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高精度レチクル対応の電子線マスク描画装置

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Academic year: 2021

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最新の半導体技術とその応用 一半導体製造・検査システム"

高精度レチタル対応の電子線マスク描画装置

-HL-900Mシリーズー

NewIyDeveloped臼ectronBeamMaskWritingSystem

l松岡玄也

水野一亥 肋z〟g〃ね〝乃0Cβタひα肋ね〟∂ゐα 佐藤秀寿中原哲二 〃gdgわぶゐ才5α≠∂7セねわざ〃α々αゐα和 (a)0.叫mシェリフパターン像 (b)0.3いmシェリフパターン像 ハイエンドマスクでの微 細OPC(OpticalProximjty Correction)パターンのレ ジスト像 走査電子墨頁微鏡"S-7840”で観 察した,OPC寸法300nm,ド ーズ量25トC/m2のZEP7000レ ジストのOPCパターンを示す。 電子線を用いた場合,レーザ 光と比較して,OPCパターン などの,より微細なパターンを 高分解で描画できる。 半導体の微細化は加速化され,リソグラフィー工程に使用されるレチクルヘの要求仕様も急速に高精度なものとなっている。 多くの半導体メーカーはすでに130nmノードの開発を行ってかノ,レチクル製造用の電子線描画装置に対しても,デバイス トレンドに沿った高精度化が要求されている。 日立製作所は,1999年12月に,ユーザーの高精度レチクルヘの要求にこたえるために開発した電子線マスク描画装置「HL-900Mシリーズ+を発表した1)。この装置では,従来の「Hし800M型+を基に,新電子光学乳低ひずみステージ,大容量対応並 列処理機能などの新技術の導入により,高精度化と高スループット化を図っている。また,先端マスクの実現には,描画装置 だけでなくプロセスも重要な要因であり,その一つとして,化学増幅型レジストの活用を進めている。

はじめに

半導体デバイスの微細化は急速に進んでいる。1999年

にSIA(米国半導体工業会)が発表した半導体の技術トレ

ンド(ITRS:InternationalTechnology Roadmap for Semiconductors)によれば,2002年には130nmデバイス の量産が予想されている(図1参照)。半導体製造工程の うちリソグラフィー工程は最も早く微細化への対応を要

求される工程であり,それに使用されるレチクルへの要

求はたいへん厳しくなっている。現在,多くの先端レナ

クルは電子線描画装置を用いて製造されており,した

がって,同装置への要求仕様もますます高精度なものと

なってきている。 一方,リソグラフィー⊥程に使用される光縮/ト露光装

置(ステッパ)の光波長も短波長化が進んでおり,解像度

限界をさらに伸ばすために,OPC(OpticalProximity 0 0 6 4 (∈∪)嘩仰≠輯舶 20 0 寸法均一性 最小寸法 叫 位置精度 ‥M ∞ズ 9一 トリ Hシ テリマイス ノード(nm) 130 100 2000 2002 西暦年 2005 (∈⊂)噛蟹搬ハ舶 0 0 0 0 0 6 8 八U 2 4 5 4 4 3 2 参照データ:lnternationalTechno10gyRoadmapforSemiconductors1999 図1 レチクルヘの要求精度 レチクルヘの要求精度を年代とともに示す。130nmノードでは, 寸法精度が10nm以下になってくる。 49

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660 日立評論 VoI.82 No.10(2000-10) Correction:光学的近接効果補正)パターンの付加や位 相シフトマスクなどが採用され,レナクル製造分野での 新たな動向となっている。 ここでは,口 ̄鞍製作所が開発した竜子線描画装置「HL-900Mシリーズ+と,化学増幅レジストの最近の状況,およ びマスク製作での電子線描画装置の将来について述べる。

装置の特徴

HL-900Mシリーズは,150nm以降の高精度レナクル 製造をターゲットとして開発した装置である。同装置は, HL-800Mゴ■,ニー〉をベースとし,精度向上のために,(1)高精 度竜子光学系,(2)低ひずみステージ,(3)高精度温度 制御システム,(4)大容量パターンデータ対応並列処理

機能などの新しい技術を導人している。

HL-900Mシリーズの主な特徴と効果を表1に示す。こ

の装置では,可変成形ビーム,ベクトルスキャン,およ びステージ連続移動の描何方式を採用している。加速電 比は50kV,最大ビーム電流密度は10A/cm+,鼓人ビー ムサイズは2×2けm∵である。ビームの偏向は3種類の偏 向箸旨を川いて行っており,主偏向領域が2×2mmご,副

