企業は米中双方からの「踏み絵」に直面
企業は米中双方からの規制/政治面で「踏み絵」を余儀なくされる局面の増加 (2)「中国」からの踏み絵 ①「信頼できない主体リスト」の公布施行(2020年9月19日) 米国のEntity Listによる禁輸に対応した取引禁止リスト作成 ②中国輸出管理法(公布:2020年10月17日、施行:12月1日) 中国独自品目を対象、再輸出規制、見なし輸出規制等 ③香港国家安全維持法第29条「外国等と結託して国家の安全を脅かす罪」 第四号:中華人民共和国等に対して、制裁、封鎖又はその他の敵対的行為を行うこと」 ☞米国の中国への制裁強化は、中国では法令違反 ④国家間の政治的対立において、経済的圧力の常態化 医薬原料やレアアースの輸出制限、牛肉や石炭の輸入制限、カナダ人や豪州人の拘束等)他 (1)「米国」からの踏み絵 ①中国製通信・監視関連企業製品等の政府調達禁止規定 ②ファーウェイ向け米国産品の規制拡大 ③「軍の支配・管理下にある中国企業リスト」、「人権侵害支援企業」と の取引停止圧力(Entity List、SDN List等指定)④香港自治侵害者に関する外国金融機関に対するドル決済停止、他
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中国における軍需産業の構造
1.米国の中国に対する規制強化の現状
米国が展開する主要な安全保障政策
(輸出管理関連) 輸出規制強化
• ファーウェイ等に対する規制強化
~先端半導体供給を規制
• 通常兵器キャッチオール規制の強化
• 制裁者リスト(Entity List等)、軍関連企業リストの対象拡大
~人権問題(新疆ウイグル)への対応 等
• 香港向け特例措置の廃止(⇒中国向けと同等の規制)
• 中国SMICへの半導体製造装置(設備、部品)供給を規制
• エマージング技術、基盤技術の規制強化
政府調達からの中国製通信・監視装置の排除
• 中国製の通信機器・ビデオ監視装置の調達・使用の禁止
~ファーウェイ、ZTE、ハイクビジョン、ダーファ、ハイテラ及び子
会社・関連会社からの調達・使用を禁止
~これらの機器を使用する事業者との取引も禁止
経済スパイ対策の強化
• 「千人計画」等の取り締まり
、大学等の研究機関におけるインテ
グリティの確保を推進
7リスト名 内 容 管轄省庁 Denied Persons List (DPL) EAR違反禁止顧客リスト(輸出権限を剥奪され ている企業・個人)。原則、EAR対象品目の輸 出・再輸出に係わる取引は禁止。 商務省 (BIS) Entity List WMD拡散懸念顧客、米国の安全保障・外交 政策上の利益に反する顧客等のリスト。掲載 企業に輸出する際、EAR99製品も許可要。 Unverified List 未検証エンドユーザーリスト。輸出許可前後 の検証出来ず最終用途・需要者に懸念ある ユーザー。許可例外は適用できず、許可不要 な場合、UVL文書の取得が必要 Specially Designated Nationals List (SDNリスト) 国連制裁国、米国禁輸国、テロ支援国の政府 関係機関、関連企業等の企業・個人リスト。 掲載企業向けにEAR規制対象品目を輸出・再 輸出する場合にはOFACの許可が必要。 財務省 (OFAC)
米国法での取引禁止又は注意を要する顧客
〔参考〕 11制裁企業等への対応
制裁リスト EAR対象品 非EAR対象品 備考 Unverified List ○ (条件あり⇒備考) ○ UVL文書取得要。許可例外適 用不可。 Entity List X ○ 許可例外適用不可。 Denied Persons List X ○(ただし、取引辞退が多い。) 許可例外適用不可。 SDN List 二次制裁なし X ○(ただし、取引 辞退が多い。) ドル建ての取引不可。 50%ルールあり(⇒次頁)。 二次制裁あり X 下記①②; X 下記③;△ 12 二次制裁対象
① イラン関連制裁者:“Subject to Secondary Sanctions”の表記あり。 ② 北朝鮮関連制裁者:“Secondary sanctions risk”の表記あり。
③ ロシア/ウクライナ関連制裁:制裁理由がEO13660], [UKRAINE-EO13661], [UKRAINE-EO13662],[UKRAINE-EO13685]又は[“CAATSA]のもの。二次 制裁対象との記載は無いが、非米国人でも、制裁された個人・団体のために知 りながら重大な(significant)取引を促進すれば制裁の対象となる。 ○;可 X; 不可 △; ケースバイケース 人権侵害で制裁された企業・機関との取引は風評リスクが大きいので要注意! 〔参考〕
