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著者

峰尾 美也子

雑誌名

経営論集

73

ページ

85-101

発行年

2009-03

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00004566/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

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社会指標と小売構造・成果指標の分析と考察

峰 尾 美也子

Ⅰ はじめに-問題意識と研究課題- Ⅱ 総合的社会指標と小売成果 Ⅲ 小売構造と小売成果の経年的変化 Ⅳ おわりに-要約と課題-

Ⅰ はじめに

-問題意識と研究課題- 拙稿(2008b)において,効率性の代表的尺度である小売労働生産性を中心に,地域の総合的社会 指標というかたちを用いることで,社会経済的環境との関係に関して分析・考察を行った結果,清 水(1988)に基づき検討された社会的・経済的状況を示す総合的社会指標は,最近の約 10 年間のう ちにその性格を大幅に変え,「都市性」「安定性」「地方性」の3つの主成分にまとめられることが明 らかになり,その上で,小売労働生産性の規定要因としての因果関係の分析が行われた。 最近約 10 年間では,地域の総合的社会指標に大幅な変化が生じたのみならず,小売業との因果関 係においても大きな変化が生じている。具体的には,1998 年の大店立地法の制定,2000 年の大店立 地法の施行および大店法の廃止,2006 年の改正中心市街地活性化法と再度の改正都市計画法の成立1 など,流通政策の大転換がなされた時期なのである。そのため,地域の総合社会指標を用いて地域 をより細分化して検討を加えた上で,最近の約 10 年間を中心に変化の詳細を考察することが課題と して残されていた。 かくして,本論文は,この残された課題に対して分析・考察を行うものとなる。

Ⅱ 総合的社会指標と小売成果

1.新たな地域社会指標の検討 拙稿(2008b)では,最近約 10 年間の社会経済的変化を表わす重要な変数として,情報化社会の 進展,地域格差の進展,高齢化社会の進展,大型小売店の発展による地域の社会的・経済的環境の 変化などが重要な要素であると捉え,これらの要素を示す指標を中心に,関連する新たな指標と考 えられる 12 変数を追加した全 62 個の個別社会指標による分析が行われた。結果は【図表1】にま とめられ,第1主成分は「都市性」,第2主成分は「安定性」,そして第3主成分は「地方性」の因 子と命名された2 。

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【図表1】因子負荷量(『民力2007年版』データ) № 個別社会指標(変数) 第1主成分 第2主成分 第3主成分 3主成分共通度 1 1万人あたり社会福祉施設数 -0.77 -0.11 0.37 0.74 2 1000 人あたり病床数 -0.54 -0.45 0.47 0.71 3 住宅1室あたり人数 0.54 -0.48 -0.33 0.63 4 小中学校生徒 100 人あたり教員数 -0.77 -0.17 0.33 0.74 5 100 万人あたり図書館数 -0.50 0.34 0.45 0.57 6 10 万人あたり犯罪発生件数 0.79 0.04 -0.16 0.65 7 1000 人あたり交通事故件数 0.16 0.15 -0.09 0.06 8 勤労者1世帯1カ月あたり可処分所得 -0.12 0.65 0.30 0.53 9 大卒男子初任給 0.78 0.37 0.07 0.75 10 第一次産業就業者比率 -0.84 -0.26 0.07 0.77 11 第二次産業就業者比率 -0.09 0.88 -0.23 0.83 12 第三次産業就業者比率 0.59 -0.66 0.17 0.83 13 失業率 0.28 -0.78 -0.15 0.71 14 零細小売店店舗数比率 -0.63 -0.16 0.22 0.47 15 100 万人あたり医薬品・化粧品店店舗数 -0.45 -0.06 0.49 0.44 16 100 万人あたり小売店舗数 -0.75 -0.08 0.48 0.80 17 100 万人あたりスーパーマーケット数 -0.21 0.36 0.04 0.18 18 1卸売・小売店あたり年間売上高 0.76 -0.03 0.44 0.77 19 1スーパーマーケットあたり年間売上高 0.42 -0.32 0.14 0.30 20 1百貨店あたり年間売上高 0.85 -0.14 0.19 0.78 21 百貨店売上比率(対小売総額) 0.74 -0.24 0.40 0.77 22 スーパーマーケット売上比率( 対小売総額) 0.24 -0.23 -0.07 0.12 23 100 万人あたり広告代理業数 0.13 0.09 0.75 0.58 24 1事業所あたり就業者数 0.86 0.18 -0.03 0.77 25 1工場あたり年間出荷額 0.13 0.25 -0.29 0.16 26 100 人あたり加入電話数 0.88 0.03 0.37 0.91 27 舗装率 0.22 0.00 0.38 0.19 28 男女比率(男/女) 0.64 0.39 -0.47 0.78 29 人口伸び率 0.83 0.07 -0.25 0.75 30 人口密度(人/㎢) 0.83 -0.06 0.29 0.79 31 1世帯あたり人数 -0.49 0.60 -0.30 0.69 32 100 人あたり消費者団体参加人数 -0.36 -0.02 0.15 0.15 33 10 万人あたり病死者数 -0.80 0.00 0.48 0.88 34 大学志願率 0.77 0.41 0.16 0.78 35 投票率(衆議院選挙) -0.51 0.39 0.25 0.48 36 普通生命保険1件あたり金額 0.04 0.58 -0.08 0.35 37 火災保険1件あたり金額 0.17 0.49 0.12 0.28 38 勤労者 1 世帯1カ月あたり消費支出 0.00 0.70 0.23 0.54 39 勤労者食料費比率(対消費支出) 0.54 -0.20 -0.19 0.37 40 勤労者雑費比率(対消費支出) -0.16 0.47 0.37 0.39 41 1人あたり預貯金残高 0.45 0.51 0.45 0.67 42 四輪乗用車所有率 -0.55 0.42 -0.41 0.65 43 1人あたり百貨店年間売上高 0.78 -0.19 0.40 0.81 44 1人あたりスーパーマーケット年間売上高 0.37 -0.11 0.19 0.18 45 1人あたり医薬品・化粧品店年間売上高 0.16 -0.13 0.44 0.23 46 10 万人あたり海外渡航者数 0.92 0.25 -0.01 0.91 47 1人あたり輸送機関年間利用回数 0.88 -0.06 0.32 0.88 48 1人あたり郵便引受数 0.74 0.02 0.49 0.79 49 1000 人あたり自府県内人口移動 0.57 -0.58 -0.07 0.67 50 人口転出率(転出者/転入者) -0.81 -0.11 0.15 0.69 51 人口集中率 0.89 -0.26 0.00 0.86 52 65 歳以上世帯比率 -0.88 0.25 0.24 0.89 53 65 歳以上人口比率 -0.81 0.04 0.47 0.88 54 共働き世帯比率 -0.66 0.65 -0.05 0.86 55 労働者平均給与 0.74 0.43 0.08 0.74 56 物価格差 0.70 0.20 0.29 0.61 57 100 世帯あたりパソコン保有台数 0.65 0.57 0.03 0.75 58 パソコン所有率 0.64 0.54 0.04 0.70 59 情報化率 0.75 0.32 0.47 0.90 60 地価(住宅地) 0.88 0.01 0.32 0.88 61 大型小売店店舗数比率 0.43 0.28 -0.54 0.55 62 大型小売店売上比率(対小売総額) 0.82 -0.01 -0.08 0.67 固有値 寄与率(%) 累積寄与率(%) 24.472 39.471 39.471 8.236 13.284 52.755 6.039 9.740 62.494

