼瀚 鵬　 　邏 峨 繭 ；購 …_{贓 籀}、_邂；欝 駆 け 安全 男 サンダル1 ・　　　　　鮒 ・囁　　　　雛广脳　　　　　攤欝 　　　一1瓢竈ii_{墾鐵 霾誹} 出 し 慌 中ヒール 　　　　　　1 岫i濕广．＿∈・幣こ＿耀嬲 懸 繿篶毳譲 　　　　　　1 女 サン ダ ル2 掘 1 ・鞴　 　獻，　 、躍、撒 蠍 ・　｝ F 綽 士鞭 譲 孅　　　…　　　　飆 撚 懸　　　_訓1　　　　　　　　　嚠1 急 安 男 サ ン ダル 1 　　　 　　　　 」　　　　　　　 1 鯲 黼攤距广l　 　 　 　 l 厚 止 全 性 中ヒール 　 　　　　 　　　　 　「　　　　　　　　　 1 匸_．　 　　　　 　　　　 　　　　　 　　 1　　　　　 　　　 1 　 　　　 肖　　　　　　　 L　　　　　　　 I 女 サ ンダル2 鯔　　　　　　　胛_酬h　　　　　　　　　I1 躰 士 靴 嬲 轍 　

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1

女 サ ン ダ ル2 懸 鰻 1　　　　　　・　懸騨　　　　　　撒 　 　 l　　 　 l I　　　　　　　　　脚 　 家最 適 順：0 ．許 甞 範 囲 ：_一 図一3　すべ り最 適 値お よ び許 容 範 囲 （例 ） 　4．5　事 務 所 等一般 建 築 物 床の すべ り の 評 価指標の提 　 　 　 示 　4．4の考 察 と図一2，図一3か ら対象と し た床の一般 的 なC，S．R の最適 範囲 を次のよ うに求める こと がで きる。 　C ．S ，R の最 適 範 囲はすべ _{ての場合の最適値を包 含 す} る範囲 と して図一3より0．45〜0，70と な る。し か し なが らlC ．S．R の低下に と も な う 評 価の 低 下が極端に著し い こと，靴 履き歩行の評 価に重 点 を置くこと，重 度の _傷 害の発生原因 と なるすべ _{り す ぎ}に よる転 倒を防ぐこ と， を 考慮する と，最 適 範 囲を0．55−O．70と す るの が よ り 妥 当とい え る。また，C．S．R の_許容範囲 は判断 （D｝ を仮に許 容 基 準と し，かつ 歩 行_に重 点 を置_くと 図＝−3よ』 り O．40−O．80と なる。 　以 上の検 討か ら下 記の範囲 お よ び 図一2，図一3を本 研究で_対象と し た_{， 事}務所等一般 建築物の_床のすべ _りの 評 価 指 標と し て提 示で き る。 　 ・C ．S．R の最 適 範 囲 　 　 　：0．55〜O．70 　・C ．S．R の許 容 範 囲 （例）：O．　40〜O．　80 　た だし，許 容 範 囲は一一例であり，厳 密には使用 目 的， 動 作の形 態，激し さ な ど を考慮して，そ の都 度図一2か ら許 容 範 囲を求め るのが妥当とい え る。 　5．住 居 床の すべ り の 評 価 指 標 の 提 示 　 5．1 すべ _{りに関す る感覚尺度お よび 評価尺度 構 成}の 　 　 　 た めの官 能検査 　 5．1．1 構 成す る 尺度の項目 お よび動 作の設 定 　構 成す る尺 度の項 目を動作ご と に表一4の よ う に設 定 し た

6

設定の 理由等は4．1．1と同 じで あ る が，お もにく つ _{下 履}きの場合の すべ _り片の_妥当 性を検 討す る た めに必 要な感 覚 尺度を歩行に おいて求め る点， 駆け出し， 急停 止は住 居では一般的な動作で は ない と判断し た た め削 除 1し た点が4．1．1と異な る点で ある。 　 5．1，2 官 能 検 査手法の選定 ． 　感 覚 尺度の_構成には順位法，評価尺度の構 成には 7段 階の判 断 範ちゅう （範 ちゅうは図一5に示す）による系 列 範ちゅ う法を 選定し た。 　 5．1，3　試料床の設 定 　 4．1．3と同様の_手続き お よび 管理で_， 表一5に示す10 個の試 料 床を設定し た。 　 　 　 　表一5　試料 床の概 要 　 　 　 　 表一4　 構 成す る尺 度の 　 　 　 項目 お よび動 作 動 作 歩行 目 項 　 性 性 覚 適 全 感 快 安 方 向転 換　 安 全性

