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「エビデンスに基づく助産ガイドライン―妊娠期・分娩期2016」:日本の産科医療施設における妊娠期ケア方針に関する調査

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全文

(1)

「エビデンスに基づく助産ガイドライン―妊娠期・分娩期2016」:

日本の産科医療施設における妊娠期ケア方針に関する調査

A survey of care policies for low risk pregnancies among obstetric

institutions in Japan

井 上 さとみ(Satomi INOUE)

*1

片 岡 弥恵子(Yaeko KATAOKA)

*2

江 藤 宏 美(Hiromi ETO)

*3 抄  録 目 的 日本助産学会の作成した「エビデンスに基づく助産ガイドライン―妊娠期・分娩期2016」(以下,ガ イドライン2016)発刊前に,ガイドライン2016が推奨している妊娠期ケアの方針について調査し,日本 の産科医療施設においてどの程度妊娠期のエビデンスに基づくケアが実施されているかを明らかにする ことを目的とした。 方 法 全国の産科を標榜する3,164施設を対象として,無記名自記式質問紙を用いた郵送調査またはWeb調 査のいずれかにて回答を求めた。質問紙の妊娠期ケアに関する項目は,ガイドラインに推奨が示された 11項目であった。調査期間は,2016年11月~12月であった。本研究は,聖路加国際大学研究倫理審査 委員会の承認を得て行った(承認番号:16-A062)。 結 果 研究協力施設は計 362 施設であった(回収率 80.4%)。全体として,「葉酸の摂取」(8.3%),「DV スク リーニング」(6.9%),「会陰マッサージ」(10.6%)に関してほぼ全例に実施/勧める施設が特に少なかった。 サプリメントの服用に関して,ビタミンサプリメントは勧めない施設が多く(60.1%),反対に鉄剤サプ リメントはほぼ全例/ケースにより勧める施設が多かった(66.1%)。マイナートラブルへのセルフケア方 法に関しては,「浮腫症状に対する足浴(74.9%)/マッサージ(78.4%)」,「腰痛および骨盤痛に対する運動」 (92.5%),「便秘改善のための食物繊維の摂取」(96.1%)は多くの施設においてほぼ全例/ケースにより勧 めていた。嗜好品の摂取に関して,「アルコール摂取に関する保健指導」(52.6%)は半数近くの施設でほ ぼ全例に実施されていたが,「カフェイン摂取に関する保健指導」(29.0%)は 3 割近くに留まっていた。 また,助産師外来の有無に関連して有意差がみられた妊娠期のケアは「会陰マッサージ」(χ2 値:8.870, OR:1.385,95%CI:1.129-1.699,p=0.003)であった。 2019年7月13日受付 2020 年2月24日採用 2020年6月11日早期公開

*1社会福祉法人聖母会 聖母病院(International Catholic Hospital) *2聖路加国際大学大学院(St Luke's International University) *3長崎大学(Nagasaki University)

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結 論 日本の産科施設における妊娠期のケアにはエビデンスギャップが存在することが示され,ガイドライ ン2016の周知と妊娠期ケアに関するエビデンス普及の必要性が示唆された。 キーワード:ガイドライン,助産,エビデンス,妊婦,妊娠期 Abstract Objectives

The Japan Academy of Midwifery published“2016 Evidence-based Guidelines for Midwifery Care” (hereinafter, this is called“2016 Guidelines”). The objective of this study was to search and clarify about maternity care policies based on 2016 Guidelines among Obstetric Institutions in Japan.

Methods

The participants of this survey were 3164 institutions; hospitals, clinics, and midwifery birth centers in Japan. This study was self-administered anonymously questionnaire survey and was conducted with mail or web surveys. The questionnaire included 11 maternity care policies that based on“2016 Guidelines”. Data was collected through November to December 2016. The ethics committee of St. Luke's International University, Tokyo, Japan (No.16-A062) provided ethical approval.

Results

362 institutions participated in the study (the response rate, 80.4%). Few institutions recommended or provided “Folic acid supplementation” (8.3%), “Screening for domestic violence” (6.9%) and “Antenatal perineal massage” (10.6%). Supplementation in pregnancy; Many institutions did not recommend“Vitamin supplementation” (60.1%) for pregnant women. Conversely,“Iron supplementation” was common (66.1%). The health guidance for discomforts in pregnancy;“Foot bath for leg edema” (74.9%), “Massage for leg edema” (78.4%), “Exercise for low back and pelvic pain” (92.5%) and “Taking dietary fibers for constipation” (96.1%) ware very common at each institutions. The health guidance of taking luxury grocery items; About half of the institutions provided“Health guidance for taking alcohols” (52.6%), but“Health guidance for taking caffeins” were provided still 29.0%.

There was significant difference about“Antenatal perineal massage” (χ2: 8.870, OR: 1.385, 95%CI: 1.129-1.699, p=0.003) whether institutions provided midwifery care in ambulatory or not.

Conclusion

Our results demonstrated that there were some gaps between evidence and clinical practice about maternity care in Japan. This study suggested that necessity of diffusion about“2016 Guidelines” and evidence of maternity care. Key words: EBM, guideline, maternity care, midwife, pregnancy

Ⅰ.緒   言

日本における助産師とは,保健師助産師看護師法第 3条において「助産又は妊婦,じょく婦若しくは新生 児の保健指導を行うことを業とする女子」と定められ ており,妊婦に対する健康教育は助産師が担う重要な 役割の一つである。また,World Health Organization (2018)は妊娠期から継続的に助産師主導のケアが行 われるよう推奨しており,厚生労働省(2009)がまと めた「周産期医療と救急医療の確保と連携に関する懇 談会報告書」では,「地域においては,合併症のない妊 産婦及び新生児のケアを担う助産師が不足している。 また,院内助産所・助産師外来の普及やハイリスク妊 娠・出産の増加とともに,助産師の保健指導等への関 与がこれまで以上に必要となっている。」と述べられ ている。したがって,我々助産師は,妊娠期からの助 産師主導のケアを推進していくとともに,妊娠期から 専門性を発揮して女性とその家族に関わり,どのよう な場においても一定の水準で良質なケアを受けること ができる環境を整えていく必要がある。 その方法の一つとして,ガイドラインの開発と活用 がある。諸外国においては,イギリスやオーストラリ ア,カナダ等においてローリスク妊産婦に対するガイ ドラインが存在している。ガイドラインとは「診療上 の重要度の高い医療行為について,エビデンスのシス テマティックレビューとその総体評価,益と害のバラ ンスなどを考量して,患者と医療者の意思決定を支援 するために最適と考えられる推奨を提示する文書」 (森實他,2014)を指すとされており,作成にあたっ てエビデンスに基づいているかどうかがひとつの重要

