• 検索結果がありません。

この章のポイント 高校での指導の実態からみる高校教育の課題 Benesse 教育研究開発センター研究員 岡部悟志 解説の時間 が中心の高校での授業中学校から高校にかけて生徒が様々なとまどいを感じていることは第 1 章で確認した通りだが その背景には中学校と高校とで大きく異なる指導の実態がありそうだ

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "この章のポイント 高校での指導の実態からみる高校教育の課題 Benesse 教育研究開発センター研究員 岡部悟志 解説の時間 が中心の高校での授業中学校から高校にかけて生徒が様々なとまどいを感じていることは第 1 章で確認した通りだが その背景には中学校と高校とで大きく異なる指導の実態がありそうだ"

Copied!
15
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

第4章

高校の指導の実態

高校での指導の実態からみる

高校教育の課題

学習指導

❶ - ①

 生徒に関する高校教員の悩み

❶ - ②

 教員の指導観

❶ - ③

 授業時間の使い方・進め方

❶ - ④

 朝・放課後・土曜学習の実態

❶ - ⑤

 家庭学習指導

❶ - ⑥

 宿題の出題頻度

❶ - ⑦

 教員の土日出勤、悩み

進路指導

❷ - ①

 進路選択の時期

❷ - ②

 進路指導する上での課題

❷ - ③

 高大接続の課題

❷ - ④

 保護者が高校の指導に求めていること

この章のポイント

(2)

高校での指導の実態からみる

高校教育の課題

Benesse教育研究開発センター 研究員

 岡部 悟志

「解説の時間」が中心の高校での授業

 中学校から高校にかけて生徒が様々なと

まどいを感じていることは第1章で確認し

た通りだが、その背景には中学校と高校と

で大きく異なる指導の実態がありそうだ。

教員にふだんの授業で心がけていることを

たずねたところ、中学校教員では「生徒の

発言や発表の時間」(中学校教員46.9%>高

校教員24.5%)がもっとも高いのに対して、

高校教員では「教師からの解説の時間」(中

学校教員23.7%<高校教員48.0%)がもっと

も高かった(図4-1-3)。8割の高校教員

が生徒の「学習意欲の低さ」と「義務教育

段階の学習内容の未定着」に悩みを感じて

いる(図4-1-1)が、授業の実態として

は「教師からの解説の時間」が中心となっ

ている。中学校よりも専門的な内容を限ら

れた時間内でより多くの生徒に教えるため

には、解説中心の授業にならざるを得ない

面もあるかもしれないが、一方でこのこと

が、生徒が感じる学習面でのとまどいの背

景にある要因の一つなのかもしれない。

通常の授業時間をこえた高校の指導の広がり

 生徒の学習意欲の低さや義務教育段階の

学習内容の未定着を反映してか、現在の高

校の指導は通常の授業時間内だけでは完結

していない。9割の高校が「平日の放課後

の補習、進路等の指導」、5割が「土曜日

の学習、進路等の指導」や「平日の朝学習」

を実施している(図4-1-4)。生徒の入学

時の学力水準が高い高校を中心に宿題が多

く(図4-1-6〜7)、家庭学習の指導の

実施率も6割台後半(図4-1-5)と高い。

通常の授業時間をこえて高校による指導が

広がっている様子がうかがえる。

教員の勤務実態にみる課題

 高校による指導の実態の広がりは、教員

の勤務実態に少なからず影響を与えている

と考えられる。2週に1日以上土日出勤す

る教員は約7割(図4-1-8)であり、「作

成しなければならない事務書類が多い」「教

材準備の時間が十分にとれない」「休日出勤

や残業が多い」などの悩みを抱える教員は

6〜7割を占める(表4-1-6)。とりわけ、

生徒の入学時の学力水準が高い高校の教員

ほど「休日出勤や残業が多い」ことに悩ん

でいる。教員のワークスタイルの改善も必

要だろう。

卒業後の進路保証へ向けて教員が抱える課題

 高校教員にとって、生徒一人ひとりの卒

業後の進路を保証することが大きな目標の

一つであろう。ところが、調査結果からは

進路保証へ向けて不安材料が山積みである

ことがうかがえる。たとえば、高校教員は

生徒に高2生の頃から進路意識を高めても

らいたいのに、実際生徒の進路意識が高ま

るのは高3生になってからである(図4-

2-1)。多くの教員が進路指導する上で「基

本的な学習習慣が確立していない」「進路を

決めきれない生徒が多い」ことに困難を感

じている(図4-2-2)。また、推薦・AO

入試で早期に進路が決まった生徒への対応

も教員の間で課題となっている(図4-2-

3)。高校教育の枠をこえ、中学校や大学と

の連携が必要ではないだろうか。

(3)

(%) 0 20 40 60 80 100 とてもそう思う まあそう思う 37.7 43.0 (80.7) 42.0 37.3 (79.3) 23.0 41.9 (64.9) 15.0 29.8 (44.8) 6.9 34.0 (40.9) 生徒の学習意欲が低い 義務教育段階の学習内容が定着していない生徒が多い 生徒間の学力差が大きくて授業がしにくい 生徒指導に時間がかかり過ぎる 生徒が何を考えているのかわからない 生徒の学習意欲が低い 義務教育段階の学習内容が 定着していない生徒が多い 生徒間の学力差が大きくて 授業がしにくい 生徒指導に時間が かかり過ぎる 生徒が何を考えているのか わからない (%) 全体 普通科 Aグループ Bグループ Cグループ Dグループ 総合学科 専門学科 80.7 78.3 49.2 76.6 92.9 91.3 89.5 87.3 79.3 76.2 43.0 72.2 91.7 93.8 87.7 89.0 64.9 63.1 45.5 57.6 74.9 77.6 71.4 71.1 44.8 40.9 13.8 28.4 59.1 74.4 58.2 55.3 40.9 38.0 22.3 33.4 47.2 52.3 45.8 50.6 第4章   高校の指導の実態

