有識者本部員提出資料
日本の
IT 戦略検討への提言
平成
25 年 3 月
フューチャーアーキテクト株式会社
代表取締会長兼社長 金丸恭文
新たな
IT 戦略は、国・企業の効率性・生産性、個人の利便性の向上、ひいては
国全体の競争力向上を達成し、世界ランキング上位の米国や韓国をしのぐ世界
一を目指すべきである。そのために、我々は以下のような
IT 分野におけるグロ
ーバルな環境及び日本の現状を認識し、これまでのやり方を抜本的に見直し、
推進すべきである。
○世界では
IT 戦略は国家戦略の中核であることを再認識すべき
○複数存在する
IT 戦略関係の会議体を一元化すべき
○技術立国を標榜する我が国の
IT レベルが劣位にあることを真摯に受け止める
べき
○
IT 先進国、特に米国・韓国に謙虚に学び、世界一を目指すための具体的な実
行計画を直ちに策定すべき
○社会全体やあらゆるグローバルな企業間競争において、
Amazon 化、Google
化が推進されていることは、利用者も含めた今後の
IT 戦略、策定、実行チー
ムが次世代を担う世代を中心に形成されるべきであることを表していること
を認識すべき
新たな
IT 戦略のキーエレメント
○行政サービスのデジタル化、リアルタイム化を徹底的に促進すること
○変革のマイルストーンとして
KPI を設け、進捗度を検証すること(PDCA サ
イクル)
○個人データ保護を徹底し利用者に安心感を与える一方で、マスキングされた
個人を特定されないデータについては利活用を可能とすること(新市場の創
造)
2013 年 3 月 1 日
意見書
慶應義塾大学環境情報学部 村井純 1. オープンデータの推進:著作権や個人情報の安心な利用に関する調整機構整備 現在、電子行政オープンデータ実務者会議にて、データ形式の改善や公開データの拡大、著作権 上の制限の解決、利用の促進等について3 年間のロードマップを鋭意とりまとめているところで あり、これにより行政データのオープン化はかなり進むものと期待している。 ただ、行政データのみならず、民間データも含め、オープンデータを社会全体で有効に活用して いくためには、個人情報の問題が発生した場合の調整機構の整備が緊急の課題である。今後、産 業データや健康データをはじめ、幅広い分野のデータをオープン化していくことを考えれば、こ のような調整機構は、データ公開にリスクを負う民間にとって不可欠であるとともに、行政にと っても公開データの拡大に大きく資する。 対象となるデータや管理主体が非常に多種多様であることから、ぜひIT 戦略本部のもとで官民が 協力して、早急に著作権や個人情報の課題をクリアし安心して二次利用ができる環境整備、特に、 調整機構を確立する必要がある。 2. サイバースペース政策の推進 実空間(緯度と経度と高度と時刻による空間)に対するサイバー空間(サイバースペース)は、 1980 年代の SF 作家が創った古い言葉だが、今、現実空間にインターネットが完備されたグロー バルな空間を意識するために各国の政策議論に取り入れられている言葉だ。 IT 政策で大切なことは、デジタル情報、デジタルデータが自由に共有され交換できる地球全体の 空間が、すべての人に可能性を与えていることである。これを前提として、1)成長や発展とし て何をすべきか、2)国民の環境をどのように整備するか、3)日本の国際関係をサイバースペ ースでどのように進めるか、そして、4)グローバルなサイバー空間を発展させる日本の役割は 何でどのように責任を遂行するか、というフレームワークをしっかりと持つことが、これからの IT 政策、すなわち、「サイバースペース」政策である。サイバーテロ、サイバーウォー、などが、 独立に議論されるとともに、内閣ではサイバースペースとしてのビジョンを持った統合的な政策 をわかりやすく示す必要がある。 3. ファブ Japan 政策 オバマ政権は、科学、数学、技術の未来投資として、Fab Laboratory を政策としてとらえている。 ファブとは、 (1) Fabrication (ものづくり、こしらえる、製造加工) (2) Fabulous (素敵な、愉快な、愉しい) (3) Fabric (編み合わせる、異質な要素を縦横に組み合わせる) の3つがかかっていて、現代のコンテクストでは、デジタル技術とソフトウェアの論理性と 数学性を利用した、ものづくりの力を、インターネットを前提に推進するものである。 IT インフラが発達し、超高度なデバイス技術があり、そして、国民の質が高い。この日本で、 IT、科学、ものづくり、人材と、新産業の成長をファブ Japan 政策として推進すべき。参考:「サイバースペース」 ---
International Strategy for Cyberspace
