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わりについての教育, 例えば,1 食料の生産 加工 流通, 安全な食品の選択と選択能力の獲得,2 生活環境や生活行動, 個人の健康意識, 心理的状態と食の状況などを考慮した上での個人や集団に合った食生活管理, などについて教育する 2 食育国民一人一人が, 生涯を通じた健全な食生活の実現, 食文化の

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栄養教育の概念

A

栄養教育の目的・目標

a

 栄養教育の定義  

1 教育の概念・定義

 教育とは,学習者の自主性を尊重して,学習者自身が自発的に育とうとする力を 引き出し,人間として自立していくことを目的とするものである。そのために,教 育は社会生活のあらゆるところで主に知識の獲得,技能の習得を目指して行われて いるが,一方的に押しつけるものではない。  ●教育の種類  学校教育,家庭教育,地域教育,職場教育,生涯教育など。  ●教育のあり方  教育を行う教育者と,教育を受ける学習者が,互いに影響を 与え合い,成長し合い,学び合うことで,信頼・尊重できる人間関係を構築す ることが望まれる。この結果,“ 生きる力 ” が育まれるであろう。

2 栄養教育の概念・定義

 栄養教育とは,教育的な手段を用いて,人々の健康の保持・増進,疾病の予防・ 治療,適正な食行動への是正,食を介した人々のQOL(quality of life;生活の質) の向上を目指し,食料生産から食品の安全の確保,食品の適正な選択を通じて,食 を営む力を培うための支援を行うことである。  なお,平成 17(2005)年 7 月より「食育基本法」が施行され,平成 18(2006)年 3 月 に「食育推進基本計画」,さらに平成 24(2012)年 3 月には「第 2 次食育推進計画」 も決定されて,「食育」に対する意識が全国的に高まっている。

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 栄養教育の方法と内容

 ●栄養教育者の役割  人は必要とするものを食べなければならないが,現実に は,好むものを,好む時に,好む量をとるという特性を基本的にもっている。 このことを栄養教育者は認識し,食品および加工産物の摂取を,いかに適正な 方向にコントロールさせるか,その困難な作業を覚悟する必要がある。人々が 食行動を適正な方向へ変容するように支援することは,管理栄養士の主要な業 務であるが,さらに,食品の栄養成分強化や機能性の活用,給食経営管理の合 理的運営,安全な食品入手の方法や管理など,幅広い分野での教育・指導が必 要である。  ●栄養教育の方法  専任の担当者(管理栄養士など)が,他と連携をとりなが ら,個人や集団の状況に合った特定のカリキュラムを作成し,特定の教材・教 具を活用して行う。  ●栄養教育の内容  「食べる」ことについての教育をはじめ,食料と人との関

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わりについての教育,例えば,①食料の生産・加工・流通,安全な食品の選択 と選択能力の獲得,②生活環境や生活行動,個人の健康意識,心理的状態と食 の状況などを考慮した上での個人や集団に合った食生活管理,などについて教 育する。

