早稲田大学大学院日本語教育研究科
博士学位申請論文概要
論 文 題 目
インターアクション能力育成を目指した会話教育
―教師と学習者による研究と実践の連携の必要性―
申 請 者
中井 陽子
2 0 1 0 年 9 月
1
第 1 章 序 論
本 研 究 の 目 的 は 、 学 習 者 の 日 本 語 の 会 話 に お け る 「 イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 能 力 」 の 育 成 を 目 指 す 会 話 教 育 に つ い て 分 析 ・ 考 察 を 行 い 、 新 た な 提 案 を す る こ と で あ る 。 そ し て 、 学 習 者 の イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 能 力 育 成 の た め に は 、 教 師 と 学 習 者 に よ る 「 会 話 デ ー タ 分 析―会 話 指 導 学 習 項 目 化―会 話 教 育 実 践( 会 話 実 践 )」と い う「 研 究 と 実 践 の 連 携 」が 重 要 で あ る と い う 点 に つ い て 主 張 す る 。 そ し て 、 会 話 教 育 の た め の 「 研 究 と 実 践 の 連 携 」 の 循 環 を 筆 者 が 実 際 に 試 み た も の か ら 例 と し て 取 り 上 げ る 。 以 下 の 六 点 が 主 な 論 点 で あ る 。 ① 学 習 者 の イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 能 力 ( 言 語 能 力 、 社 会 言 語 能 力 、 社 会 文 化 能 力 ) の 育 成 ② 会 話 教 育 の た め の 教 師 と 学 習 者 に よ る 「 研 究 と 実 践 の 連 携 」 と 双 方 の 学 び 「 会 話 デ ー タ 分 析―会 話 指 導 学 習 項 目 化 ―会 話 教 育 実 践 ( 会 話 実 践 )」 ③ 言 語 的 ア ク テ ィ ビ テ ィ と 実 質 的 ア ク テ ィ ビ テ ィ の 中 の 会 話 の 特 徴 と 能 力 育 成 ④ 日 本 語 母 語 話 者 の 歩 み 寄 り の た め に 必 要 な 能 力 ⑤ 会 話 教 育 が 主 体 的 に 行 え る 日 本 語 教 員 養 成 の 提 案 イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 能 力 育 成 を 目 指 し た 会 話 教 育 の た め の 「 研 究 と 実 践 の 連 携 」 の モ デ ル の 提 案 ( ① ~ ⑤ の 集 大 成 ) 本 研 究 が 目 指 す 会 話 教 育 の 理 念 の 土 台 と な る 会 話 、イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 能 力 、会 話 能 力 、 メ タ メ ッ セ ー ジ の 定 義 は 、【 表 1】 の 通 り で あ る 。 【 表 1】 イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 能 力 、 会 話 能 力 、 メ タ メ ッ セ ー ジ の 定 義 イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 能 力 状 況 や 人 間 関 係 な ど の 社 会 的 な 文 脈 の 中 で 人 と 関 わ り を 持 つ 中 で 、 相 手 と 協 力 し て 、 瞬 間 瞬 間 に 生 成 さ れ る イ ン タ ー ア ク シ ョ ン を 動 態 的 に 調 整 し つ つ 、 言 語 行 動 ( 語 彙 ・ 文 法 ・ 音 声 )、 社 会 言 語 行 動 ( コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン )、 社 会 文 化 行 動 ( 実 質 行 動 ) が 適 切 に 行 え る 能 力 会 話 能 力 音 声 言 語 や 非 言 語 を リ ソ ー ス と し て 動 態 的 に 調 整 し て 用 い つ つ 、 会 話 相 手 と 協 力 し て 会 話 空 間 を 作 っ て 参 加 し て い く た め の イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 行 動 が 適 切 に 行 え る よ う な イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 能 力 ( 言 語 能 力 、 社 会 言 語 能 力 、 社 会 文 化 能 力 ) メ タ メ ッ セ ー ジ 発 話 の メ ッ セ ー ジ に 付 随 し て 用 い ら れ る ト ー ン や ポ ー ズ 、 動 作 、 表 情 な ど の 言 語 的 ・ 非 言 語 的 な シ グ ナ ル や 、 発 話 自 体 で 二 次 的 に 伝 達 ・ 解 釈 さ れ る も の で 、 会 話 参 加 者 の 態 度 や お 互 い の 関 係 に つ い て 付 随 的 に 伝 え ら れ る も の こ う し た 定 義 を 踏 ま え 、 学 習 者 が 日 本 語 を 用 い て 様 々 な 社 会 場 面 に 参 加 し 、 そ の 中 で 円 滑 な イ ン タ ー ア ク シ ョ ン が 行 え る 会 話 能 力 の 育 成 が 必 要 で あ る と い う 点 を 主 張 し た 。 具 体 的 に は 、 以 下 の よ う な 会 話 へ の 参 加 の 能 力 の 育 成 で あ る 。 * 会 話 の リ ソ ー ス を 用 い つ つ 、 会 話 参 加 者 同 士 が 共 に 協 力 し 合 い な が ら 会 話 に 積 極 的 に 参 加 し 、楽 し い 会 話 空 間 を 共 有 す る こ と で 、友 好 な 関 係 を 作 っ て い く 会 話 能 力 の 育 成 。 * 言 語 ・ 非 言 語 行 動 を 動 態 的 に 調 整 し な が ら 、 会 話 の 中 の メ タ メ ッ セ ー ジ を 伝 達 ・ 解 読 し 、 相 手 へ の 親 し み を 示 し て い く 会 話 能 力 の 育 成 。 そ し て 、 こ う し た ミ ク ロ レ ベ ル で の 「 会 話 」 で の イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 能 力 が 育 成 さ れ る こ2 と は 、 学 習 者 が マ ク ロ レ ベ ル で の 様 々 な 社 会 的 な 領 域 ・ 場 面 の 「 共 同 体 」 に 参 加 す る 可 能 性 を 広 げ る た め の 1 つ の 重 要 な 入 り 口 と も な り え る と 考 え る 。 さ ら に 、 学 習 者 と 母 語 話 者 が 参 加 す る 接 触 場 面 で お 互 い が 協 力 し て 会 話 を 行 い 、 イ ン タ ー ア ク シ ョ ン を 円 滑 に 行 っ て い く た め に は 、 学 習 者 だ け で な く 、 母 語 話 者 か ら の 「 歩 み 寄 り の 姿 勢 」( 岡 崎 1994、 宮 崎 2008 な ど ) が 必 要 で あ る と い う 点 に つ い て も 主 張 し た 。 【 表 2】 に 、 本 研 究 で 分 析 す る 「 会 話 教 育 の 研 究 と 実 践 の 連 携 」 の 例 を 三 種 類 に 大 別 し て 、 章 別 の 構 成 を 示 し た 。 一 点 目 は 、 教 師 と し て の 筆 者 自 身 の 「 研 究 と 実 践 の 連 携 」 の 例 で あ る( 3 章 、4 章 )。