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水泳における運動強度の指標としての主観的運動強度(RPE)の有用性

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Academic year: 2021

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(1)y. 博士学位論文. 水泳における運動強度の指標としての 主 観 的 運 動 強 度 (RPE) の 有 用 性. 上田毅.

(2) 目次 緒言 第1 章. ••. 主観的運動強度 ( R P E )に関する研究と本研究の目的… 5 RPEの 妥 当 性 と 再 現 性. 節 第3. RPEと 環 境 温. 第 4節. 全 身 のR PEと 部 分RPE. 第5 節. 設 定R PE 値による運動強度の調節. 第 6節. RPEに 及 ぼ す ト レ ー ニ ン グ の 影 響. 第7 節. 水泳における R PE. 第8 節. 本研究の目的. っJ A. 節 第2. ょっムつムつ. RPE尺 度 の 理 論 的 背 景. っJ Q J 1 i p o o k u 1i1i1. 第1 節. μ. せ. 第 2章. 1. 水 泳 中 の RPEの 妥 当 性 に 関 連 す る 基 礎 的 要 因. … 28. 第1 節. 水泳における運動強度の指標としてのR PEの 妥 当 性. … 29. 第 2節. 異なる水温下での水泳における R PE. … 3 9. 第3 節. 水 泳 に お け る 全 身 のR PEに 対 す る 部 分RPEの 寄 与 率. … 46. 第 3章 水 泳 指 導 へ の RPEの適用. … 54. 第1 節. 時 間 泳 に お け る 設 定R PE 値による運動強度の調節. 第2 節. 設 泊P E 値による運動強度の調節に及ぽす水泳練習の効果. …5 5 …5 9. 第3 節. 間欠的水泳運動における R PE. … 65. 第4 章総合考察. … 76. 第1 節. 本研究の成果と意義. 77. 第 2節. 総括と今後の課題. 8 1. 引用文献. .8 5. 謝辞. .9 7. 図表. .98. 1.

(3) 緒言. 水泳指導の身体的側面のね らいとして,水泳技術の 習得とともに適切な運動量の維 保 が掲げられている(文部省, 1989a,b,c ) .本研究は後者のねらいと関連して,水泳 指 導 に お け る 運 動 強 度 の 指 標 と し て の 主 観 的 運 動 強 度 (Ratings o f Percei ved Exer ti o n .R PE)の有用性に ついて検討しようとするものである. 健康を増進し. 体力の向上を図るためには適切な運動量の確保が必要で、ある.運動 量. は運動強度と運動時間の積で表わされる.特に. 運動強度の高低は運動の質を決定する. ので,運動強度の把握は水泳指導において適切な運動量 を確保するための重要な課題と なる. 水泳指導における運動強度の設定と評価は てきた.しかし. これまで泳速あるいは指導者の経験に頼 っ. 泳速は泳法や水泳の技能水準に強く影響されるため. る泳者に対してこれを運動強度の指標として用いると. 技能水準の異な. 泳者の生体負担度にきわめて大. きな個人差が生じることになる. 水泳も含めた身体運動における運動強度の指標として,厳密には酸素摂取量. ( v oJが. 用いられる.水泳中の V oz の測定は実験装置が十分に整った実験室において可能であるが, 通常の水泳指導の現場で v ozi :7~~ 定するには現在のところ技術的,経済的に多くの困難を ともなう.このため,水泳指導の現場ではより簡便で実際的な指標が求められている. 運動強度を示す簡便な指標の 一つに心拍数 ( H R ) がある.水泳中の H Rは成人と児童の. 1i.

(4) いずれを対象としても V 02との間に直線関係を示すことから ,H Rは水泳L!Jの運動強度の指 標として妥当であると認められている.しかし. 水泳指導の現場で、 H Rを用いるには,次. Rは水温などの環境の変化や泳者の年齢、に影響される. のような限界がある.第 一 に , H このため, H Rによる運動強度の設定と評価には水温や年齢に応じた補正が必要で、 ある. 第二に,水泳中の泳者の H Rは心拍数記憶装置やテレメータ一等の機器により正確に記録 できるが,これらの手法は経済性や簡便性に劣る.また心拍数記憶装置ではリアルタイ ムに H Rを知ることができない.第三に. H Rは触診法や電極把握法で簡便に測定できるが,. I Rで測定 これらの手法は運動の中断を余儀なくさせる.また触診法では 130拍/分以上の I. 誤差が増すことも知られている. 水泳中の運動強度を簡便に. しかも運動を中断することなくリアルタイムに知るもの. として Borgの考案 (1970)による RPEがある. これは運動中に知覚される運動強度を 15 段階のカテゴリー尺度により数量化する指標である. しかし. 水泳における RPEの有用. 性はほとんど研究されていない. 本論文では ,研究課題として水泳における RPEを取り上げ. 実験室的研究として運動. 強度の指標としての妥当性と関連するいくつかの研究課題を. 実践的研究として水泳 4じ. 導への適用性を検討した.前者の実験は実験条件を厳密に規定できる実験室で実施し, その内容を第 2章に示した.後者の実験は屋外プールで水泳指導中に実施し,その内容 は第 3章に示した.. ワμ.

(5) 本研究では以下の略語と記号を用いた. 略語ないし記号:用語(単位) .. :anaerobi c thresho1 d,無酸素性作業関値.. AT. .f requency o f breal hi ng,呼吸数(回/分) . HLa. :b100d 1 a c t a t e concentration,血中乳酸濃度 ( m m o1 / 1 ).. H R. :h e a r tr a t e,心拍数(拍/分) .. L T. :1 a c t a t et h同 shold,乳酸性作業関値.. pH. :potential o f hydrogen,水素イオン濃度.. P W C130. :p h y s i c a 1 working capacity a t 130 beats/min o fh e a r tr a l e, 130拍/分の心拍数における身体作業容量 ( W ).. P W C170. :p h y s i c a 1 working capacity a t 170 beats/min o fh e a r tr a t e, 170拍/分の心拍数における身体作業容量. P W CR13. ( w ).. :physical working c a p a c it ya t1 3o f RPE, 1 3の主観的運動強度. w ). における身体作業容量 ( P W CR17. :p h y s i c a 1 working c a p a c It ya t1 7o f RPE, 1 7の主観的運動強度. w ). における身体作業容量 ( Q. :cardiac output,心拍出量 ( m 1 / 分) .. R P E. .ratings o f perceived exertion,主観的運動強度.. 。. R P E. :o v e r a 1 1 ratingso f perceivedexerlion,全身の主観的運動強度.. q a. E. nk. p a. p u. :arm ratings o f perceived exertion,腕の痛みやきっさ.. nド A nk. p upu. cardiac ratings o f perceived exertion,心臓のきっき.. RPE1eg. .l e g ratings o f perceived exertion,脚の痛みやきっさ.. RPER. .respiralory ratings o f perceived exertion,呼吸の苦しさ.. s v. .st r o k ev o1 u m e,心臓の 一 回拍出量 ( m 1). YE. :minute v e n t i1 a t i o n,換気量 ( 1 / 分) •. Y O z. :oxygen uptake,酸素摂取量 ( 1 / 分) .人体で消費される 1 分間 主 円 ﹁υ.

(6) たりの酸素量を示し V OZllax. 運動強度の指標として用いられる.. :maximal oxygen uptake,最大酸素摂取量 (1 / 分) .人体で消費さ. れる 1分間当たりの酸素摂取量の最大値. V 02max/WT. :maximal oxygen uptake per 1kg o fw ei g h t,体重 lkg当りの最大. 酸素摂取量 (ml/kg/ 分) .最大酸素摂取量に影響する体重 の個人 差を除去するために用いられる. %V02max. :percentage o f maximal oxygen uptake,最大酸素摂取量の相対値. ( 切 ) .最大酸素摂取量の個人差を除去し 較するために用いられる. VT. :v e n t ilatory threshold,換気性作業関値.. VT. .t i d a l volume 一 回 換 気 量 (1 ).. 4-. 相対的に同 一強度で比.

(7) 第1 章. 主観的運動強度 ( R P E ) に関する研究と本研究の目的. B o r g( 1 9 6 2 ) により提案された主観的運動強度 ( RaLin gS 0f P e r c eiv edE xe rLi0n: R P E ) は,運動中に知覚される運動強度を数量化する指標の 一つであり,スポーツ科学 の領域においてその有用性が検討されてきた.また R PEに関する研究は. 運動中のエネ. ルギ一代謝,呼吸循環器系,ホルモンなどの生理的応答との関連から検討されてきた. 本章では,研究課題との関連から特に, R P E 尺度の理論的背景. RPEの妥当性と再現性,. R P Eと環境温,全身の RPEと部分RPE 設定 R P E値による運動強度の調節. RPEに及ぼすト. レーニングの影響,水泳における R PE,の各節に区分して RPEに関する研究を概説し,そ の問題点を指摘することにより. 本研究の目的を導く.. 戸. hJ.

(8) 第1 節. R P E 尺度の理論的背景. RPEに関する最初の研究は. 自転車工ルゴメータ一作業中. 一 定時間内 (30~60秒). に被検者が標準刺激の半分と知覚するまでスロットルハンドルを操作して運動強度を調 節 す る 手 法 ( 比 率 表 出 法 .r a ti o producti o n ) を 用 い る も の で あ っ た (Borg a n d 9 6 0 ) .この後,これと類似する手法,すなわち被検者に異なる運動強度を Dahlstrom 1. 負荷して,それらがどのくらいの強さに感じられるかを数字によって評価する手法(マ グニチュード推定法:m a g n it u d ee s ti m a ti o n ) や,標準刺激の何倍に感じられるかとい っ た手法(比率推定法:r ati 0 e sti mati o n ) が用いられてきた ( B o r g1 9 6 2 ) . しかし, これらの手法には被検者の身体作業容量の個人差を考慮していないことや,運動強度を 評価する数字の大きさに制限がないという欠点があった. そこで身体作業容量の個人差を除去する手法の ーっ として. 条件付きの評価尺度が. Borg (1961, 1962) によって考案された.この条件は,図 11に示した Borg ( 1 9 6 1, 1 9 6 2 ) のレンジ理論 ( t h er a n g et h e o r y ) に依存している.この理論では,最大強度の. 運動における知覚量は全ての人で同等であり. 非常に低い運動強度でも相対的運動強度. が同 一で、あれば全ての人が同等に知覚すると仮定する.すなわち. レンジ理論に従うと,. たとえ身体作業容量が異なっていたとしても全ての人で知覚の範囲は等しくなる. 以上のような理論的背景をもとに Borg ( 1 9 6 2 )は. 運動中の知覚量から運動強度を評. 価するため,尺度の数値を 2 1段階に固定したカテゴリー尺度 ( category s c a l e ) を作成. 6. ・.

