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塩基に弱い : 羊毛 絹 5 繊維 : 羊毛原因 : 硫黄を含み 硫化鉛 (Ⅱ) の黒色沈殿が生じたため 羊毛以外の繊維については はじめに Pb(OH)2 の生成によって白く濁るが NaOH が多いと その後 [Pb(OH)4] 2- となり白濁は消える 発展例 1 羊毛 絹 ( ナイロンは色の変

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Academic year: 2021

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ナイロン 66 の合成~代表的な合成繊維~

繊維の燃え方と反応

繊維の染色

1 繊維について 繊維には、天然の植物繊維、動物繊維に加えて、加工を加えた半合成繊維、モノマー から合成した合成繊維がある。繊維の種類による燃え方や薬品との反応、染色の違いに ついての実験と、衣料(繊維)は高分子化合物でできていることを学ぶナイロン 66 の 合成の実験を取り上げた。 植物繊維(綿や麻の主成分 セルロース) -β-グルコース-β-グルコース-β-グルコース-β-グルコース-βグルコース- 動物繊維(羊毛や絹の主成分 タンパク質) - アミノ酸 - アミノ酸 - アミノ酸 - アミノ酸 - アミノ酸 - 合成繊維(ナイロン、ポリエステルなどのポリマー) - モノマー - モノマー - モノマー - モノマー - モノマー - 2 実験結果 【実験4】繊維の燃え方と反応 結果例 綿 羊毛(毛糸) 絹 ナイロン 1 燃 え 方 燃える。 燃える。 燃える。 燃えずに融ける。 炎 の 色 橙色の炎 橙色の炎 橙色の炎 (炎は見えない) に お い 紙 の 燃 え た に お い 毛 の 燃 え た に お い 毛 の 燃 え た に お い 特殊なにおい 灰 の 様 子 ほ と ん ど 残 ら な い。 黒い塊。容易につ ぶれる。 黒い塊。容易につ ぶれる。 融けて、熱いうち に 引 き 伸 ば す と 糸状になる。 2 リ ト マ ス 紙 変化なし 赤から青 赤から青 赤から青 3 水 酸 化 ナ ト リ ウ ム 変化なし 絹より溶ける。 溶ける。 変化なし 酢 酸 鉛 変化なし 黒色に変化した。 変化なし(絹はS を含まない。) 変化なし 4 希 硫 酸 変化なし 変化なし 変化なし 変化なし 考察例 1 綿 2 羊毛、絹 3 繊維:羊毛、絹、ナイロン 気体:アンモニア 元素:窒素 (ナイロンも、タンパク質と同様にアミド結合-CONH-をもつのでアンモニアを 発生する。タンパク質のアミド結合は、特にペプチド結合と呼ばれる。) 4 酸に弱い:羊毛、絹は酸にも弱いが、今回の実験では確認できなかった。

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2 塩基に弱い:羊毛、絹 5 繊維:羊毛 原因:硫黄を含み、硫化鉛(Ⅱ)の黒色沈殿が生じたため。 羊毛以外の繊維については、はじめにPb(OH)2の生成によって白く濁るが、 NaOHが多いと、その後、[Pb(OH)4]2-となり白濁は消える。 発展例 1 羊毛、絹(ナイロンは色の変化はないが、とけてしまう。) 参 考 ・希硫酸との反応 繊維と酸・塩基との反応として、希硫酸との実験を入れたが、全て変化がなく、繊 維による違いが見られないので、時間がなければ省略してもよい。 ・キサントプロテイン反応 羊毛、絹がタンパク質からできていることを示す実験としては、発展に示したキサ ントプロテイン反応(ベンゼン環の検出)が最もよい。簡単で反応も明確である。 ・酢酸鉛との反応 タンパク質の構成元素はC、H、O、Nが共通で、構成アミノ酸の種類によって硫 黄Sを含むものがある。ケラチンは、硫黄Sを含むアミノ酸であるシステインの含有 量が多く、フィブロインは硫黄Sを含むアミノ酸であるシステインやメチオニンを含 まない。したがって、羊毛のタンパク質であるケラチンはSを多く含むが、絹のタン パク質であるフィブロインはSを含まない。 アミノ酸の構造 H Rの種類のよって約 20 種類のアミノ酸 がある。 R-C-COOH NH2 ・リトマス紙の反応 アンモニアを発生させて窒素を検出する実験であり、タンパク質(羊毛、絹)、ナ イロンが反応する。ナイロンがタンパク質と同じアミド結合をもつことの確認になる。 ・ビウレット反応(ペプチド結合の検出) タンパク質の呈色反応の1つで、追加実験として紹介する。 【実験方法】試験管に繊維片を入れ、1mol/L-NaOH5mL を加えたのち、0.1 mol/L- CuSO4 を1~2滴加える。羊毛と絹は赤紫色になる。発色するのに時間がかか る。羊毛は黒っぽくなり赤紫色に見えにくいが、羊毛を減らすと赤紫色に見える。 【実験5】繊維の染色 結果例 綿 羊毛(毛糸) 絹 ナイロン △ ○ ○ △ ・ナイロンは、綿よりはよく染まるが、羊毛や絹ほどは染まらない。 考察例 1 (動物)繊維がよく染まる。(動物)繊維が結び付きやすい。 2 含まれる金属が異なるから。 3 染料の色落ちを防ぐ。

