• 検索結果がありません。

<30388DE288E42E696E6464>

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "<30388DE288E42E696E6464>"

Copied!
8
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

Ⅰ.緒 言

 2005年の国勢調査によると,わが国の65歳以上の 人口は2567.2万人(総人口の20.1%)であり(総務 省統計局,2005),今後団塊の世代が参入を始める平 成24年に3000万人を上回り,平成32年には3590 万人になると予想されている(国立社会保障・人口問 題研究所,2006).このような現状において,単なる「寿 命の延伸」ではなく,心身ともに健康で自立した生活 を送るための「健康寿命の延伸」が求められている. 健康寿命の延伸には,体力を出来る限り高く維持する ことが必要であり,加齢による体力の低下を抑え,身 体活動能力を高い水準に保持し,自立期間を延長する には運動の習慣化が効果的であるといわれている(田 中,2006).  一方,健康寿命を縮める原因は,疾患の発症ばかり ではない.転倒によって,健康寿命を縮めることがあ る.転倒により,けがに対する恐怖心が芽生えれば外 出する意欲が失われ,さらなる体力の低下が予想され, 体力は加速度的に低下する一方となる.また,転倒に より骨折すれば,特に体幹部を骨折するとそのまま寝 たきりになる可能性も秘めている.そのような転倒の リスクを軽減させる手段の一つに運動がある.特に, 下肢の筋力トレーニングやバランストレーニングによ り下肢筋力やバランス能力が改善すれば転倒リスクを 軽減させると報告されている(Carter et al., 2001).  転倒リスクを軽減させる身体機能の改善を目的とし た太極拳,自宅での筋力・バランス運動のような技

原 著

高齢者に対するステップ運動の有効性

坂井 智明

1

Effects of Step Exercise in Healthy Older People

Tomoaki Sakai

1

 The purpose of this study was to determine the effect of step exercise using bamboo in healthy older people. Thirty-six independent, community-dwelling older adults, aged 67.3±3.8 years, were recruited as subjects. The subjects were divided into the following three groups: Step exercise group, using bamboo (67.3±3.1 yr, n=19), and walking

group (67.2±4.5 yr, n=17). Step exercise and walking groups engaged in 45-min group exercise sessions twice a week for 12 weeks. The exercise programs consisted of a warm-up, step exercise (step exercise group) or walking (walking group), resistance training, and cooling down. The efficacy of the programs was measured with 20 test items for assessment of physical fitness, blood pressure, and so on. Heart rate during exercise was recorded using a Polar HR monitor (Polar Electro Inc., Finland). The participant rate was not significant differences between step exercise (91.1±5.6 %) and walking (89.7±9.4 %) groups. The exercise intensity of step exercise was significantly lower than that of walking (step exercise 63.1±7.4 % HRmax, walking 75.4±13.1 % HRmax, P < 0.05). We detected marginally improvements between groups in changes from pre- to post- intervention, but there were no significant difference. The step exercise using green bamboo is as equally effective as walking in improving functional fitness in older adults, and may also be recommended for older adults, due to its low cost and intensity.

【Keywords】older people, step exercise, physical fitness

【キーワード】高齢者,ステップ運動,体力

(2)

術や費用のかからない運動形態も注目されている(Li et al., 2005;坂井,2006;小澤と田中,2006).その ような運動の一つに安価なプラスチック製の足裏マッ サージ器を用いたステップ運動があげられる(Takada and Hayakawa, 2000).このステップ運動は,手軽さ からフィットネスクラブのプログラムに取り入れら れ,人気を得ている.不安定な姿勢でおこなうステッ プ運動を実践することで,下肢筋力やバランス能力が 改善し転倒予防に繋がるだけでなく,有酸素運動とし ての効果も期待できる.しかし,その効果は明らかに なっていない.  そこで本研究では,ステップ運動の効果を検証する ことを目的とした.

