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環境影響評価法に基づく基本的事項等に関する技術検討委員会第6回

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(1)

1

微小粒子状物質(PM

2.5

)について

Ⅰ.微小粒子状物質(PM

2.5

)とは

PM

2.5

とは、大気中に浮遊する粒子状物質のうちでも特に粒径の小さいものをいう(粒

径 2.5μm 以下の微小粒子状物質)。

PM

2.5

については、呼吸器の奥深くまで入り込みやすいことなどから、人への健康影響

が懸念されており、欧米諸国では、独立の項目として環境目標値が設定。日本におい

ても、このような状況を踏まえ、中央環境審議会における審議を経て、平成 21 年 9

月、PM

2.5

に係る環境基準を告示。

図1 PM2.5 の大きさ、人の呼吸器での沈着領域(概念図)

(出典:EPA資料) (出典:国立環境研究所資料)

PM

2.5

(粒径2.5μm以下)

SPM(粒径 10μm以下) 人髪 (直径約70μm) 海岸の細砂 (粒径約90μm)

表1 PM2.5 の大気環境基準

物質

環境上の条件

微小粒子状

物質

1年平均値が 15μg/m

3

以下であり、かつ、1日平均値が 35μg/m

3

以下であるこ

と。(H21.9.9 告示)

1.

環境基準は、工業専用地域、車道その他一般公衆が通常生活していない地域又は場所について

は、適用しない。

2.

微小粒子状物質とは、大気中に浮遊する粒子状物質であって、粒径が 2.5μmの粒子を 50%の割

合で分離できる分粒装置を用いて、より粒径の大きい粒子を除去した後に採取される粒子をいう。

資料4-2

(2)

2

PM2.5 は、発生源から直接排出される一次粒子と、大気中での光化学反応等によりガ

ス成分(VOC、NOx、SOx

1

等)から生成される二次粒子に分類される。

PM2.5 の発生源は、自然起源と人為起源に分類される。黄砂や、火山排出物などの自

然起源の粒子には PM

2.5

より大きな粒径のものが多く含まれる。

図2 PM

2.5

の主な発生源と大気中の挙動(概念図)

(出典:国立環境研究所資料)

(3)

3

Ⅱ.PM

2.5

を巡る国内における対策等の概況

1.大気中濃度の測定状況

(1)測定法の検討と常時監視体制の構築

PM2.5 環境基準が策定されたことを受け、大気汚染防止法に基づき、地方公共団体に

よる大気汚染状況の常時監視が必要となったことから、環境省は平成 22 年 3 月、常時

監視の事務処理基準を改正し、PM2.5 を地方公共団体による常時監視の対象に追加し

た。その際、環境基準達成状況を把握するための質量濃度だけでなく、効果的な PM2.5

対策の検討に資する PM2.5 成分分析の実施も、同事務処理基準に盛り込まれた。

図3 PM2.5 常時監視に関する枠組

環境基準の設定(H21.9.9)

事務処理基準の改正

(H22.3.31)

常時監視マニュアル改訂

(H22.3.31)

自動測定機等価性評価

(第1回:H22.10.15)

(第2回:H23.7.4)

成分分析ガイドライン

(H23.7.29)

成分分析マニュアル

(H23.10頃予定)

質量濃度測定法: PM2.5 の大気環境基準策定と同時に、その標準測定法(濾過捕集

による質量測定法)が定められた。また、比較的労力のかかる濾過捕集法に代わり、

日常的な監視等に必要となる濃度の時間変動等を迅速に把握するため、これと等価の

性能を持つ自動測定機を導入すべきことから、環境省は、平成 22 年 10 月から翌年 7

月にかけて、複数の自動測定機種の等価性を確認した。

成分分析法: PM2.5 の成分分析は、効果的な PM2.5 対策の検討のため、PM2.5 及びそ

の前駆物質の大気中挙動等の科学的知見の集積並びに PM2.5 の発生源寄与割合の推計

に資する。このことから、環境省は、平成 23 年 7 月に PM2.5 成分分析ガイドラインを

策定した。また、同 11 月、成分分析マニュアルを策定見込み。

常時監視体制の構築: 環境省は、

「事務処理基準」等において、PM2.5 質量濃度測定・

PM2.5 成分分析ともに、平成 25 年度末を目途に常時監視体制の整備を図ることとして

いる。

(4)