一

コ

　 　 　 　 累各々 の 床 の 大 き さ ；45c唇N360c” 　 5．1．4　履 物の選定 　我が国の住 居 床において は，裸足 あ る い は くつ下， ス リッパ，足 袋を履くのが一般的と考え ら れ る。本 検 査に おい て も厳 密にはこ の 4つの_{条 件}を取り入れ る の が望ま しい 。しか し な が ら，裸足で の_検査は試 料 床に汗 が 付 着 し，すべ り抵抗を変化 さ せる こと，すべ り に影 響を与え る とい う観点で_， ま_ず第 1に，くつ _下と 足 袋 は_両者 と も 柔軟な膜 が 床と裸 足の間に介 在す る点で近似するとみ な さ れ，第2に くつ _下と_裸足 は床との間に薄い膜 が 介在す る か しないかの差であ り，接 触 面 積， 床t±与え る荷 重な どで ほ ぽ同 様と’み なせ る こ と か ら_，．’履 物は写 真一2に示 す くつ下とス リッ パ と し た。 なお，くつ 下の場 合 は 汗 が 試 料 床に付 着しない よ うに 2枚履 き （下履き ：木 綿くつ 下，上 履 き ニナ イロ ン くつ下 ）と し，ス リッ パ は くっ _下 着用で履き，ス リッパ 底には，4_．1．4と 同 じ理由か ら厚

さ lmm の フェ ル トをて ん付す ること と し た。 　5．1．5　検査 員の選定お よ び動 作 　 検 査 員と して成 人 男 子10名 （20才一25才 ），成 人 女 子 10名 （20才一25才 ），計20名を選 定し た。検 査 員の 層に関す る問 題は 4．1．5と同様で あるa 動 作は 4．1．5と 同 じ理 由か ら，各 動 作ごとに住 居 床におけ る ご く自然な 動 作を想 定さ せ る程 度と した。 　5．1，6　 官 能 検 査 経 過お よび結 果 　 5．1．1〜5．1．5の条 件で官 能 検 査 を 実 施し， 基 礎 デ ー タ を得た。 　 表一6に検査の検 定 結 果を示 し た。順 位 法の カイニ乗 検定では，いず れ もカイニ乗の値が非 常に大きい ことか ら，検査員のすべ り の判 断の一致性は高 くt 構 成 され る すべ り感 覚 尺 度は十 分 有 効とみ な せ る。さ らに_系列 範 ちゅう法の分 散 分 析 結 果で は_， いずれの場 合も主 効 果の 分 散 比が高 度に有 意でかつ 寄 与 率 も大きい こと か ら， 構 成さ れる評 価 尺 度は十 分 有 効とみなせ る。_個人差に_関し て は4．L6 と 同 様の理 由で大き な問題 とは な ら ない。 　 5．2　すべ _{り感 覚 尺 度}およ び すべ _{り評 価尺度}の構成 　尺 度 構 成 理 論に従い各々 の尺度を構成し た。 　な お本 項で は，男 女の履 物 が 同一であること， 男 女の 検 査の検 定 結 果ならびに尺 度 間に有 意な差が な かっ たこ と から，以後の考 察，検 討で は男 女 を一緒に し た尺度を 用いること と し た。 　5．3　 すべ り抵 抗 係 数の測 定 　5．3．1 すべ り片の検 討 　前 報 （その 3 戸お よび 本報 4．で は， 所 定の履 物 底を 切り取りすべ _{り片 台 座}に装 着 してすべ り片と．し，C ．S ． R を測 定 し て問 題は生 じ なか っ た。つ ま り，すべ り抵 抗に影 響 を あた え る要 因の ひとつ と考え ら れ る か た さ を 履物 底 自体で十 分再現でき てい た と _考え られ る。 　 し か し な が ・ ら， くつ下の よ うに履 物 底 が非 ． 常に薄い場 合は 人 間の足 裏の か た さが すべ _り抵 抗に大きな影 響 をあ た え る こ と が想 定される。 こ の た め本項で は，あ らか じ め くつ _下の場 合の すべ _{り片 を次}の よ う に 検 討 し ス リツバ　　　 　　　　　 靴F 　 写真一2　 履物の概 要 た。 　まず 人 間の足 裏の か た さをシ ョア A 硬 度 計で測 定し， 成 人 男 子 5人の_平均値と し て硬 度10を得た。さ ら に厚 さ が ユOmm あれば 人間の 足裏のか た さを再現でき る と 判断 し，ショア硬 度10，厚さ10mm の _{発 泡}ゴム を すべ り片台座に装 着す ること と し た。ま たこれ までと同様の 作 成 方 法に よ る すべ _{り片も加え，}． 　イ）すべ _{り片台座 （鋼 板）＋ く}つ_下 2_{枚 （木 綿}，_{ナ イ} 　 　　ロ ン｝ 　ロ） すべ _{り片 台 座 （鋼 板 ）＋発 泡}ゴム _（ショ ア A硬度 　 　　 10， 厚さIO　mm ）＋ くつ下2枚 （木綿， ナイロ ン ） の ふたつ のすべ _{り片 を作成し て}C ．S ．Rの_測定を行い， すべ _{り感 覚尺 度 と}の対 応 を検 討す ること と し た。 　 5．3．2　すべ _{り抵抗係数}の_測定 　くつ_下の場合は上記2つ のすべ り片_， ス リッ パの場合 は従来と 同 じ作成 方 法によ る すべ り_片，を用い，_試料床 の C．S．R を測 定し，すべ り感 覚 尺 度との対 応 を検 討し た。 　その結_果くつ _下の 2つ のすべ り片の C ．S ．R の うち， イ ）は感 覚 尺 度との _{対 応}が特に凹 凸の ある試 料 床に お い て悪い こと か ら，薄い履 物 底のすべ り片は人 間の足 裏の か た さ を考慮に入 れて作 成 し な けれ ばならな い こと が明 確になっ た。 　図一4は，くつ _下の すべ _{り片 （ロ）}，_{お よ びス リ} ッパ の すべ り片によ るC ．S ．R （3回の測定の平 均 値 ｝とす べ り感 覚 尺 度との_{対 応 を示}し たもの で，いずれもな め ら か に対 応して いる といえ る。 こ の こと から，くつ下の場 3 　 　 　 　 　 2 　 　 　 　 　 1 す べ ら な い 　

