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丹波黒大豆の生育収量成立に関する2,3の知見

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Academic year: 2021

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緒  言

 兵庫県篠山市は丹波黒大豆の栽培面積が 2010 年現在で 657 ha に達する一大産地である(篠山市 2010).丹波黒大 豆は百粒重が 80 ∼ 90 g とおそらく世界一の極大粒(兵庫 県 1998)で,正月のおせち料理や懐石料理などの高級食 材として珍重される地域特産物である.実需者(販売業・ 加工業・飲食業・消費者)の需要に応えるには生産量の確 保が必須となるため,市内に定点調査ほ場(8 ヵ所)を設 置し,丹波(旧篠山)農業改良普及センター,丹波ささや ま農業協同組合,篠山市が共同で生育,病害虫,収量調査 を実施し,毎年の生産者の防除や栽培管理を指導する基礎 資料としている.調査過程で生育,収量に関するデータが 蓄積し,これを活用すれば多収を得るための栽培体系構築 に役立てることも期待出来る.丹波黒大豆の生育収量成立 に関する研究は澤田ら(2011),本間ら(2008),御子柴ら (2009,2011)の事例があるがまだ稀少である.その中で 本調査は試験研究と異なり,迅速に調査を実施して,結果 を集計し,生産者を指導することが目的であるため試験区 の設定,調査方法,調査株数,反復数などが大まかである が,主要産地での数少ない調査例である.そこで今回,本 調査での生育収量データを解析して,丹波黒大豆の生育, 収量成立に関する若干の知見を得たので報告する.

材料及び方法

 2010 年に篠山市内 8 ヵ所(A:京町・B:畑井・C:下 原山・D:坂本・E:大山宮・F:味間南・G:真南条下・H: 今田木津)に定点ほ場を設置し,7 月 27 日,8 月 23 日に 生育中庸な 12 株の主茎長(cm),主茎節数,20 株の病害虫 の頭数,被害株率(カメムシ類,ハスモンヨトウ,サヤム シガ,アブラムシ類,ウイルス病など)を調査した.併せ て A ∼ H の全地点において畦高(cm)を測定した.また 10 月 15 日の代表 6 株の草丈(cm),主茎長(cm),地上部 重(g),茎径(mm),根重(g),一次分枝数,二次分枝数, 莢数(一粒・二粒・三粒・規格外・稔実・総莢数),莢重(g) (一粒・二粒・三粒・規格外・稔実・総莢重)を調査した. ここでは,莢数に関する上記 6 指標ならびに莢重に関する 上記 6 指標を合わせて着莢に関する 12 指標と表記する。 なお,根重,地上部重および着莢 12 指標については,A ∼ H の全地点において 2002 ∼ 2010 年の値の平均値を用 いて同様に相関関係を調査し,気象変動をある程度加味し た解析も行った.  草丈は地際から最上位葉の先端までの長さ,主茎長は地 際から生長点までの長さ,地上部重は収穫した株の根(後 述)を除いた茎,葉,莢の生重量,茎径は子葉節と初生葉 節の中間の短径,一次分枝数は主茎から分かれた 2 節以上 の枝数,二次分枝は一次分枝から分かれた 2 節以上の枝数 とした.根重は株の外周約 30 cm 四方にスコップを刺し, 株を引き抜き,軽く叩いて土を落とした後,子葉節で裁断

丹波黒大豆の生育収量成立に関する 2,3 の知見

-篠山市定点調査の結果より-

來田康男

1,2)

・小田芳三

1,2)

・樋本英司

2)

・松浪広幸

3)

・岸本 拓

3)

・松田隆広

3)

寺本吉彦

3)

・福田康幸

4)

・森本良太

4)

・酒井浩樹

4)