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また,「都市性」「安定性」「地方性」の3つの総合的社会指標を用いて,小売構造と小売成果(小 売成果の指標である小売労働生産性)との因果関係を分析した結果は,【図表2】のとおりであった3 【図表2】地域社会指標と小売店舗密度,小売労働生産性間の規定関係 (注)実線…1%水準で有意,点線…非有意 これらは 47 都道府県全体に対して分析を行ったものであるが,社会的・経済的状況を示す総合的 社会指標が「都市性」「安定性」「地方性」という対照的な指標を含めた3つの主成分にまとめられ るということは,性格を異にする複数の地域に分類され,各地域において地域社会指標と小売構造, 小売成果間の規定関係も異なることが予測される。よって,次節において,地域社会指標に基づき 地域を細分化した上での検討を行う。 2.地域社会指標による47都道府県の分類 「都市性」「安定性」「地方性」という3つの地域社会指標に基づき 47 都道府県を分類すると,4 つのクラスター4に分類される。第1クラスターに属する地域は,北海道・青森県・宮城県・高知県・ 福岡県・長崎県・熊本県・宮崎県・鹿児島県・沖縄県の1道9県,第2クラスターに属する地域は, 岩手県・秋田県・山形県・新潟県・富山県・石川県・福井県・山梨県・長野県・和歌山県・鳥取県・ 島根県・山口県・徳島県・愛媛県・佐賀県・大分県の 17 県,第3クラスターに属する地域は,福島 県・茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・神奈川県・岐阜県・静岡県・愛知県・三重県・滋 賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・岡山県・広島県・香川県の2府 17 県,そして,第4クラ スターに属する地域は,東京都のみであり,各クラスターの特徴は,【図表3】にまとめられる。 0.32 0.48 -0.75 0.64 0.34 -0.48 小売店舗密度 小売労働生産性 地方性 都市性 安定性

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【図表3】地域社会指標による都道府県の分類 度数 平均値 特徴 主成分1(都市性) -0.337 主成分2(安定性) -1.490 第1クラスター 10 主成分3(地方性) -0.096 主成分2(安定性)の低さが顕著である地域。 主成分1(都市性) -0.698 主成分2(安定性) 0.436 第2クラスター 17 主成分3(地方性) 0.484 主成分2(安定性)および主成分3(地方性)が 高い一方,主成分 1(都市性)が低い地域。 主成分1(都市性) 0.615 主成分2(安定性) 0.404 第3クラスター 19 主成分3(地方性) -0.576 主成分1(都市性)および主成分2(安定性)が 高い一方,主成分3(地方性)が低い地域。 主成分1(都市性) 3.552 主成分2(安定性) -0.199 第4クラスター 1 主成分3(地方性) 3.676 主成分1(都市性)および主成分3(地方性)が 極めて高い地域。 【図表3】の結果から明らかなように,東京都のみが属する第4クラスターは,都市性と地方性 といった本来であれば正反対の要素を示す2つの指標が,ともに極めて高い数値を示している。つ まり,東京都に関しては,同じ都内であっても地域差が非常に大きく,複雑多岐にわたる社会経済 的指標が混在している,他の地域には見られない特記すべき地域であることが推測されるため,集 計レベルを市区町村レベル等にまで落として,より詳細に分析・検討する必要があろう5 。

Ⅲ 小売構造と小売成果の経年的変化

清水(1999)は,『民力 1977 年版』のデータを中心とする第 1 期研究と『民力 1980 年版』データ 中心である第2期研究の分析結果の妥当性をテストするために,『民力 1998 年版』の新たなデータ を用いて継続研究を行い,ほぼ 20 年後のデータによる第3期研究においても,地域社会の諸特性は, その性格に力点の変化を見せながらも,都市性,飽和性,零細性の3つの総合社会指標で代表しう ると結論づけることができ,若干の時間的変動はあるにせよ,基本的にみて,日本の社会経済的特 性には時間的安定性が存在することを示していると指摘していた6 。しかしながら,『民力 2007 年版』 から,清水(1988)および(1999)が提示・分析を行った 50 変数を選択し,同じく主成分分析を行っ た結果,第 1 主成分にさらに多くの変数が偏り,かつ,第2主成分と第3主成分においては符号の 逆転が多数生じているなど数字上の顕著な変化が見られ,このことは,最近約 10 年間で社会経済的 に大きな変化が生じていることを示唆しているのであろうと拙稿(2008b)において指摘したので あった7 。 かくして,本章においては,時間的安定性を示していたと指摘されていた 1980 年代から 1990 年代 までとともに,最新の 2007 年までのデータを用いて,約 20 年間(1985 年から 2007 年)に,小売業 の構造と成果に関して如何なる変化が生じてきたのかという問題に対する分析および考察を行う。 分析を行うにあたり,小売業の構造と成果の関係を,『商業統計表』から得られるデータによって