ー

愍 寛 尺 度

ー

0 ず ぺ る 　 　 　 　 O．2 　 　0．3 　 　 0．4 　 　0 　5 　 　 ひ・6 　 　 　 C．S，R 図一4　すべ _{り感 覚 尺 度}とすべ _{り抵 抗 係 数 （}C．S．R_{）の対 応} 表一6　官 能 検 査の分 散分析結果お よ び カイニ乗検 定結 果 険 査 手 法 系 列 範 ちゅう 法（評 価 尺_{度 》} F （0．D5） 噸 位濫 （慝 冗 尺 度 》 履 掬 靴 下 ス リツバ 主 効 果 L　93 靴 下 ス リッパ 動 作 歩行 方 向 転 換 歩 行 _{方 向 転 換 個 人 差} 1，64 歩1〒 歩 行 項 目 快 適 性 安 全 性 安 全 性 _{快 適性 安 全 性} 安 全 仁ヒ F （0．DD 主 効 果 　　　　鹽， Io ．24 　　　　7，24 ．　 馳o14 ．08 「27 ．4 ガ鹽53 ．7i 鹽56 ．7B 主勅果 2 ．52 分 散 比 岡 人 差 1．姐72 ．032 ．54 鹽 L 　臼71 ．9 デ 2．26 ’闘 人 垂 2．uo 主_効果 _（％_〉 28 ．5648 ．7534 ．0253 ．5a68 ．5769 ．2D 」 毘＝M3．00 レ ヱ（9．0，0D 　＝21．弓6 層 X＝159．91 コ 記 （9，0．01） 　＝21．ε6 寄 与 墨 阿 人 差 （％） 3．084 ．598 ．47L 　562 ．663 ．37 ・・　 高 度 に 有 量 ・　 有 惷 一 5

合のすべ _り片に はショアA 硬 度 10，厚 さ10mm の発 泡 ゴムを 介 在さ せ る こと，ス リッ パ のすべ’り片は従 来の方 法で作 成してよい こと を確 認で きるとともに，本 項で用 いる C ．S ．R をこ の条 件 下で の値とすること と し た。 　5．4　すべ _{り評 価尺度と す}べ り抵 抗 係 数の対 応お よ び 　 　　 考察 　．　 　 　 』t 　図一5に 5，2お よ び5．3で求めた，すべ り評 価 尺 度と C ．S ．R （3回め測 定の平 均 値 〉の関 係を示し た。 　いずれの図に おいても両 者の 関係はな め らかで，そ れ ぞ れ目視で引い た点 線の傾 向が明 瞭にうか が え る。 1 　ま た， 各々 の図か ら，すべ り．の最 適 値，お よび “ ど ち ら と もいえ ない ”の_判断 （D） を 仮にすべ _りの許 容 基 準 と し た場 合の C ．S ．Rの範 囲 を許 容 範 囲 として示 したの が図一6であ る。 篷 　 2 』