4

現段階では、質量濃度測定に関する常時監視の整備状況は表2のとおり。成分分析実

施箇所はさらに少ない状況である。

表2 PM2.5 常時監視体制の整備状況

H22

H23

H24(計画)

SPM*

北海道・東北

6

7

13

24

9

33

29

10

39

213

関東

34

24

58

80

49 129 113

64 177

347

北陸・中部

13

5

18

49

17

66

66

22

88

243

近畿

7

6

13

42

19

61

60

30

90

172

中国・四国

12

1

13

38

2

40

47

5

52

141

九州

4

2

6

26

10

36

43

13

56

176

合計

76

45 121 259 106 365 358 144 502 1,292

「一」:一般大気測定局、「自」

:自動車排ガス測定局

* 事務処理基準に基づく SPM(浮遊粒子状物質)の測定局数(参考データ)

(3)成分分析と発生源寄与

平成 21 年度までの環境省等による大気中濃度測定結果からは、今後、全国的に PM2.5

大気環境基準が達成されない結果となる可能性が示唆されている。

(ただし、平成 21

年度までの測定結果には、結果として標準測定法と等価でない測定法を用いていたも

のが少なくなく、環境基準との定量的な比較が難しい。

また、これまでの成分分析の結果からは、全国で黄砂とみられる土壌粒子が観測され

ていることや、国内の人為発生源の影響が少ないと考えられる地域(離島地域等)に

おいても PM2.5 中に高い濃度の硫酸塩成分(主として、火山活動など自然由来のほか、

石炭等化石燃料の燃焼課程から発生)が観測されていることから、海外からの移流分

が国内の PM2.5 濃度に影響していることが示唆されている。

H19年平均値 (フィルタ法による) 0 10 20 30 μ g/m3 EC(元素状炭素) OC(有機炭素) NO3(硝酸イオン) SO4(硫酸イオン) NH4(アンモニウムイオン) Mg+Ca+K+Na+Cl その他の成分 一般局 自排局

図4 日本各地における PM2.5 成分分析結果

(5)

5

表3 日米のバックグラウンド地域における PM2.5 濃度

<日本>

<米国>

地域

調査地点名

μ g/m

濃度

3

海浜

青森県竜飛岬

9.0

和歌山県潮岬

10.9

離島

東京都小笠原(父島)

6.0

長崎県対馬

11.8

山地・森林・

原野地域

北海道釧路湿原

7.2

宮城県箟岳

10.4

岐阜県伊自良湖

9.3

高知県梼原

9.2

地域区

地域名

濃度

(μ g/m3

西部

Northwest

3.55

Southwest

3.91

東部

Transitional

to East

Region

5.15

IMPROVEサイトにおける1988.3~ 1991.2の測定値の年間平均濃度 (フィルタ法による) 国設酸性雨局等における 2008年度の測定値の年間平均濃度 (フィルタ法による)

(注) 図4及び表3の PM2.5 年平均値データは、常時監視マニュアル(第6版)改訂前

のものであるため、参考値である。

2.排ガス中の濃度測定状況(一次粒子)

固定発生源: 国際標準化機構(ISO)のもと、固定発生源からの排ガス中濃度測定

法の ISO 規格化が進められている。多段式(カスケード)インパクターを用いた測定

法の ISO 規格が 2009 年に公表された(ISO 23210:20090)が、この測定法では高濃度

側での測定結果が過大評価になる技術的課題があり、これを改善したバーチャル・イ

ンパクターを用いた新たな測定法の ISO 規格化の作業が進行中である(ISO/DIS

13271)