・鷲尾哲也

4) 1)兵庫県丹波農業改良普及センター(〒 669 − 3309 兵庫県丹波市柏原町柏原 688) 2)兵庫県篠山農業改良普及センター(〒 669 − 2341 兵庫県篠山市郡家字練兵の坪 451 の 2) 3)丹波ささやま農業協同組合(〒 669 − 2446 兵庫県篠山市八上上 700) 4)篠山市(〒 669 − 2397 兵庫県篠山市北新町 41) 要旨:兵庫県篠山市の丹波黒大豆定点ほ場の生育収量調査結果を活用し,丹波黒大豆の収量成立に関する知 見を得た.まず,2010 年の生育に関する形質と着莢に関与する 12 指標との相関を調べたところ,根重と 12 指標との間に有意の正相関が多く見られた.さらに,根重と地上部重との間に 1%水準有意,地上部重と総 莢数,総莢重との間にも 5%水準有意の正相関が見られた.この正相関は単年度平均値を累年 9 ヶ年(2002 ∼ 2010)で比較した場合も同様に見られた.また,同一生育環境で根を増やすと地上部重,総莢数,総莢 重が増加した.次に,簡易土壌水分計を用いて 2010 年の土壌水分と生育収量の関係を調査した結果,夏季 の土壌水分が適正水位だと着莢が多く,多収となり,干ばつだと着莢が少なく,低収となった.ところが適 正水位でも低収のケースがあり,原因は不適正防除による害虫多発,培土作業の不十分やそれに伴う生育不 良であった.したがって,丹波黒大豆栽培では根量を増やすこと,夏季の土壌水分の適湿を保持すること, 基本管理を励行することが収量確保のポイントとなると考えられた. キーワード:根重,莢数,莢重,適正水位,基本管理 2011 年 11 月 14 日受理 連絡責任者:來田康男(Yasuo_Koroda@pref.hyogo.lg.jp)

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し,下の部分を水洗い,水切りした生重量を測定した.一 粒・二粒・三粒莢数(莢重)は目視で農協出荷規格を満た す莢数(莢重)で,稔実莢数(莢重)はそれらの合計莢数 (莢重),規格外莢は目視で農協出荷規格を満たさない(病 虫害,生育不良,不稔など)莢数(莢重),総莢数(莢重) は稔実莢数(莢重)と規格外莢数(莢重)の計である.莢 重は全て生重量とした.A ∼ H の全地点において簡易土 壌水分計(須藤 2011)を設置し,7 月 27 日,8 月 23 日お よび 9 月 15 日に指示値を記録した.なお,土壌水分につ いては,これら 3 日間の計測値の平均値を用いた.病害虫 防除,施肥,中耕培土,支柱立て,畝間灌水などの耕種管 理は現地の慣行法とした.   また気象及び環境要因(ほ場,耕種管理)を同一にした 条件で根量の違いが着莢に及ぼす影響を調べるため,現地 施用試験で根量増加が認められ(前川ら 2011,來田ら 2011),篠山市の丹波黒大豆栽培暦(丹波ささやま農協 2011)にも採用された亜リン酸粒状肥料を活用して根量を 増やした株を作出した.2009 年に篠山市の 2 ヵ所(川北, 真南条中)で試験を行い,川北では亜リン酸粒状肥料(N: P2O5:K2O = 0:7:5,O 社 製 ) を 7 月 6 日,21 日 に 各 2 kg/10 a 株元施用した区(処理区),施用しない区(無処 理区)を設け,真南条中では亜リン酸粒状肥料(同上)を 7 月 2 日に 4 kg/10 a 株元施用した区(処理区),施用しな い(無処理区)を設けた.施用方法は上記事例(前川ら 2011,來田ら 2011)を参考とした.処理区と無処理区とで, 亜リン酸施用以外の耕種管理は全て同一とした.

結果及び考察

 黒大豆生産において多収を得るためには莢数の確保が重 要である(澤田ら 2011,本間ら 2011).そこで,生育に 関するどの形質が莢数に関連しているかを見るため,草丈, 主茎長,茎径,地上部重,根重,主茎節数,一次分枝数, 二次分枝数と,着莢に関連する 12 指標との正相関の有意 差の有無,莢数,莢重の総計である総莢数,総莢重との正 相関を調べた(第 1 表).着莢に関連する 12 指標の中で, 根重との関係では 1%水準で有意な指標が 4 指標,5%水 準で有意な指標が 4 指標,地上部重との関係では 1%水準 で有意な指標が 1 指標,5%水準で有意な指標が 5 指標, また,主茎節数との関係では 5%水準で有意な指標が 2 指 標となった.総莢数,総莢重との正相関は根重で各+0.873 (1%水準有意),+0.878(同)と最も高く,次いで地上部 枝数との間には有意の正相関が見られず,草姿を大きくし ても莢数及び莢重の増加に寄与しにくく,根量,主茎節数 を増やすことが莢数及び莢重の増加に寄与することが明ら かとなった.丹波黒大豆は葉が大きく(兵庫県 1998),さ らに直立型の大豆に比べて株が開帳するため,草姿の増大 は過繁茂や受光体勢の悪化を招き,莢数及び莢重の増加に つながりにくいと考えられる.  なお,根重と着莢に関連する 12 指標の正相関の内訳を 見ると,総莢重,総莢数,稔実莢重,稔実莢数との間に 1% 水準有意,一粒莢数,一粒莢重,二粒莢数,二粒莢重との 間に 5%水準有意の正相関が見られた(第 2 表).三粒莢数, 三粒莢重,規格外莢数,規格外莢重との間に正相関は見ら れなかった.従って,根重増加は主に一粒莢,二粒莢を増 やすことで稔実莢数(重),総莢数(重)を増加させる傾 向が明らかとなった.三粒莢は莢全体への寄与率(第 1 図) が 0.7%,数も 1.1 莢とごく少ないため数値の差が反映し にくく,規格外莢は害虫被害,栄養状態から来る発育停止, 枝折れなどの物理的損傷から来る登熟不良など多数の発生 要因が関与し,それらは根の生長量や着莢数の多少と必ず しも比例していないため有意差が出なかったと考えられ る.   次に,根重と地上部重,地上部重と総莢数,総莢重との 関係を見ると,根重と地上部重との間に 1%水準,地上部 重と総莢数,総莢重との間に 5%水準の有意差が見られた (第 3 表).この関係はある程度の期間の気象変動を加味し 第 1 表 生育に関する形質と着莢に関する 12 指標との正相 関の有意差の内訳,総莢数・総莢重との正相関と有 意差(2010:篠山市定点調査ほ)(n = 8) 第 2 表 根重と着莢との正相関で有意差の見られた指標の内