❶ - ①

生徒に関する高校教員の悩み

約8割の高校教員が抱える悩みは、

生徒の学習意欲の低さ、義務教育段階の学習内容の未定着。

 約8割の高校教員が、「生徒の学習意欲が低い」ことや、「義務教育段階の学習内容が定着していない 生徒が多い」ことに悩みを感じている(図4ー1ー1)。学校種別にみると、この二つの悩みを抱える割合は、 総合学科と専門学科の教員、および普通科のなかでも生徒の入学時の学力水準が低いC・Dグループの教 員で、いずれも9割前後に達しており、全体値よりも 10ポイント前後高くなっていることがわかる(表4ー1ー 1)。

あなたは、次のような悩みをどれくらい感じていますか。

図4ー1ー1 生徒に関する教員の悩み(全体) 高校教員 注1)「とてもそう思う」+「まあそう思う」の%。選択肢は「とてもそう思う」「まあそう思う」「あまりそう思わない」「まったくそう思わない」 の4段階。 注2)教員の悩みについてたずねた 15 項目のうち、生徒に関する5項目のみを示した。 注3)生徒の入学時の学力水準(中学時代の評定平均)が 4.5 ~ 5.0 点の高校(60 校)を A グループ、3.5 ~ 4.0 点の高校(253 校)を B グループ、 3.0 点の高校(138 校)を C グループ、1.0 ~ 2.5 点の高校(83 校)を D グループとして示している。 注4)_は全体よりも5ポイント以上、_+  は 10 ポイント以上高いものを示す。 注5)_は全体よりも5ポイント以上、_+  は 10 ポイント以上低いものを示す。 注6)対象は国語・地理歴史・公民・数学・理科・外国語のいずれかを担当している高校教員 3,070 人。 図4ー1ー1、表4ー1ー1「第5回 学習指導基本調査」(2010) 注1)( )内は「とてもそう思う」+「まあそう思う」の%。選択肢は「とてもそう思う」「まあそう思う」「あまりそう思わない」「まったくそう思 わない」の4段階。 注2)教員の悩みについてたずねた 15 項目のうち、生徒に関する5項目のみを示した。 注3)対象は国語・地理歴史・公民・数学・理科・外国語のいずれかを担当している高校教員 3,070 人。 表4ー1ー1 生徒に関する教員の悩み(学校種別) 高校教員

学習指導

_ _

(4)

(%) 全体 普通科 Aグループ Bグループ Cグループ Dグループ 総合学科 専門学科 普通科 A.自発的に学習する意欲や  習慣を身につけさせること B.たとえ強制してでも、  とにかく学習させること 60.2 62.4 77.4 64.1 58.5 47.7 52.1 53.7 39.8 37.6 22.6 35.9 41.5 52.3 47.9 46.3 (3,070) (2,228) (246) (976) (507) (308) (227) (512) (%) 全体 普通科 Aグループ Bグループ Cグループ Dグループ 総合学科 専門学科 普通科 A.教科書や指導要領の内容を、  とにかく最後まで扱うこと B.一通り終わりまでやれなくても、基本的な  考え方を身につけさせること 30.6 35.6 59.8 43.9 22.2 11.9 20.6 14.3 69.4 64.4 40.2 56.1 77.8 88.1 79.4 85.7 (3,070) (2,228) (246) (976) (507) (308) (227) (512)

あなたは、授業などの指導の面で、どのようなことを大切にしていますか。

あえていえば、重視していると思うほうをお答えください。

注1)「無回答・不明」を除いて算出した。 注2)生徒の入学時の学力水準(中学時代の評定平均)が 4.5 ~ 5.0 点の高校(60 校)を A グループ、3.5 ~ 4.0 点の高校(253 校)を B グループ、 3.0 点の高校(138 校)を C グループ、1.0 ~ 2.5 点の高校(83 校)を D グループとして示している。 注3)対象は国語・地理歴史・公民・数学・理科・外国語のいずれかを担当している高校教員 3,070 人。( )内はサンプル数。 「第5回 学習指導基本調査」(2010) 図4ー1ー2 教員の指導観(全体、学校種別)

❶ - ②

教員の指導観

同じ普通科であっても、生徒の入学時の学力水準が高い高校の教員ほど、

生徒に「自発的に学習する意欲や習慣を身につけるさせること」を重視。

 生徒の入学時の学力水準がもっとも高い普通科Aグループでは、8割弱の教員が「自発的に学習する意欲 や習慣を身につけさせること」を重視している。一方、普通科 Dグループでは、半数以上の教員が「たとえ 強制してでも、とにかく学習させること」を重視している。また、「教科書や指導要領の内容を、とにかく 最後まで扱うこと」を重視する教員の割合は、普通科 Aグループが約6割ともっとも高く、普通科 Bグルー プが4割強で続いているが、普通科 Dグループでは約1割のみとなっている。 高校教員

(5)

