カイコの体 液 夕
Effects Of lnsect
PrOteins
ンパ ク質 にお よぼす昆虫 ホルモ ンと
抗生物 質の影響
小原隆三
十.河合
孝
**昭和
50年9月22日受付
Hormones and AntibiOtics on HaemOlymph
in the Silkworm,
βοη
bノπ
ηο
T,Ryuzo KOBARA and Takashi KAWAI
」uve に
hOrHIone(JHl and ecdysterone br insect horalone and mibttdn c
acinonycih D and puromycin for anibiOuc were indi dually illiected intO tlle bodycavity of he femle larvae, the femle pupae and he isOlated ferlale pupal abdo― mens of C124× Daiz5 and Daiz5 strains. he ovarian develop■lent and he pupaト
adult transforコ囮 )n were accelerated by he inieCted ecdysterOne in the isolated femle pupal abdOHlens.But tlle conditions Of he ovary or pupal tissues reHlained he saHle in he isolattd female pupal abdomens into which iuvenile hOrmone only had been inieCted.wllen」 H、、as gaven parenterally tO he nOrmal pupae ,uSt after ecdysis or the isolated female pupal abdomens intO whicll ecdysterone had
been iniected pre、 ■Ously9 the Ovarian developrlent was ihhibited and the cOncentra―
ion of haemlymph proteins,espeOially female speciic protein,became high. In
the indi dual larvae intO which some an bioics,pariculary acinOmycin tt were iniected the 3rd day after 4th ecdysis, the ildabi on of larval deve10pHlent and he decrease of haen01ynlph proteins in quantity were seeno On the oher hand, in the prepupae tt wllich the same antibiotics were administrated by in,ection in ma― mre larval sttge,he haemolymph proteins,specially female speciAc prOtein,were very much increased in quantity. Wllen soHle antibiotics were glven independently
by inieciOn tO the normal pupae iust after ecdysis,Or he isolated female pupal abdomens into which ecdysterone had been illieCted beforehand, in eiher case, tlle ovarian developHlent was inhibited and he arЮ こnt of female specinc protein increased. AbOve an, he amunt of fenaale speciic prOtein increased rapidly by the iniecion Of mitomyCin G