(9) した.これは運動強度を 主観的に表現する 言語 を等間隔に配列した尺度である.この尺. ' " " 2 0の 1 5段階に修正された(表 1 1 ) ( B o r g1 9 7 0, 1 9 7 3 ) .この 度の数値は,後に, 6 理由は,. ( 1 ) 自転車エルゴメーター作業やトレッドミル走において, R P EはH Rや物理的. 運動強度に対して直線関係を示す,. ( 2 )R P Eを1 0倍すると H R値と等しくなる,とい う. つの意図に基づいている.スポーツ科学の領域では,運動中に知覚される運動強度の評 価方法として,この尺度が最も 一 般 的 に 使 用 さ れ て い る . 本 研 究 で も 小 野 寺 と 宮 下. ( 1 9 7 6 ) の日本語訳によるこの尺度を用いた. P EはH Rや物理的運動強度に対して直線関係を示すことから, R P E 尺度は 前述のように R 実質的には間隔尺度 ( i n t e r v a ls c a l e ) として利用できる.すなわち, 1 1 0 ' " " 1 3 0拍/分 のH Rの聞の距離と 1 5 0 ' " " 1 7 0拍/分の H Rの間の距離がほぼ等しいのと同様. 1 1' " " 1 3のR P Eの. 聞の距離と 1 5 ' " " 1 7のR P Eの聞の距離は心理的にもほぼ等しいと考えることができる. し たがって,研究目的が身体運動において知覚される運動強度の監視であればR P E 尺度に 問題はない.しかし,比率表出法やマグニチュード推定法の手法によって得られる運動 中の知覚量は, H Rや物理的運動強度に対して直線関係を示していない.これは B o r ga n d. o r g( 1 9 6 , 1 1 9 6 2 ) ,N o b l e, e t al . ( 1 9 8 3 ) が報告したように D a h l s t r o m( 1 9 6 0 ) ,B 指数関数的増加を示す.. i. 庁.

(10) 第2 節. R P Eの妥 当性と 再現 性. B o r gのR P E 尺度の妥当性は,運動強度の指標である H RやV Ozとの相関分析により検討さ れてきた.. H Rと の 関 係 で は , こ れ ま で RPEは,性 ( S k i n n e r, e ta l . 1 9 6 9, 1 9 7 3 a, Stamford 1 9 7 6 ) ,身体作業容量 ( B a rO r,e t al .1 9 7 2,l Ia s s m e n1 9 9 0,M i c h a e la n dE c k h a r d t k i n n e r, e ta l . 1 9 7 3 a ) , 運 動 様 式 (Gamberable 1 9 7 2, Hassmen 1 9 9 0, 1 9 7 2, S S k i n n e r,e ta l .1 9 7 3 a ) ,負荷方法 ( E d w a r d s,e ta l .1 9 7 2,S k i n n e r,e ta l .1 9 7 3 b ) および作業部位 ( S a r g e a n ta n dD a v i s1 9 7 3 ) の相違にもかかわらず直線関係を示すと 報告されてきた. しかし,身体作業容量 ( W i n b o r n,e ta l . 1 9 8 8 ) ,運動単位の動員様式 ( L o1 1g e n,. e ta l .1 9 7 5, 1 9 7 7, 1 9 8 0, P a n d o l fa n dN o b l e1 9 7 3, Robertson, eL a l . 1 9 7 9 b, S t a m f o r da n dNoble 1 9 7 4 ) および負荷方法 ( G l a s s,e t al .1 9 9 1 ) が異なる場合には, R P EとH Rの聞に直線関係が認められないことから RPEの妥当性を疑問視する研究者もいる. したがって,運動強度の指標としての RPEの妥当性を H Rとの関係だけで結論付けるに は限界がある.これは,副交感神経や交感神経をブロックしたり ( D a v i sa n dS a r g e a n L. n d Goldbarg 1 9 7 1 ) ,暑熱環境に曝露して ( K a m o n, e t al . 1 9 7 4, 1 9 7 9, Ekblom a N o b l e,e t al .1 9 7 3, P a n d o l f,e t al .1 9 7 2 )H Rを操作した場合には, RPEはH Rに必ず しも依存しないからである.さらに年齢の増加にしたがって最大下および¥最大作業時の. 8 -.

(11) H Rは減少するため,任意の I I Rに対する R P Eが相対的に高くなること ( A r t s il a,e t al . 1 9 7 7,B a rO r1 9 7 7,B o r ga n dL i n d e r h o l m1 9 6 7 ) も考慮する必要がある. V 02との関係では ,R P Eは自転車エルゴメータ一作業やトレッドミル走で、 r = O .76 ~ O. 9 7 の直線関係を示すと報告されてきた ( B o r ga n dN o b l e1 9 7 4,E d w a r d s,e la l .1 9 7 2,. S a r g e a n ta n dD a v i s1 9 7 3, S k i n n e r, e ta l .1 9 7 3 a, 1 9 7 3 b, S m u t o k, e ta l .1 9 8 0 ). しかし, V 0 Rと同様の問題が認められる.例えば,同 一 V 02で、の R P Eはペ 2との関係でも H. t a f a r e l l i1 9 7 7,L o l l g e n,e ta l .1 9 8 0, P a n d o l fa n d ダリングの回転数に依存する ( N o b l e1 9 7 3, R o b e r t s o n, e t al . 1 9 7 9 b, S t a n f o r da n dN o b l e1 9 7 4 ) ,伸長性運動の の短縮性運動より高い ( R P Eは同一 V 0 H e n r i k s s o n,e ta l .1 9 7 2,P a n d o l f,e ta l .1 9 7 8 ) 2 など,任意の V 02における R P Eは運動単位の動員様式によって異なる.さらに催眠により. R P Eは上昇したが, V 02は不変であったとする報告もある ( M o r g a n,e t al .1 9 7 3 ). このように R P Eは必ずしも V 02に依存しないとする報告も認められるが , V OaJa:Lの差を除 去した相対値(切 V OaJa:L)では, R P Eに及ぼす性,身体作業容量,身体組成,運動様式,環 境条件,負荷方法,作業部位の影響が除去されると指摘されてきた ( E d w a r d s,e l al .. 1 9 7 2, E k b l o ma n dG o l d b a r g1 9 7 1, M i h e v i c, e la l .1 9 8 2, N o b l e, e ta l .1 9 8 1, S a r g e a n ta n dD a v i s1 9 7 3, S k i n n e r,e ta l .1 9 6 9, 1 9 7 3 b ) .これらの報告によれば R P Eは% V OaJa:Lに依存すると考えられるが,運動中に被検者が首 V OaJa:Lを知覚するとは考えに くい. % V OaJa:Lに対する乳酸産生,過換気,カテコールアミンの増加などの生理的応答は. 被検者の身体作業容量やトレーニングの状態で異なり, 一定でないことが知られている. 9 -.

(12) ( A s t r a n da n dR o d a h l1 9 8 6 ) からである.以上のことから, R P EはH } (や V Oz(もしくは %v o2tlaJなどの単独の運動強度の指標に依存するのでなく,これらを含む総体的な運動. 強度を反映すると考えるのが妥当で、あろう.. } ( P Eの再現性はテスト 一再テスト法を用いて検討されてきた. B o r ga n dL i n d e r h o l m ( 1 9 7 0 ) は,循環系の患者と健康な成人男女を対象に自転車エルゴメータ一作業におい P Eにより決定した運動強度 ( P W CR W CR rニ 0 . 8 0 0 . 9 4 )が , H Rにより てR 1 3,P 1 7)の再現性 ( P W C1 決定した運動強度 ( 3 0, PWC17~ のもの (r ニ0.88---0.98) と同等であったと報告した. R P Eの 再 現 性 は. 運動単位の動員様式が異なる場合でも r = O .7 1-O .9 2と高かった. ( C o o p e r,e t al .1 9 7 9,L o l l g e n,e t al . 1 9 7 5,S t a m f o r d1 9 7 6 ) .また男女の高齢者 0 . 3+2 : . 5歳 , 女 性 :6 5 . 4+1 .7 歳)を対象にした T a k e s h i m a, e ta l . の報告 (男性:7 ( 1 9 8 8 ) や 81 2歳の児童を対象にした M a h o na n dM a r s h( 1 9 9 2 ) の報告でも R P Eの再現 性は高く. ( r = O .7 6-O .9 0 ) ,年齢の影響は認められなかった.. P Eは総体的な運動強度を反映する指標として妥 当で 以上のように陸上の運動では, R あり,再現性も高いと考えられる.. 1 0 -.

(13) 第3 節. R P Eと環境温. 運動中の生体は,作業筋へのエネルギー源の供給と O2の運搬を調節する他に,体温も 調節する.すなわち,エネルギ一代謝が充進して深部体温が上昇すれば発汗の増加や, 皮膚静脈の拡張および皮膚血流量の増加によって体熱を放散させる.逆に,深部体温が 低下すれば皮膚静脈の収縮によって皮膚血流量を減少させて断熱を行う.環境温の変化 は. このメカニズムを充進,もしくは抑制させる.. R P Eと環境温の関係について,これまで暑熱環境下(4 4o C,5 4o C)での R P Eは , 2 4Cの 0. それと変わらない ( K a m o n,e t al .1 9 7 4,N o b l e,e ta l .1 9 7 3,P a n d o l f,e t al .1 9 7 2 ) が,寒冷環境下 ( 5C ) では 0. 2 5Cのそれより有意に減少する ( H o r st m a n 1 9 7 7 ) と報 0. 告されてきた. しかし,被検者の身体組成を考慮した場合には,先述の暑熱環境下の報告と異なり,. 7 . 6首)では 3 2Cの R P Eが2 4Cのそれより有意に高かったが,肥満者 痩身者(体脂肪率 = 0. 0. (体脂肪率二2 8 . 2 % ) では同等であった ( S k i n n e r,e t al . 1 9 7 3 a ) .この理由に ついて. S k i n n e r,e t al.は言及していないが 痩身者の体重当たりの体表面積 ( 2 7 7 .4c m2/ k g ) は,肥満者 ( 2 0 9 .9cm2 /kg) より 320~ 大きいことから,痩身者では環境温の変化に影響さ れ易いことが原因していると考えられる. 運動環境が水の場合には,水の繋げ云導率は空気の約2 5倍,比熱は約1 0 0 0倍であるため, 水温の変化は気温の変化より体温調節に強く影響する.しかし. ー. 1 1 -. 水泳中の I < P Eに及ぼす.