復習の時間 導入の時間 教師からの解説の時間 解説内容についての 質疑応答の時間 実験・実習の時間 生徒が考えたり 話し合ったりする時間 生徒の発言や発表の時間 机間指導や生徒に 個別に対応する時間 練習や演習の時間 学習のまとめの時間 (%) 全体 普通科 Aグループ Bグループ Cグループ Dグループ 総合学科 専門学科 17.8 16.7 13.4 13.4 17.6 26.0 19.4 20.9 17.5 16.7 15.4 15.1 18.1 20.5 14.5 20.5 48.0 49.1 52.0 50.1 50.1 40.9 46.7 44.9 12.6 12.9 13.8 11.6 13.6 13.3 11.9 10.9 8.0 7.3 6.5 7.4 7.5 7.1 10.1 9.8 19.6 20.4 24.8 19.7 19.3 16.9 17.2 16.8 24.5 24.6 23.6 23.6 24.9 24.4 22.5 24.6 26.2 24.8 18.7 20.8 28.6 36.4 31.7 29.1 38.3 38.6 31.3 37.4 42.0 41.2 38.3 37.1 12.3 11.7 9.8 10.5 15.2 11.7 14.1 12.5 (3,070) (2,228) (246) (976) (507) (308) (227) (512) (%) 0 10 20 30 40 50 復習の時間 導入の時間 教師からの解説の時間 解説内容についての質疑応答の時間 実験・実習の時間 生徒が考えたり話し合ったりする時間 生徒の発言や発表の時間 机間指導や生徒に個別に対応する時間 練習や演習の時間 学習のまとめの時間 24.7 17.8 17.5 48.0 12.6 8.0 26.2 23.7 13.7 24.5 41.8 46.9 36.9 44.3 20.7 19.6 24.5 26.2 38.3 12.3 中学校教員 (2,827) 高校教員 (3,070) 第4章   高校の指導の実態

授業を進める際にどのような時間の使い方や進め方を心がけていますか。

注1)図4−1−3、表4−1−2ともに「多くするように特に心がけている」の%。選択肢は「多くするように特に心がけている」「まあ心がけている」 「あまり心がけていない」の3段階。 注2)表4−1−2では、生徒の入学時の学力水準(中学時代の評定平均)が 4.5 ~ 5.0 点の高校(60 校)を A グループ、3.5 ~ 4.0 点の高校(253 校)を B グループ、3.0 点の高校(138 校)を C グループ、1.0 ~ 2.5 点の高校(83 校)を D グループとして示している。 注3)表4−1−2の_は全体よりも5ポイント以上、_+  は 10 ポイント以上高いものを示し、_は全体よりも5ポイント以上低いものを示す。 注4)図4−1−3、表4−1−2ともに対象は国語・地理歴史・公民・数学・理科・外国語のいずれかを担当している高校教員 3,070 人。( )内はサンプル数。 注5)図4−1−3の中学校教員の対象は国語・社会・数学・理科・外国語のいずれかを担当している 2,827 人。( )内はサンプル数。 図4ー1ー3、表4ー1ー2「第5回 学習指導基本調査」(2010) 図4ー1ー3 授業の時間の使い方や進め方(中学校・高校別) 表4ー1ー2 授業の時間の使い方や進め方(学校種別) 高校教員

❶ - ③

授業時間の使い方・進め方

高校では学校種に関わらず、5割近くの教員が

「教師からの解説の時間」を心がけている。

 もっとも多くの高校の教員が授業時間の使い方や進め方として「多くするように特に心がけている」と 答えたのは、「教師からの解説の時間」である(図4ー1ー3)。その比率は約5割と、中学校の教員の2倍以 上に達する。表4ー1ー2をみると、高校の学校種に関わらず、「教師からの解説の時間」を「多くするよう に特に心がけている」と答える教員の比率が4〜5割と高いことがわかる。中学校と高校との授業時間の 使い方や進め方の違いがみえる。 中学校教員・高校教員 _ _

(6)

貴校では、今年度、次のような取り組みを実施していますか。

❶ - ④

朝・放課後・土曜学習の実態

土曜日の学習や進路指導の実施率は、全体では5割だが、

生徒の入学時の学力水準が高い普通科Aグループでは85%にまで上昇。

 全体をみると、「平日の放課後の補習、進路等の指導」の実施比率がもっとも高く 90.7%。「土曜日の 学習、進路等の指導」を行う高校は約半数であった(図4ー1ー4)。これを学校種別にみると、普通科 Dグ ループ、総合学科、専門学科では25.3%〜35.3%にまで落ち込んでいる。ところが、普通科Aグループで は 85.0%、普通科Bグループでは71.1%と全体値を20ポイント以上上回っており、生徒の入学時の学力水 準が高い高校ほど実施率が高いことがわかる(表4ー1ー3)。 平日の朝読書 平日の朝学習 平日の放課後の補習、進路等の指導 土曜日の学習、進路等の指導 (%) 0 20 40 60 80 100 40.5 50.1 90.7 50.7 表4ー1ー3 平日の朝・放課後、土曜日の時間の活用状況(学校種別) 高校の校長 図4ー1ー4 平日の朝・放課後、土曜日の時間の活用状況 高校の校長 注1)教育課程内または教育課程外での実施率を示している。 注2)生徒の入学時の学力水準(中学時代の評定平均)が 4.5 ~ 5.0 点の高校(60 校)を A グループ、3.5 ~ 4.0 点の高校(253 校)を B グループ、 3.0 点の高校(138 校)を C グループ、1.0 ~ 2.5 点の高校(83 校)を D グループとして示している。 注3)_は全体よりも5ポイント以上、_+  は 10 ポイント以上高いものを示す。 注4)_は全体よりも5ポイント以上、_+  は 10 ポイント以上低いものを示す。 注5)対象は全国の高校の校長 830 人。( )内はサンプル数。 図4ー1ー4、表4ー1ー3「第5回 学習指導基本調査」(2010) _ _ 平日の朝読書 平日の朝学習 平日の放課後の補習、 進路等の指導 土曜日の学習、進路等の指導 (%) 全体 普通科 Aグループ Bグループ Cグループ Dグループ 総合学科 40.5 38.9 23.3 37.9 45.7 43.4 42.6 46.3 50.1 52.2 43.3 59.7 51.4 39.8 35.3 49.4 90.7 91.5 91.7 94.5 94.2 79.5 94.1 85.6 50.7 60.0 85.0 71.1 47.8 25.3 35.3 25.6 (830) (578) (60) (253) (138) (83) (68) (160)専門学科

