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「数理計画法入門」

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http://www.morikita.co.jp/books/mid/092181

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i

ま え が き

与えられた制約条件のもとで,ある一つの目的関数を最大あるいは最小にするとい う最適化手法としての数理計画法は,1947年のG.B. Dantzigによる線形計画法のシ ンプレックス法の提案以来,オペレーションズ・リサーチ,システム工学,情報工学, 経営工学,経済学,経営学などの分野において,最も基本的な数理的意思決定手法と して意欲的に研究され,コンピュータの進歩と共に広く用いられてきている. 本書は,大学および高専の学生を対象とする教えやすく学びやすい数理計画法の教 科書として,数理計画法の3大分野である線形計画法,整数計画法,非線形計画法を 取り上げて,全体の流れや関連がよくわかるようにやさしく解説する.執筆にあたっ ては, (1) 論理の厳密さはできるだけ犠牲にしない (2) 本質的な概念を理解するためのわかりやい例題を数多く取り入れる (3) 数値例の羅列に終わらず一般性を損なわない (4) 教養教育科目の数学の素養で容易に理解できる という点に留意して,紙面の許す限りわかりやすく解説するように心がけた.しかも, 本書を通じて一貫した具体例を用いて,線形計画法とその発展的手法の特徴を明らか にするとともに,数理計画問題をMicrosoft Excelに付属しているソルバーを用いて 解く手順をWeb掲載付録で説明し,読者が本書で学んだ数理計画問題や拡張問題を容 易に解けるように考慮している.また,章末には適当な量の問題を与え,巻末には略 解を用意し,学んだ内容の理解を深めることができるように配慮している.これらの 問題の中には,本文の内容を補足するものも数多く含まれているので,活用していた だくことをおすすめする. 本書を読むにあたって必要となるのは,大学の初年次程度の線形代数学と解析学に 関する基礎知識だけである.したがって,自然科学系学部で学ぶ学生諸君だけでなく, 社会科学系学部で学ぶ学生諸君をはじめ,技術者や意思決定に携わっている人々にも 幅広く利用していただけるものと信じている. 本書は,4章からなっているが,各章のあらましは,次のとおりである.第1章で は,本書で考察する数理計画問題を2変数の数値例を用いて,平面上でやさしく説明 する.第2章では,2変数の数値例に対する代数的解法により線形計画法の基本的な 考えを把握したあと,シンプレックス法,2 段階法,双対定理,双対シンプレックス 法にいたるまでの流れや関連が理解できるように説明する.第3章では,整数計画問

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ii まえがき 題として定式化されるいくつかの具体例を紹介するとともに,整数計画法の基本的な 枠組みと分枝限定法について平易に解説する.第4章では,多変数の実数値関数や凸 関数と凸集合の概念を概観したあと,非線形計画問題に対する最適性の条件と最適化 手法をわかりやすく解説する.また,Web掲載付録として,表計算ソフトMicrosoft Excelに付属しているアドインソフト「ソルバー」を用いて,数理計画問題を解く手 順をパソコンの画面を用いてわかりやすく説明して読者への便宜を図っている.次の ページからダウンロードして,活用していただきたい. http://www.morikita.co.jp/books/mid/092181 なお,記述はできるだけ厳密にしたつもりであるが,思い違いや誤りを含んでいる ことを恐れている.読者の忌憚のない御指摘ならびに御叱正を賜れば幸いである. 2014年9月 坂和正敏・西 一郎 

(6)

iii

1

章 数理計画法の概要

1

1.1 2変数の線形計画問題 ··· 1 1.2 2変数の整数計画問題 ··· 3 1.3 2変数の非線形計画問題 ··· 5 演習問題 ··· 7

2

章 線形計画法

9

2.1 2変数の線形計画問題に対する代数的解法 ··· 9 2.2 標準形の線形計画問題と基本的な用語 ··· 12 2.3 シンプレックス法 ··· 22 2.4 2段階法 ··· 36 2.5 線形計画問題の双対問題と双対性 ··· 45 2.6 双対シンプレックス法 ··· 52 演習問題 ··· 57

3

章 整数計画法

62

3.1 整数計画問題 ··· 62 3.2 代表的な整数計画問題 ··· 65 3.3 整数計画法の基本的枠組み ··· 71 3.3.1 緩和法 71 3.3.2 分割統治法 74 3.3.3 測深 75 3.4 分枝限定法 ··· 78 3.4.1 0-1ナップサック問題に対する分枝限定法 78 3.4.2 混合整数計画問題に対する分枝限定法 82 演習問題 ··· 91

