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阪神大震災における建物被害の研究

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愛知工業大学研究報告 第31号B 平 成8年 155

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中村満喜男 M誌:io NAKAMURA

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(2)

動成分で818gal、東西動成分で617gal、 上下動成分 で332伊1である。各成分の最大加速度の生起時刻が 非常に接近していることが図より明らかである。地 震波の各成分に含まれる周波数特性を調べるために、 フーリエ解析を行った結果が図2である。図の横軸 は 振 動 数 (Hz) で、縦軸はフーリエの振幅スペク トル値である。

NS

成分、

E W

成分ともに1.3Hz、 3.0Hz近傍でピーク値を有する波形であることが明 らかである。 U D成分は1.0Hzと5.0Hzlこピーク値を 持つ波形である。このような地震動の波形そのもの が持つ特徴が、以下の応答スベクトルのピーク値の 現れ方に当然影響している。建物に対する地震動の 影響を知るために、図3に地震動の各成分の加速度 応答スペクトルと速度応答スベクトルが示されてい る。減衰定数hは鉄筋コンクリート建物に採用され る値0.05である。図の加速度応答スペクトルより、

NS

成 分 は0.3秒 で2

500gal、0.8秒 で1

900galの ピ } ク値を有し、

EW

成分も0.4秒と 0.8秒 で ほ ぼ2,000gal の2つのピークを有している。次に速度応答スベク トルに注目すると、

NS

成分・

EW

成 分 と も に

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.4 秒と0.8秒でピークを有するが、 0.8秒 に お け る 最 大 値 が200kineを大きく越えている。 U D成 分 の 加 速 度 応 答 ス ベ ク ト ル は0.2秒 に お い て 大 き な ピ ー ク 値 を有する比較的単純な地震動と考えられる。これら の加速度と速度の応答スベクトルの最大値は、従来 の設計検討に用いられたエルセントロ地震波・タフ ト地震波に比較して、極めて大きいことが明らかで 醐 ある。地震波の違いによる、色々の周期を持つ建物

3

捌 全体への影響をみる指標として、スペクトル強度 回 捌 1500 1 h がある。各地震における 1hの値が表1に示さ 10回 れている。 1h の値が大きい地震は種々の周期を 捌

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有する建物全般に影響が大きいことを示している。 OJ 神戸海洋気象台の

NS

成分の値はエノレセントロ地震

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成分の2.9倍となっている。 占 捌 加 速 度 或 い は 速 度 応 答 ス ペ ク ト ル の ピ ー ク 値 が 100 0.4秒、 0.8秒近傍で生じていることは、中低層また 50 は木造建物が、地震動の初期の段階において弾性剛 00 1 2 3 周期(sec) 性の降伏点を越えて、弾塑性となり、建物の周期が 図3 加速度応答スペクトルと速度応答スベクトル 若干長くなったところで、さ 表1 各地震動のスベクトルインテンシティー らに大きな地震動入力の影響 を受け、非常に大きな損傷を 受けたことを示している。以 上の分析より、神戸海洋気象 台で観測された地震動が阪神 平成8年, V 01.31-B, Mar.1996 NS成 分 最大加速度 818.0 ga1 図1神戸海洋気象台の加速度波形(兵庫県南部地震) 図2 2ゆ 銀撤教師.) 地震波のフーリエ振巾スベクトル 時間 (sec) 加速度応答スベクトル NS成卦 E W成分 UD庫分 E W成 分 最大加速度 617.3ga1 U D成 分 最大加速度 332.2 ga1 15 酬 醐 醐 棚 加 。 却 制 制 価 制 醐 醐 蜘 棚 制 。 叩 制 叫 制 棚 剛 醐 棚 岨 加 。 却 制 制 醐 剛 ハ 23 制 剤 島 R 3 3 制 剤 昌 三 品 ﹀ 圃 網 島 愛知工業大学研究報告,第31号 B, 156 4 5 周期(sec) 速度応答スペクトル NS成措