(7)

第4章   高校の指導の実態

受け持ちの生徒に対して、家庭での学習時間の指導をしていますか。

注1)生徒の入学時の学力水準(中学時代の評定平均)が 4.5 ~ 5.0 点の高校(60 校)を A グループ、3.5 ~ 4.0 点の高校(253 校)を B グループ、 3.0 点の高校(138 校)を C グループ、1.0 ~ 2.5 点の高校(83 校)を D グループとして示している。 注2)対象は国語・地理歴史・公民・数学・理科・外国語のいずれかを担当している高校教員 3,070 人。( )内はサンプル数。 図4ー1ー5 受け持ちの生徒に対する家庭での学習時間の指導の有無(全体、学校種別)

❶ - ⑤

家庭学習指導

生徒に対して家庭での学習時間の指導をする教員は56%。

生徒の入学時の学力水準が高い普通科A・Bグループで6割台後半と高い。

 受け持ちの生徒に対して家庭での学習時間の指導をしている教員は、全体の 56.0%を占めた。学校種 別では普通科 Bグループでもっとも高く69.9%。一方、専門学科では33.2%と低かった(図4ー1ー5)。ま た、ふだん指導している家庭での学習時間をたずねたところ、普通科 Aグループの平均時間がもっとも長 く122.8分であった。もっとも短かったのは専門学科の 65.3分で、家庭での学習時間に2倍近い差があっ た(表4ー1ー4)。 高校教員 注1)生徒の入学時の学力水準(中学時代の評定平均)が 4.5 ~ 5.0 点の高校(60 校)を A グループ、3.5 ~ 4.0 点の高校(253 校)を B グループ、 3.0 点の高校(138 校)を C グループ、1.0 ~ 2.5 点の高校(83 校)を D グループとして示している。 注2)「ふだん指導している家庭での学習時間(平均値)」は、「15 分」を 15 分、「3時間」を 180 分、「それ以上」を 210 分のように置き換えて、 「無回答・不明」を除いて算出した。 注3)受け持ちの生徒に対して家庭での学習時間(宿題を除く)を指導している(「はい」を選択)と回答した教員(1,719 人)のみ分析。 ( )内はサンプル数。 図4ー1ー5、表4ー1ー4「第5回 学習指導基本調査」(2010) 表4ー1ー4 ふだん指導している家庭での学習時間(平均値)(学校種別) 高校教員 (%) 全体(3,070) 普通科(2,228) Aグループ(246) Bグループ(976) Cグループ(507) Dグループ(308) 総合学科(227) 専門学科(512) 普通科 はい いいえ 無回答・不明      56.0 62.3 65.4 69.9 59.4 40.6 48.0 33.2 39.9 34.1 28.9 26.5 38.9 55.5 48.0 60.5 4.1 3.5 5.7 3.6 1.8 3.9 4.0 6.3 ふだん指導している家庭での 学習時間(平均値) (%) 全体 普通科 Aグループ Bグループ Cグループ Dグループ 総合学科 専門学科 (1,719) (1,389) (161) (682) (301) (125) (109) (170) 100.1 105.0 122.8 111.2 93.5 67.1 90.7 65.3

(8)

どれくらいの頻度で宿題を出していますか。

図4ー1ー6 宿題を出す頻度(全体、学校種別)

❶ - ⑥

宿題の出題頻度

宿題をほとんど出さない教員が全体の約3割、

生徒の入学時の学力水準が低い普通科Dグループでは5割近くを占める。

 教員に宿題の出題頻度をたずねたところ、「宿題はほとんど出さない」と回答した比率がもっとも高く、 31.9%。学校種別では、普通科 Dグループで48.7%と半数近くを占めている(図4ー1ー6)。宿題の分量は、 どの学校種でも「30分」ほどで解ける量という回答がもっとも多くみられた(図4ー1ー7)宿題の主な内容 は「学校指定の副教材、問題集」「教科書の内容」を「出す」(「よく出す」+「たまに出す」)と回答した比 率がもっとも高く、ともに75%を超えている(表4ー1ー5)。 高校教員 (%) 全体(3,070) 普通科(2,228) Aグループ(246) Bグループ(976) Cグループ(507) Dグループ(308) 総合学科(227) 専門学科(512) 普通科 授業のたびに出す 授業4、5 回に 1回くらい出す 宿題はほとんど 出さない 授業2、3回に 1回くらい出す 月に1回くらい出す 無回答・不明 16.5 19.3 25.6 22.5 14.4 9.4 12.3 5.3 22.8 24.3 21.1 26.4 27.8 17.9 25.1 15.2 14.5 14.7 11.0 15.8 13.6 12.3 15.0 14.3 13.1 11.4 8.9 12.3 11.4 11.7 13.2 22.1 31.9 29.3 31.3 21.4 32.1 48.7 33.5 42.0 1.1 1.1 2.0 1.5 0.6 0.0 0.9 1.2 注1)生徒の入学時の学力水準(中学時代の評定平均)が 4.5 ~ 5.0 点の高校(60 校)を A グループ、3.5 ~ 4.0 点の高校(253 校)を B グループ、 3.0 点の高校(138 校)を C グループ、1.0 ~ 2.5 点の高校(83 校)を D グループとして示している。 注2)対象は国語・地理歴史・公民・数学・理科・外国語のいずれかを担当している高校教員 3,070 人。( )内はサンプル数。 「第5回 学習指導基本調査」(2010)