。なお、2011 年 8 月現在、ISO/DIS 13271 は、

「FDIS(国際規格最終案)として

の登録に向けて承認済み」の段階にある。

2

(ただし、本測定法は、凝集性粒子

3

も含

めて測定できるものではない。

(別紙1参照)

移動発生源: 自動車排ガス中の微小粒子(PM2.5 含む)の測定法については、国立

環境研究所等の研究機関においてシャシダイナモおよび希釈トンネルを用いた方法の

検討が行われてきており、再現性のある測定法がおおむね確立されている。ただし、

PM2.5 に特化した公的な測定法はまだ定められていない。

2

神谷秀博、環境管理 Vol. 47, No.3(2011)。 ISO ウェブサイト(2011 年 10 月現在)。

3

高温の煙道中ではガス状であるが、ガスが大気中に放散され希釈・冷却される過程で粒子化するもの。

(6)

6

3.対策等の今後の展望

環境省においては、今後、常時監視の結果を踏まえつつ、PM2.5 及びその原因物質の

排出インベントリの作成やシミュレーションモデルの構築に係る取組を強化し、PM2.5

に係る対策の検討・実施につなげていくこととしている。

4

図5 PM2.5 に係る今後の取組の枠組

⑤対策の検討(国・地方)

・対象物質・発生源の選定

・対策地域の設定

・導入する対策技術の特定

・将来予測の実施 等

⑦自動測定機の等価性評価

(国)

⑧排出インベントリの作成

(国(・地方))

⑨発生源周辺調査

(国(・地方))

⑩対策技術リストの策定

(国(・地方))

⑥対策の実施

⑪レビュー・見直し

③シミュレーションの構築・運用

(国(・地方))

④発生源寄与割合の把握(国(・地方))

①常時監視(地方(・国))

・質量濃度

・成分分析

②科学的知見の集積(国(・地方))

4

環境省水・大気環境局大気環境課、資源環境対策 Vol.47, No.11, 2011

(7)