(14) 水温の影響については報告されていない.. 1 2 -.

(15) 第4宣 告. 全 身 の RPEと部分 R PE. R P E のメカニズムを明らかにするために, R PE 研究の関心は運動に伴う全身の R PE ( R PEo ) 注l. と 生 理 的 応 答 の 関 係 お よ びR PE 。と部分R PEの 関 係 に も 向 け ら れ て き た ( C a f a rel li. 1 9 8 2, C a r t o na n d Rhodes 1 9 8 5,Kinsman a n dW e i s e r1 9 7 6, Mihevic 1 9 8 1,P a n d o l f 9 7 8, 1 9 8 2, P a n d o l f, e ta l .1 9 7 5, Robertson 1 9 8 2, Roberlson, e ta l . 1 9 7 7, 1 1 9 7 9 b, 1 9 8 6, 1 9 9 2 ). , R PE 。 をH R,物理的運動強度(もしくは V Oz VE) , sエン ) ,換気量 ( B o r g( 1 9 6 2 )は. H L a ) および被検者のトレーニング状 ドルフィン,カテコールアミン,血中乳酸濃度 ( 態などの多くの入力からなる形態 ( G e s t a l t ) として考えるべきだと提案した. Ekblom. a n d Goldbarg ( 1 9 7 1 ) は , こ れ ら を (1 ) 呼吸循環器系の応答に対応して認識される知 覚(中枢性要因)と,. ( 2 ) 活動筋や関節の応答に対応して認識される知覚(末梢性安. 因)の二つの要因に大別し,これら 二つの要因の適度な重み付けによって RPE 。は統合さ. insmana n dW e i s e r( 1 9 7 6 ) ,P a n d o l f ( 1 9 7 7, 1 9 7 8,1 9 8 2 ), れると考えた.その後, K P a n d o1f ,eta1 . ( 1 9 7 5 ) がこれらの考えをさらに発展させてきた.. 1 . 全身の RPEと中枢性要因の関係 RPE 。と中枢性の生理的応答との関係については,第 2 節で述べたように, H RはR P E 。との. 注1:本節以降, であるが,. r 全身の R P E( R P E R P E J と同義 ) J という表現を使用している.これは前出までの f o r 部分R P E J との関連で全身の R P Eを区別する必要がある場合に使用する. 1 3 -.

(16) 間に直線関係を示すが,人為的な H Rの操作に対する RPE 。の依存度は低かった.. VEと呼吸数 ( f )は , R PE 。との間に r = O .5 20 . 9 4の 相 関 関 係 を 示 す と 報 告 さ れ て き た ( E d w a r d s, e t al .1 9 7 2,Kamon, e t al . 1 9 7 4, Morgan a n d Pollock 1977,Noble, e t al . 1 9 7 3,P a n d o l, f e t al . 1 9 7 2, Sargeant a n d Davis 1 9 7 3, Skinner, e t al . 分圧 ( 1 9 6 9,Smutok, e ta l .1 9 8 0 ) .催眠 ( M o r g a n, e t al .1 9 7 6 ) や高 O 50%OJ へ の 2. P e d e r s o na n d Welch 1 9 7 7 ) による人為的な V PE 。は連動した.このよ 暴露 ( Eの操作にも R P E 。は換気系応答に依存すると考えられる. うに, R 1 乎気 C O2濃 度 の 増 加 ( C a f a r e l l ia n d しかも,その依存度は運動強度と関係する. 1 N o b l e1 9 7 6 ) ,赤血球の注入による動脈中の o ,i農度の増加 ( R o b e r t s o n,e ta l .1 9 7 9 c ), aHC03の注入による血液 p Hの上昇 (Robertson, e ta l . およびアシドーシスを緩衝する N 1 9 8 6 ) などの換気系応答の人為的操作に対して, RPE 。 は7 1%Vo~ax 以上の運動強度におい て連動した.このようにアシドーシスが生じるような高強度の運動では,これを緩衝す るために換気系応答が充進し,これが呼吸の苦しさとなって知覚されるため, R PE 。の換 気系応答への依存度が高くなると考えられる.. PE 。との間に強い関係を示すかについては, C ampbe1 1 と守の換気系指標が R E d w a r d s,e ta l .. ( 1 9 6 6 )や. ( 1 9 7 2 )は V obertson, e t al . ( 1 9 7 9 b ) は f, W o1 k o v e, et E ,R. a1 . ( 1 9 8 1 ) はV を指摘しており,統一見解は認められていない. しかし ,R obert s o n, r e ta l . ( 1 9 8 6 ) によれば, 8OWOMの運動中 f とVEはNaHC03の注入によって有意に減少 したが ,V は不変で、あったように,アシドーシスが生じるような高い運動強度で f とVE r. 1 4・.

(17) は増加し続けるが,. V rはプラトーとなる. しかも運動中は. fの増加にともない呼吸の. B u r d o n, e ta l .1 9 8 2, 深さや速さの変化を知覚する神経信号が感覚中枢へ送られる ( Ki1 1i a n,eta1 . 1 9 8 2 ) ことから, R P E 。 は f に最も強く依存するようである.. 2 . 全身の RPEと末梢性要因の関係 R P E 。と末梢性の生理的応答の関係については,これまで、 R PE 。は,運動様式 ( E k b l o m 9 7 2, Horstman, e ta l .1 9 7 9 a ) ,環境条件 ( A1 1e n a n d Goldbarg 1 9 7 1, Gamberale 1 a n dP a n d o l f1 9 7 7,Horstman 1 9 7 7,Kostka a n dC a f a r e l l i1 9 8 2, Robertson, e ta l . 1 9 8 6,Young, e ta l .1 9 8 2 ) ,身体作業容量 ( E k b l o ma n d Goldbarg 1 9 7 1 ) および負荷 E d w a r d s, e t a1 . 1 9 7 2 ) の相違にもかかわらず 方法 (. H L aに 強 く 依 存 す る と 報 告 さ れ. てきた. しかも,その依存度には運動強度が関係する. K o st k aa n dC a fa r e1 1i ( 1 9 8 2 ) は,ア シドーシスを促進する N H4C lと緩衝する NaHC03の注入により運動中の血液p Hを変化させた. その結果, 80o~ V O'aJu の運動強度で、は, RPE。 とH LaはNH4C1 の注入によってコントロールより. aHC03の 注 入 に よ っ て 減 少 し た . こ の よ う に 高 強 度 の 運 動 で 生 じ る H L a 有意に増加し, N の急激な上昇はアシドーシスを引き起こし. これが遊離神経終末を刺激して作業筋の痛. みやきつきを知覚させると考えられる. その他の末梢性の生理的応答との関係については,運動単位の動員様式を操作するこ. C a f a r e l l i1 9 7 7,Lol1gen, e ta l .1 9 7 5, 1 9 7 7, 1 9 8 0, とによって検討されてきた ( P a n d o l fa n d Noble 1 9 7 3,Robertson,e ta l .1 9 7 9 b, Stamford a n d Noble 1 9 7 4 ) .そ. 1 5 -.

(18) の結果, R P E 。は筋中乳酸濃度, N AD,グリコーゲン, A T P,C P,筋線維タイプ ( L o1 1g e n,. e ta 1 .1 9 8 0 ) ,血液 p H,p C U 2( R o b e r t s o n,e ta 1 .1 9 7 9 b ) と強い関連を示さなかった L o l l g e n, e t al . 1 9 7 5, 1 9 7 7 ) ,積分筋電凶 が,ペダリングの回転数や負荷量 ( ( C a f a r e l l i1 9 7 7 ) ,筋温,筋中乳酸濃度,筋電図,固有受容器の活動,ゴルジ)腿器 J_~" 活動 ( S t a n f o r da n dN o b l e1 9 7 4 ) などとは強く関連したと報告されている.. 3 . 全身の RPEに対する中枢性要因と末梢性要因の寄与決 以上の先行研究を検討した結果 関係を模式的に示した.負荷強度. 図 1-2に身体刺激 速度. 時間. 生理的応答および知覚的応答の. 環境条件によって規定される身体刺激. は , V 02を独立変数においた中枢性と末梢性の生理的応答を引き起こす .中枢性の生理的 応答には,循環器系の H R,呼吸系の V E, f ,V Tが挙げられ,末梢性のものには筋温,筋 中乳酸濃度. H L a,固有受容器の活動,ゴルジ腿器官活動などが挙げられる.そして,. これらの生理的応答 は対応する知覚的応答(部分R P E ) を引き起こす.すなわち, H Rは 「心臓のきっき Jを引き起こし,. V , E. f ,V ;ま r l 呼吸の苦しさ」を引き起こす.同様に,. 末梢性の生理的応答は「腕や胸!の痛み やきっき」を引き起こすことになる.そして,こ. P Eが適度に重み付けされて RPE 。は統合されると考えられる. れらの部分R P E 。には人的特性である性,年齢 また R. 健康状態. 身体組成. 身体作業容量およびト. PE 。は男性の レーニング状態が影響する.例えば,同一作業強度で比較すると,女性の R それより高く. ( R e j e s k i1 9 8 1 ) ,痩身者の RPE 。は肥満者のそれより高い ( S k i n n e r,e t. al .1 9 7 3 a ) .身体作業容量の違いでみても,身体作業容量の低い者の RPE 。は,高い者. ー. 1 6 ・.