(9)

第4章   高校の指導の実態 注1)「よく出す」+「たまに出す」の%。選択肢は「よく出す」「たまに出す」「あまり出さない」「まったく出さない」の4段階。 注2)生徒の入学時の学力水準(中学時代の評定平均)が 4.5 ~ 5.0 点の高校(60 校)を A グループ、3.5 ~ 4.0 点の高校(253 校)を B グループ、 3.0 点の高校(138 校)を C グループ、1.0 ~ 2.5 点の高校(83 校)を D グループとして示している。 注3)_は全体よりも5ポイント以上、_+  は 10 ポイント以上高いものを示す。 注4)_は全体よりも5ポイント以上、_+  は 10 ポイント以上低いものを示す。 注5)宿題を出す(「授業のたびに出す」「授業2、3回に1回くらい出す」「授業4、5回に1回くらい出す」「月に1回くらい出す」のいずれかを選択) と回答した教員(2,057 人)のみ分析。( )内はサンプル数。 図4ー1ー6、表4ー1ー4「第5回 学習指導基本調査」(2010)   表4ー1ー5 宿題として出す内容(全体、学校種別) 高校教員

1回の宿題の分量と内容を教えてください。

図4ー1ー7 1回分の宿題の量(全体、学校種別) 高校教員 _ (%) 学校指定の副教材、問題集 教科書の内容 定期試験対策になる内容 自作プリント 基礎的・基本的な知識・ 技能を習得する課題 授業でやり残した作業や課題 基礎的・基本的な知識・ 技能を活用する課題 大学入試対策になる内容 授業の予習 計算や漢字などの反復的な練習 作文やレポート 調べ学習 資格取得対策になる内容 全体 普通科 Aグループ Bグループ Cグループ Dグループ 総合学科 専門学科 (2,057) (1,552) (164) (752) (341) (158) (149) (291) 78.3 80.9 84.8 81.1 83.0 71.5 74.5 66.3 76.7 77.9 71.4 77.7 82.1 82.9 73.2 72.1 72.4 71.8 63.4 73.5 74.2 74.1 77.8 72.2 69.0 69.0 61.6 70.7 71.3 71.5 65.1 69.4 67.7 67.9 61.5 69.1 69.8 68.3 72.5 63.3 64.4 63.2 59.1 62.5 66.0 70.9 72.5 67.0 53.8 55.8 53.6 60.4 51.9 47.5 52.3 41.6 47.2 55.3 63.4 68.1 42.2 13.9 36.9 9.3 45.8 49.1 53.6 52.0 44.9 34.8 47.6 26.1 43.1 41.1 28.7 35.4 54.9 57.6 45.7 51.2 25.3 24.9 28.1 25.4 22.5 23.4 26.9 26.8 18.6 17.4 10.9 18.1 19.1 17.7 20.8 23.0 11.8 9.3 3.0 8.7 12.6 11.4 16.8 22.0 _ 注1)生徒の入学時の学力水準(中学時代の評定平均)が 4.5 ~ 5.0 点の高校(60 校)を A グループ、3.5 ~ 4.0 点の高校(253 校)を B グループ、 3.0 点の高校(138 校)を C グループ、1.0 ~ 2.5 点の高校(83 校)を D グループとして示している。 注2)「1回分の宿題の量(平均時間)」は、「15 分」を 15 分、「2時間」を 120 分、「それ以上」を 150 分のように置き換えて、「無回答・不明」 を除いて算出した。 注3)宿題を出す(「授業のたびに出す」「授業2、3回に1回くらい出す」「授業4、5回に1回くらい出す」「月に1回くらい出す」のいずれかを選択) と回答した教員(2,057 人)のみ分析。( )内はサンプル数。 (%) 全体(2,057) 普通科(1,552) Aグループ(164) Bグループ(752) Cグループ(341) Dグループ(158) 総合学科(149) 専門学科(291) 普通科 15分 30分 45分 1時間 1時間30分 2時間それ以上 無回答・不明 43.4 41.1 31.1 38.7 51.0 47.0 53.6 15.0 15.4 18.3 16.2 14.7 13.9 16.8   11.3 23.2 24.8 31.1 26.6 20.8 3.0 1.5 1.7 1.7 3.0 2.1 0.3 1.3 2.7 1.4 3.8 4.4 5.5 4.9 2.3 1回分の 宿題の量 (平均時間) 44.2分 45.4分 50.8分 47.3分 40.5分 38.1分 40.0分 40.1分 1.4 9.1 8.6 5.5 6.9 9.1 19.0 9.4 12.0 2.4 1.7 2.8 0.6 1.9 1.9 1.2 0.6 2.4 2.4 0.0 2.0 0.7 1.0 3.1 2.7 44.3 21.5 14.8 17.1