*鳥
取大学農学部附属農場Facv′″ ο′ スgTJC,どιvT9, ToιιοTJ yttυ¢Ts,″
小原隆三・河合 孝 緒
言 多 くの昆虫では、幼 虫か ら蛹 、 さらに成 虫へ と形 態的 に著 しい変化 が見 られる。同時 に、 それに伴 う幼 虫組織 の崩壊 と成虫組織の形 成 とい う生理 的変化 も激 しい と思 われ る。 この よ うな発育、変態 に伴 う物 質代謝 に関 して は多 くの研究者 が関心 を払 っている。特 に細胞 外液 と し て、種 々の組織 を浸 して体腔 内を循環 す る体液 は発育 中 の昆虫の生理的状態の指標 となる。 この ことか ら、体液 は様 々な角度 か ら研究 され、中で も体液 タンパ ク質 に関 す る研究 は多 く行 なわれている。 カイコにおいて も、体液 タンパ タ質 に関 して、ア ク リ ルア ミ ドゲル電気泳動法 を用いて研 究 され、発育 と変態 に伴 って著 しい変化 を示す こと、 さらに体液 タンパ ク質 に雌雄差の あることが明 らかにされている。 この雌雄差 の認 め られるタンパ ク質は雌 に多 くあ らわれることか ら 雌特異的 タンパ ク質 あるいは Vitellogenic Female proteinと 呼ばれ、卵巣発育 または卵母細胞 タンパ ク質 との関連 において研究 されているず'8,9,22,231 本実験 は、昆虫ホルモ ンな らびに
3種
の抗生物 質、マ イ トマイシンC、 アクチ ノマイシンD、 ピュロマ イ シン を用いて、 これ らがカイコ体液 タンパ ク質、特 に雌特異 的 タンパ ク質の発現 にどのよ うな影響 を与 えるかにつ い て、幼虫期 と蛹期 に調べ た。 その結果の概要 につ いて報 告す る。 材料 および方法 材料は約25℃で普通飼 育 した大造 と支 124× 大造の幼 虫、蛹 および蛹 の遊離腹 部 (何れ も雌)を
用 いた。遊離 腹部 は化蛹直後 に絹糸で胸腹部 間を結 さつ して頭胸部 を 除去 して作 り、 その後7日経過 した もの を実験 に供 した。 試薬の調整は次の よ うに行 なった。エ クジステ ロ ンは ロー ト製薬製の もの を用 い、蒸溜水1配にl m9の割 合 に 溶 か した。合成幼若化 ホルモ ン (Mehy卜10、 ■―O do-3 mety卜7、 1l diethyl― trideca-2、 6 dienOate)は東
京大学農学部森謙治博士 よ り贈与 を うけた 、以下 」Hと表 わす:O JH液はBr巧
35 0,089を
蒸溜水100m珍に,容か し た溶液lmをにJH′30、 15m9をけんだ く分散 させて作成 し た。アクチ ノマ イシンDは
10%エタノール1配に0.1、 0.5、 1.0皿9、 マイ トマイシンCは
蒸溜水lmをにl Ш9、 ピュロ マ イシンは蒸 溜水1配に1、 2、 4皿9をそれぞれ溶 か し た。調整液 は冷蔵庫 内 に保管 した。 処理 は各ステー ジの個体 をエーテルで所酔 した後 、種 々 に調整 した薬液 を1∼30μツ注射す ることによって行 っ た。対照区 には蒸溜 水、10%エタノールあるいはBr巧35 液 を処理相 当量注射 した。 体液 は処理後適 当な時期 に個体別 に背面 に針 を さ して 採取 した。 タンパ ク質の分離 にはアク リルア ミ ドゲルを 支持体 と したデ ィス ク電気泳動法 を用 いた。 ゲル濃 度は7.5%と
した。 また、泳 動 に用いた体 液量 は原則 とし てゲル当 り10μ〃とした。ゲルの タンパ ク質 は0.1%ア
ミ ドブラック10Bを用 いて染色 した。過染 された部分 は7%酢
酸液で脱色 した。その後 、デ ンシ トメー ター(OZ1/ArθR82型 )を
用 いて、波長5001VZで ゲルの各 タンパ ク質バ ン ドの吸光度 を測 定 し、 それ らの積分値 をもって雌特異 的 タンパ ク質量 な らびに全 タンパ ク質量 と して表 わ した。 結果な らびに考察1.体
液 タンパ ク質 におよばす昆虫ホルモ ンの影響 大造の蛹 を用 い、化蛹後3時間内 に 」Hを
蛹 当 り15、 30、 45μ9注 射 した。その結果は第1、2図