E W耐 UD成措 地 震 名 観 測 : 場 所 N S (cm) EW(cm) U D (cm) 兵庫県南部地震 (1995) 神戸海洋気象台 411. 9 293.8 187.2 十勝沖地震 (1968) 八戸港湾 103.2 151.7 宮城県沖地震 (1978) 東北大学 (lF) 196. 1 123. 7 インヘ.'7ル.A'レイ地震 (1940) エル・セントロ 140.4 119.5 カ'7オルエア地震 (1952)

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ト 64.3 72.4

(3)

民反宇中ブミ"'"錦之6ζ三三"ナる英語孟月初書皮宅宰dコ司回当Z 157 大震災のような大きな建物被害をもたらすに充分な 大きさの地震動であることを示している。 3.建築物の被害について 建築物の被害はその構造種別によって、大きく様 相が異なるので、木造建物、鉄筋コンクリート造建 物(鉄骨鉄筋コンクリート造建物を含む)、鉄骨造 建物に分けて、被害の特徴とその分析が以下に述べ られる。 3. 1 木造建物の被害について 阪神大震災における死亡のおよそ 9割が建物の倒 壊による圧死である。倒壊建物の棟数の大半は木造 住宅である。神戸市におけも全壊棟数は臼,949であ り、半壊棟数は31,789である。兵庫県の全世帯数の 7.5%程度が全壊という異常な数字である。これは 地震が住宅密集地の直下で起こったという、地動の 揺れが非常に大きかったという事実も重要であるが、 全半壊した木造住宅の構造にも種々の問題があった ことも事実である。以下に被害写真とその問題点に ついて述べる。木造住宅の倒壊に大きな影響を与え たのは、地動加速度の水平成分によって生ずる建物 の加速度と建物質量の積によって与えられる地震力 である。神戸市地域は過去大きな震災受けた経験も 少なく、木造住宅の屋根は葺き土の上に平瓦を乗せ ただけの構造が多い。従って屋根が重く必然的に地 震カも大きかったはずである。この水平力によって 生ずる建物の転倒による大きな引き抜きカが柱に作 用したと考えられる。 地震力の水平成分に抵抗する木造住宅の構造は耐 力壁である。建物の建設時に耐力壁の検討書(充分 な耐力壁の確保)が提出されて認可されるようにな ったのは、ここ

15

年くらいの罰である。以前の建 築基準法に、耐力壁の必要性は述べられているが、 どのような構造の耐力壁がどの程度の長さ必要であ るかは、述べられていない。耐力壁が地震に対して 有効に働き、その配置は平面的に偏ることがなく、 バランスよく配置される必要があるとのみ書かれて いた。このような状況の中で建設された建物に、耐 力壁の不足が生じ、倒壊榛数の増加が生じたと思わ れる。今日よく使われる耐力壁は、筋かいの入った 壁又は構造用合板張りの壁である。戦後の昭和初期 に多く用いられた、竹小舞の土塗り壁・筋かいのな い木摺り壁が、経年変化による劣化のもとで、地震 力に対し期待されたほど有効に機能したとは恩われ ない。 木造住宅の耐力壁の配置が偏在すると、ねじれ振 動が生じ、写真1のように明らかにねじれて倒壊し たと考えられる住宅が多くみられた。住宅は使い勝 手によって、耐力壁の偏在が生じやすく、既存木造 住宅の耐力壁の偏心はこのような災害を繰り返す要 因となる。また木造住宅における、柱と土台、柱と 梁が引き抜けて、ぱらぱらになって倒壊した写真2 のような例も多い。もともと木造の弱点である接合 部が金物等を使って充分に緊密に接合される必要性 が強く認識される。次に木造は経年変化によって腐 朽し、白蟻による被害がこれを加速する。普段の自 写真 1 ねじれて倒壊した住宅 写真2 接合部が分離して倒壊した住宅 重或いは突然の風荷 重と地震カに耐えな ければならない部材 が写真3のようにな れば、建物の倒壊も 当然と考えられる。 これは建物の保守管 理の問題であり、建 物所有者の常日頃の 建物への気配りの必 要性を示している。 写真3 柱の腐朽