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分析する際のプロトタイプを提案している田村(1973)の研究概要をレビューする。 1.田村(1973)による都市小売商業の構造・成果分析のレビュー 田村(1973)は,商業統計に関するいくつかの問題点を利用に際して注意すれば,商業統計を利 用して種々な分析を行うことが可能である8とし,居住人口(P),商店数(T),売場面積(M),従 業員数(E),販売額(S)の5つの主要な要素を組合せ,都市の小売商業の構造と成果に関する指 標を整理した上で,その因果関係に基づいて分析・考察を行ったものである。 まず,居住人口(P),商店数(T),売場面積(M),従業員数(E),販売額(S)の5つの要素を 分子と分母として2つずつ組合わせることによって 20 個の異なる指標を作成することができるが, その中で理論的に有意味なものとしては【図表4】に示される 12 個の指標に限定されるとしている9 【図表4】小売商業の構造と成果変数における有意味な指標と概念変数の対応関係 概 念 変 数 指 標 構造変数 平均店舗規模 店舗密度 売場面積密度 店舗支持人口 売場面積支持人口 人的サービス率 省力化度 (1)1店あたり従業員数 (2)1店あたり売場面積 (3)1店あたり販売額 居住人口1人あたり商店数 居住人口1人あたり売場面積 1店あたり居住人口 売場面積あたり居住人口 売場面積あたり従業員数 従業員1人あたり売場面積 E/T M/T S/T T/P M/P P/T P/M E/M M/E 成果変数 労働生産性 売場効率 吸引度 従業員1人あたり販売額 売場面積あたり販売額 居住人口1人あたり販売額 S/E S/M S/P 【出所】田村(1973),p.78,第2表。 まず構造変数に関しては,1店あたり従業員数,1店あたり売場面積,1店あたり販売額の3つ は平均店舗規模の代表的指標であるが,いずれが最も適切な平均店舗規模の指標であるかという点 に関する確答はなく,かつ3つの指標間にはかなり高い相関関係があるため,3つの指標のうち1 つを分析に際しては用いればよい点,店舗密度と売場面積密度はかなり相関の高い構造変数である が,行動的な含みを考えれば,これら2変数は異なる2つの構造次元を表わすものと考えられる点, 店舗支持人口と売場面積支持人口は,それぞれ店舗密度および売場面積密度と逆数関係にあたり, 店舗密度と店舗支持人口,および売場面積密度と売場面積支持人口はそれぞれ代替関係にあるため, 分析においては,店舗密度か店舗支持人口のいずれか1つ,また売場面積密度か売場面積支持人口 のいずれか1つを使用すればよい点,人的サービス率と省力化度は逆数関係にあるため,分析にあ たってはいずれか1つを使用すればよい点を指摘している。つまり,9つの指標は{E/T,M/T,S/T},

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{T/P,P/T},{M/P,P/M},{E/M,M/E}の4つの組に分割することができ,小売商業構造の分析 にあたっては,4つの組の各々から1つずつの指標を選択すればよいことになるとしている10 次に成果変数に関しては,労働生産性と売場効率は,それぞれ,労働および物というインプット に対する販売額というアウトプットの比率になっているのに対し,吸引度の指標としての居住人口 1人あたり販売額は,その都市の小売商業が吸引した市場の大きさを表しているため,3つの別個 の次元であるとしている11 かくして,前述の4つの組({E/T,M/T,S/T},{T/P,P/T},{M/P,P/M},{E/M,M/E})から 1つずつの指標を含むとともに,3つの成果変数を含むことが必要であり,このことによって,都 市小売商業の構造と成果を全体として分析することができる12としているのである。 2.小売商業の構造・成果の因果関係における変化の分析13 前節でレビューした田村(1973)に基づき,本論文においては,【図表5】に示される因果モデル を用いたパス解析が,1985 年,1988 年,1991 年,1994 年,1997 年,1999 年,2002 年,2004 年, 2007 年の9年分の 47 都道府県についてのクロスセクション・データ14を用いて行われる。 パス解析の結果は【図表6】に,店舗密度・平均店舗規模・人的サービス率・労働生産性・売場 面積密度・売場効率の総合効果(直接効果と間接効果)は【図表7】にまとめられたとおりである。 【図表5】小売構造・成果の分析モデル 店舗密度 人的サービス率 平均店舗規模 労働生産性 売場面積密度 売場効率 吸引度 e1 e2 e3