4

章 非線形計画法

94

4.1 非線形計画問題と基礎概念 ··· 94

(7)

iv 目 次 4.2 凸集合と凸関数 ··· 100 4.3 制約条件のない最適化問題に対する最適性の条件 ··· 103 4.4 非線形計画問題に対する最適性の条件 ··· 108 4.5 制約条件のない問題の最適化手法 ··· 121 4.5.1 降下法 121 4.5.2 ニュートン法 127 4.6 非線形計画問題に対する最適化手法 ··· 133 4.6.1 ペナルティ法 133 4.6.2 一般縮小勾配法 136 演習問題 ··· 145 演習問題の解答

149

参考文献

166

索 引

168

(8)

1

数理計画法の概要

1

本章では,2変数の生産計画の問題を線形計画問題として定式化し,2次元平面上 のグラフを描いて最適解を求めるという図式解法によりその特徴を明らかにする.ま た,生産量は整数でなければならないという条件が付加された場合との平面上での比 較により,整数計画法の必要性を確認する.さらに,利潤が線形関数のように一定で はなくて,製品の生産量に依存して非線形になる場合の非線形計画問題に対する図的 考察により,これらの数理計画問題を概観する.

1.1 2

変数の線形計画問題

数理計画問題とは,与えられた条件のもとで関数を最大化あるいは最小化する問題 である.与えられた条件は制約条件,最大化あるいは最小化すべき関数は目的関数と よばれる.とくに,制約条件が線形不等式あるいは線形等式で目的関数が線形関数で ある問題は線形計画問題とよばれる.線形計画問題として定式化できる簡単な具体例 として,次の生産計画の問題がよく知られている. 例

1.1 2

変数の生産計画の問題 ある製造会社では,2種類の製品P1,P2を生産して利潤を最大にするような生産 計画を立案しようとしている.製品P1 を1トン生産するには,原料M1,M2,M3 が2,3,4トン必要であり,製品P2 を1トン生産するには,原料M1,M2,M3 が6,2,1トン必要である.原料M1,M2,M3には利用可能な最大量が決まって いて,それぞれ 27,16,18トンまでしか利用できないものとする.また製品 P1, P2の1トン当たりの利潤はそれぞれ3,8万円であるとする.これらの生産条件と 利潤に関するデータは表1.1のように表される.このとき利潤を最大にするために は,製品P1,P2 をそれぞれ何トンずつ生産すればよいか. 製品P1,P2の生産量をそれぞれx1,x2トンとする.このように,意思決定者で ある製造会社が決定すべき変数x1,x2は決定変数とよばれ,生産計画の問題では利潤 を最大にする決定変数x1,x2である最適解を見つけようとする.生産条件を線形の

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2 第 1 章 数理計画法の概要 表1.1 生産条件と利潤 原料 製品 P1 製品 P2 利用可能量 M1[トン] 2 6 27 M2[トン] 3 2 16 M3[トン] 4 1 18 利潤[万円] 3 8 制約条件式とし,利潤を線形の目的関数とすれば,生産計画の問題は,線形計画問題 として,「線形の利潤を表す目的関数 3x1+ 8x2 を,線形の制約条件 2x1+ 6x2 27 3x1+ 2x2 16 4x1+ x2 18 とすべての決定変数に対して正または0であるという非負条件 x1 0, x2 0 のもとで,最大にせよ」と定式化される. ▲ このような2変数の線形計画問題は,2次元平面上のグラフを描くことにより,容 易に最適解を求めることができる.このような解法を図式解法という. ここでは,第2章以降での記述との整合性から,最小化問題に統一するために,目 的関数を−1倍し, z =−3x1− 8x2 (1.1) と表して,線形の制約条件と変数に対する非負条件のもとで,z を最小にするという 問題として考えてみよう. ここで,x1 を横軸,x2 を縦軸とするx1-x2 平面上で,不等式制約と非負条件を満 たす点 (x1, x2)は,図 1.1の五角形ABCDEの境界線上および内部であり,このよ うな制約条件を満たす解を実行可能解といい,その集合を実行可能領域という. 実行可能領域である五角形ABCDE に注意すれば,制約条件を満たし目的関数 z を最小にするこの問題の解は,式(1.1)を x2= 3 8x1 1 8z

