開発によるかんがい用貯水池の廃止と
その影響に関する研究(Ⅱ)
一兵庫県姫路市に‥おける調査−
福 田
清THE DISUSE OFIRRIGATION RESERVOIRS CAUSED
BY DEVELOPMENT ANDITSINFLUENCE(ⅠⅠ)
叫From the FieldIrlVeStigation at HimeうiCity,Hyogo Prefecture−
KiyosbiFuKUDAIn Hime.iiCity,HyogO Prefecture,27irrigation reserYOirs were disused and their water
ar’ea reclaimed to use for・Other purposes suchashousing sites,public usage,etC.duringll
years from1964to1974fiscalyears.
These disusedirrigation reservoirs varied from257m2to 87,840m2in water area. The
Smaller reservoirs(1essthan2,000m2in water area)occupied40.7percentofthetotalnumber
Of disusedirrigation reservoir・S.
Most of theland gained from theirrigation reservoirswas used for housing sites.It
amounted to59.4per cent Ofthe totalarea ofthe reclaimedland. Noland was used for
factor・ies. The usage of19.7per cent of the area reclaimed has not yet been determined.
In orderto prevent various water disastersoccurrlngby disusingtheirrigation reservoirs,
adequate preventive studies were carTied out by the englneerS Of the prefecture. Because
they through1yinvestigated the dr.ainage canals,dams,Spillwaysofthedams,etC.therehave
been no serious disasters from water・in the entire area.(要約)兵庫県姫路市では1964年度から1974年魔の11年間に,27他のかんがい用貯水池が廃止された.これらの廃止 かんがい用貯水池は,その水面積が257m2∼87,鋸Om2のものである・このうち,水面積が2,000m2以下の廃止かんがい 用貯水池は全廃止かんがい用貯水池の40.7%を占めている.廃止かんがい用貯水池は,小規模池が多いことを知る. 廃止かんがい用貯水池は,宅地,公共用地などに転用されている・宅地転用が最も多く,仝転用面窮の59.4%を占め ている.しかし工場用地への転用はない.また,未利用地が面楷にして,19.7%もある. かんがい用貯水池の廃止に.伴う水災害を防ぐため,県の技術者が事前に廃止に・伴う影響調査を行なっている.それ は,排水路,堤体,余水吐など紅ついて十分に行われる・このため,重大な永災害ほ発生して−いない・ は し が き 近時,都市化の進行に伴い,その用地造成の−・つとしてかんがい用貯水池を廃止し,その池面を埋立て住宅用地,エ 場用地および道路,学校用地等の公共用地等に転用する例が目立つ・ かんがい用貯水池を廃止すれば,多くの場合その池の永を利用してきた農地をも廃止するこ.とに・なる・また,他のも