(10)

❶ - ⑦

教員の土日出勤、悩み

約7割の教員が2週に1日以上、土日に出勤している。生徒の学力水準が高い

普通科Aグループの教員の約75%が休日出勤や残業の多さに悩んでいる。

 2週間に1日以上(「ほとんど毎週出勤している」+「2週間に1日程度」)、土日に出勤している教員は約 7割である。普通科 Aグループの教員が8割を超えてもっとも高く、専門学科の教員が5割ほどともっとも 低くなっている(図4ー1ー8)。補習や授業で出勤する比率も、普通科Aグループの教員がもっとも高い(図 4ー1ー9)。また、普通科 Aグループの教員は、「休日出勤や残業が多い」ことに悩んでいるという回答も 74.4%ともっとも高い(表4ー1ー6)。

土曜日・日曜日についてうかがいます。

注1)図4−1−8、図4−1−9ともに、生徒の入学時の学力水準(中学時代の評定平均)が 4.5 ~ 5.0 点の高校(60 校)を A グループ、3.5 ~ 4.0 点の高校(253 校)を B グループ、3.0 点の高校(138 校)を C グループ、1.0 ~ 2.5 点の高校(83 校)を D グループとして示している。 注2)図4−1−8、図4−1−9ともに、対象は国語・地理歴史・公民・数学・理科・外国語のいずれかを担当している高校教員 3,070 人。( )内は サンプル数。 図4ー1ー8〜9「第5回 学習指導基本調査」(2010) 図4ー1ー8 土曜日・日曜日の出勤頻度(部活動や学校行事も含む)(全体、学校種別) 高校教員 (%) 全体(3,070) 普通科(2,228) Aグループ(246) Bグループ(976) Cグループ(507) Dグループ(308) 総合学科(277) 専門学科(512) 普通科 ほとんど毎週 出勤している 2週間に1日程度 1か月に1日程度 年に5∼6日程度 ほとんど出勤していない 無回答・不明 2.3 2.8 3.3 3.0 2.4 2.3 2.6 14.7 18.3 35.4 21.4 12.6 3.2 7.9 11.6 14.1 13.8 18.8 11.6 3.6 6.6 3.3 13.1 14.6 16.3 15.8 13.6 12.3 11.0 7.8 56.1 48.8 30.1 39.9 59.0 75.6 70.9 81.8 2.3 1.4 1.2 1.2 0.8 2.9 0.9 5.1 1.8 0.2 (%) 全体(3,070) 普通科(2,228) Aグループ(246) Bグループ(976) Cグループ(507) Dグループ(308) 総合学科(277) 専門学科(512) 普通科 1か月に 1日程度 年に5∼ 6日程度 ほとんど出勤 していない 無回答・不明 47.0 49.9 52.0 52.3 50.3 39.6 44.1 37.1 22.6 24.2 30.9 26.6 21.5 16.2 20.7 16.4 13.3 13.4 11.0 12.3 13.2 17.2 12.8 13.3 8.7 7.2 2.8 5.4 10.7 12.3 14.1 12.7 0.8 0.5 1.2 0.5 0.2 0.3 0.0 1.2 7.6 4.8 2.0 2.9 4.1 14.3 8.4 19.3 ほとんど毎週 出勤している 2週間に 1日程度 図4ー1ー9 土曜日・日曜日の出勤頻度(補習や授業)(全体、学校種別) 高校教員

(11)

第4章   高校の指導の実態

あなたは、次のような悩みをどれくらい感じていますか。

表4ー1ー6 教員の悩み(全体、学校種別) 高校教員 注1)「とてもそう思う」+「まあそう思う」の%。選択肢は「とてもそう思う」「まあそう思う」「あまりそう思わない」「まったくそう思わない」の4段階。 注2)生徒の入学時の学力水準(中学時代の評定平均)が 4.5 ~ 5.0 点の高校(60 校)を A グループ、3.5 ~ 4.0 点の高校(253 校)を B グループ、 3.0 点の高校(138 校)を C グループ、1.0 ~ 2.5 点の高校(83 校)を D グループとして示している。 注3)教員の悩みについてたずねた 15 項目のうち、生徒に関する5項目を除いた 10 項目のみを示した。 注4)_は全体よりも5ポイント以上、_+  は 10 ポイント以上高いものを示す。 注5)_は全体よりも5ポイント以上、_+  は 10 ポイント以上低いものを示す。 注6)対象は国語・地理歴史・公民・数学・理科・外国語のいずれかを担当している高校教員 3,070 人。( )内はサンプル数。 「第5回 学習指導基本調査」(2010) 教育行政が学校現場の状況を 把握していない 作成しなければならない 事務書類が多い 教材準備の時間が 十分にとれない 休日出勤や残業が多い 校務分掌の仕事が負担である 図書費や教材費が不足している 部活動の指導が負担である 年間の授業時数が足りない 保護者や地域住民への 対応が負担である 管理職からの評価が気になる (%) 全体 普通科 Aグループ Bグループ Cグループ Dグループ 総合学科 専門学科 (3,070) (2,228) (246) (976) (507) (308) (227) (512) 78.7 78.8 79.3 78.6 80.5 78.6 78.8 78.1 72.0 73.0 73.9 72.7 75.3 68.9 71.8 66.8 65.1 67.7 71.5 68.3 67.9 62.1 67.4 52.2 61.8 66.3 74.4 69.4 64.9 47.4 56.4 45.0 52.0 53.4 48.0 52.8 57.2 53.9 51.9 44.3 51.8 52.1 52.0 52.3 55.4 48.7 49.7 50.7 48.9 50.5 48.8 52.8 55.0 40.9 47.5 43.2 44.3 45.0 50.4 52.1 41.6 28.3 39.6 42.2 31.4 32.0 28.1 29.0 35.1 40.0 30.4 28.6 15.8 15.6 15.9 16.0 17.0 11.3 21.2 13.9 _ _