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なポイントであるといえる。日本にもエビデンスに基 づいた周産期関連のガイドラインが存在するものの, 助産師がかかわることが多いローリスク妊産婦に焦点 を当てたエビデンスに基づくケア方針に関しての記載 が十分にあるとはいえない。そこで一般社団法人日本 助産学会ガイドライン委員会は2017年に「エビデンス に基づく助産ガイドライン ― 妊娠期・分娩期 2016」 (以下,ガイドライン 2016)を作成し,妊娠期のケア に関するクリニカルクエスチョン(以下,CQ)に対し てエビデンスを整理して,推奨されるスタンダードケ アを示した。日本における妊娠期ケアの方針に関する 現状としては,妊娠期のケア方針に関する先行研究自 体が少なく,日本の産科医療施設におけるケアの現状 に関する全国規模の調査は存在しない。そこで,研究 者らと日本助産学会のガイドライン作成委員で協働 し,ガイドライン 2016 に記載のある妊娠期のケア方 針に関する調査を行った。また,明らかになっている 現状に関しては,近藤他(2008)が全国の助産師を対 象に実施した調査では,実際に妊婦または妊娠可能期 の若い女性に葉酸サプリメントの摂取を推奨していた 助産師は 30% であったと報告されており,片岡他 (2010)に よ る と 関 東 地 方 の 病 院 に お い て ド メ ス ティック・バイオレンス(以下 DV とする)のスク リーニングを実施していたのは 4 施設だけであった, など,Evidence practice gap が存在する可能性が予測 される。中山(2010)によると,Evidence practice gap とは,エビデンスを使う局面において,適切に利用す れば現場の問題解決に役立つはずのエビデンスが活用 されていないことを指し,適切な手法で作成されたガ イドラインはエビデンスギャップを埋める1つの方法 としても期待されていると述べられている。 そこで本研究では,ガイドライン 2016 発刊前に, ガイドライン 2016 が推奨している妊娠期ケアの方針 について調査し,日本の産科医療施設においてどの程 度妊娠期のエビデンスに基づくケアが実施されている かを明らかにすることを目的とした。本研究によって ガイドライン 2016 発刊前の妊娠期ケア方針の現状が 明らかになった後に,ガイドライン 2016 発刊後も定 期的に調査を行い,本調査との結果を比較していくこ とによって,ガイドライン 2016 の普及に伴うケア方 針の変化について評価していくことができる。さら に,その変化を評価していくことで,Evidence prac-tice gapを解消するための戦略を立てる基礎資料とな りうると考える。

Ⅱ.研 究 方 法

1.研究デザイン 本研究は,無記名自記式質問紙を用いた量的記述的 研究である。 2.調査対象 1)研究対象施設 日本において産科を標榜または分娩取扱いのある 病院・診療所・助産所を対象とした。対象施設の選定 方法としては,はじめに,厚生労働省の運営している 医 療 機 能 情 報 提 供 制 度 http://www.mhlw.go.jp/stf/ s e i s a k u n i t s u i t e / b u n y a / k e n k o u _ i r y o u / i r y o u / teikyouseido /より,日本国内の各都道府県において産 科を標榜・または正常分娩の取り扱いがある病院・診 療所を検索した。つぎに,公益社団法人 日本助産師 会のホームページにおける全国助産所一覧 http:// www.midwife.or.jp/ general/ birthcenter_list.htmlから,分 娩取り扱いのある助産所を検索した。検索の結果,病 院1,202施設,診療所1,547 施設,助産所415施設,計 3,164施設との結果を得たため,これらの3,164施設を 研究対象施設とした。 2)研究対象者 研究対象施設の中から協力可能な施設に勤務する管 理者(産科病棟の看護管理者,診療所・助産所の院 長),または各施設の妊娠・分娩期のケアについて 知っている医療者1名とした。 3.調査内容 1)質問紙の作成 調査時に策定中であったガイドライン 2016 の項目 をもとに,2009年に行ったケア方針の実態調査(清水 他,2013)を参考に日本助産学会のガイドライン作成 委員と協働し,研究者が質問紙を作成した。その後, 日本助産学会のガイドライン作成委員会メンバーが修 正・加筆を行った。妊娠期のケアに関するCQに対す る推奨と解説の要約を表1に示した。 2)質問紙の構成 質問紙は,妊娠期のケア方針に関する項目と施設の 特性に関する項目で構成された。 (1)調査項目 ①妊娠期のケア 妊娠期のケアに関しての質問は「貧血予防のための 鉄剤サプリメントの補給」「妊娠3か月までの葉酸の摂

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表1 ガイドライン2016のCQと推奨・解説 Clinical Question (CQ) 推奨と解説 妊娠中の鉄剤補給 【推奨】正常妊婦において,貧血予防のための鉄剤サプリメント摂取は勧められない。 【解説】複数の RCT およびそれらを基にした SR の結果から,鉄欠乏性貧血の発症を減少させる効果は期待されるものの,消化 器症状の副作用を伴うこと,また妊娠・分娩に関連する母体および胎児・新生児の臨床的アウトカムに関しては,有効であ るという結論は得られていない。 妊娠中における葉酸の効果 について 【推奨】食品からの摂取に加え,サプリメントにより 1 日 0.4mg(1 日 1.0mg を超えない)を,妊娠 1ヶ月以上前から妊娠 3ヶ月ま で摂取することが推奨される。