7

Ⅲ.諸外国における環境影響評価での PM

2.5

の取扱

1.米国における概況

概況: 米国では、大気清浄法(CAA)に基づき 1997 年に PM2.5 の大気環境基準が設

定され、同法に基づき州政府に対してその基準達成が義務付けられている。また、個

別事業から発生する PM2.5 についても、周辺環境に影響を及ぼすとの観点から、国家

環境政策法(NEPA)に基づく環境影響評価制度の中で評価がなされている。両法体系

は直接的には連携していないが、地域全体の環境基準達成のため相補的な役割を果た

している。

調査・予測等の手法: 現地調査(事業者による大気中濃度の実測)は必須ではなく、

事業や地域の特性に応じてケースバイケースで判断される。現地調査を行わない場合

は、近隣の大気モニタリング情報等を用いることとされている。また、予測モデルと

しては、AERMOD

5

や CALPUFF

6

等プルーム式・パフ式の近接場モデルが、環境保護庁

(US-EPA)による「大気質モデルガイダンス」で示されている。しかし、これら近接

場モデルでは、二次粒子についての考慮はできないことから、事業からの排出による

二次粒子や他の排出源からの前駆物質の影響は評価できない。このことは、同ガイダ

ンスの中で、ガイダンスの限界に関する留意事項として言及されている。

環境保全措置: CAA に基づく PM2.5 排出削減のための各種規制プログラムの中で、

「利

用可能な最善の抑制技術(BACT)」や「合理的に適用可能な抑制技術(RACT)」が定義さ

れ、個別事業の CAA 規制対応において採用された BACT・RACT 等の技術の情報が、ウェ

ブ上で提供されている。環境影響評価制度において個別事業に用いられた環境保全措

置については、別紙3・4を参照。

PM2.5 を対象としている評価の事例は、別紙2に示すとおり。また、その中でも代表

的な2事例について、さらに詳細を個表(別紙3・別紙4)として添付した。

2.英国における概況

概況: 英国では、PM2.5 大気環境目標値が 2010 年に設定され、国による大気環境戦

略についてはまだ検討段階であり、PM2.5 の排出規制等も未導入である

7

。また、同目

標値は、その性格上、現時点では、地方における環境管理の対象として整理されてお

5

AERMOD(AMS/EPA Regulatory MODel) EPA が推奨する SO2 やオゾンなどの大気中濃度推算モ

デル。複雑地形状の大気拡散、建屋拡散、対流混合層内の拡散なども対応可能な汎用モデル。

6

CALPUFF(California Puff Model) 沿岸部や複雑地形による非定常な気流変化による汚染物質の移

流・拡散に対応するために開発されたモデル。三次元気流モデルにより生成された気流の場において、

移流パフによる汚染物質の移流拡散計算を行う。

(8)

8

らず、地方自治体に対して目標達成計画の策定等が課されていない。一方、英国にお

ける環境影響評価の手法は、通常、事業者と地方自治体が協議を重ねることで決定さ

れ、一般的には地方における大気環境管理の対象であるものについて評価が求められ

る。こうした背景から、現時点においては、地方自治体が個別事業に対して PM2.5 の

環境影響評価を要求した事例は確認されていない。

技術的手法: 大気環境戦略の検討において、基礎的なツール(排出インベントリ、

セクター別の排出削減対策のデータベースなど)が整備されてきており、環境影響評

価を行う技術的な基礎は整いつつある。

その他: 環境・食料・農村地域省(Defra)担当者によれば、仮に地方自治体が PM2.5

評価を要求した場合は、PM10 の評価手法を基本として評価を行うことが想定される、

とのこと。

(一次粒子のみ考慮し、二次粒子や凝集性粒子は考慮しない)

2.カナダにおける概況

概況: カナダでは、PM2.5 大気環境目標値が 2000 年に設定され、各州にその達成義

務がある。また、カナダにおける環境影響評価制度は、実質的には各州政府にその実

施が委任され、各州が実施に係る法令を持っている。

技術的手法等: 例えばアルバータ州では、PM2.5 が環境影響評価の対象物質とされ

ているが、基本的には米国で使われている(US-EPA が推奨する)環境影響評価のガイ

ダンスに従うこととしており、用いられる大気モデル等も米国に準じる。ただし、気

象・地形に関するデータは、カナダ国内のものを利用。

(9)

9

【参考】我が国における環境影響評価制度での類似物質の取扱い

1.SPM(浮遊粒子状物質)

アセス法対象事業において、SPM が参考項目として選定されているのは、道路、火力

発電所及び面整備等事業である。

これら事業における予測手法としては、①道路・面整備等事業においてはプルーム式

及びパフ式による計算が、②火力発電所については、原則として「窒素酸化物総量規

制マニュアル」に示された方法等が、それぞれ参考手法として挙げられている。

表4 各主務省令における SPM の参考手法等の概要

対象事業

影響要因の区分

参考手法

道路

自動車の走行

春夏秋冬ごとにそれぞれ1週間

火力発電所

施設の稼働(排ガス) 原則として一年間(高層の気象を調査

する場合は、季節ごとに各1週間)

宅地造成事業、工業

団地造成事業等

工場等の稼働

春夏秋冬ごとにそれぞれ1週間

排出量の算出方法: 固定発生源については、事業計画に基づき算出した燃料使用量

等と排出係数を用いて大気汚染物質の排出量を算出する。移動発生源については、車

種別、速度別排出係数を用いて、推計した条件における排出量を算出する。

環境保全措置: 環境影響を可能な限り回避・低減するため、以下のような環境保全

措置が、考えられる。

その他: 環境影響評価における SPM の予測では、一般的に大気中における生成過程

が明らかでない二次生成粒子、凝集性粒子は考慮しない。

表5 過去の SPM 関連アセス案件における代表的な環境保全措置(大気)