偏向が480×480けmコ,および副副偏向が60×60けmコで

ある。対応マスクサイズは,約12.7cm(5インチ),約 15.2cm(6インチ),および約17.8cm(7インチ)である。

Hし900Mシリーズのシステム構成を図2に示す。制御

川ワークステーションにより,データ準備,装置校正,

描画制御などの装置全体の制御を行う。ワークステーショ

ンから装置のバッファメモリに転送された描画データは, 制御ソフトウエア データ準備 描画制御 装置校正

描画データ 50

制御回路 図形分解回路 近接効果補正回路 並列処理回路 装置校正回路 レンズ,偏向器 制才卸回路 ステージ・ローダ 制御回路 真空排気 制御回路 表1HL-900Mシリーズの主な特徴と効果 150nm以降の高精度レチクルヘの要求に対応している。 特 徴 効 果 高加速電圧(50kV) 高解像度,高精度 可変成型ビーム、ベクタ走査 高スループット 並列処理機能 高精良高スループット大容量対応 自動マスク搬送機能 使いやすい操作性 グラフイカルな操作画面 同上 圧縮された構成から基本凶形へと展開される。近接効果 補 ̄11二部では,パターンの疎密による電 ̄ナビームの蓄積エ ネルギーの数値を基に,描画時での照射量の補止量を算 出する。ショット制御部では連続的に移動するステージ 位置情報をリアルタイムで偏向器にフィードバックする とともに,電子ビームの形状,位置,および照射量の補 正を行う。 さらに,制御阿路部を二重化することにより,描画動 作と近接効果補正の並列処理を叶能としている。これに より,描画時閃の短縮と,近接効果補正精度の向_とを 阿っている。同時に,パターンデータ量に対する制限を 改善することにより,20Gバイトを超える大容量パター ンデータの描画を叶能とした。

マスク搬送はオートローダによる白動枚菓式であり,

C to C(Carrier to

Carrier)方式で最大6杖の連続処理が

でき,マスク自動搬送システムへの対応も可能である。 また,ステージ構造の見直しを行い,ステージ移動時の テーブル変形を防ぐようにした。ステージ位置はレーザ /電子光学系 /

/

⊂=::コ ⊂:::::::::⊃ 区コ 区∃

アダ

いン 一 テ \ ス 図2 HL-900Mシリーズの システム構成 電子線描画装置は機械的な 部分,電子回路,ソフトウエ アなどで構成しており,所定 の装置性能を出すためには, すべての部分が機能する必要 がある。

(3)

高精度レチクル対応の電子線マスク描画装置661 0 0 0 0 0 ∩) 0 0 4 3 2 1 1 2 3 一 一 -(∈u)棚詫 注1:-●-(L&S) +(孤立ライン) ・・・・・→-(密ライン) ・・・一・-(ホール) ZEP7000 1.0 1.5 2.0 設計寸法(トm) (a)cD精度 (∈u) bm 棚陥 注2:略語説明 L&S(LineandSpace),CD(CriticalDimensjon) 図3 評価結果例 電子線描画装置の評価項目のうち,寸法(CD)精度と位置精度の再現性を示す。 十渉計によって高精度に計測されるが,干渉用ミラーは ステージ上に取り付ける必要がある。このため,移動中 にステージが機械的に変形してミラーの位置がずれると, 位置精度誤差の原凶となる。ステージ変形は微量であっ ても,ナノメートルレベルの描画精度を実現するために は,わずかのずれも許されないr〕今1日1採用した新形ステ

ージではYテーブルを分離し,トップテーブル上に放射

ミラーとプレートを搭載する構造とした。その結果,Y テーブルの変形はトップテーブルに影響を与えなくなっ

たことから,反射用ミラーとマスク問の距離は常に---・走

となり,位置精度の高精度化を実現した。 卜記のほか,剛性の向卜,レンズ用コイルの低発熱化,

および磁場などの環境変動耐性向上を臼的として,カラ

ム構造の見直しと,対物レンズ部の磁場シールドの強化 を図った。 これらの改善結果を検証するために,新カラムに対し て外部コイルを用いて故意に外乱磁場を加え,そのとき の竜一一戸ビームの揺れを評価した。その結果,揺れは10

Hzと1kHzの周波数帯で従来の÷から÷となり,外乱に

対する耐性が大幅に強化されていることを確認してい る。装置特性の一例として,CD精鑑と位置精度再現性 の評価結果を図3に示す。両データとも,約15.2cm(6イ ンチ)マスクにテストパターンを描画した後,エッチング まで処理したプレートを用いて評価した。位帯精度は, 光学的測定器を用いて評価した3枚のプレートについて

