2 運送取引内容を書面化する効果(メリット)
○ トラック運送業では、契約書が締結されていないことで、問題となる行
為(代金減額、買いたたき、支払遅延等)が多く発生し、問題となってい
ます。不適正取引は、トラック運送業界にまだ根強く存在しています。
○ 上記のような問題に対処するためにも、運送取引契約の内容を書面化
することが極めて重要です。運送契約の内容を書面化する効果は、以
下の通りです。
① 運送委託者と運送受託者が誰か明確になり、責任を明確化できる
② 貨物の汚破損等、トラブル発生時の対応ルールを明確化できる
⑤ 運賃額の減額、値引き要請等の不適正取引に対する抑止力となる
③ 無理な到着時間、無理な積載量等の運送申込(依頼)が減少する
④ 監査・調査、訴訟の際の証拠資料となる
⑥ 荷主責任が明確化され、荷主勧告の証拠資料となるため、荷主による
無理な運送申込(依頼)に対する抑止力となる
⑦ 契約履行に向けた強制力となり、契約書内容が遵守される
運送取引契約を書面化する効果
※ 上記は契約書面化すれば、必ず発生する効果ではありませんが、上記のような効果が生じる可能性がより高ま
○ 契約は、運送委託者と運送受託者の相対する2つ以上の意思表示の
合致で成立します。運送委託者の「運んでください」という運送の申込と、
運送受託者による「運びます」という承諾の意思表示によって契約が締
結されます。書面がなくとも、契約成立します。
○ 「契約」は、電話等による口頭だけの合意でも、法的拘束力が与えられ
ます。
○ 契約は、「申込」と「承諾」で成立します
○ 口約束だけで、法的拘束力が生じます
○ 契約書面がなくても、契約は有効です
4 「契約」とは、何か?
運送委託者
(※1)
(荷主・元請事業者等)
運送受託者
(※2)
(実運送事業者等)
貨物の
運送 承諾
貨物の
運送 申込
「契約が成立」
法的拘束力
合致
契約の成立
※1 運送委託者とは、運送を委託する荷主・元請事業者、利用運送事業者等
※2 運送受託者とは、貨物の運送を引き受けた貨物自動車運送事業者、利用運送事業者等
契約書(書面)
(基本契約書、覚書、発注書、注文書、
運送状、運送引受書、請書等)
発注書面
覚 書
契 約 書
第1条
・・・
第2条
・・・
第3条
・・・
運送委託者
・・・・
運送受託者
・・・・
5 「契約書」とは、何か?
○ 契約書は、運送の「申込」と「承諾」の双方の意思表示が合致したことを
記録し、その内容を証するために作成される「文書」です。(運送委託者
の「申込」と運送受託者の「承諾」を書面化したものが契約書です)
○ 電話等、口頭による運送に関する「申込」と「承諾」の合意内容として、
運送委託者名、運送受託者名、運賃額(運賃単価)、運送内容、支払方
法、支払日等の事項を契約書(書面)に記載します。
運送委託者
(荷主・元請事業者等)
運送受託者
(実運送事業者等)
貨物を
運ぶ承諾
貨物を
運ぶ申込
合致
・契約の当事者名、運賃額(運賃単価)、出発日時・到着日時、
附帯作業の内容及び料金、車両留置料、運送内容、支払期
日等の事項
契約書の
記載事項
運送委託者からの引合い
見積書の作成・提示
運送委託者
運送受託者
基本契約書、覚書等の締結
運送指図書、作業指示書
をドライバーに交付
運送引受書の交付
運送状(発注書面)の交付
送り状に着荷主から署名、
押印等をして受領
送り状(伝票)の交付
請求書の発行
代金(運賃)の支払
見積書
契約
書面化
運送役務
の提供
代金の
支払
1 トラック運送業における書面の流れ
○ トラック運送業では、契約書面の作成・交付の前後にも、見積書、運送
指図書、送り状などの書面の受け渡しがなされています。
○ 簡素化した取引に関係する書面の流れは以下の通りです。
(以下は一例であり、細分化すると極めて多様なパターンがあります)
貨物運送(役務提供)
覚
書
覚
書
基本契約書
基本契約書
発注書(運送状)
発注書(運送状)
発注書(運送状)
発注書(運送状)
運送引受書
運送引受書
+
運送引受書
運送引受書
+
改 善 基 準 告 示 を
遵守するために、
20時の到着時間
はどうかな?
了解です。到着時
間が20時なら、
問題ありません。
3 トラック運送業における契約書パターン
運送委託者が交付
運送受託者が交付
運送受託者が交付
運送委託者が交付
○ 継続契約では、「基本契約書」を締結し、必要に応じて「覚書」を締結し
ます。運送委託者は個々の運送申込では「発注書」を交付します。ただ
し、基本契約書のみ、または基本契約書及び覚書で全ての必要事項が
網羅されていれば、個々の運送申込の際に、発注書を交付しません。
○ スポット取引では、運送委託者が発注書(運送状)を交付し、これに対し
て運送受託者は運送引受書を交付します。
継続契約
スポット契約
7 荷主取引の契約書面化に向けたチェック
○ 荷主との取引において、現在締結している契約書等の書面について、国
土交通省「トラック運送業界における書面化推進ガイドライン」に基づき、
どのように見直すべきか検討します。
継続的取引の
契約書面チェック
継続取引の契約
契約書を作成
している
契約書を作成
していない
新規に契約書面
を作成する
反復・継続した運送取引を実施しているか?
スポット取引の契約
発注書を交付
している
発注書を交付
していない
スポット取引の
契約書面チェック
新規に契約書を
作成する
不足条項が
ある
不足条項が
ない
現在の契約書を
継続活用可能
国交省「トラック運送業におけ
る書面化推進ガイドライン」に
即して契約条項を追加
不足条項が
ある
不足条項が
ない
現在の発注書を
継続活用可能
国交省「トラック運送業におけ
る書面化推進ガイドライン」に
即して契約条項を追加
※1 ※1
※1 ※1
※1 国土交通省「書面化推進ガイドライン」の必要記載事項を網羅されているかチェックします
8 トラック運送事業者同士の
取引の契約書面化に向けたチェック
○ トラック運送事業者同士の取引において、現在締結している契約書等の
書面について、国土交通省「トラック運送業界における書面化推進ガイド
ライン」及び下請法の3条書面記載事項と照らして、どのように見直すべ
きか検討します。(荷主取引の契約書見直しフローと同じ)
継続的取引の
契約書面チェック
継続取引の契約
契約書を作成
している
契約書を作成
していない
新規に契約書を
作成する
スポット取引の契約
発注書を交付
している
発注書を交付
していない
スポット取引の
契約書面チェック
新規に契約書を
作成する
不足条項が
ある
不足条項が
ない
現在の契約書を
継続活用可能
国土交通省「書面化推進ガイ
ドライン」に即して契約条項を
追加
不足条項が
ある
不足条項が
ない
現在の発注書を
継続活用可能
国土交通省「書面化推進ガイ
ドライン」に即して契約条項を
追加
※1 下請法規制対象の取引では3書面の必要記載事項、及び国土交通省「書面化推進ガイドライン」の必要記
載事項を網羅されているかチェックします
※1 ※1 ※1 ※1
反復・継続した運送取引実施しているか?