(4)

158 愛知工業大学研究報告,第31号B,平成8年, Vo1.31-B, Mar.1996 写真4 1階が層崩壊した集合住宅 3圃 2 鉄筋コンクリート造建物(鉄骨鉄筋コン クリート造建物を含む)の被害 兵庫県南部のコンクリート系の建物被害は、倒壊 ・大破が610棟、中破が 347棟、小破・軽微を含め る と 全 体 で え 別 棟 に 被 害 が 生 じ て い ♂ 特 徴 的 な 被害例を写真で示し、若干の説明を加える。ピロテ ィー形式建物の 1階が層崩壊した例が多くみられた。 マンション等の集合住宅はその立地条件より、 1階 を駐車場として、 2階より上を住戸とする形態のも のがあり、中低層の建物が写真4にみられるように 1階で層崩壊を生じた。崩壊に至る初期の原因がど のような破壊のメカニズ、ムであったかは特定できな いが、壁の多い2階以上に比較して、 1階の水平剛 性と水平耐力が低いために、この部分に損傷が集中 した。ピロティー階の柱は大きな水平カによる曲げ モーメントと同時に2階以上にある壁から受ける軸 力変動によって、引張り力と圧縮力の増加を受け、 塑性化する可能性が極めて大きい。特に旧基準によ るピロティー形式マンションでは、水平耐力も全体 として足りないから、最も弱い 1階に集中して層崩 壊が生ずることは、以前から危倶されていた。 次に、建物被害の特徴として、中層建物における 中間層の層崩壊があり、写真5に示されている。圏 内・国外における被害例から、建物の低層部 1階又 は2階が層崩壊する例はみられたが、整形なラーメ ン構造の中間層が層崩壊した被害は初めての現象で ある。震災直後、各研究者がその原因について色々 のことを述べたが、結論は次のように考えられる。 当然なことであるが、中間層における水平耐力の不 足がその原因である。!日基準で設計された建物の各 層の層努断力と新基準におけるベースシアー係数 C 0=0.21とC0=0.3に対する層努断力を示したのが 図4である。ただしここで検討された建物は9層で、 階高はすべて3皿で、各層の重量はw と仮定してい 写真 5 中間層が層崩壊した建物

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層せん断力 (W) 図4 9層建物の新・旧規準による層努断力の比較 る。ベースシアー係数C0=0.21は旧基準のベースシ アーと合わせるために採用された値である。鉄筋コ ンクリート建物では、 C0=0.3は最も靭性の高い建 物に採用される値であり、通常の建物ではC。はも う少し大きな値が採 用される。この図か ら明らかなように、 i日基準では、現行の 基準より、特に上層 で耐力が足りない。 しかしそれではなぜ 最上階で層崩壊しな かったかという疑問 写真6 新規準による建物の被害

(5)

"反字..ブミ.. " , 主 に お6する語往'陶害訴。曹の田恒毛

1

5

9

とスパン長によって概ね決まっており、最上層部の 柱の径は 1階の柱の径を少しずつ絞り込んでいくた め、極端に細くなることはなく耐力に余裕があった からである。もう 1つの大きな要因は、中層建物の 低層部は鉄骨鉄筋コンクリート造、上層部は鉄筋コ ンクリート造となって、中間層で構造が変化し、変 化した層で耐力の変動が大きいことである。 大破・中破した建物の大部分は旧基準による設計 建物であるが、新基準による設計建物の被害例とし て写真6が示されている。新基準によって設計され、 通常に施工された建物である。建物は崩壊している わけではない。柱・梁のコア部分に亀裂が生じ、耐 震壁・スラブにも無数の亀裂が生じている。現行の 設計法の基本的な概念からいえば、損傷の程度は大 きいが、これくらいの損傷は地震動が非常に大きか ったのだから許容されていたと恩われる。しかし建 物の所有者と使用者にとって、これくらいの損傷が 許容できるかどうかは問題がある。 3. 3 鉄骨造建物の被害 兵庫県南部の鉄骨系建物の被害は、倒壊・大破が 457棟、中破が 348棟、小破・軽微を含めると合計 1

