旭川は、みなさんもご存知のとおり市内 の川の中では最も生き物が豊かな川で す。ところが市の方では、わずかに残さ れた土水路をコンクリート化する計画 を立てています。旭ヶ丘方面から旭中に いく道路より上流側の部分です。 これは我々としては黙って見過ごす 訳には行かない大問題ですから、3 月上 旬に管轄する都市部長宛に提案書を提 出しました。その概要をお知らせします。 市がどうしても工事が必要だという 根拠は、田んぼが冠水して稲に被害が出 ることと、田んぼを乾田化したい農家の 要請があるためだと思われます。 そこで、先ず完水被害については、5 系統の水路を 1 本に集めて道路の下を 潜らせているために、ここがネックにな って、大雨が降ると溢れてしまうのだか ら、集中した水路を分離したらどうか、 と提言しました。 次に、改修工事のやり方については、 以下の4通りの提案をしました。 ① 現状のまま残すのが最善の方法 である。 ② 次善の方法は、法(ノリ)面だけ を蛇籠などで補強するに止め、川 底は土のままにする。 ③ 水路の両側に散在する休耕田に、 水嵩が増したときに溢れた水を流し込むよ うな構造にする。 ④現在の水路の下に、排水用のパイプを埋 設し、2 段式水路にする。というものです。 現状のままのしておくという①の方法を 選んだ場合、被害が出ることもあるわけで すが、その場合にはもちろん補償するので すが、巨額な工事費に比べればはるかに少 ない金額で済むので、長期的に見ても市の 財政にとって有利である、という考えです。 これは任海さんの持論です。このような考 え方をすべき時代になっているのではない でしょうか。 ④ は乾田化の要求の対応できると同時 に、生き物にやさしい環境を維持できる方 法で、農業土木の専門家である根岸さん(仙 台市在住の会員)の提案です。精密な図面 もついています。既にコンクリート化され た部分を復活させる場合にも応用できるア イディアだと思います。 付言として、白濁した水が流れているの を見たことがあったので、これに対する注 意喚起をしました。また、水路の随所に見 られる段差に魚道を設けて欲しい旨の要望 を付け加えました。 まだ、回答はありません。誠意のある対 応を切望しています。
とりもどそう!生きものの“にぎわい”がある自然環境を!
めだか新聞
第 13 号 2004 年 4 月
発行:四街道メダカの会 代表:小池正孝 四街道市つくし座3−6−5 ℡:043−421−1735 http://www.geocities.jp/owa_y/旭川をコンクリート化するな!
小池正孝
栗山鳥ノ下自然公園つくりに参加して 栗山の楠岡さんが、提供してくださっ ている栗山鳥ノ下にあるメダカ池やト ンボ池を中心にビオトープ「栗山鳥ノ下 自然公園」が一応の完成をみました。こ の作業の参加された方々の感想を掲載 いたします。(順不同) <栗山ビオトープ整備に寄せて> 鶴田輝之(さちが丘) 四街道の里山景観に、子供の頃の昔を 思い出し癒されておりますが、ホタルを 見ることのできる場所として密かに親 しんでいた場所にビオトープの計画が あると聞き、お手伝いをしています。 アシ原の湿地を一部攪乱し、木道を整 備したことで、現在も見られるタコノア シ(環境省絶滅危惧種)、アカバナなど 湿地固有の植物の生育が保障されたこ とや“土壌シードバンク”から例えば、 以前に見ることができた可愛い花のミ ズオオバコなどの復活の楽しみが出て きました。 <自然公園作りに参加して> 佐藤啓司(千代田) 里山という名称はいつの頃から使わ れ始めたのだろう。今では、普通に使わ れている里山が、開発という名の下に斜 面林を切り崩し、田を埋め、次々と家が 建ち始め、昔から慣れ親しんできた風景 が次々と消えていく中で生まれた言葉 だと思う。 今、また、里山が変わり始めた、それ は開発ではなく、ただ放置されることに よって。何百何千年と人との関りによっ て作られた風景が荒れはじめたのです。 鳥ノ下は四街道で開発を免れた数少 ない里山です。ここに子供たちが自然の 中で遊べる公園を作るので参加しませ んか、と声を掛けられたのは昨年の初夏 の頃でした。会社を早期退職し、時間に 余裕ができたことと、トンボ池をつくると の言葉に興味を抱いたのです。生い茂る草 を刈ったり、木道を作ったりする作業の中 で、葦に覆われていた単調な植生の休耕田 が多種の植物に変わり、それに合わせて確 実に虫たちの種類も増えているようです。 今春、温み始めた水にメダカの群れが見 られます。子供の頃、普通に見ることがで きた景色が蘇ってきました。もうすぐトン ボも飛び始めることでしょう。子供たちが ザリガニを釣る季節がまたやってきます。 当初の目的である自然の中で遊んで無患 子(ムクロジ:患う子が居ないの意)の一 歩が始まったばかりですが、鳥ノ下で汗を 流していると無患心(心の患いが無い)と なった自分がそこに居ました。 <栗山のビオトープつくりに参加して> 坂本武志(大日) 四街道に移り住んでから十年ほどになる が、まだ多くの自然が残っていると感じて いる。転居前には西千葉に住んでいて、息 子が幼少の頃には、こどもの足でも 30 分で ザリガニが釣れる田圃やトンボ採りの出来 る野原が広がっていた。30 年経った今では、 住宅地に変貌し、その名残は完全になくな っている。 現在、健康維持のため、降雨の日を除き、 手繰川の浮土橋周辺まで早朝 1 時間半ほど あるいているが、ここには里山の風景があ り、季節ごとに様々な野鳥が飛び交う姿や 多くの野草を観ることができる。この 4 月
には、夜明け前の暗闇で狸に出合ったり、 居付きのカルガモが 2 組川面に泳いで いたり、また、コジュケイの「チョット 来い」という大きな囀りが聞こえる。 今回、ビオトープ公園づくりに参加し、 葦原の掘り起こしや木道の設置などを したが、いったん壊された自然を取り戻 すのは根気のいるものである。東京の多 摩川の鮎が戻ってきたようにこれから 先も続けていきたいと思っている。 <栗山ビオトープつくりに参加して> 河合三千隆(つくし座) 私が初めてビオトープつくりに参加 したのは、昨年の十月二十三日のことで した。その前日、鹿島荘で開かれた「つ くし座いずみ会(老人クラブです。)」で 偶然ご一緒した小池さんの「メダカ池周 辺の草刈に手を貸して欲しい」との話が きっかけでした。当初は軽い気持ちで出 かけたのですが、そこで目にしたものは、 黙々と作業に取り組む人たちの真摯な 姿でした。自然を愛する人たちの仲間入 りが出来て本当に良かったと思うと共 に、この出合いを大切にしたいと思いま す。