(12)

(%) 0 5 10 15 20 25 (月) 0.0 0.0 0.1 0.1 0.0 0.1 0.4 0.4 0.3 0.1 0.10.2 0.20.1 0.10.5 0.3 1.3 3.5 3.0 2.3 3.6 4.4 5.2 11.1 16.4 21.8 2.4 1.41.7 3.8 0.8 8.0 4.2 2.1 1.5 0.91.7 1.6 5.3 1.9 3.9 7.2 1.5 6.2 14.8 8.8 5.4 5.3 4.1 3.0 1.4 0.5 0.6 0.1 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 高校教員が生徒の 進路意識を高めたい時期 実際に生徒の進路意識が 高まる時期 高校1年生 高校2年生 高校3年生 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 2.6 5.0 1.9 0.3 0.1 0.4 0.1 0.0 14.2

❷ - ①

進路選択の時期

高校生の進路意識がもっとも高まるのは高校3年生の6月頃。

一方、教員が生徒に進路意識を高めてもらいたいのは高校2年生の10月頃。

 高校の進路担当の教員は、高校2年生の9〜10月以降に生徒の進路意識がやや高まり、高校3年生の4 月頃に大きく上昇して6月頃にピークを迎えると感じている。一方、高校の進路担当の教員が生徒に進路 意識を高めてもらいたい時期のピークは、高校2年生の 10月頃となっている。つまり、高校生の進路 意識が高まる時期は、高校の進路担当の教員が期待しているタイミングよりも半年以上、ズレが生じて いる。 注1)対象は全国の高校の進路担当の教員 2,016 人。 「高等学校の進路指導に関するアンケート」(2010) 図4ー2ー1 生徒の進路意識を高めたい時期と、実際に生徒の進路意識が高まる時期

進路について考えさせるために、生徒の進路意識を一番高めたい時期はいつですか。

また、実際に多くの生徒の進路意識が高まる時期はいつですか。

高校教員

(13)

第4章   高校の指導の実態

❷ - ②

進路指導する上での課題

「生徒の基本的な学習習慣が確立していない」

「進路を決めきれない生徒が多い」

ことが、高校で進路指導を行う上での課題となっている。

 88.1%の高校教員が「生徒の基本的な学習習慣が確立していないこと」に、進路指導を行う上で困難を 感じる(「とても困難を感じる」+「やや困難を感じる」、以下同)と回答している。「とても困難を感じる」 比率は 51.7%と半数を超えていることから、多くの教員が感じている共通の課題と考えられる。「進路を 決めきれない生徒が多いこと」に困難を感じる教員も 76.8%と高い。また、「進学環境の変化が速いこと」 「大学の入試制度が複雑なこと」といった環境要因に起因する課題も、6割台と高くなっている。

生徒の進路指導を行う上で、次のようなことに対してどれくらい困難を感じますか。

図4ー2ー2 進路指導を行う上で困難を感じること 高校教員 注1)対象は国語・地理歴史・公民・数学・理科・外国語のいずれかを担当している高校教員 3,070 人。 「第5回 学習指導基本調査」(2010) (%) 進学環境の変化が 速いこと 大学の入試制度が 複雑なこと 大学の入試情報が 不足していること 生徒の基本的な学習習慣が 確立していないこと 進路を決めきれない 生徒が多いこと 現実味のない進路希望を 抱く生徒が多いこと 努力しないでも入れる 大学を選ぶ生徒が多いこと 進路に関する保護者への 対応が必要なこと 学校内に進路指導の ノウハウが不足していること 該当しない・ わからない 10.3 17.6 4.9 51.7 28.9 14.6 16.7 9.6 8.7 50.0 48.3 32.3 36.4 47.9 42.1 39.1 39.9 29.3 29.8 25.8 51.8 8.9 19.4 37.3 34.2 42.8 48.5 とても困難を 感じる やや困難を感じる あまり困難を感じない 無回答・不明 まったく困難を 感じない 2.9 1.1 0.8 1.9 5.5 3.2 3.2 2.7 1.7 1.7 4.4 3.9 9.3 1.8 1.9 1.7 1.7 1.7 3.9 3.4 3.6 0.6 1.0 1.4 3.9 1.9 2.3

(14)

❷ - ③

高大接続の課題

約75%の教員が、

「推薦やAO入試で早期に進路が決まった生徒に対し、

卒業まで勉強させるような仕組みを大学と共同して検討する必要がある」と回答。

 「推薦やAO 入試で早期に進路が決まった生徒に対し、卒業まで勉強させるような仕組みを大学と共同し て検討する必要がある」と回答した比率(「とてもそう思う」+「まあそう思う」、以下同)がもっとも高く 75.4%であった。また、「推薦入試やAO入試にもっと学力検査を課すべきだ」「推薦入試やAO入試の実施 割合をもっと減らすべきだ」という回答も6割前後と高い。推薦入試やAO入試に課題を感じている教員は 多いようだ。

