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多孔質A1微粒子への発熱機能付与と性能評価

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Academic year: 2021

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多孔質

Al 微粒子への発熱機能付与と性能評価

[研究代表者]生津資大(工学部機械学科)

研究成果の概要 軽金属と遷移金属をナノ厚で積層堆積させた金属多層膜は,外部刺激印加により化合物を形成して発熱する.初期反 応の局所熱が周囲の反応のためのエネルギーとして使われるので,発熱反応が自己伝播する特徴を持つ.本研究では, 粉末射出成型技術を用いてテトラポッド型の多孔質Al 微粒子を製作し,その空隙部分に無電解メッキで Ni を成長さ せることで,発熱機能を持つAl/Ni 微粒子を製作した.多孔質 Al 微粒子の空隙率を変化させることで,Al/Ni 微粒子 の原子比を制御することができた.これにより,発熱性能を変調させることに成功した. 研究分野:ナノテクノロジ,材料工学,機能性材料 キーワード:自己伝播発熱反応,発熱微粒子,粉末射出成型 1.研究開始当初の背景 近年,軽金属と遷移金属(例えばAl と Ni)をナノの厚 みで積層堆積させた金属多層膜に外部から極微小エネル ギーを与えると,2 つの金属による化合物生成と同時に橙 色の閃光を発しながら発熱する.局所的な化合物生成反応 で生じた熱が次の反応誘起のためのエネルギーとして使 われるため,この発熱反応は多層膜内を10m/s 程度で高速 自己伝播する.条件次第では0.1 秒で 1000℃近くまで瞬間 発熱し,最高温度到達の数秒後には室温まで低下する.こ の発熱素材を用いると,熱を与えたい部位のみを瞬時に加 熱できる.また,燃焼反応ではないために反応雰囲気を選 ばず,真空中,不活性ガス中,水中でも大気中と同様に反 応する.ゼロエミッション材料でもあり,環境面でも優位 である.著者らは,Al/Ni 自己伝播発熱多層膜を熱源としMEMS 用封止パッケージの試作や Si デバイスチップの ダイボンディング技術開発を行っており,わずか1 秒未満2 枚の Si チップを瞬間ハンダ接合することに成功して いる1) 自己伝播発熱多層膜は発熱反応性を自在に設定でき,か つ,スパッタリング等で作りやすい機能性材料なため,Si プロセス等に比較的組み込み易い.しかし,異種材料の積 層構造体であるが故に三次元形状に自由成形することが 難しく,このことがアプリケーションを制限している可能 性がある. 2.研究の目的 本研究では,多孔質Al 微粒子を粉末射出成型法で作製 し,無電解メッキ技術を使ってNi を空隙部分に埋め込む ことで,ナノ~サブミリサイズの微粒子に金属固相反応に よる発熱機能を付与する技術を開発した2).本報では,発 熱微粒子の製造方法と発熱性能の評価事例を報告する. 3.研究の方法 スパッタ製膜した金属多層膜の固相発熱反応の特性は, 2 つの金属の組合せ,原子比,バイレイヤー(2 種金属 1 層ずつの厚み)厚,総膜厚,等によって決まる.すなわち, これらの組合せにより,ニーズに応じた様々な発熱特性を 持つ発熱多層膜を自由に作製できる.チューナブルな発熱 特性を持つ微粒子を作るには,2 種の材料の比率と粒子サ イズを自由に設定できる技術を要する.著者らは,一方の 材料で粒径,空孔径,空孔数,空孔配列等を自由に設定可 能な多孔質微粒子を作製し,その後,粒子の空孔と表面に 他方の材料を堆積させる方法で,チューナブルな発熱性能 を持つ微粒子の実現を目指している3) 本研究では,粉末射出成形によりサブミリサイズのテト ラポッド型多孔質Al 微粒子を作り,それに真空脱泡原理 を用いてNi を無電解メッキ製膜して Al/Ni 微粒子を製造 する技術を開発した. 117

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図1 作製したテトラポッド型多孔質 Al 微粒子 図2 Ni メッキ後の微粒子断面の EDX マップ 図3 電気刺激による反応実験の様子 4.研究成果 図1 は,作製した多孔質 Al 微粒子である.Al 粒子の粒 径やバインダーとの混合比を変えることで,空隙のサイズ と割合を変化させることに成功した. 図2 は,無電解 Ni メッキ後のテトラポッド型微粒子の 断面EDX 像である.真空脱泡の原理を用いて Al 微粒子 の空隙にNi メッキ液を含浸させ,Ni 成長させることに成 功した. 図3 に,電気スパークを与えたときの Al/Ni 微粒子の反 応の様子を示す.テトラポッドの形状に沿って反応がゆっ くり伝播していることがわかる.赤外線放射計を用いて反 応時の表面温度を計測した結果,図4 のように,Al/Ni 微 図4 表面温度計測結果例 粒子の最高表面温度はいずれもAl/Ni 多層膜より低かった. 空隙率が33%の Al/Ni 微粒子の到達温度は,空隙率 40% のそれより低いことがわかる.空隙率の違いはAl と Ni の 原子比の違いを意味しており,Al:Ni=50:50 に近いほど 到達温度が高くなる傾向にあることを示唆している. 5.本研究に関する発表

(1) Kanetsuki, S., Kuwahara, K., Egawa, S., Miyake, S., and Namazu, T.: Effect of Thickening Outermost Layers in Al/Ni Multilayer Film on Thermal Resistance of Reactively-bonded Solder Joints, Jpn. J. Appl. Phys., 56-6S1, (2017), 06GN16.

(2) Inoue, K., Fujito, T., Fujita, K., Kuroda, Y., Takane, K., and Namazu, T.: Fabrication of Micron-sized Al/Ni Tetrapod Particles with Self-propagating Exothermic Function, Jpn. J. Appl. Phys., 54-6S1, (2015), 06FP10.

(3) Kiyohara, K., Inoue, K., Inoue, S., and Namazu, T.: Shape Control of Self-Organized Porous Silica Submicron Particles and Their Strength Evaluation, Jpn. J. Appl. Phys., 55-6S1, (2016), 06GP12.

図 1   作製したテトラポッド型多孔質 Al 微粒子 図 2 Ni メッキ後の微粒子断面の EDX マップ 図 3   電気刺激による反応実験の様子 4 .研究成果 図 1 は,作製した多孔質 Al 微粒子である. Al 粒子の粒 径やバインダーとの混合比を変えることで,空隙のサイズ と割合を変化させることに成功した. 図 2 は,無電解 Ni メッキ後のテトラポッド型微粒子の 断面 EDX 像である.真空脱泡の原理を用いて Al 微粒子 の空隙に Ni メッキ液を含浸させ, Ni 成長させることに成 功

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