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18
* 2012.12.24 受付
** (株)アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド 基本設計部 〒108-0022 東京都港区海岸 3-22-23 TEL: (03)3454-7123 FAX: (03)3454-7116 E-mail: [email protected]
超大型原油タンカー(VLCC)の紹介
*Introduction of Very Large Crude-oil Carrier
高 平 智 明
**TAKAHIRA Tomoaki
Abstract This introduction contains the history of building very large crude-oil carrier (VLCC) at IHI Marine United Inc. (IHIMU), the outline of present VLCC “Idemitsumaru” and environmentally friendly ship of “eFuture 310T” developed by IHIMU. The “eFuture 310T” was developed so that 30% reduction of GHG is attained by integrating the technology of IHIMU such as advanced contra rotating propeller, tip raked propeller, rudder bulb and semicircular duct, waste heat recovery system, whaleback bow and air resistance reducing vane.
Keywords: IDEMITSUMARU, VLCC, Contra rotating propeller (CRP), eFuture, Economic Vessel 1. 超大型原油タンカーの歴史[1] 株式会社アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッ ド(IHIMU、IHI 船舶海洋事業が分社化し SHI 艦 艇事業と統合し 2002 年設立)は常に原油タンカ ーの大型化の歴史をリードしてきた。当社の原油 タンカー建造を振り返りながら大型化の歴史を 説明する。 石川島播磨重工(株)(現、株式会社 IHI)発足 当時は海運不況により建造量は激減していたが、 国民所得倍増計画や経済発展に伴い大量輸送の ニーズがあり、又相対的に運航費を下げるため、 大量輸送・大型化が進んだ時期である。 相生工場で、1961 年に 5 万重量トン級タンカ ー「東光丸」に続き、1963 年に 7 万重量トン級 タンカー「初島丸」、1965 年には 10 万重量トン 級タンカー「高砂丸」と次々に大型化したタンカ ーが完成した。更に、新鋭の横浜工場で 1966 年 に 15 万重量トン級タンカー「東京丸」に続き、 同年末には世界初の 20 万重量トン級 VLCC「出 光丸」Photo 1 を完成した。VLCC とは Very Large Crude-oil Carrier の略で 20 万重量トン以上のタン カーの呼称である。この「出光丸」の建造秘話は NHK の「プロジェクト X」で「世界最大の船 火 花散る闘い」として紹介された。
Photo 1 First “IDEMITSUMARU” First VLCC in the world,
船舶の大型化には新しい技術的課題も多く生 じた。例えば、大型化に伴い船体の縦曲げモーメ ントが増大するが、これに対処するため、船体中 央に専用バラストタンクを設け、船体に強度の優 れた高張力鋼を採用した。又、船員不足から船舶 運航の省力化や合理化が望まれるが、以前から機 器の遠隔制御や集中監視を研究しており、機関部 の集中制御、荷役装置の遠隔制御等を図り、船舶 の自動化にもリーダーシップを発揮した。 VLCC はマラッカ海峡を航行していたが、復航 航路を水深の深いロンボク海峡にすることで 30 万重量トンを超える超大型タンカーが竣工して * 2012.12.24 受付 ** (株)アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド 基本設計部 〒108-0022 東京都港区海岸 3-22-23 TEL: (03)3454-7123 FAX: (03)3454-7116 E-mail: [email protected]
超大型原油タンカー(VLCC)の紹介
*Introduction of Very Large Crude-oil Carrier
高 平 智 明
**TAKAHIRA Tomoaki
Abstract This introduction contains the history of building very large crude-oil carrier (VLCC) at IHI Marine United Inc. (IHIMU), the outline of present VLCC “Idemitsumaru” and environmentally friendly ship of “eFuture 310T” developed by IHIMU. The “eFuture 310T” was developed so that 30% reduction of GHG is attained by integrating the technology of IHIMU such as advanced contra rotating propeller, tip raked propeller, rudder bulb and semicircular duct, waste heat recovery system, whaleback bow and air resistance reducing vane.