1こ示 した。 第1図は蛹 9日 における体液 タンパ ク質 を調べ た結果 で ある。 これよ り、対照区ではバ ン ドの数 な らび に濃度 において、処理区 に比 して著 しく少 な くあ らわれた。特 に雌特異的 タンパ ク質において差 が著 しかった。 また、 処理区間ではJHの
処理濃度 が高いほ ど体液 タンパ ク質 濃度 が高 くあ らわれる傾 向がみ られた。 なお、雌特異的 タンパ ク質 には電気泳動的 に移動性 を異 にす る2つの型 がある。す なわち、幼虫期 にあ らわれ比較 的移動性の低 い ところにある幼 虫型雌特異的 タンパ ク質(FL)と
、 蛹 期 にあ らわれ 幼 虫 型 とは移 動性 の高い ところにある Control 」H 15 」H 30 JH 45 傍g/蛹) 第 1図 碁誓 藍 露 饉 轟 T ≡ 予 1 1 持 篭F
P
←
=
穏
1
重
略
よ 蛹 お ,・ン︲こ
醐
塑
孵
腿
″
︶
勲
帷
婢勘
ContrOl EcdJrsterone 5 Ecdysterone 5
+JH 45
1Pg/蛹)A B c
第2図 蛹の卯巣発育におよぼすJHの 影響大遣,蛹7日 A Control
B化
蛹直後」H45//g注射C化
蛹3日後」H45Pg注 射 蛹型雌特異的 タンパ ク質(FP)で
ある。以下 この よ う に区別 して あ らわす。 一般 に、蛹期 における体液 タンパ ク質濃 度 は化蛹 後5 日頃 まで はその変動少 な く、以後卵巣の急速 な発育 な ら びに成虫化 に伴 って急速 に減 少す ることが知 られているp
本実験 において蛹 へ のJH処
理 は体液 タンパ ク質濃 度 を 高 くした。 第2図は 」H処
理 区 における卵巣 の発育状態 を蛹7日 に調べた ものである。 その結果、」H45μ 9注 射区では卵巣 の発育 がほ とん どみ られ なかった。 そ して、蛹 3日 目に 」H45μ9注射区では卵巣 の発育 が若干 み られた。 また、 図には示 さなかったが 」Hの
注射量 が少 ない と卵巣の発 育阻害 も少 なくなる傾 向がみ られた。 次 に、支 124× 大造の蛹 の遊離腹 部 を作 り、作成後7 日の もの を用いて 」Hの
処理 を行 った。 その結果は第3、 4、 5図に示 した。 Control 」H 3
」H 6
第3図 遊離腹部の体液 タンパ ク質パ ター ンにおよ 第4図 遊離腹部の体液 タンパ ク質パ ター ンに対 す るEcdysteroneと 」Hの影響FP:蛹
型雌特異的 タンパク質 処理後 6日A B C D
第5図 遊離腹部の卵巣発育におよぼすホルモンの =影 響処理後6日 A COntrol B Ec(けsterOne 5 μg C Ecdysterone 5 gtt」H45μg D Ecdysterone 5μgtt」H45//g(lH後) 第3図は遊離腹 部 に
JH3、
6、 12μ 9を注 射 した後、 9日目に体液 タンパ ク質への影響 を調べた もので ある。 その結果、各処理濃度区 とも対照区 と何 ら変化 が認 めら れ なかった。 エ クジステロ ンのみ 、な らびにエ クジステロ ンと」Hを 同時 に注 射 し、体液 タンパ ク質 と卵巣の発育 に対す る影 響 を、処理後6日に調べた結果は第4、 5図に示 した。 体液 タンパ ク質 につ いてみると、対照区 に比 してエ ク ジステロ ン5μ9注 射区ではその濃度 が徐々に減 少 して き た。 また、エ クジステロン5μ9と J H 45μ9注 射区では対 照区に比 して、体液 タンパ ク質濃 度 は若干低 くなったが、 雌特異的 タンパ ク質は増大す る傾 向がみ られた。卵巣の 発育は対照区ではみ られず、エ クジステロ ン5μ9注 射区 では良い発育 がみ られた。エ クジステロ ン5μ9とJ H 45 μ9の注 射区では卵巣の発育 はほ とん どみ られず、対照区 と大差 がみ られ なかった。 さらに、エ クジステロ ン5μ 9 ・2 蛹J
H
隠
ぼす」Hの 影響 処理後9日小原隆三・河合 孝 注射 1日 後 」H45μ 9注 射区では卵巣の発育 が若干認 め ら れた。 本契験 において、蛹 の遊離腹 部 は作成後1ケ月以上生 存 し、 その体液 タンパ ク質 な らびに卵巣の発育 に変化 が み られなかった。 また、エ クダイソ ン類似物 質が遊 離腹 部の成虫化誘導 を起 こす ことが知 られてお り、著者 らも 予備実験 か らエ クジステロ ン2∼5μ9/蛹 処理が適量 で あると認 めた『 'り 幼若化ホルモ ンはゴキブ リ、バ ッタ等多 くの昆 虫で、