香川大学農学部学術報告 福 田 椅 126 つ利永関係紅大きな変更をもたらすはか,廃止に伴う水災害の問題が考えられる.他の廃止は,尊に腰地,利水上の問 題のみならず,災害防止上も重要な問題をかかえていると言わねばならない. 聾者ほ,他の廃止転用が進行しつつある香川,奈良,大阪および兵庫の各府県で昭和43年以来,調査研究をすすめて きた.現状では廃止に.閲し,特別な規制措置ほなく,各府県とも「廃止はいかにあるべきか」を模索中であり,特にそ の水災害対策に大きな努力を払っている・したがってこれらに役立肇用な資料が必要である・この研究を行う所似で ある. ここに報告するものは,昭和49年度および50年皮に.兵庫県下に.おいて.調査した結果の−・部である. 調査は,兵庫県農林部耕地課における資料調査(廃止ため池届)をはじめ津名町,緑町,南淡町,吉川町,川西市, 猪名川町,夢前町(以上49年度)および姫路市(50年皮)で現地調査を行なった.特に50年度は姫路市で集中調査をし た. 1.兵庫県下のかんがい用貯水池の概況 1.1 規模別かんがい用貯水池数 かんがい用貯水池を,その池のかんがい面積の大小によって,すなわち規模別にその数をみると表−1のように.な る(3).これによれば,かんがい地を0.5ha以上もつ池は,全県で13,182池存在する.このうち,池の廃止が進行中の15 市(後記)に6,128池,20町(後記)に3,453池,合計9,5飢池存在する・廃止が進行中の15市20町に.存在する池数は,全 県池数の72.7%を占めている・廃止が池数の多い地域で進行中であることを知る・ 表−・1兵庫県の規模別かんがい用貯水池数(昭和44年皮) かんがい面積が5ba以上の池 〝 1∼5baの池 A B C 0.5∼1.0血aの池 1.2 かんがい用貯水池廃止の推移 昭和38年度∼45年度の8年間紅14市8町,139件であった(4)ものが,38年度∼49年魔の12年間でほ,15市20町,241 件に達している.廃止件数が増加したのみならず,廃止を実施した地域が拡大し,14市から15市へ,8町から20町払お よんでいることがわかる. 表・・・・2 廃止かんがい用貯水池の件数・実施域の推移 昭和38年度∼45年度 昭和38年∼49年度 実施市町l件 数 実施市町】件 数
126件l15市
市 部 町 部 f 8町 20町 ぎ 38件1.3 市呵別かんがい用貯水池廃止件数 昭和38年座下′同49年度の廃止件数を市間別に.まとめると,表−・3のようになる・市部では,1頂あたりの廃止件数が 多いもの,たとえ.ば,明石市の37件,川西市31件等が目立つ・こ.れに・反し町部では,1町あたりの廃止件数が少ないこ とがわかる. 表→3 市町別廃止かんがい用貯水池件数 (昭和38年度∼49年度)
摘名 件数j
福 崎 播 磨 市 川 稲 美 相 生 4 明 石 37 尼 崎 1 姫 路 25 伊 丹 3 加古川 27 加 西 6 川 西 31 神 戸 17 三 木 11 西 宮 7 西 脇 13 小 野 18 三 田 1 宝 塚 2 出 石 1 上 郡 4 香 寺 2 緑 1 三 原 2 南 淡 2 佐 用 1 志 方 1 太 子 1 滝 野 1 東 条 4 津 名 1 山 崎 2 社 1 ま 川 1 夢 前 3 計15市 203 計20田丁 38 こ.れら市町の地理的分布をみれば,播磨工業地帯(相生市、太子町,姫路市,加古川市など),阪神地域およびそ・の隣 接地(ベッド・タウン)(川西市,伊丹市,尼崎市,宝塚市および神戸市など)の人口急増地域,およびそれらの後背地 (三田市,小野市,加西市,吉川町など)匿集中していることを知るり2.姫路市におけるかんがい用貯水池の廃止
2.1 姫路市の概況 明治22年市制施行した.昭和21年飾磨市,白浜町,広畑町,網干町の1市3町のはか,3村を合併した.昭和29年に. は,八木,糸引,曽左,余部,太市の5村を編入.さらに,昭和32年には,別所,四郷・花田,御国野の4村を編入し た.昭和33年には,飾衆,的形の2村と神南町を編入し,さらに昭和34年には・,大塩町を編入した・㌧人口408,353人(昭 和45年)で,播磨平野の中央に位置し,古来,海陸交通の要地である・ 昭和34年匠は,この市を中心とする播磨地区が工業整備特別地域に指定された・現在,播磨重工業地帯の中核都市と して発展しつつあり,鉄工,繊維,化学,竃気,皮革,火力発電等の各種工業が盛んである・また,宅地造成も盛んに 行なわれている一. 