Keywords: IDEMITSUMARU, VLCC, Contra rotating propeller (CRP), eFuture, Economic Vessel 1. 超大型原油タンカーの歴史[1] 株式会社アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッ ド(IHIMU、IHI 船舶海洋事業が分社化し SHI 艦 艇事業と統合し 2002 年設立)は常に原油タンカ ーの大型化の歴史をリードしてきた。当社の原油 タンカー建造を振り返りながら大型化の歴史を 説明する。 石川島播磨重工(株)(現、株式会社 IHI)発足 当時は海運不況により建造量は激減していたが、 国民所得倍増計画や経済発展に伴い大量輸送の ニーズがあり、又相対的に運航費を下げるため、 大量輸送・大型化が進んだ時期である。 相生工場で、1961 年に 5 万重量トン級タンカ ー「東光丸」に続き、1963 年に 7 万重量トン級 タンカー「初島丸」、1965 年には 10 万重量トン 級タンカー「高砂丸」と次々に大型化したタンカ ーが完成した。更に、新鋭の横浜工場で 1966 年 に 15 万重量トン級タンカー「東京丸」に続き、 同年末には世界初の 20 万重量トン級 VLCC「出 光丸」Photo 1 を完成した。VLCC とは Very Large Crude-oil Carrier の略で 20 万重量トン以上のタン カーの呼称である。この「出光丸」の建造秘話は NHK の「プロジェクト X」で「世界最大の船 火 花散る闘い」として紹介された。
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船舶の大型化には新しい技術的課題も多く生 じた。例えば、大型化に伴い船体の縦曲げモーメ ントが増大するが、これに対処するため、船体中 央に専用バラストタンクを設け、船体に強度の優 れた高張力鋼を採用した。又、船員不足から船舶 運航の省力化や合理化が望まれるが、以前から機 器の遠隔制御や集中監視を研究しており、機関部 の集中制御、荷役装置の遠隔制御等を図り、船舶 の自動化にもリーダーシップを発揮した。 VLCC はマラッカ海峡を航行していたが、復航 航路を水深の深いロンボク海峡にすることで 30 万重量トンを超える超大型タンカーが竣工して 0123456789abcdeff a9 !"#$a %&!'()5b01#*+7,9ab cd 05-.5/01234526a78 349:2;<9=>34?"2@A,B CDEFG!'()HIBC,Ja9KL 4MNOP34?"?&9Q!'( )HIR&SbTU,Na92VWX b01,OY!'()HIZ[D\b]" ,Ja9^_Xb `ghijklmno Q19pqrstCuvwxyz{|}~1 z ~26a=9:z e5"f=2 1!" ¡¢>234r£ 1 2VWFG,¤¥O¦, !'()HI,a§¨2©ªbr£>, «¬5ab ®¯æ/°±5²b5 ³´!"zµ¶2¯æ9 !"·¸ 1 Raµ¶r£/¹º»¼½26a9¾ 9¿$aµ¶r£/ÀÁÂ,OY Ã9¿ ÄgÅÆÇÈÉÊËÌÍÎÅÆÏÐhiÑhiÒÓ ÄgÔ hiÕo ÖרDÙ$DÚÛw 05,ØDÚÛwÜÝ2ÞYß« 01àáâ23451 r£2ã¡z$ Dãä\345å2çèéfêë¢ ì3íÖ5îïð7+ñ34DE 34 òó7+ôæõö÷,3452ì3í7+ÞY 9r£2ø34ù(134ù(1,() \ú\ û1!"2¯æ SN34üý /þ¢=5ÿþüý,ßff9abø3 4r£20a Äg` hiÆ123456 34r£ø34r£ û1!"7õBC 289abcdef,X !"/!" ,Xbz!"59ab 34 û/r£,O+õö711#,æG 5fëõö5r£ 34 .cf1 @,34r£2ì3õö!"÷ ,#$01%&',(9() 89abcdef34*2+b,+7S-.2/0 -.å02fõö÷,1ñÞY&' û NOP!"22Xb &'3×ð ØD2483453×ð&'563 4?"(789:2 89ac;,&'5634?"<202345 3×,9X 34=>õz345?@ ßA5BCD+Ja9/aba\r£# 19345îï7+?@,Aß&,J\9 34?"9ab 0\/E,.F O¦,cf-34G,Na9/345Hº îèIJK7L5²b889acd5D \bO¦,MNõö,34Xbr£®æ1S b01,Ob
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* 2012.12.24 受付
** (株)アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド 基本設計部 〒108-0022 東京都港区海岸 3-22-23 TEL: (03)3454-7123 FAX: (03)3454-7116 E-mail: [email protected]
超大型原油タンカー(VLCC)の紹介
*Introduction of Very Large Crude-oil Carrier
高 平 智 明
**TAKAHIRA Tomoaki
Abstract This introduction contains the history of building very large crude-oil carrier (VLCC) at IHI Marine United Inc. (IHIMU), the outline of present VLCC “Idemitsumaru” and environmentally friendly ship of “eFuture 310T” developed by IHIMU. The “eFuture 310T” was developed so that 30% reduction of GHG is attained by integrating the technology of IHIMU such as advanced contra rotating propeller, tip raked propeller, rudder bulb and semicircular duct, waste heat recovery system, whaleback bow and air resistance reducing vane.
Keywords: IDEMITSUMARU, VLCC, Contra rotating propeller (CRP), eFuture, Economic Vessel 1. 超大型原油タンカーの歴史[1] 株式会社アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッ ド(IHIMU、IHI 船舶海洋事業が分社化し SHI 艦 艇事業と統合し 2002 年設立)は常に原油タンカ ーの大型化の歴史をリードしてきた。当社の原油 タンカー建造を振り返りながら大型化の歴史を 説明する。 石川島播磨重工(株)(現、株式会社 IHI)発足 当時は海運不況により建造量は激減していたが、 国民所得倍増計画や経済発展に伴い大量輸送の ニーズがあり、又相対的に運航費を下げるため、 大量輸送・大型化が進んだ時期である。 相生工場で、1961 年に 5 万重量トン級タンカ ー「東光丸」に続き、1963 年に 7 万重量トン級 タンカー「初島丸」、1965 年には 10 万重量トン 級タンカー「高砂丸」と次々に大型化したタンカ ーが完成した。更に、新鋭の横浜工場で 1966 年 に 15 万重量トン級タンカー「東京丸」に続き、 同年末には世界初の 20 万重量トン級 VLCC「出 光丸」Photo 1 を完成した。VLCC とは Very Large Crude-oil Carrier の略で 20 万重量トン以上のタン カーの呼称である。この「出光丸」の建造秘話は NHK の「プロジェクト X」で「世界最大の船 火 花散る闘い」として紹介された。