₁₁

靨 蛋・° 　 −1 ぜ 不 一2 快 　 安  　全 012 謄 一 2 膵 価 尺 度 歩_疾一快flPt−1リツ バrA −　一　一一　一　一　一　一　一E 　 　 　 　 ．廼 一一一一．」_● 、 ⊂−c − 一一・_{，一一一．  D} 一璽_V 胃一一　｝−E − −

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9

’一＿ ．一．F 　 　 　 　冖G 　 　 　 O．E　O，2　0．3　0．4　0．5　0．1　0．2　D．3　0・4　0．5　0．6 　 　 　 すべる　P−一．　 C．S．R　−一　　すぺらな い 判断 範ちゅう　 A一非 廨 に 安 全 （快適 ）でMる　 B一か な り 安 全 （快 適 ）で あ る 　 　 　 　 C＿や や安全 （快 適）で あ る　　D 一ど ち ら と もいえない 　 　 　 　 E一や や危 険 （不 快）であ るF一か な り 危 険（不 快 ） で あ る 　 　 　 　 G 一非常に_{危 陰}（不 快 ） で あ る， 図一5　すべ り評 価 尺度と すべ _{り抵 抗 係 数 （}C．S、　R）の関係 動 作 _項目 順物 すべる　　一　　　　C ，　S．　R　　　− 　　　∫ へらね い 　 　 o．3 　　 　　　0，4　 　　　 0．5　　　 　　0．6 スリツ バ ・　 　 ’轜 ＿・ ＿一鰓_{驫 鑑爨讐} 懐 廼 悔 靴 下 一 i　 　 i，1 歩 行 ス リ渉バ 　 　 　 　1峨・1　 　 　 賑　 　 　 　＿、　 　 　帖’　 　 　 　 　・灘 　1圏 安 全 性 鞭下 　苗｛贈　　 　　 　・　　　購　　 l1　　　　　　　　　」l ス リッ パ 臨 融　∈　 　 　 撚説 蕩ヌ 方 同 転 険 安 全 荘 鞭 下 鯔 　醐 ・騾 鸚 　 　 　 ： ＊ff遘di：o ・　 F＃ 範 囲： 図一6　すべ り最遥値お よ び 許容 範囲 ｛例 ） 一 一 　こ れ ら の 図か ら まず 全体と し て， 各々 の 場合に C ．S ．R の最適 値が あ るこ と’， 最 適 値か らの C ．S ．R の 低卞にと も な う評 価の_低下め_割合が_非常に大きい こ と が 考 察で き る。　　 ” 　これ らの ことは4．の場 合 と 同 じで あり， さらに歩 行 に お ける安 全 性と快 適性の_間に_明確な差異が な い’こ とも 同じで あ る。一方， 4．の場 合と比 較して， 動 作お よ び 履物ご との C ．S．R の最 適 値の差が非 常に_小さい こと， 同じ く許容範囲が小さい こ と， C ．S． ’_Rの 最適 値が小さ い こと，が明確に見受け ら れ る。 　これらの こと は，4．と比 較 じて _， 住 居 床での動 作が 非 常に緩 慢で あ ること，さ らに_床と 足 との間の くつ 下や ス リッパの介在が靴や サ ンダルの介在よ りもよ り安 定し ており，すべ り の刺 激が敏 感に 足裏に伝わ ること， など か ら生じて い ると想 定で き る。 　5．5 住 居床のすべ りの評価指標の提 示 　5．4の_考察と図一 _5，図一_{6か ら対 象 とし た床の} C ．S ． R の最 適 範 囲と許 容 範 囲の_例を次の よ うに_求める こ と がで き る。 ・ 　