工事

(建設機械の稼動)施工土量の削減・分散、排出ガス対策型建設機械の

導入、作業停止中の建設機械のアイドリングの禁止、建設機械の複合同

時稼動・高負荷運転を極力避ける、建設機械のベース基地や移動経路

は可能な限り保全対象地施設から離す散水、工事用道路を仮舗装、強

風の場合は工事の中断あるいは建設機械稼動範囲の制限、工事用車

両の洗車、工事用車両の速度制限、必要に応じて防塵ネットを設置(運

搬車両)施工土量の削減・分散、隣接事業との調整、保全対象施設が分

布する道路を極力避け施工区域までのルートを複数確保、工事用車両

が同一時間帯に集中しないよう配慮

存在供用

(自動車交通の発生)道路交通網の整備により計画区域周辺の幹線道

路交通量を分散、計画区域内の新規道路は植樹帯を含む自歩道幅を

広く確保、樹林地の保全と新規植栽を極力実施

(10)

10

2.光化学オキシダント

いずれの事業種でも、光化学オキシダントは主務省令で参考項目等として規定されて

いない。なお、発電所のアセスの手引きにおいては、光化学オキシダントを参考項目

として選定しない理由として、以下のように記載している。

「光化学反応により大気中で生成される物質であり、そのメカニズムは十分解明され

ていないこと等から、光化学オキシダントそのものとして予測することは困難である

ことから、参考項目として設定しない。

(11)

11

(参考)ISO における規格作成プロセス

(12)

12

(13)

13

事 例1.デトロイト複合輸送貨物ターミナル建設の概要

調 査 項 目 概 要 調 査 手 法 調 査 方 法 ・ 地 域 レ ベルでの適合(Regional Conformity)  運輸系事業の場合(1地域にディーゼル車両が集中する事業8)には必要  最終案(Pref erred Alternative)では、交通網の改編が生じることから南

東 ミ シ ガン議会が地域レベルでの適合を実施中  地域レベルでの適合では、州達成計画(CO、O3、PM2.5)で定められた 排出量枠(Budget)を超えてはならない。しかし、PM2.5の州達成計画 は作成段階であり、排出枠は未だ設定されていないことから、将来の年 排出量が 2004 年レベルを超過しないかを評価する(EIS 作成時点で南 東 ミ シ ガン議会による評価は完了していない) ・ ホ ッ ト スポット分析  事業実施による未達成地域の大気質への影響を評価(事業実施が超過や 達 成 計 画の遅延等の規制違反を引き起こさないかを調査)  PM2.5及 びPM10のホットスポット分析は、適切な定量的手法とモデルガ イ ダ ン スが完成するまでは、定性的手法を利用  PM10に つ いては地域的に移 動発生源の影響は少 ないとされていること か ら 、 適合の評価は要求されていないものの、定性的評価は実施  U.S.EPA と連邦高 速道路局が作成した「 Transportation Conf ormity

Guidance for Qualitativ e Hot-spot Analysis in PM2.5 and PM10

Nonattainment and Maintenance Areas」(2006 年 3月)にある方法 A 及 び 方 法B のハイブリッド型で実施 [方法 A] 既存の類似事業(関連機関と協議してもよい)との比較 [方法 B] 対象地域における大気質調査(SIP関連情報・データを活用) 調 査 範 囲 ・ Liv ernois-Junction ヤード ・ ト ラ ッ クが往来するターミナル間の道路網 調 査 地 点 ・ Liv ernois-Junction ヤード近くに位置する以下3箇所をホットスポットとして 特 定  交差点  ゲート  幹線道路 調査期間・頻度 2004 年、2015 年(排出最大年)、2025 年(DEIS 時)、2030 年(FEIS 時) 収 集 す る情報 ・ デ ー タ ・ 大 気 質 の傾向とU.S.EPA の対策の状況 ・ 事 業 計 画周辺地のモニタリングデータ ・ 気 象 条 件(降水、温度、湿度) ・ 有 害 大 気物質及びPM2.5の 健康影響及び既存知見 ・ 事 業 実 施による交通量変化予測 ・ タ ー ミ ナルでの排出量予測 ・ 周 辺 道 路にける排出量予測 ・ 同 様 事 業の学術研究 予 測 手 法 大 気 モ デル - ( 定 性的なホットスポット分析なので、大気モデルを用いた予測は未実施) 予 測 領 域 - 排 出 量 算出 方 法