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【図表6】小売構造・成果の因果関係における分析結果 1985 年 1988 年 1991 年 1994 年 1997 年 -0.799 -0.943 -1.005 -1.101 -1.165 57.613 64.731 71.337 83.908 92.738 定数項(切片) 店 舗 密 度→売場面積密度 平均店舗規模→売場面積密度 0.014 0.014 0.014 0.013 0.012 -1.087 -1.119 -1.307 -1.179 -1.193 16.277 16.475 20.582 19.237 20.758 定数項(切片) 人的サービス率→売場効率 労 働 生 産 性→売場効率 0.067 0.068 0.064 0.062 0.058 -0.718 -0.706 -0.830 -0.885 -0.971 0.950 0.902 1.015 0.977 1.036 非標準化 係数 定数項(切片) 売場面積密度→吸引度 売 場 効 率→吸引度 0.749 0.782 0.816 0.901 0.926 1.204 1.258 1.264 1.156 1.249 店 舗 密 度→売場面積密度 平均店舗規模→売場面積密度 0.879 0.931 0.947 0.904 1.022 0.545 0.516 0.564 0.672 0.711 人的サービス率→売場効率 労 働 生 産 性→売場効率 0.723 0.709 0.712 0.578 0.607 0.979 0.873 0.828 1.107 1.042 標準化 係数 売場面積密度→吸引度 売 場 効 率→吸引度 1.335 1.385 1.401 1.486 1.264 0.972 0.974 0.979 0.988 0.977 0.996 0.994 0.992 0.994 0.995 重相関 係数の 平方 売場面積密度 売場効率 吸引度 0.979 0.950 0.956 0.945 0.982 χ2値のp 値 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 RMR 0.003 0.003 0.006 0.005 0.006 GFI 0.813 0.787 0.773 0.779 0.846 AGFI 0.418 0.336 0.292 0.313 0.522 AIC 86.008 110.063 109.644 104.329 68.263 1999 年 2002 年 2004 年 2007 年 定数項(切片) -1.208 -1.277 -1.344 -1.406 店 舗 密 度→売場面積密度 97.236 111.206 121.755 138.357 平均店舗規模→売場面積密度 0.012 0.011 0.011 0.010 定数項(切片) -1.122 -1.015 -0.982 -0.928 人的サービス率→売場効率 18.521 17.418 17.598 18.007 労 働 生 産 性→売場効率 0.061 0.059 0.056 0.052 定数項(切片) -0.883 -0.749 -0.758 -0.748 売場面積密度→吸引度 0.936 0.795 0.775 0.730 非標準化 係数 売 場 効 率→吸引度 0.937 0.945 0.976 1.024 店 舗 密 度→売場面積密度 1.268 1.197 1.287 1.252 平均店舗規模→売場面積密度 1.077 0.956 1.013 0.984 人的サービス率→売場効率 0.755 0.744 0.709 0.709 労 働 生 産 性→売場効率 0.517 0.483 0.484 0.496 売場面積密度→吸引度 1.109 1.253 1.247 1.278 標準化 係数 売 場 効 率→吸引度 1.325 1.484 1.557 1.606 売場面積密度 0.972 0.980 0.975 0.980 売場効率 0.996 0.995 0.996 0.995 重相関 係数の 平方 吸引度 0.979 0.963 0.960 0.960 χ2値のp 値 0.000 0.000 0.000 0.000 RMR 0.006 0.007 0.007 0.008 GFI 0.819 0.828 0.806 0.797 AGFI 0.438 0.465 0.395 0.368 AIC 75.158 75.767 87.144 85.887 (注)係数は全て0.1%水準で有意

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【図表7】店舗密度・平均店舗規模・人的サービス率・労働生産性・売場面積密度 ・売場効率の総合効果(直接効果と間接効果) 1985 年 総合効果 店舗密度 平均 店舗規模 人的 サービス率 労働生産性 売場面積 密度 売場効率 売場面積密度 57.613 0.014 0.000 0.000 0.000 0.000 売場効率 0.000 0.000 16.277 0.067 0.000 0.000 吸引度 54.705 0.013 12.184 0.050 0.950 0.749 1985 年 標準化総合効果 店舗密度 平均 店舗規模 人的 サービス率 労働生産性 売場面積 密度 売場効率 売場面積密度 1.204 0.879 0.000 0.000 0.000 0.000 売場効率 0.000 0.000 0.545 0.723 0.000 0.000 吸引度 1.179 0.861 0.727 0.966 0.979 1.335 1988 年 総合効果 店舗密度 平均 店舗規模 人的 サービス率 労働生産性 売場面積 密度 売場効率 売場面積密度 64.731 0.014 0.000 0.000 0.000 0.000 売場効率 0.000 0.000 16.475 0.068 0.000 0.000 吸引度 58.398 0.013 12.882 0.053 0.902 0.782 1988 年 標準化総合効果 店舗密度 平均 店舗規模 人的 サービス率 労働生産性 売場面積 密度 売場効率 売場面積密度 1.258 0.931 0.000 0.000 0.000 0.000 売場効率 0.000 0.000 0.516 0.709 0.000 0.000 吸引度 1.097 0.812 0.714 0.982 0.873 1.385 1991 年 総合効果 店舗密度 平均 店舗規模 人的 サービス率 労働生産性 売場面積 密度 売場効率 売場面積密度 71.337 0.014 0.000 0.000 0.000 0.000 売場効率 0.000 0.000 20.582 0.064 0.000 0.000 吸引度 72.417 0.014 16.790 0.052 1.015 0.816 1991 年 標準化総合効果 店舗密度 平均 店舗規模 人的 サービス率 労働生産性 売場面積 密度 売場効率 売場面積密度 1.264 0.947 0.000 0.000 0.000 0.000 売場効率 0.000 0.000 0.564 0.712 0.000 0.000 吸引度 1.046 0.783 0.789 0.998 0.828 1.401 1994 年 総合効果 店舗密度 平均 店舗規模 人的 サービス率 労働生産性 売場面積 密度 売場効率 売場面積密度 83.908 0.013 0.000 0.000 0.000 0.000 売場効率 0.000 0.000 19.237 0.062 0.000 0.000 吸引度 81.948 0.013 17.326 0.056 0.977 0.901 1994 年 標準化総合効果 店舗密度 平均 店舗規模 人的 サービス率 労働生産性 売場面積 密度 売場効率 売場面積密度 1.156 0.904 0.000 0.000 0.000 0.000 売場効率 0.000 0.000 0.672 0.578 0.000 0.000 吸引度 1.280 1.001 0.999 0.860 1.107 1.486 1997 年 総合効果 店舗密度 平均 店舗規模 人的 サービス率 労働生産性 売場面積 密度 売場効率 売場面積密度 92.738 0.012 0.000 0.000 0.000 0.000 売場効率 0.000 0.000 20.758 0.058 0.000 0.000 吸引度 96.086 0.013 19.218 0.053 1.036 0.926