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超大型原油タンカー(
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こうして、タンカーは VLCC・ULCC の時代に 入ったが、第 1 次石油危機以降は、石油消費量が 世界的に変化し、大型化の限界がみられ 20 万か ら 30 万重量トン級が主流になった。更に、2 度 にわたる石油危機は石油の高騰を招き、産業界全 体の石油離れが目立ち、エネルギー転換志向が高 まった。船舶の主機関の燃料消費を少なくするた めディーゼル機関も見直され、省エネ船の開発が 活発に行われた。 1979 年に中型タンカーを中心にミニブームが 起こり、この状況下で久しぶりの超大型タンカー 「日章丸」(257,882t)を 1981 年 2 月に完成し た。このミニブームとほぼ同時期に、燃料の節減 を図るためタンカーを中心に主機関を蒸気ター ビンからディーゼル機関へと主機換装が行われ た。 省力・省エネルギー化開発を積極的に行い、低 速運航に適した LV(Low Viscosity)船型の開発、 船体とプロペラの相互干渉を減少させる BO スタ ーン(Bulbous Open Stern)、プロペラの後流の回 転 エ ネ ル ギ ー を 推 進 力 に 利 用 す る A.T. Fin
(Additional Trust Fin)等を開発した。
主機関の大幅な省燃費を図るとともに、排ガス ターボ発電機と主機を機械的に結合し、発電コス トを低減する SSG システム(Super Economical Shaft Generator System)を開発した。
1982 年に、呉工場で 1984 年完工の「東海丸」 (238,500t)に初めて A.T. Fin を装備した。又、 プロペラの後流の回転エネルギーを回収する大 型グリムベーンホイール(GVW)を 1988 年完工 の高速・超省エネルギータイプの「T.Y.ドラコ」 (240,401t)に装備し、7%の省エネルギー効果 を得た。1989 年には、38 型のばら積貨物船に CRP (Contra Rotating Propeller、二重反転プロペラ Photo 2)を実験装備し、15%の省エネルギー効 果が実証された。この CRP は 1993 年完工の「沖 ノ嶋丸」(258,079t)に装備された。
Photo 2 Contra Rotating Propeller (CRP)
1989 年にアラスカ沖で VLCC が座礁し大量の 原油流失による海洋汚染が発生し、海洋環境保護 対策が一層強化され、タンカーは将来二重船殻構 造(Double Hull、DH)の規則化を図ることにな った。ダブルハルとはFig. 2 に示すように、原油 タンクと海が外板で直接接触しないように、原油 タンクの周りにバラストタンクを配置した構造 である。この規則強制化に先駆けて、愛知工場で、 二重底を設けたタンカー「オリンピック フェイ ス」(147,457t)を 1991 年に、DH タンカー 「NISYROS」(143,932t)などを完成した。最初 の DH-VLCC は、1995 年呉工場完工の「SUPER ZEATH」(258,096t)である。 きた。1968 年に横浜工場で完工した「ユニバー ス アイルランド」(331,826t)、続いて呉工場で、 1971 年に「日石丸」(372,698t)、1973 年に「グ ロブティック トウキョウ」(483,664t)、更に 1975 年には 当社建造 最大 船である「 日 精丸」 (484,337t)などが完成した。これらの 30 万重 量トン以上のタンカーは、ULCC(Ultra Large Crude-oil Carrier の略)と呼ばれた。大型化の状況 はFig. 1 で見て取れる。この時代の大型船は主機 関に蒸気タービンを採用していた。
Fig. 1 VLCC built by IHI & IHIMU.
こうして、タンカーは VLCC・ULCC の時代に 入ったが、第 1 次石油危機以降は、石油消費量が 世界的に変化し、大型化の限界がみられ 20 万か ら 30 万重量トン級が主流になった。更に、2 度 にわたる石油危機は石油の高騰を招き、産業界全 体の石油離れが目立ち、エネルギー転換志向が高 まった。船舶の主機関の燃料消費を少なくするた めディーゼル機関も見直され、省エネ船の開発が 活発に行われた。 1979 年に中型タンカーを中心にミニブームが 起こり、この状況下で久しぶりの超大型タンカー 「日章丸」(257,882t)を 1981 年 2 月に完成し た。このミニブームとほぼ同時期に、燃料の節減 を図るためタンカーを中心に主機関を蒸気ター ビンからディーゼル機関へと主機換装が行われ た。 省力・省エネルギー化開発を積極的に行い、低 速運航に適した LV(Low Viscosity)船型の開発、 船体とプロペラの相互干渉を減少させる BO スタ ーン(Bulbous Open Stern)、プロペラの後流の回 転 エ ネ ル ギ ー を 推 進 力 に 利 用 す る A.T. Fin
(Additional Trust Fin)等を開発した。
主機関の大幅な省燃費を図るとともに、排ガス ターボ発電機と主機を機械的に結合し、発電コス トを低減する SSG システム(Super Economical Shaft Generator System)を開発した。
1982 年に、呉工場で 1984 年完工の「東海丸」 (238,500t)に初めて A.T. Fin を装備した。又、 プロペラの後流の回転エネルギーを回収する大 型グリムベーンホイール(GVW)を 1988 年完工 の高速・超省エネルギータイプの「T.Y.ドラコ」 (240,401t)に装備し、7%の省エネルギー効果 を得た。1989 年には、38 型のばら積貨物船に CRP (Contra Rotating Propeller、二重反転プロペラ Photo 2)を実験装備し、15%の省エネルギー効 果が実証された。この CRP は 1993 年完工の「沖 ノ嶋丸」(258,079t)に装備された。
Photo 2 Contra Rotating Propeller (CRP).