(3)

た 2002 ∼ 2010 年の各年毎の全箇所平均値(n=9)につ いても同様に見られた(第 3 表).   逆に気象及び環境要因(ほ場,耕種管理)を同一にした 条件で,材料及び方法で述べた方法で亜リン酸肥料を施用 して根量を増やすと,地上部重,総莢数,総莢重が増加し た(第 4 表).これらの結果は,気象条件に関わらず根量 を増加させると地上部の生育が盛んになり,莢数及び莢重 が増えることを示唆している.  なお,ダイズの根には根粒菌がつき,皮層組織に根粒を つくる.根粒菌は空気中の窒素を固定してダイズに供給す る(御子柴 1990).そのため,中耕培土を行って,新根を 発生させ,土壌の通気性を良くして根粒菌や根の発育を促 すことが多収につながり(御子柴 1990),篠山市の丹波黒 大豆栽培暦でも基本管理として 2 回の中耕培土を確立して いる(丹波ささやま農協 2011).本調査結果においても最 も多収であったH地点では中耕培土を 3 回行い,根を十分 に発生させている(第 2 図(a))のに対し,最も低収であっ た G 地点では培土が 1 回しか行えず,根が少ない(第 2 図(b)).根を増やすと多収につながることは経験的,感 覚的にも言われてきたが,丹波黒大豆についても今回の調 査結果から根重と莢数,莢重を中心に数値的な裏付けが得 られた.  これまで、根重と莢数,莢重の関係について見たが,開 花期以降には窒素供給源となる根粒が急激に減少する(御 子柴 1990)ため,窒素追肥による莢数の維持,登熟の促 進が必要となり,基本管理として丹波黒大豆栽培暦にも確 立されている(丹波ささやま農協 2011).ただし,窒素の 多投は登熟後期まで土中に肥料養分が残り,裂皮や成熟遅 れをもたらすリスクがあり,高品質,年内の早期出荷を目 指す篠山市では開花期(8 月中旬)1 回の施用としており(丹 波ささやま農協 2011),今以上の増施による制御が難しい. 窒素以外には水ストレスによる着莢率の低下があり,開花 期の灌漑が推奨され(御子柴 1990,有原ら 2000),開花 期の畦間灌水は丹波黒大豆栽培暦にも確立されている(丹 波ささやま農協 2011).畦間灌水は生育後期まで実施可能 な利点があるが,湿害や立枯性病害を増長するリスクもあ るため地上部から土壌や葉身の状態を見て土中水分の状態 を判断して慎重に行うが,経験を要し難しい.そこで,本 調査では簡易土壌水分計(須藤 2011)を用いて 7 月 27 日, 8 月 23 日および 9 月 15 日の 3 日における水分計の指示値 の平均値を便宜的に夏季における土壌水分の指標として, 総莢数および総莢重との関係を調べた(第 5 表).しかし ながら,3 日の平均値で夏季の土壌水分状態を推定するの 第 1 図 篠山市定点ほ場の株当たり一粒莢数,二粒莢 数,三粒莢数,規格外莢数と全体に占める比 率(2010). 第 3 表 根重と地上部重,地上部重と総莢数,総莢重との正 相関(単年度(n = 8),累年度(n = 9)) 第 4 表 丹波黒大豆の根重増加により,地上部重,総莢数, 総莢重が増加した例(2009) 第 2 図(a)・第 2 図(b) 培土を 3 回行い,根量が多く,着莢数が多くなったほ場(第 2 図(a):左)と培土が 1 回しか行えず,根量が少なく, 着莢数が少なくなったほ場(第 2 図(b):右)の差異(2010). 第 5 表 土壌水分指示値と総莢数,総莢重 (2010:篠山市定点ほ場)