ご参考
(米国の懸念顧客の検索方法)
1)<ファーウェイ及び関連会社68社のEntity Listへの掲載> (2019年5月16日)(輸出・再輸出・国内移転禁止) 「米国の安全保障上又は外交上の利益に反する」と判断
(2)ファーウェイに対する制裁強化等
2)<ファーウェイの関連会社46社のEntity Listへの掲載> (2019年8月19日)(輸出・再輸出・国内移転禁止) 「米国の安全保障上又は外交上の利益に反する」と判断 3)ファーウェイに対する起訴及び追起訴 ⅰ)2019年1月イラン制裁違反に伴う金融詐欺及び企業機密窃取 の容疑で起訴、現在審理が継続中。 ⅱ)2020年2月、以下の容疑で追起訴。 ・北朝鮮制裁違反容疑 2008年以降、北朝鮮と密かに取引、その隠蔽工作を画策 ・企業秘密窃取容疑 ・「威力脅迫及び腐敗組織に関する連邦法」の違反容疑 20 4)ファーウェイに対する直接製品規則の強化 (2020年5月15日/8月17日)(輸出・再輸出・国内移転禁止) 「ファーウェイ等が米国の技術やソフトウェアを用いた半導体製品等を第三国 経由で獲得することを防止するため」25 FIRRMA(外国投資リスク審査現代化法)で定義された重大技術に当たる ものを利用している機器等については、「本質的・実質的利用」を問わない。 <②政府取引の禁止対象 > 機器、システム又はサービスの適切な機能又は動作のために必要な利用 <③本質的・実質的とは> 今回の暫定規則では明らかになっていない。 <④機器とは >
用語の説明
(2019年8月13日連邦調達規則改訂) 〔ご参考〕 (1)武器(ITAR/ML品目)、(2)国際レジーム合意品目(EAR)、 (3)原子力(外国の原子力活動支援関連)、(4)原子力(輸出入管理関連)、 (5)特定化学剤・毒素、(6)エマージング技術等 <⑤重大技術(Critical Technology) >とは <①政府禁止対象となる中国企業 > 華為技術(ファーウェイ)、中興通訊(ZTE)、杭州海康威視数字技術(ハイクビジョ ン)、浙江大華技術(ダーファ・テクノロジー)、海能達通信(ハイテラ)26 親会社又は子会社が中国5社製の通信・監視関連の機器・サービスを利 用しているだけで、自社では利用されていない場合、調達禁止が及ぶの はその利用している親会社又は子会社だけで、自社には及ばない。 対応が間に合わない場合、個別企業ごとに延期の承認を取る手続きが 用意された。個別に理由及びリプレイスの計画を示し承認を得る。
2020年7月14日連邦調達規則改訂
〔ご参考〕 ①政府禁止対象となる中国企業、②政府取引の禁止対象、③本質的・実質的、 ④機器、⑤重大技術の定義は、2019年8月13日改訂の連邦調達規則に同じ <今回明らかになったこと > ③米国政府機関への事前申告、事後報告義務 ①米国政府機関との直接取引先が対象 ②速やかな対応が難しい場合 1)個別契約毎に「中国5社製機器等を利用していない」旨、申告要。 2)事後、該当品目が分った場合や納入業者から報告を受けた場合、 1業務日以内に報告、10業務日以内に追加情報と防止策を報告要。 ④調査義務(「合理的な問合せ・調査」) 取引先に、文書その他の記録手段により、下請企業や調達先から中国5 社製機器等の供給を受けていないか確認を求めている。<中国における軍民融合の拡大を背景に軍事エンドユーザー等
に対する規制を強化>(2020年4月28日)
①「軍事用途」に用いられると輸出者が知っているか、
②「軍事用途」に用いられるおそれがあると商務省から
個別に許可取得の
インフォーム
を受けた場合、
27(4)中国向け通常兵器キャッチオール規制の強化等
〔従来〕
〔今回〕上記に追加
①
民生用途
であっても、中国の「軍関連のエンドユーザー」
向けは許可対象
②指定品目を32品目から47品目拡大
(半導体製造装置等)③「軍事用途」定義を拡大
(軍関係者への「支援」、「貢献」追加)
④審査方針強化(
原則不許可に変更
)
特定32品目を中国向に再輸出等する際、下記に該当
する場合、商務省の許可が必要
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