1989 年にアラスカ沖で VLCC が座礁し大量の 原油流失による海洋汚染が発生し、海洋環境保護 対策が一層強化され、タンカーは将来二重船殻構 造(Double Hull、DH)の規則化を図ることにな った。ダブルハルとはFig. 2 に示すように、原油 タンクと海が外板で直接接触しないように、原油 タンクの周りにバラストタンクを配置した構造 である。この規則強制化に先駆けて、愛知工場で、 二重底を設けたタンカー「オリンピック フェイ ス」(147,457t)を 1991 年に、DH タンカー 「NISYROS」(143,932t)などを完成した。最初 の DH-VLCC は、1995 年呉工場完工の「SUPER ZEATH」(258,096t)である。
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Single hull Double hull Fig. 2 Double hull tanker
VLCC が東アジアと中東を結ぶ最短の航路は シンガポールのマラッカ海峡を通過する航路で あり、通常、この海峡を通過する船の喫水(船体 没水深さ)は 20.5m 以下である。これと日本の港 では船全体の容積で決まる総トン数の制約から VLCC の大きさは、全長 333m、幅 60mになり、 25 万 8 千重量トンから 30 万重量トンが一般的と なった。 2. 超大型原油タンカーの概要 2.1 要目および船体艤装 現在就航している VLCC 出光丸(IDEMITSU MARUⅢ世,Photo 3)の概要を以下に示す。 全長 333.0 m 幅 60.0 m 深さ 29.0 m 喫水 20.535 m 載貨重量 300,433 t 主機 型式 DU-Wartila 7RT-flex84T-D 最大出力×回転数 27,160kW×74.0rpm 航海速力 15.8 kt 総トン数 159,939 定員 40 名 航続距離 25,400 海里 船級 日本海事協会 船籍国 パナマ 貨物タンク容積 350,010 m2 バラストタンク容積 103,038 m2 本船は IHIMU 呉工場にて建造、2007 年 11 月に 完工した。就航後は主に中東―日本間を片道約 20 日間と、原油の積み下ろしに使う約 5 日間を 合わせ、約 45 日間かけて原油輸送に従事してい る。 Photo 3 IDEMITUMARU 軽微な損傷事故で原油が流出することの無い ように原油タンクは海水バラストタンクで保護 されるダブルハル構造になっている。また、荷揚 げ時にも石油ガスが大気に放出されないような 設備を設けており、環境に配慮した設計となって いる。 蒸気タービン駆動の貨油ポンプ 5,500m3 /時を 3 台、タンククリーニングポンプ 2,500m3 /時を 1 台 設け、タンク内及び上甲板上に装備した耐腐食管 マリロイ管を通じて陸上に原油を荷揚げする。電 動駆動のバラストポンプ 3,000m3 /時を 2 台設け海 水バラスト水の漲排水を行う。 2.2 船体構造 超大型原油タンカーでは、船体の約 3/4 の長さ にわたり,原油を積むタンクが配置されている。
Fig. 3 Section of tank part (P-Side)
原油タンク区域には、Fig. 3 に示す通り,船幅 方向に 3 つの貨油タンク(中央:センタータンク、 サイド側:ウイングタンク×2)が配置される。 センター タンク ウイング タンク バラスト タンク ガーダー ストリンガー 制水隔壁 トランス バラスト タンク クロスタイ Crude oil Crude oil Crude oil Crude oil Crude oil Crude oil Water ballast
Single hull Double hull Fig. 2 Double hull tanker.
VLCC が東アジアと中東を結ぶ最短の航路は シンガポールのマラッカ海峡を通過する航路で あり、通常、この海峡を通過する船の喫水(船体 没水深さ)は 20.5m 以下である。これと日本の港 では船全体の容積で決まる総トン数の制約から VLCC の大きさは、全長 333m、幅 60mになり、 25 万 8 千重量トンから 30 万重量トンが一般的と なった。 2. 超大型原油タンカーの概要 2.1 要目および船体艤装 現在就航している VLCC 出光丸(IDEMITSU MARUⅢ世,Photo 3)の概要を以下に示す。 全長 333.0 m 幅 60.0 m 深さ 29.0 m 喫水 20.535 m 載貨重量 300,433 t 主機 型式 DU-Wartila 7RT-flex84T-D 最大出力×回転数 27,160kW×74.0rpm 航海速力 15.8 kt 総トン数 159,939 定員 40 名 航続距離 25,400 海里 船級 日本海事協会 船籍国 パナマ 貨物タンク容積 350,010 m2 バラストタンク容積 103,038 m2 本船は IHIMU 呉工場にて建造、2007 年 11 月に 完工した。就航後は主に中東―日本間を片道約 20 日間と、原油の積み下ろしに使う約 5 日間を 合わせ、約 45 日間かけて原油輸送に従事してい る。 Photo 3 IDEMITUMARU. 軽微な損傷事故で原油が流出することの無い ように原油タンクは海水バラストタンクで保護 されるダブルハル構造になっている。また、荷揚 げ時にも石油ガスが大気に放出されないような 設備を設けており、環境に配慮した設計となって いる。 蒸気タービン駆動の貨油ポンプ 5,500m3 /時を 3 台、タンククリーニングポンプ 2,500m3 /時を 1 台 設け、タンク内及び上甲板上に装備した耐腐食管 マリロイ管を通じて陸上に原油を荷揚げする。電 動駆動のバラストポンプ 3,000m3 /時を 2 台設け海 水バラスト水の漲排水を行う。 2.2 船体構造 超大型原油タンカーでは、船体の約 3/4 の長さ にわたり,原油を積むタンクが配置されている。
Fig. 3 Section of tank part (P-Side).
原油タンク区域には、Fig. 3 に示す通り,船幅 方向に 3 つの貨油タンク(中央:センタータンク、 サイド側:ウイングタンク×2)が配置される。 センター タンク ウイング タンク バラスト タンク ガーダー ストリンガー 制水隔壁 トランス バラスト タンク クロスタイ Crude oil Crude oil Crude oil Crude oil Crude oil Crude oil Water ballast
Single hull Double hull Fig. 2 Double hull tanker.
