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東京都教職員研修センター「国際理解教育Ⅱ」               8/5

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東京都教職員研修センター「国際理解教育Ⅱ」指導事例等の理解と指導の改善 8/5.2008

「国際理解教育」の課題と方法―今、ここから考える―

東京学芸大学教職大学院 教授 成田 喜一郎 1 はじめに 2 「国際理解教育」の課題 (1)「国際理解教育」の現状を共有する ①なぜ、今、あなた(わたくし)はここにいるのか? ・教師のライフヒストリーの中で考える ②あなた(わたくし)の視点や立場からみた「国際理解教育」とは? ・個=あなた(わたくし)自身の視点、学校における立場に立って考える ③あなた(わたくし)のまわりの人々の意識はどうか? ・児童生徒、同僚、保護者・地域の人々の意識を探る (2)「国際理解教育」の課題を明らかにする ①今、「国際理解教育」が置かれている現状・位置をつかむこと ・様々な現代的教育課題の中の「国際理解教育」

持続可能な社会(発展・開発)のための教育 Education for Sustainable Development ESD → 別紙資料及び巻末参考資料 参照

②今、児童生徒(わたくしたち)に今求められる「国際理解教育」の視点や方法を探 ること

・多様性 Diversity への、「知識 knowledge」、「スキル skills」、「気づき・自覚 awareness」そして、「変革 change」という視点と、その方法を探る

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3 「国際理解教育」の方法 (1)「国際理解教育」カリキュラムの開発 ①持続可能な社会(発展・開発)のための教育 ESD の中に位置づける ・ ESD とは、地球・地域の人類・人々が、歴史的現在、次世代への生存・持続 可能性をかけた選択をするために、多様でつながり合う現代的課題に気づき、 つながりかかわり合う知識とその課題解決のためのスキルを身に付け、現状変 革への意欲・行動を引き出すための教育である。 ・ 多様でつながり合う現代的課題とは、地球・地域の自然環境の破壊、資源・エ ネルギー問題、テロや戦争、国家・地域間や一国内の経済格差の拡大、人種・ 民族・性などの違いと差別・偏見、病気や食・薬への不安、内外の犯罪・いじ め・虐待・ハラスメントなど、地球・地域における人類・人々が抱え、なおか つ次世代の生存・持続可能性を阻む可能性のある課題を言う。 ・ これらの現代的課題を理解し、解決するためには、人間をいかに理解するか、 文化をいかに理解するか、いかにコミュニケーション能力を身に付けるか、い かに世界的な視野を広げるかという「国際理解教育」の視点が不可欠である。 ・ 人間理解・文化理解・コミュニケーション能力の育成・世界的視野の育成に共 通する視点は、多様性 Diversity への気づきと知識・スキル、そして変革への 意欲・行動である。 ②国際バカロレア・ミドルイヤーズ・プログラム MYP を援用する ・ 各教科・領域等を貫く3つのコンセプトを各校の教育課程に位置づけたい Holistic learning(全人全連関的な学習=あらゆるひと・もの・ことなどと のつながりに気づき、知識・スキルを身に付け、変革への意欲・行動を引 き出すこと、「環境との共生」「他者・社会との共生」「自己との共生」) Intercultural awareness(異文化間認識、自(国・地域)文化の相対化) Communication(対話(ペア、個と集団)・伝達・通信、) ・ 各教科・領域等で取り組む5つの領域をヒントに各学校で設定したい Approaches to learning(学び方)→学校図書館の活用

Community and service(地域社会・奉仕的活動)→地域安全・清掃活動 Homo faber(工作・創造する人)→ものづくり、創作・表現活動

Environment(環境)→環境、消費、省エネルギー、日常生活

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(2)「国際理解教育」の方法―実践事例紹介:多様性 Diversity への気づきを中心に― ①「お願い、地雷をとらないで!」(中学校社会科地理・特別授業):昨年度紹介 ・ カンボジアのある村の農民たちが地雷除去 NGO の人々に求めたこと! ・ NGO「これから市場へ続く道の地雷除去をします。」 →農民「いいえ、まず、お寺に行く道の地雷を除去してください。」 【設問1】それは、いったいなぜだったのでしょうか。 ・ NGO「この村の農地に埋まっている地雷を除去します。」 →農民「お願いです。私たちの農地にある地雷をとらないでください。」 【設問2】なぜ、農民はそんなことをお願いしたのでしょうか。 ・ NGO の方々も教師であるわたくしも「なぜ?」と本質的な問いを自ら浴びせ られる。子どもたちとともに、文化への理解、経済開発のあり方について学び、 考えたい。 ②「同時代を生きる世界の子どもたちとのつながりを求めて」(中学校道徳) ・ アフリカの国々に生きる子どもたちと日本に生きる子どもたちとの「対話」 ・ 「飢餓」に見舞われているアフリカの国々に暮らす子どもたち(1時間の授業 が終わるまでに何人が飢え死にしているか)、「飽食」日本に暮らす子どもたち との「対話」:事実認識

