事 務 連 絡 平成23年6月15日 事 業 主 様 神戸機械金属健康保険組合 神戸機械金属厚生年金基金 ( 公 印 省 略 )
定時決定等における保険者算定について
時下、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。 平素は、健康保険組合並びに厚生年金基金の運営につきまして、格別のご高配を賜り厚くお礼 申し上げます。 さて、平成23年3月31日保発0331第18号(厚生労働省保険局長)の通知等により、 保険者算定の一部改正がありましたのでお知らせします。 改正内容 定時決定(算定基礎)における保険者算定の対象については、「昭和36年1月26日保発第 4号」(厚生労働省保険局長)の通知により、従来は下に掲げる①から③に該当する場合とさ れていましたが、平成23年4月1日より④が追加となりました。 ① 4、5、6月の3ヶ月間において、3月分以前の給料の遅配を受け、又は、さかの ぼった昇給によって数ヶ月分の差額を一括して受けるなど、通常、受けるべき報酬 以外の報酬を当該期間において受けた場合。 ② 4、5、6月のいずれかの月において低額の休職給を受けた場合。 ③ 4、5、6月のいずれかの月においてストライキによる賃金カットがあった場合。 ④ 過去1年(前年7月~当年6月)の月平均報酬額から算出した標準報酬月額と、3 ヶ月(当年4月~6月)の平均報酬月額をもとに算出した標準報酬月額との間に2 等級の差が生じる場合。但し、事業所の業種や職種の性質上季節的に報酬が変動す ることにより当該事象が例年発生する場合に限る(単年度のみなど、業務の一時的 今回追加されました 例年 な繁忙による報酬の増加等は対象外)。 保険者算定の対象となります。 (事業主の申立書及び被保険者の同意書等が必要となります)対 象 者 定時決定(算定基礎)にあたり報酬が、4、5、6月の月平均報酬額により算定した標準報 酬月額と、年間報酬の平均額により算定した標準報酬月額を比較して、2等級以上差があり、 年間の報酬の平均報酬額で決定を希望する方が対象となります。 ◎ 2等級以上の差とは、比較した報酬が低い場合だけでなく高い場合も対象となります。 ◎ 前年7月以降の本年3月までに資格取得した方も対象となります。 ◎ 7、8、9月に月額変更による改定を行った方については、対象とならず、月額変更が 優先することとなります。 ◎ 二以上勤務者の場合は、一事業所のみ保険者算定の対象となる場合についても、提出が 可能となります。 届出方法等 ① 「被保険者報酬月額算定基礎届・保険者算定申立に係る例年の状況、標準報酬月額 の比較及び被保険者の同意等」に記入し、被保険者の自署にて氏名を記入いただくか 記名・押印の上、提出してください(標準報酬月額は、年金や傷病手当金など、被保 険者が受ける保険給付の額にも影響を及ぼすことにご留意ください。 また、算定基礎届の備考欄に「年間保険者算定」と記載してください。 ② 事業主は被保険者が保険者算定の要件に該当すると考えられる理由を記載した申 立書(年間報酬の平均で算定することの申立書)を提出してください。 ③ 4回以上あった賞与が、前年7月から当年6月までの間に4回未満に変更になった 場合は、その賞与を除き算出してください。 また、上記の間に4回未満から4回以上となった場合については、賞与を含んで算 出してください。 ④ 年間の報酬の算定の対象となる支払基礎日数は17日以上の月のみとし、前年7月 から当年3月までに1ヶ月でも17日以上あれば対象とします(パートやアルバイト の方は、支払基礎日数が15日以上の月を対象とします)。 ※ 「保険者算定」とは、一般的な算定方法によって報酬月額が算定できない場合や算定結果 が著しく不当になる特別な場合には、保険者が9月以降に受けると予想される報酬(修正 平均したもの)の額を算定して、保険者が標準報酬月額を決定することをいいます。
年間保険者算定に関する質疑
問1 当年度4月、5月に業務量の増大があり、前年7月~当年6月の平均額に基づく標準報酬月 額が当年4月~6月の平均額に基づく標準報酬月額に比べ2等級以上低くなる者がいます。 ちなみに業務量の増大は当年に限ったもので通常の年はそうではありません。この場合、保 険者算定の対象となりますか。 保険者算定の対象となりません。今回追加された保険者算定は、例年4月~6月の間に繁忙期に なる事業所、事業所の一部署に勤務する被保険者に限られます。たまたま、当年のみ忙しい場合に は該当しません。 問2 事業所のどの単位で判断するのですか。 報酬変動が起こる部署を単位として対象とします。適用事業所全体について報酬変動が起こる場 合は、適用事業所に勤務する従業員全体が判断対象となり、一部の部署のみが繁忙期にあたる場合 には当該部署のみが判断対象となります。 問3 前年7月~当年6月までの間の報酬月額の平均を計算する際、計算対象に含める月の基準は どのようなものですか。 支払基礎日数が17日以上の月を対象として報酬月額の平均を計算します。パートやアルバイト の方で、当年4月~6月のうちに支払基礎日数が17日以上の月がないために、支払基礎日数が1 5日以上17日未満の月で報酬月額の平均を計算した場合は、支払基礎日数が15日以上の月を対 象として、前年7月~当年6月の報酬月額の平均を計算します。 