VLCC が東アジアと中東を結ぶ最短の航路は シンガポールのマラッカ海峡を通過する航路で あり、通常、この海峡を通過する船の喫水(船体 没水深さ)は 20.5m 以下である。これと日本の港 では船全体の容積で決まる総トン数の制約から VLCC の大きさは、全長 333m、幅 60mになり、 25 万 8 千重量トンから 30 万重量トンが一般的と なった。 2. 超大型原油タンカーの概要 2.1 要目および船体艤装 現在就航している VLCC 出光丸(IDEMITSU MARUⅢ世,Photo 3)の概要を以下に示す。 全長 333.0 m 幅 60.0 m 深さ 29.0 m 喫水 20.535 m 載貨重量 300,433 t 主機 型式 DU-Wartila 7RT-flex84T-D 最大出力×回転数 27,160kW×74.0rpm 航海速力 15.8 kt 総トン数 159,939 定員 40 名 航続距離 25,400 海里 船級 日本海事協会 船籍国 パナマ 貨物タンク容積 350,010 m2 バラストタンク容積 103,038 m2 本船は IHIMU 呉工場にて建造、2007 年 11 月に 完工した。就航後は主に中東―日本間を片道約 20 日間と、原油の積み下ろしに使う約 5 日間を 合わせ、約 45 日間かけて原油輸送に従事してい る。 Photo 3 IDEMITUMARU. 軽微な損傷事故で原油が流出することの無い ように原油タンクは海水バラストタンクで保護 されるダブルハル構造になっている。また、荷揚 げ時にも石油ガスが大気に放出されないような 設備を設けており、環境に配慮した設計となって いる。 蒸気タービン駆動の貨油ポンプ 5,500m3 /時を 3 台、タンククリーニングポンプ 2,500m3 /時を 1 台 設け、タンク内及び上甲板上に装備した耐腐食管 マリロイ管を通じて陸上に原油を荷揚げする。電 動駆動のバラストポンプ 3,000m3 /時を 2 台設け海 水バラスト水の漲排水を行う。 2.2 船体構造 超大型原油タンカーでは、船体の約 3/4 の長さ にわたり,原油を積むタンクが配置されている。
Fig. 3 Section of tank part (P-Side).
原油タンク区域には、Fig. 3 に示す通り,船幅 方向に 3 つの貨油タンク(中央:センタータンク、 サイド側:ウイングタンク×2)が配置される。 センター タンク ウイング タンク バラスト タンク ガーダー ストリンガー 制水隔壁 トランス バラスト タンク クロスタイ Crude oil Crude oil Crude oil Crude oil Crude oil Crude oil Water ballast
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一方、ウイングタンクは、デッキのトランス以 外のトランス部材が配置されない構造となって いる。そのため、波浪中航行時に船首尾が上下に 運動した場合,スロッシングと呼ばれる貨油の激 しい運動が発生する。そこで、大きなスロッシン グ衝撃圧の発生による船体の損傷を防ぐために、 タンクの船長方向の中央付近に、Fig.3 に示すよ うな制水隔壁を配置し、貨油の激しい運動を抑え ている。また、タンクの前後仕切壁に設置される ホリゾンタルガーダーも,貨油運動を抑える役割 をしている。 ダブルハル構造は,船底からサイド側にわたっ て、L 字型のバラストタンクとなっている。スト リンガーは,バラストタンクの点検のための通路 として使われる。一番上側のストリンガーは、デ ッキ裏の点検ができる高さに配置されている。 原油タンク区域以外で、タンカーが他の船種と 異なる構造として、上部構造から大きく張り出す ドジャーがある。タンカーは他の船種よりもドジ ャーが長いため、防振を目的としたピラーによる 支えが必要となる。近年、IHIMU で建造する超 大型原油タンカーでは、Fig.5 に示すように、3 本のピラーでドジャーを支えている。
Fig.5 Dodger wing and anti-vibration pillar
2.3 船型 VLCC は船幅が広く、船首形状はほとんど円筒 状で、中央に長い平行部がある非常に肥えた形 (肥大船)をしている。船首水面下には丸みを帯 びた突起(バルバス・バウ略してバルブ)を装着 することが多く、また船尾部にはプロペラ、舵、 各種省エネ付加物等が装着される。 原油タンクが搭載されている中央平行部の前 後の船首部および船尾部の形状は、推進性能を考 慮して設計される。VLCC は全航海のうち半分は 原油を積んだ満載状態、半分は空荷状態(バラス ト状態)であり、推進性能は満載状態だけでなく、 喫水の浅いバラスト状態も考慮する必要がある。 船が一定の速力で航行するときの推進馬力は、船 体に働く抵抗とプロペラによる推進効率によっ て決まる。推進馬力の低減は、燃料消費量や CO2 排出量の削減につながるため、抵抗を低減しかつ 推進効率を向上させる船型の開発が重要となる。 船の推進性能には船の大きさとともに速力が 関係してくる。VLCC の速力は一般に満載状態が 15 ノット、バラスト状態で 16 ノット程度であり、 低速肥大船と呼ばれている。ノットは船の速度の 単位で 1 ノットが 1,852m/時である。 船体抵抗は、水の粘性による粘性抵抗と、船が 波を造ることによる造波抵抗に大別され、VLCC のような低速肥大船は、粘性抵抗の占める割合が 大きい。 粘性抵抗には、船体表面での摩擦抵抗と、船尾 で境界層が厚くなったり渦を発生したりして圧 クロスタイ ホリゾンタルガーダー ドジャー ピラー トランス 前後仕切壁 船長方向には、Fig. 3 に示すように、数メートル 間隔でトランスと呼ばれる部材が配置される。ダ ブルハル構造には、ボトム側にはガーダー、サイ ド側にはストリンガーと呼ばれる部材が船長方 向に配置される。トランスとガーダー・ストリン ガーの格子状構造によって、内側のカーゴタンク を囲んでいる。 センタータンクは、Fig.4 に示すように、クロ スタイと呼ばれる柱状の部材で左右のトランス がタンク高さの中央付近で接続されており、ウイ ングタンクとの仕切壁に作用する荷重を伝達す る構造となっている。
Fig.4 End arrangement of tank (P-Side).
一方、ウイングタンクは、デッキのトランス以 外のトランス部材が配置されない構造となって いる。そのため、波浪中航行時に船首尾が上下に 運動した場合,スロッシングと呼ばれる貨油の激 しい運動が発生する。そこで、大きなスロッシン グ衝撃圧の発生による船体の損傷を防ぐために、 タンクの船長方向の中央付近に、Fig.3 に示すよ うな制水隔壁を配置し、貨油の激しい運動を抑え ている。また、タンクの前後仕切壁に設置される ホリゾンタルガーダーも,貨油運動を抑える役割 をしている。 ダブルハル構造は,船底からサイド側にわたっ て、L 字型のバラストタンクとなっている。スト リンガーは,バラストタンクの点検のための通路 として使われる。一番上側のストリンガーは、デ ッキ裏の点検ができる高さに配置されている。 原油タンク区域以外で、タンカーが他の船種と 異なる構造として、上部構造から大きく張り出す ドジャーがある。タンカーは他の船種よりもドジ ャーが長いため、防振を目的としたピラーによる 支えが必要となる。近年、IHIMU で建造する超 大型原油タンカーでは、Fig.5 に示すように、3 本のピラーでドジャーを支えている。
Fig.5 Dodger wing and anti-vibration pillar.