【解説】妊娠中の葉酸補給の目的としては,神経管閉鎖障害(Neural Tube Defects:NTDs)予防とその他妊娠・出産に関連する アウトカムへの効果が考えられる。NTDs 予防に関する有効性については,最新の知見に基づくと妊娠前からの 1 日 0.4mg の 葉酸摂取により NTDs 発症低下が期待されるが,出生児への悪影響の可能性(喘息など)も否定できない。妊娠・出産に関連 するアウトカムへの効果については,低出生体重児の減少を示唆する報告があるが,その他,母体・新生児におけるアウト カムの改善が認められたとする報告はない。 妊娠中にビタミンのサプリ メントを使用する必要があ るか? 【推奨】健康で通常の食事がとれている場合には,ビタミン剤(A,B1,B2,B6,B12,C,D,E)のサプリメントを使用する必 要はない。 【解説】いずれのビタミンも,妊娠経過,分娩,および新生児に関するいずれのアウトカムにおいても,有効であるとする RCT での検証結果は得られていない。欠乏症でない限り,これらのビタミンを妊娠中にサプリメントで補給することを勧めるエビデ ンスはない。なおビタミン A と D については,過剰摂取にならないように注意することが求められる。 妊娠中の腰痛・骨盤痛の改 善に効果的な方法は何か? 【推奨】運動が腰痛や骨盤痛の改善に役に立つ可能性があることを,妊娠期の女性に情報提供することを勧める。 【解説】最新のコクラン SR によると,妊娠期の何らかの運動介入は腰痛・骨盤痛に効果があるとされたが,研究の対象者や介 入方法が多様であり統合された結果の異質性も極めて高く,統合値の信頼性は低いと結論付けられている。したがって,妊 婦の腰痛・骨盤痛に効果的な特定の介入や時期については,明確にされていない。鍼とカイロプラクティックによる効果に ついては,小規模な RCT1 件ずつのみで,それらのエビデンスは不十分である。 妊娠中の浮腫の症状改善に 効果のあるものは何か? 【推奨】妊娠中の浮腫の症状改善には,リフレクソロジーや足浴は効果がある可能性があり,浮腫の症状改善の選択肢の一つ となり得る。 【解説】浮腫の症状改善には,リフレクソロジーや足浴などは効果がある可能性があるが,いずれも小規模の RCT1 件のみから の結果である。十分なエビデンスはないものの,リフレクソロジーや足浴による副作用の発生はみられていないため,妊娠 期の浮腫の改善策の一つとして情報提供してもよい。 妊娠中の便秘の改善に効果 的な方法は何か? 【推奨】妊娠中の便秘の改善に,食物繊維の摂取は勧められる。効果が十分にみられなければ,下剤の使用を考慮してもよい。 【解説】コクラン SR では,妊娠中の便秘の女性が大腸刺激性下剤を使用した場合,膨張性下剤を使用した場合と比べて,便秘 症状は改善したが,腹部の不快感や下痢症状がみられた。また,食物繊維ビスケットや小麦ブランを補食した場合には,排 便回数の増加がみられた。NICE ガイドラインでは,妊娠中の便秘を訴える女性に対し,ぬかや小麦ブランの摂取など食生活 の改善に関する情報提供をすべきとしている。妊婦での有効性と安全性は検証されていないが,食物繊維の摂取は排便回数 の増加がみられていることより,妊娠中の便秘の改善に食物繊維の摂取は勧められる。 妊娠期のドメスティック・ バイオレンス(DV)への対 応はどうすべきか? 【推奨】妊娠期の女性が安心して DV について打ち明けることができる環境を整備することが勧められる。その上で,妊婦に対 し DV スクリーニングを実施することが望ましい。 【解説】NICE 妊娠期ガイドラインおよびコクラン SR から,DV スクリーニングおよび早期介入の効果についてのエビデンスは 十分ではないが,母子の健康と安全を確保するために,女性にとって安心して DV について打ち明けることができる安全な環 境を整備することが推奨され,その上で DV スクリーニングを実施することが望ましい。 どのように DV スクリーニ ングを行うのか? 【推奨】DV スクリーニングは,正確度の高い DV スクリーニングツールを用いて自記式またはコンピュータを活用することが 勧められる。 【解説】NICE 妊娠期ガイドラインには,DV スクリーニングツールの正確度およびスクリーニングの方法を明らかにした SR に ついて記述されていたが,特定のスクリーニングツールおよびスクリーニング方法についての推奨はなかった。英語または スペイン語で使用されるスクリーニングツールと並んで,正確度が高い日本語のスクリーニングツール“女性に対する暴力ス クリーニング尺度”を用いることができる。スクリーニングの方法は,自記式またはコンピュータに入力する方法でスクリー ニングツールに回答することが勧められる。 DVを受けている女性に有効 な介入は? 【推奨】DV を受けている女性,または DV のリスクが高い女性には,女性の希望を確認した後,認知行動療法,支持的カウン セリング,家庭訪問を提供することが望ましい。 【解説】DV を受けている女性,または DV のリスクが高い女性に対し,暴力の低減または防止,女性の健康や QOL の向上の効 果が見込める介入には,認知行動療法,助産師の支持的カウンセリング,家庭訪問による支援などがある。どの介入も効果 が見込めるため,周産期にある DV を受けている女性に支援を提供することが望ましい。しかし,検出力の不足から現在のと ころ十分なエビデンスがあるとは言えない。 妊娠中,少量ならアルコー ルを摂取してもよいか? 【推奨】妊娠中の女性には禁酒を勧める。 【解説】妊娠中の母親の少量の飲酒は,時期に関わらず,発育遅延,中枢神経障害,特異的顔貌などの症状を有する胎児性ア ルコール症候群を引き起こす可能性が指摘されている。また,少量のアルコール摂取によっても児の発達への影響が指摘さ れている。 妊娠中,カフェイン摂取は 控えるべきか? 【推奨】妊娠中のカフェイン摂取は 300mg/日未満とすることが勧められる。 【解説】女性が摂取したカフェインは胎盤を通過し,胎児血中,羊水中にも認められる。妊娠中のカフェインの代謝は非妊娠 時と比べて低下しており,胎児におけるカフェインの代謝もとても緩やかであるため,母親のカフェイン摂取が少量ので あっても胎児におけるカフェインの曝露は長くなる。カフェイン摂取による妊娠,胎児への影響については,10mg/日の摂取 においても有害事象が認められたケースコントロールスタディもあるが,約 300mg/日以内の摂取では,有害事象は少ないと 考えられる。 会陰裂傷予防のための効果 的な方法は? 【推奨】初産婦では,妊娠 34 週以降に会陰マッサージを行うことにより会陰裂傷予防につながる可能性があることを伝える。 【解説】会陰マッサージの有効性に関する 1 件の SR 結果で,経膣分娩未経験妊婦において,妊娠 34 週以降に本人またはパート ナーが 3-4 分または 5-10 分,指を用いた会陰マッサージを行うことにより,縫合を必要とする会陰損傷の発症割合が低下する が,経膣分娩経験者ではこのような効果は認められなかったと報告されている。なおその効果が得られるのは週に 3.4 回以下 の頻度で行う場合であり,3.5 回以上では効果が得られない可能性がある(用量反応関係が認められていない)ことが示唆され ている。