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3 参 考 ・実験方法について ①媒染液の調製は、事前にしておくと時間を短縮できる。塩化鉄(Ⅲ)六水和物は潮解 性があるので、ビーカーに直接入れて量る。使う媒染液の量は、それぞれ 10mL 程度 でよい。 ②時間があれば、綿以外に羊毛や絹、ナイロンについても、同様に媒染液による発色 実験を行うと、様々な色が楽しめる。 ③ドライヤーがなければ、キッチンペーパーで水気をとる。 ・色素(染料分子)について タマネギの表皮に含まれる主な色素はケルセチンである。草木染めの色素成分は分 子量200 以上のポリフェノールという特徴をもつ。ポリフェノールとは、ベンゼン環 に結合しているヒドロキシ基-OHを2個以上もつ化合物の総称(ポリマーではない) で、比較的水に溶けにくい。 植物の液胞に含まれているアントシアンもタ マネギの皮に含まれるケルセチンもこれである。 ポリフェノールは、体内の酸化を防ぐ抗酸化物 質であるとされ、ポリフェノールを含む食品への 関心が高くなっている。 ・染色の難易と媒染剤 ケルセチン 繊維の染色は、繊維のケルセチン分子と染料の分子とが、化学的に結び付くことに よって起こるため、染料の分子の官能基が、繊維の分子の官能基と結び付きやすい場 合、その繊維は染色されやすい。羊毛、絹のタンパク質中のペプチド結合(アミド結 合)やアミノ基-NH2やカルボキシ基-COOHなどが染料の官能基と結び付く。 木綿はヒドロキシ基、ナイロンはアミド結合によって染料の分子と結び付く。 色素は金属イオンと結び付き水に不溶な物質となって繊維に固定されるため、色落 ちしにくくなり、鮮やかに発色する。同じ色素でも結び付く金属の種類によってその 色合いが異なる。 【実験6】ナイロン 66 の合成 結果例 1 ヘキサメチレンジアミン ( 無 )色の( 固 )体 融点は42℃であるが、純粋でないためか若しくは潮解性のためか、8 月に行ったと きは少し褐色を帯びた液体であった。11 月には無色の結晶塊であった。事典などには 「ほとんど無色結晶塊であるが次第に着色して褐色になる。」とある。 2 アジピン酸ジクロリド ( 無 )色の( 液 )体 空気に触れると変化しやすいので、使用する直前に試薬びんから取り出す。 3 界面の様子 ・白い膜ができた。 4 どのようなナイロンができたか。 ・白い糸状のものができた。 考察例 1 反応前後の物質の性質の変化は、分子のどのような変化によるものか。 小さい分子(モノマー)が重合して高分子化合物(ポリマー)が生じたため。