(19) のそれより高くなる傾向がある ( M i h e v i c1 9 8 3 ) . トレーニングの状態については,. コ. ンタクトスポーツ選手が非コンタクトスポーツ選手より,非コンタクトスポーツ選手が 一般人より痛み に対する耐性が高く. ( R y a na n d Foister 1 9 6 7 ) ,同 一作業強度に対す. る国際クラスのエリートランナーの R PE 。は大学レベルのランナーのそれより有意に低い. ( M o r g a na n dP o l l o c k1 9 7 7 ) ように,. トレ ーニンク。の質や量の相違がR PE 。に影響する.. 0歳前後までは年齢の増加!にしたがって RPE 。は低下する傾向にある 年齢との関係でも, 3 s a rO r1 9 7 7, 1 9 8 2, 1 9 8 6, がそれ以上の年齢では緩やかな増加に転じるようである ( S i d n e ya n dS h e p h a r d1 9 7 7 ). さらに心理的要因である人格構造,感情状態および作業に対する動機づけや嫌悪感 な. P E 。に影響する.例えば, M organ ( 1 9 7 3, 1 9 9 4 ) は,外向的な者の RPE 。は内向的な ども R 者のそれより低いと報告し, M organ a n dC o s t i l l( 1 9 7 2 ) は長時間の作業を前提に運動 強度を選択させて外向的な者は内向的な者より高強度の運動を好む傾向を 示した .不 安 。は低くなる傾向が示された ( M o r g a n1 9 8 1 ) .そ や神経症的な傾向の強い者でも, RPE の他,筋運動感覚を強く知覚しがちな者の R PE 。は弱く知覚しがちな者のそれより高いこ と ( R o b e r t s o n,e ta l .1 9 7 7 ) や,攻撃的,高い競争心,慢性的時間切迫感覚,短気 ,. PE 。は,これ らをわずかしか示 さ な いタイ プのそ 敵意などの心理的傾向の強いタイフ。 のR C a r v e r,e La l .1 9 7 6,Hassmen, e ta l .1 9 9 3 ). れより低いことも知られている ( RPEo ~ こ対する部分RPE の寄与率は,運動単位の動員 量 を操作することによ って 検討され てきた ( C a f a r e l li, e ta l . 1 9 7 7, Henriksson, e ta l . 1 9 7 2, Pandolf a n dN o b l e. ー. 1 7-.

(20) 1 9 7 3,R o b e r t s o n,e t al .1 9 7 9 a,S h e p h a r d,e ta l .1 9 9 2,S t a m f o r da n dN o b l e1 9 7 4, Y o u n g,e ta l .1 9 8 2 ) .その結果,運動単位の動員量にかかわらず中枢性要因は末梢性 要因以上に RPE。に対して寄与することがなく,その大きさは末梢性要因の 30~40切であ っ. た.しかし動員される運動単位が相対的に大きな運動では. 中枢性要因の寄与率は小さ. な運動におけるものより大きかった ( P a n d o l f,e ta l .1 9 7 5,S h e p h a r d,e ta l .1 9 9 2 ). これらの寄与率は運動強度によっても変動し, H o r s t m a n,e t al . 高強度に至るまでの運動では. 末梢性要因の寄与率が大きく. ( 1 9 7 9 b ) によれば,. 中枢性要因は非常に低い.. L aが蓄積しアシドーシスが生じると 運動強度が増大して作業筋に H. 作業筋の収縮は妨. げられて末梢性要因の寄与率はさらに上昇する.末梢の化学受容器はこれを感知し,換 気系応答を増大させてこれを緩衝するために中枢性要因の寄与率が増大するが,末梢性 要因を凌駕することはなく,末梢性要因の増幅器や調整器としての役割を果たすと考え られる.しかし,これまでの知見は陸上の運動におけるものであり な報告は認められていない.. ー. 1 8 -. 水泳ではこのよう.

(21) 第5 節. 設定R P E 値による運動強度の調節. 前節までの R P Eの研究は運動中の運動強度を運動後に評価する手法を用いていた. し かし, R P Eを実際の運動場面に適用するには,運動者自身の運動中の知覚に基づく運動 強度の調節が可能であるか否かが問題になる.この観点から,運動前に運動者にあらか じめ R P Eを提示しておき(以下. 設定R PE 値と略す). これを用いて運動強度の調節が可. 能であるかどうかが検討されてきた ( B i r ka n d Birk 1 9 8 7,B u r k ea n dC o l li n s1 9 8 4,. N o b l e1 9 8 2 ). 自転車工ルゴメータ一作業やトレッドミル走では 負荷試験におけるもの(漸増負荷法. RPEと生理的応答の関係は,運動. PE値によって運動強度を 無作為提示法)と設定R. 調節させたときのものとで,設定 R PE10より低い設定 R P E値を除き. ( S m u t o k, e t al .. 1 9 8 0 ) ,同等で、あった ( D u n b a r,e ta l .1 9 9 2,Eston,e ta l.1 9 8 7,Smutok,e ta l . イ直による運動強度の調節 1 9 8 0 ) . したがって実験室では,低強度の場合を除き設定RPE は可能で、あると考えられる. しかし,フィールドで実施される実際の運動場面では物理的運動量は変動する場合が 多い.この点を考慮して, C e c ia n dH a s s m e n( 1 9 9 1 )は. 実験室でのトレッドミル走と. P E値 ( 1 1,1 3, 1 5 ) による運動強度の調節が可能であるか フィールド走の両方で設定R を検討した.その結果,. トレッドミル走とフィールド走でともに設定 R PE値の増加にし. R,H L aが有意に増加し,一定期間 ( 35週間)経過した後でもこれら たがって速度, H. ー. 1 9 -.

(22) の関係は変化せず,信頼性も高かった.したがって設定 RPE値による運動強度の調節は フィールド運動でも可能で、あると考えられる.ただし,彼らの報告ではフィールド走で の速度, HR,HLaはトレッドミル走より有意に高かったので,実際の運動処方ではこの 点に注意する必要性が示唆された. 一方,水泳では,設定 RPE値による運動強度の調節に関する検討は報告されていない.. 2 0-.

(23) 第6 節. R P Eに及ぼすトレーニングの影響. 本節では R PEに及ぼすトレーニングの影響を検討する. トレー ニングはその種類 ,運動強度,運動時間の組み合わせによって内容が規定され, この内容と頻度. および継続期間によって効果が異なる. R PEに及ぼすトレーニングの. 影響を検討した報告を年代順に表 1-2に示した.これらの報告には持続トレーニングを O'bJaxを考慮して R PEに及ぼす持続トレーニン 用いたものが多いので,第一 に,被検者の V. グの影響を検討する.また. インターバルトレーニングの影響についても検討する.第. 二に , R P Eのトレーニング効果の種目特異性について検討する.. D o c k t o ra n dS h a r k y( 1 9 7 1 ) は,競技者でない大学生を対象に H Rが 1 8 0拍/分に到達す るまでのトレッドミル歩行による持続トレーニングを実施した.その結果,目標 H I <. ( 1 5 0,1 8 0拍/分)に至るまでの運動時間と運動強度は増大したが, RPEは変化しなか っ PEを比較したものではない. た.ただし,これは同一作業強度で R トレーニングの前後で同 一作業強度の R PEを比較した報告をみると. 野外走や自転車. 工ルゴメーター作業による持続トレーニングは,多くの場合 V OaJaxを増加させ,同 一作 業 強度における V O ,H R, H L a, RPEを 低 下 さ せ た ( E k b l o ma n d Goldbarg 1 9 7 1, Kilbom z. 1 9 71,宮下ら 1 9 7 7, P a t t o n,e t al .1 9 7 7, S k r i n a r,e t al .1 9 8 3 ) .RPEの低下は特 に,高い運動強度で顕著であった(宮下ら 1 9 7 7 ). 被検者の VO'bJaxを考慮すると,軽い l 瑞息,甲状)燥機能低下症,高血圧をもち VOaJaxの低い. 2 1・.

(24) 患者でも, V 02maxの高い軍人で、も,持続トレーニンク・は V 02maxを増加させ,同 一作業強度に. I RとRPEを低下させた ( Ki1 bom 1 9 7 1 ). おける I インターバルトレーニングについても,被検者の V O'dlaxの大小にかかわらず,. トレ ーニ. ングは V O'ataxを増加させ,同 一作業強度における V 02,H R,RPEを低下させた ( E k b l o m,c L. 9 7 5,Knuttgen, e ta l .1 9 7 3 ). a l .1 この他,足首にアンクルスパッツを装着して生活する非常に低いトレーニング負荷で も,同 一作業強度における RPEが低下した ( P a n d o l I, e t al .1 9 7 5 ). 以上のように持続トレーニングばかりでなくインターバルトレーニングや特殊トレー ニングにおいても,. トレーニングは V 02maxを増加させ,同 一作業強度における I lRやR PEを. 低下させている.. PEに及ぼすトレーニングの種目特異性については, Lewis, e L al . 第二の , R. ( 1 9 8 0 ). が,座業男性を腕エルゴメータ一作業による腕トレーニング群と自転車工ルゴメータ一 作業による脚トレーニング群の 二群に分けたところ, RPEはいずれの群でもトレーニン グした四肢においてのみ低下した. B urkhardt, e t al .. n ut t g e n,et a1 . た. K. ( 1 9 8 2 ) も同様の結果を報告し. ( 1 9 8 2 ) は,伸張性運動トレーニングが短縮性運動ではなくイq J. 張性運動で、の R PEを有意に低下させたと報告した.このように RPEに及ぼすトレーニング の効果には種目特異性が認められる. しかし,これらの報告は全て陸上の運動における ものであり,水泳についての報告はされていない.. ー. 2 2 -.

(25) 第7 節水泳におけるR P E. 水中では,被検者の生理的応答の測定が陸上の運動より困難で、 ある.そのためか水泳 中の RPEを検討した報告は少ない. 1 9 7 8 ) は,水泳中(自由型,平泳ぎ)の RPEがHRとの問に有意な直線 宮下と小野寺 (. 関係 ( r = 0 . 8 1 6 ) を示したと報告した.水泳の熟練者と未熟練者を対象にした涌井らの 1 9 8 7 ) でも,未熟練者の水中歩行を除いて,水泳と水中歩行中の } < P EはHRとの間 報告 (. o }l y n,et a1• に有意な直線関係を示した. K. ( 1 9 9 1 ) は,ベスト記録の 90怖の速度で. 2 0 0ヤード泳がせたところ女子選手の HRは男子選手より有意に高く, RPEは有意に低いこ. とを認めたが,泳速が一種類であったため, RPEとHRの問に有意な相関関係は生じてい ない ( r = 0 . 0 4 0 . 1 1 ) .以上のように水泳における RPEに関して若干の知見は認められ るが,いずれの報告でも RPEはHRとの関係だけで検討されており 囲も狭く,測定点も少ないという問題点が認められる.. 2 3 -. しかも運動強度の範.