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取」「ビタミンサプリメントの服用」「腰痛・骨盤痛緩 和のための運動」「浮腫の改善のための足浴・マッ サージ」「便秘症状改善のための食物繊維の接種」「DV スクリーニング」「アルコールの摂取に関する保健指 導」「カフェインの摂取に関する保健指導」「会陰裂傷 予防のための会陰マッサージ」「妊娠期から分娩期に かけての継続ケア」の11項目で構成された。 ②施設の特性 さらに施設の特性とケアの実態の関連を知るため に,施設の存在する地域,病院・診療所・助産所と いった施設の種類,院内助産・助産師外来の実施の有 無,病棟または診療所の形態(産科病棟/産婦人科病 棟/産婦人科以外の混合病棟かを問う),分娩件数,帝 王切開件数,病床数,医師数,病棟/外来の助産師数, 看護師数,の11項目で構成された。 (2)測定方法 質問の回答方法に関しては,妊娠期ケアに関する質 問 11 項目において「ほぼ全例に実施/勧める」「ケース により実施/勧める」「実施していない/勧めない」の三 者択一で回答を求めた。具体的な内容については多項 目選択および自由記載を組み合わせて用いた。 4.調査方法 本研究は,質問紙に記載をして返送してもらう方 法,インターネット上で質問に回答してもらう方法の 2通りの方法で調査を実施した。なおどちらの方法を 選択しても,質問内容は同様とした。 はじめに,研究対象施設の管理者(看護部長,院 長)に対して研究協力の依頼と協力の可否,研究協力 可能な場合に希望する調査への回答方法(質問紙を郵 送する方法か,インターネット上で回答する方法か) を尋ねる往復はがきを郵送した。また往復はがきには Web調査の回答先の URL/QR コードを記載し,イン ターネット上での回答を希望した場合には往復はがき に記載されたURL/QRコードより回答を得た。 つぎに,往復はがきの返信にて分娩取扱いがあり, かつ研究協力が可能であると回答した施設の管理者に 対して,研究説明書,質問紙,返送用封筒を送付し た。質問紙への記入後は返送用封筒に質問紙を入れて 研究者宛に返送してもらい,回収を実施した。なお, 本研究は各産科医療施設のケア方針に関しての調査で あるため,施設の管理者に,研究対象施設内で研究対 象者を1名選定してもらい,研究対象者へのURL/QR コードの通知,または研究説明書,質問紙の配布を依 頼した。データ収集期間は 2016 年 11 月-12 月であっ た。 5.分析方法 データの分析はIBM SPSS Statistics 24.0を用いて記 述統計量を算出した。研究参加施設に関しては,「周 産期母子医療センター(総合周産期母子医療セン ターと地域周産期母子医療センター)」「病院」,「診療 所」,「助産所(有床・出張専門助産所)」の 4 区分で分 類を行い,施設毎の特徴を知るために,各施設の妊娠 期のケア方針に関してクロス集計を実施した。なお, 質問紙への回答にて,分娩件数を0件と回答した施設 は欠損データとして扱った。 また,妊娠期のケアに関する結果について,実施し ている群と実施していない群に分け,助産師外来実施 の有無にてχ2 検定または期待度数が5未満の場合には Fisherの正規確率検定を実施した。有意水準は 5% と し,両側検定を実施した。妊娠期ケアを「実施してい る/勧める」群と「実施していない/勧めない」群の 2 群 に分ける方法としては,「ほぼ全例に実施/勧める」も しくは「ケースにより実施/勧める」と回答している群 を統合して「実施している/勧める」群とし,「実施して いない/勧めない」群との2群に分けた。 6.倫理的配慮 本研究は無記名の自記式質問紙調査であるため,質 問紙の返送/または Web 調査への回答の終了を以て研 究協力の同意とみなした。研究協力は自由意思であり 研究協力を断ることによる不利益は生じないこと,無 記名調査であるため質問紙郵送または Web 調査回答 後の研究協力の中断は不可能であること,研究協力者 および施設の匿名性の確保,収集したデータの管理方 法,調査結果の学会等での公表の可能性について,研 究説明書に明記し,研究協力施設に文章にて説明を実 施した。なお本研究は聖路加国際大学研究倫理審査委 員会の承認を得て行った(承認番号:16-A062)。

Ⅲ.結   果

1.研究協力施設数 研究協力の可否を問う段階で分娩取扱いがないと回 答した施設を除く,病院 1,136 施設,診療所 1,489 施 設,助産所392施設,計3,017施設を研究対象とした。 その中で協力可能と返答があった施設は450施設であ

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り,そのうち協力を得られた施設は,病院 176 施設, 診療所111施設,助産所75施設,の計362施設であっ た(回収率80.4%)。施設の詳細な区分は,総合周産期 母子医療センター 19施設(5.2%),地域周産期母子医 療センター51施設(14.1%),それ以外の病院106施設 (29.3%), 診 療 所 111 施 設(30.7%), 助 産 所 64 施 設 (17.7%),出張専門の助産所11施設(3.0%)であった。 2.研究協力施設の特性 質問紙への回答者の属性は,助産師306名(85.0%), 医師48名(13.3%),看護師6名(1.7%),無回答2名で あった。研究協力施設の種類ごとの属性に関して,表2 に示した。また,病院または診療所の形態は,「産科病 棟」43.9%(123施設),「産科・婦人科病棟」30.0%(84 施設),「産科・婦人科以外の混合病床」26.1%(73施設) であった。 3.妊娠期ケアの普及割合 妊娠期ケアの調査結果について,施設の種類別にク ロス集計を行った結果を表3に示した。 1)貧血予防のための鉄剤サプリメントの摂取 貧血予防のための鉄剤サプリメントの摂取につい て,「ほぼ全例に勧める」施設が 11 施設(3.0%),「ケー スにより勧める」施設が227施設(63.1%),「勧めない」 施設が122施設(33.9%)であった。また,初期の妊婦 に対応していないためこの項目に関する指導をするこ とが不可能である,と回答している助産所が1施設存 在した。 2)妊娠3か月までの葉酸の摂取 妊娠3か月までの葉酸の摂取について,「ほぼ全例に 勧める」施設が 21.8%(78 施設),「ケースにより勧め る」施 設 が 51.4%(184 施 設),「勧 め な い」施 設 が 26.8%(96 施設)であった。「ほぼ全例に勧める」と回 答したのが周産期母子医療センターでは20.0%,病院 では 25.5%,診療所では 28.2% であるのに対し,助産 所では8.3%であった。 3)ビタミンサプリメントの服用 ビタミンA,B1,B2,B6,B12,C,D,Eなどのビ タミンサプリメントの服用について,「ほぼ全例に勧め る」施設が1.7%(6施設),「ケースにより勧める」施設 が51.4%(184施設),「勧めない」施設が60.1%(217施 表2 施設の特性 総合周産期 母子医療 センター (n=19) ■ 地域周産期 母子医療 センター (n=51) ■ それ以外の 病院 (n=106) ■ 診療所 (n=111) ■ 助産所 (n=64) ■ 助産所 (出張専門) (n=11) n (%) n (%) n (%) n (%) n (%) n (%) 分娩件数  -100件 1 (5.3) 1 (2.0) 19 (17.9) 9 (8.1) 62 (96.9) 11 (100.0)  101-500件 5 (26.3) 20 (39.2) 60 (56.6) 74 (66.7) 2 (3.1) 0 (0.0)  501-1000件 9 (47.3) 24 (47.0) 17 (16.0) 24 (21.6) 0 (0.0) 0 (0.0)  1001-1500件 3 (15.8) 5 (9.8) 4 (3.8) 4 (3.6) 0 (0.0) 0 (0.0)  1501-2000件 1 (5.3) 0 (0.0) 4 (3.8) 0 (0.0) 0 (0.0) 0 (0.0)  2000件- 0 (0.0) 1 (2.0) 2 (1.9) 0 (0.0) 0 (0.0) 0 (0.0)  無回答 0 0 0 0 0 0 帝王切開率 - -  -10% 0 (0.0) 0 (0.0) 16 (16.0) 44 (41.5)  10.1-20.0% 1 (5.9) 8 (16.0) 37 (37.0) 51 (48.1)  20.1-30.0% 4 (23.5) 13 (26.0) 32 (32.0) 8 (7.6)  30.1-40.0% 7 (41.2) 22 (44.0) 8 (8.0) 1 (0.9)  40.1%- 5 (29.4) 7 (14.0) 7 (7.0) 2 (1.9)  無回答 2 1 6 5 助産師数*  0人 0 (0.0) 0 (0.0) 1 (1.0) 3 (2.8) 2 (4.7) 0 (0.0)  1-5人 0 (0.0) 0 (0.0) 13 (12.7) 63 (60.0) 40 (93.0) 6 (100.0)  6-10人 1 (5.6) 2 (4.0) 30 (29.4) 28 (26.7) 1 (2.3) 0 (0.0)  11-20人 1 (5.6) 22 (44.0) 45 (44.1) 10 (9.5) 0 (0.0) 0 (0.0)  21-30人 6 (33.3) 18 (36.0) 11 (10.8) 1 (1.0) 0 (0.0) 0 (0.0)  31人- 10 (55.5) 8 (16.0) 2 (2.0) 0 (0.0) 0 (0.0) 0 (0.0)  無回答 1 1 4 6 21 5 *常勤の職員数

