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大きな水位変化を受ける高い河岸の浸食過程とその防止軽減に関する研究

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Academic year: 2021

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Title

大きな水位変化を受ける高い河岸の浸食過程とその防止軽

減に関する研究( はしがき )

Author(s)

藤田, 裕一郎

Report No.

平成6年度-平成7年度年度科学研究費補助金 (一般研究(B) 

課題番号06452416) 研究成果報告書

Issue Date

1995

Type

研究報告書

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/184

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

はしがき

築墳や護岸工事によって河通が固定されているわが国でも,多くの河川が昭和 40年代後半以降河床低下の傾向に移行したため,出水時に不測の流量集中個所が 発生すると,水深が10mを越えるような大きな河床洗掘が生じることも少なくな いと見られている。こうした河床洗掘が突如河岸近傍で発生すると,河岸や護岸 は安定を失い,いわゆる脚部洗据による河岸崩壊・壕防決壊へとつながる。出水 中は水面下にあるので実感できないことも多いが,このときの河岸斜面は法高が 非常に高く,かつ急激で大きな水位変化を受けるので斜面は非常に不安定となっ て,大規模な河岸決壊の発生する危険性が高まる。一方,雨季に大増水をみる開 発途上国では,大河川に沿った平地は流量集中による大規模な河岸近傍の河床洗 据によって,毎年広大な面積の居住地や農地が河岸侵食で流失し,それによって, 住民の生酒水準は低下し,先進諸国の経済援助の実効も阻害されている。 しかしながら,これまで涜路変動機構の主要な部分として進められてきた河岸 侵食に関する研究は,近傍河床からみて高々数mの比高を有する河岸を想定して いるに過ぎない。この大比高の側岸侵食過程は従来の研究では評価し難く,とく に・出水前後の河岸は,大きく,ときに急激な水位変化の影響を受けるので,侵 食過程の予測はより困難となる。 そこで,本研究では,河岸近傍の推進の増大や大規模な河床洗掘によって引起 こされる高い河岸の侵食過程について,その不安定化と崩落・滑動,周辺の流れ, 河岸内部の水と空気の挙動の面を明らかにして,通常の護岸構造物の適用ととも に,開発途上国現地の社会的・自然的条件に適合した侵食の防止軽減対策を考究 するための基礎的知見を得ることを目的とした。この目的のために,以下のよう な計画を立てて研究を実施した。 大規模な河岸侵食が生じている河川として,バングラデシュ国の3大河川-カ

(3)

ンジス,プラマプトラ,メグナ河.-のような諸外国の大河川における河岸侵食の 実態を衛星写真及び現地資料の解析によって検討し,そうした個所の河岸条件や 侵食が生じたときの水理条件の把握を図る。また,このような高い河岸斜面近傍 の流れ解析に適合した2次元あるいは3次元の水理モデルについて考察を進め, 数値シミュレーションを実施し,侵食の生じている流れの全体的な特徴を模擬す る。同時に,河岸斜面の安定解析を行って崩壊の危険性の高い河岸の一般的特徴 を見出し,不安定化した崩落土塊の挙動をできるだけ単純な方法で解析する。さ らた,一洪水あるいは雨季と乾季の繰り返しにおける大きな水位変化条件下にお ける高い河岸の内部の水と空気の挙動を理論的・実験的に検討して,河岸侵食に 対するその影響を考察する。 以上の研究計画に基づいて2ケ年にわたり研究を実施した。途中研究代表者, 研究分担者の転勤が相次ぎ,当初の目的に対して必ずしも完全な成果が得られた わけではないが,本報告書では,かなりまとまった成果が得られた以下の4点を 取上げている。その他の課題については,本補助金によって研究推進の大きな基 盤が与えられたので今後順次成果を蓄積し,発表していきたいと考えている。 1.河岸侵食に関する流れ解析については,限界のあることが判明したので, 一般曲線座標による2次元解析を検討し,バングラデシュ国メグナ川の洪水流を 解析し,適用性の高いことを確認した。 2.ついで㌧、このモデルに河床変動解析を組込み,河岸後退に影響する河床の 局所洗据のシミュレーションを行い,実測値とかなり一致することを示した。 3.斜面安定解析によって不安定になる大規模な河岸斜面の特性を明らかにし, ついで,不安定化した土塊がすべり面に沿って移動する過程を解析して,それが 瞬時に移動・停止することを示した。 4.河川水位の変動に伴って移動する河岸内部の水と空気の挙動特性に関する 実験装置を開発し,水位が上昇する場合でも河岸から空気が一様には大気中に出 ていかないことを見出した。

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