二 点 目 は 、学 習 者 の た め の「 研 究 と 実 践 の 連 携 」の 例 で あ る( 5 章 )。 三 点 目 は 、教 員 養 成 コ ー ス で 行 っ た 教 師 の た め の「 研 究 と 実 践 の 連 携 」の 例 で あ る( 6 章 )。 そ し て 、 本 研 究 の 全 体 自 体 が 筆 者 が 実 際 に 行 っ た 会 話 教 育 の た め の 「 研 究 と 実 践 の 連 携 」 の 一 つ の 実 現 例 と な っ て い る ( 第 1 章 序 論 ~ 第 7 章 結 論 )。 【 表 2】 本 研 究 に お け る 「 会 話 教 育 の 研 究 と 実 践 の 連 携 」 例 の 構 成 研 究 教 育 理 念 ・ 方 法 第 1 章 序 論 1.1 本 研 究 が 目 指 す 会 話 教 育 1.2 会 話 教 育 に お け る 「 研 究 と 実 践 の 連 携 」 の 必 要 性 1.3 母 語 話 者 と 非 母 語 話 者 の 歩 み 寄 り の 必 要 性 1.4 研 究 目 的 と 本 研 究 の 構 成 第 2 章 コ ー ス ・ デ ザ イ ン の た め の 理 論 的 背 景 2.1.日 本 語 教 育 に お け る コ ー ス ・ デ ザ イ ン 2.2 会 話 分 析 と 談 話 分 析 2.3 接 触 場 面 研 究 2.4 授 業 活 動 デ ザ イ ン 2.5 認 知 的 視 点 と 社 会 的 視 点 2.6 先 行 研 究 か ら み る 本 研 究 の 位 置 づ け と 研 究 目 的
教師
(筆 者 の 「 研 究 と 実 践 の 連 携 」 例 )学習者
(筆 者 の 会 話 教 育 実 践 で の 「 研 究 と 実 践 の 連 携 」 例)教師
(筆 者 の 教 員 養 成 コースで の 「 研 究 と 実 践 の 連 携 」 例)研
究
実
践
1.会 話 デ ー タ 分 析 第 3 章 会 話 デ ー タ 分 析 ・ 言 語 的 ア ク テ ィ ビ テ ィ の 会 話 ・ 実 質 的 ア ク テ ィ ビ テ ィ の 会 話 ・ 母 語 話 者 の 配 慮 ・ 調 整 第 5 章 学 習 者 の 会 話 を 分 析 す る 視 点 の 育 成 と 実 際 使 用 の 実 践 研 究 第 6 章 教 師 の 会 話 を 分 析 す る 視 点 の 育 成 の 実 践 研 究 6.2 会 話 教 育 の た め の 日 本 語 教 員 養 成 コ ー ス の 教 育 実 践 5.2 会 話 デ ー タ 分 析 活 動 の 教 育 実 践 5.3 会 話 デ ー タ 分 析 活 動 と 会 話 練 習 と ビ デ オ 作 品 作 成 プ ロ ジ ェ ク ト の 教 育 実 践 2. 指 導 学 習 項 目 化 第 4 章 会 話 教 育 の 実 践 研 究 4.2 会 話 教 育 の 指 導 学 習 項 目 ・ 言 語 的 ア ク テ ィ ビ テ ィ の 会 話 ・ 実 質 的 ア ク テ ィ ビ テ ィ の 会 話 3.実 践 第 4 章 会 話 教 育 の 実 践 研 究 4.3 言 語 的 アクティビティの 会 話 教 育 実 践 4.4 実 質 的 アクティビティの 会 話 教 育 実 践 ― ― 研 究 提 案 ・ 今 後 の 課 題 第 7 章 結 論 7.1 各 章 の ま と め 7.2 本 研 究 で 分 析 し た 教 育 実 践 の 認 知 心 理 学 的 な 授 業 活 動 デ ザ イ ン 7.3 自 律 的 に 育 成 す る 会 話 能 力 と 会 話 教 育 の た め の 「 研 究 と 実 践 の 連 携 」 の 意 義 7.4 会 話 教 育 に お け る 学 習 者 と 教 師 に よ る 双 方 の 学 び 7.5 母 語 話 者 に 対 す る 接 触 場 面 で の 歩 み 寄 り の た め の イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 能 力 育 成 の 提 言 7.6 会 話 教 育 の た め の 教 員 養 成 へ の 提 言 7.7 本 章 の ま と め と 本 研 究 に お け る 会 話 教 育 モ デ ル の 提 言 ・ 今 後 の 課 題 あ と が き ( 問 題 意 識 と 研 究 の 動 機 )3
第 2 章 コ ー ス ・ デ ザ イ ン の た め の 理 論 的 背 景
本 章 で は 、 本 研 究 で 主 張 す る 教 師 と 学 習 者 に よ る 「 研 究 と 実 践 の 連 携 」 の た め に 参 考 に し た 先 行 研 究 か ら 、 本 研 究 の 各 分 析 と 会 話 教 育 実 践 の 位 置 づ け に つ い て 述 べ た 。 1 . 日 本 語 教 育 に お け る コ ー ス ・ デ ザ イ ン ( 会 話 教 育 を 行 う 際 の 全 体 像 ) 会 話 教 育 を 行 う 際 に 必 要 と な る「 コ ー ス・デ ザ イ ン 」の 概 念( 小 林 1998)が 、本 研 究 で 主 張 す る 、 教 師 に よ る 「 研 究 と 実 践 の 連 携 」 と し て の 「 会 話 デ ー タ 分 析―会 話 指 導 項 目 化 ―授 業 計 画 ―会 話 教 育 実 践 ―振 り 返 り ・ 改 善 」 の ど の 段 階 に 当 て は ま る の か に つ い て 述 べ た 。ま ず 、「 目 標 言 語 調 査・分 析 」が「 会 話 デ ー タ 分 析 」に 当 た る( 第 3 章「 会 話 デ ー タ 分 析 」)。次 に 、「 コ ー ス・デ ザ イ ン 」の「 原 型 シ ラ バ ス 作 成 」が「 会 話 指 導 学 習 項 目 化 」に 当 た る( 第 4 章 4.2 節「 会 話 教 育 の 指 導 学 習 項 目 」)。そ し て 、「 コ ー ス・デ ザ イ ン 」の「 ニ ー ズ 分 析 、刈 り 込 み シ ラ バ ス 作 成 、カ リ キ ュ ラ ム・デ ザ イ ン 、教 育 実 施 」が「 会 話 教 育 実 践 」 に 当 た り 、「 効 果 測 定 、ま と め・反 省 」が「 振 り 返 り・改 善 」に 当 た る( 第 4 章 、第 5 章 )。 2 . 会 話 分 析 ( 目 標 言 語 調 査 ・ 分 析 と し て の 会 話 デ ー タ 分 析 ) 「 会 話 分 析 」 は 、 会 話 を 録 音 ・ 録 画 し 、 そ こ で 何 が 起 こ っ て い る の か を 詳 細 に 記 述 ・ 分 析 し 、日 常 の 会 話 に 隠 さ れ た 秩 序 や ル ー ル か ら 社 会 の 組 織 構 造 を 探 る と い う 研 究 で あ る(cf. Levinson 1983、 林 2002 な ど )。 本 研 究 で は 、 録 音 ・ 録 画 し て 収 集 し た 会 話 デ ー タ を 扱 っ た 分 析 手 法 に つ い て 、「 会 話 デ ー タ 分 析 」と 呼 ぶ こ と に し た 。さ ら に 、こ う し た「 会 話 デ ー タ 分 析 」 を 教 師 も 学 習 者 も ぞ れ ぞ れ 「 研 究 」 と し て 行 う こ と で 、 人 と 人 が 交 わ す 会 話 に は ど の よ う な 特 徴 が あ り 、 そ の 中 で ど の よ う な 言 語 的 ・ 非 言 語 的 な シ グ ナ ル や リ ソ ー ス を 用 い て メ タ メ ッ セ ー ジ を 送 り 合 っ て イ ン タ ー ア ク シ ョ ン を 行 い 、 お 互 い の 関 係 を 確 認 し 合 っ て い る の か と い う ミ ク ロ な 社 会 構 造 が 見 え て く る の で あ る 。 