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1.2 2 変数の整数計画問題 3 図1.1 生産計画の問題の実行可能領域と最適解 と変形すると,x1= 0のとき,zを最小化することは,x2を最大化することになる. すなわち,図1.1からzx2 軸の切片を最大にする点Dとなり,最適解は x1= 3, x2= 3.5, z =−37 であることがわかる.点Dは製品P1を3トン,P2を3.5トン生産することによっ て,最大の利潤37万円が得られることを意味している. ここで,頂点A,B,C,D,Eに対する目的関数の値zは,それぞれ,0,−13.5−28−37−36であるので,たとえば頂点Aから出発して,頂点A→ B → C → D あるいはA→ E → Dのように目的関数の値が減少するような頂点へ,次々と移動し ていけば,最小値を与える頂点に到達できることがわかる. 本書の第2章では,例1.1の問題のように目的関数が線形関数で,制約式が線形不 等式や線形等式で表現された線形計画問題を取扱い,シンプレックス法などの解法を わかりやすく解説する.

1.2 2

変数の整数計画問題

例1.1の簡単な2変数の生産計画の問題では,生産量は連続量として取り扱うこと ができたのに対して,たとえば,テレビ,自動車,住宅,飛行機などのような,分割 不可能な最小単位をもつ製品の生産計画の問題は,生産量が整数値でなければならな い.このような状況における,2変数の分割不可能な最小単位をもつ製品の生産計画 の問題は,整数計画問題として定式化される. 例

1.2 2

変数の分割不可能な最小単位をもつ製品の生産計画の問題 製品P1,P2の生産量をそれぞれx1,x2単位とすれば,この問題は,すべての決

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4 第 1 章 数理計画法の概要 定変数に対する整数条件が付加された整数計画問題として,「線形の利潤を表す目的 関数 3x1+ 8x2 を,線形の制約条件 2x1+ 6x2 27 3x1+ 2x2 16 4x1+ x2 18 とすべての決定変数に対する非負条件と整数条件 x1 0, x2 0 x1: 整数, x2: 整数 のもとで,最大にせよ」と定式化されることになる. ▲ このように定式化される整数計画問題を解く場合に,誰しも最初に思いつく解法は, 変数に対する整数条件を取り除いた線形計画問題を解いて得られる,最適解の小数部 分を適当に丸めて整数解にするということであろう.というのは,得られた整数解が 最適解になるという保証はないものの,少なくとも近似的最適解になるのではないか ということが期待されるからである. 一般に,整数計画問題の変数に対する整数条件を取り除いた線形計画問題を解いて 得られる最適解を何らかの適当な方法で丸めた解は,変数の取り得る範囲が十分に大 きければ近似解になることが期待されるが,一般に必ずしももとの整数計画問題の近 似的な最適解にもなり得ないことに注意しよう. このことを例示するために,例1.1の2変数の生産計画の問題と対応する,例1.2の 2変数の分割不可能な最小単位をもつ製品の生産計画の問題を考えてみよう.ここで, x1を横軸,x2 を縦軸とするx1-x2 平面上で,例1.1で示した2変数の生産計画の問 題の不等式制約と,変数に対する非負条件を満たす点 (x1, x2)は,図 1.2(a)の網か け部分の五角形の境界線上と内部にある.したがって,制約条件を満たし目的関数 z を最大にするこの問題の解は,図1.2(a)からzx2 軸の切片を最大にする点Dと なり,最適解は (x1, x2) = (3, 3.5)であることがわかる.しかし,このような例1.1 の線形計画問題の最適解(x1, x2) = (3, 3.5)は整数条件を満たしていないので,例1.2 の整数計画問題の最適解ではないことは明らかである.そこで,(x1, x2) = (3, 3.5)の 非整数成分3.5を適当に丸めて整数解にするために四捨五入すれば4になってしまう. ところが,四捨五入によって得られる点(3, 4)は,図1.2(a)の網かけ部分の五角形の

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1.3 2 変数の非線形計画問題 5 図1.2 例 1.1 の 2 変数の生産計画の問題の最適解と対応する整数計画問題の最適解 外部の点となってしまい,制約条件を満たさない点になり,実行可能解にもなり得な いことがわかる.そこで,網かけの部分の実行可能領域において (x1, x2) = (3, 3.5) に最も近い格子点を探してみると,点R(3, 3)であることがわかる.しかし,点Rは 整数計画問題の最適解P(x1, x2) = (1, 4)からかなり離れた点となっている. 本書の第3章では,このような線形計画問題の一部の変数,あるいはすべての変数 に整数条件が付加された問題としての整数計画問題に焦点をあて,整数計画問題とし て定式化されるいくつかの具体例を紹介したあと,整数計画法の基本的枠組みと整数 計画問題を解くための分枝限定法の基礎をわかりやすく解説する.