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 食育

 国民一人一人が,生涯を通じた健全な食生活の実現,食文化の継承,健康の確保 などを図れるよう,自らの食について考える習慣や食に関するさまざまな知識と, 食を選択する判断力を身につけるための学習等の取り組みのことである(食育基本 法より)。  ●従来の食育からこれからの食育へ  従来,食育とは,食事のしつけ,栄養の 摂取の仕方,食品衛生,食文化の伝承を指し,家庭におけるしつけ全般のこと であった。しかし,社会構造の変化や女性の社会進出などにおける家庭状況の 変化,食品の加工技術の発展や流通機構の発達,食の外部化が拡大したことに よって,食育が家庭内のしつけの範囲に収まらなくなってきた。特に,食品の 安全に関する表示等,健康と栄養に関する諸科学の発達により,わが国の食生 活は多くの知識と技術を必要とする食生活へと変化したのである。  ●食育が注目されている背景   ①生活習慣病の増加に対する食物摂取の適正化の必要性   ②米・魚介・野菜・果実類摂取の日本型食生活から,畜産物・脂肪・乳製品摂 取過多の欧米型食生活への移行による健康弊害   ③食物・栄養素の不適切な摂取や不規則な食事(朝食欠食,間食・夜食摂取の 増加)   ④中高年の肥満,若年層のやせの増加   ⑤食料品の廃棄の増加および「食」を大切にする心の欠如   ⑥食品への安全不信と安心への要求   ⑦伝統ある食文化の喪失  ●食育基本法(平成 17 年 6 月 17 日法律第 63 号)(参考資料 7 参照)    以上を踏まえ,平成 14(2002)年に食育に関わる実践的な活動を「食」,「子 育て」,「教育」などの専門家とともに,一大国民運動として展開する必要がある として食育調査会が設置された。平成 17(2005)年 6 月に「食育基本法」が成 立し,これを受けて,国は食育推進会議を開催し,必要な施策を講じ,都道府県 等は食育推進計画を作成し,実施するなど,食育推進政策が進められている。    食育に関する基本理念としては,「国民の心身の健康の増進と豊かな人間形 成」,「食に関する感謝の念と理解」,「食育推進運動の展開」,「子どもの食育に おける保護者,教育関係者等の役割」,「食に関する体験活動と食育推進活動の 実践」,「伝統的な食文化,環境と調和した生産等への配意及び農山漁村の活性 化と食料自給率の向上への貢献」,「食品の安全性の確保等における食育の役割」 があげられている。

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  内容:①子どもたちが豊かな人間性を育み,生きる力を身につけていくために は,何よりも「食」が重要である。      ②食育は,生きる上での基本であって,知育,徳育および体育の基礎と なるべきものと位置付けられる。      ③さまざまな経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を 習得し,健全な食生活を実践することができる人間を育てる食育を推 進することを求めている。      ④子どもにおける食育とは,心身の成長および人格の形成に大きな影響 を及ぼし,生涯にわたって健全な心と身体を培い豊かな人間性を育ん でいく基礎となるものである。      ⑤家庭,学校,保育所,地域などを中心に,国民運動としての食育の推 進に取り組むことを目指している。   実践:①国民一人一人が「食」について改めて意識を高める。      ②自然の恩恵,「食」に関するさまざまな活動への感謝の念や理解を深 める。      ③「食」に関して信頼できる情報に基づく適切な判断を行う能力を身に つける。      ④心身の健康を増進する健全な食生活を実践する。  ●食育推進基本計画(平成 18 年 3 月 31 日食育推進会議)  食育基本法に基づ き策定された食育推進基本計画は,平成 18(2006)~ 22(2010)年度の 5 年 間を対象とし,食育の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため に必要な基本事項が定められたものである。都道府県食育推進計画および市町 村食育推進計画の基本となる。また,平成 23(2011)~ 27(2015)年度まで の 5 年間を対象とした,第 2 次食育推進基本計画も策定された。    食育推進基本計画は次の内容からなっている(参考資料 8 参照)。◀   ①基本的な方針   ②目標に関する事項(第 2 次基本計画で,内容が一部追加,変更された)   ③総合的な促進に関する事項   ④総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 栄養教育の目標

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 健康・栄養知識の理解

 適正な栄養・食生活の重要性を理解し,健康や栄養に関する正しい知識をもつこと。   ・栄養教育者は,対象者の状況に応じた教育・指導を行い,図や表,写真,絵 などを用いて対象者が理解しやすいようにすることが重要である。

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 食知識の理解と定着(アドヒアランス)

 適切な栄養・食生活を実践する上で必要な知識や技術をもつとともに,常にその ことを認識し,日常生活に定着すること。   ・適切な食生活の実践のためには,健康や栄養に関する知識だけでなく,食物 ◀平21─106

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や食生活・料理に関する知識がより必要となる。その知識を日常生活におい て常に意識・実践させることで,望ましい行動へと定着させることが大切で ある。

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 動機付け,食態度の形成

 適切な食生活実施への意欲の喚起とその実践への信念を確立すること。   ・栄養・食生活改善に関する知識は重要だが,それを行動に移さなければ意味 がない。行動を起こすための動機付け(p. 21,2 参照)には,基本的信念と, その信念に対する年齢などの個人的な状況や,家族や職場などの社会的支援 による影響,さらには行動のきっかけとなる要因が必要である。食生活行動 の変容については,食生活改善の意義,重要性,現在の食生活を続けた場合 の結果について,認識させることが必要である。