本 研 究 で は 、 こ う し た 二 者 以 上 の 間 で 1 発 話 ず つ 積 み 重 ね 合 い な が ら 交 わ さ れ る 「 会 話 」 と い う ミ ク ロ レ ベ ル の 「 社 会 的 活 動 」 で の イ ン タ ー ア ク シ ョ ン か ら 、 学 習 者 が 参 加 す る 実 践 共 同 体 と い う マ ク ロ レ ベ ル の 社 会 構 造 で の イ ン タ ー ア ク シ ョ ン を 映 し 出 そ う と い う 会 話 分 析 的 な ア プ ロ ー チ を 取 る 。 3 . 接 触 場 面 研 究 ( 目 標 言 語 調 査 ・ 分 析 と し て の 会 話 デ ー タ 分 析 ) 接 触 場 面 の 「 場 面 ・ 領 域 」 の 研 究 か ら 、 学 習 者 が 参 加 し た い と 思 う 実 践 共 同 体 へ 参 加 し や す く す る た め の 一 つ の 重 要 な 入 り 口 と し て 、 様 々 な 社 会 場 面 の ネ ッ ト ワ ー ク を よ り 広 げ ら れ る よ う な 授 業 活 動 デ ザ イ ン を 会 話 教 育 で 行 う べ き で あ る と 考 え る 。次 に 、「 接 触 場 面 の 会 話 研 究 」 で は 、 積 極 的 な 会 話 へ の 参 加 の 有 無 に よ り 、 相 手 へ の 興 味 や 親 し み と い っ た メ4 タ メ ッ セ ー ジ を 適 切 に 伝 達 で き る か ど う か に つ い て 会 話 例 か ら 指 摘 し た(cf. Nakai 2002)。 さ ら に 、「 イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 能 力 」の 研 究( ネ ウ ス ト プ ニ ー1995)を も と に 、本 研 究 で 捉 え る イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 能 力 ( 社 会 文 化 能 力 、 社 会 言 語 能 力 、 言 語 能 力 ) の 下 位 分 類 の 関 係 を 【 図 1】 の よ う に 捉 え る こ と と し た 。 【 図 1】 イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 能 力 ( イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 行 動 ) の 三 段 階 そ し て 、 イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 能 力 育 成 に つ い て 考 え る 上 で 、 動 態 的 な 瞬 間 瞬 間 の 会 話 の 状 況 を 読 み 取 り 、 会 話 の リ ソ ー ス を 用 い な が ら 、 相 手 と 協 力 し て 調 整 し て 会 話 に 参 加 し て い け る よ う な メ タ 認 知 力 、 調 整 能 力 と い っ た イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 能 力 の 育 成 が 重 要 で あ る と い う 点 に つ い て も 指 摘 し た (cf.加 藤 2007)。 さ ら に 、 村 岡 (2003) を 参 考 に 、「 言 語 的 ア ク テ ィ ビ テ ィ 」 と 「 実 質 的 ア ク テ ィ ビ テ ィ 」 に つ い て 、【 表3】 の よ う に 定 義 し た 。 【 表 3】 本 研 究 で の ア ク テ ィ ビ テ ィ の 定 義 ア ク テ ィ ビ テ ィ 日 常 生 活 に お い て 母 語 話 者 や 非 母 語 話 者 が 参 加 す る 活 動 す べ て の ア ク テ ィ ビ テ ィ は 、 実 質 行 動 が 基 盤 と な っ て い る 言 語 的 ア ク テ ィ ビ テ ィ 社 会 言 語 行 動 を す る こ と 自 体 が 主 な 目 的 に な っ て い て 、 実 質 行 動 の ほ と ん ど が 社 会 言 語 行 動 に な っ て い る 活 動 例 : 初 対 面 の 会 話 、 雑 談 、 相 談 、 対 話 、 討 論 、 面 接 、 講 義 実 質 的 ア ク テ ィ ビ テ ィ 実 質 行 動 を す る こ と 自 体 が 主 な 目 的 に な っ て い る よ う な 活 動 実 質 行 動 に 社 会 言 語 行 動 や 言 語 行 動 も 付 随 的 に 含 む 例 : 観 光 、 キ ャ ン パ ス 探 検 、 買 い 物 、 ス ポ ー ツ 、 料 理 こ う し た コ ー ス ・ デ ザ イ ン の 中 の 「 目 標 言 語 調 査 ・ 分 析 」 を 行 う こ と に よ っ て 、 学 習 者 が 参 加 す る 接 触 場 面 の 社 会 場 面 ・ 領 域 の 特 徴 と そ こ で の ネ ッ ト ワ ー ク の 広 げ 方 や 社 会 参 加 の 仕 方 に つ い て 、教 師 も 学 習 者 も 意 識 的 に 研 究 し 、実 践 の 中 に 取 り 入 れ て い け る と 考 え る 。 4 . 授 業 活 動 デ ザ イ ン の 先 行 研 究 ( ニ ー ズ 分 析 、シラバス・デザイン、カリキュラム・デザイン)
会 話 教 育 実 践 の 授 業 活 動 を デ ザ イ ン す る 上 で 、「FACT-ACT の 二 分 法 」(Jorden and Walton 1987)、「 学 習 指 導 法 の 4 類 型 」( 森 2002) な ど の 「 認 知 心 理 学 的 な 授 業 活 動 デ ザ イ ン 」 の 理 論 を 知 る こ と に よ っ て 、 学 習 者 の 認 知 面 を 考 慮 に 入 れ た 学 び や す い 環 境 を 体 系 立 て て 作 る こ と が 可 能 に な る 。 そ こ で 、 頭 の 中 に ど の 程 度 知 識 が あ る か と い う 認 知 的 成 果 ( 宣 言 的 知 識 、FACT)と 、そ の 知 識 を 用 い て い か に 運 用 で き る か と い う 行 動 的 成 果( 手 続 き 的 知 識 、 ACT) の 両 方 の 面 を 考 慮 に 入 れ て 授 業 活 動 デ ザ イ ン を す る 必 要 性 が あ る と い う 点 を 指 摘 し 社 会 文 化 能 力 ( 社 会 文 化 行 動 = 実 質 行 動 ) 基 盤 社 会 言 語 能 力 ( 社 会 言 語 行 動 ) 言 語 能 力 ( 言 語 行 動 )