問4 4月から6月までの支払基礎日数が全て17日未満である等の事情により、従来は、従前の 標準報酬月額を用いて定時決定を行っていた場合は、今回追加した保険者算定の対象となり ますか。 4月から6月までの支払基礎日数が全て17日未満である場合は、定時決定の方法によって報酬 月額を算定することが困難な場合に当たるため、今回追加した保険者算定の対象とはせず、従前の標準報酬月額を用いることとなります。なお、従前の標準報酬月額を用いて定時決定を行う場合は、 他に以下のような場合が考えられます。 ① 4月から6月までの全ての月で低額の休職給を受けた場合 ② 4月から6月までの全ての月でストライキによる賃金カットを受けた場合 ③ 休業などにより、4月から6月までの全ての月で報酬を全く受けなかった場合 ④ パート・アルバイトの方で、4月から6月までの支払基礎日数が全て15日未満である場合 問5 前年7月~当年6月までの間に、前年6月分以前給与の遅配、昇給が数ヶ月遅れ、遡及して 数か月分を一括で受けたりする場合どのように取り扱えばよろしいか。 ① 前年6月分以前に支払うべきであった給与の遅配分を前年7月~当年6月までに受けた場 合 ⇒遅配分にあたる報酬の額を除いて、報酬月額の平均を計算します。 ② 前年7月~当年6月までの間に本来支払うはずの報酬の一部が当年7月以降に支払われる ことになった場合 ⇒本来支払うはずだった月を計算対象から除外して、報酬月額の平均を計算します。 問6 前年7月~当年6月までの間に固定的賃金変動が起こった場合はどのように取り扱えばよ ろしいか。 前年7月~当年6月までの間に固定的賃金変動が起こった場合でも、報酬月額の平均の計算対象 となる月であれば、固定的賃金変動が反映された報酬も含めて報酬月額の平均を計算します。 問7 前年7月~当年6月までの間に、今回追加された保険者算定の要件を満たす部署に異動した 被保険者は、どのように取り扱えばよろしいか。 前年7月~当年6月までの間に、今回の保険者算定の要件を満たす部署に異動した場合でも、報 酬月額の平均の計算対象となる月であれば、異動前の部署で受けた報酬も含めて報酬月額の平均を 計算します。
問8 被保険者資格を取得した月によって、取扱いに違いはありますか。 ① 当年3月までに資格取得した方は対象となります。 ② 当年4月~5月までに資格取得した方は対象となりません。当年4月~5月までに資格取得 した方は、当年3月までの間に、一年間の報酬月額の平均の計算対象となる月が一月も確保 されていないからです。 ③ 当年6月に資格取得した場合は、そもそも当年度の算定基礎届の対象外です。 問9 一時帰休中の者に対し、今回追加した保険者算定の取扱いは適用できますか。 当年7月1日時点で一時帰休が解消される見込みがあるかどうかによって判断します。 ① 当年7月1日時点で一時帰休が解消される見込みがある場合 ⇒今回追加した保険者算定を適用できます。4月~6月までのうち、一時帰休に伴う 休業手当等が支払われなかった月の報酬月額平均と、前年7月~当年6月(一時帰 休に伴う休業手当等を受けた月は除く。)までの報酬月額の平均を比較して、標準 報酬月額等級区分に2等級以上の差が生じれば対象となります。 なお、4月~6月の全ての月で、一時帰休に伴う休業手当等が支払われた場合は、 今回追加した保険者算定の対象外となります。 ② 当年7月1日時点で一時帰休が解消される見込みがない場合 ⇒今回追加した保険者算定を適用できません。 問 10 今回追加された保険者算定の取扱いを適用するために、報酬月額の年間平均の対象となる 月の基準を満たす月数は何ヶ月以上必要ですか。 前年7月~当年3月までの間に、少なくとも一月以上確保されている必要があります。
問 11 標準報酬月額等級区分に2等級以上の差が生じない場合でも、今回追加された保険者算定 の取扱いを適用すべき場合はありますか。 以下の事例に該当する場合には、1等級差でも対象となります。 〈健康保険〉 ① 4~6月の報酬月額の平均と前年7月~当年6月までの報酬月額の平均の、いずれか片 方の額が124.5万円以上、もう片方の月額が111.5万円以上117.5万円未 満の場合 ② 4~6月の報酬月額の平均と前年7月~当年6月までの報酬月額の平均の、いずれか片 方の額が5.3万円未満、もう片方の月額が6.3万円以上7.3万円未満の場合 〈厚生年金保険〉 ① 4~6月の報酬月額の平均と前年7月~当年6月までの報酬月額の平均の、いずれか片 方の額が63.5万円以上、もう片方の月額が57.5万円以上60.5万円未満の場 合 ② 4~6月の報酬月額の平均と前年7月~当年6月までの報酬月額の平均の、いずれか片 方の額が9.3万円未満、もう片方の月額が10.1万円以上10.7万円未満の場合 問 12 4月に定期昇給を行い、それにより7月に月額変更届の提出要件を満たす従業員がいます が、その従業員についても1年間の報酬月額の平均による保険者算定を行えますか。 行えません。4月から6月までの期間に、定期昇給等により固定的賃金の変動が起こり、従前 の標準報酬月額等級と比較し2等級以上の差が生じた結果、7月から9月までのいずれかの月を 改定月とする随時改定(月額変更)が行われる場合は、随時改定が定時決定(算定基礎)に優先 するからです。