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表3 ケアの実施状況 周産期母子 医療センター (n=70) ■ 病院 (n=106) ■ 診療所 (n=111) ■ 助産所 (n=75) ■ 総数 (n=362) n (%) n (%) n (%) n (%) n (%) 貧血予防のための鉄剤サプリメントの摂取  ほぼ全例に勧める 1 (1.4) 2 (1.9) 7 (6.3) 1 (1.4) 11 (3.0)  ケースにより勧める 36 (51.5) 60 (56.6) 77 (69.4) 54 (74.0) 227 (63.1)  勧めない 33 (47.1) 44 (41.5) 27 (24.3) 18 (24.6) 122 (33.9)  無回答 0 0 0 2 妊娠3 か月までの葉酸の摂取  ほぼ全例に勧める 14 (20.0) 27 (25.5) 31 (28.2) 6 (8.3) 78 (21.8)  ケースにより勧める 35 (50.0) 48 (45.3) 64 (58.2) 37 (51.4) 184 (51.4)  勧めない 21 (30.0) 31 (29.2) 15 (13.6) 29 (40.3) 96 (26.8)  無回答 0 0 1 3 ビタミンサプリメントの使用  ほぼ全例に勧める 0 (0.0) 1 (0.9) 5 (4.5) 0 (0.0) 6 (1.7)  ケースにより勧める 26 (37.1) 44 (41.5) 48 (43.2) 20 (27.0) 138 (38.2)  勧めない 44 (62.9) 61 (57.6) 58 (52.3) 54 (73.0) 217 (60.1)  無回答 0 0 0 1 腰痛・骨盤痛緩和のための運動  ほぼ全例に勧める 11 (15.7) 21 (19.8) 21 (19.1) 30 (40.0) 83 (23.0)  ケースにより勧める 56 (80.0) 75 (70.8) 76 (69.1) 44 (58.7) 251 (69.5)  勧めない 3 (4.3) 10 (9.4) 13 (11.8) 1 (1.3) 27 (7.5)  無回答 0 0 1 0 浮腫改善のための足浴  ほぼ全例に勧める 10 (14.3) 12 (11.3) 5 (4.5) 21 (28.0) 48 (13.3)  ケースにより勧める 45 (64.3) 67 (63.2) 71 (64.0) 40 (53.3) 223 (61.6)  勧めない 15 (21.4) 27 (25.5) 35 (31.5) 14 (18.7) 91 (25.1)  無回答 0 0 0 0 浮腫改善のためのマッサージ  ほぼ全例に勧める 6 (8.6) 8 (7.5) 10 (9.0) 25 (33.8) 49 (13.6)  ケースにより勧める 51 (72.8) 66 (62.3) 75 (67.6) 42 (56.7) 234 (64.8)  勧めない 13 (18.6) 32 (30.2) 26 (23.4) 7 (9.5) 78 (21.6)  無回答 0 0 0 1 便秘症状改善のための食物繊維の摂取  ほぼ全例に勧める 32 (46.4) 57 (53.8) 66 (60.0) 49 (66.2) 204 (56.8)  ケースにより勧める 36 (52.2) 45 (42.4) 37 (33.6) 23 (31.1) 141 (39.3)  勧めない 1 (1.4) 4 (3.8) 7 (6.4) 2 (2.7) 14 (3.9)  無回答 1 0 1 1 妊娠期から分娩期にかけての継続ケア  ほぼ全例に実施 4 (5.8) 7 (6.6) 13 (11.7) 54 (72.0) 78 (21.6)  ケースにより実施 52 (75.4) 71 (67.0) 56 (50.5) 16 (21.3) 195 (54.0)  実施していない 13 (18.8) 28 (26.4) 42 (37.8) 5 (6.7) 88 (24.4)  無回答 0 0 0 1 DVスクリーニング  ほぼ全例に実施 10 (14.3) 7 (6.6) 4 (3.6) 4 (5.4) 25 (6.9)  ケースにより実施 3 (4.3) 12 (11.3) 16 (14.4) 15 (20.3) 46 (12.7)  実施していない 57 (81.4) 87 (82.1) 91 (82.0) 55 (74.3) 290 (80.4)  無回答 0 0 0 1 アルコールの摂取に関する保健指導  ほぼ全例に実施 41 (58.6) 56 (52.8) 62 (56.4) 31 (41.3) 190 (52.6)  ケースにより実施 26 (37.1) 41 (38.7) 36 (32.7) 30 (40.0) 133 (36.9)  実施していない 3 (4.3) 9 (8.5) 12 (10.9) 14 (18.7) 38 (10.5)  無回答 0 0 1 0 カフェインの摂取に関する保健指導  ほぼ全例に実施 20 (29.0) 37 (34.9) 31 (28.2) 16 (21.6) 104 (29.0)  ケースにより実施 38 (55.1) 49 (46.2) 53 (48.2) 43 (58.1) 183 (51.0)  実施していない 11 (15.9) 20 (18.9) 26 (23.6) 15 (20.3) 72 (20.0)  無回答 1 0 1 1 会陰マッサージ  ほぼ全例に勧める 5 (7.3) 4 (3.8) 10 (9.0) 19 (26.0) 38 (10.6)  ケースにより勧める 23 (33.3) 29 (27.3) 27 (24.3) 29 (39.7) 108 (30.1)  勧めない 41 (59.4) 73 (68.9) 74 (66.7) 25 (34.3) 213 (59.3)  無回答 1 0 0 2

