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安を受けた企業業績の改善期待 3 株主還元やROE 重視などコーポレートガバナンス強化の取り組みへの期待などが挙げられる については グローバルな金融緩和環境を背景に株式市場への資金流入傾向は顕著となっており 特に最近は利上げを控える米国株に対して 大規模な量的緩和を進める欧州株や日本株のパフォーマ

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Academic year: 2021

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日経平均株価は 2 万円台を回復

株高基調は持続するか?

○ 日経平均株価は15年ぶりに2万円台を回復した。グローバルな金融緩和環境下、日本企業の業績改 善やコーポレートガバナンス強化を期待した海外投資家の買いが相場の押し上げにつながった ○ バリュエーション面での割高感は乏しく、2万円は通過点といえよう。また、時価総額はバブルピ ークに迫り、日本はようやくバブル崩壊とデフレの呪縛から解き放たれる入口に立ったといえる ○ 中長期的には株価は上昇基調の維持が期待されるものの、短期的には調整リスクがある。5月は 「Sell in May」といわれるように、これまでの上昇の反動が出やすいと考えられ、留意が必要

1.日経平均株価は 15 年ぶりに 2 万円台を回復

今週(4/22)、日経平均株価は2000年4月14日以来、約15年ぶりに終値で2万円台を回復した。2012 年11月の野田首相による解散発言前には8,000円台だった日経平均株価は、約2年5カ月で2.3倍の水準 まで上昇したことになる。2012年以降の上昇は2段階に分けることができる。第1段階は2011年11月か ら2013年4月の異次元緩和を経て同5月までの半年間で、この間に日経平均株価は15,000円台を回復し、 上昇率は8割に達した(図表1)。その後、約1年5カ月はレンジ相場が続き、2014年10月の日本銀行に よるサプライズ緩和以降が第2段階である。昨年 10月の追加緩和発表時に15,000円台だった日経 平均株価は、半年で約3割上昇し、2万円を突破 した。第2段階の上昇はさらに2つの上昇局面に 分けられる。追加緩和発表後の約1カ月の上昇と 年明けの調整を経た2月以降の上昇局面である。 2012年以降の一連の上昇の要因として共通し ているのは、日本銀行の金融緩和による円高修 正や流動性供給への期待とアベノミクスによる 中期的な企業の構造変化と収益改善期待である。 今年になってからの上昇要因としては、①日本 銀行のみならずECBや中国などを含めたグロ ーバルな金融緩和環境への期待、②原油安や円 市場調査部主席エコノミスト 武内浩二 03-3591-1244 [email protected]

マーケット

2015 年 4 月 24 日

みずほインサイト

図表1 日経平均株価の推移 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 16,000 18,000 20,000 22,000 12/1 12/7 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 (円) (年/月) (資料)Bloomberg

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2 安を受けた企業業績の改善期待、③株主還元やROE重視などコーポレートガバナンス強化の取り組 みへの期待などが挙げられる。①については、グローバルな金融緩和環境を背景に株式市場への資金 流入傾向は顕著となっており、特に最近は利上げを控える米国株に対して、大規模な量的緩和を進め る欧州株や日本株のパフォーマンスの良さが目立っている。ただし、米国株についても原油安やドル 高によって業績の下方修正傾向が続いているにもかかわらず、最高値圏近辺で推移していることを踏 まえれば、グローバルな株式市場全体の好需給環境が反映されているものとみられる。②の企業業績 については、東洋経済による東証1部全産業(除く金融)の2015年度利益予想では、経常利益、純利益 とも2ケタの増加が見込まれている。ちなみに、みずほ総合研究所では、法人企業統計の大企業全産業 ベース(金融・保険、電気業を除く)で2015年度増益率を前年比+15%と予想している。③について は、安倍政権主導で「日本版スチュワード シップ・コード(2014年2月公表)」や「コーポレートガ バナンス・コード(2015年3月原案公表)」が策定される中、これに呼応する形で、上場企業は社外取 締役の設置やROE重視の経営方針を打ち出すなどコーポレートガバナンス強化への取り組みを進め ている。こうした流れの中で、特に、配当増や自社株買いによる株主還元、賃上げ、M&Aなど、こ れまで溜め込んでいた余剰資金の有効活用を積極化させていることが海外投資家に評価されているよ うである。