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1997 年 標準化総合効果 店舗密度 平均 店舗規模 人的 サービス率 労働生産性 売場面積 密度 売場効率 売場面積密度 1.249 1.022 0.000 0.000 0.000 0.000 売場効率 0.000 0.000 0.711 0.607 0.000 0.000 吸引度 1.302 1.066 0.898 0.768 1.042 1.264 1999 年 総合効果 店舗密度 平均 店舗規模 人的 サービス率 労働生産性 売場面積 密度 売場効率 売場面積密度 97.236 0.012 0.000 0.000 0.000 0.000 売場効率 0.000 0.000 18.521 0.061 0.000 0.000 吸引度 91.026 0.011 17.353 0.057 0.936 0.937 1999 年 標準化総合効果 店舗密度 平均 店舗規模 人的 サービス率 労働生産性 売場面積 密度 売場効率 売場面積密度 1.268 1.077 0.000 0.000 0.000 0.000 売場効率 0.000 0.000 0.755 0.517 0.000 0.000 吸引度 1.406 1.194 1.000 0.685 1.109 1.325 2002 年 総合効果 店舗密度 平均 店舗規模 人的 サービス率 労働生産性 売場面積 密度 売場効率 売場面積密度 111.206 0.011 0.000 0.000 0.000 0.000 売場効率 0.000 0.000 17.418 0.059 0.000 0.000 吸引度 88.387 0.009 16.460 0.056 0.795 0.945 2002 年 標準化総合効果 店舗密度 平均 店舗規模 人的 サービス率 労働生産性 売場面積 密度 売場効率 売場面積密度 1.197 0.956 0.000 0.000 0.000 0.000 売場効率 0.000 0.000 0.744 0.483 0.000 0.000 吸引度 1.499 1.197 1.104 0.717 1.253 1.484 2004 年 総合効果 店舗密度 平均 店舗規模 人的 サービス率 労働生産性 売場面積 密度 売場効率 売場面積密度 121.755 0.011 0.000 0.000 0.000 0.000 売場効率 0.000 0.000 17.598 0.056 0.000 0.000 吸引度 94.363 0.008 17.184 0.055 0.775 0.976 2004 年 標準化総合効果 店舗密度 平均 店舗規模 人的 サービス率 労働生産性 売場面積 密度 売場効率 売場面積密度 1.287 1.013 0.000 0.000 0.000 0.000 売場効率 0.000 0.000 0.709 0.484 0.000 0.000 吸引度 1.605 1.263 1.104 0.754 1.247 1.557 2007 年 総合効果 店舗密度 平均 店舗規模 人的 サービス率 労働生産性 売場面積 密度 売場効率 売場面積密度 138.357 0.010 0.000 0.000 0.000 0.000 売場効率 0.000 0.000 18.007 0.052 0.000 0.000 吸引度 101.031 0.007 18.447 0.053 0.730 1.024 2007 年 標準化総合効果 店舗密度 平均 店舗規模 人的 サービス率 労働生産性 売場面積 密度 売場効率 売場面積密度 1.252 0.984 0.000 0.000 0.000 0.000 売場効率 0.000 0.000 0.709 0.496 0.000 0.000 吸引度 1.599 1.258 1.138 0.796 1.278 1.606

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【図表7】(つづき) 経年的変化を【図表6】および【図表7】に示された結果から検討すると,以下の点が明らかと なる。 まず,吸引度が,売場面積密度と売場効率のいずれの影響をより強く受けているかという相対的 貢献度を標準化係数の変化からみると,1985 年から 2007 年の全期間において,売場効率の効果の 方が大きいことが分かる。特徴的なのは,1985 年から 1988 年,そして 1988 年から 1991 年にかけ て,売場効率の効果は増加するのに対し,売場面積密度の効果は低下している点である。このこと は,売場面積密度が高いだけでは吸引度を高めることができなかったことを示している。売場面積 密度は,1991 年から 1994 年にかけては,その効果が大きく増加に転じているのであるが,この3 年間は,1991 年に第二次大店法改正15が行われた(1992 年施行)時期であり,第一種大規模小売店 の基準が従来の 1500 ㎡以上から 3000 ㎡以上に引き上げられたり,調整期間の上限が1年に短縮さ れたことなどから,吸引度を高めるのに効果的な小売業の開発や整備が行われたと考えられる。そ して 1994 年から 1997 年にかけては,再び売場面積密度の効果が低下する一方で,それまで増加傾 向を保っていた売場効率の効果も低下する。1994 年から 1997 年にかけては,1994 年に改正大店法 運用にかかわる規制緩和が実施され,1000 ㎡未満の店舗の出店が原則調整不要になったり,閉店時 刻や年間休業日数の規定に対しても大幅な規制緩和が行われた時期である。そのような出店や営業 に関する積極的な規制緩和が,吸引度に対しては効果的に働いていなかったことを示していると思 われるが,その 1997 年を境に,再び売場面積密度も売場効率も増加傾向に転じる。1997 年は,産 業構造審議会および中小企業政策審議会流通小委員会合同会議中間答申において,大店法の廃止,