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設)であった。 4)腰痛・骨盤痛緩和のための運動 腰痛・骨盤痛がある妊婦への腰痛・骨盤痛緩和のた め の 運 動 に つ い て,「ほ ぼ 全 例 に 勧 め る」施 設 は 23.0%(83 施 設),「ケ ー ス に よ り 勧 め る」施 設 は 69.5%(251 施設),「勧めない」施設は 7.5%(27 施設) であった。 5)浮腫改善のための足浴・マッサージ 浮腫改善のための足浴について,「ほぼ全例に勧め る」施設が13.3%(48施設),「ケースにより勧める」施 設が 61.6%(233 施設),「勧めない」施設が 25.1%(91 施設)であった。また浮腫改善のためのマッサージに ついて,「ほぼ全例に勧める」施設が13.6%(49施設), 「ケースにより勧める」施設が 64.8%(234 施設),「勧 めない」施設が21.6%(78施設)であった。 6)便秘症状改善のための食物繊維の摂取 便秘症状のある妊婦の食物繊維の摂取について, 「ほぼ全例に勧める」施設は 56.8%(204 施設),「ケー スにより勧める」施設は 39.3%(141 施設),「勧めな い」施設は3.9%(14施設)であった。 7)妊娠期から分娩期にかけての継続ケア 妊娠期から分娩期にかけての同一の医療者による継 続ケアについて,「ほぼ全例に実施」している施設が 21.6%(78 施設),「ケースにより実施」している施設 が 54.0%(195 施設),「実施しない」施設が 24.4%(88 施設)であった。「ほぼ全例に実施」している施設の割 合は,助産所では72.0%であったのに対し,他区分の 施設では5.8-11.7%と差がみられた。 また継続ケアを実施している職種に関して複数回答 形式で回答を得たところ,助産師 92.8%(257 施設), 医師 33.9%(94 施設),看護師 19.1%(53 施設),その 他6.1%(17施設)の順で多かった。その他には,管理 栄養士,薬剤師,鍼灸師,あんまマッサージ師,メ ディカルソーシャルワーカー(以下,MSW),入退院 支援センターの看護師などの医療職から,ドゥーラな どの医療職以外の職種が存在していた。 8)DVスクリーニング 妊娠期女性への DV スクリーニングについて「ほぼ 全例に実施」している施設が6.9%(25施設),「ケース により実施」している施設が 12.7%(46 施設),「実施 しない」施設が80.4%(290施設)であった。いずれの 区分の施設でも約70-80%の施設はDVスクリーニング を実施していなかった。 DVスクリーニング実施時期に関しては,約60%の 施設が妊娠前期に実施しており,最も早くて妊娠 6 週,最も遅くて妊娠 32 週,平均 14.4±6.0 週で実施し ていた。全体としては,最も多かったのが妊娠 10 週 で 19.0%(12 施設),次いで妊娠 20 週が 15.9%(10 施 設),妊娠 12 週が 14.3%(9 施設)の順で多かった。 DVスクリーニングが陽性であった場合に実施してい る支援に関して複数回答形式での回答を得たところ, 被害者の安全を守るためのプランを考える・社会資源 の紹介・相談を受けるスペースの確保,を実施してい る施設が約 60%,配偶者暴力相談支援センター/警察 への通報・施設内でのフォローアップ,を実施してい る施設が約40%の割合で存在した。 実施方法に関しては,初診の問診時,妊娠証明書を 発行する時,など施設を受診する妊婦全員へ実施して いる場合と,外来で気になる様子が見られたとき,特 定妊婦の場合など,気になる事例に対してのみ実施し ている場合が存在した。さらにスクリーニングの際に 使用しているツールに関して2施設のみが具体的なス クリーニング尺度名「女性に対する暴力スクリーニン グ尺度(VAWS)」を挙げていた。その他には,自治体 の作成したアセスメントシート,生活行動アセスメン トスケール,県の産婦人科医会が作成したアンケー ト,などが存在した。スクリーニングを実施する人物 としては,医師,看護師,助産師,MSW などの職種 が挙がっていたが,特に医師・助産師が実施している 施設が多かった。 9)アルコールの摂取に関する保健指導 アルコールの摂取に関する保健指導について,「ほ ぼ 全 例 に 実 施」し て い る 施 設 が 52.6%(190 施 設), 「ケースにより実施」している施設が 36.9%(133 施 設),「実施しない」施設が10.5%(38施設)であった。 さらに,保健指導内容に関して尋ねたところ,「禁 酒を勧める」のが83.3%(269 施設),「控える様に勧め る」のが 14.6%(47 施設),「特に制限はしない」のが 2.2%(7 施設)の順で多かった。摂取を許容する酒の 種類としてはビールや日本酒などが挙がっていた。飲 酒の許容頻度に関しては一番少ない施設で週1回,多 い施設で毎日,平均週1.9±1.5 回であり,全体として は週 1 回が 50.0%(10 施設),週 2 回が 40.0%(8 施設) という順で多かった。許容している摂取量に関して は,一番少ない施設でコップ1/3 杯,多い施設でコッ プ3杯,平均1.3±0.8杯であり,全体としてはコップ1 杯が61.1%(11施設),コップ2杯が16.7%(3施設)の 順で多かった。また,本人の摂取状況に合わせて減量