2.海外投資家主導の上昇で、官製相場とはいえず

需給面からは海外投資家の買いが相場上昇に寄与した面が強いとみられる。一部では、公的年金の ポートフォリオ見直しに伴う日本株の買い増しや日本銀行の量的・質的金融緩和に伴うETFの購入 などが、相場の押し上げに寄与したものであり、官製相場であるといった見方もあるようだ。確かに、 図表2 日本株の投資主体別売買動向(年度) 図表3 日本株の投資主体別売買動向(週次) ▲ 15 ▲ 10 ▲ 5 0 5 10 15 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 外国人 信託銀行(年金等) 生損保 銀行(除く信託) 投信 個人 事法 (千億円) (注)二市場一・二部合計 (資料)東京証券取引所、みずほ総合研究所作成 買 い 越 し 売 り 越 し (年度) -10 -8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8 10 14/12 15/1 15/2 15/3 15/4 海外投資家 信託銀行(年金等) 生損保 銀行(除く信託) 個人 投資信託 事業法人 (千億円) (注)二市場一・二部合計 (資料)東京証券取引所より、みずほ総合研究所作成 (年/月) 買 い 越 し 売 り 越 し

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3 2014 年度の投資主体別売買動向をみると、年金等の売買を示す信託銀行の買い越し額が海外投資家の 買い越し額を上回っている(図表 2)。また、ETF市場の規模からしても日本銀行のETF購入は心 理面も含めて少なからず相場に影響を及ぼしているとみられる。ところで、信託銀行が買い越しに転 じたのは 2014 年 5 月以降である。しかし、前述のように、2013 年 6 月から 1 年 7 カ月はレンジ相場 が続いており、少なくとも 2014 年 5 月から 10 月までの買いは明確な相場の押し上げ要因になったと は言い難い。その後についても、相場が大幅に上昇した局面での買いは限定的で、むしろ相場の下落 局面での買いが目立っている。つまり、年金の買いは相場が下押しした局面での押し目買いが中心で、 相場の下支え要因にはなっているが、押し上げへの寄与は限定的であったといえる。こうした傾向は、 日本銀行のETF購入についても当てはまる1。一方、昨年の追加緩和直後の大幅上昇局面や 2 月以降 の上昇局面では海外投資家の買いが目立っている(図表 3)。2 月に関しては、現物の買い越し額は多 くはないが、先物市場で大幅に買い越しており、相場の押し上げ局面では海外投資家の買いが寄与し ていることが分かる2。ちなみに、追加緩和以降は海外投資家の買いが上昇を牽引している点は共通し ているが、緩和直後の上昇局面ではヘッジファンドなどの短期筋が中心であったのに対し、年明け特 に現物の買いが膨らんだ 3 月以降の上昇局面では海外年金基金等の長期の投資家の買いが目立つよう になってきているといわれている。

3.バブル崩壊とデフレの呪縛から解き放たれる入口に立った日本の株式市場

以上、日経平均株価が2万円台回復に至る上昇要因と相場押し上げに寄与した投資主体について論じ てきたが、では、2万円台の回復はどのように評価すべきであろうか。まず、2万円はあくまで通過点 であり、中期的は更なる上昇余地があると考えられる。例えば、1989年のバブルのピーク時や2000年 図表4 日米独のバリュエーション比較 図表5 日経平均と東証1部時価総額の推移 ①1989年12月末、②2000年4月12日、③2015年4月23日 日本 米国 ドイツ TOPIX S&P500 DAX ① 47.3 9.9 10.8 ② 46.2 23.8 26.8 ③ 15.7 17.2 14.7 ① 5.4 2.0 ② 2.5 4.9 3.1 ③ 1.4 2.9 2.0 ① 0.5 3.2 ② 0.6 1.1 ③ 1.5 2.0 2.4 ① 3.6 -2.1 -2.0 ② -0.3 1.7 1.5 ③ -6.0 -3.9 -6.6 (資料)Bloomberg、Datastreamよりみずほ総合研究所作成 12カ月予想 PER (倍) 実績 PBR (倍) 実績 配当利回り (%) イールドスプ レッド (%pt) 0 100 200 300 400 500 600 700 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 85 87 90 92 95 97 00 02 05 07 10 12 15 時価総額(右目盛) 日経平均株価 (円) (兆円) (年) (注)時価総額は東証1部(普通株)。 (資料)日経Financial-QUESTよりみずほ総合研究所作成 1989年末 時価総額:590兆円 2015年4月23日 時価総額:584兆円