(26) 第8 節本研究の目的. 以上の先行研究の検討により,本研究では,水泳における RPEの有用性を明らかにす るために,実験室的研究課題として次の 1 3の研究課題を設定し,実際の水泳指導を想 定した実践的研究課題として次の 4 6の研究課題を;設定した.. 1 . 第 1の 研 究 課 題 緒言で述べたように水泳指導のねらいの 一つに体力の改善が掲げられている.体力の 改善には至適な運動量の確保が必要で、あり,時間に制限のある水泳指導では運動強度の 把握が重要な課題となる.しかし. 水泳中の運動強度の指標として従来用いられてきた. 泳速) V Oz Rには妥当性,簡便性,経済性のいずれかに欠点があった.そこで簡便性, )H. PEの利用が考えられた.陸上の運動では 経済性に優れている R れているが,水泳では十分に検討されていない.呼吸の困難度. RPEの妥当性は確かめら 体位. 動量など,水泳は陸上の運動と異なる多くの運動特性をもつことから. 上肢と下肢の運. RPEも水泳と陸. 上の運動とで異なる可能性が考えられる. 水泳は学校体育では小学校から導入されるが. この時期の児童は発育. ある.このため運動に対する生理,心理的機序は成人と異なり. 発達の途上に. この点が R PEに反映さ. れる可能性がある. しかし,先行研究では対象の全てが成人であった. したがって,本 研究では,第 1の研究課題として,児童と成人を対象に水泳中の R PEを運動強度の全範囲 にわたって検討することにより,水泳における運動強度の指標としての R PEの妥当性を. 2 4 ・.

(27) 明らかにした.. 2 . 第 2の研究課題 近年,屋内プールが建設されるようになってはきたが,学校体育における水泳指導の 多くは屋外プールで実施されている.このため水泳指導の期間は水温や気温の関係から. 6 9月に限定されている.この期間中. 0. RPEは暑熱環境下で不変か上昇し. る.陸上の運動では されているように. プールの水温は 2 0 -3 2Cの範囲で大きく変動す 寒冷環境下で低下すると報告. R P Eは環境温の影響を受ける.水は空気の 1 0 0 0倍の比熱をもつので. 水温の変化は気温の変化に比べて体温調節に強く影響し. この影響は成人よりも体重当. たりの体表面積の広い児童の方が受け易いと考えられる.しかし. 水泳における水温の. 変化と R P Eの関係は明らかでない.以上の点を考慮して,第 2の研究課題として,児童を 対象に水泳中の R P Eに及ぼす水温の影響を検討した.. 3 . 第 3の研究課題 水泳中には心臓のきっさ,呼吸の苦しさ,腕や脚の痛みやき っさ等の身体局所の知覚 的応答(部分 R P E ) が 生 じ る . こ れ ら の 部 分 RPEが 適 度 に 重 み 付 け さ れ て 全 身 の R P E. ( R P E ) は統合されると考えられるが,それぞれの寄与率は明らかでない.水泳中の運 o 動強度を変化させて部分R P Eの寄与率を検討することは, RPE 。の決定要因を明らかにす るための基礎的知見を提供する.水泳指導に関連する応用的側面についても,感覚に依 存して水泳中の運動強度を調節する上で有用な知見を提供すると考えられる.また推進 力の多くを上肢の運動に依存する水泳において,腕と脚の生理的応答と知覚的応答の関. 2 5 -.

(28) 係を運動強度別に知ることは,負荷量の配分を考慮した水泳の運動プログラムを作成す る上で有用であろう. したがって. 第3 の研究課題では,体育専攻学生を対象に,水泳. 。に対する四つの部分RPEの寄与率を重回帰分析の方法を用いて検討した. 中の RPE. 4 . 第4の研究課題 水泳指導の現場では. 水泳中に泳者自身が運動強度を調節する必要がある.本課題で. は,運動強度を調節するための指標として RPEを利用することを考えた.陸上の運動で は,設定 RPE値 に よ る 運 動 強 度 の 調 節 は 可 能 で あ る と 報 告 さ れ て き た が 水 泳 で は 検 討 されていない.水泳は歩行. 走行. 自転車エルゴメータ一作業のような運動様式に比べ. てパフォーマンスに及ぼす技能の影響が大きく,上肢と下肢の運動量の配分. u乎吸の ~I. 難度,体位のとり方に技能差が大きい.このため RPEは泳者の技能水準に影響されると 考えられる.そこで第 4の研究課題として,水泳の技能水準の異なる泳者を対象に. 3 ご. 理的応答の定常状態が得られる時間泳を用いて設定 RPE値による運動強度の調節が可能 であるか否かを検討した.. 5 . 第 5の研究課題 陸上でのトレーニングにより同 一作業強度における RPEは低下するが,これは V O'alaxの 増加によるものとされている. しかし,水泳の特に技能水準の低い泳者では,水泳練習 の初期効果は特に技術的側面に顕著に現われるという水泳に特徴的な現象がある. 一方 , 設定 RPE値による運動強度の調節を反復すると,体力や技能の改善に拠らない,単なる 練習効果が設定RPE値による運動強度の調節に認められる可能性もある. したがって. 2 6 -.

(29) 第5 の研究課題として,水泳の技能水準の低い泳者を対象に,設定R P E 値による運動強度. P E値による運動強度の調節の反復効果を検討 の調節に及ぼす水泳練習の効果と,設定R した.. 6 . 第6の研究課題 水泳指導は持続的水泳運動ばかりでなく間欠的水泳運動によって構成されることも多 い.間欠的水泳運動では生理的応答の定常状態が得られにくく 能性がある.また学校体育における水泳指導では. l < P Eも判断しにくい可. 泳者の技能水準はさまざまである.. P Eについて検討した しかし,運動の質や泳者の技能水準を考慮して水泳指導における R 報告は認められない . したがって. 第 6の研究課題として. 大学体育専攻学生の水泳指導を対象に. 技能水準の異なる小学生と. 間欠的水泳連動における R P EとH Rの対応につい. て検討した.. 27-. ー.

(30) 第2 章. 水泳中の R P Eの妥当性に関連する基礎的要因. 本章では,実験室的研究として,水泳における運動強度の指標としての R P Eの妥 当性 と関連する研究課題を検討する.. 28-.

(31) 第1 節. 水泳における運動強度の指標としての R P Eの妥当性. 本節では,水泳における運動強度の指標としての H PEの妥当性を I I Hとの比較を通して 検討する.. 1 . 研究方法 1 ) 被検者. 名(以下 被検者は健康な男子児童 6. 男子児童群と略す). 男子体育専攻学生 6 名(以. 下,男子体育専攻学生群と略す)および女子体育専攻学生9名(以下. 女子体育専攻学. 生群と略す)の三群とした.男子児童群はエージグループの水泳選手として平均的な能 力の水準にあり, 1 回1 -1 .5 時間の水泳練習を週に 1 ---.~ 2 回. 4~6 年間実施していた.男. 女の体育専攻学生群は,全て大学の体育専門実技の水泳指導を受講していた. したがっ て,全ての被検者が,本節で使用した牽引水泳用水槽において,重量の異なる錘を牽引 しながら 一定位置で泳ぐことができた.表 2 1に男子児童群の年齢,身長,体重, V o加 および水泳記録を示し,表 2 2に男子体育専攻学生群,表 23に女子体育専攻学生群のも のを示した.. 2 ) 実験手 ) 1買. o c. 運動負荷装置として水温を 3 0~ 3 2 に設定した牽引水泳用水槽(丸島製作所,. S K P 1 2 0 0 0 ) を用い,泳法は平泳ぎとした.実験プロトコールとして間欠的多段階負荷 法を採用した.水中における安静時の測定は,第 1 胸椎までの水中浸漬位で、 3 5分間実施. 2 9 -.

(32) した.男子児童と女子体育専攻学生の水泳では,負荷量(錘) は1.Okgから始めて1.Okg ずつ増していき,男子体育専攻学生の水泳で は , 1 .5kgから始めて1.5kgずつ増加した. 各負荷量で 5分間泳がせ,各試行間には HRがほぼ安静状態に戻るまで休息、をはさんだ. 分間泳げなくても 2 分 間以上 泳げ,なおかつ V 02のレベルオフが 最大負荷量は ,被検者が5 確認できた場合とした.. 3 ) 測定項目と測定方法 被検者は頭部にベルトで固定されたシュノーケルタイプの採気装置を通して l 呼吸し, と O 1 1 手気をダグラスバッグに採集した. O の 濃 度 は 呼 気 ガ ス 用 質量 分析 計 ( Pe rk i n 2 C 2. E l m e rMGA1100) で分析し. V S-15AT ) で測定 し Eは乾式ガスメータ ー(品川 製 作 所 , D. O 02のレベルオフを確認した .I mは胸部双極誘導法による心電災 │ た. V a t a xの決定には ,V から求め,安静時では安静終了前 5分間の R波を. 運動時では運動終了前 30秒 間 の R波を. 数えて,それぞれ 1 分間値に換算した. RPEは , Borgの尺度 ( 1 9 7 0 ) に基づく小野寺と宮下の日本語表示 ( 1 9 7 6 ) をあ らかじ. め被検者に十分理解させておき,各試行の終了直後に尺度を被検者に直接見せて該当す る数字を答えさせた.. 4 ) 統計処理 各被検者の 2 0,40,6 0, 8 0, 100%VOâtax~ こ相当する HR と RPE は次のように求めた.各被. 検者の HR と RPE を従属変数に O~ V 02 . ma xを独立変数にとり,上記のい' 02ma xをはさむ 2点を用いて 各被検者の一次関数を求めた.次に,上記の%V Oa t a xをこの 一次関数に代入して各被検者. 3 0 -. ー.

