4月製造業PMIは2ヵ月連続50を超えたが、やや低下
4月30日、中国国家統計局と中国物流購買連合会が発表した4月の製造業購買 担当者指数(製造業PMI、国有企業が中心)は前月比▲0.4ポイントの50.1となっ た。PMIは3月からは低下したものの、2ヵ月連続で景気改善・悪化の分岐点とされる 50を上回っている。また、財新(Caixin)が発表した民間中小企業が多く含まれる製 造業PMIは同▲0.6ポイントの50.2となった。足元の製造業は、官・民ともに改善の基 調にあるものの、「新規受注」の減速で、伸び率がやや鈍化した。 4月の政府発表値の非製造業PMIは前月比▲0.5ポイントの54.3となり、4ヵ月連続 で54.0以上の高水準で推移している。内訳では「ビジネス業」と「建設業」の指数は3 月から低下したものの、堅調さを維持。一方、財新(Caixin)のサービス業PMIは前 月比+0.1ポイントの54.5となり、2012年5月以来、18年1月次ぐ高水準となった。国内 市場の需要増による「雇用」拡大に加え、民間企業が積極的に海外市場を開拓し たことから、「新規輸出受注」が14年末の調査開始以来の高水準となったことが、民 間のサービス業PMIを押し上げた。非製造業においては民間企業が政府系企業を 上回る回復ぶりを見せた。4月の製造業購買担
当者指数(PMI)は政
府・民間ともに改善
基調も、3月からは低
下
4月30日、中国政府が発表した4月製造業購買担当者指数(PMI)は前月比▲0.4ポイントの
50.1となり、伸び率がやや鈍化したものの、2ヵ月連続で景況感の境目とされる50を上回っ
た。非製造業PMIは同▲0.5ポイントの54.3となり、引き続き高水準で推移。
民間企業が統計の中心である財新(Caixin)が発表した4月の製造業PMIは前月比▲0.6ポイ
ントの50.2となり、内外「新規受注」の低下が足かせとなった。一方、サービス業PMIは前月比
+0.1ポイントの54.5となり、2012年5月以来、18年1月に次ぐ高水準となった。
マーケット・フォーカス
経済:中国
投資情報部 シニアエコノミスト 呂 福明 48 49 50 51 52 53 54 55 56 政府製造業PMI 政府非製造業PMI Caixin製造業PMI Caixinサービス業PMI製造業と非製造業PMIの推移
(月次:2016/4~2019/4) 改善 悪化政府が発表した4月の製造業PMIを項目別にみると、政府の内需喚起策と季節要 因が相殺されたことで、構成ウェイトが最も高い(30%)「新規受注」は3ヵ月連続50を 上回ったものの、前月比▲0.2ポイントの51.4となり、全体の足を引っ張った。一方、 米中貿易協議の先行き不透明感が残るものの、「新規輸出受注」は同+2.1ポイント の49.2となった。内需はやや軟調だったのに対して、外需の拡大基調が続いてい る。「生産高」(構成ウェイト25%)は2ヵ月連続50を上回ったが、同▲0.6ポイントの 52.1となった。それを受け、「雇用」(構成ウェイト20%)は同▲0.4ポイントの47.2と 2012年1月以来の低水準に落ち込んだ。「原材料在庫」は同▲1.2ポイントの47.2に 低下し、「完成品在庫」が同▲0.5ポイントの46.5となり、需要面の軟調さから、在庫 調整が続いている。他方、「投入価格」が同▲0.4ポイントの53.1となったのに対し て、「産出価格」が同+0.6ポイントの52.0に上昇し、両者の価格差が2ヵ月連続で縮 小していることから、関連企業の利益が拡大していると示唆される。特に、原材料購 入価格に対して鉄(金属)冶金および圧延の販売価格上昇幅が特に大きかったこと や、3月の生産者物価指数(PPI)のうち生産財の価格回復が顕著であることから、川 上産業の利益が拡大していると考えられる。また、ハイテク製造業PMIは同+0.9ポイ ントの52.9と引き続き加速しており、産業構造の高度化が続いているとみられる。 規模別では、「大企業」は前月比▲0.3ポイントの50.8、「中型企業」が同▲0.8ポイ ントの49.1と減速したものの、「小型企業」が同+0.5ポイントの49.8と2ヵ月連続で改 善し50近辺に戻った。政府の小型・零細企業向け減税や企業負担減等の政策が 功を奏し、「小型企業」の「生産高」が同+0.4ポイントの51.2(5ヵ月ぶりの高水準)と なったこと等から、これらの企業の経営状況が改善されたとみられる。
製造業PMI(政府値)
は、内需の伸びが鈍
化する一方、外需が
拡大
「大中型企業」は減
速、「小型企業」が引
き続き回復
45 47 49 51 53 55 57 13/1 13/8 14/3 14/10 15/5 15/12 16/7 17/2 17/9 18/4 18/11 生産高 新規受注 雇用 新規輸出受注 出所:CEICのデータよりみずほ証券作成 製造業PMIの主要項目別の推移 (月次:2013/1~2019/4) (年/月) 改善 悪化 44 46 48 50 52 54 56 12/2 12/10 13/6 14/2 14/10 15/6 16/2 16/10 17/6 18/2 18/10 大型企業 中型企業 小型企業 出所:CEICのデータよりみずほ証券作成 (年/月) 製造業PMIの企業規模別の推移 (月次:2012/2~2019/4) 改善 悪化他方、4月の非製造業PMI(政府値)は前月比▲0.5ポイントの54.3と減速したもの の、景気拡大と縮小の分岐点である50を上回り、引き続き高水準を維持。業界別に みると「ビジネス業」は同▲0.3ポイントの53.3となった。統計対象の21業種のうち19 業種が50を上回った。水上・航空輸送業や郵便、金融関連が堅調だった一方、陸 上輸送業等の不振が足かせとなった。一方、「建設業」が同▲1.6ポイントの60.1とな り、そのなかの「新規受注」が同▲3.3ポイントの54.6、「雇用」が同▲3.9ポイントの 50.2と大幅に低下したことが主因とみられる。