1.3 2

変数の非線形計画問題

例1.1,1.2では,利潤が製造数に正比例することを仮定していたが,製造数の増大 にともない単位当たりの利潤が変動することが考えられる.そのような利潤関数は非 線形関数となり,対応する生産計画の問題は非線形計画問題として定式化される. 例

1.3 2

変数の非線形の生産計画の問題 例1.1の生産計画の問題に対して,実際には,製品P1,P2 の1トン当たりの利 潤は,線形関数のように一定ではなくて,製品 P1,P2 の生産量x1,x2 に依存し て,P1,P2に対して,それぞれ,4− x1,11− x2 であることがわかったものとし よう.その結果,利潤を表す目的関数は次式で定義されることになる. z = (4− x1)x1+ (11− x2)x2 このような状況での生産計画の問題は,「非線形の利潤を表す目的関数

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6 第 1 章 数理計画法の概要 z =−x21− x22+ 4x1+ 11x2 (1.2) を,線形の原料の使用可能量に関する制約条件 2x1+ 6x2 27 3x1+ 2x2 16 4x1+ x2 18 とすべての決定変数に対する非負条件 x1 0, x2 0 のもとで最大にせよ」という非線形計画問題として定式化される. ▲ ここで,この問題の制約条件は,線形の生産計画問題と同じで,5個の頂点をもつ が,非線形の目的関数の等高線は,線形のときのような直線ではなく,円になってい ることに注意しよう.目的関数(1.2)を−1倍して,f とおくと f = x21− 4x1+ x22− 11x2 となり,この式を変形すると (x1− 2)2+ (x2− 5.5)2= 34.25 + f となる.fを最小にする最適解は点Q(2, 5.5)を中心とした円が実行可能領域と重なり 合う部分を有し,かつ半径が最小となる点である.このような2変数の簡単な非線形 計画問題は,x1-x2平面上での図式解法が可能である.図1.3に示されているように, 負の利潤の最小値は,実行可能領域と少なくとも1点を共有するような目的関数の等 図1.3 例 1.3 の図式解法

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演習問題 7 高線の最小値に対応している.したがって,最適解は点S(1.5, 4)となり,この点での 負の利潤の等高線x21+ x22− 4x1− 11x2=−31.75は実行可能領域の境界に接してお り,最適解はx1= 1.5x2= 4で,総利潤は31.75であることがわかる.ここで,最 適解を与える点は実行可能領域の境界点ではあるが,頂点ではないことに注意しよう. もし,環境の変化などによって問題の目的関数が(x1− 1)2+ (x2− 1)2 に変われ ば,最適解は明らかに点T(1, 1)となり,もはや実行可能領域の境界点ではなく,内点 になる. このように,非線形計画問題の最適解は,一般には実行可能領域の頂点や境界点に はならないことに注意しよう.さらに,大域的な最適解ではないような複数個の局所 的な最適解が存在するということも,非線形計画法のもう一つのやっかいな特徴であ る.たとえば,非線形の生産計画の問題の目的関数が二つの極小値をもち,それらが 実行可能領域の内点であれば,二つの局所的最小解をもつであろう. 本書の第4章では,例1.3に示すような非線形計画問題を取扱い,最適性の条件や 降下法などの最適化手法をわかりやすく解説する. 演習問題 1.1 ある製造会社では,2種類の製品P1P2 を生産して利潤を最大にするような生産計 画を立案している.製品P1 を1トン生産するには,原料M1,M2,M3が2,8,3 トン必要であり,製品P2 を1トン生産するには,原料M1,M2,M3 が6,6,1ト ン必要である.原料M1M2M3 には利用可能な最大量が決まっていて,それぞれ 27,45,15トンまでしか利用できないものとする.また,製品P1P2 の1トン当 たりの利潤はそれぞれ2,5万円であるとする.このとき利潤を最大にするためには, 製品P1,P2 をそれぞれ何トンずつ生産すればよいか. (1) 製品P1P2の生産量をそれぞれx1x2トンとして,この問題を線形計画問題 として定式化せよ. (2) x1 を横軸,x2 を縦軸とするx1-x2 平面上のグラフを描くことにより,最適解 を求めよ. 1.2 演習問題1.1の生産計画の問題の生産量は整数値でなければならないことがわかった. (1) このような状況における生産計画の問題を整数計画問題として定式化せよ. (2) 線形計画問題の最適解に最も近い実行可能領域における格子点は,整数計画問 題の最適解にはならないことを確かめて,最適解を求めよ. 1.3 演習問題1.1の生産計画の問題において,製品P1P2 の1トン当たりの利潤は,製 品P1,P2 に対して,それぞれ,3− x1,14− x2であることがわかった. (1) このような状況における生産計画の問題を非線形計画問題として定式化せよ. (2) x1 を横軸,x2 を縦軸とするx1-x2 平面上のグラフを描くことにより,最適解