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すること,というように具体的な杯数や酒の種類は定 めずに控えるように勧めている施設も存在した。 10)カフェインの摂取に関する保健指導 カフェインの摂取に関する保健指導について,「ほ ぼ 全 例 に 実 施」し て い る 施 設 が 29.0%(104 施 設), 「ケースにより実施」している施設が 51.0%(183 施 設),「実施しない」施設が20.0%(72施設)であった。 保健指導内容に関しては,「全く摂取しないように 勧める」のが2.8%(8施設),「控える様に勧める」のが 89.9%(257施設),「特に制限はしない」のが7.3%(21 施設)の順で多かった。摂取を許容する飲み物の種類 としては,コーヒー,紅茶,緑茶,を挙げた施設が多 かった。1日あたりの許容摂取量に関して,最も少な い施設で1杯,最も多い施設で5杯,平均2.1±0.8杯で あり,全体としては 2 杯が 48.4%(92 施設),3 杯が 26.3%(50 施 設), 1 杯 が 23.2%(44 施 設)の 順 で 多 かった。またカフェイン150mg/日以下,コーヒーを1 日150-200mgまで,というように具体的な数値を示し て保健指導を実施している施設が2施設存在した。 11)会陰裂傷予防のための会陰マッサージ 妊娠中の女性に対する分娩時の会陰裂傷予防のため の会陰マッサージについて,「ほぼ全例に勧める」施設 が 10.6%(38 施設),「ケースにより勧める」施設が 30.1%(108 施設),「勧めない」施設が 59.3%(213 施 設)であった。助産所においては「ほぼ全例に勧め る」,「ケースにより勧める」を合わせて約 60% の施設 が会陰マッサージを勧めているが,他区分の施設にお いては「勧めない」施設が約60-70%と,勧めない施設 の割合が多かった。マッサージの開始時期に関して, 最も早くて妊娠 16 週,最も遅くて妊娠 39 週,平均妊 娠 33.9±4.8 週であった。全体としては,妊娠 36 週か ら 実 施 す る よ う に 伝 え て い る 施 設 が 最 も 多 く 43.3%(55 施 設), 次 い で 妊 娠 37 週 が 19.7%(25 施 設),妊娠34週が10.2%(13施設)であった。 実施頻度については,最も少なくて週1回,最も多 くて毎日,平均週 5.7±2.0 回であった。全体として は,毎日実施するように伝えている施設が最も多く 66.9%(81 施設),次いで週 3 回が 19.0%(23 施設)で あった。 実施時間に関しては,1回のマッサージあたり,最 も短くて 1 分,最も長くて 60 分,平均 6.5±6.4 分で あった。全体としては,5分と伝えている施設が最も 多く42.0%(50施設),次いで10分が24.4%(29施設) であった。 4.助産師外来実施の有無と妊娠期ケア実施の関連 妊娠期ケアの実施の有無に関して,実施している群 と実施していない群に分け,助産師外来実施の有無に てχ2 検定を実施した。なお助産師外来実施の有無は, 助産所・出張助産所以外の区分の施設に対して尋ねた ため,分析は助産所・出張助産所を除いた結果となっ ており,分析に用いた施設数はn=279であった。その うち,助産師外来を実施している施設は54.8%(153施 設),実施していない施設は 45.2%(126 施設)であっ た。分析の結果,ケアの実施率に関して「分娩時の会 陰裂傷予防のための会陰マッサージ」(χ2 :8.87,OR: 1.385,95%CI:1.129-1.699,p=0.003)の 1 項目での み,助産師外来を実施しているほうが実施していない 場合と比較して,会陰マッサージを「勧める」割合に 差がみられた。

Ⅳ.考   察

ガイドライン 2016 における推奨と本調査で明らか になったケア方針を比較し,全体の半数以上の施設で 推奨と異なるケアが実施されている項目を中心に,そ の要因について考察をしていく。さらに,ガイドライ ン 2016 で推奨しているケアが普及していない要因, エビデンスに基づく実践を行っていくための方法につ いて考察していく。 1.貧血予防のための鉄剤サプリメントの摂取 妊婦の貧血に関する予防的な鉄剤サプリメントの服 用に関して,日本における他のガイドラインには記載 がみられなかった。しかし医療者向けの雑誌では,貧 血の予防に対してサプリメントの服用を勧めることを 推奨しており(松島他,2015),医療者の間でも貧血 の予防に対してサプリメントからの鉄分の補給を勧め るという知識が普及されていることが考えられる。そ れに加えて,鉄剤サプリメントはドラッグストアなど で販売しており,妊婦自身が簡単に購入できる。原他 (2011)の調査では,46.9%の妊婦がサプリメントを服 用していたことからも,妊婦が不適切な情報を基に鉄 剤やビタミンサプリメントを服用していることが危惧 される。したがって,医療者に対してガイドライン 2016等を活用して正しい知識を普及し,妊婦が医療 者から正しい情報を得ることが出来るようにしていく 必要がある。

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2.会陰裂傷予防のための会陰マッサージ 妊婦に対する分娩時の会陰裂傷予防のための会陰 マッサージについて,Baba et al.(2016)の関東の病 院を対象とした調査結果では,会陰マッサージをほぼ 全例に勧めるのは病院:8.5%,診療所:7.6%,助産 院:21.1%であった。その結果と本研究の結果を比較 しても,いずれの区分の施設においても妊娠中の会陰 マッサージを勧めている施設の割合は大きく変動がな いと推察される。また他の施設区分よりも助産所にお いて会陰マッサージを進める割合が多かった要因とし ては,助産所の助産師は予防という観点を重要視して いる,ということが明らかになっており(Gepshtein, et al. 2007),さらに,助産師は会陰裂傷の縫合が行え ないため,医師の常駐していない助産所では,妊婦へ 会陰マッサージを勧めることで,会陰裂傷を予防しよ うとする意識がより強く働くのではないかと考える。 本研究では,会陰マッサージの教育内容に関して, 開始時期と実施頻度に関してガイドラインで推奨され ている内容と違いがあることがわかった。開始時期は 推奨されている時期より遅く,実施頻度は推奨されて いる頻度より多かった。竹内(2014)によると,妊娠 中会陰マッサージをしていた妊婦は15.1%に留まって おり,さらに竹内他(2014)の調査では,妊婦が会陰 マッサージを実施出来ない理由としては約 30% の女 性が「時間を確保できなかったから」と述べているこ とがわかった。したがって,ガイドライン 2016 で採 択された先行研究でもマッサージの用量反応関係が認 められていない可能性が示唆されていることから,妊 婦が分娩まで実行でき,かつ効果のあるマッサージの 実施頻度,などのマッサージ内容に関する具体的な方 法をさらに検討していく必要があると考える。 また本研究では,助産師外来を実施している施設の 方が,実施していない施設と比較して,会陰マッ サージを勧めている割合が有意に高いという結果が得 られた。これには,助産師外来を実施している施設の 方が妊婦一人ひとりと接する時間が十分確保出来るこ と,外来独自のパンフレット等が充実していること, などの要因が推測できる。さらに竹内ら(2014)の調 査では,助産師の個別指導によって会陰マッサージに 関する情報を得ていた女性は,会陰マッサージを実施 した割合が有意に大きいことが明らかになっているた め,助産師外来等の助産師が直接関わることが出来る 場において,会陰マッサージに関して伝えていく必要 があると考える。 3.DVスクリーニング 片岡他(2005)によると,妊娠中のDVは一般的な女 性よりも頻度が高く,産科領域においてDVは特別珍 しい問題ではないということがわかる。しかし,2010 年に実施された関東に地域を限定した調査において DVスクリーニングを実施している施設は 5% であり (片岡他,2010),さらに本研究においても DV スク リーニングをほぼ全例に実施している施設はわずか 6.9%と,7年前と大きく変わらない状況であった。 スクリーニングとは「無症状の患者で疾患あるいは リスク要因を見出すこと」(Robert, et al. 2014/2016, p.168)をさしており,DVが疑われるかどうかにかか わらず全妊婦に実施されるべきであるため,どのよう な施設においても全妊婦に対してスクリーニングを実 施出来るような体制を整えていく必要がある。また本 研究においては,周産期母子医療センターにおいてス クリーニングを実施している割合が高かったが,その 理由としては,周産期母子医療センターはハイリスク 妊産褥婦を対象としている施設であり,元々DVとい うハイリスク妊娠の要因に関して関心が高いからでは ないかということが考えられる。しかし診療所や助産 所などのローリスク妊産褥婦を対象としている施設に おいてもDVの被害に遭っている女性が存在する可能 性はあるため,施設区分に関係なくスクリーニング実 施施設の増加が望まれる。 スクリーニングの具体的な実施方法に関して,本研 究において,具体的なスクリーニング尺度名を挙げた 施設は2施設のみであり,他の項目と一緒に問診にて DVに関して尋ねている施設も存在した。これらの施 設のように,すでに存在しているスクリーニング ツールを使用すること,全例に実施する問診表に加え てしまうことで,よりスタッフの負担なく DV スク リーニングをルチーンケアに追加していけると考え る。今回,ガイドライン 2016 にて推奨されるスク リーニングツールと方法について示したため,ガイド ライン 2016 の普及に伴い,ガイドライン 2016に関す る研修会なども実施することで,DVスクリーニング を実施する施設を増やしていくことが望まれる。さら に,今後も継続的にDVスクリーニング実施の有無に 関しての調査を行うことで,どのような要因がスク リーニングを実施すること阻害しているのか,等の詳 細を明らかにし,DVスクリーニングの普及への対策 を行っていく必要がある。