非製造業PMI (政府
値)は「ビジネス業」
と「建設業」の減速で
3月から低下
50 52 54 56 58 60 62 64 66 12/412/1113/6 14/1 14/8 15/315/1016/516/1217/7 18/2 18/9 19/4 非製造業PMI ビジネス 建設 出所:CEICのデータよりみずほ証券作成 (年/月) 非製造業PMIの業界別推移 (月次:2012/4~2019/4) 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 13/1 13/8 14/3 14/10 15/5 15/12 16/7 17/2 17/9 18/4 18/11 新規受注 産出価格 雇用 非製造業PMIの主要項目推移 (月次:2013/1~2019/4) 出所:CEICのデータよりみずほ証券部作成 (年/月) 改善 悪化 新規 受注 生産高 雇用 サプライヤー 配達 原材料 在庫 新規輸出 受注 輸入 購入量 投入 価格 産出 価格 完成品 在庫 受注残 生産事業 活動期待 3月 51.5 53.3 53.1 49.1 50.1 49.6 51.3 51.3 53.0 53.4 48.9 47.3 46.0 58.7 4月 51.4 52.9 53.1 49.0 50.2 49.5 50.7 50.2 52.6 53.0 50.2 47.2 46.2 58.4 5月 51.9 53.8 54.1 49.1 50.1 49.6 51.2 50.9 53.0 56.7 53.2 46.1 45.9 58.7 6月 51.5 53.2 53.6 49.0 50.2 48.8 49.8 50.0 52.8 57.7 53.3 46.3 45.5 57.9 7月 51.2 52.3 53.0 49.2 50.0 48.9 49.8 49.6 51.5 54.3 50.5 47.1 45.7 56.6 8月 51.3 52.2 53.3 49.4 49.6 48.7 49.4 49.1 51.8 58.7 54.3 47.4 46.7 57.0 9月 50.8 52.0 53.0 48.3 49.7 47.8 48.0 48.5 51.5 59.8 54.3 47.4 45.2 56.4 10月 50.2 50.8 52.0 48.1 49.5 47.2 46.9 47.6 51.0 58.0 52.0 47.1 44.3 56.4 11月 50.0 50.4 51.9 48.3 50.3 47.4 47.0 47.1 50.8 50.3 46.4 48.6 44.3 54.2 12月 49.4 49.7 50.8 48.0 50.4 47.1 46.6 45.9 49.8 44.8 43.3 48.2 44.1 52.7 1月 49.5 49.6 50.9 47.8 50.1 48.1 46.9 47.1 49.1 46.3 44.5 47.1 43.7 52.5 2月 49.2 50.6 49.5 47.5 49.8 46.3 45.2 44.8 48.3 51.9 48.5 46.4 43.6 56.2 3月 50.5 51.6 52.7 47.6 50.2 48.4 47.1 48.7 51.2 53.5 51.4 47.0 46.4 56.8 4月 50.1 51.4 52.1 47.2 49.9 47.2 49.2 49.7 51.1 53.1 52.0 46.5 44.0 56.5 18 19 (注)濃緑字、薄い緑の背景は50を上回り、景気改善を示す 出所:中国国家統計局、CEICのデータよりみずほ証券作成 製造業PMIの主要項目の推移(政府値) (月次:2018/3~2019/4) 年 月 製造業 PMI 構成指数 その他関連指数財新(Caixin)が発表した購買担当者指数はまだら模様。民間中小企業が多く含 まれる製造業PMIは前月比▲0.6ポイントの50.2だった。内外「新規受注」の低下が 足かせとなり、3ヵ月ぶりに減速した。「生産高」の伸び悩みを背景に企業がコストコ ントロールの一環として、人手の採用を抑えたことから、「雇用」も縮小したことが低 下に拍車をかけた。 一方、財新(Caixin)のサービス業PMIは前月比+0.1ポイントの54.5となり、2012年5 月以来、18年1月に次ぐ高水準になった。国内市場の需要改善を背景に「新規受 注」が引き続き拡大している。民間企業が積極的に海外市場を開拓したことから「新 規輸出受注」は14年末の調査開始以来の高い伸びを見せた。これを受けて「雇用」 が小幅ながら上昇した。