(33) のH RとR P Eを算出した.このようにして得られた全被検者の I I RとR P Eを用いて. % V O' a I a J . と. の直線回帰式を最小 2乗法により求めた .被検者と運動強度の違いによる有意差の検定 には,繰り返しのある 2要因の分散分析を用い,有意水準は危険率日未満とした.. 2 . 実験結果 1 )V OzとH Rの関係. 1に男子児童群 図2. 図22に男子体育専攻学生群,図 23に女子体育専攻学生群にお. の増加とともに H OzとH Rの関係を示した.全被検者で、 V Oz Rは直線的に増 ける各被検者の V 加し,高い個人内相関が認められた(男子児童群:r = O .9 6 2 0 .9 9 6,男子体育専攻学生 群:r = O .9 5 7 0 .9 9 7 女子体育専攻学生群:r =O .9 6 50 .9 9 9 ). とH 図2 4に各群の V Oz Rの関係を示した.各群とも V OzとH Rの間には高い相関係数(男 子. = 0 . 9 4 8 男子体育専攻学生群:r = 0 . 9 1 5 女子体育専攻学生群:r = 0 . 9 0 5 )を 児童群: r もっ直線関係が認められた.任意の V Oz に対する H Rは男 子児童群,女子体育専攻学生群, 男子体育専攻学生群の順で高い傾向が認められたが. 有意差は認められなかった.また. 被検者と運動強度の交互作用は有意でなかった.各群の H R( y ) とV Oz( x ) の聞に次の直 線回帰式が得られた.. 5 8 . 9 x +7 0 .2. 男子児童群:. y二. 男子体育専攻学生群:. y =3 8 . 9x 十 5 6 . 8. 女子体育専攻学生群:. y =5 5 . 0x. 2 ) 明V OaJaxとH Rの関係. 31-. +63.8.

(34) 図25に男子児童群,図 2 6に男子 体 育 専 攻 学 生 群 , 図 2 -7に女子 体 育 専 攻 学 生 群 に お ・. % V O' a t a : J .と I lR の関係でも, V 02とH Rの 関 係 と 同. ける各被検者の%V O' a JaxとH Rの関係を示した 様の結果が得られた.. 図 2-8 に各群の O~VO'àta:J.と HR の関係を示した.各群とも% V O ' a Ja : J .とH Rの 間 に は 高 い 相 関 係 数 (男子児童群: r =O .9 5 5, 男 子 体 育 専 攻 学 生 群 : r =O .9 6 0, 女 子 体 育 専 攻 学 生 群 :. r = 0 . 9 6 1 ) をもっ直線関係が認められた.任意の加 V O' a t a : J .に対する H l <は,最大下作業では男 子児童群,女子体育専攻学生群;男子体育専攻学生群の順で高い傾向が認められたが, 最大作業では全ての群でほぼ等しかった. また被検者と運動強度の交互作 用 は 有意で、な かった.各群の H R( y )と 切V O'bJax. ( X ) の聞に以下の直線回帰式が得られた.. ハv p o. li--. 06qU1. ハ hU F h υ. υ に. xxx. +十十. 11ム 噌. ー. hd. 戸. よ. 女子体育専攻学生群:. つムquqU. 男子体育専攻学生群:. 一一一一一一. vdVdvd. 男子児童群:. 3 )V OzとR P Eの関係 図2 9に男子児童群. 図 21 0に男子体育専攻学生群. おける各被検者の V 02とR P Eの関係を示した.. 図2 1 1に女子体育専攻学生群に. v Oz の増加に対する R P Eは , 多 く の 被 検 者 で. = O .9 4 3 ' " ' 0 .9 9 7 男 子 体 育 専 攻 学 生 群 :r = 0 . 9 5 3 ほぼ直線的に増加した(男子児童群:r = O .9 4 2' " ' 0 .9 8 9 ) が,男子児童群の 3名(被検者 4,5, ' " ' 0 . 9 9 6,女子体育専攻学生群:r. 6 ) では, R P Eは変換点をもち,変換点に至るまでは緩やかな傾きで直為抽句に増加したが, 変換点以上では急激に増加した.. 3 2 -.

(35) 図2 -1 2に各群の V OzとR P Eの関係を示した.男女の体育専攻学生群では,. の増加に対 V Oz. P Eはほぼ直る粕句に増大した(男子体育専攻学生群:r=0.924,女子体育専攻学生 群 : して R r =0 . 8 8 7 ) . 男 女 の 体 育 専 攻 学 生 群に 比 べると直線性は若干低いが,男子児童群で もほ に対する R ぼ直線に増大した ( r = 0 . 8 6 9 ) .任意の V Oz P Eは男子体育専攻学生群で巌も低か っ たが,有意差は認められなかった.また被検者と運動強度の交互作用は有意で、 なか った.. x ) の聞には次の直線回帰式が得られた. P E( y ) とV Oz( 各群の R 男子児童群:. y =6 .0 x 十 4.3. 男子体育専攻学生群:. y =3 .9 x. 女子体育専攻学生群:. y =5 .5 x 十 5.8. +5.3. 4 ) 切V 02maxとR P Eの関係 図2-13に男子児童群. 図2・1 4に男子体育専攻学生群. 図21 5に女子体育専攻学生群に. おける各被検者の切 V OaJu とR P Eの 関 係 を 示 し た %v 02maxとR P Eの関係でも,. v OzとR P Eの 関 係. と同様の結果が得られた. ヌ1 2 1 6に各群の加 V o 加と. R P Eの関係を示した.男女の体育専攻学生群では,切 V OaJu の 増. 加に対する R P Eはほぼ直線的に増大した(男子体育専攻学生群:r=0.954 女子体育専攻 学生群:r=0.923) .男女の体育専攻学生群に比べると直線性は若干低いが,男子児童. V 0 群でもほぼ直線に増大した ( r = 0 . 8 9 1 ) .任意の % 2 mu に対する. R P Eには各群聞で有意な. 差は認められなかった.また被検者と運動強度の交互作用は有意でなかった.各群の. R P E( y )と 判V 02max ( x ) の間に次の直線回帰式が得られた.. べ qυ. 、 ηu.

(36) 男子児童群:. y= O .1 3x +3 .7. 男子体育専攻学生群:. y= O .1 3x 十 4 . 8. 女子体育専攻学生群:. y=. O .1 3x +5 .1. 3 . 考察 1 ) 運動強度の指標としての H Rの妥当性 や切 V Rは,V Oz Oalax との聞に密接な直線関係を示し,先行研究と 一 全ての群で水泳中の H. H o l m e r1 9 7 4,H o l m e r,e ta l .1 9 7 4,石原と宮下 1 9 8 2,黒川ら 1 9 8 4,黒川と 致した (. 9 8 6, M c A r d1 e,et a1 . 1 9 7 1 ) .このように水泳中の HRはエネルギ一代謝を正確 上回 1 に反映し,運動強度の指標として妥当であると考えられる.しかし 測定には 1 3 0拍/分以上で測定誤差が増すこと(山地ら 1 9 8 4 )や. Rの 触診法による H 測定中は運動の継続. が不可能であるなどの欠点がある.. OalaxとH Rの直線回帰式では,傾きが全ての群でほぼ等しく また%V. 切片が男子体育専. ) 買で低い傾向が認められた. Sady, et 攻学生群,女子体育専攻学生群,男子児童群の 1. al . ( 1 9 8 3 ) は,児童と成人のトレッドミル走で本節と同様の結果を得ている.この理 由として,安静時四は男子児童群で、男女の体育専攻学生群より高く,体重当たりの V Oa, a x は男子児童群,男子体育専攻学生群,女子体育専攻学生群の順で、高かったことが考えら れる. 2 ) 運動強度の指標としての RPEの妥当性 02や %V Oalaxの増加に対しでほぼ直線的に増大し,男 男女の体育専攻学生群で、は, RPEはV. 3 4 -. ー.

(37) 女の体育専攻学生群より直線性は若干低いが,男 子児童群でもほぼ直線的に増大した . これらの傾向を 個々の事例の寄与という点からみると, RPEが変換点をともな って増 加 する 3名の男子児童に より男女の体育専攻学生群と男子児童群に多少の結果の違いが現 われたと考えられる. このように V 0 O:1naxの増加に対して RPEが変換点をともなう増加パタ ーンを示したこ や%V 2 とには,次の 三つの要因が作用したと考えられる.第一 は,被検者の筋線維組成である. 本節の男子児童群の年齢 (10~12 歳)は筋線維組成や筋代謝に関して成人への移行期に. あり ( E ri k s s o n, 1 9 7 2 ). 最大下作業における H L aや酸素負債量が成人より低い. した. H L aの上昇に ともなう作業筋での痛みやき っ. がって,これらの年齢の男子児童群では. さの感覚が,成人より相対的に高い運動強度で急激に発現する可能性がある.この解釈 の妥当性は,児童の無酸素性作業関値 ( A T ) が成人の値より高いとする At o mi ,eta1.. ( 19 8 6 ) ( 7 1% V 02max) ,G ai s a1a n d Buchberger ( 1 9 8 0 ) ( 8 4 % Y 02lJaJ,泉と石河 ( 1 9 8 4 ) ( 7 3 % V O 加)および田中ら ( 1 9 8 1 ) ( 9 0 % V 02lJax) の完験結果によって支持される.さらに,. A T時の RPEが1 3 . 6であったとする P u r v i sa n d Cureton ( 1 9 8 1 ) の結果を基に本節の男子 児童群の A Tを RPEか ら 逆 算 し て み る と 87%V o2lJax と な り , こ れ は RPEの 変 換 点 の 値 ( 7 8 .8 %v o2maJ と近似する. 変換点をともなう増加パターンに影響した第二の要因として, カテゴリー尺度の理解. i y a s h it a,e ta l . ( 1 9 8 5 ) は,陸上の運動時の RPEとH Rの関係から 力が考えられる. M カテゴリー尺度を理解できる年齢の関値を 9歳と報告している. この閥値年齢に近い本. ー. 3 5 -.