5 た 。そ し て 、学 習 者 の 学 習 へ の 教 師 の 関 わ り 方 に と し て は 、「 指 導 中 心 」と「 支 援 中 心 」の い ず れ の 学 習 指 導 法 も 排 他 的 に 捉 え る の で は な く 、 教 室 実 践 の 目 標 や 内 容 、 学 習 者 の 背 景 に よ っ て 相 互 補 完 的 に 柔 軟 に 授 業 に 取 り 入 れ て い く べ き で あ る と い う 点 も 主 張 し た 。 5 . 認 知 的 視 点 と 社 会 的 視 点 第 二 言 語 習 得 論 に お け る 、認 知 的 視 点 と 社 会 的 視 点 の 研 究(Larsen-Freeman 2007、義 永 2009)を も と に 検 討 し た 結 果 、本 研 究 で 分 析 す る 会 話 デ ー タ 分 析 や 会 話 教 育 実 践 の 方 法 は 、両 視 点 が 複 合 的 に 混 ざ っ た も の で あ る と い う こ と を 指 摘 し た 。例 え ば 、「 ① コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 捉 え 方 」 と し て は 、 言 語 的 ・ 非 言 語 的 シ グ ナ ル に よ る メ タ メ ッ セ ー ジ の 伝 達 ・ 解 読 と い う 認 知 的 視 点 と 、 会 話 が 参 加 者 間 の イ ン タ ー ア ク シ ョ ン に よ っ て 協 働 で 作 り 上 げ ら れ る も の で あ る と い う 社 会 的 視 点 の 混 合 か ら 、 会 話 デ ー タ を 分 析 し 、 会 話 教 育 実 践 を 行 っ て い る 。ま た 、「 ② 習 得 の 捉 え 方 」と し て は 、会 話 指 導 学 習 項 目 に つ い て 、FACT と ACT の 授 業 活 動 を 行 う べ き だ と い う 認 知 的 視 点 と 、 学 習 者 が 日 本 語 を 用 い な が ら 授 業 活 動 と い う 実 践 共 同 体 の 中 に 参 加 し 、 他 者 と の イ ン タ ー ア ク シ ョ ン に よ っ て 協 働 で 課 題 を 達 成 し な が ら イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 能 力 を 向 上 さ せ て い く と い う 社 会 的 視 点 の 両 方 を 持 つ 。 こ の よ う に 、実 際 の 研 究 や 実 践 を 行 う 際 は 、認 知 的 視 点 、会 話 分 析 的 ア プ ロ ー チ 、社 会 的 視 点 な ど 、 複 合 的 な 視 点 が 必 要 で あ る と 主 張 し た 。
第 3 章 言 語 的 ・ 実 質 的 ア ク テ ィ ビ テ ィ の 会 話 デ ー タ の 分 析
本 章 は 、 教 師 に よ る 「 研 究 と 実 践 の 連 携 」 と し て の 「 会 話 デ ー タ 分 析―会 話 指 導 学 習 項 目 化―会 話 教 育 実 践 」 に お け る 「 会 話 デ ー タ 分 析 」 の 段 階 に 当 た る 。 ま ず 、母 語 場 面 と 接 触 場 面 に お け る「 初 対 面 の 自 由 会 話( 言 語 的 ア ク テ ィ ビ テ ィ )」、「 キ ャ ン パ ス 探 検 中 の 会 話( 実 質 的 ア ク テ ィ ビ テ ィ )」に つ い て 、主 導 権 、現 場 性 の 有 る 発 話 と 現 場 性 の 無 い 発 話 (cf.南 2003)、話 題 展 開 の 仕 方 、発 話 機 能 、ジ ェ ス チ ャ ー や 指 示 表 現 な ど の 観 点 か ら 比 較 分 析 し た 。 そ の 結 果 、 母 語 場 面 、 接 触 場 面 の 言 語 的 ア ク テ ィ ビ テ ィ と 実 質 的 ア ク テ ィ ビ テ ィ の 各 会 話 に お い て 、 会 話 参 加 者 達 は 、 そ の 会 話 の 特 徴 を 生 か し て 現 場 性 の 有 る 発 話・無 い 発 話 や ジ ェ ス チ ャ ー や 指 示 表 現 を 駆 使 し つ つ 、話 題 を 開 始・展 開 さ せ 、 調 整 し 合 い な が ら 会 話 の 場 を 楽 し も う と い う メ タ メ ッ セ ー ジ を 送 り 合 う こ と に よ っ て 、 楽 し い 空 間 を 共 に 協 力 し て 形 成 し て い た こ と が 分 か っ た 。 次 に 、 同 会 話 デ ー タ に お い て 、 母 語 話 者 か ら の 「 歩 み 寄 り の 姿 勢 」 に 焦 点 を 当 て 、 会 話6 授 業 と い う 学 習 者 と の 接 触 場 面 に 参 加 し て い る 授 業 ボ ラ ン テ ィ ア の 配 慮・調 整 を 分 析 し た 。 分 析 の 結 果 、 教 室 内 の 言 語 的 ア ク テ ィ ビ テ ィ で あ る 「 初 対 面 の 自 由 会 話 」 で は 、 主 に 、 意 味 交 渉 、 会 話 維 持 な ど が で き る 言 語 能 力 や 社 会 言 語 能 力 の 他 、 非 母 語 話 者 の 文 化 知 識 を 持 っ て い る と い う 社 会 文 化 能 力 も 必 要 で あ る こ と が 分 か っ た 。 一 方 、 実 質 的 ア ク テ ィ ビ テ ィ を 中 心 と し た 「 キ ャ ン パ ス 探 検 中 の 会 話 」 で は 、 主 に 、 実 質 行 動 の 課 題 解 決 が で き る 社 会 文 化 能 力 が 重 要 で あ り 、 そ れ に 伴 っ て 意 味 交 渉 や 会 話 維 持 が で き る 言 語 能 力 と 社 会 言 語 能 力 も 必 要 と な る こ と が 明 ら か に な っ た 。 こ の よ う に 、 学 習 者 と 授 業 ボ ラ ン テ ィ ア が 「 歩 み 寄 り の 姿 勢 」 を 持 っ て 、 お 互 い に 協 力 し て 、 楽 し い 会 話 空 間 を 形 成 し つ つ 、 課 題 解 決 を し て い く こ そ が 、 協 働 の 行 為 で あ り 、 そ れ に よ っ て 、 お 互 い の 連 帯 感 や ア ク テ ィ ビ テ ィ の 達 成 感 が 得 ら れ る の で は な い か と 主 張 し た 。 つ ま り 、 協 働 の 行 為 と は 、 一 つ 一 つ の お 互 い の 行 動 の 積 み 重 な り 、 一 つ 一 つ の 発 話 の メ ッ セ ー ジ と 、 そ れ に よ り 伝 わ る 友 好 的 な 気 持 ち を 表 す メ タ メ ッ セ ー ジ の 積 み 重 な り か ら 生 じ る 動 態 的 な も の で あ る と 考 え る 。
第 4 章 会 話 教 育 の 実 践 研 究
本 章 は 、 教 師 に よ る 「 研 究 と 実 践 の 連 携 」 と し て の 「 会 話 デ ー タ 分 析―会 話 指 導 項 目 化 ―会 話 教 育 実 践 」 に お け る 「 会 話 指 導 項 目 化 」 と 「 会 話 教 育 実 践 」 の 段 階 に 当 た る 。 ま ず 、「 会 話 指 導 項 目 化 」と し て 、会 話 教 育 実 践 の 先 行 研 究 、会 話 デ ー タ 分 析( 第 3 章 )、 会 話 教 育 実 践( 第 4 、5 章 )、教 員 養 成 コ ー ス の 教 育 実 践( 第 6 章 )か ら 得 ら れ た 成 果 を も と に 、 言 語 的 ア ク テ ィ ビ テ ィ の 会 話 と 実 質 的 ア ク テ ィ ビ テ ィ の 会 話 を 扱 っ た 指 導 学 習 項 目 を 言 語 行 動 、 社 会 言 語 行 動 、 社 会 文 化 行 動 に 区 分 し て 、 そ れ ぞ れ 提 案 し た 。 次 に 、 一 つ 目 の 「 会 話 教 育 実 践 」 の 実 践 研 究 で あ る 「 言 語 的 ア ク テ ィ ビ テ ィ の 会 話 を 扱 っ た 教 育 実 践 例 」 で は 、 母 語 話 者 と 非 母 語 話 者 に よ る 会 話 の 問 題 点 を 踏 ま え 、 会 話 参 加 者 の 役 割 の 概 念 ( 聞 き 手 / 話 し 手 ) か ら 、 そ こ で 必 要 と さ れ る 談 話 レ ベ ル で の 会 話 指 導 学 習 項 目 ( 例 : 聞 き 返 し 、 あ い づ ち 、 評 価 的 発 話 、 フ ィ ラ ー 、 メ タ 言 語 表 現 、 質 問 表 現 、 司 会 者 の 役 割 ) を 設 定 し た 。 こ れ ら の 指 導 学 習 項 目 は 、 主 に 、 言 語 行 動 、 社 会 言 語 行 動 を 扱 っ て い る 。 