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8 第 1 章 数理計画法の概要 を求めよ. 1.4 輸送問題(transportation problem) ある製造業者が同一種類の製品をm個の倉庫 からn個の営業所へ輸送しようとしている.いま,倉庫iにはaiの量の製品があり, 営業所jではその製品をbjの量必要としている.さらに倉庫iから営業所jへの製 品1単位当たりの輸送費用cij が与えられているものとする. このとき,総輸送費用を最小にするような輸送計画を,倉庫iから営業所jへ輸送 される製品の量xijを決定変数とする線形計画問題として定式化せよ.ただし,供給 可能な総量と総需要量は等しいものと仮定する. 1.5 割当問題 (assignment problem) n 人の人にn 個の仕事のいずれかを割り当てる. ただし,2人以上の人を同一の仕事に重複して割り当てることはできない.また,二 つ以上の仕事を同一の人に重複して割り当てることはできない.ここで,個人iを仕 事jに割り当てたときの費用をcij とする. このとき,i番目の人をj 番目の仕事に割り当てるときには1,そうでないときに は0をとるような決定変数xijを導入して,総費用を最小にするような割当問題を定 式化せよ.

(16)

149

演習問題の解答

1

章 1.1 (1) 総利潤2x1+ 5x2 を,2x1+ 6x2  27,8x1 + 6x2  45,3x1+ x2  15, x1 0,x2 0のもとで最大にせよ. (2) 解図1から,最適解はx1= 3,x2= 3.5で総利潤は43.15となる. 解図1 1.2 (1) 総利潤2x1+ 5x2を,2x1+ 6x2 27,8x1+ 6x2 45,3x1+ x2 15,x1 0, x2 0,x1:整数,x2 : 整数 のもとで最大にせよ. (2) 解図2から,(x1, x2) = (3, 3.5)に最も近い格子点R (3, 3)は,整数計画問題 の最適解(x1, x2) = (1, 4)から離れた点であり,近似最適解にはなり得ないこ とがわかる.このとき,最適解はx1 = 1,x2= 4で総利潤は22となる. 解図2 1.3 (1) 総利潤−x21−x22+3x1+14x2を,2x1+6x2 27,8x1+6x2 45,3x1+x2 15, x1 0,x2 0のもとで最大にせよ. (2) 解図3から,最適解はx1= 0.6x2= 4.3で総利潤は43.15となる.

(17)

150 演習問題の解答 解図3 1.4 総輸送費用 mi=1 nj=1cijxijを,nj=1xij ai, i = 1, 2, . . . , m, mi=1xij bj, j = 1, 2, . . . , n, xij 0のもとで最小にせよ. 1.5 総費用 ni=1 nj=1cijxij を,nj=1xij = 1, i = 1, 2, . . . , n, ni=1xij = 1, j = 1, 2, . . . , n, xij∈ {0, 1}のもとで最小にせよ. 第