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4 のITバブルのピーク時と比較すると予想PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)といっ たバリュエーション指標に割高感は乏しく、利益水準や純資産の規模に沿った上昇であることが分か る(図表 4)。むしろ、PBRでみれば、1 倍を下回る企業も多く、市場全体でも米国やドイツと比較 しても割安感がある。すなわち、今後も増益基調が続き、純資産の増加も見込めることを前提とすれ ば、株価はさらに上昇してもおかしくないということになろう。また、株価でみれば、バブルピーク 時の半分の水準であるが、東証 1 部の時価総額(上場株式ベース)でみれば、すでに 584 兆円(4/23) とバブルピーク時(590 兆円)に迫る水準になっているということは注目すべき点であろう(図表 5)。 日本はバブル崩壊以降、資産価格の低迷が続いてきたが、株式時価総額がバブルピーク時に追いつく ことで、ようやくバブル崩壊とデフレの呪縛から解き放たれる入口に立ったと評価できるのではない だろうか。時価総額のバブル超えは 2007 年にも話題になったが、結局達成はされず、その後の米住宅 バブルの崩壊とリーマンショックの影響によって 8 年あとずれすることになった。ただし、金融危機 やその後の円高局面などを経て日本の企業はより強固な財務体質や柔軟な生産体制などを確立したと いえ、今後の成長に向けたステップとして前向きに捉えるべきではないだろうか。今後も持続的な企 業収益の拡大とそれに応じた株価の上昇のためには、政府と企業が一体となって現在行っている成長 戦略やコーポレートガバナンス強化の動きを加速していくことが重要であろう。

4.中長期的には上昇基調を維持する見込みだが、目先は調整リスクも

上述のように中長期的には株価は上昇基調の維持が期待されるものの、短期的には調整リスクがあ り、留意が必要であろう。アノマリー的には、5月は「Sell in May」といわれるように、過去5年間で 4回下落しており、平均騰落率は年間で最もよくない月である(図表6)。したがって、これまでの上昇 の反動が出やすいと考えられる。下落につながる不安要素としては、利上げが意識される中での米株 図表6 日経平均株価の月別騰落率(過去5年平均) 図表7 日銀短観の大企業収益計画 ▲ 5 ▲ 4 ▲ 3 ▲ 2 ▲ 1 0 1 2 3 4 5 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 (%) (注)2010年~2014年までの月別平均騰落率 (資料)Bloomberg (月) (前年同期比、%) 売上高 経常利益 売上高 経常利益 売上高 経常利益 全産業 0.7 0.6 1.0 ▲ 1.9 0.5 3.4 製造業 0.6 1.3 0.7 0.8 0.5 1.7 (加工産業) 1.4 0.5 1.7 ▲ 0.5 1.2 1.6 電気機器 1.7 0.2 1.5 ▲ 2.0 1.8 1.6 輸送用機器 0.2 ▲ 1.2 0.6 ▲ 0.5 ▲ 0.1 ▲ 2.0 (素材産業) ▲ 1.2 3.2 ▲ 1.4 4.3 ▲ 1.0 2.2 化学 ▲ 1.8 2.8 ▲ 1.3 4.0 ▲ 2.2 1.7 鉄鋼 ▲ 0.3 ▲ 1.7 ▲ 0.8 ▲ 1.3 0.1 ▲ 2.2 非製造業 0.8 0.0 1.1 ▲ 4.3 0.5 5.3 建設 0.6 ▲ 0.8 1.6 ▲ 5.2 ▲ 0.2 2.5 小売 1.2 4.6 1.3 2.6 1.2 6.3 (注)大企業製造業の2015年度想定為替レート:1ドル=111.81円。 (資料)日銀短観2015年3月調査 2015年度 上期 下期

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5 の調整、景気の鈍化がみられる中で急上昇している中国株の調整、ギリシャ問題の深刻化などが挙げ られる。また、日銀短観3月調査によれば、大企業の2015年度収益計画は市場コンセンサスなどと比較 してかなり慎重である(図表7)。為替レートの前提が1ドル=111.81円と現状よりもかなり円高水準で あることが影響していることに加え、内外景気に対する不透明感などが企業の慎重姿勢に繋がってい る可能性がある。今後本格化する2015年3月期の決算発表でこうした企業の慎重な業績見通しが示され れば、株式市場においても利益確定売りの材料とされることも考えらよう。2万円台の定着にはもうし ばらく時間がかかるのではないだろうか。 1 大塚理恵子「日銀のETF購入と株式市場」(みずほ総合研究所 『みずほインサイト』 2015 年 4 月 23 日) 2 武内浩二「日経平均株価 2 万円が視野に」(みずほ総合研究所 『みずほインサイト』 2014 年 3 月 16 日) ●当レポートは情報提供のみを目的として作成されたものであり、商品の勧誘を目的としたものではありません。本資料は、当社が信頼できると判断した各種データに 基づき作成されておりますが、その正確性、確実性を保証するものではありません。また、本資料に記載された内容は予告なしに変更されることもあります。

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