(38) 節の男子児童群にとってカテゴ リー尺度を区分している「数字」が感覚的にも等間隔に 区分されているのを理解するの は容易でなかった かもしれない.そして 日本語表示を判 断基準に RPEが「楽である Jか「非常にきつい Jに分布しがちであったとすれば,この ことも変換点を ともなう増加パターンをもた らす原因となる. 変換点をともなう増加パターンに影響した第三の要因として, RPE尺 度 作 成 上 の 問 題 が考えられる. RPE尺度は RPEとHR 物理的運動強度との聞に 直線関 係を得る意図で作成 された (Borg 1962, 1970) .じたがって,原理的には, v02や切V02r.u.の増加に対して RPE は直線的に増加するはずである. しかし,運動中の知覚を 表現する 言 語 を等間隔に配列 しているカテゴリー尺度である RPE尺度は,運動強度の全範囲にわたる知覚,特に高い 運動強度の知覚を必ずしも正確に定量化していない可能性がある(I3org 1982 ) .この 可能性は, RPEがHLaの 上 昇 に と も な う ア シ ド ーシス の 影 響 を 強 く 受 け る と い う報告 ( K a yand Shephard 1969,Pandolf 1978, Stamford and Noble 1 9 7 4 ) から推測される.. この場合, V02や首 V02mu.の増加に対して RPEはカテゴリー尺度の意図通りに直線的に増大 するのではなく,より高い運動強度でのアシドーシスに強く影響され急激に増大する可 能性がある. このように本節の 3名の男子児童において RPEが変換点をともなう増加パターンを示し たことには,被検者の年齢が低いことに由来する未発達な筋線維組成や筋代謝,カテゴ リー尺度の理解力不足,さらに RPE尺度の問題などの要因が単独ないしは複合して作用 した可能性が考えられる.. 舗. 3 6 ・.

(39) とRPE 以上のように, RPEが変換点をともなう増加パターンを示した男子児童でも, V Oz の相関係数が r = O .8 1 6 ' " ' " 'O .938であり,残りの男子児童と男女の体育専攻学生群における. V OzとRPEの相関係数は r=O.9 4 2 ' " ' " ' 0 .997であったことから, RPEは運動強度の指標として妥 とHRのもの ( 当であると考えられる.ただし,この相関係数は V Oz r0 . 9 5 7 ' " ' " ' 0 . 9 9 9 ) より 二. 若干低いので, RPEの精度は H Rより若干低くなる.. 4 . 第1 節の小括 本節では,男子児童群と男女の体育専攻学生群を対象に,運動強度の指標としての R P Eの妥当性を HRとの比較を通して検討した.その結果,全ての群で、 V O zとHRの聞には密. 接な直線関係が認められた(男子児童群. rO .9 6 2 ' " ' " 'O .996 男 子 体 育 専 攻 学 生 群 : 二. r = O .9 5 7' " ' " ' 0 .997,女子体育専攻学生群:r = O .9 6 5 ' " ' " 'O .9 9 9 ). .加 V Oatu とHRの関係でも同様. であった.したがって,水泳における運動強度の指標として. HRは妥当であると考え ら. れる. 男女の体育専攻学生群では, RPEはV Oz の増加に対しでほぼ直線的に増大した(男子体 育専攻学生群 :r = O .953' " ' " ' 0 .996,女子体育専攻学生群:r = O .9 4 2 ' " ' " ' 0 .9 8 9 ) .男女の体育 専攻学生群に比べると直線性は若干低いが,男子児童群でもほぼ直線に増大した. 首V O' 2 x J a J . と RPEの関係でも同様であった.これらの傾向を個々の事例の寄与という点からみ. ると, RPEが変換点をともなって増加する 3名の男子児童により男女の体育専攻学生群と 男子児童群に多少の結果の違いが現われたと考えられる .RPEが変換点をともなって増 加する例外を示した男子児童では年齢が低いことによる未発達な筋線維組成や筋代謝,. 3 7 -.

(40) カテゴリー尺度の理解力不足,. さらに RPE尺度の問題などの要因が単独ないしは複合し. て作用した可能性が考えられる. しかし, V 02や %V 02 Jこ対する RPEの直線性は HRのもの l la より若干低いだけなので ,RPEの精度は HRのそれより若干低くなるが,運動強度の指標 としては妥当であると考えられる.. 3 8 -.

(41) 第2 節. 児童の異なる水温下での水泳における RPE. 本節では,水泳中の RPEに及ぼす水温の影響を HRとの比較を通して検討した.. 1 . 研究方法 1 ) 被検者 0 1 2歳の健康な男子児童 5名とした.彼らはエージグループ。 の選手として 被検者は 1 -1 .5時間の水泳練習を週に 1 -2回 , 4 6年間続けて 平均 的な能力の水準にあり, 1回 1. きたので水泳運動に習熟していた.ただし,日常の水泳練習は 2 9C前後の室内 j 制くプー 0. ルで行われていたので寒冷刺激には馴化していなかった.表 24に彼らの年齢,身長, 句. 体重,身体組成およびV 02maxを示した.. 2 ) 実験手順 第1 節と同じ実験手順を用いた.ただし. ここでは水温3 2o C,2 5o C,2 0Cの 三条件を 0. 5Cの自転車エルゴメータ一作業による実験も実施した. 与え,水泳との比較のため気温2 0. 3 ) 測定項目と測定方法 第1 節と同じ測定項目と測定方法を用いた.ただし. 第1 節の項目に加えて,被検者の. 体脂肪率と除脂肪体重を上腕背部と肩甲骨下部の皮下脂肪厚より算出した(長嶺ら, 1 9 7 4 ).. 測定項目と測定方法は自転車エルゴメータ一作業における実験でも問機であった.. ム. 転車エルゴメーター作業では,ベダリング回転数は 6 0回転/分とし, 0.5kpmから始めて. 3 9・.

(42) 0.5kpmずつ負荷量を増大した.そして被検者が5分間ペダリング回転数を維持できなく. のレベルオフが確認できた場合にはその負荷量 を ても 2分間以上維持でき,なおかつ V Oz 最大負荷量とした.. 4 ) 統計処理 各被検者の 20,40,60,80, 100%VO~u に相当する IIR と RPE は第 1 節と同様に求めた.そ して得られた各温度条件下における全被検者の HRとRPEを用いて,明 V 02Jlu ~こ対する直線回 帰式を最小 2乗法により求めた.、各温度条件間の有意差検定は 1 要因の分散分析を用い, 有意水準は危険率日未満とした.. 2 . 実験結果 1 ) 切V 02maxとHRの関係 図 2-17~こ切 VO âJ u と HR の関係を示した.いずれの温度条件下でも両変数聞には密接な「直. 線関係が認められたが,任意の切 V0 2m u に対する HR~ ま自転車エルゴメータ一作業,水温32. o c,水温25℃,水温20Cの順で高かった.自転車エルゴメータ一作業と水温32Cの11 < は 0. 0. 水i 1 i ! 2o oC や水 i~50C のそれよりそれぞれ 15-----31 拍/分および10-----26 拍/分高く,特に 40----80%V 02maxで、は有意に高かった.. 各温度条件下における HR ( y ) とれ' 02max ( x ) の問には次の直線回帰式が得られた.. 水泳: 20C. y= 1 .3x. +46.3. ( r = 0 . 9 9 7 ). 25C. y =1 .3x 十 4 8 .1. ( r = 0 . 9 9 8 ). 0. 0. 4 0 -.

(43) 3 2C 0. ( r = 0. 99 5 ). y=1 .3x十 6 5 . 3. 自転車エルゴメータ一作業:. 2 5C 0. ( r = 0 . 9 9 7 ). y=1 .2x十 7 4 . 0. P Eの関係 2 ) %VOaJaxとR 図2 1 8に%VOaJax とR P Eの関係を示した.いずれの温度条件下でも,切 VO'aJaxの増加に対し 0. P Eは瓦線に近い指数関数的増大を示した.また最大下作業における水 j 昆2 5CのR P Eは , てR ' :1 .9 低かヮたが,有意差は認められなかった. 他の三つの温度条件下より1.2. P E (y) 各温度条件下における R. と O~ V OaJax ( x ) の聞には次の直線回帰式が得られた.. 水泳: ハ hU. ヴ/つム. ﹁ ハU 1 i ヘ. 一一十. XXX. υρhu. lよ. i. ウ. n/. 斗. い︼. A. 1 1ム. 0. 1lム 司. 3 2C. 060dA. 0. ハ U ハ U 一一一一一一. 2 5C. ハU. 0. vdvdvd. 2 0C. ( r = 0 . 9 8 4 ) ( r = 0 . 9 3 8 ) ( r = 0 . 9 6 4 ). 自転車工ルゴメータ一作業:. 2 5C 0. y=O .1 5x十 2 . 5 3. ( r = O .9 7 4 ). 3 )H RとR P Eの関係. 1 9にH l <とR P Eの関係を示した.図中には, H Rを 1 0分の lにして R P Eとの関係が等価 図2 となる値(以下,等価線と略す)も示した.いずれの温度条件下でも, H f <の増加に対し てR P Eはほぼ直線的に増大した.任意の H Rに対する R P Eは 水 j 昆2 0Cで他の 三つの温度条 0. P E 件下より高かったが,有意で、はなかった. また全ての温度条件下で最大下作業中の R. 4 1 -.