tenogenた fematt proteinの 合成や菩積 あるいは卵 巣発育 に作用す ることが知 られているが、 カイコやセ ク ロ ピア蚕ではその作用 はない といわれている。 しか し、 幼若化ホルモ ンは胚 子発生、成 虫分化 あるいは卵巣発育 に対す る抑制効果の あること、 そ して
DNAち
,亀£ 璃 ンパ ク質の合成阻害 をす るこ とも認 め られている。 本実験 の結果か ら、遊離腹 部 においてエ クジステ ロ ン の注射は成虫化誘導 を起 こさせ るが、 」Hの
注 射 は何 ら 変化 を与 えなかった。 また、正 常蛹 あるいは蛹 の遊躙唆 部 にエ クジステロ ンを注身寸した個 体への 」Hの
注射 は、 それ らの発育経過 に伴 って、対照区 に比 して体液 タンパ ク質、特 に雌特異 的 タンパ ク質の濃度 が高 くあらわれた。 それと合せて、 」H処
理区では卵巣の発育 を阻害す るこ とが明 らかとなった。Blumenfeld and Schneiderman(1968)1れよP。″pん
9-卿2Sの 雌蛹 を用いて 」
Hを
注 射 し、体液 タンパ ク質への 影響 を調べ、JHは
卯黄 タンパ クの合成 と放出 には影響 しない。 しか し、卵糸剛包は大 きくな らない。 その結果、 second pupaeの血液 中の卯黄 タンパ ク濃 度は 約4倍に 増加することを報告 している。別 に、卵巣摘出 蚕 ならび に小形卯系統蚕 を用 いた実験 において、蛹後期 に体液 タ ンパ ク質なかで も雌特異的 タンパ ク質が増加す ることが 報告 されているず'4,10 以上要す るに、蛹 初期 あるいは蛹 の遊離腹 部 (エクジ ステロン5μ9を注射 した もの)に
多量 の 」Hを
注射 して も、成虫化過程 の組織崩壊 にはほ とん ど影響 を与 えない もの と考 えられ る。 しか し、卵巣 は発育 を著 しく阻害 さ れていた。 これはJHが
卯母沐剛包の分裂、発育 を阻害 し たためか、あるいは卵巣への物 質の と り込 み を阻害 した ためかの どちらかで ある。事実、化蛹後 」H注
射の時期 が遅 れると卵の発育 が若干 み られたことか ら、卯母ネ剛包 の発育 がJHに
よって阻害 された もの と考 え られる。結 局、蛹 の発育過程 で卵巣へ多 くとり込 まれる といわれる タンパ ク質、 なかで も雌特異的 タンパ ク質 が体液 中 に放 出 されるが、 」H処
理 によって卵巣の発育 が阻害 されて いるため、そのま ゝ体液中に残 り、その濃度を高めたも の と考えられる。2.体
液 タンパ ク質におよばす抗生物質の影響 幼虫期 :支124X大
造を用い5令3日幼虫に各種抗生 物質を注射 して、 6日 後 に体液 タンパ ク質への影響 を調 べた。その結果は第6、 7図 に示 した。 Control AO.5 Al.0A20
M 10 Ⅲ1 20P20
P40
儀g/幼虫) 第6図 幼虫体液 タンパ ク質パ ター ンに ll・よばす抗生物 質の影響 5令3日 注射,5令
9日 A: Actinonlycin D MI Mitorttcin C PI PurottcinFL:幼
虫型雌特異的 タンパ ク質 50 F40 L30 量20 10 Cα■rd A A A M M P P 05 10 20 10 20 20 40(趙 螺虫) 第7図 幼虫の体液 タンパク質におよぼす抗生物質の影響 5令3日 注射, 5令 9日 ‐ 全 タンパ ク質量 (吸光度の積分値)EII FL量
(吸光度の積分値) 註は第6図参照 FL ←5令幼 虫 における体液 タンパ ク質濃度は起蚕期 か ら徐 々に増大 し始 め、5令3日 頃 よ り熟蚕期頃 まで急速 に増 加す る。 また、幼虫の雌特異的 タンパ ク質は5令 3日頃 よ り現 われ以後増大す るυ アクチ ノマイシン
DO.5∼