・ NGO「Are you happy?」と尋ねた。

→エチオピアの子ども「Yes , I am happy.」と答えた。 ・ 「幸せ」とは何か、子どもたちもわたくしたち教師もともに考える。 ・ 1990 年、岩手県旧沢内村(現西和賀町)の太田祖電村長が教えてくださった 「幸せ」の公式を伝えたい。公式【幸せ= 】:生き方・価値観 ②「懐かしい未来―ラダックに学ぶ―」(中学校社会科公民) ・ インド北部にあるラダック地方は 1970 年代からわずか 20~30年で急激 な経済・社会開発が進む。=生活時間・居住空間・人間関係の変化、地産地消・ 自給自足・循環型経済の生産生活者から貨幣・流通経済の消費生活者への変化、 地域環境の汚染・破壊、近代的な学校システムのもたらす競争・対立 ・ 1975 年、ツワン・パルジョーさん「ここには貧困などない」 ・ 1983 年、ツワン・パルジョーさん「ラダックの人を助けてください。こんな に貧しいわたしたちを。」 ・ 同じ人物のこの発言の変化は何を意味しているのか。 ・ 1981 年、ラダック開発長官「もしラダックをこれから開発しようとするなら、 ここの住民にいかに〔 〕を抱かせるかという問題を解かなければ ならない。」と述べている。 ヘレナ・ノーバーグホッジ(2003)『ラダック 懐かしい未来』山と渓谷社 DVD『懐かしい未来 ラダックから学ぶこと』創造の広場

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③日本の学校で当たり前のように毎日行われている〔 〕、世界の国々の 学校ではどうしているのか。その歴史的文化的背景を考える。(道徳・特別活動) ・ 西欧・アメリカでは? 〔 〕 ・ 旧ソ連・社会主義国では? 〔 〕 ・ 日本やアジアでは? 〔 〕 学校・教室の中に潜む異文化理解=自文化理解学習についてふれてみたい。 ④多様性 Diversity トレーニング ワークショップへの誘い 森田ゆり(2000)『多様性トレーニングガイド』解放出版社 中野民夫(2001)『ワークショップ』岩波新書 4 結びにかえて

参考資料

A 図「ESD の構造イメージ」 NPO「ESD-J」ホームページより引用 http://www.esd-j.org/whatsesd/(8/1.2008 取得・確認)

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B 図「国際理解教育と多様性 Diversity」 人間理解 図「国際理解教育と多様性 Diversity」(筆者が作成) 世界的な 視野の 育成 コミュニケーション能力の育成 多様性 Diversity への気づき・知識・ スキル・変革への意欲と行動 文化理解

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C 図「対話の条件」

批判的

思考

希望

信用

信頼

謙虚さ

対 話

の条件

パウロ・フレイレ(1979)『被抑圧者の教育学』亜紀書房をもとに筆者が作成

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D 多様性トレーニングの理論と方法 ①多様性(Diversity) 個性 人種・障害・性・性的指向・年齢・部落・被害体験・国籍 居住地域・地位・既婚未婚・収入・宗教・学歴・外見容姿....... ②多様性(Diversity)実現への取り組み ビジョン(理念・展望)・ポリシー(法律、規約・施策)・プラクティス(実践) 多様性トライアングル by Yuri Morita ビジョン 形を与える エンパワーする 新しい いのちをを与える 創造する 支える ポリシー プラクティス 改正する 実践 ③多様性(Diversity)の受容 気づき(awareness) 変化への意欲(change) 多様性受容力 行動・態度の変容 知識(knowledge) スキル(skills) 森田ゆり(2000)『多様性トレーニングガイド』解放出版社,pp20-43

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森田ゆり(2000)『多様性トレーニングガイド』の構成 理論編 1 多様性の理論 ①多様性・多文化共生とは何か ②差別する側 VS される側の図式を超えて ③エンパワメントと人権 ④多様性トライアングル ⑤文化の意味 2 参加型体験学習の理論と方法 ①トレーニングとは何か ②多様性受容力 ③すぐれたトレーニングの4つの要素 ④トレーナーに求められる7条件 ⑤トレーナーに必要な道具 実践編 3 アイス・ブレーカー 4 気づきのトレーニング ①異質な文化に心をひらく ②男女の性差について考える ③性的マイノリティーについて考える ④セクシュアル・ハラスメント防止研修 ⑤障害の壁を降ろす 5 知識のトレーニング ⑥多文化リテラシー 6 スキルのトレーニング ⑦スキルの意味 ⑧コミュニケーションとは何か ⑨コミュニケーションの仲介者 ⑩アサーティブネス・トレーニング ⑩対立解消プログラム ⑪多様性社会に求められるリーダーシップ ⑫若いリーダーシップの育成 ⑬相談・苦情窓口の相談員に必要なスキル ⑭ロールプレイのやり方 7 その他の多様性・人権研修モデル ※やさしいアクティビティー1~55 が各章・節にある。

参照

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