そ し て 、 実 際 に 、 授 業 ボ ラ ン テ ィ ア と お 互 い に 協 力 し て 動 態 的 に 調 整 し な が ら 会 話 す る 実 際 使 用 の ア ク テ ィ ビ テ ィ ー ( ネ ウ ス ト プ ニ ー1995) を 行 う こ と に よ っ て 、 会 話 練 習 だ け で な く 授 業 ボ ラ ン テ ィ ア と の 交 流 と ネ ッ ト ワ ー ク の 拡 大 を 図 る 教 育 実 践 を 検 討 し た 。7 さ ら に 、 会 話 練 習 の 後 に 、 学 習 者 や 授 業 ボ ラ ン テ ィ ア が 会 話 を モ ニ タ ー し た こ と を 報 告 し 合 う こ と で 、「 メ タ 認 知 力 」の 向 上 に つ な が る 活 動 の 機 会 も 与 え る こ と の 必 要 性 も 主 張 し た 。 二 つ 目 の 「 実 質 的 ア ク テ ィ ビ テ ィ の 会 話 を 扱 っ た 教 育 実 践 例 」 で は 、 会 話 教 育 実 践 の 一 環 で あ る フ ィ ー ル ド ・ ト リ ッ プ 「 キ ャ ン パ ス 探 検 」 の 会 話 デ ー タ の 分 析 か ら 、 教 室 内 の 活 動 と は 異 な っ た 、 言 語 行 動 、 社 会 言 語 行 動 、 社 会 文 化 行 動 の 実 際 使 用 の 機 会 が 与 え ら れ て い る こ と が 明 ら か に な っ た 。 そ し て 、 こ う し た フ ィ ー ル ド ・ ト リ ッ プ を 通 し て 、 学 習 者 と 授 業 ボ ラ ン テ ィ ア が 課 題 解 決 と い っ た 実 質 行 動 や 会 話 を 協 働 で 行 い 、 共 に 達 成 感 を 味 わ う 喜 び に よ っ て 、 学 習 者 の イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 能 力 を 向 上 さ せ る こ と が 可 能 と な る と い う 点 を 指 摘 し た 。 ま た 、 フ ィ ー ル ド ・ ト リ ッ プ に 出 か け る こ と に よ っ て 、 実 質 的 ア ク テ ィ ビ テ ィ の 中 で 、 ど の よ う な 発 話 や 実 質 行 動 を す れ ば よ い か 判 断 す る と い う 、 教 室 内 で は 学 び 切 れ な い 五 感 を 通 し た 体 験 を 持 つ こ と が で き る 。 さ ら に 、 こ う し た フ ィ ー ル ド ・ ト リ ッ プ に お い て 、 学 習 者 と 授 業 ボ ラ ン テ ィ ア が 日 本 語 の 言 語 ・ 社 会 言 語 ・ 社 会 文 化 能 力 を 総 合 的 に 駆 使 し 、 協 力 し 合 っ て 自 律 的 に 課 題 解 決 を す る 能 力 を 育 成 す る 機 会 と な っ て い る 点 も 挙 げ た 。
第 5 章 学 習 者 の 会 話 を 分 析 す る 視 点 の 育 成 と 実 際 使 用 の 実 践 研 究
本 章 で は 、学 習 者 が「 会 話 デ ー タ 分 析―会 話 学 習 項 目 の 意 識 化 ―会 話 実 践 」と い っ た「 研 究 と 実 践 の 連 携 」 を 行 う 能 力 を 育 成 す る た め の 二 つ の 会 話 教 育 実 践 を 分 析 し た 。 一 つ 目 の 「 会 話 デ ー タ 分 析 活 動 」 の 授 業 で は 、 学 習 者 自 身 と 日 本 語 母 語 話 者 の 会 話 デ ー タ や 、 ド ラ マ 、 バ ラ エ テ ィ ー 番 組 等 の 会 話 デ ー タ の 中 で 、 ど の よ う な こ と が 起 こ っ て い る の か に つ い て 討 論 し 、 そ の 分 析 結 果 を レ ポ ー ト に ま と め 、 ク ラ ス で 発 表 す る と い う 活 動 か ら な る 。 こ う し た 教 育 実 践 で は 、 学 習 者 の 会 話 を 客 観 的 に 分 析 す る 視 点 と い っ た メ タ 認 知 力 の 育 成 が 可 能 で あ り 、 そ れ に よ っ て 、 学 習 者 が 教 室 の 外 で 様 々 な 会 話 を 観 察 し 、 自 分 の も の と し て い く 力 の 育 成 も で き る 。 そ し て 、 日 本 語 で 、 デ ィ ス カ ッ シ ョ ン 、 発 表 、 レ ポ ー ト 作 成 を す る と い う よ う な 、 ア カ デ ミ ッ ク な 日 本 語 の 「 実 際 使 用 」 の 機 会 も 与 え ら れ る 。 学 習 者 が 日 本 語 の 会 話 を 分 析 し た 項 目 は 、 あ い づ ち 、 う な ず き 、 笑 い 、 コ メ ン ト 、 繰 り 返 し の 機 能 、 ス ピ ー チ ス タ イ ル シ フ ト 、 敬 語 、 非 言 語 行 動 、 会 話 の 構 造 、 話 題 の 進 め 方 等 で あ っ た 。 こ れ ら は 、 本 研 究 で 提 案 し た 会 話 指 導 学 習 項 目 を 学 習 者 が 主 体 的 に 分 析 ・ 学 習 し8 て い く 過 程 を 実 現 し て い る と 言 え る 。 よ っ て 、 本 実 践 は 、 学 習 者 に よ る 「 会 話 デ ー タ 分 析 ―会 話 学 習 項 目 の 意 識 化 」 と い う 段 階 に 当 た る 。 二 つ 目 の 会 話 教 育 実 践 と し て 、「 会 話 デ ー タ 分 析 活 動 と 会 話 練 習 と ビ デ オ 作 品 作 成 プ ロ ジ ェ ク ト 」 を 分 析 し た 。 本 実 践 で は 、 学 習 者 が 会 話 デ ー タ 分 析 活 動 と 、 そ れ に 基 づ い た 会 話 練 習 を 行 っ た 後 、 そ れ ら の 集 大 成 と し て の ビ デ オ 作 品 作 成 プ ロ ジ ェ ク ト を 行 い 、 学 習 者 に よ る 会 話 学 習 の 「 研 究 と 実 践 の 連 携 」 を 図 っ た 。 分 析 の 結 果 、 学 習 者 は 、 会 話 を 分 析 す る 視 点 と い っ た メ タ 認 知 力 を 用 い て 、 自 身 で 学 び と っ た 会 話 の 特 徴 を 、 自 己 の ビ デ オ 作 品 に 独 自 に 取 り 入 れ る こ と で 、 実 際 使 用 し 、 ま た そ れ を 振 り 返 っ て 自 己 改 善 に 繋 げ よ う と し て い る 様 子 が 明 ら か に な っ た 。 つ ま り 、 本 実 践 は 、 学 習 者 に よ る 「 会 話 デ ー タ 分 析―会 話 学 習 項 目 の 意 識 化―会 話 実 践 」 の す べ て の 段 階 を 教 育 実 践 で 取 り 扱 っ て い る こ と に な る 。 こ の よ う な 二 つ の 会 話 教 育 実 践 で は 、 学 習 者 の 支 援 の た め に 参 加 し て い た 授 業 ボ ラ ン テ ィ ア に と っ て も 、学 習 者 の 会 話 デ ー タ 分 析 の 新 た な 視 点 に 触 れ 、「 歩 み 寄 り の 姿 勢 」に つ い て 考 え る 機 会 と な っ て い た 。 一 方 、 本 実 践 を 担 当 し た 教 師 に と っ て も 、 学 習 者 に よ る 会 話 デ ー タ 分 析 や 授 業 活 動 の 成 果 が 今 後 の 日 本 語 の 会 話 の 授 業 活 動 の デ ザ イ ン の 参 考 に な る と い う 点 も 明 ら か に な っ た 。 こ の よ う に 、 教 師 と 学 習 者 の 双 方 の 学 び を 促 進 す る た め に 、 教 師 の 「 研 究 と 実 践 の 連 携 」 の 継 続 的 な 循 環 と 、 そ れ ら と 学 習 者 の 「 研 究 と 実 践 の 連 携 」 の 循 環 と を 有 機 的 に 繋 げ る た め の 授 業 活 動 デ ザ イ ン を 行 っ て い く べ き だ と い う 点 を 主 張 し た 。