2.2 かんがい用貯水池廃止の経過 姫路市における昭和39年度∼同49年魔の11年間のかんがい用貯水池廃止の経過を表−4に示す“これによると,この128 福 田 香川大学農学部学術報告 表−4 姫路市における廃止かんがい用貯水池(昭和40年2月∼昭和50年2月) 廃止年次 池番号 廃 止 貯水畳 (m8) 廃止届 年月 日 他 の 所 在 地 (姫 路 市) 他の名称 勝原区丁 丁 た め 池 40.2.22 84,000112,000 六角字坂口 五反 田 池 4,20014,200 御立字南谷476・−−34 自国宇山田689−・1 大 池 弁 天 池 44.12.4 45.2.13 こ; 上 池 新田ため池 六郎 田 池 丸 山 下地 丁 池 口 池 皿 池 ゴ ミ 谷池 コントテ池 白 鳥上池 宮の谷下他 人家村ため池 大 鳥 池 〝 690−1 飾西字束方燈山 田寺東山917 〝 126 勝原区永久田153−1 太■市中字他の渕 豊富呵神谷字西の神 〝 ゴミ谷 〝 字沢納 打越547 辻井字宮の谷138 入家町字奥谷 的形町的形字大鳥 池 池 池 池 勝原区丁字永久田 〝 奥背2099 〝 〝 3022 打越字白鳥354 飾東町大釜字盆388 網干区坂出字鍵田179−1 飾西宇宙池748・−2 打越字白鳥3朗. 丁ぞ新白松潜∵古白 7 30 8 7 7 4 7 〝 11 11 1 〝 〝 9 4 18192021霊23飢お げ 下 う 鳥 ケ 池 水 池 池 島下地 未 定 〝 354−4 飾東町塩崎 1,04列1,047
3,0001
ll,000l50lホ場整備11年間紅延27池が廃止された・このうち,丁他は39年度(地番号1)47年度(同9)および48年度(同18)の3回に分
けで他の一部が埋立てられた・また,白鳥下地も2回に分け(48年度,地番号21および同25)て.埋立てられている.し たがって,実際に・は24弛を廃止転用したことになる・廃止された池の規模は,他の水面積が257m2(地番号23)∼87,840 m2(同3)に.およんでいる. 2.3 規模別廃止面積 廃止面積を規模別にみると,表−5のようになる.廃止面積が2,000m2未満のものが11地あり,全体の40.7%を占めて いる・しかも,このうち1,000m2以下のものが8弛もあり,2,000m2以下クラスの72.7%を占めており,小規模のものが 多いことがわかる. さらに,2,000∼4,000m2のものが11池あり,2,000以下のものと合わせると,22地,81.4%に潜する.この市での廃止 は,廃止面積4,000m2以下の比較的小規模で行なわれているといえる.義一5 規模別廃止両税
2.4 転用目的別廃止両横
他の廃止を転用目的別にみると,表−6のようになる.転用目的としては,宅地,公共用地,ホ場整備用地,養魚池 および未定地とした.公共用地ほ,学校用地,道路用地等である.未定地は「廃止届」紅転用目的が明記されていない ものである.これほ多分宅地に転用されるものが多いと思われる. 表・−6 年度別転用目的別廃止面積 52,4741 5,204 11,0001 2,300117,461】88,439 59.4 1 5.9 112.4 1 2.6 119.7 1100.011 】 6 1 4 1 1 1 5
こ.の衷によれは,転用面硫は,宅地が最も多く,52,474m2で,仝転用面積8臥439m2の59・4%を占めているuつぎに多 いものは未定地で,その面積ほ17,461(19.7%)もあることが目をひく. 時系列には,昭和47年度が13件で44,241m2も占め,この11年間に転用された面積の50%をも占めている・廃止の件 数,面顧とも紅年度によって大幅に・変動していることを示している・ このような状況のなかで,宅地転用のみが,39年度以来毎年度のよう紅,面積に.して約3,000m2∼約20,000m2もある ことは,この市における廃止転用特性を示すものといえよう 3.廃止に伴う防災上の諸問題 3“1 廃止の規制 兵庫県では,「ため池の破拒,決かい等に因る災害を未然に防止するため,ため池の設置および管理に閲し,規制する こ.とを目的」として,昭和26年3月27日,兵庫県条例欝19号をもって,「ため池の保全紅関する条例」を定めた(1).福 田 構 香川大学農学部学術報曽 130 こ.のため池とは「かんがいの目的に供する貯水池であって,それによる利益がその地積50アール.以上の農地におよぶも の,・その他,.知事が指定するもの」である. この条例は,「ため池を設屈しようとするものは,規則の定めるところにより,知事の許可を受けなければならない」 (舞6条)としている. さらに,「知事は,災害防止上のため必要がある時は,管理者濫対してため池の管理についての報告を求め,または, 技術吏員に・ため池の工作物の位置,構造および管理の状況について検査をさせることができる」(算9条)としている・ さらに知事は「災害防止上必要があると認められる場合に.