高校から見て、大学に関する次の項目についてどのようにお感じになられていますか。

図4ー2ー3 高大接続の課題 高校教員 (%) 従来の、偏差値を基準とした 進路指導が難しくなっている 地域の国公立大学が提供する 教育内容と地域の人材ニーズが 異なってきている 各大学の主たる機能を 研究・教養教育・職業教育などに 整理し直した方がよい 推薦入試やAO入試の実施割合を もっと減らすべきだ 推薦入試やAO入試に もっと学力検査を課すべきだ 推薦やAO 入試で早期に 進路が決まった生徒に対し、 卒業まで勉強させるような仕組みを 大学と共同して検討する必要がある 無回答 とても そう思う まあそう思う どちらでもない 全くそう思わない あまりそう 思わない 6.0 6.0 32.3 28.6 34.2 37.5 16.1 29.5 25.5 32.9 41.2 42.9 61.9 47.5 26.6 23.8 14.7 10.7 16.0 12.6 11.2 10.3 5.4 2.2 2.5 2.8 2.3 2.3 2.2 0.7 0.8 1.7 2.1 2.0 2.2 2.7 注1) 対象は全国の高校の進路担当の教員 2,733 人。 「高等学校からみた大学改革の課題に関するアンケート」(2010)

(15)

第4章   高校の指導の実態

❷ - ④

保護者が高校の指導に求めていること

約65%の保護者は高校に「社会へ出てから役立つ基礎的な力(思考力や

コミュニケーション能力など)をつけさせてほしい」と思っている。

 65.4%の保護者は高校に対して「社会へ出てから役立つ基礎的な力(思考力やコミュニケーション能力な ど)をつけさせてほしい」と思っており、いずれの高校タイプでももっとも高くなっている。卒業後「短大・ 専門学校への進学・就職が多い」高校では、「社会へ出てから役立つ基礎的な力をつけさせてほしい」とい う回答が73.8%、「将来の就職を意識した進学指導をしてほしい」という回答が59.9%となっており、とく に後者は全体値より10ポイント以上高い。

あなたは、あなたのお子さんが現在通っている高校の指導に対して、どんな要望をお持ち

ですか。

図4ー2ー4 保護者の高校の指導に対する要望(全体、高校タイプ別) 高校1〜3年生の保護者 (%) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 社会へ出てから役立つ基礎的な力(思考力や コミュニケーション能力など)をつけさせてほしい 受験に関わりなく、将来必要となる知識を 幅広く教えてほしい 受験に必要なことをできるだけ 効率的に教えてほしい 子どもの可能性を早期に決めつけない 進路指導をしてほしい 将来の就職を意識した進学指導をしてほしい 授業の学習内容を定着させるための 補習をもっと充実させてほしい 受験対策のための講習を もっと充実させてほしい 教師がもっと大学に関する 知識を持って指導してほしい 宿題以外の家庭学習の時間や方法について もっと指導してほしい 教師がもっと職業に関する知識や 経験をもって指導してほしい 子どもの学力に関して もっと情報提供をしてほしい 受験対策のための外部模試を もっと充実させてほしい もっと自習室を開放してほしい 宿題をもっと出してほしい もっと親の意見を聞く機会を増やしてほしい 3者面談の機会を増やしてほしい 海外の大学への進学に関する 情報提供や指導をしてほしい 73.8 全体(4,647) 中堅レベルの大学への 進学者が多い高校(2,018) 短大・専門学校への進学・ 就職が多い高校(1,276) 国公立大学や難関私立大学への 進学者が多い高校(1,353) 65.4 56.1 58.1 56.3 47.4 66.3 63.0 56.1 48.8 49.6 48.5 47.8 47.6 46.5 46.6 54.2 34.1 40.9 39.9 45.0 35.5 40.4 34.8 44.9 38.9 40.2 33.1 38.8 37.4 41.2 36.5 33.3 31.6 38.1 27.6 28.6 31.2 32.0 20.6 21.5 13.7 24.6 20.1 18.4 18.2 18.8 18.1 14.0 16.1 14.3 11.3 18.9 19.7 22.0 25.0 40.9 46.6 41.2 52.7 46.4 37.1 47.3 59.9 43.1 50.0 51.8 36.1 注1)「とてもそう思う」+「まあそう思う」の%。選択肢は「とてもそう思う」「まあそう思う」「どちらともいえない」「あまりそう思わない」 「まったくそう思わない」「分からない・考えたことがない」の6段階。 注2)対象は高校1~3年生の保護者 4,647 人。 「高校生と保護者の学習・進路に関する意識調査」(2011)

参照

関連したドキュメント

地方創生を成し遂げるため,人口,経済,地域社会 の課題に一体的に取り組むこと,また,そのために

 調査の対象とした小学校は,金沢市の中心部 の1校と,金沢市から車で約60分の距離にある

大学教員養成プログラム(PFFP)に関する動向として、名古屋大学では、高等教育研究センターの

指導をしている学校も見られた。たとえば中学校の家庭科の授業では、事前に3R(reduce, reuse, recycle)や5 R(refuse, reduce, reuse,

一貫教育ならではの ビッグブラ ザーシステム 。大学生が学生 コーチとして高等部や中学部の

私は昨年まで、中学校の体育教諭でバレーボール部の顧問を務めていま

拠点校、連携校生徒のWWLCリーディングプロジェクト “AI活用 for SDGs” の拠 点校、連携校の高校生を中心に、“AI活用 for

今年度は 2015