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大店立地法制定による政策転換の必要性が示された年であり,その後,1998 年に大店立地法が制定, 2000 年に大店法が廃止され,大店立地法が施行されるなど,大きな政策転換の時期なのである。こ れらの抜本的政策転換が,吸引度に対しては効果的な影響をもたらした一因であると考えられよう。 それでは,売場面積密度に及ぼす店舗密度と平均店舗規模の影響度は,どのような経年的変化を 示しているのであろうか。1985 年から 2007 年の全期間において,店舗密度の方が影響度は大きい が,その変化のパターンは,1991 年から 1994 年,1999 年から 2002 年,2004 年から 2007 年の3期 間において減少傾向を示すなど,増減率の大きさの差はあるものの同じである。この期間の政策面 としては,1991 年の第二次大店法改正,2000 年の大店法廃止および大店立地法施行に関しては前述 したとおりだが,2004 年から 2007 年の間は,まちづくり三法に関する変化があった時期で16,2004 年9月より産構審・中政審合同会議で見直し議論が開始され,その結果として 2006 年に改正中心市 街地活性化法と再度の改正都市計画法が成立したのである。 次に,売場効率に及ぼす人的サービス率と労働生産性の影響度の経年的変化であるが,特記すべ き点は,その影響度の大きさが 1991 年から 1994 年の間に逆転したことである。1991 年までは労働 生産性の効果の方が大きかったのだが,1988 年から増加傾向に転じた人的サービスの効果の方が, 1994 年以降は大きくなっていったのである。これは,流通政策の評価指標の1つである効率性の代 表的尺度と考えられている労働生産性を高めただけでは,売場効率に対して効果的な影響をもたら さない,むしろ人的サービス率の効果の方が大きいということを示し,流通政策の効率性以外の尺 度の重要性を示唆するものと考えられる。 そして最後に,売場面積密度と売場効率をそれぞれ媒介として吸引度に影響を与える,店舗密度, 平均店舗規模,人的サービス率,労働生産性の間接効果と,売場面積密度と売場効率の吸引度への 直接効果をあわせて経年的変化を吟味する。 吸引度に対しては,上記6要素において,経年的変化を示す【図表7】のグラフから,多少の違 いはあるものの,店舗密度,平均店舗規模と売場面積密度,および人的サービス率と売場効率の2 組がそれぞれ似た変化パターンを見せていることが分かる。そして,1997 年以降,店舗密度の間接 効果が一番大きい点,1991 年以降,大きな流れとして店舗密度,平均店舗規模,人的サービス率, 売場面積密度,売場効率が増加傾向を示しているのに対し,労働生産性のみが 1991 年から 1999 年 までは減少傾向にあり,1999 年以降は増加傾向に転じるものの,1994 年以降は一貫して一番効果が 小さい点が顕著な特徴である。 前述のとおり,1991 年は第二次大店法改正(1992 年施行)が行われ規制緩和がすすめられた時期 であり,1997 年は,大店法の廃止,大店立地法制定による政策転換の必要性が示され,1998 年に大 店立地法が制定,2000 年の大店法廃止および大店立地法施行など,大きな政策転換がなされた時期

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である。 つまり,吸引度に対しては,大店法が大幅に緩和された 1991 年以降,店舗密度の効果が大きくな り,特に大店法から大店立地法への転換が始まった時期からは店舗密度が最重要な側面となったこ とを示している。 また,特に人的サービス率を高めることによる効果が,売場効率の効果とあわせて吸引度に対し ては重要な側面であることから,労働生産性の追求よりもそちらに力を注ぐ方が効果的である一方 で,1999 年以降は労働生産性の効果も徐々に増加傾向に転じるなど変化をみせているため,労働生 産性の追求を重視しつつ人的サービス率を高めることによって売場効率を上昇させ,吸引度を増加 させることが小売業にとっては重要であることを示していよう。 【図表2】に示される拙稿(2008b)の分析結果において,「都市性」という総合的社会指標は, 店舗密度に対しては負の影響,労働生産性に対しては正の影響を及ぼし,かつ店舗密度は労働生産 性に対して負の影響を及ぼすことが明らかとなっている。都市性の主成分の内容には,零細小売店 店舗数比率(-),大型小売店店舗数比率(+),大型小売店売上比率(+),100 万人あたり小売店 舗数(-)など,小売業の大型店の進展を意味する個別指標が因子負荷量の絶対値が高いものとし て含まれていた17 。上述した大店法改正や廃止などの政策転換は,小売業の大型化を進展させる内容 を含むものであり,ひいては都市性の要素を強めるものである。 規制緩和により都市性の要素が強まれば店舗密度は低下することになり,実際に,店舗密度はわ ずかな例外が一部あるものの一貫して低下し続けている。一方,前述の通り,吸引度に対しては, 大店法が大幅に緩和された 1991 年以降,店舗密度の効果が大きくなり,特に大店法から大店立地法 への転換が始まった時期からは店舗密度が最重要な側面となっているのである。また,1999 年以降 は増加傾向に転じるものの,1991 年から 1999 年までは減少傾向にあった労働生産性に関しては, 都市性の要素が強まれば高まることになるのであるが,実際には,その増減は安定してはいないの である。この点に関しては,流通政策の変化が社会指標に及ぼす具体的な影響と,店舗密度,労働 生産性,そして本研究で用いた吸引度をはじめとする他の要素との因果関係のさらなる分析・考察 が必要になると思われる。

Ⅳ おわりに-要約と課題-

本論文では,拙稿(2008b)において残されていた,地域の総合的社会指標に大幅な変化が生じた 最近約 10 年間を中心に,その変化の詳細を考察するという課題に対しての分析・考察が行われた。 最初に,社会的・経済的状況を示す総合的社会指標が「都市性」「安定性」「地方性」という対照 的な指標を含めた3つの主成分にまとめられることから,全国 47 都道府県は,性格を異にする複数

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の地域に分類され,各地域において地域社会指標と小売構造,小売成果間の規定関係も異なること が予測された。クラスター分析の結果として,3つの地域社会指標に基づき分類すると 4 つのクラ スターに分類されたが,なかでも東京都の特異性が明らかとなり,集計レベルを都道府県から市区 町村レベル等にまで落として,より詳細に分析・検討する必要が今後の課題として残される結果と なった。 次に,最新の 2007 年までのデータを用いて,約 20 年間に,小売業の構造と成果に関して生じた 変化に関する分析および考察が行われた。分析を行うにあたり,小売商業の構造・成果の因果関係 が示された田村(1973)の研究概要をレビューし,店舗密度・平均店舗規模・人的サービス率・労 働生産性・売場面積密度・売場効率・吸引度の7つの構成要素の因果モデルを用いたパス解析が, 1985 年,1988 年,1991 年,1994 年,1997 年,1999 年,2002 年,2004 年,2007 年の9年分の 47 都道府県についてのクロスセクション・データを用いて行われた。流通政策の変化や総合的社会指 標との関連を踏まえて分析結果を吟味したところ,大店法の改正や廃止,大店立地法の施行等の抜 本的政策転換が関連していることが明らかになった一方で,流通政策の変化が社会指標に及ぼす具 体的な影響と,店舗密度,労働生産性,そして本研究で用いた吸引度をはじめとする他の要素との 因果関係のさらなる分析・考察が今後の課題として残された。