2μ9処 理区では注射後 摂 食 ならびに発育 も悪 く、体液 タンパ ク質ならびに雌特異的 タンパ ク質 ともにその濃度は低 くな り、 さらに処理濃度 が高 くなる程 その影響 が大 きかった。 なかで も、2μ9注 射区では約 半数の個 体 が死 亡 した。マイ トマイシンC10、 20μ9ならびにピュロマインン20、 40μ9注 身寸区においては ほ とん ど影響 が認 め られなかった。 次 に、5令 7日の幼虫に各種抗生物 質 を注射 し、処理 後3日における体液 タンパ ク質への影響 を調べた結果は 第3、 9図に示 した。 その結果、対照区 に比 して各処理区 において、抗生物 質の種類や濃度 によ り若干の変異はあるが、いずれ も体 液 タンパ ク質濃度、 なかで も雌特異的 タンパ ク質濃 度 が 著 しく増加 し、多いものでは15倍 にも達 した。 カイコにないて、体液 タンパ ク質濃度は熟蚕期 まで増 加す るが、以後吐糸期 か ら化蛹 に至 る変態期 間にタンパ ContrЛ A A A M M P P 05 10 20 10 20 20 40(μ 1/幼よ) 第9図 幼虫の体液タンパク質におよぼす抗生物質の影響 5令 7日 注射,注
射後 3日 註は第7図参照 ク質濃度 の減 少が若干 み られ、 なかで も雌特異 的 タンパ ク質 を含 む移動性の低 いタンパ ク質成分 はほ とん ど消失 す る。 この変態中減 少す る体液 タンパ ク質はほ とん ど脂 肪体 に菩積 されるといわれている。9'11) 本実験 において、対照区では吐糸終 了期 に近 かったが アクチ ノマ インンDl、 2μ9注 射区では処理後摂食せず 吐糸 もほ とん どみ られなかった。 また、抗生物 質処理蚕 は対照蚕 に比 して何れ も脂肪体の発達 が悪 く、化蛹 も若 千遅 れる個体 があった。 そ して、蛹 は処理区で対照 区に 比 して仝般 的に大 きく、軟 らか くなる傾 向 となった。 さ らに、アクチ ノマイシンD、 マイ トマ イ シンC処
理蚕で は対照区 に比 し蛹期 間が2∼ 3日遅延 し、羽化 にも異状 が認 め られた。 蛹期:支124× 大造 を用 いて、化蛹 後3時間内 に各種 抗生物 質 を注 射 し、体液 タンパ ク質 に対す る影響 を調べ た結果は第10、 ■図に示 した。 処理後8日において、マイ トマ イ シンC10、 20、30μ 9 処理区で は体液 タンパ ク質濃度 が対照 区 に比 して高 くな った。 なかで も雌特異的タンパ ク質濃 度 は約3倍
も高か った。 アクチ ノマイシンDO。25、 0.5μ9、ピュロマ イ シン 10、 20、 40μ9処理では体液 タンパ ク質濃度 は対照 区 に比 して若千高い傾 向がみ られた。 蛹期 において、体液 タンパ ク質 は初期 には変動少 なく 後期 において減 少す る。本実験 において も処理後5日頃 までは対照区 と大差 が認 め られ なかった。 次 に、大造蛹を用 いて、卵巣の発育 に対す る抗生物 質 の影響 を調べ た結果は第12図に示 した。 抗生物 質処理区では対照区 に比 していずれ も卵巣発育 に阻害 がみ られ、処理濃度 が高 くなるほ ど、 なかで もマ 70 60 F50 L40 員 30 20 10 ContrOl AO.5 Al.0 A2.0 M lo M 20 ,P20'
P40
儀g/幼虫) 第8図 幼虫の体液 タンパ ク質パ ター ンにお よばす抗生物質の影響 5令7日 注射,注
射後 3日 註は第6図参照Control AO.25
A05
M10
卜1 20 卜1 30P10
P20
P30
儀g/蛹) 第10図 ξ 穂 遠 蛹の体液 タンパ ク質パ ター ンに およばす抗生物質の影響 化蛹直後注射,蛹8日 註は第1,6図参照 F30 P20 量10 儀ntrd A A M M M P P P 025 05 10 20 30 10 20 30(μg/姉)純
1図蛹の
体
液タ
ン
パク
質に
お
花
篤
書
覆
色
紫
戸
需
影
曾
‐ 全体液 タンパク質量 (吸光度の積分値) 1_」FP量
:蛹型雌特異的タンパク質量 (吸光度の積分値) 註は第6図参照 イ トマイ シン30μ9注 射区で最 も阻害 が著 しかった。 遊離腹 部:支124X大