2.3 船型 VLCC は船幅が広く、船首形状はほとんど円筒 状で、中央に長い平行部がある非常に肥えた形 (肥大船)をしている。船首水面下には丸みを帯 びた突起(バルバス・バウ略してバルブ)を装着 することが多く、また船尾部にはプロペラ、舵、 各種省エネ付加物等が装着される。 原油タンクが搭載されている中央平行部の前 後の船首部および船尾部の形状は、推進性能を考 慮して設計される。VLCC は全航海のうち半分は 原油を積んだ満載状態、半分は空荷状態(バラス ト状態)であり、推進性能は満載状態だけでなく、 喫水の浅いバラスト状態も考慮する必要がある。 船が一定の速力で航行するときの推進馬力は、船 体に働く抵抗とプロペラによる推進効率によっ て決まる。推進馬力の低減は、燃料消費量や CO2 排出量の削減につながるため、抵抗を低減しかつ 推進効率を向上させる船型の開発が重要となる。 船の推進性能には船の大きさとともに速力が 関係してくる。VLCC の速力は一般に満載状態が 15 ノット、バラスト状態で 16 ノット程度であり、 低速肥大船と呼ばれている。ノットは船の速度の 単位で 1 ノットが 1,852m/時である。 船体抵抗は、水の粘性による粘性抵抗と、船が 波を造ることによる造波抵抗に大別され、VLCC のような低速肥大船は、粘性抵抗の占める割合が 大きい。 粘性抵抗には、船体表面での摩擦抵抗と、船尾 で境界層が厚くなったり渦を発生したりして圧 クロスタイ ホリゾンタルガーダー ドジャー ピラー トランス 前後仕切壁 ⦁㐳ᣇะߦߪޔFig. 3 ߦ␜ߔࠃ߁ߦޔᢙࡔ࠻࡞ 㑆㓒ߢ࠻ࡦࠬߣ߫ࠇࠆㇱ᧚߇㈩⟎ߐࠇࠆޕ࠳ ࡉ࡞ࡂ࡞᭴ㅧߦߪޔࡏ࠻ࡓߦߪࠟ࠳ޔࠨࠗ ࠼ߦߪࠬ࠻ࡦࠟߣ߫ࠇࠆㇱ᧚߇⦁㐳ᣇ ะߦ㈩⟎ߐࠇࠆޕ࠻ࡦࠬߣࠟ࠳ࠬ࠻ࡦ ࠟߩᩰሶ⁁᭴ㅧߦࠃߞߡޔౝߩࠞࠧ࠲ࡦࠢ ࠍ࿐ࠎߢࠆޕ ࡦ࠲࠲ࡦࠢߪޔFig.4ߦ␜ߔࠃ߁ߦޔࠢࡠ ࠬ࠲ࠗߣ߫ࠇࠆᩇ⁁ߩㇱ᧚ߢᏀฝߩ࠻ࡦࠬ ߇࠲ࡦࠢ㜞ߐߩਛᄩઃㄭߢធ⛯ߐࠇߡ߅ࠅޔ࠙ࠗ ࡦࠣ࠲ࡦࠢߣߩಾოߦ↪ߔࠆ⩄㊀ࠍવ㆐ߔ ࠆ᭴ㅧߣߥߞߡࠆޕ
Fig.4 End arrangement of tank (P-Side) ৻ᣇޔ࠙ࠗࡦࠣ࠲ࡦࠢߪޔ࠺࠶ࠠߩ࠻ࡦࠬએ ᄖߩ࠻ࡦࠬㇱ᧚߇㈩⟎ߐࠇߥ᭴ㅧߣߥߞߡ ࠆޕߘߩߚޔᵄᶉਛ⥶ⴕᤨߦ⦁㚂የ߇ਅߦ ㆇേߒߚ႐วޔࠬࡠ࠶ࠪࡦࠣߣ߫ࠇࠆ⽻ᴤߩỗ ߒㆇേ߇⊒↢ߔࠆޕߘߎߢޔᄢ߈ߥࠬࡠ࠶ࠪࡦ ࠣⴣ᠄ߩ⊒↢ߦࠃࠆ⦁ߩ៊்ࠍ㒐ߋߚߦޔ ࠲ࡦࠢߩ⦁㐳ᣇะߩਛᄩઃㄭߦޔFig.3ߦ␜ߔࠃ ߁ߥ᳓㓒ოࠍ㈩⟎ߒޔ⽻ᴤߩỗߒㆇേࠍᛥ߃ ߡࠆޕ߹ߚޔ࠲ࡦࠢߩ೨ᓟಾოߦ⸳⟎ߐࠇࠆ ࡎ࠱ࡦ࠲࡞ࠟ࠳߽ޔ⽻ᴤㆇേࠍᛥ߃ࠆᓎഀ ࠍߒߡࠆޕ ࠳ࡉ࡞ࡂ࡞᭴ㅧߪޔ⦁ᐩ߆ࠄࠨࠗ࠼ߦࠊߚߞ ߡޔL ሼဳߩࡃࠬ࠻࠲ࡦࠢߣߥߞߡࠆޕࠬ࠻ ࡦࠟߪޔࡃࠬ࠻࠲ࡦࠢߩὐᬌߩߚߩㅢ〝 ߣߒߡࠊࠇࠆޕ৻⇟ߩࠬ࠻ࡦࠟߪޔ࠺ ࠶ࠠⵣߩὐᬌ߇ߢ߈ࠆ㜞ߐߦ㈩⟎ߐࠇߡࠆޕ ේᴤ࠲ࡦࠢၞએᄖߢޔ࠲ࡦࠞ߇ઁߩ⦁⒳ߣ ⇣ߥࠆ᭴ㅧߣߒߡޔㇱ᭴ㅧ߆ࠄᄢ߈ߊᒛࠅߔ ࠼ࠫࡖ߇ࠆޕ࠲ࡦࠞߪઁߩ⦁⒳ࠃࠅ߽࠼ࠫ ࡖ߇㐳ߚޔ㒐ᝄࠍ⋡⊛ߣߒߚࡇߦࠃࠆ ᡰ߃߇ᔅⷐߣߥࠆޕㄭᐕޔIHIMU ߢᑪㅧߔࠆ ᄢဳේᴤ࠲ࡦࠞߢߪޔFig.5ߦ␜ߔࠃ߁ߦޔ㧟 ᧄߩࡇߢ࠼ࠫࡖࠍᡰ߃ߡࠆޕ