第 6 章 教 師 の 会 話 を 分 析 す る 視 点 の 育 成 の 実 践 研 究
本 章 で は 、 教 師 が 「 会 話 デ ー タ 分 析―会 話 指 導 項 目 化 ―会 話 教 育 実 践 」 と い う 「 研 究 と 実 践 の 連 携 」 の 中 で も 、 特 に 、 会 話 を 分 析 す る 視 点 の 育 成 の た め の 「 会 話 デ ー タ 分 析 」 の 段 階 に 焦 点 を 当 て た 日 本 語 教 員 養 成 コ ー ス の 教 育 実 践 を 分 析 し た 。 こ の 教 育 実 践 で は 、 教 師 に よ る 「 研 究 と 実 践 の 連 携 」 の 基 盤 と な る 「 研 究 」 を 行 う こ と か ら 、 会 話 教 育 で 必 要 な 「 会 話 指 導 項 目 化 」 と 「 会 話 教 育 実 践 」 を 独 自 に 行 え る 教 師 を 育 成 す る こ と が 目 的 で あ っ た 。 本 教 育 実 践 の 分 析 結 果 か ら 、 今 後 の 会 話 教 育 の た め の 日 本 語 教 員 養 成 に 必 要 な 点 に つ い て 、「 ① 会 話 デ ー タ 分 析 に よ る 視 点 と 自 己 の 会 話 調 整 能 力 の 育 成 」、「 ② イ ン タ ー ア ク シ ョ ン の 実 体 験 」、「 ③ 会 話 デ ー タ 分 析 の 会 話 教 育 実 践 へ の 応 用 」 と い う 三 点 を 提 案 し た 。9
第 7 章 結 論
最 後 に 、 本 章 に お い て 、 本 研 究 の 結 論 と し て 、 以 下 の 六 点 に つ い て 提 言 を し た 。 1 . 本 研 究 で 分 析 し た 教 育 実 践 の 認 知 心 理 学 的 な 授 業 活 動 デ ザ イ ン
本 研 究 で 分 析 し た 各 教 育 実 践 に つ い て 、「 認 知―指 導 型 / 行 動 ―指 導 型 / 認 知 ―支 援 型 / 行 動―支 援 型 」と い う「 学 習 指 導 法 の 4 類 型 」( 森 2002)、「 FACT/ ACT」(Jorden and Walton 1987) と い う 授 業 活 動 デ ザ イ ン の 方 法 論 か ら 分 類 ・ 提 示 し た 。 そ の 結 果 、 こ れ ら の 授 業 活 動 デ ザ イ ン を 段 階 的 に 使 い 分 け て い る こ と が 明 ら か に な っ た 。 こ の よ う に 、 学 習 者 の 認 知 面 、 行 動 面 に 配 慮 し た 授 業 活 動 デ ザ イ ン を 行 う こ と の 重 要 性 を 主 張 し た 。 2 . 自 律 的 に 育 成 す る 会 話 能 力 と 会 話 教 育 の た め の 「 研 究 と 実 践 の 連 携 」 の 意 義 教 師 に は 、「 会 話 デ ー タ 分 析―( 授 業 計 画 )―会 話 指 導 項 目 化 ―会 話 教 育 実 践 ―( 振 り 返 り ・ 改 善 )」 と い う 「 研 究 と 実 践 の 連 携 」 が 必 要 で あ り 、 一 方 、 学 習 者 に は 、「 会 話 デ ー タ 分 析―会 話 学 習 項 目 の 意 識 化 ―( 学 習 計 画 )―会 話 実 践 ―( 振 り 返 り・改 善 )」と い う 研 究 と 実 践 の 循 環 が 必 要 で あ る 点 に つ い て 主 張 し た 。こ う し た「 研 究 と 実 践 の 連 携 」に よ っ て 、 教 師 も 学 習 者 も 自 律 的 に 会 話 能 力 と 会 話 教 育 能 力 を 向 上 さ せ る こ と が で き る と 考 え る 。 そ れ と 同 時 に 、 学 習 者 は 教 師 か ら 会 話 に つ い て の 特 徴 や 学 習 方 法 を 学 び 、 教 師 も 学 習 者 が 会 話 デ ー タ 分 析 か ら 発 見 し た 会 話 の 特 徴 に つ い て 学 習 者 の 視 点 か ら 学 ぶ こ と が で き る 。 こ う し た 教 師 と 学 習 者 に よ る「 双 方 の 学 び 」が 起 こ る こ と が 重 要 で あ る 点 に つ い て も 主 張 し た 。 3 .母 語 話 者 に 対 す る 接 触 場 面 で の 歩 み 寄 り の た め の イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 能 力 育 成 の 提 言 母 語 話 者 と 非 母 語 話 者 に よ る 歩 み 寄 り の た め に は 、 日 本 語 学 習 者 は 、 日 本 語 以 外 の 言 語 を 用 い て 、 自 身 が 母 語 話 者 と し て 、 あ る い は 、 非 母 語 話 者 と し て 参 加 す る 会 話 で の 「 歩 み 寄 り の 姿 勢 」 を 、 日 本 語 の 会 話 に も 生 か せ る よ う に す る べ き で あ る と い う 点 を 主 張 し た 。 一 方 、 日 本 語 母 語 話 者 も 、 日 本 語 以 外 の 外 国 語 を 用 い て 、 自 身 が 非 母 語 話 者 と し て 参 加 す る 会 話 で の 「 歩 み 寄 り の 姿 勢 」 を 日 本 語 の 会 話 に も 生 か せ る よ う に す る べ き で あ る と 主 張 し た 。 こ う し た 接 触 場 面 で の 歩 み 寄 り の た め の イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 能 力 育 成 と し て 、 母 語 話 者 に 対 し て は 、 本 研 究 で 分 析 し た よ う な 会 話 教 育 実 践 に 授 業 ボ ラ ン テ ィ ア と し て 参 加 す る 、 あ る い は 、 日 本 語 教 員 養 成 コ ー ス な ど に お い て 接 触 場 面 で の 会 話 を 分 析 す る 視 点 を 育 成 す る こ と が 有 効 で あ る と 考 え る 。 4 . 会 話 教 育 の た め の 教 員 養 成 へ の 提 言 日 本 語 教 員 の 養 成 に 関 す る 調 査 研 究 協 力 者 会 議 (2000) が 打 ち 出 す 「 日 本 語 教 員 と し て