造の蛹 の遊離腹 部 を用 いて、エ クジステロ ン5μ9注 射後、各種抗生物 質 を直 ちに注射 し、 体液 タンパ ク質 ならびに卯巣の発育 に対す る影響 を調べ た結果 は第13、 14、 15図に示 した。 第12図 蛹の卵巣発育におよばす抗生物 質の影響 化蛹直後注射,蛹8日,大
造 註は第6図参照 Ecdysterone 5 AO.25 AO.5 Al.0M10
ヽ1 20 ヽ1 30P20
P40
徹g/蛹) 第13図P P
20 40 (μg/虫涌)誓
け
穏
球
?答撃
勇
∠
瘍奮
房
0磐Ec"mo礎
と
推蠣離甜
註は第1,6図参照 P l0 M 30 M 20 M l0 A ・2 一 C 藝 ■ ア 〓 ・ 議 全 体 液 タ ン バ ク 質 量 00 50 小原隆三・河合 孝 FP ← オ 一 ■ ■ 拿 ■ t 静 ” h r r r 移 ユ 一 i 肇 F E I 陰 綺 観 騨 I “ 挽 一 f I I熟
好
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一
森ゝ
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σ
l
I n v凸
γ
ヽ 苺と
、
凸
重
舜
彎
魔
一
60 F50 P40 量30 20 10 Ecdliterone A A A M M M P P 5 025 05 10 10 20 30 20 40(μ ヽ鶴) 第14図 遊離腹部の体液 タンパク質におよぼす抗生物質 の影響 Ecdysteroneと 抗生物質同時注射
,注
射後 6日 註は第11図参照 Ec中 ―A M
Steヂne O,25 10
20 20 40M P P
(μg/蛹) 第15図 遊離腹部の卵巣発育におよぼす抗生物質 鱗 e Юneと抗生物質同時注射,注
射後6日 註は第6図参照 エ クジステロ ン注身寸の対照区では3日後 か ら体液 タン パ ク質濃度の減少 と卯巣の発育がみ られた。各種抗生物 質処理区では対照区 に比 して体液 タンパ ク質濃度 は著 し く高 くなった。 また、離特異的 タンパ ク質濃度 はマイ ト マイシンC 10、 20、 30μ 9の全処理区で著 しく高 かった。 次 に、卯巣の発育状態 につ いて観察 した結果は第15図 で ある。3種の抗生物 質 を処理 した全ての区で その発育阻 害 がみ られ、特 にアクチ ノマ イシンD、 マイ トマ イシンCの
処理区で著 しかった。SOcha and Sehnal (1972)19)1よT?″9う″jο ttοんιοT
の蛹 を用 いて、成虫発育 に対す る昆虫ホルモ ンと抗生物 質の影響 を調べた結果、 」
H化
合物、アクチ ノマイ シンDな
らびにマイ トマイ シンCは
それぞれ成虫分化 を妨 げ る。 そ して、マイ トマイ シンCは
内生器官を、アクチノ マイシンDは
クチクラなどタト生器宮の発育を阻止する傾 向のあることを報告 している。また、SrOka and Gilbert(1974)21)な らびにEngelmann(1971)5)は ァクチノマ 全 体 液 タ ン パ ク 質 量 ︲50 酬 50 イシン
Dが
/α″,2Ca S9″ια成虫で卵巣成熟 を阻害 し、 L9,cο?んα?α 42α J¢Tα¢で雌特異的 タンパ ク質の合成 を阻 害す ると報告 している。 本実験 において、3種の抗生物 質、DNA合
成 を阻害 す るといわれるマ イ トマ イシンC、RNA合
成 を阻害す るといわれるア クチ ノマイシンDな
らびにタンパ ク質合 成 を阻害す るといわれるピュロマ イシンを用いて、 カイ コの体液 タンパ ク質 な らびに卵巣発育 に対す る影響 を調 べ た結果、抗生物 質の種類、処理濃度 ならびにカイコの 発育ステー ジによってその作用 が異 なって あ らわれた。 す なわ ち、5令 3日処理ではアクチ ノマイ シンD注
射区 で発育の阻害 と体液 タンパ ク質濃度の著 しい低下 がみ ら れた。5令末期 か らの変態期 においてはいずれの抗生物 質処理区 において も体液 タンパ ク質濃度 が増大 した。 な かで も雌特異的 タンパ ク質の増大 が著 しかった。 この幼 虫→蛹 変態期 には雌特異的 タンパ ク質 を含む移動性の低 いタンパ ク質成分 が体液中か ら消失 し脂肪体へ とり込 ま れることが明 らか となっている。 この ことか ら、いずれ の抗生物 質 も体液 タンパ ク質の脂肪体への転移 を阻害 し た結果、体液 中 にその濃度 が増加 した もの と考 え られる。 さらに、アクチ ノマ インンD処