は,管理者に対し,当該ため池のエ作物の改築,修築,移 転その他必要な措置をなすことを命ずることができる」(第10条)としてあって,ため池の防災上の措置に.重点がおかれ ているこ.とがわかる.しかし,ため池の廃止についてほ特に規定するところがなかった. そこ/で,「ため池の保全に関する条例第2条に.規定するため池を,農地および宅地等にJ転用する目的で廃止しようとす る場合は,ため池廃止届を提出せしめることにしたから御了知の上指導に遺憾のないように.されたい」旨の通知が,兵 庫県農林部長から各市区町農業委員会長あて一に出された(昭和34年6月26日兵耕第171号)(2) これによって,条例第4粂の管理者は,ため池廃止届3通を所轄の土地改良事務所長(以下所長という)に提出しな ければならなくなった.所長は,現地紅つき当該ため池を廃止するこ.とにより,災害防止上の技術的可否,他の農業水 利施設に.およばす影響,他水利との関係等を調査しなければならなくなった(調査沓). 所長は,当該ため池所在地の市区町農業委員会長に廃止届1通を送付し,意見を求める.会長は,現地につき当該た め池廃止に.伴う農地の利用関係,耕作者の地位の定定等に.およぼす影響に.つき調査し,意見書をもって.回答する・ 所長は,廃止届にこの意見書および調査書に総括意見を付して,進達することになったぃ このように,廃止を届出るものであって−,許可制でないことに注意を払う必要があろう.. なお,上述の所長が行う調査の内容は,1)ため池の所在地,名称,ため池面横,2)災害防止上の技術的可否, 3)他の農業水利施設におよばす影響,4)他水利との関係,となっている… これらの資料を用いて.本報告の基礎資料 としているものである. 3.2 代 替 水 源 池を廃止するとき,多くの場合代替水源の確保が重要な問題の一つになるり しかし,池が廃止されても代替水源を要 しない場合がある.それを原因別に示すと義一7のよう紅なる. 表−・7 代 替 水 源 代 替 水 源 不 要 の 理 由 l地l 地 番 号 他のかんがい地が転用されたので用水不要 2,4,5,6,7,8,9,14,15,16,18 1,3,10,24,26,27 水源としての機能がなかったため廃止しても因らない ホ場整備等により,他の水源から引水する 11,12,13 これによると,池が持って−いたかんがい地(腺地)が転用されたため,用水が不要となり,かんがい用貯水池を廃止 転用するもので,池が廃止されても,代替水源は不要となる.この場合が11件で最も多い.つぎに多いものは,そのか んがい用貯水池が,もともと水源としての機能がないため,その池を廃止しても用水に困らない場合で,これが6件あ る. こ・のはかに,ホ場整備事業等に・より,他に水源を確保しこれから用水を供給するため,池を廃止しても代替水源は不 要となる場合で,これが3件ある・残り7池(地番号17,19,20,21,22,23および25)は,廃止届に.単に「水源不要」 と記概してあった. 以上を要する紅,理由はどうであれ,廃止した27弛全部についてほ,池を廃止しても代替水源は不要であるというこ とになる・このことは,他の地域(市町)では,代替水源として井戸を用意したり,関係する他の貯水盈を増蓋したり レて,代替水源の確保紅苦心している例がみられる(5)の紅くらべると,鵬つの特色となることに気がつく,
3.3 防災上の問題点
前述の農林部長の通知(昭和34年6月26日兵排171号)にもとづき,土地改良事務所長が,現地に・つき検討した当該 ため池の防災上の技術的措置を整理すると義一8のようになる.これによると,現行のままで,特別の措置を必要とし ないもの(表中に.,香で示す)は,廃止27地中わずかに.8池である.残り19池については,何らかの措置を必要とする
香川大学農学部学術報告 福 田 楷 132 と判断されている.他の廃止に伴う防災上の懸念とそれに対応するための措置に注意が払われていることがわかる. 4.考 察 4.1弛廃止の主因をなす宅地造成 すで紅報告したように(4),地理的軋小規模池が多く分布する川西市では,廃止1件あたりの面積は,0.09ha(昭和
43年皮)∼0.4711a(41年度),平均0.3111a(=3,100m2)で,廃止面積の大部分は宅地に.転用されている.このこと払