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4 2 ナイロンは、どのようなものに利用されているか。 ストッキング、ウインドブレーカー、釣り糸、エアバッグなど 参 考 ・ナイロン66 の合成について ナイロン 66 は、2つの単量体(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸ジクロリド) から、縮合重合によって合成される高分子化合物である。 ヘキサメチレンジアミンの分子 アジピン酸ジクロリドの分子 H2N-(CH2)6-NH2 ClOC-(CH2)4-COCl -NH2 ClOC- -N-H Cl-C- | *塩化水素HClが取れる。 H O 生成したナイロンの化学式

・・・・・-NH-CO-(CH2)4-CO-NH-(CH2)6-NH-CO-(CH2)4-CO-NH-(CH2)6-NH-CO-・・・・・・

-NH-CO- (アミド結合) ・実験方法について ①方法1で水酸化ナトリウム水溶液を加えるのは、縮合重合の際に生じる塩化水素を取 り除くためである。平衡移動の法則により、反応がより進みやすくなる。 ②方法2では、アジピン酸の代わりにアジピン酸ジクロリドを用いる方が、加圧や加熱 の必要がなく縮合重合を速やかに進行させることができる。 ③方法3では、ペンタン溶液をガラス棒を用いてビーカーの内壁を伝わらせて静かに加 え、2層の液が混じらないように注意させる。2層の液は下が水層、上がペンタン層 である。 ④方法5では、できあがった糸を水ではなくアセトンで洗い乾かす方法があるが、アセ トンを用いても乾燥が特に速くなることはない。アセトンは蒸気を吸い込むと有毒な ので用いなかった。 ⑤発展として、実験で合成したナイロン 66 の燃焼を加えようとしたが、不純物のため か、ナイロン特有の燃え方とならなかったため実験に加えなかった。 ⑥保護眼鏡をかけて実験する。薬品が皮膚に付着した場合は、すぐに大量の水で洗い流 す。アジピン酸ジクロリドやペンタンの蒸気を吸い込まないように十分に換気しなが ら行う。 ・ナイロン66 の名称について 66 は、モノマーであるヘキサメチレンジアミンの炭素数6、アジピン酸の炭素数6 を示す。「ナイロン」は、デュポン社のポリアミド繊維の商品名であるが、人類が最初 に工業生産した合成繊維のためポリアミド系繊維の一般名になっている。

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5 3 まとめ ○実験はやってみないとわからない! ビウレット反応はタンパク質の検出に用いられるが、羊毛では赤紫色になるはずが、 黒っぽい色になった。繊維の量を減らすと赤紫色になったが、実験してみて分かるこ とを改めて実感した。 ○硫黄Sを含まないタンパク質がある! 絹のタンパク質であるフィブロインは、硫黄を含むアミノ酸を含んでいないため、 硫黄の検出実験では反応しない。羊毛やヒトの毛のタンパク質であるケラチンは硫黄 を含むシステインを多く含むため、S-S結合を作り、パーマネントに利用されてい る。 ○ほとんどの草木染めの色素成分はポリフェノール! アントシアンも含め、ほとんどの草木染めの色素成分はポリフェノールである。色 素構造に共通の分子構造をもち、媒染剤(アルミニウム、鉄、銅イオン)との配位結 合によって発色する。 ○花が様々な色調を示すのも媒染と同じ原理! 花が様々な色調を示すのも、植物の液胞中に含まれているアントシアンが、カルシ ウムやマグネシウムなどの金属元素と種々の錯体をつくるためである。また、フェノ ール類の塩化鉄(Ⅲ)による検出も同じ原理である。多くのことを学び、それらが結 び付いていく楽しさを生徒にも感じてもらいたい。 ○他教科との協力は大切! この実験は、家庭科の教員とともに行った。生活文化科での生徒実験も好評であっ た。繊維について専門的に学ぶ人のための導入としてもよい実験である。また、植物 繊維のセルロース(語源:細胞セルと糖ロース)は植物の細胞壁の主成分であり、食 物繊維とも関係するので、理科だけでなく他の分野への興味・関心に広がっていく。 「科学と人間生活」は、身近なものを扱うため物質としては複雑なものが多く、どこ まで教えるかに悩むが、専門的になり過ぎて興味を失わせてしまわないように、実験 によって興味・関心を高め、身の回りの物質に対して興味・関心をもち続けてほしい と願う。

参照

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