2

章 2.1 (1) maximize z = 3x1 + 2x2, subject to 2x1 + 5x2  40, 3x1 + 1x2  30, 3x1+ 4x2 39, x1 0, x2 0 (2) minimize z = 9x1 + 15x2, subject to 9x1 + 2x2  54, 1x1 + 5x2  25, 1x1+ 1x2 13, x1 0, x2 0 2.2 (1) xj= x+j − x−j, x+j  0, x−j  0とおき|xj| = x+j + x−j と変形すれば, mini-mize nj=1cj(x+j+x−j), subject to nj=1aij(x+j−x−j) = bi, i = 1, 2, . . . , m, x+j  0, x−j  0, j = 1, 2, . . . , nと定式化される. (2) 変数t = 1/(nj=1djxj+ d0), yj= xjt, j = 1, 2, . . . , nを導入すれば, mini-mize nj=1cjyj+c0t, subject to nj=1djyj+d0t = 1, nj=1aijyj−bit = 0, i = 1, 2, . . . , m, yj 0, j = 1, 2, . . . , n, t > 0と定式化される. (3) 補助変数λ を導入して,nj=1cljxj, l = 1, 2, . . . , L を制約式に変換すれば, minimize λ, subject to nj=1cljxj  λ, l = 1, 2, . . . , L, nj=1aijxj = bi, i = 1, 2, . . . , m, xj 0, j = 1, 2, . . . , nと定式化される. 2.3 z∗= cxl, l = 1, 2, . . . , Lがすべて最適解のとき,cx= Ll=1λlcxl= Ll=1λlz∗= z∗となる.また,Axl= b, l = 1, 2, . . . , Lであるから Ll=1λlAxl= Ll=1λlbと なり,Ax= bである.x 0となることは明らかである. 2.4 x+kx−k に対応する制約式の列ベクトルは線形従属であることより明らかである. 2.5 (1) スラック変数x3x4x5 を導入してシンプレックス法を適用すれば,ピボット

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(19)

168

■英数字 0-1計画問題 63 1次元探索問題 122 1次の最適性条件 118 2次の最適性条件 118 2次の最適性の十分条件 119 2次の最適性の必要条件 118 2次補間法 123 2段階法 40 2段階法の手順 40 BFGS法 130 BFGS法のアルゴリズム 130 Farkasの定理 50 Fritz John条件 112 Fritz Johnの定理 111 Gordonの定理 51 GRG法 137 GRG法のアルゴリズム 141 Kuhn-Tucker条件 114, 115, 140 Kuhn-Tuckerの必要性定理 115 ε近傍 104 ■あ 行 一意的な最適解 28 一般縮小勾配法 137 陰関数 100 陰関数の定理 99 右辺定数 15 栄養の問題 13 凹関数 102 親問題 85 ■か 行 階数 18 開線形化錐 110 下界値 72, 82 活性制約式 110 可変計量法 130 間接列挙法 76 感度分析 61 緩和 71 緩和法 71 緩和法の原理 72 緩和問題 72 機械のスケジューリング問題 68 基底解 20 基底行列 19, 138 基底形式 24 基底変数 19, 25, 137 基底列ベクトル 19 擬ニュートン法 139 強意凹関数 102 強意局所的最適解 104 強意局所的最適性の 2 次の十分条 件 106 強意大域的最適解 104 強意凸関数 102 強意の相補性 119 強双対定理 47 局所的最適解 104, 108 局所的最適性の 2 次の必要条件 105 局所的最適性の必要条件 105 組合せ最適化問題 63 けちけち法 92 限定操作 85 降下法 121 降下方向 122, 123 降下方向ベクトル 111 降下法のアルゴリズム 124 更新公式 121 勾配ベクトル 95 効率 78 子問題 83 混合整数計画問題 63 混合整数計画問題を解くためのア ルゴリズム 77 ■さ 行 最急降下法 125 サイクル 23 最適解 19, 64 最適基底形式 28 最適性規準 28 最適正準形 28 最適タブロー 28 最適値 19, 64 暫定解 75, 84 暫定値 75, 84 自己双対 60 施設配置問題 67 実行可能解 19, 64 実行可能基底解 20 実行可能正準形 25 実行可能方向ベクトル 110 実行可能領域 64 実数値関数 95 弱双対定理 47 集合詰込み問題 70 集合被覆問題 70 集合分割問題 70 終端 75, 85 自由変数 17 縮小勾配 138 縮小勾配法 137 縮小目的関数 138 縮小問題 138 主問題 45 巡回セールスマン問題 91 純整数計画問題 63 準ニュートン法 130 乗数法 136 人為変数 37 シンプレックス規準 28 シンプレックス乗数ベクトル 26 シンプレックス・タブロー 25 シンプレックス法 27, 32, 137 シンプレックス法の手順 33 錐 101 ステップ幅 121 ステップ幅決定問題 122 スラック変数 17 正規条件 114 生産計画の問題 12