表−5に示したよう紅,姫路市の場合紅よく似ている.そして,この市が,揮磨重工業地帯の中心都市であることか ら,人口増加紅追つかない住宅建設,その造成地を求めて,平地から山麓に葦を拡げ,山麓に.分布するかんがい用貯水 池を埋立てることに.なるものと考えられる. しかし一方では農地の整備も進められ,ホ場整備紅11,000m2もの廃止転用があったことは,農業上でも相当の重量を もつこの市の特色を示している. さらに.,転用未定地が仝転用面槙の19.7%に.も達することも,注目に・価しよう・もしも,これが全部宅地紅転用され るとすれば,宅地ほ,全転用両横の79.1%紅も達する.これは,廃止弛数の96.7%(29池),廃止面積の95.8%(10.19 ha)を宅地造成用地に転用(昭和38年皮∼同45年度)した上記川西市の場合と酷似し,姫路市も川西市同様紅,宅地造 成が他の廃止転用の主因をなすこと紅なる. この点を宗付けるかのように,この市が播磨重工凝地帯の中心にありながら,エ場用地への転用がないこと軋気がつ く. 4.2 廃止と 防災 土地改良事務所長に.よって,検討された防災上の問題点を整理して,改聾を要する箇所,項目をまとめると友一9の ようになる. 表−9 防災上要改首箇所・項目等要改善箇所i項
目‡池数‡ 新設 幹線排水路 放 水 路 排 水 溝 改修 承 水 路 整備 排 水 路 放 水 路 排 水 路 (11件) ㌘6236726 8,11,17,19 堤 体 (4件) ノ固める 漏水防止 補強 全面改修 以22915 余 水 吐 (3件) 樋 管 護 (2件) 岸 沈 砂 地 璽 計画(新設) 暗 キ ョl断面修正 道 路 (2件) 土砂流入防止 (2件)これに.よると,改静を要する箇所は,排水路,提体,余水吐等9か所,さらに項目は,新設,改修,整備等におよん でいる. 池を廃止した場合,防災上重要な問題は,第一・に.排水の確保と考えられるが,この表からもそれが事実であることが わかる.すなわち,要改書簡所として,排水路は11件を占め最も多い.その内容は,幹線排水路を含め,新設が4件, 改修,整備が7件である. 池を廃止すれば,上流地域からの流水の貯留場所がなくなることになり,この流水を排水路を通じ下流に安全に・放 流しなければならない.池を埋立て,中学校の校庭用地紅転用したが,排水が校庭に浸入しないように,排水路を新設 した例がある. このはかに,排水暗キョの断面を改修して,排水の確保をする必要の指摘(地番号25),造成中に土砂が下流部龍流 入しないように.という指摘(地番号17および21)もある血 塊体の補強も重要である.堤体,余水吐,樋管など,一一・連の構造物の保守,安全確保に重点をおいているととも見逃 せない. 堤体についてみれば,他の−・部を埋立てて,堤体に.沿って道路を造成する場合,車輌の通行による振動で堤体が損傷 しないようにという指摘もある. っぎ紅余水吐紅ついてみれば,余水吐の前面紅あたる地面を埋立て−るので,余水吐の機能を確保するため,余水吐の 位置の変更と断面の修正を指摘した例がある・・ これらのことは,実際に施工されており,このため大きな水災審は現在のところ発生して・いないようである・しか し,水災害発生の危険はつね紅伏在していることを忘れではならない・ あ と が き かんがい用貯水池の廃止紅伴う問題は,広範囲におよぶけ今回は防災上特に水災害の問題をとり上げた㊥残された 問題紅ついてほ更に.研究を続け,別の機会に報告したい・ 謝 辞 調査にあたり,多大の便宜を与えられた,兵庫県耕地課,同姫路土地改良区および関係の市役所町役場の方々に厚く お礼を申し上げます・ なお,この調査研究に要した費用の一部は,文部省科学研究費の補助金(昭和50年度,自然災害特別研究(1),代表 者 福田清,課題番号002030,の分担研究費)によった・ここに記して謝意を表わす・ 引 用 (1)兵庫県:ため池の保全紅関する条例(昭和26年3 月27日,兵庫県条例第19号)(195け (2)兵庫県農林部長:ため池の廃止について(兵排第 171号)(昭和34年6月26日)(1959)小 (3)兵庫県農林部耕地課:ため池台帳A,B,C(19 69). (4)福田 滑:都市化によるかんがい用貯水池の廃 文 献 止,地理学評論,46,8,555∼560(1973). (5)FuKUDA,K.:Ceasing the Usage ofIrriga−
tion Reservoirs due to Urbanization andIts Effect on Management ofIrrigation Water, Symposium of Tokyo,IAHS,I)ec.1975,525 ハー531(1975).