10 望 ま れ る 資 質 ・ 能 力 」 を 参 考 に 、 学 習 者 の イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 能 力 育 成 の た め の 会 話 教 育 が 行 え る 日 本 語 教 員 養 成 で 必 要 と さ れ る 能 力 育 成 と し て 、 次 の 三 点 を 提 案 し た 。 1)会 話 の 特 徴 を よ く 把 握 し て 、 学 習 者 の 会 話 で の イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 能 力 を 向 上 さ せ る た め の 授 業 活 動 を デ ザ イ ン し 、実 践・改 善 で き る 教 師 の 育 成(「 ② 知 識 」、「 ④ 教 育 能 力 」) 2)学 習 者 の 会 話 の 特 徴 を 的 確 に 分 析 し 、 フ ィ ー ド バ ッ ク が 与 え ら れ る 教 師 の 育 成 (「 ③ 分 析 能 力 」、「 ④ 教 育 能 力 」) 3)教 師 自 身 も 日 々 の 自 己 の イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 行 動 を 客 観 的 に 振 り 返 り 、 日 本 語 教 育 現 場 で も 学 習 者 や 同 僚 の 教 師 と の イ ン タ ー ア ク シ ョ ン が 円 滑 に 行 え る よ う に 意 識 的 に 調 整 し て い け る よ う な 教 師 の 育 成 (「 ① 運 用 能 力 」、「 ③ 分 析 能 力 」) こ う し た 能 力 育 成 の た め に は 、 特 に 、 会 話 を 客 観 的 に 分 析 す る 視 点 の 育 成 が 重 要 な 要 素 の 一 つ で あ り 、教 師 に よ る 会 話 教 育 の た め の「 研 究 と 実 践 の 連 携 」も 可 能 と な る と 考 え る 。 5 . 会 話 教 育 実 践 モ デ ル の 提 案 ・ 今 後 の 課 題 【 図 2】 は 、「 イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 能 力 育 成 の た め の 会 話 教 育 実 践 の モ デ ル 」 で あ る 。 ①日常生活のインターアクション場面 NS/NNS、NNS/NNS、NS/NS 教師のネットワーク拡大/学習者のネットワーク拡大 会話教育実践 ②教室内のインターアクション場面 例)会話授業:ビジターセッション ●会話の練習・実際使用(言語的アクティビティ) *言語能力:語彙・発音・文法 *社会言語能力: ・会話への参加方法(話し手/聞き手) ・談話技能(言語的要素/非言語的要素) ・メタ言語表現、図像的ジェスチャー ・現場性無の発話:話題展開 ・現場性有の発話: 写真・映像によるシミュレーション練習 *社会文化能力:社会文化的知識の導入 ●教師の管理: 話題選択、タスク設定、支援、日本語選択、 会話相手の募集 会話教育実践 ③教室外のインターアクション場面 例)キャンパス探検:フィールド・トリップ ●会話の練習・実際使用(実質的アクティビティ) *言語能力:語彙・発音・文法 外的刺激の多い中での聞き取り・発話 *社会言語能力: ・会話への参加方法(話し手/聞き手) ・談話技能(言語的要素/非言語的要素) ・指示的ジェスチャー、指示詞 ・現場性有の発話:話題展開 ・現場性無の発話:話題維持 *社会文化能力:日本語を用いて課題達成 ●教師の管理: タスク設定、会話相手の募集 ●学習者と授業ボランティアの管理: 話題選択、タスク達成、支援、日本語選択
④会話授業活動デザイン
会話を分析する視点(自己の会話、学習者の会話) 連携 連携 連携 【 図 2】 イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 能 力 育 成 の た め の 会 話 教 育 実 践 の モ デ ル 学 習 者 が 様 々 な 社 会 的 な 会 話 場 面 ・ 領 域 に 日 本 語 で 参 加 し て い く の を 支 援 す る た め に は 、 「 ① 日 常 生 活 の イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 場 面 」「 ② 教 室 内 の イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 場 面( 会 話 教 育 実 践 )」「 ③ 教 室 外 の イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 場 面( 会 話 教 育 実 践 )」の 三 つ の 場 面 と 、そ れ ら を 有 機 的 に 連 携 さ せ る 「 ④ 会 話 授 業 活 動 デ ザ イ ン 」 が 必 要 で あ る 。 そ し て 、 そ の 教 育 実 践 の 方 法 と し て は 、「 研 究 と 実 践 の 連 携 」「 授 業 活 動 の 形 態 の 使 い 分 け 」「 授 業 ボ ラ ン テ ィ ア と の11 イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 」「 参 加 者 間 の 協 働 」「 映 像 の 利 用 の 可 能 性 」「 ネ ッ ト ワ ー ク 拡 大 の た め の 支 援 」 の 六 点 を 主 に 考 慮 に 入 れ る べ き で あ る と 主 張 し た 。 6 . インターアクション能 力 育 成 を 目 指 し た 会 話 教 育 の た め の 「 研 究 と 実 践 の 連 携 」 の モデルの 提 案 最 後 に 、 本 研 究 の 集 大 成 と し て 、 【 図 3】 の よ う な 「 イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 能 力 育 成 を 目 指 し た 会 話 教 育 の た め の 『 研 究 と 実 践 の 連 携 』 の モ デ ル 」 を 提 案 す る 。 こ の モ デ ル で は 、 学 習 者 と 教 師 の イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 能 力 育 成 ( 言 語 能 力 、 社 会 言 語 能 力 、 社 会 文 化 能 力 ) が 大 き な 目 標 と な っ て い る 。 そ の 中 で も 特 に 、 会 話 に 積 極 的 に 参 加 し て 友 好 な メ タ メ ッ セ ー ジ を 伝 達 ・ 解 読 し つ つ 、 会 話 相 手 と 協 力 し 合 っ て 会 話 空 間 を 共 有 し て い く よ う な 会 話 能 力 の 育 成 が 重 要 で あ る 。 そ し て 、 そ う し た 会 話 能 力 を 支 え る も の と し て 、 会 話 で 起 こ っ て い る こ と を 的 確 に 判 断 し て 動 態 的 に 調 整 し な が ら 会 話 に 参 加 し て い く よ う な 、 メ タ 認 知 、 調 整 能 力 が 必 要 で あ る と 考 え る 。 こ の よ う な 目 標 達 成 の た め に は 、 教 師 と 学 習 者 に よ る 「 研 究 と 実 践 の 連 携 」 と し て 「 会 話 デ ー タ 分 析―会 話 指 導 学 習 項 目 化 ―実 践 」が 重 要 で あ る 。こ う し た「 研 究 と 実 践 の 連 携 」 の 中 で は 、 教 室 内 と 教 室 外 で の 授 業 活 動 と し て 、 言 語 的 ア ク テ ィ ビ テ ィ と 実 質 的 ア ク テ ィ ビ テ ィ の 両 特 徴 を 考 慮 に 入 れ て 、両 方 を 有 機 的 に 連 携 さ せ な が ら 、教 師 は 会 話 教 育 実 践 を 、 学 習 者 は 会 話 実 践 を 行 っ て い く べ き で あ る 。 さ ら に 、 教 師 と 学 習 者 が そ れ ぞ れ 「 研 究 と 実 践 の 連 携 」 を 行 う こ と に よ っ て 、 双 方 の 学 び が 高 ま る こ と が 期 待 さ れ る 。 そ の 上 で 、 教 師 と 学 習 者 に よ る 「 研 究 と 実 践 の 連 携 」 が 、 日 常 生 活 の イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 場 面 と 連 携 し て 行 わ れ る の が 理 想 で あ る 。 