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索 引 169 正準形 24 整数解 73, 82 整数計画問題 3, 62 正則点 114 正定 146 制約緩和問題 73 制約条件 15, 64 絶対値問題 58 線形計画問題 1, 15 線形独立制約想定 114 潜在価格 50 全整数計画問題 63 尖点 114 相対費用係数 28 増大ラグランジュ関数法 136 双対実行可能正準形 53 双対シンプレックス法 52 双対シンプレックス法の手順 55 双対性 47 双対定理 47 双対変数 45 双対問題 45 相補条件 52, 115 相補定理 52 測深 71, 75, 85 測深済 75 素分割 74 ■た 行 第 1 段階 39 第 2 段階 39 大域的最適解 104, 108 退化 25 代数的解法 9 多次元ナップサック問題 68 単体表 25 端点 10 逐次 2 次計画法 136 直接探索法 122 詰込み 69 停止基準 124 テイラーの定理 98 停留点 105 転置 19 凸関数 102 凸関数の最適性の必要十分条件 107 凸計画問題 109 凸計画問題に対する最適性の十分 条件 117 凸計画問題の最適性の条件 109 凸集合 100 凸錐 101 凸多面錐 101 ■な 行 ナップサック問題 67 ニュートン法 127 ニュートン法のアルゴリズム 128 ■は 行 半正定 146 非基底行列 19 非基底変数 19, 25, 137 非基底列ベクトル 19 非線形計画法 51 非線形計画問題 7, 94 非退化実行可能基底解 20 非退化の仮定 138 非凸計画問題 110 非凸集合 100 被覆 69 非負条件 15 ピボット項 23 ピボット操作 23 非有界 30 費用関数 13 費用係数 15 標準形 15 不活性制約式 110 部分問題 74 プロジェクト選択問題 91 分割 69, 74 分割統治 71 分割統治法 74 分枝限定法 76, 78 分枝限定法のアルゴリズム 86 分枝操作 85 分枝変数 85 分数計画問題 58 平均値の定理 96 閉線形化錐 146 ヘッセ行列 95 ペナルティ関数 133 ペナルティ法 133 ペナルティ法のアルゴリズム 135 方向ベクトル 121 補間法 123 ■ま 行 ミニマックス問題 58 目的関数 15, 64 ■や 行 ヤコビ行列 99 有効制約式 110 輸送問題 8 欲張り法 92 余裕変数 17 ■ら 行 ラグランジュ関数 115, 140 ラグランジュ緩和問題 93 ラグランジュ乗数 139 ラグランジュ乗数ベクトル 115 離散最適化問題 63 利潤関数 12 利潤係数 15 列挙木 75 列形式 16 レベル集合 103 連続緩和問題 72, 82 論理条件 91 ■わ 行 割当問題 8

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著 者 略 歴 坂和 正敏(さかわ・まさとし) 1970年 京都大学工学部数理工学科卒業 1975年 京都大学大学院工学研究科博士課程数理工学専攻修了 京都大学工学博士 2010年 広島大学大学院工学研究院電気電子システム数理部門教授 2012年 広島大学大学院工学研究院電気電子システム数理部門特任教授 現在に至る 西 一郎(にしざき・いちろう) 1982年 神戸大学工学部システム工学科卒業 1984年 神戸大学大学院工学研究科システム工学専攻修士課程修了 1993年 博士(工学) 2010年 広島大学大学院工学研究院電気電子システム数理部門教授 現在に至る 編集担当 千先治樹(森北出版) 編集責任 石田昇司(森北出版) 組 版 ウルス 印 刷 ワコープラネット 製 本 ブックアート 数理計画法入門 坂和正敏・西 一郎 2014C 【本書の無断転載を禁ず】 2014年 11 月 20 日 第 1 版第 1 刷発行 著 者 坂和正敏・西 一郎 発 行 者 森北博巳 発 行 所 森北出版株式会社 東京都千代田区富士見 1–4–11(〒102–0071) 電話 03–3265–8341 / FAX 03–3264–8709 http://www.morikita.co.jp/ 日本書籍出版協会・自然科学書協会 会員 <(社)出版者著作権管理機構 委託出版物> 落丁・乱丁本はお取替えいたします.

参照

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