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4.エビデンスに基づく実践への課題 本研究では,エビデンスと実践におけるギャップが 存在していることがわかった。日本において,妊娠期 のエビデンスに基づくケアに関するガイドラインはガ イドライン 2016 以前には存在しなかったため,エビ デンスに基づくケアがどのような内容かを知らな かったことが要因の一つとして考えられる。また本研 究において,26.1%の病棟が産婦人科以外の混合病棟 であったこと,助産師が1人もいない診療所,施設全 体で助産師が1人しか存在しない病院などが存在して いる現状が明らかになった。さらに,公益社団法人 日本看護協会(2014)の調査では,産科混合病棟のう ち約 70% の病院で助産師が,「産科と他科の患者を同 時に受け持つことがある」ことが明らかになった。こ のような状況を考慮すると,エビデンスに基づく実践 をしたくてもマンパワー不足で諦めざるを得ないとい う状態になっている可能性もある。 エビデンスに基づく実践をしていくにあたり障壁に なる医療者個人の要因として,電子ジャーナルデータ ベースの使い方がわからない,リサーチエビデンスを 検索するスキルがない/時間がない,電子ジャーナル データベースが職場に導入されていない,などの理由 があるとされている(Pravikoff, et al. 2005)。さらに Pravikoff, et al.(2005)がアメリカで実施した調査で は,臨床での疑問を調べる際に多くの看護職が,先輩 や同僚,インターネットサイトから情報を得ており, PubMed等の電子ジャーナルデータベースを使用した ことはなかった,という結果が示されている。した がって日本でも先行研究と同様に,ケアの提供者がリ サーチエビデンスをケアへ活用する手段や方法を知ら ないということが,エビデンスに基づく実践をしてい く際の障壁のひとつとなっていることが推測できる。 さらに本研究では,「ケースにより実施/勧める」と回 答した施設が多かったが,これは,各スタッフの判断 にケアが委ねられている状況であり,スタッフに よってケアの質が左右される状況であると推察され る。したがって,これらの要因への対策として,ガイ ドライン 2016 の活用が望まれる。ガイドラインとは 既に多くの検討がされた上でエビデンスに基づき推奨 しているケアが記載されている文書であり,多忙な実 践の場での疑問に関してもその場でエビデンスに基づ く情報を得るための身近な資源となりうる。ガイドラ イン 2016 を活用することによって,提供するケアの 質が医療者により左右されることなく,良質なスタン ダードケアを提供するためのひとつの手段となるので はないかと考える。さらに,ガイドライン 2016 の使 用法に関する講習会を行ったり,ガイドライン 2016 の内容を簡易な内容にまとめなおしたものを用意した りすることによって,より活用しやすい状況を促進し ていく必要がある。 しかし,ガイドライン 2016 に記載されている内容 が全てケアの実践に完全に適応している方法ではない ことも考えられる。今後も調査を継続していくことに よって,ケアの提供者・受け手の双方にとってより受 け入れやすいエビデンスに基づくガイドラインへと改 訂されていくことが望まれる。

Ⅴ.研究の限界と課題

本調査は施設の方針に関する調査であり,特に 「ケースにより実施/勧める」と回答したケア項目の実 施割合の幅は大きいと考えられ,ケアの実数を把握で きる調査ではないことを覚えておく必要がある。ま た,研究協力施設数が対象数に対して少ないこと,対 象施設の区分において助産所の占める割合が大きいこ となどから,全国の産科施設のケア状況の正確な実態 把握には至っていないと考えられる。また本調査はガ イドライン 2016 の発刊前に妊娠期ケアの実態を明ら かにした研究であるため,今後ガイドライン 2016 の 普及に伴い,ケア方針の変化について査定していく必 要がある。 謝 辞 本研究にご協力頂きました皆様に心より感謝申し上 げます。また,質問紙作成の過程でご協力頂きました 日本助産学会ガイドライン委員の方々に,深く感謝申 し上げます。 利益相反 論文内容に関し開示すべき利益相反の事項はない。 文 献

Baba, K., Kataoka, Y., Nakayama, K., Yaju, Y., Horiuchi, S., & Eto, H. (2016). A cross-sectional survey of policies guiding second stage labor in urban Japanese hospitals, clinics and midwifery birth centers. BMC Pregnancy and Childbirth, 16, 37.

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表 3 ケアの実施状況 周産期母子 医療センター (n=70) ■ (n=106)病院 ■ (n=111)診療所 ■ (n=75)助産所 ■ (n=362)総数 n (%) n (%) n (%) n (%) n (%) 貧血予防のための鉄剤サプリメントの摂取  ほぼ全例に勧める 1 (1.4) 2 (1.9) 7 (6.3) 1 (1.4) 11 (3.0)  ケースにより勧める 36 (51.5) 60 (56.6) 77 (69.4) 54 (74.0) 227 (63.1)  勧めない 33 (47

参照

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