こ う し た 教 師 と 学 習 者 に よ る 「 研 究 と 実 践 の 連 携 」 に よ っ て 、 自 律 的 に 授 業 活 動 デ ザ イ ン で き る 教 師 と 、 自 律 的 に イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 能 力 を 伸 ば し て い け る 学 習 者 が 育 成 さ れ る の で あ る 。 さ ら に 、 イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 行 動 の 中 で の 会 話 へ の 参 加 と 会 話 相 手 と の 交 流 の 深 ま り は 、 日 常 の イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 場 面 で 実 現 さ れ る と 同 時 に 、 会 話 教 育 実 践 に お け る 教 室 内 と 教 室 外 で の 活 動 場 面 で も 実 現 さ れ る べ き で あ る 。 そ の た め に は 、 授 業 ボ ラ ン テ ィ ア な ど に 会 話 教 育 実 践 の 場 面 に 参 加 し て も ら い 、 授 業 活 動 場 面 で の 協 働 に よ る 実 際 使 用 も 図 り 、 日 常 生 活 の イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 場 面 で の ネ ッ ト ワ ー ク を 拡 大 さ せ る き っ か け と す る 方 法 が あ る 。 そ し て 、 母 語 話 者 な ど の 授 業 ボ ラ ン テ ィ ア が 会 話 教 育 実 践 の 場 面 に 参 加 す る こ と に よ っ て 、授 業 ボ ラ ン テ ィ ア 自 身 が 接 触 場 面 で の 日 本 語 で の 会 話 の 調 整 方 法 を 体 得 し 、 歩 み 寄 り の 姿 勢 を 持 つ こ と に 繋 げ る 機 会 に な る こ と が 望 ま し い で あ ろ う 。
12
日常生活のインターアクション場面
研究
と
実
践
の
連
携
実質 的ア ク テ ィ ビ テ ィ 言語的 ア ク テ ィ ビ テ ィ 会話データ分析 メタ認知 実践研究 (振り返り・改善) 連携 指導項目の検討 会話教育実践 教室内 教室外 会話を分析する視点の育成 自己のインターアクション能力の向上 多様な授業活動デザイン 学習者へのフィード バックの視点を増やす 連携 会話データ分析 メタ認知 (振り返り・改善) 連携 学習項目の発見 会話実践 教室内 教室外 自己のインターアクション 能力の向上 学習計画 連携 双方の学び 会話を分析する視点の育成 自律的な学習ができる教師
インターアクション能力の育成
言語能力・社会言語能力・社会文化能力 会話のメタメッセージの伝達・解読/会話相手との協力 メタ認知力/調整能力学習者
授業計画 教師の ネットワーク拡大 会話場面 会話場面 会話場面 様々な会話場面の連携 学習者の ネットワーク拡大 連携 【 図 3】 インターアクション能 力 育 成 を 目 指 し た 会 話 教 育 の た め の 「 研 究 と 実 践 の 連 携 」 の モ デ ル 以 上 、 本 研 究 で は 、 イ ン タ ー ア ク シ ョ ン 能 力 育 成 を 目 指 し た 会 話 教 育 の た め の 「 研 究 と 実 践 の 連 携 」 に つ い て 、 筆 者 が 教 師 と し て 実 際 に 行 っ た 「 会 話 デ ー タ 分 析―会 話 指 導 学 習 項 目 化―会 話 教 育 実 践 」 の 連 携 の プ ロ セ ス を 例 と し て 述 べ た 。 人 と 人 が 知 り 合 い 、 交 流 し て い く に は 、 会 話 を す る こ と が 基 本 で あ る 。 音 声 や 非 言 語 を 用 い て メ ッ セ ー ジ や メ タ メ ッ セ ー ジ を 伝 え あ い 、 お 互 い の 関 係 を 確 認 し 合 い つ つ 、 共 に 会 話 と い う 空 間 の 社 会 を 作 っ て い き た い と い う の が 人 間 の 本 能 で あ ろ う 。 そ れ ゆ え に 、 非 母 語 話 者 と 母 語 話 者 が 日 本 語 の 会 話 で 交 流 す る こ と を 支 援 し て い く た め に 、今 後 も 会 話 教 育 の た め の「 研 究 と 実 践 の 連 携 」 を 行 っ て い き た い と 思 う 。参 考 文 献
岡 崎 敏 雄(1994)「 コ ミ ュ ニ テ ィ ー に お け る 言 語 的 共 生 化 の 一 環 と し て の 日 本 語 の 国 際 化 - 日 本 人 と 外 国 人 の 日 本 語 - 」『 日 本 語 学 』 第 13 巻 第 13 号 pp.60-73 明 治 書 院13 加 藤 好 崇 (2007) 『 日 本 語 教 育 に お け る 接 触 場 面 の 規 範 研 究 - 管 理 プ ロ セ ス と 規 範 の 動 態 性 に 関 す る 考 察 - 』 博 士 学 位 論 文 早 稲 田 大 学 大 学 院 日 本 語 教 育 研 究 科 小 林 ミ ナ (1998)『 日 本 語 教 師 ・ 分 野 別 マ ス タ ー シ リ ー ズ よ く わ か る 教 授 法 』 ア ル ク 日 本 語 教 員 の 養 成 に 関 す る 調 査 研 究 協 力 者 会 議(2000)『 日 本 語 教 育 の た め の 教 員 養 成 に つ い て 』 文 化 庁 ネ ウ ス ト プ ニ ー 、J.V.( 1995)『 新 し い 日 本 語 教 育 の た め に 』 大 修 館 書 店 林 礼 子(2002)「 第 5 章 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に お け る 相 互 行 為 」高 原 脩・林 宅 男・林 礼 子( 著 ) 『 プ ラ グ マ テ ィ ッ ク ス の 展 開 』pp.123-164 勁 草 書 房 南 不 二 男 (2003)「 第 6 章 文 章 ・ 談 話 の 全 体 的 構 造 」 佐 久 間 ま ゆ み ( 編 )『 朝 倉 日 本 語 講 座 7 文 章 ・ 談 話 』 pp.120-150.朝 倉 書 店 宮 崎 里 司(2008)「 新 た な 言 語 習 得 研 究 の 展 開:多 文 化 共 生 社 会 に お け る 地 域 リ テ ラ シ ー を め ざ す 視 点 」『 日 本 語 教 育 学 世 界 大 会 2008 第 7 回 日 本 語 教 育 国 際 研 究 大 会 予 稿 集 2』 pp.422-425 日 本 語 教 育 学 会 村 岡 英 裕(2003)「 ア ク テ ィ ビ テ ィ と 学 習 者 の 参 加 - 接 触 場 面 に も と づ く 日 本 語 教 育 ア プ ロ ー チ の た め に - 」 宮 崎 里 司 / ヘ レ ン ・ マ リ オ ッ ト ( 編 )『 接 触 場 面 と 日 本 語 教 育 ネ ウ ス ト プ ニ ー の イ ン パ ク ト 』pp.245-259 明 治 書 院 森 敏 昭(2002)「 10 章 学 習 指 導 の 心 理 学 エ ッ セ ン ス 」( 編 )海 保 博 之・柏 崎 秀 子『 日 本 語 教 育 の た め の 心 理 学 』pp.153-176 新 曜 社 義 永 美 央 子(2009)「 第 二 言 語 習 得 研 究 に お け る 社 会 的 視 点 - 認 知 的 視 点 と の 比 較 と 今 後 の 展 望 - 」『 社 会 言 語 科 学 』 第 12 巻 第 1 号 pp.15-31 社 会 言 語 科 学 会
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