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原子力土木構造物の耐震裕度評価

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Academic year: 2021

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(1)プロジェクト課題. 原子力土木構造物の耐震裕度評価 背景・目的 平成 1 8 年の原子力発電所耐震設計審査指針改訂以降、国民の耐震安全性に関する不安 や懸念に応えるために「耐震安全性の再評価(バックチェック)」、「耐震裕度評価」、「残 余のリスク評価」等の実施が事業者に要請されている。耐震裕度評価は、地震入力に対し て構造物がどの程度の余裕を有するかを定量的に示すことにより、原子力発電所の耐震安 全性に対する国民の理解を促進することを目指している。 本課題では、原子力土木構造物の耐震裕度の評価法を確立するために、「どこまで大き な地震が生じるのか」、「どこまで構造物は地震に耐えられるのか」、「どのように得られた 結果を説明していくのか」について明らかにする。. 主な成果 1.活断層の連動性評価 −どこまで大きな地震が生じるのか 活断層の連動性は、設計用地震動の大きさを決める上で重要であるため、1 8 9 1 年濃 尾地震(M 8 . 0)時の二つの活断層の連動区間について、地形・地質調査及び微小地 震観測等の地球物理学的調査を行った(図 1)。その結果、二つの活断層が並走する区 間の長さ、二つの活断層を連結する断層の有無、弾性波速度構造の急変が連動性指標 となる可能性があることが明らかとなった。 2.岩盤の引張および動的物性評価 −どこまで構造物は耐えられるのか 大きな地震動を受けると原子炉建屋の基礎地盤や周辺斜面では引張力が発生する。 従来は、信頼性の高い岩盤の引張強度を現地で測定出来ない等の理由により、引張強 度がないと仮定して評価が行なわれてきた。そこで、従来想定していた地震動よりも 大きな揺れに対しても耐えることを明らかにするために、原位置で岩盤の引張強度が 測定できる一軸引張試験装置(図 2)を世界に先駆けて開発・製作した。 3.斜面の耐震性評価フローの構築 −どこまで構造物は耐えられるのか 設計用地震動を大きく超える地震動で岩盤斜面が崩壊したとしても、原子炉建屋等 の重要構造物に影響を及ぼすとは限らないため、崩壊後の影響を考慮できる新たな評 価フロー(図 3)を提案した。また、斜面の安定性及び滑り安全率(フロー①、②) の合理的な評価法の提案[N 0 9 0 3 0]、岩塊到達距離評価(フロー③)のための基礎的 データの取得[N 0 9 0 2 9]を行った。 4.耐震裕度評価およびリスクコミュニケーション手法の構築 −どのように得られた結 果を説明していくのか 国の安全目標が確率論に基づくリスクによって定量的に示される可能性があるため、 構造物の耐震裕度とリスクとの対応関係を明らかにすることが重要となっている。そ こで、構造物の耐震裕度(限界値と設計値の差)と地震リスク(残余のリスク)との 関係を示すダイアグラム(図 4)を提案し、耐震裕度からリスクを推定することを可 能にした。 20.