(44) は等価線よ り低か ったが,最大作業では同等で、 あ った. 4 ) %V 02maxとR PE/HRの関係 0. 切V o PE/HRの関係を示した. RPE/HR'ま,右上がりに増加した水 i l & 20Cを 図2-20に x とR 2 ma 0. 除 い て %V02maxの 増 加 に 対 し て 極 小 値 の 両 側 に ゆ る や か な 増 大 を 示 し た . 水 温20Cの RPE/HRは最大作業を除いて他の 三 つの温度条件下より高かったが,有意ではなかった.. 3 . 考察 1 ) HRに及ぼす温度条件の影響 本 節 の 男 子 児 童 の 皮 下 脂 肪 厚 は 同 年 齢 の 標 準 値 ( 東 京 都 立 大 学 身 体 適 性 学 研 究室 1 9 8 0:上腕背部 11 .1mm 肩 甲 骨 下 8 .7mm) より 若 干低 か っ た が 特 別 に 痩 せ た り 肥 満 し. た被検者は認められなかった. したがって,本節の被検者に対する水温の影響は日本の 平均的な児童が受ける影響と比べて大差ないと考えられる.. o Rの 聞 に は 密 接 な 直 線 関 係 が 認 め ら れ , 先 行 研 究 い ず れ の 温 度 条 件 下 で も %v xとH 2 ma ( H o l m e r 1974,Holmer,e ta l . 1974,石原と宮下 1982,黒川ら 1984,黒川と上 1 9 8 6,McArdle,e ta l . 1971,涌井ら 1 9 8 7 ) と一致した.任意の判 v o2maxに対する HR'ま. 転車工ルゴメータ一作業より水泳で、低かった.水泳では自転車エルゴメータ一作業と異 なり,陰圧 i 呼吸,水平姿勢および水圧により末梢血管への血液貯留が減少し,中心血液 量が増大する ( S h i1 1i n g, et al . 1976) . ま た 身 体 と 外 部 環 境 と の 間 で 熱 交 換 の な い 中性温以下では,水の高い熱伝導率により,皮膚血管がi 灰縮して皮膚血流量が減少する. ( H o n g,e ta l .1 9 6 9 ) .さらに神経性の要因として潜水性徐脈の影響も加わり心臓の. 4 2 ・.

(45) 口│拍出量 ( S V ) が増大する ( S c h o l a n d e r1 9 6 1 / 1 9 6 2 ) .これらの要因が複合して,任. 02max~こ対する HR を水泳で低下させたものと考えられる. 意の明 V 水温の景完警については, H o l m e r( 1 9 7 4 ) ,H o l m e ra n dB e r g h( 1 9 7 4 ) ,黒 ) 1 1( 1 9 8 8 ), 黒川と上田 ( 1 9 8 6 ) ,M c A r d l e,e t al .. (1976) ,ト~adel , e t al .. ( 1 9 7 4 ) の研究と同. 様 , 3 2Cから 2 5Cへの水温の低下により H Rが顕著に減少したことから,この水温低下は 0. 0. 0. 5Cから 2 0Cへの水温の低 皮膚血流量をさらに減少させたものと考えられる. しかし, 2 0. 下は H Rをほとんど変化させなかうたことから,この水温間では循環器系の生理的応答に ついて顕著な違いがなかったものと考えられる.. 2 )R P Eに及ぼす温度条件の影響 最大下作業における R P Eは水 i . f f i i Z5Cで最も低くなる傾向を示した. したがって,同 一 0. 作業強度の水泳を実施した場合,水温が2 5Cより高くなっても低くなっても水泳中の苦 0. しきの感じはよりきっくなることがわかる. 松井ら ( 1 9 9 0 ) は,平均体脂肪率が 1 2 . 2怖の成人を対象に,水温27Cと水温 2 0Cの 一 0. 0. 条件下で、 600~ V O'dlaxの水泳を実施した.その結果,水温2 7Cで直腸温が上昇し,水温20C 0. 0. では逆に低下した.本節の児童は体重当たりの体表面積 ( 337.69+6.79cm2/ k g ) が彼 ら 2. の被検者 ( 2 6 7 .9 0+8 .9 4 c m/ k g ) より 2 6明広く,水温の影響を受け易い. しかも,水温 0. 3 2 3 6Cで、安静時の V 02が最小値を示すこと ( C r a i ga n dD v o r a k1 9 6 6 ) や本節の児童の 1 5 . 8引が彼らの被検者より 3 . 6崎高いことから判断すると,水温 3 2Cの 水 泳 体脂肪率 ( 0. 0 %V O'dlax以下の運動強度でも深部体温が上昇すると予測できる. S k i n n e r,e ta l . で 、 は6. 4 3 -.

(46) ( l973a) は,高温暴露で のRPEが「暑さ」のために高かったと報告している.このよ う にぷ温32Cにおける 水泳中の RPEは深部体温の上昇により「暑さ」が余分に 加わ ったた 0. 昆25Cより高くなったと考えられる. めに水 j 0. 方,水温20Cでは,水温25Cと比較して「寒さ Jによる筋緊張や震えが引き起こさ 0. 0. ta l . 1974) .HLaの増加は作業筋の疲労 れ , HLaが増加する(松井ら 1990,Nadel,e. 感を高く評価させるため, RPE/HRが高くな ったと考 えられる. 以上のように,水温条件の変化に対して RPEはHRと異なる応答を 示 した.水温の低 は任意の判V O'2xJaxに対する HRを減少させるが, SVの増大による補償効果のために心拍出 亘. ( Q ) は全ての水温条件下でほぼ一定である(黒)11 1984, McArd1 e, et a1 . 1 9 7 6 ) . また交感神経や副交感神経のブロックにより HRを操作しでも,これに依存した RPEの 変 動が認められない (Davies and Sargeant 1979,Ekblom and Goldbarg 1971) ことなど から判断して, RPEは循環器系負担よりエネルギ一代謝や体温調節などの影響をより顕 著に反映すると考えられる.. 4 . 第 2節の小括 本節では, 10"-12歳の男子児童 5名を対象に,水泳中の RPEに及ぼす水温の影響を HRと の比較を通して検討した.全ての温度条件下において%V O'aJaxとHRの聞には極めて高い相 r = O .995"-O .9 9 8 ) が,任意の切V O'aJaxに対する HRは 関係数を持つ直線関係が認められた (. 転車エルゴメーター作業より水泳で、低かった. 鳴V O'2xJaxの増加に対して直線に近い指数関数的増大を示した.そして 60" 一方 , RPEは. 4 4・.

(47) 8 0 % V o 加の運動強度で、は,水温2 5CのR P Eが他の 三つの温度条件下より1.2 " -1 .9 低い傾向 0. にあり,主観的に「楽な」ことが示された.. 4 5 -.

(48) 第 3節. 水泳における全身の RPEに対する部分RPEの寄与率. ) に対する四つの部分 R 本節では,水泳における全身の R PE ( R P E PE (心臓のきっき: o. R P E PER,腕の痛みやきっき:RPEar ,脚の痛みやきっき:RPE1eg) の寄 Cl日乎吸の苦しき :R l 1. 与率を検討した.. 1 . 研究方法 1 ) 被検者 被検者は種々のスポーツ種目を専門とする健康な女子体育専攻学生 1 0名とした.この. うち 2名(被検者 2と3 ) は大学の水泳部に所属する熟練者であった.全ての被検者は大 学の体育専門実技の水泳指導を受講していたため. 本節で使用した牽引水泳用水槽にお. いて,重量の異なる錘を牽引しながら 一定位置で泳ぐことができた.表 2-5に女子体育 専攻学生の年齢,身長,体重. V OZaxおよび水泳記録を示した. l 1. 2 ) 実験手順 第1 節と同じ実験手 } I 買を用いた.. 3 ) 測定項目と測定方法 第1節と同じ測定項目と測定方法を用いた.ただし,ここでは水泳直後に指先から血. 液サンプルを採集し, H L aを測定した ( Y S Im o d e l2 3 L ) .同時に, RPE 尺度を直接見せ. P E (心臓のきっさ:R P Ec' 呼 吸 の 苦 し き :RPER, 腕 の 痛 み や き っ き : て,四つの部分R R P Ear圃,脚の痛みやきっき :R P E1eg) と全身の RPE ( R P E ) を答えさせた. o. 4 6 -.

(49) 4 ) 統計処理 統計処理には重回帰分析を用いた.重回帰分析における標準偏回帰係数の絶対値は従 属変数に対する 独 立 変 数 の 相 対 的 な 重 要 度 と み な す こ と が で き る. ( S ne d ec or a n d. C o c h r a n1989) ことから, RPE。を従属変数に,四つの部分RPEを独立変数において 重 回 帰分析を実施し,得られた四つの部分 RPEの標準偏回帰係数の絶対値を RPE 。に対する相 対的な寄与率として解釈した. 重回帰分析を実施するための前段階として,任意の切 V 02mu における各被検者の生理的 応答 ( l IR,VE, f,VT, HLa) と知覚的応答 (RPEo' RPEc' RPER, RPEarll,RPE1e) を以下の 手1 ) 頃で算出した.. 最初に% v 0 2 mu を 独 立 変 数 に 各 被 検 者 の 粗 値 を プ ロ ッ ト し. R. 二. 各被検者の増大関数. a 十 c (S -b). を算出した.. o r g(196 , 1 1 9 6 2 ) によって提案され,運動強度 ( S ) とその応答 ( R ) この増大関数は B の関係を記述するものである.増大関数の cは測定定数. nは指数を示す.定数aはy刺l に. おける増大関数の開始点で基本的なノイズ定数あるいは生理的安静値を示し, bはx事 1 1に おける増大関数の開始点を示す. 次に,各被検者の増大関数を用いて 20%VOaJu から 20%VOaJu毎の生理的応答と知覚的応答 の値を算出した.重回帰分析はこれらの値を用いて実施し,図表は平均値を用いて作成 した.. 4 7 -.

図 2 ・ 5 に男子児童群,図 2 ‑ 6 に男子 体 育 専 攻 学 生 群 , 図 2 ‑ 7 に女子 体 育 専 攻 学 生 群 に お ける各被検者の% V O ' aJ a x と H R の関係を示した % V O ' a t a : J .と I l R の関係でも, V 0 2 と H R の 関 係 と 同 様の結果が得られた
図 2 ‑ 2 1 に% VO'àJax と HR の関係,図 2-22 に %VO'àJax と V E の関係,図 2-23~こ %VOゐu と IILa の関係を 示した % V 0 2 m ax の増加に対して H R は直線的に増大し, V E と H L a は指数関数的に増大した.
表 1 ‑ 1 ‑ ‑ ‑ ‑ 表 3 ‑ 9 ( p p .   9 9 ‑ ‑ ‑ ‑ 1 2 1 )   図 1 ‑ 1 ‑ ‑ ‑ ‑ 図 3‑21 ( p p .  1 2 2 ‑ ‑ ‑ ‑ 1 6 8 ) 
表 1 ‑ 1 R a t i n g s  o f   P e r c e i v e d   E x e r t i o n   ( R P E )   : 主 観 的 運動強度.英語表不は B o r g の原法, 日本語表不は 小野寺と 宮下 の日本語訳による
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