C

．S．R の最適 範 囲はすべ _ての場 合の最 適 値 を包 含 す る範 囲 として図一6 よ り0，36〜O．42と なる』 　また，C 。S．R の許 容 範 囲は 図一6よ りO．　30〜O．　46と な る。』　 　 ・　 　 　 ’ 　以 上の検 討か ら下 記の範 囲お よ び図一5， 図一6を本 研 究で対 象 と した住 居 床の すべ _{りの評価指標と し て提 示} で きる。 　 ・ C ，S ．　R の最 適 範 囲 　 　 ：0．36−O．42 　・C ．S．　R の許 容 範 囲 （例 ）：OL　30− O．46 　た だ し，許 容 範 囲は一例で あ り，厳 密・に は使 用 目 的， 動 作の形 態 ・激 し さ，な ど を考慮し その都 度 図一5か ら 許 容 範 囲を求め るのが妥当とい え る。 　6．床の すべ り の評価方 法の提示 　本 研 究で提 示 する すべ _りの_{評価 方法}お よ び手続きはつ ぎのと お りで あ る。 　 （1 ）対 象と す る床の C ．S．R を0 −Y ・PSM で測 定 する。 　 （2 ）求め たC ，S ．R を本 報告で提 示 し た評価指 標に 照 合し て，対象と す る床の すべ _{りを評価す る}。’ 　こ の際，本 研 究で対 象と し た以外の_{歩 行}に_供する水 平 な床や，特定の動 作の頻 度の高い床のすべ _{りめ 評 価}は， 対 象と する床で の動 作の形 態，激し さ お よ び履 物な どを そ の都 度 本 研 究に お け る条 件と 照 合 し， 図 一_2，図一₅ のなかか ら該 当す る評 価指標を 用いて行え ば よい。 　こ こ で，実 際の_床の すべ _{り抵 抗}に影 響すると考え られ る お も な 要 因に は，． 　 （a）履 物 底の諸性 質 ：_材種，硬 さv 凹 凸 な ど 　（b） 床 仕上材料お よび履 物 底に付 着して い る物 質 ： 　 　 　水，油，土砂，ワッ クス，摩 耗 粉 ；な ど が あげ

　 　 　 ら れ る。 　そ れ故， 手 続き （1 ）に おい ては，厳 密に は実 際に使 用す る履物底 をすべ り片台座に装 着 して すべ _{り片 とし，} （くつ下の よ うに非 常に薄い履 物 底の場所はすべ _{り片 台} 座に シ ョ ア A 硬度 10_， 厚さ10m 皿 の _{発 泡}ゴ ム を装 着し た上に所 定の履 物 底 を装着してすべ り片とする ）実 際の 使 用 下に ある床を対 象と して C，S．R を求める必 要が あ る。 　なお本 研 究の段 階で は裸足 の すべ り片 を作 成する こと が不 可 能で あ り，裸足での すべ り抵 抗 係 数の測定に_関し て は_今後の_研究課題と して残 さ ざるを得ない。 　また， すべ り か ら み て最 適な床 仕 上 材 料 を選 択 ・開発 す る場 合や対 象と す る 床の より一般 的な使 用状況に おけ る評 価 を 求める場合な どには，C．　S．R の測 定条 件と し て許 容 され る範 囲で，要因 （a_），〔

b

_{＞ を標 準 化す る必} 要 もある と考え られ る。C ．S．R の測 定 条件の_{標 準化}は 本 研 究の成 果 を広く実 際に_{適 用}す る観 点で非 常に重要な 意 味 を持つ が，現 在 研 究中で あ り現 時 点で は今後の課 題 とし て残さざる を得ない。 　7．結 　語 　おもに歩 行に_供す る建 築 物 床とし で一般 的と考え ら れ る事 務 所 等一般 建築 物 床お よ び住 居 床のすべ _りの_{評 価 指} 標な ら びに_評価方法を提 示 した。本 研 究 （そ の 1一その 4） を通し て_， 国 内 外で これ まで困難と され て き た床の すべ りを評 価する た めのひ とつ の_{有 効}な方 法を提示で き た と 考える。な お_本研究方法に よ る風 呂 場， 階 段 ・斜路，ス ポーツサーフェ イスな ど，動 作の形 態，激し さ などが_異 な る床の評 価 指標 お よび評 価 方 法は遂 次報告す る予定で ある。 　結 びにあた り，床材料を提 供いた だい たメーカー各位，・ 官 能 検 査に協 力いた だいた皆様， 検査 ・測定に協力いた だい た東 京 工 業 大学建築学 科小野 研究室の皆 様に謝 意 を 表し ます。 　な お， 研 究費の一部に昭 和 59年 度 文 部 省 科 学 研 究費 （一般C ：小野 英哲 ）を使用し まし た。 参 考 文 献 1＞小野 英 哲，河 田 秋 澄， 宮 木 宗 和， 川村清志，小 西 敏 正， 　　三上貴正，橋 田 浩，吉 岡丹 ：床のすべ _{り お よびそ}の_{評 価} 　　方 法に関 す る 研究，その 3すべ _{り試 験 機の設 計}・_{試 作}， 　 　日本 建築 学 会 論 文 報 告集，346号，1984．12 2） 小野 英 哲，小 西 敏正，須 藤 拓，三上貴正 ：住居床の性 能 　 　及 び その_{評 価 方 法}に関 する研 究，日本 建 築学会 学術講演 　 　梗 概集　1981，9