(4)

は問題があり,あくまでも今後の検討への参考データ程度 としての認識が必要である.  簡易土壌水分計では指示値が 30 cm までは灌水は不要, 30 ∼ 60 cm が灌水時期,60 cm で収量に影響する干ばつ状 態とされる(須藤 2011).その対応から① 30 cm 近辺:適 正水位,② 60 cm 近辺:干ばつのグループに分け,総莢数, 総莢重との関係を見ると,適正水位の B 地点,E 地点,H 地点では着莢が多く,多収(総莢数が多く,総莢重が重い) となり,干ばつの A 地点,F 地点では着莢が少なく,低収(総 莢数が少なく,総莢重が軽い)となり,夏季(7 ∼ 9 月) の土壌水分の適湿保持が収量確保に必要なことが明らかと なった.  ところが,適正水位の C 地点,D 地点,G 地点では低収(総 莢数が少なく,総莢重が軽い)となっており,土壌水分以 外の要因も示唆される.その要因の一つとして 2010 年に葉 や子実を加害する鱗翅目幼虫が激発したことが考えられる. 例に篠山市のハスモンヨトウの発生状況をあげるが,過去 5 ヶ年平年の 4 ∼ 5 倍も発生している(第 3 図).次に,定 点ほ場での 7 月 27 日,8 月 23 日の害虫発生株率(フキノ メイガ)を見ると,C 地点では 8 月 23 日に急増し,D 地点 では 7 月 27 日,8 月 23 日とも高水準が維持されている(第 4 図).担当農家の話でも「害虫に気づき防除したが遅れた」 (C 地点),「防除したが害虫が増え過ぎて抑えられず」(D 地点)と発生状況に対応しており,適期かつ適切に防除が 行えず,害虫被害が拡大して減収したと考えられる.病害 虫防除の徹底は安定増収のため重要で(御子柴 1990),近 年の篠山市の丹波黒大豆品評会,共励会の上位入賞者の栽 培管理でもこまめに防除を行い,病害虫の発生を防ぎ,多 収を得たケースが多い(2008 ∼ 2011 篠山農業改良普及事 業協議会).  次に,考えられる要因の一つとしては培土や除草管理が 考えられる.定点ほ場での 7 月 27 日の生育(主茎長,主茎 節数)(第 5 図)と畝高(cm)(畝間の谷底から畝の最高部 までの直線距離)(第 6 図)を見ると,G 地点では 7 月 27 日の主茎長,主茎節数が最も劣り,また畝高も 23 cm と最 も低かった.まず,7 月 27 日の調査時に雑草の多発を確認 しており,生育不良はこの影響による.次に,通常は 2 回 以上の培土実施により高畝が形成され,篠山市の標準的水 準は 30 cm 程度であるが,G 地点では標準に及んでいない. 培土には除草効果もあり,雑草の発生状況から見ても培土 が不十分であったと考えられる.担当農家は「培土は 1 回 しか行えなかった」と話しており,第 2 図(b)の培土回数 が少なく根量が不十分となり低収となった経緯と一致する. G 地点では初期の除草管理や培土作業の不十分により生育 不良となり減収したと考えられる.  以上をまとめると,丹波黒大豆栽培では①根量を増やす こと,②夏季の土壌水分の適湿保持につとめること,さら に③病害虫防除や中耕培土といった基本管理を励行するこ と,が収量確保のポイントとなると考えられる. 第 3 図 篠山市定点ほ場のハスモンヨトウ発生状況(2010). 第 5 図 篠山市定点ほ場の 7 月 27 日の生育(2010).

(5)

謝  辞

 本調査に多大なる協力を頂いた丹波農業改良普及セン ター,篠山農業改良普及センター,丹波ささやま農業協同 組合,篠山市の共著者,関係者の皆様,外部への発表にご 理解を頂いた丹波ささやま農業協同組合営農経済部清水紀 久部長,篠山市農都創造部長澤義幸部長に謝意を表します.