(2) ジャッキで 加圧板を引張る ジャッキで 加圧板を引張る 載荷ジャッキ ジャッキで (動的試験も可) 加圧板を引張る 載荷ジャッキ ジャッキで (動的試験も可) ロードセル 加圧板を引張る 載荷ジャッキ 加圧板 (動的試験も可) ロードセル 載荷ジャッキ 加圧板 (動的試験も可) ロードセル 加圧板 ロードセル 加圧板 引張破壊. 原子力技術 原子力技術 原子力技術 原子力技術 センターガイド 原子力技術 センターガイド リニアガイド センターガイド リニアガイド 接着剤等で岩盤 センターガイド と加圧板を接着 リニアガイド 接着剤等で岩盤. と加圧板を接着 リニアガイド 接着剤等で岩盤 と加圧板を接着 接着剤等で岩盤 と加圧板を接着 Φ60cmの 岩盤試験体 Φ60cmの (中空円筒) 岩盤試験体 (中空円筒)Φ60cmの 引張破壊 岩盤試験体 岩盤に接着 Φ60cmの 岩盤 (中空円筒) (反力をとる) 引張破壊 岩盤試験体 岩盤に接着 岩盤 (中空円筒) センターガイドに沿ってジャッキで引張る(引張試験) (反力をとる) 引張破壊 岩盤に接着 岩盤 センターガイドに沿ってジャッキで引張る(引張試験)(反力をとる) 岩盤に接着 岩盤 センターガイドに沿ってジャッキで引張る(引張試験) (反力をとる). 図 1 濃尾地震断層系における調査結果(暫定) 1 濃尾地震断層系における調査結果(暫定) 1 8 9 1図 年の地震で連動破壊した温見断層・根尾谷断層間 図年の地震で連動破壊した温見断層・根尾谷断層間のス 1 濃尾地震断層系における調査結果(暫定) のステップ部に注目し、地形・地表調査、微小地震観 1891. センターガイドに沿ってジャッキで引張る(引張試験). 図 2 原位置岩盤引張試験装置 図 2 原位置岩盤引張試験装置 発電所の建設現場において、岩盤の引張強度を 図 2 原位置岩盤引張試験装置 測定するために開発した装置。 発電所の建設現場において、岩盤の引張強度. 図 2 原位置岩盤引張試験装置 図 1 濃尾地震断層系における調査結果(暫定)発電所の建設現場において、岩盤の引張強度 測等を実施した。その結果、断層の連動性を示す可能 1891 年の地震で連動破壊した温見断層・根尾谷断層間のス を測定するために開発した装置。 テップ部に注目し、地形・地表調査、微小地震観測等を実 図 2 原位置岩盤引張試験装置 図 1 濃尾地震断層系における調査結果(暫定) 性のあるいくつかの指標を見出した。 発電所の建設現場において、岩盤の引張強度 1891 年の地震で連動破壊した温見断層・根尾谷断層間のス テップ部に注目し、地形・地表調査、微小地震観測等を実 施した。その結果、断層の連動性を示す可能性のあるいくつを測定するために開発した装置。 1891 年の地震で連動破壊した温見断層・根尾谷断層間のス 発電所の建設現場において、岩盤の引張強度 を測定するために開発した装置。 テップ部に注目し、地形・地表調査、微小地震観測等を実 施した。その結果、断層の連動性を示す可能性のあるいくつ かの指標を見出した。 テップ部に注目し、地形・地表調査、微小地震観測等を実 施した。その結果、断層の連動性を示す可能性のあるいくつ を測定するために開発した装置。 かの指標を見出した。 施した。その結果、断層の連動性を示す可能性のあるいくつ かの指標を見出した。 かの指標を見出した。. 破壊面 破壊面 破壊面 破壊面. ①自重と残留強度による NG 従来の すべり安全率(Fs)の計算 安定性評価 ①自重と残留強度による NG 従来の すべり安全率(F OK 安定性評価 Fs<1.0 1.0≦Fs ①自重と残留強度による s)の計算 NG 従来の すべり安全率(F OK Fs<1.0s)の計算 安定性評価 ①自重と残留強度による NG s 従来の 1.0≦F ②変形照査 ③簡易到達評価 NG OK すべり安全率(F Fs<1.0 1.0≦F 安定性評価 s)の計算 OK ②変形照査 ③簡易到達評価 群 単体s OK OK. NG. Fs<1.0 群 ③簡易到達評価 NG ④三次元 OK(到達しない) OK(到達しない) OK 単体 ②変形照査 ③簡易到達評価 崩落量評価 群 ④三次元 OK(到達しない) NG OK(到達しない) OK 群 単体 単体 崩落量評価 群 ④三次元 OK(到達しない) OK(到達しない) 単体 群 崩落量評価 ④三次元 OK(到達しない) ⑤崩壊岩塊 ⑥想定最大 単体 群 崩落量評価 1.0≦Fs OK(到達しない)単体 ②変形照査. に対する 岩塊による ⑤崩壊岩塊 ⑥想定最大 単体 機能維持評価群 衝撃力評価 に対する 岩塊による ⑤崩壊岩塊 ⑥想定最大 OK NG NG 機能維持評価 OK 図 4 構造耐力(限界加速度)~リスクの関係 衝撃力評価 に対する 岩塊による ⑤崩壊岩塊 ⑥想定最大 OK NG NG OK 機能維持評価 図 4 構造耐力(限界加速度)~リスクの関係 衝撃力評価 対象地点の地震ハザード曲線と構造物の損傷 岩塊による 終了 対策工検討に対する OK NG NG OK 図 4 構造耐力(限界加速度)~リスクの関係 機能維持評価 衝撃力評価 対象地点の地震ハザード曲線と構造物の損傷 終了 対策工検討 度曲線より、構造耐力(限界加速度)で定義した 図 3 斜面の耐震性評価フロー NG NG OK OK 図 4 構造耐力(限界加速度)~リスクの関係 図 4 構造耐力(限界加速度)〜リスクの関係 対象地点の地震ハザード曲線と構造物の損傷 度曲線より、構造耐力(限界加速度)で定義した 終了 対策工検討 耐震裕度とリスク(年損傷確率)を関係付けること 図 3 斜面の耐震性評価フロー 従来の力の釣り合いによる安定性評価手法を拡張し、斜面 図 3 斜面の耐震性評価フロー 対象地点の地震ハザード曲線と構造物の損傷 対象地点の地震ハザード曲線と構造物の損傷 度曲線より、構造耐力(限界加速度)で定義した 終了 対策工検討 耐震裕度とリスク(年損傷確率)を関係付けること 図 3 斜面の耐震性評価フロー が可能である。 従来の力の釣り合いによる安定性評価手法を拡張し、斜面 従来の力の釣り合いによる安定性評価手法を拡張 度曲線より、構造耐力(限界加速度)で定義 の滑落や対策までカバーする評価の枠組みを提案した。 度曲線より、構造耐力(限界加速度)で定義した 耐震裕度とリスク(年損傷確率)を関係付けること が可能である。 図 3 斜面の耐震性評価フロー 従来の力の釣り合いによる安定性評価手法を拡張し、斜面 し、斜面の滑落や対策までカバーする評価の枠組 した耐震裕度とリスク(年損傷確率)を関係 の滑落や対策までカバーする評価の枠組みを提案した。 耐震裕度とリスク(年損傷確率)を関係付けること が可能である。 従来の力の釣り合いによる安定性評価手法を拡張し、斜面 付けることが可能である。 みを提案した。 の滑落や対策までカバーする評価の枠組みを提案した。 が可能である。 の滑落や対策までカバーする評価の枠組みを提案した。 21.

(3)

参照

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