3）　SigleT，　Percy　A．：Relative　Slipperiness　of　F且eoT　_qnd

　 　Deck　Surface，　BMS 　Report　100，　NBS ，1943．6

4）　G．F．　C，_Baneff：Observations　_{Qn 　the}’_{Coefficient　of}

　　Friction’of_{Shoe 　Soiling　 Materials，　 RUBBER}

　　JOURNAL ，1956．12 5） 宇 野 英 隆，直 井 英 雄，遠藤佳宏 ；足 圧の変 化 より見た床 　 　のす4 り性 状につ’いて，日本建築学会大 会 学 術 講 演 梗 概 　 　 集，1973．10 6） 遠藤佳 宏，直井英 雄，宇 野 英 隆 ：足 と床の摩 擦 抵抗に関 　　す る実 験 的 研究そ の2，日 本 建 築 学 会 大 会 学 術 講 演梗 概 　 　集，』1979．9　』

7）Chaτles　H．　Irvine：A　HUMAN 　FACTORS 　AP − 　 　PROAGH 　TO　SLIPPERY 　FLOORS 　SLIPPERY

　　SHOES ，　AND　LADDER 　DESIGN ，　PROCEEDINGSof

　　the　HUMAN 　FACTORS 　SOCIETY −22nd　ANN ．UAL

　 　MEETING −1978

8＞ 小野 英 哲， 宮木宗和，河田秋澄，吉 岡 丹 ：床の すべ り お

　 　よ び その評 価 方 法に関す る研 究，そ の 1．研 究 方 法お よ

　　びすべ り 感覚の尺 度 化，日本 建 築 学 会 論 文 報告集 第 321

'

SYNOPSIS/

UDO1

'

69.025:539.53:72.011.8

STUDY

ON'

THE

'SLIPPERrNESS

OF BUILDING FLOORS

AND

IT'S

METHOD

OF EVALUATION

'

Part4

Evaluating

method of the slipperiness of

building

floors

byDr.HIDENORI ONO, TAKU SUDOH, and KIYOSHI

TAKEDA, Membersof'A. I.J.

Thispaper presentsa method toevaluate the slipperiness of builclingfloorsinwalking, which is･basedon the relation betweenthe evaluating scales of slipperiness and theCoefficient of Sli'p Resistance

(C.

S.R),

meelsured

with 0-Y -PULL SLIP METER

(O-Y

･PSM) reported' in_part3.

_'Theoutline of thisstudy isas follows. '

,Thb first,in order to rnake theevaluating scale basedon thesubjective

judgement

of slipperiness fromthe

' '

viewpoint of safety and comfortableness, the sensory test on slipperiness was･ taken place under the following '

conditions.

The sensory test was consisted' of two stages, namely, the first stage was for cemmon floorsas that of office buildings, and tbe second stage was for

Japhhese

residence floors.

The nurpber ofsample floors were9in thefi.rst stage, and lOinthe second stage. ･ . ･ Actionswere walking, dashing,stopping and turning, ,

Footwearsvvere shees.and sandals inthefirststage, socks and slippers inthesecdnd stage. ･

Subjectswere men and women, ' ･･.･'

'The _{rnethod of sensory testwas} "the _{method of succe'ssive categories"..} ･ . .･,

'

Afterthe'te'st,evahititing scales basedon thesubjective

judgernent

of slipperiness were obtained.

Then, the Coefficient of Slip Resistance

(C.

S.R), of sample floors was measured with O-Y ･ PSM. '

Based on the.relationbetweenthe,evaluating scales and C.S,R, there were littledifferences

between

safety and comfortableness _' betweenmen and women, and among footwears. ･''

'

Ineach cases, there was theoptima} range of slipperiness. 1 ,

The optimal ranges of C.S, R were O.55-U. 70incommon floorsand O.36rwO,42inresidence fLoors.

These results were pTesented as an evaluating index on s!ipperiness with the method toevaluate the slipperiny ness of buildingfloors,inwalking.