Ⅱ.方 法

1.対象者  対象者は,I県T市および近隣市町村在住の60∼ 75歳の男女45名(平均年齢67.3±3.8歳)であり, ステップ運動群(男性5名,女性14名),ウォーキ ング群(男性5名,女性12名)に分類した(表1). 本研究は,対象者に対して筑波大学人間総合科学研究 科倫理委員会が承認した研究計画書を用いて事前に研 究の目的と内容を説明し,参加の同意を得た上でおこ なった. 2.運動プログラム  ステップ運動群とウォーキング群は,それぞれ10 週間,週2回,1回45分の運動教室に参加した.運 動教室で提供された運動プログラムを以下に示した. 1)ステップ運動  ステップ運動群には,ウォームアップ10分,ステッ プ運動20分,自重負荷による筋力トレーニング10分, クールダウン5分の計45分で構成したプログラムを 提供した.ステップ運動は,市販されているプラスチッ ク製の安価な足裏マッサージ器の上でステップをする 運動であり,専門のインストラクターの指導により単 調な動作にならないようなプログラムとした.またス テップ運動中の強度は,主観的運動強度でいう13(や やきつい)を超えないよう注意を払い,インストラク ターが頻繁に確認した. 2)ウォーキング  ウォーキング群には,ウォームアップ10分,ウォー キング20分,自重負荷による筋力トレーニング10分, クールダウン5分の計45分で構成したプログラムを 提供した.ウォーキングは,インストラクターの指導 のもと,ウォーキングスピードに変化をつけたり,アッ プダウンのあるウォーキングコースを歩いたり,ゲー ム性を持たせるなど変化に富んだプログラムとした. ウォーキング中の強度は,主観的運動強度でいう13 (ややきつい)を超えないよう注意を払い,インスト ラクターが頻繁に確認した. 3.運動強度の評価  運動強度は,ポラール社製ハートレイトモニタ S610iを装着させ,運動中の心拍数(HR)を5秒間 隔で記録させた後,コンピュータに出力して分析し た.運動強度は,220−年齢で算出した予測最高心拍 数(HRmax)に対する割合(%HRmax)で示した. 4.評価項目  運動効果の評価項目として,形態測定,血圧測定, 体力測定,呼吸機能測定,血液検査,質問紙調査を運 動教室の前後におこなった.これらの測定結果を用い て,総合的健康指標として田中ら(1990,1994)が 提唱した「活力年齢」を算出した(付録). 1)身長  ヤガミ社製身長計(YG-200)を用いた.対象者に は中央に印された足形の上に直立姿勢をとらせ,頭は 耳眼水平位となるように指示した.膝を伸ばし踵から 臀部,背部と軽く新長兄に接触した位置で,床面から 頭頂間で垂直最大距離を測定した. 2)体重 表1 運動教室開催時における対象者の身体的特徴

(3)

 タニタ社製体組成計(BC-562)を用い,排便・排 尿を済ませた状態で静かに直立させて測定した. 3)腹囲  対象者を立位にて脱力させ,対象者の前方および側 方から巻き尺が水平であることを確認し,呼気時にお ける臍高位での周径囲を計測した. 4)肩胛骨下部皮下脂肪厚  測定部位は右肩胛骨下角の下部とし,測定点より肩 胛骨内側縁に沿って1∼2 cm上方を母子と他の4指 で摘む.摘みの軸に対して垂直になるようにキャリ パーを保持し,皮脂厚を測定した. 5)収縮期血圧,拡張期血圧  Riva-Rocci型水銀血圧計(カフ幅12 cm,長さ22 cm)を用い,触診法による推定圧値や対象者の報告 値より約30∼40 mmHg上げてから,聴診法で収縮

