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放射性物質の環境影響評価と対策技術

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Academic year: 2021

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(1)2 主要な研究成果 プロジェクト課題 - リスクの最適マネジメントの確立. 放射性物質の環境影響評価と対策技術. 背景・目的. 福島第一原子力発電所事故による放射性. に関する最新のシミュレーション技術を用い. 物質の漏洩により、環境汚染が生じ、その影. て、環境汚染の実態を解明するとともに、汚染. 響評価と環境修復を行うために、環境汚染の. 拡大の原因となる大気から海洋や地上への放. 実態を把握することが喫緊の課題となってい. 射性物質降下量を評価する手法を開発する。. る。この環境汚染は国の指針における原子力. また土壌汚染地点などを対象として、環境修. 発電所の事故時の放出量・被害範囲の想定を. 復に向け環境汚染状況を明らかにし、さらに. はるかに超える規模で発生しており、既存の. 汚染地域の大半を占める森林などにも適用で. 評価手法では対応できない状況にある。. きうる環境モニタリング手法を開発する。. 本課題ではとくに大気、海洋および地下水 主な成果. 1. 大 気 環 境 汚 染 の 実 態 把 握と評 価 技 術. 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 から 大 気 へ 放 出. [ V 1 1 0 5 4 ]。そ の 結 果 、関 東 地 方における大. された放 射 性 物 質 の 輸 送 、拡 散 および 地 表. 気中濃度の時間変化を概ね再現できること. 面 などへ の 沈 着 過 程を解 明 するため 、広 域. ( 図 1 )、今 後 の 詳 細 な 実 態 解 明や 放 出 量 評. の大気拡散モデルを構築し、関東・東北地方. 価の妥当性確認などに向けて必要となる大. などを対象とした放射性物質の大気中濃度. 気拡散モデルの改良項目を明らかにした。. や 土 壌 沈 着 量 の シミュレー ションを 行った. 2. 海 洋 環 境 汚 染 の 実 態 把 握と評 価 技 術. 福島第一原子力発電所から海洋へ放出さ. から 原 子 力 安 全・保 安 院 に 報 告 さ れ 、そ の. れた 放 射 性 物 質を対 象とし、当 所 の 領 域 海. 後一般に公開された(http://www.tepco.. 洋モデルにより拡散シミュレーションを実施. co.jp/cc/press/11052103-j.html)。. し、沿 岸 域 で の 表 層 濃 度 のピ ーク値 などの. また、海洋拡散シミュレーションにより、発電. 拡 散 状 況 および 将 来 的 な 濃 度 の 低 下 傾 向. 所から海洋へ直接放出した放射性物質の量. を明らかにした[ V 1 1 0 0 2( ] 図 2 、図 3 ) 。この. の推定が可能となった。. 海洋拡散シミュレーション結果は、東京電力. 3. 汚 染 土 壌 の 除 染と長 期 的 環 境 影 響 評 価. 環 境 修 復に向 け 既 往 の 除 染 手 法 および. により、土壌深度によって異なる放射性物質. そ の 除 染 効 果 を 取りまとめるととも に 、環. 分布などの環境汚染の実態把握が可能であ. 境汚染の実態を簡便な方法でモニタリング. ることを示した(図4)。また、今後の森林など. するために、土 壌に含まれる放 射 性 物 質 か. の汚染把握や除染作業の効率化に必要な放. らの 空 間 線 量 率*1 を分 離して測 定する方 法. 射線管理に向け、樹種や部位によって放射性. [ V 1 1 0 2 6 ]、および G M 計 数 管*2 を用 いた土. 物 質 の 付 着 量 が 異なることなどによる空 間. 壌中の放射性物質濃度を簡便に測定する方. [V11 0 2 7 ] 線 量 率 へ の 影 響を明らかにした。. 法を開 発した[ V 1 1 0 5 2 ]。これらの 測 定 方 法. (図5)。. *1 対象とする空間に周辺の放射性物質から入射する単位時間当たりの放射線量は空間線量率と呼ばれ、 表示単位はμSv/h (マイクロシーベルト/時) 。 *2 検出ガスの入ったGM菅内にて電離放射線を検知し放射性物質含有量を計数率として測定する装置。 12.

(2) . . 38° 30 N. >%T/@ >%T/ @. 38° 30 N. > >%T/@. 38° N. . 38° N. . 37° 30 N. . 37° 30 N. . . 37° N. . 37° N. . 36° 30 N. . 36° 30 N . 36° N. . 36° N . 35° 30 N. . 141° E. 142° E. . 35° 30 N. . 141° E. 142° E. 図2 海洋表層での拡散状況(シミュレーション結果) 海 洋に放 出された放 射 性 物 質は沿 岸で拡 散 する とともに大きな渦により外洋に拡がること (4月13 日)、千葉沖までに拡散すること (5月1日) など、その 実態を解明した。(図中の ・ はモニタリング点). 㻟㻛㻞㻣. 㻠㻛㻠. 図1 放射性物質の大気中濃度の経時変化 広 域 の 大 気 拡 散モデ ルは福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 から約 2 5 5 k m 離 れた 地 点( 東 京 都 世 田 谷 区 )に おいて、事 故 漏 洩や広 域 輸 送などによって生じる 3 月 の 放 射 性 物 質 の 大 気 中 濃 度 の 時 間 変 化を再 現した。 図3 セシウム-137の表層濃度の比較 発 電 所 からの 直 接 漏 洩による海 洋 で の 表 層 濃 度 の 増 加 傾 向( 3 月2 7日以 降 )、4 月4日のピ ーク値 を再現した。. 図5 樹木への放射性物質の付着状態 種 々 の 樹 木を対 象に周 辺 の 空 間 線 量 率と樹 体 の 放 射 性 物 質 濃 度 を 測 定した 結 果 、ス ギ やヒノキ などの 一 部 の 針 葉 常 緑 樹 にお い て 、樹 幹 頂 部 の 放 射 性 物 質 濃 度 が 高く ( 図 中 の 赤 色 部 分 )、周 辺 空 間 線 量 率 に 影 響 を 及 ぼして い ることを 明らか にした。このことは放 射 性 物 質 の 降 下 時における 着 葉 状 況 、落 葉 の タイミング などと関 連 が 高 い と考えられる。. 図4 土壌中の放射性物質の深度分布 土壌の空隙が大きい雑木林では下層へ移行が 生じるのに対し、裸地では表層に留まっていること など、土質に応じて、放射性物質の深度方向の移行 割合が異なることを明らかにした。. 13.

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