http://www.bsk-z.or.jp/info/pdf/24-1shousassi.pdf
(2011 年 5 月版の日本語訳)
2009 年 1 月に大統領に就任したオバマ大統領は、
2010 年 5 月に「サイバースペース政策の再検討-信頼できかつ 弾力性のある情報・通信インフラストラクチャーの確保に向けて ( CYBERSPACE POLICY REVIEW - Assuring a Trusted and Resili ent Information and Communications Infrastructure)」を発表した。 Cyber Space Policy Review
http://www.whitehouse.gov/assets/documents/Cyberspace_Policy_Review_final.pdf 本報告書はこれに続く第2弾である。前報告書は、 米国内の将来のデジタルインフラの構築に向かう道程が概説されていたが、 本報告書では、幅広いサイバーに係る問題に対して、米国は国際的 なパートナーと協働して取り組むというアプローチを提示している。 3 つの原則 ①これまでの成功の上に構築する、 ②挑戦を認識する ③表現と結社の自由、プライバシー、及び自由な情報の流れ 求められるサイバー空間の将来像 ①公開性と相互運用性 ②セキュリティと信頼性 ③規範を通しての安定性 これを実現するために果たすべき外交、防衛、及びセキュリティ上の 役割等が概説されている。 参考:「Fab Laboratory」 --- 米国政府における Fab Lab
"Factory @ Home: The Emerging Economy of Personal Fabrication"
A report commissioned by the US Office of Science and Technology Policy 2010 年 12 月
http://www.shapeways.com/blog/archives/714-guid.html
・すべての学校に personal manufacturing ラボを置く等、
STEM(Science・Technology・Engineering・Mathematics:理系教育)推進の一環として、 設計・製造のための教育や社会環境に関する施策を提言。
※オバマ大統領は「Lack of STEM education in US」を公言 ・この中に「National Fab Lab Network Act 2010」制定の提言あり 米国National Fab Lab Network Act of 2010, HR 6003 の提案内容
http://thomas.loc.gov/cgi-bin/query/z?c111:H.R.6003.IH:
・趣旨:米国の科学分野の先導的ポジションを確保し、堅牢な製造基盤をつくるため、 新しい国家インフラが必要
・10 年以内に国民 70 万人あたり 1 つの Fab Lab を設置
・全国の fabrication ラボのネットワークをつなぎ、相互の活動を
コーディネートする非営利組織 National Fab Lab Network (NFLN) を設立 ・新しいFab Lab をつくりたい人はそこにコンタクト。 組織がFab Lab の標準を決め、設置希望者の提案が合致するか判断 ・スポンサーとfabricators をひきあわせる役割も持つ ・但し、NFLN に明確な予算はついておらず、寄付を受け付けるとされている EU の政策 EU の ICT 分野における研究開発の重点課題 "ICT Work programme 2013"
http://cordis.europa.eu/fp7/ict/docs/ict-wp2013-10-7-2013.pdf
の一部にfabrication が入っている。 (具体的な数値等の提言はなし)
Challenge 3: Alternative Paths to Components and Systems b) Cross-cutting technologies for a wide range of applications
Cost-effective assembly (including in particular hybrid optical integration) and packaging technology. Actions should also address the related thermal, electrical and mechanical challenges and fabrication technology.