期血圧(systolic blood pressure: SBP)と拡張期血圧 (diastolic blood pressure: DBP)を測定した.原則と して10分以上安静を保たせた後,全ての測定に先立っ て実施した. 6)握力  竹井機器工業社製握力計(GRIP-D5101)を立位に て片手で持たせ,両腕が体側に沿って自然に下げた状 態から,呼気しながら可能な限り強く握らせた.手が 体側に触れないよう,かつ動かさないように注意した. 左右交互に2回ずつ測定し,各側の最大値(kg)を 実測値として用いた. 7)脚伸展筋力  ヤガミ社製脚筋力計(GF-300)に膝関節が90°に なるように座らせ,リラックスした状態をとらせる. 合図とともに両脚を可能な限り力強く伸展するように 指示する.測定は2回おこない,最高値を測定値(kg) とした. 8)椅子座り立ち  両腕を胸の前で交差し,背筋を伸ばした状態で背も たれのついた椅子に浅く腰掛けさせる.合図とともに, 椅子から立ち上がり直立姿勢をとらせ,再び椅子に腰 掛ける連続動作を30秒間繰り返させる.椅子に座り, 立ち上がる動作に移る前に,片足を挙げさせ,座った ことを確認した. 9)反復横とび  床上に100 cm間隔の3本の平行線を引いた.中央 線を跨いで立ち,合図で側方へのステップを開始させ, 20秒間で線を跨いだ回数を測定した.なお,測定前 に疲労が残らない程度にステップを練習させた. 10)閉眼片足立ち  両足を腰にあて,足を床から10 cm以上離すよう に指示した.原則として膝は曲げないようにした.計 測は目を閉じた時点からバランスが崩れた(手が腰か ら離れる,上げている足が床あるいは支持足に触れる, 支持足が動く,目を開く)時点までの時間を記録した. 最長時間は60秒とし,左右各1回計測した. 11)開眼片足立ち  両足を腰にあて,足を床から10 cm以上離すよう に指示した.原則として膝は曲げないようにした.計 測は床から足が離れた時点からバランスが崩れた(手 が腰から離れる,上げている足が床あるいは支持足に 触れる,支持足が動く)時点までの時間を記録した. 最長時間は60秒とし,左右各1回計測した. 12)長座位体前屈  背筋をのばし,かべに背・尻をぴったりとつけ,両 脚は長座位体前屈計(竹井機器社製,デジタル長座体 前屈計 T.K.K.5112)の間に入れ,長座姿勢をとらせる. 肩幅の広さで両肘をのばし,両手のひらを下にして長 座位体前屈計の手前端にかける.両手を長座位体前屈 計からはなさずゆっくり前屈して,まっすぐできるだ け遠くへ滑らせ,最大になったとき手をはなす.測定 は2回おこない,最大値を測定値とした. 13)ファンクショナルリーチ  左腕を壁側に近づけた状態で壁に横向きに立ち,伸 展させた両腕を肩の高さまで前方に挙げ,その時点で の第3指先端を0 cmとする.腕と肩を同じ高さに保っ たまま,可能な限り状態を前傾し,両腕の指先が前方 に移動した距離を計測する.このとき,かかとは浮か せないようにする. 14)起立時間  仰臥位の状態から,可能な限り早く起き上がり,直 立させる.このときの起立動作は,日常おこなってい る(慣れている)起立動作を再現させる. 15)8の字歩行  床に引かれた1.5×3.6 mの長方形の両端にコーン を,整体する長辺の中央に背もたれのついた椅子を背 中向きに置く.対象者は椅子に座り,合図によって立 ち上がり,右後方にあるコーンを歩いて回ってから, 元の位置まで戻って椅子に座る.続けて再び椅子から 立ち上がり,左後方にあるコーンを回ってから,元の 位置まで戻って椅子に座る.これをさらにもう一回ず つ繰り返し,その所要時間を計る. 16)10 m歩行時間  10 mの直線を引き,スタート地点とゴール地点に それに垂直になるような線を引き,コーンを置く.合 図とともにできるだけ速く歩かせ,ゴール地点の線を 踏み越えるまでの時間を計る. 17)全身反応時間  竹井機器社製全身反応測定器(T.K.K.5108)の発光 器とマットをおよそ2 m離して置き,発光器に向かっ てマット上に対象者を立たせる.膝を軽く曲げた状態

(4)

で発光器を凝視させ,発光器の刺激に対してできるだ け早く垂直に飛ぶよう指示する.測定は5回おこない, その中央値を測定値とした. 18)全身持久性体力  VO2maxお よ びVO2ATは 先 行 研 究 に 従 っ て 算 出 した(大藏ら,1999).実施された運動負荷テスト は,最大下多段階漸増負荷サイクリングテストであ り,2分間のウォームアップの後,1分ごとに負荷を 15 watts増加させた.同時に各ステージの最後の15 秒間に脚部のRPEを記録した.脚部のRPEが14お よび15以上が初めて記録されたときwatt(負荷)を 以下に示す推定式に代入することでVO2maxおよび VO2ATの推定値を算出した. (男性用) VO2max = 6.57×WRPE15/体重−0.19×年齢−0.36 ×体脂肪率+41.29 VO2AT = 7.35×WRPE14/体 重 −0.06× 年 齢 −0.23 ×体脂肪率+15.62 (女性用) VO2max = 7.30×WRPE15/体重−0.12 ×年齢−0.46 ×体脂肪率+37.32 VO2AT = 5.03×WRPE14/体 重 −0.01× 年 齢 −0.16 ×体脂肪率+14.15 19)努力性肺活量,1秒量  対象者に測定手順と最大呼気の仕方について十分説 明した後,フクダ電子社製電子スパイロメータ(スパ イロシフトSP-310)を用いて試技をさせた.マウス ピースをくわえさせ,1回換気量が一定になったこと を確認した後,最大吸気をさせた.次に最大吸気位か ら,可能な限り一気に速く最大努力性呼気をさせた. 3回測定し,努力性呼気時の肺活量が最大値を示して いる値を採用した. 20)血液性状  総コレステロール(total cholesterol: TC),中性脂肪 (triglyceride: TG),高比重リポ蛋白コレステロール( high-density lipoprotein cholesterol: HDLC),低 比 重リポ 蛋 白コレステロール(low-density lipoprotein cholesterol: LDLC),ヘマトクリット(hematocrit: Hct)を測定するため, 12時間以上の絶食絶飲状態で採血した.血液分析は㈱ 江東微生物研究所に委託した. 21)質問紙調査  対象者の既往歴,服薬情報,運動実践状況を把握す るため体力測定実施前に聞き取り調査をした.既往歴 および服薬情報については,対象者の記憶あるいは薬 局で提供される薬剤情報をもとにした.運動実践状況 については,専門家が運動習慣の有無を聞き取り調査 した.運動習慣のある者については,実践している種 目,頻度,時間,強度,継続年数を質問した. 5.統計処理  測定値はすべて,平均値±標準偏差で表した.  各群における男女比をカイ2乗検定によって検討し た.ステップ運動群とウォーキング群における運動教 室への参加率はWilcoxonの対応のある符号付き順位 検定,運動強度の比較はMann-WhitneyのU検定を 施した.運動教室開催期間前後における群間差は二元 配置分散分析によって検討した.分散分析をおこない 有意差が認められた場合の多重比較検定は,Scheffe 法を用いて検討した.すべての検定において統計的有 意水準を5%とした.