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 食スキルの習得

 適切な食生活実践のための具体的な技術を習得すること。   ・食生活改善のためには,食品の調理・加工など,食生活実践のための技術を 得ることが必要である。

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 食行動の変容と維持

 食生活改善に向けた具体的な実践活動を起こし,それが継続的に行われること。   ・これまでの習慣化した食生活から新たな食生活への変容は容易ではないため, できることから始め,徐々に目標に近づけていく。そのために,栄養教育者 は,本人だけでなく家族など周囲への説明を行い,食生活変容の経過につい て何度も確認することが必要である。一人での変容実行が難しい場合には, 家族や同僚,地域に協力を得ることも必要である。

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 栄養・食生活情報の評価と選択

 種々の栄養・食生活情報に対する適否の判定,評価ができること。   ・個々人の状態をできるだけ的確に把握する必要がある。しかし,栄養・食生 活に関する情報は多様で,必要な情報の種類も多岐にわたるため,選択は難 しい。したがって,①絶対に必要な情報,②あれば便利な情報,③不必要な 情報,④有害となる情報などに区分し,今後の指導の目的に合った適切な情 報を取捨選択することが必要である。

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 自己管理能力の習得

 自分の健康・栄養状態に応じた適切な栄養・食生活を,自ら実施できる能力をも つこと。   ・栄養・食生活のあり方は,年齢,季節,地域,そのときの健康状態に応じて 変化するものである。したがって,常に自分の健康・栄養状態に留意し,そ れに応じた健康・栄養管理を考え,実施していくことが必要である。   ・管理栄養士等による栄養教育や特定給食施設における食事計画は,集団の平 均に合わせたものばかりでなく,個々人に対応したものも含まれる。個人の 健康を維持増進するのは自分自身であり,その実践のためには日常生活にお

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けるさまざまなことについて適切な判断をし,自分の状態に適応するように 実践していくことが重要である。そのための知識や技術を習得していく。

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 栄養教育と健康教育・ヘルスプロモーション  

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 栄養教育と社会の変化

 栄養教育は,社会の変化に伴う食の供給状態と密接に関係している。  ●戦前・戦中・戦後  食料供給不足。 食品の質的・量的な摂取方法の工夫 などについて,地域社会や学校給食などを通じた栄養教育・指導。  ●経済成長期以降  経済の復興,外国からの食料輸入により,食品の供給や流 通が改善したほか,食品加工技術の進歩による食料供給過剰のため,栄養素等 摂取の過剰が増加。 過剰摂取の抑制,偏った食物・栄養素等摂取の是正や 生活習慣病の予防についての栄養教育・指導。  ●現在  これまでの栄養教育・指導に加え,外食産業(食の外部化)の進展や 食の多様化・画一化,家族の生活時間の個別化,高齢化等に対応した,個別の 栄養教育が必要。

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 健康の定義

 1946 年,WHO(世界保健機関)は保健憲章の中で,健康とは,「精神的,肉体 的ならびに社会的に良好な状態(well-being)をいい,単に疾病がないとか,虚弱 でないというだけではない。さらに,到達しうる最高基準の健康を享受することは, 人種,宗教,政治的信念または経済的もしくは社会的条件の差別なしに,万人の有 する基本的権利の一つである」と定義している。  その後,1986 年のヘルスプロモーションに関する「オタワ憲章」(WHO オタワ 会議)において,ヘルスプロモーションは「人々が自らの健康をコントロールし, 改善することができるようにするプロセス」と定義されている。そこでは,健康を 従来の「病気でない状態」ではなく,「日常生活において QOL が良好な状態」と している。  「ヘルスプロモーション」では,個人の行動変容だけではなく,社会環境もかん がみ,問題意識と結びつけることが必要であるとしている(図 1 ─ 1 )。つまり,ヘ 教育的支援 健康教育 栄養教育・栄養指導 ヘルスプロモーション 環境的支援 環境の整備 行動変容 自覚の高揚  (動機付け) 健康 QOL 図1─1  ヘルスプロモーションと健康教育,栄養教育の位置付け 資料)笠原賀子:栄養教育論第 2 版(2007)講談社

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