Fig.5 Dodger wing and anti-vibration pillar 2.3 ⦁ဳ VLCC ߪ⦁߇ᐢߊޔ⦁㚂ᒻ⁁ߪ߶ߣࠎߤ╴ ⁁ߢޔਛᄩߦ㐳ᐔⴕㇱ߇ࠆ㕖Ᏹߦ⢈߃ߚᒻ 㧔⢈ᄢ⦁㧕ࠍߒߡࠆޕ⦁㚂᳓㕙ਅߦߪਣߺࠍᏪ ߮ߚ⓭㧔ࡃ࡞ࡃࠬࡃ࠙⇛ߒߡࡃ࡞ࡉ㧕ࠍⵝ⌕ ߔࠆߎߣ߇ᄙߊޔ߹ߚ⦁የㇱߦߪࡊࡠࡍޔ⥽ޔ ฦ⒳⋭ࠛࡀઃട‛╬߇ⵝ⌕ߐࠇࠆޕ ේᴤ࠲ࡦࠢ߇タߐࠇߡࠆਛᄩᐔⴕㇱߩ೨ ᓟߩ⦁㚂ㇱ߅ࠃ߮⦁የㇱߩᒻ⁁ߪޔផㅴᕈ⢻ࠍ⠨ ᘦߒߡ⸳⸘ߐࠇࠆޕVLCC ߪో⥶ᶏߩ߁ߜඨಽߪ ේᴤࠍⓍࠎߛḩタ⁁ᘒޔඨಽߪⓨ⩄⁁ᘒ㧔ࡃࠬ ࠻⁁ᘒ㧕ߢࠅޔផㅴᕈ⢻ߪḩタ⁁ᘒߛߌߢߥߊޔ ༛᳓ߩᵻࡃࠬ࠻⁁ᘒ߽⠨ᘦߔࠆᔅⷐ߇ࠆޕ ⦁߇৻ቯߩㅦജߢ⥶ⴕߔࠆߣ߈ߩផㅴ㚍ജߪޔ⦁ ߦߊᛶ᛫ߣࡊࡠࡍߦࠃࠆផㅴല₸ߦࠃߞ ߡ߹ࠆޕផㅴ㚍ജߩૐᷫߪޔΆᢱᶖ⾌㊂߿ CO2 ឃ㊂ߩᷫߦߟߥ߇ࠆߚޔᛶ᛫ࠍૐᷫߒ߆ߟ ផㅴല₸ࠍะߐߖࠆ⦁ဳߩ㐿⊒߇㊀ⷐߣߥࠆޕ ⦁ߩផㅴᕈ⢻ߦߪ⦁ߩᄢ߈ߐߣߣ߽ߦㅦജ߇ 㑐ଥߒߡߊࠆޕVLCC ߩㅦജߪ৻⥸ߦḩタ⁁ᘒ߇ 15ࡁ࠶࠻ޔࡃࠬ࠻⁁ᘒߢ 16 ࡁ࠶࠻⒟ᐲߢࠅޔ ૐㅦ⢈ᄢ⦁ߣ߫ࠇߡࠆޕࡁ࠶࠻ߪ⦁ߩㅦᐲߩ නߢ 1 ࡁ࠶࠻߇ 1,852m/ᤨߢࠆޕ ⦁ᛶ᛫ߪޔ᳓ߩ☼ᕈߦࠃࠆ☼ᕈᛶ᛫ߣޔ⦁߇ ᵄࠍㅧࠆߎߣߦࠃࠆㅧᵄᛶ᛫ߦᄢߐࠇޔVLCC ߩࠃ߁ߥૐㅦ⢈ᄢ⦁ߪޔ☼ᕈᛶ᛫ߩභࠆഀว߇ ᄢ߈ޕ ☼ᕈᛶ᛫ߦߪޔ⦁㕙ߢߩᡂᛶ᛫ߣޔ⦁የ ߢႺ⇇ጀ߇ෘߊߥߞߚࠅ᷵ࠍ⊒↢ߒߚࠅߒߡ ࠢࡠࠬ࠲ࠗ ࡎ࠱ࡦ࠲࡞ࠟ࠳ ࠼ࠫࡖ ࡇ ࠻ࡦࠬ ೨ᓟಾო
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22 力が低下することによる粘性圧力抵抗がある。 VLCC の基本形状は船首が丸く船尾が痩せた流 線型をなしており、船の体積に対して表面積をな るべく小さくし、船尾で 2 次元的な剥離を発生さ せないというように、粘性抵抗に配慮した船型と なっている。 VLCC の造波抵抗は主に船首部の形状で決ま る。Fig.6 に VLCC の造波抵抗を模式的に示す。 横軸は無次元速力(フルード数)、縦軸は無次元 造波抵抗(造波抵抗係数)である。 Fn Cw Fn Cw Full Condition Ballast Condition
Fig.6 Efficiency trend of wave-making resistance of VLCC 満載状態の造波抵抗係数はある速力までは概 ねフラットで、それ以上の速力になると急激に増 加する。設計速力が造波抵抗係数が急増する直前 (図の矢印の位置)になるように船体を設計する が、この速力は船首端から中央平行部始点までの 距離に関係し、船首の尖り具合にはあまりよらな い。したがって船首形状は体積に対し表面積の小 さい円筒状となっている。一方バラスト状態の造 波抵抗係数は速力とともに増加しその大きさは 船首の尖り具合に依存する。バラスト状態ではバ ルブが半没状態なのでバルブ先端をやや尖った 形状にしておく。 プロペラが船尾で作動するとプロペラによる 流れの吸引により船尾の圧力が低下し抵抗にな る。この影響を小さくするためプロペラ直前の船 尾形状は痩せた形状が望ましい。一方プロペラは 流れを加速する装置であるが、船体表面の境界層 による遅い流れ(伴流)をプロペラ面に集めて加 速したほうが効率が良い。肥大船では船尾船底か ら縦渦が発生し粘性圧力抵抗の一因となるが、こ の渦は船体表面の境界層を集めプロペラ面に導 くという作用ももっている。このためプロペラ前 方の船尾形状にやや膨らみを持たせて(船尾バル ブ)縦渦の位置を制御し、伴流がなるべくプロペ ラ面に入るようにする。 船型以外に推進抵抗性能を向上する方法とし て、船体や舵に付加物を取り付ける方法がある。 VLCC に採用されているものに、L.V. Fin (Low Viscous resistance Fin)(Photo 4)[2] や A.T.Fin (Photo 5)[3]がある。
Photo 4 L.V.Fin.
Photo 5 A.T. Fin.