・ MOBILE6.2 を用いて車両走行距離(Vehicle Miles Traveled:VMT)を算出 評 価 対 象物質 ・ PM2.5( 直 接 排 出のみで、二次粒子は考慮しない) 予 測 検 証 - バ ッ ク グ ラ ウ ン ド の 扱い - ( 対 象地域における大気質調査(SIP 関連情報・データ)を活用) 評 価 手 法 ・ 指 標 評 価 す る期間 2015 年及び 2025 年(DEIS 時)、2030 年(FEIS 時) 環 境 基 準 と の 比 較 ※ 周 辺 大気質の予測は行っておらず、基準との比較評価は実施していない ・ 近隣のモニタリング局3 局のベースラインデータは、1997年基準(年平均、

8 40CFR93.123(b)(1)(iii)

別紙3

(14)

14

調 査 項 目 概 要 24 時間)、2006 年基準を下回っている。 排 出 規 制 と の 比 較 ・ MOBIL6.2 はホットスポット分析に用いるよう設計されていないものの9、 Liv ernois-Junctionヤード近くの道路(Wy oming Street)における 2004年時の 排出量0.13トンは 2015 年に半減し、2030年には 0.05トン程度にも削減が見 込 ま れ 、未実施の場合と大差なく、無視できる程度である 健 康 リ ス ク を 利 用 し た評価 ※U.S.EPA 及びミシガン州環境保護局が公表している PM2.5及び有害大気物質の 一般的な健康影響についてまとめており、現時点で本事業に適用可能な曝露モデ ル や リ スク評価はない。 複 数 案 間の 比 較 ・ 交通量増加が予想される期間:2010年~2019年で、近隣での計画事業、トラ ッ ク 量 及び機関車改良を考慮し2015 年を最大排出年としては設定し比較 ・ PM2.5排 出 量 予測結果より、最大排出年では2004 年排出量を下回る。 現 状 最 終 案 Pref erred Alternativ e 未 実 施 2004 年 43.3 トン - - 2015 年 - 8.8 トン 26.0 トン 2030 年 - 14.9 トン 30.9 トン 環 境 未 達 成 地 域 で の 評 価 方 法 ・ 対 象 地 域はPM2.5年 平均基準の未達成地域 ・ 2009 年に 2006年基準(24時間値)の未達成地域に指定されているが、これ に対する適合評価は2011 年から開始となるため、本 EISでは参照基準として い る 環 境 保 全 措 置 事 業 種 に 応 じ た 措 置 及 び 対 策 技 術 ・ 環 境 保 全措置は要求されない。 ・ 自 発 的 保全措置として、以下が講じられる。  トラックが住宅地を横切らないよう入口を設置  バッファには住宅地との間に保全壁を設置  大気環境が改善されるよう道路移設の場所を選定  ヤードは全て舗装し、PM の飛散を防止  最新設備の出入口とすることで、トラックアイドリング時間を削減  アイドリング防止、鉄道用補助発電ユニットの設置、燃料の配慮(超低 硫黄燃料を2010 年 6月よりノンロード、2012年 6月より機関車に適用 等 )、 レトロフィット(10 年毎に設備更新)、ハイブリッド機関車  建設時は最善の方法を適用して実施し(エンジン停止によるアイドリン グ防止 、高感受性の受容 者からなるべく遠い場所で実施)、ディーゼル 排 出 によ る 近隣 への 影 響を 抑制 す るた め利 用 可能 な最 善 の抑 制技 術 (Best Available Demonstrated Control Technology)を採用