《参考文献》

峰尾美也子(2008a)「大規模小売店舗に関する出店規制の変遷と評価枠組」『経営論集』(東洋大学)第71号, pp.107-124。 ―(2008b)「小売成果と社会指標の分析と考察」『経営論集』(東洋大学)第72号,pp.127-145。 清水猛(1982)「地域特性と小売流通」『三田商学研究』(慶應義塾大学)第25巻第2号,pp.88-101。 ―(1988)『マーケティングと広告研究[増補版]』千倉書房。 ―(1999)「マーケティングと社会指標の再吟味」『三田商学研究』(慶應義塾大学)第42巻第3号,pp.1-15。 髙橋郁夫(1984)「小売労働生産性の規定要因分析」『三田商学研究』(慶應義塾大学)第27巻第4号,pp.49-64。

Takeuchi, H. and L. P. Bucklin (1977), “Productivity in Retailing: Retail Structure and Public Policy, ”Journal of Retailing, 53 (1) : pp.35-46, 94-95. 田村正紀(1973)「都市圏小売システムの構造・成果樹型分析」『国民経済雑誌』(神戸大学)第128巻第6号, pp.76-85。

《参考資料》

通商産業大臣官房調査統計部編『商業統計表 第2巻 産業編(都道府県表)』1985年,1988年,1991年,1994 年,1997年,1999年。 経済産業省経済産業政策局調査統計部編『商業統計表 第2巻 産業編(都道府県表)』2002年,2004年。 財団法人国土地理協会編『住民基本台帳人口要覧 平成19年版』

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朝日新聞社『民力 CD-ROM2007』 《参考

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》 経済産業省 平成19年商業統計速報(平成20年4月3日公表) http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/syougyo/result-2/h19/index-s.html 【付図表1】クラスター別回帰分析の結果 【第1クラスター】 YS:小売店舗密度(1000 人あたり小売店舗数) 回帰係数 標準化回帰係数 t 検定量 決定係数 自由度調整済み 決定係数 F 検定量 定数項 9.012 9.070a X1:都市性 -1.115 -0.596 -2.203c X2:安定性 -1.243 -0.640 -1.917d X3:地方性 0.771 0.525 1.491d 0.797 0.635 3.484c YP:小売労働生産性(従業者1人あたり小売年間販売額) 回帰係数 標準化回帰係数 t 検定量 決定係数 自由度調整済み 決定係数 F 検定量 定数項 18.386 13.290a X1:都市性 0.936 0.421 1.329d X2:安定性 1.680 0.727 1.862d X3:地方性 -0.113 -0.065 -0.157d 0.707 0.500 2.002 YP:小売労働生産性(従業者1人あたり小売年間販売額) 回帰係数 標準化回帰係数 t 検定量 決定係数 自由度調整済み 決定係数 F 検定量 定数項 25.550 8.194a 小売店舗密度 -0.893 -0.751 -3.215b 0.751 0.564 10.334 a 【第2クラスター】 YS:小売店舗密度(1000 人あたり小売店舗数) 回帰係数 標準化回帰係数 t 検定量 決定係数 自由度調整済み 決定係数 F 検定量 定数項 11.159 32.794a X1:都市性 -0.633 -0.315 -1.578d X2:安定性 -0.108 -0.118 -0.569d X3:地方性 0.892 0.632 3.073a 0.705 0.497 4.276b YP:小売労働生産性(従業者1人あたり小売年間販売額) 回帰係数 標準化回帰係数 t 検定量 決定係数 自由度調整済み 決定係数 F 検定量 定数項 15.926 40.275a X1:都市性 0.182 0.081 0.391d X2:安定性 0.683 0.671 3.105a X3:地方性 -0.085 -0.054 -0.253d 0.675 0.456 3.625b

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YP:小売労働生産性(従業者1人あたり小売年間販売額) 回帰係数 標準化回帰係数 t 検定量 決定係数 自由度調整済み 決定係数 F 検定量 定数項 22.028 7.108a 小売店舗密度 -0.498 -0.446 -1.930c 0.446 0.199 3.726 c 【第3クラスター】 YS:小売店舗密度(1000 人あたり小売店舗数) 回帰係数 標準化回帰係数 t 検定量 決定係数 自由度調整済み 決定係数 F 検定量 定数項 10.861 37.724a X1:都市性 -1.270 -0.708 -5.329a X2:安定性 0.264 0.100 0.615d X3:地方性 1.059 0.619 4.267a 0.894 0.800 19.997a YP:小売労働生産性(従業者1人あたり小売年間販売額) 回帰係数 標準化回帰係数 t 検定量 決定係数 自由度調整済み 決定係数 F 検定量 定数項 16.350 56.909a X1:都市性 0.743 0.681 3.126a X2:安定性 0.442 0.274 1.030d X3:地方性 0.424 0.407 1.711d 0.680 0.462 4.302b YP:小売労働生産性(従業者1人あたり小売年間販売額) 回帰係数 標準化回帰係数 t 検定量 決定係数 自由度調整済み 決定係数 F 検定量 定数項 17.805 12.676a 小売店舗密度 -0.111 -0.182 -0.765d 0.182 0.033 0.585 (注)a:1%水準で有意 b:5%水準で有意 c:10%水準で有意 d:15%水準で有意 【付図表2】小売商業の構造と成果変数 【出所】田村(1973),p.80,第1図。 店舗密度 T/P 平均店舗規模 M/T 人的サービス率 E/M 労働生産性 S/E 売場面積密度 M/P 売場効率 S/M × × × 吸引度 S/P