理 区 においては吐糸障害 を起 こす もの もあ り、 また巨大蛹 も多 く生 じた。 これ ら の生ず る機作 につ いては解明出来 なかった。 次 に、正常蛹 な らびにエ クジステロ ンを注射 した蛹の 遊離腹 部への抗生物 質の注射 はいずれ も体液 タンパ ク質 濃度の増加 をもた らした。 なかで もマ イ トマインンC処
理区 において雌特異的 タンパ ク質の増加 が著 しかった。 そ して、卵巣の発育阻害 も認 め られた。 この体液 タンパ ク質の増加す ることか ら、カイコ蛹 の成虫化過程 におけ る組織の崩壊 に3種
の抗生物 質の影響 は少 なく、体液中 への タンパ ク質の放出が行 なわれると考えられる。 しか し、抗生物 質は新 しい組織形成 には何 らかの障害 を与 え るもの と思 われる。 これは前述の 」Hの
作用 と類似 して いる。 また、処理 した抗生物 質の種類 によ り体液 タンパ ク質の あ らわれ方 に差異 がみ られた。 これは抗生物 質の 種類で作用点 あるいは作用機作 に差異のあるため と考え られる。 絡括 カイコの体液 タンパ ク質、特 に雌特異的 タンパ ク質の 発現 におよばす昆虫ホルモ ンと抗生物 質の影響 につ いて 実験 した。 材料 には大造 な らびに支 124× 大造の幼 虫、蛹 および 蛹 の遊 離腹 部 (いずれ も雌
)を
用 いた。昆虫ホルモ ンと小原隆三・河合 孝 してはエ クジステロ ン、 」H、 抗生物 質 と してはマ イ ト マ イシンC、 アクチ ノマ イシン
Dな
らびにピュロマ イシ ンを供試 した。処理 は調整 した試薬の注 射 によった。体 液 タンパ ク質はアクリルア ミ ドゲル を支持体 と した電気 泳動法 によって分別 し、ア ミ ドブラ ック10Bで
染色 して 検 出 した。実験 結果は次の よ うで ある。 蛹 の遊離腹 部へのエ クジステロ ンの注 射 は卵巣の発育 と成虫化 を促進 した。 また、JHの
みの注射 は何 ら変化 をあらわ さなかった。脱皮直後 の普通蛹 と蛹 の遊離腹 部 ヘエ クジステロ ン注 射後 に 」Hを
注 射 した場合 はいずれ も卵巣の発育 を阻害 し、体液 タンパ ク質、特 に雌特異 的 タンパ ク質 を増加 させ た。 ′ 5令 3日幼虫 に各種抗生物 質 を注 射 した場合、 アクチ ノマイシンD処
理区では幼 虫の発育 阻害 と体液 タンパ ク 質濃度の減少 がみ られた。 また、幼 虫末期 における各抗 生物 質の注射は体液 タンパ ク質、特 に雌特異 的 タンパ ク 質の増加 がみ られた。脱皮直後 の普通 蛹 と蛹遊離腹 部 に ェ クジステロンを注射 した個体への各種抗生物 質の注 射 は各処理区 とも体液 タンパ ク質の増加 と卵巣 の発育阻害 がみ られた。 なかで も、マ イ トマイ シンC処
理では雌特 異的タンパ ク質の増加 が著 しかった。 稿 を終 るにあた り、本研究 に援助 をいただいた岡 田明、 石 田久二 の両氏 に謝意 を表す る。 また、本研究の一部 は 文部省科 学研究費 総合研究 (代表者 鹿児島大学農学 部 橋 口勉博士)に
よって行 った。 文献
1)Bhmenfeld,M.and Schneiderman,H.A.:】
,ο上 Bv′′。,135466(1968)
2)Chase,A,M.:NIIι vT9,2151516 (1967)
3)DOira,H.and Kawaguchi,Y.:」.Fα c,AsT。 ,κy″ sんJ1/2カ
.,17119(1972)
4)DOira,H.and Kawaguchi,Y.:J.Fac.A=″ 。,κg″ sん
“
L/aJク., 18201 (1974)
5)Engeimann,F. :ATcん
.BJοじん?“. Bjοpれys。,145439 (1971)
6)Kawaguch,Y.and Doira,H.:」
.Fαc.A=T.,FyvsLv1/2Jッ
., 18139 (1974)
7)Kimura,S.and Kobayashi,M.:J.れ