 ミシガン州交通局と建設事業関係企業の間で、建設期間中の大気汚染防 止 協 定 を締結予定  調査対象地域における PM2.5排出を抑制するため、ミシガン州交通局で は南東ミシガン議会、ミシガン州自然環境局、民間企業、地元コミュニ ティと共に粉じん、ディーゼルトラックのアイドリング、燃料消費やデ ィ ー ゼ ル排出に関して短期・長期目標を含む行動計画を策定する予定  大気汚染コントロール戦略についての住民及び関連企業への周知 複 数 案 の検討 - 他 の 大 気 汚 染 物質・環境影響 項 目 へ の 影 響 検 討 - 環 境 保 全 措 置 を 考 慮 し た 予 測・評価の手法 等 -

9 例えば、“Federal Register Vol.71, No.47/Friday, March 10 2006, Page 12499”では MOBILE6.2を局所スケールで用いる

(15)

15

調 査 項 目 概 要 事 後 調 査 必 要 な 場 合 の 条 件 ・ 大気環境について環境保全措置は要求されていないことから、モニタリング実 施も要求されていない。ただし、住民へのコミットメント強化として、大気汚 染防止に係る協定や行動計画が予定されており(「環境保全措置」参照)、その 実 施 状 況のモニタリングはなされる。 調 査 地 点 - 調査時期・期間 - 調査・評価手法 - 環 境 保 全 措 置 の 追 加 検討等 - そ の 他 建 設 時 の影響 ・ 大気清浄法では、建設時が 5年以内の場合は一時的な排出とされ、ホットスポ ッ ト 分 析は要求されない ・ 本事業では道路及びターミナルの建設があり、事業全体としては5年以上の建 設期間となるが、それぞれのサイトの建設活動が5年以上継続するものはない こ と か ら、ホットスポット分析は要求されない 結 論 ・ 以下の理由により、本事業による新たな大気質関連規制の違反、期日までの米 国 環 境 基準未達成は生じない。  南東ミシガン議会及びミシガン州環境保護局では PM2.5削減プログラム に注力していること(ディーゼル機関車改造、消費者製品コントロール 等 )  U.S.EPA では州際大気防止規則(CAIR)、自動車排出規制など厳しい広 域的対策を講じ ており、2008 年には機関車のアイドリング防止装置付 加 を 定 めた規制が導入されていること  いくつかの近隣 PM2.5主要排出源が排出の改善を行うこと(強制的コン ト ロ ー ルが製鉄所、製油所などに課される)  州実施計画における分析では、南東ミシガン議会が管轄する地域では、 本事業が開始される2010 年までに PM2.5基準(年平均 15μg/m3)を達 成 す る 予定であり、既存交通量も減少することになること  モニタリングサイトでの自動車排出量と測定データとの関係から、南東 ミシガン地域で は環境基準の超過は予測されない(2007 年に燃料中の 硫黄規制がなされる以前のLiv onia(最も交通量が多い地域)における測 定 局 で も基準を超過していない)  殆どのトラック所有企業は燃料節約のためアイドリング防止方針を有 し て い る

 Liv ernois-Junctionヤード近くの道路(Wy oming Street)における 2004 年時の排出量0.13トンは 2015 年に半減し、2030年には 0.05トン程度 に も 削 減が見込まれ、未実施の場合と大差なく無視できる

(16)