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【付図表3】小売商業の構造と成果変数の因果モデル 【出所】田村(1973),p.80,第2図。 1 大店法廃止までの流通政策の変遷,および,まちづくり三法改正に関しては,拙稿(2008a),pp.109-117を参 照されたい。 2 詳しくは,拙稿(2008b),pp.134-136を参照されたい。 3 詳しくは,拙稿(2008b),pp.136-138を参照されたい。 4 分析には,SPSS 12.0J for Windows を用いた。分散分析の結果,主成分1(都市性)の F 値は24.939(p=0.000), 主成分2(安定性)のF 値は23.501(p=0.000),主成分3(地方性)の F 値は15.489(p=0.000)であった。ま た,クラスター数を3と指定してクラスター分析を行った場合,4クラスターに分けた時の第2クラスターと 第3クラスターが合わさった2府34県が1つのクラスターとしてグループ化される点だけが異なり,やはり東 京都のみで1グループと識別される結果となった。 5 なお,第1クラスター,第2クラスター,第3クラスターに関して,クラスター別に3つの総合的社会指標と 小売構造および小売成果との因果関係を分析した結果は,【付図表1】のとおりであった。【付図表1】に示す とおり,統計的に好ましい結果はあまり得ることができず,個々の結果の解釈が非常に難しいものであるが, 分析結果がクラスターによってかなり異なるため,その違いはどこから生じるものであるのか等のより詳細な 地域特性の吟味が今後の課題として必要と思われる。 6 清水(1999),pp.4-7。 7 拙稿(2008b),pp.132-133。 8 田村(1973),p.76。 9 同上,pp.77-78。 10 同上,pp.77-78。 11 同上,pp.78-79。 12 小売商業の構造と成果の全体を1つの因果モデルによって分析するには,指標間の分解構造が有用であると 考え,(1) ,(2) ,(3) の3つの式に示されるように指標間の分解構造を提示してい る。この(1)から(3)の式を図示すると,【付図表2】のようになる。そして,各構成要素がその合成変量の 店舗密度 (対数) 平均店舗規模 (対数) 人的サービス率 (対数) 労働生産性 (対数) 売場面積密度 (対数) 売場効率 (対数) 吸引度 (対数) S -P= M -P× S-M M -P= T -P× M-T S -M= E -M× S-E

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変動を規定する際の相対的貢献度を計算するために,各指標の対数がとられ,実際の分析には【付図表3】に 示される因果モデルが用いられ,従属変数が売場面積密度で説明変数が店舗密度と平均店舗規模,従属変数が 売場効率で説明変数が人的サービス率と労働生産性,従属変数が吸引度で説明変数が売場面積密度と売場効率 という3種類の重回帰分析が行われていたのである。(田村(1973),pp.79-83。) 13 本論文においては,店舗密度,平均店舗規模,人的サービス率,労働生産性,売場面積密度,売場効率,吸 引度の7つの構成要素間の因果関係を推定するために,パス解析を用いた分析を行う。その際,最適である分 析モデルは,前述の注12に記載したとおり,【付図表3】に示される因果モデルにおいて,各変数を対数変換し たデータを用いて行うもの,つまりは両対数モデルであるが,対数変換後のデータを用いてパス解析を行った 結果,標本の積率行列が正値定符号にはならず,モデルの適合中にエラーが発生して分析を行うことが出来な かった。そこで,7つの構成要素間の論理的因果関係を重視し,対数変換を行う前のデータを用いて【図表5】 に示されるモデルにおいてパス解析を行った。その分析結果は,対数変換後のデータを用いて,田村(1973) と同様に3種類の重回帰分析を行った結果と照し合せると,どのパスにおいても係数の大小関係に大きな相違 はなく,かつ,全ての偏回帰係数およびF 値は0.1%水準で統計的に有意であった。よって,本論文では,上記 問題点を十分踏まえた上で,7つの構成要素間の論理的因果関係から構築した【図表5】に示されるモデルに おいて,対数変換前のデータを用いたパス解析を行うこととした。なお,分析には,SPSS Amos5を用いた。 14 分析に用いたデータは,住民基本台帳人口(P),小売商店数(T),小売売場面積(M),小売従業者数(E), 小売年間販売額(S)の各データから筆者が算出したものである。なお,住民基本台帳人口は『住民基本台帳人 口要覧』,小売商店数,小売売場面積,小売従業者数,小売年間販売額の4つは『商業統計表』に基づくデータ である。さらに,『商業統計表』データに関しては,1999年および2004年は簡易調査の結果となる。また,2007 年商業統計については,2008年11月28日に確報値が公表されたが,本研究では2008年4月3日に公表された速 報値を用いている点を注意されたい。よって,2007年データに関しては,以降の分析結果の解釈においても, あくまで2004年から2007年にかけての変化を検討する際の参考データとしての位置づけにとどめることを注記 しておく。なお,各データの出所であるが,住民基本台帳人口に関しては,1985年から2004年までのデータは 『民力 CD-ROM 2007』,2007年のデータは『住民基本台帳人口要覧 平成19年版』,商業統計データに関しては, 1985年から2004年までのデータは各年の『商業統計表 第2巻 産業編(都道府県表)』,2007年のデータは経 済産業省ホームページの平成19年商業統計速報(平成20年4月3日公表)となっている。 15 詳しくは,拙稿(2008a),pp.109-110を参照されたい。 16 まちづくり三法の改正に関しては,拙稿(2008a),pp.115-117を参照されたい。 17 分析の詳しい結果および解釈は,拙稿(2008b),pp.131-138を参照のこと。 (2009 年1月 13 日受理)

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