776棟である。特徴的な被害例として、露出柱脚 部のアンカーボルトの破断がある。建物によっては 建物全体が転倒したり、ずれたりという被害が生じ ている。写真7は建物全体がずれた例、写真 8は、 被害の原因が2階柱脚部の溶接部の欠陥かアンカー ボルトの破断か明らかではないが、 2階以上の部分 がそのまま落ちてしまった例である。被害の多くは 露出柱脚部の破壊であり、埋め込み柱脚の破壊は比 較的数が少ない。地動の水平成分より生ずる建物の 転倒モ}メントが柱に与える軸カの変動が大きいこ とが考えられるが、もう少し 細部に立ち入れば、いわゆる ピン柱脚の設計仮定は実状は ピンではなく、曲げモーメン トの負担も実は可能で、実態 にあった設計が必要である。 柱梁接合部近傍における溶 接の欠陥による被害が多くみ られた。写真9は2階柱脚部 写真7 柱脚が破壊しずれた建物 写真8 2階以上がずれて落ちた建物の溶接部で破断して建物の 2 写真9 2階以上の部分が転倒した建物 写真10 高層住宅の柱の脆性破壊と接合部の脆性破壊 階以上の部分が転倒した被害 である。地震動によって生ず る部材の、軸カ変動と曲げモ ーメントが大きかったことも 事実であるが、柱梁接合部の メカニズムを柱通しにすれば このような被害は解決できる と思われるが、ダイヤブラム をどのように施工するのか等 の問題は多い。このような被 害の解消は、溶接欠陥をなく するための施工のモラル向上 と検査態勢と検査技術の向上 も必要であるが、接合部をよ り合理的なメカニズムに改良 していくことが必要である。 写真10は高層建物の鉄骨柱 の破断と、柱梁接合部のH形

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愛知工業大学研究報告,第

3

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31-B

Mar.1996

鋼の下フランジ部の脆性的な亀裂破壊である。いず れも脆性的な破壊であることは、亀裂の状態から明 らかである。建物全体に大きな被害のない建物でも、 仕上げ材を取り、耐火被覆を取り払ってみると、柱 梁接合部の梁端部の上・下フランジに写真

1

0

のよう な脆性的な亀裂が数多くみられたとの報

45

ある。 その発生原因については、各研究機関において再現 実験を含めて現在研究が進行中である。

4

.

まとめ 被害調査の日数は短く、しかも少し回数が経た後 の調査ではあるが、各種建築の被害の特徴はほぼ把 握され、数々の問題点も把握され、本論文に順に示 されている。それぞれの種類の建物被害は各分野の 研究者・研究機関によって、定量的・定性的により 詳しく分析され、将来へ向けての改善が模索されて いる。すでに平成7年

1

2

月に、ピロテイ}のように 剛性が建物上下で急激に変化する層に対する、勇断 力の割り増し係数の上限が、従来の1.5倍から

2

.

0

倍 に増加させる法

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号、施行されている。 参考文献

1

)日本建築学会:

1

9

9

5

年兵庫県南部地震災害調 査速報,

1

9

9

5

3

2

)

日本建築学会近畿支部鉄骨構造部会:

1

9

9

5

年 兵庫県南部地震 鉄骨建物被害調査報告,

1

9

9

5

5

3)

建設省:建設省告示第

1

9

9

7

号,官報,平成

7

1

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月l1

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,第

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