16

事 例2.石炭ガス化複合発電(IGCC)建設 の概要

調 査 項 目 概 要 調 査 手 法 調 査 方 法 ・ 大気質基準達成地域における新規固定発 生源事業であるため、1 PSD 許認可が必要。 ・ Class I 地区の 100km 圏内における発生源であるため、Class I 及 びClass II の評価を実施。なお、SO2,PM10について排出予測値が 事 業 に よる排出許容濃度を満足しないため、累積分析も実施。 ・ 本事業で主な排出源は発電事業であるた め、導入設備の仕様、操 業 シ ミ ュレーション、BACT分析により排出量を算出している。 調 査 範 囲 建 設 予 定地(候補地)2 サイト(フェーズⅠ及びⅡ ) 調 査 地 点 建 設 予 定地(候補地)2 サイトと周辺の測定局 調 査 期 間・頻度 - 収 集 す る情報 ・ デ ー タ ・ 設 備 装 置供給者提供データ ・ 利 用 可 能な最善の抑制技術(BACT) ・ 他IGCC 施設における同種設備のテスト結果 ・ 設 備 設 計シミュレーション値 ・ 排 出 係 数文献値(AP-42) 予 測 手 法 大 気 モ デル ・ AERMOD(近接場モデル) ・ CALPUFF(遠隔場モデル) 予 測 領 域 ・ Class II 地区は図 3.4参照、Class I 地区は図 3.5 参照、累積的影 響 分 析 は、2 箇所の Class I 地区から 300km圏 排 出 量 算出 方 法 ・ 最 高 排 出値を示す最悪シナリオを採用。 ・ 累積的影響分析では、300km 圏のすべての発生源の排出量を調査 し て モ デルにインプット。

評 価 対 象物質 ・ SO2、CO、NOx、Pb、直接排出 PM(PM10 & PM2.5)、VOC(オゾン)

・ PM2.5はPM10濃 度 に 係数(0.11)を掛けて推定。 予 測 検 証 - バ ッ ク グラウンドの扱い ・ PSD Class II 地区:周辺地区のモニター局 ・ Class I 地区:過去のモニタリングデータの最高値を使用(累積的 影 響 評 価) 評 価 手 法 ・ 指 標 評 価 す る期間 ・ 操 業 時 環 境 基 準との比較 ・ PSD 許認可に基づき、事業による許容増加レベル(SIL)、大気環 境 中 の 許容増加濃度(PSD Increment)との比較を実施。 ・ 米国環境基準(及びミネソタ州環境基準 )と比較。米国環境基準 比較に用いる予測値は、最大排出シナリ オによるもの(最大値) を 使 用 。 排 出 規 制との比較 ・ 排 出 規 制はない。 ・ 利用可能な最善の抑制技術(BACT)に係る分析の結果(排出量) を 既 存 の発電技術と比較し評価。 健 康 リスクを利用した評価 ・ 操業時 PM 排出量を健康リスク閾値と比較。 複 数 案 間の比較 ・ 事業を実施しない場合と2 つの建設候補地(西サイトと東サイト) を比較。比較は、高圧送電線、鉄道、市街地、Class I 地区との距 離 、 水 供給、土地資源価値に基づく。 環境未 達成地域での 評価方 法 - 環 境 保 全 措 置 事業種 に応じた措置 及び対 策 技 術 ・ PM について  石炭輸送時の密閉式移送システムにおける煤塵抑制措置  バグフィルター使用  風による煤塵拡散の抑制  トラックなどによる水しぶき防止のためのスピード規制  非舗装道路の散水  精製ガス使用  高効率ドリフト使用

別紙4

(17)

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調 査 項 目 概 要  低硫黄ディーゼル使用  フレアガスの精製技術導入 複 数 案 の検討 ・BACT 分析により排出量評価を実施。 他の大 気汚染物質・ 環境影 響 項 目 への影響検討 - 環境保 全措置を考慮 した予 測 ・ 評 価の手法等 ・BACT の導入。 事 後 調 査 必 要 な 場合の条件 ・ Part70/NSR による措置を構じるため、事後モニタリングが必要 で あ る (EIS では詳細は不明)。 調 査 地 点 調 査 時 期・期間 調 査 ・ 評価手法 環 境 保全措置の追加検討等

参照

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