L.V.Fin は、プロペラ前方の船尾に左右一対で 取り付けられた三角形のフィンであり、船尾流れ を整流し、船体抵抗を低減する効果がある。 A.T.Fin は、舵前縁付近に取り付けられた翼断 面の付加物であり、プロペラが発生する回転エネ ルギーの回収装置である。プロペラ後方には回転 流が生成されるが、そのエネルギーは船の推進に 寄与しない。A.T.Fin はプロペラ後方の回転流の エネルギーを推進力に変換する装置である。 2.4 推進プラント 主機関には熱効率が約 50%の高効率な低速 2 サ イクルディーゼル機関を採用している。出光丸で 採用している DU-Wartsila RT-flex 機関を Fig. 7 に 示す。主機にはディーゼルの排気ガスで駆動され るターボチャージャーが装備され、高効率、大出 力が低下することによる粘性圧力抵抗がある。 VLCC の基本形状は船首が丸く船尾が痩せた流 線型をなしており、船の体積に対して表面積をな るべく小さくし、船尾で 2 次元的な剥離を発生さ せないというように、粘性抵抗に配慮した船型と なっている。 VLCC の造波抵抗は主に船首部の形状で決ま る。Fig.6 に VLCC の造波抵抗を模式的に示す。 横軸は無次元速力(フルード数)、縦軸は無次元 造波抵抗(造波抵抗係数)である。 Fn Cw Fn Cw Full Condition Ballast Condition
Fig.6 Efficiency trend of wave-making resistance of VLCC. 満載状態の造波抵抗係数はある速力までは概 ねフラットで、それ以上の速力になると急激に増 加する。設計速力が造波抵抗係数が急増する直前 (図の矢印の位置)になるように船体を設計する が、この速力は船首端から中央平行部始点までの 距離に関係し、船首の尖り具合にはあまりよらな い。したがって船首形状は体積に対し表面積の小 さい円筒状となっている。一方バラスト状態の造 波抵抗係数は速力とともに増加しその大きさは 船首の尖り具合に依存する。バラスト状態ではバ ルブが半没状態なのでバルブ先端をやや尖った 形状にしておく。 プロペラが船尾で作動するとプロペラによる 流れの吸引により船尾の圧力が低下し抵抗にな る。この影響を小さくするためプロペラ直前の船 尾形状は痩せた形状が望ましい。一方プロペラは 流れを加速する装置であるが、船体表面の境界層 による遅い流れ(伴流)をプロペラ面に集めて加 速したほうが効率が良い。肥大船では船尾船底か ら縦渦が発生し粘性圧力抵抗の一因となるが、こ の渦は船体表面の境界層を集めプロペラ面に導 くという作用ももっている。このためプロペラ前 方の船尾形状にやや膨らみを持たせて(船尾バル ブ)縦渦の位置を制御し、伴流がなるべくプロペ ラ面に入るようにする。 船型以外に推進抵抗性能を向上する方法とし て、船体や舵に付加物を取り付ける方法がある。 VLCC に採用されているものに、L.V. Fin (Low Viscous resistance Fin)(Photo 4)[2] や A.T.Fin (Photo 5)[3]がある。
Photo 4 L.V.Fin.
Photo 5 A.T. Fin.
L.V.Fin は、プロペラ前方の船尾に左右一対で 取り付けられた三角形のフィンであり、船尾流れ を整流し、船体抵抗を低減する効果がある。 A.T.Fin は、舵前縁付近に取り付けられた翼断 面の付加物であり、プロペラが発生する回転エネ ルギーの回収装置である。プロペラ後方には回転 流が生成されるが、そのエネルギーは船の推進に 寄与しない。A.T.Fin はプロペラ後方の回転流の エネルギーを推進力に変換する装置である。 2.4 推進プラント 主機関には熱効率が約 50%の高効率な低速 2 サ イクルディーゼル機関を採用している。出光丸で 採用している DU-Wartsila RT-flex 機関を Fig. 7 に 示す。主機にはディーゼルの排気ガスで駆動され るターボチャージャーが装備され、高効率、大出