の結果である。評価範囲は「6インチプレート+の115×

115mmの範囲内である。

40 35 30 25 20 15 10 5 0 装置仕様 ズ γ 2 レテクル番号 (b)位置精度の再現性

先端レチクルヘの対応

先端マスクの製作では,描画装置の高精度化とともに 措沖i後のプレートを処理してレテクルまで加l二する ̄†二 程,すなわち,プロセス_ ̄「程が精度に大きく影響する√J この過程に含まれるベーク処理などのレジスト現像工 程,エッチング工程,洗浄二1二程などのうち,レジスト工 程での化学増幅レジストについて以下に述べる。 従来用いられてきたレジスト工程では,電了ゼーム照

射のエネルギーによってレジス1、分子の架橋や切断を直

接的に行い,感光させていた。〕これに対して最近は,化

学増幅レジスト(CAR:ChemicallyAmplifiedResist)を

適用する方法が進められている。 化学増幅レジストは,電子線による照射によってレジ スト内に酸を発化させ,その化学反応によって感光過梓 を進行させるタイプである。化学増帖レジストの特徴は, 従来のレジストに比較して感度が高く,また,ドライエッ チング耐性が高いことである。例えば,現在広く川いら れているポジ(ポジティブ)型レジストであるZEP9000と比 較すると,加速電圧知kVで感度は約3倍高い8けm/cmであ り,ドライエッチング耐性も約2倍である。 化学増幅レジストはこのような利点を備えているが, 感光過程に化学反応を使用しているため,保存期間,ベ ーク条件,処理環境などによる特性変化が大きく,撒い にくいという課題があった。しかし最近,レジストメー カーの努力により,これらの課題に対する改善が阿られ,

製造現場での使用が検討されてきている。代表的な化学

51

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662 日立評論 Vol.82 No.10(2000-10) m u. 〇 3 0 0.25いm 8・3什C/Cm2 8・3いC/Cm2 0.20トIm 0.15ト1m 増幅レジストの解像度写真を図4に示す。

装置の将来像

現在,高精度レナクルを実現できるかどうかがデバイ

ス微細化を律達する状況であり,マスク倍率の見直しの

論議や新しいレチクル製作方法も提案されている。この ような状況にあっても,電子線描画装置の精度の継続的

な向上が今後も求められるものと予想され,これに対応

していく必要がある。 また,安定した高精度レナクルの製作には,電子線描

画装置とプロセスの技術的向上とともに,これら双方で

の最適条件の早期決定と,不良発生時の短時間解決手段 が必要である。このためには,マスク検査装置を含めた システム化を凶り,装置パラメータやプロセス条件に検 査結果を短時間で,かつ容易にフィードバックできる手 段の実現が求められる。

おわりに

ここでは,電子線マスク描画装置「HL-900Mシリーズ+

について述べた。 デバイスの微細化はとどまることなく進むと思われる。

日立製作所は今後も継続的な技術開発を行い,必要とさ

れる装置を提供していく考えである。 なお,この研究の一部は,通商産業省のプロジェクト

「超先端電子技術開発促進事業+の一環として,技術研究

組合超先端電子技術開発機構が新エネルギー・産業技術

総合開発機構から委託されて実施したものである。

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参考文献

図4 ポジ(ポジティ ブ)型化学増幅レジス トの角写像度 ポジ型化学増幅レジ スト(RE-5400シリーズ) の解像性を示す。 写真提供:日立化成工業 株式会社 1)T.Nakahara,etal∴AdvancedE-beamReticleWriting

System for Next Generation Reticle Fabrication,

PhotomaskJapan2000(tobepublished)

2)K.Mizuno,et al∴Electron Beam Mask Writing

System for O.25けm Device Generation,SPIE

Proceedings,Vol.2793,pp.452-463(1996)

3)Y.Kadowaki,et al∴High Performance and Stability

ReticleWritingSystem"IiL-800M,''spIEProceedings, Ⅴ()1.3412,p.58(1998) 執筆者紹介

松岡玄也 1970年日立製作所入祉,計測器グループエレクトロニク スシステム本部技術部所属 現在,電子線描画装置の開発に従事 E一皿ail:ge11ya-†れatSuOka桓′instr,hitachi.co.jp 水野一亥 1984年Hl上製作所入社,計測器グループエレクトロニク スシステム本部第二設計部所属 現在,電子線描画装置の開発に従事 E-mail:kazui-nlizuno(垂′instr.hitacbi.co.Jp 中原哲二 1982年日立製作所入札 計測器グループエレクトロニク スシステム本部第二設計部所属 現在,電子線描画装置の開発に従事 E-mail:tetsuji-nakahara也instr.hitachi.co.Jp 佐藤秀寿 1991年R在製作所人朴,ll】央研究所Arr邦所属 現在,電子線描画装置の研究に従事 E-mail:[email protected]

参照

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