引用文献

有原丈二(2000)“ダイズ安定多収の革新技術”農文協.東 京.1 − 256. 本間香貴・御子柴北斗・森 壽・岡井仁志・白岩立彦・須藤 健一・稲村達也(2008)「丹波黒」の生産変動要因に関す る研究 第 1 報 福知山市夜久野町大油子集落における 2006 年の実態調査より.作物研究 53:25 − 31. 兵庫県(1998)“丹波黒”.9 − 14. 來田康男(2011)“亜リン酸肥料の施用による特産豆類の収 量及び品質向上”平成 22 年度但馬丹波地域農業試験研究・ 普及成果発表会資料.兵庫県立農林水産技術総合セン ター北部農業技術センター.27 − 30. 前川和正 ・ 佐藤 毅 ・ 來田康男 ・ 相野公孝(2011)亜リン酸 粒状肥料が黒ダイズ収量と茎疫病の発生に及ぼす影響. 関西病虫害研究会報 53:87 − 89. 御子柴北斗・本間香貴・須藤健一・牛尾昭浩・岡井仁志・ 尾崎耕二・白岩立彦(2009)「丹波黒」の生産変動要因に 関する研究 第 2 報 丹波地方 4 集落における 2007 年の収 量および収量変動要因.作物研究 54:9 − 17. 御子柴北斗・本間香貴・須藤健一・岡井仁志・尾崎耕二・ 横峯雄一郎・白岩立彦(2011)「丹波黒」の生産変動要因 に関する研究 第 3 報 圃場間変動要因に関する共分散構 造分析.作物研究 56:55 − 62. 御子柴公人(1990)“転作ダイズ 400 キロどり”農文協.東 京.1 − 160. 篠山農業改良普及事業協議会(2008 ∼ 2011)“丹波篠山黒 豆栽培研修会資料”. 篠山市(2010)“平成 22 年度生産調整状況集計表”(2010 年 10 月 26 日版). 澤田富雄・廣田智子・岩井正志(2011)高品質黒ダイズの 生育モデル.作物研究 56:35 − 38. 須藤健一(2011)簡易土壌水分計による灌水時期の診断. 最新農業技術土壌施肥 vol. 3 農文協.東京.199 − 203. 丹波ささやま農業協同組合(2011)“平成 23 年度丹波篠山 黒豆栽培こよみ”.

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Some knowledge of growth and yield on soybean ‘Tanbaguro’ by the fixed-point

observation in Sasayama City

Yasuo Koroda1,2), Yoshizo Oda1,2), Eiji Hinomoto2), Hiroyuki Matsunami3), Taku Kishimoto3), Takahiro Matsuda3),

Yoshihiko Teramoto3), Yasuyuki Fukuda4), Ryota Morimoto4), Hiroki Sakai4) and Tetsuya Washio4)

1)Hyogo Prefectural Tanba Agriculural Extensive Center(688 Kaibara, Kaibara, Tanba, Hyogo, 669 − 3309, Japan) 2)Hyogo Prefectural Sasayama Agriculural Extensive Center(451 − 2 Gunge, Sasayama, Hyogo, 669 − 2341, Japan) 3)Tanba Sasayama Agriculural Cooperative Association(700 Yakamikami, Sasayama, Hyogo, 669 − 2446, Japan) 4)Sasayama City Office(41 Kitashinmachi, Sasayama, Hyogo, 669 − 2397, Japan)

Summary: Few knowledge of growth and yield on soybean‘Tanbaguro’were obtained by analyzing the results of the observation in Sasayama, Hyogo.First, we examined a positive correlation between the number of pods or pod weight (total 12 indicators) and the indicators for annual growth of 2010, and found more significant positive correlation between the number of pods or the pod fresh weight and the root fresh weight.Further, there existed a significant positive correlation between the root fresh weight and the aerial part fresh weight (at the 1% level), between the aerial part fresh weight and the total number of pods (at the 5% level) and between the aerial part fresh weight and the total pod fresh weight (at the 5% level).This positive correlation was also observed in the nine-year average data (2002−2010) as well as the data at 2010. Also, in the same conditions, with the growth of roots, the aerial part weight and the total number of pods increased.Then we surveyed the relationship between the annual soil moisture of 2010 and the growth and yield using simple soil moisture meter, as a result, the proper water level in summer soil moisture becomes many pod wearing and high-yield, the low water level in summer soil moisture becomes little pod wearing and low-yield.However, there are proper water level in case of low yields, that was brought about by multiple pests caused by inadequate pest control, growth defects and associated working poor tillage of furrow in the growing season.Therefore, increasing the amount of roots, preservation of the proper water level in summer soil moisture and enforcement of basic field management were considered to be the point of increasing the yield of soybean‘Tanbaguro’.

Key words: weight of root, number of pods, pod weight, the proper water level in summer soil moisture, basic field management

Journal of Crop Research 57 : 47 − 52(2012) Correspondence : Yasuo Koroda(Yasuo_Koroda@pref.hyogo.lg.jp)

参照

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