Ⅲ.結 果

 運動教室への参加率は,ステップ運動群91.1± 5.6%,ウォーキング群89.7±9.4%であり,両群間 に有意差はなかった.  ステップ運動中の運動強度は63.1±7.4%HRmax (44.7∼83.0%HRmax),ウォーキング中の運動強度 は75.4 ± 13.1%HRmax(39.6∼116.8%HRmax)で 図1 ステップ運動群とウォーキング群の主運動中にみら れた心拍数の変化

(5)

あり,ウォーキング群がステップ運動群に比べ有意に 高い強度で運動していた.また,運動教室がおよそ1ヵ 月経過した時点の主運動中の代表的なHRの変化を図 1に示した.両運動とも終盤に向かって徐々にHRが 高まっていることが分かるが,ステップ運動は60 % HRmax台で推移しているのに対し,ウォーキング群 は70∼80%HRmax台まで推移していた.  運動教室前後における両群の測定値を表2と表3に 示した.総合的な健康度を示す活力年齢は,運動教室 前でステップ運動群69.2±5.6歳,ウォーキング群 67.1±4.9歳であったが,運動後ではそれぞれ66.7 ±5.2歳,65.4±4.7歳に改善された.その他にも多 表2 活力年齢および活力年齢構成要素の測定結果

(6)

くの測定項目で運動の効果はみられた.しかしその効 果を群間比較したところ,両群間に有意な違いは認め られなかった.

Ⅳ.考 察

 ステップ運動群,ウォーキング群ともに高い参加率 であった.これは,指導者が単調になりがちな運動指 導において,さまざまな工夫を凝らし,対象者に飽き させないようにした結果であると考えられる.実際に 対象者からは,「あっという間に時間が経った」,「こ んなに楽しく身体を動かしたことは久しぶり」といっ た声が,運動教室終了後に沸き起こっていた.  ステップ運動の運動強度はウォーキングよりも低 かった.これは,ステップ運動は,中強度の動作と低 強度の動作を組み合わせて作成されたプログラムであ り,中強度から高強度の運動が連続しなかったためで あると考えられる.事実,主運動20分の脈拍数の変 化を見るとステップ運動群は鋸状に変化している対象 者が多くみられたのに対し,ウォーキング群は途中の 水分補給を除けば時間の経過とともに強度が上昇して いる対象者が多いのが特徴的であった(図1).昨今 の報告ではウォーキングが安全性に優れた運動である とされているが,今回ステップ運動群に提供した運動 プログラムは運動強度の上昇が抑えられていたことか ら,運動強度でみればウォーキングと同等かそれ以上 に安全性の高い運動であるといえよう.  ステップ運動は高さ約2 cmの足裏マッサージ器に 乗り,不安定な姿勢で運動するため,体力の向上,特 に転倒予防に重要と言われる片足立ちや脚伸展筋力な どに効果があるのではないかと予想された.群ごとに 運動教室開催期間前後を比較すると,ステップ運動群 やウォーキング群で転倒予防に重要とされる体力測定 項目の多くが有意な改善をしていた.運動強度はス テップ運動群がウォーキング群に比べて有意に低く, 低強度にも関わらずウォーキングと同等の運動効果が あったといえる.さらに,膝を軽く曲げ,腰を低くし た姿勢でステップする時間を増やせば,ステップ運動 の効果がより明確になるのではないかと考えられる.  健康運動を広めるためには,費用対効果も考慮しな 表3 体力測定結果

(7)

ければならない.それは,高齢者の場合,若年者に比 べ医療費や生活費など収入に対する経済的負担が大き いからである.ウォーキングやジョギングは,スポー ツウエアやシューズといったどの運動をするにも必要 な物以外は不要であり,もっとも費用をかけないでで きる運動である.今回テーマにしたステップ運動に必 要な足裏マッサージ器は数百円で購入できるため,高 齢者に経済的な負担をかけないでできる運動であろ う.また,足裏マッサージ器は全国で販売されている ため,容易に入手することも可能であり,今後の広ま りが期待される.