s?c,Pλys'ο′.,21417 (1975)
8)小
原隆三:応動昆11 71 (1967)
9)小
原隆三 ・河合孝:鳥農学報21 18 (1969)
10)小
原隆三・河合孝:鳥大農研報23 1 (1971)
11)小
原隆三・河合孝:鳥大農研報24 13 (1972)
12)KObayashi,M., TakemOto, Y., Ogawa,S, and
Nishimoto,N.:」.ras9cι PLys'οと,131395(1967)
13)Metwally,M.M., Sehnal,F.and Landa,V.:
J.Ecο″.β″ιοttο′
., 651603 (1972)
14)Mori,K.,Mitsui,T.,Fukami,J.and Ohtaki,T.: ス =T.BJο ′.Cんθ″., 351116 (1971)
15)大滝哲也:
防虫科 学35 22 (1970)
16)大
滝哲也:
動雑80 71 (1971)
17)Riddiford L.M.and Williams C.M.:PTο G.郎αι. Ac,ど
.Sci.uS.A. 57595(1967)
18)Sahota,T,S.:Cα
″。J.Zoo′.,47917 (1969)
19)Socha,R.and Sehnal,F. :J.r2s9cι PんysJοJ.,
18 317 (1972)
20)Socha,R.and Sehnal,F.
191449 (1973)
21)SrOka,P,and Gilbert,L. 20 1173 (1974):J,れ
s9c,P力τs'oJ,, :ブ.r″sec, P力ysJο′.,22)Telfer,w.H.:五
Gθ″.PLysJο ど.,37539 (1954)
23)Telfer,W.H.:】
カテBv″.,118338 (1960)
1.原
稿 は未発表の もの とす る。図中の文字 は鉛筆 書 きとす る。
2.投
稿者 は鳥取大学農学部在籍 の職員 に限 る。ただ し、なお、照合のための副図 を添 える。図表 の挿入箇所 共同執筆す る場合 にはその他の もの を含 む ことがで き
を本文中 に赤字で示す。 る。
11.量
記号 、符号 は国際的 に慣用 されて いるもの を用 い、3.表
題 は研究内容 をなるべ く具体的 に (副題 は特 に具単位 は、原則 としてC.G.S,単位 による。 体的 に
)表
わす もの とす る。 なお、表題 には英文表題12.雑
誌 および著書の書 き方 は下記例 による(__は
イ を併 記 し、著者名 には著者 が慣用 してい るローマ字つタリック
TA_lよ
ゴシック体 となる)。 づ りを入 れる。例
1)山
田 明・ 山本 出:園学雑、87
■70(1967)
ゴ また、和文の場合の副題番号 はローマ数字 と し、つ2)GrOss,R.and lngold,C.I Biochem.」
。,ぎの英文例題に準じて記す。
9■
222(1964) │
Experimental Studies On Bracken 3)Smith,A.B. :Textbook of Organic Chemi.
Poisoning of Cattle stry, v。
1.1, Do C.」ones and Co.,New York
Ⅱ
.Clinical Findings and Blood (1961)pp.123∼
126Pictures 4)Nelsoni S.O.:In Pcst ContrOl, Kilgore,
著者名
Musashi MIvAMOTO and Ganryu SASAKI W.W.and Doutt,R.L.eds,Academic Press,
(注
)___は
小型の大文字New YOrk and London(1967)pp.89∼
145また、著者の所属 は脚註 に しる し次の表現 を原則 と
5)笹
原二郎:最新家畜伝 染病 (第2版
),越
智勇 す る。一編
,南
江堂,東
京 (1970)pp.209∼212例
1)
鳥取大学農学部農学科 園芸学研究室13.本
文中の引用文献番号 は片括弧 をつ けて肩 に小 さく2) Department of Agronomy, Faculty
書 く。of Agriculture,Tottori University