Ⅴ.結 論

 高齢者に対し,プラスチック製の足裏マッサージ器 を用いたステップ運動とウォーキングを12週間実践 させた結果,運動強度はウォーキングがステップ運動 に比べ有意に高かったが,その効果は同等であった. よって,中等度から高強度運動が困難な高齢者にとっ て有効な運動方法になる可能性が示唆された.また, 運動に必要な経費はごく僅かであり,今後の広まりが 期待できる運動であることが示唆された.今後は本研 究で検討できなかった,心理面への効果も検討するこ とも必要であろう. 謝 辞  本研究は,筑波大学大学院人間総合科学研究科田中 研究室と株式会社THFとの共同研究で得られたデー タの一部を利用して作成した.ここに,本研究に携わっ た方々に心から御礼を申し上げる. 参考文献

Carter ND, Khan KM, Petit MA, Heinonen A, Waterman C, Donaldson MG, Janssen PA, Mallinson A, Riddell L, Kruse K, Prior JC, Flicker L, McKay HA: Results of a 10-week community based strength and balance training programme to reduce fall risk factors: a randomised controlled trial in 65-75 year old women with osteoporosis. Br J Sports Med 35, 348-51, 2001. 国立社会保障・人口問題研究所,日本の将来推計人口(平成 18 年 12 月推計)』,9-12, 2006. 小澤多賀子 田中喜代次:V-8 筋力強化運動(器具なし). 田中喜代次,重松良祐,中垣内真樹(編)中高年者のた めの運動プログラム 基本編,113-116,ナップ,東京, 2006.

Li F, Harmer P, Fisher KJ, McAuley E, Chaumeton N, Eckstrom E, Wilson NL: Tai Chi and fall reductions in older adults: a randomized controlled trial. J Gerontol A Biol Sci Med Sci 60: 187-194, 2005. 大蔵倫博,田中喜代次:自覚的運動強度を用いた全身持久性 体力推定法の総合的検討:最大下多段階漸増負荷サイク リングテストを利用して.体力科学 48, 111-124, 1999. 坂井智明:V-6 ゴムバンドエクササイズ.田中喜代次,重松 良祐,中垣内真樹(編)中高年者のための運動プログラ ム 基本編,103-107,ナップ,東京,2006. 総務省統計局:http://www.stat.go.jp/index.htm.

Takada K, Hayakawa Y : Aotake: A modified stepping exercise program for Japanese older adults.Journal of aging and physical activity sports 8, 175-177, 2000.

田中喜代次,松浦義行,中塘二三生,中村栄太郎:主成分 分析による成人女性の活力年齢の推定.体育学研究 35, 121-131, 1990. 田中喜代次:健康・体力・老化の測定と評価. 前田如天,田中喜代次(編)健康の科学,153-159,金芳堂, 京都,1999.

(8)

参照

関連したドキュメント

On the other hand, it was shown by Grandits [18] (in the finite discrete time case) and by Grandits and Rheinl¨ander [17] (for the continuous process X) that if the reverse

As was shown in [4]–[7], many geometric aspects of classical linear conjugation problems with sufficiently regular (differentiable, H¨ older) coefficients can be formulated

Key Words: Inequalities, convex function, Jensen’s inequality, Jessen’s inequality, iso- tonic functional, Jessen’s functional, superadditivity, subadditivity, monotonicity,

Lemma4.1.. This is not true if f is not positively homogeneous as the following example shows.. Let f be positively homogeneous. We shall give an example later to show that

In [7, 8] the question on the well-posedness of linear boundary value problem for systems of functional differential equations is studied.. Theorem 1.3 can also be derived as

We have formulated and discussed our main results for scalar equations where the solutions remain of a single sign. This restriction has enabled us to achieve sharp results on

In this work we give definitions of the notions of superior limit and inferior limit of a real distribution of n variables at a point of its domain and study some properties of

A lower bound for the ˇ Cebyšev functional improving the classical result due to ˇ Cebyšev is also developed and thus providing a refinement.... New Upper and Lower Bounds for the