東北大学 電気通信研究機構 山田 博仁
環境に優しく災害に強い社会を目指 独立電源システムと す Micro Grid 電力
網
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今、何故独立電源なの か ?
既存の電力網のみに依存せず、災害に強い社会を目指すため
再生可能エネルギー ( 自然エネルギー ) に基づいた環境に優しく持続的 な社会を目指すため
山間部の村々や離島での過疎化の進行から、国土の隅々にまで電力網を整 備し、維持していくにはコストパフォーマンスが低い
都市部から離れた小さな集落では、エネルギーの地産地消を目指すべ き
都市部 山間部
既存の電力網に基づくスマートグリッド 独立電源に基づくマイクログリッド
再生可能エネルギーによる独立電源システムの構 成
蓄電池
ソーラパネル
充電コントローラ
DC/AC インバータ
AC100V DC24, 48V
再生可能エネルギー ( 自然エネルギー ) 風力
再生可能エネルギーによる独立電源の課 題
不安定な自然エネルギーのみによる発電では、安定的な電力確保は困難
日本の住宅の限られた敷地で、生活に必要な全ての電力を確保するのは困 難
ソーラパネルやバッテリなど、システムの導入コストが高い
例え導入できたとしても、効果的運用を行うには、設備に関する知識と技術が必要
自然エネルギーのみによる発電でも、安定的に電力を確保できる電源の開発
限られた敷地でも、効率良く発電可能なソーラパネルや風力発電装置の開発
システム導入と運用コストを最小限に抑える電源設備のソリューションを提供
電気に関する知識と技術が無くても安心して利用可能な独立電源装置の開発 我々の研究課題
ソーラパネルが常に太陽の方向を向くよう、方 位角、仰角を自動制御
固定型に比べて約 1.5 倍の発電効率
太陽光パネルで発電した電力のみで自力動作 発電した電力の一部を内蔵バッテリに蓄電 し、外部からの電力供給なしに自力動作
雨天時は追尾を停止
太陽光量モニタセンサを搭載し、十分な 発電量が見込めない時は追尾を停止
強風時にはパネルを安全位置に収納
強風時には、自動でパネルを安全位置に収 納するので、台風や突風にも安全
車載、運搬も可能
小型・軽量のため、被災地に運搬して非常 用電源としても活用可能
試作した太陽追尾型ソーラパネル
太陽追尾型ソーラパネ ル
特徴
固定型パネルとの発電量の比較
50%up
鉛 /Li イオン ハイブリッド バッテリ システ ムの構成
鉛蓄電池 (DC24V)
AC100V
Raspberry Pi
Li イオン蓄電池 (DC48V)
DC48V BMS
DC25 ~ 30V
Camera Voltage monitor
PC or smart phone Internet
鉛蓄電池と Li イオン蓄電池とを組み合わせ、互いの長所を活かして高効率動作を実現
電力 Off-grid 生活のすす め
オフグリッド (Off-grid) 生活とは :
電力会社から一切電力供給を受けることなく、太陽光や風力 など、主に再生可能エネルギーによって発電した電力を蓄電 し、利用する生活。米国の山間部や離島などでは例があ
る。 2011 年 3 月の福島原発事故後、電力会社への不信や、災 害などによる停電を避けたいなどの理由から、日本でもオフグ リッド生活に注目が集まっている。
課題 :
再生可能エネルギーによる発電電力を蓄えて、安定的に利用 するためには、大容量の蓄電池が必要となるほか、現在は「再 生可能エネルギー 固定価格買い取り制度」があるため、電力会 社からの買電価格 ( 約 15 円 /kWh) よりも高い価格 ( 約 40
円 /kWh) で売電できるため、経済的にはメリットがなく、なか
なか普及が進まない。将来的には、電力の売買価格差は縮まっ ていくものと思われる。
持続的安定的に電力を利用する生活を成り立たせるために
は、大容量蓄電池や自家発電設備を必要とし、導入費用が高い
のが現状。
統計論に基づいた独立電源のシステム設 計
背景 風力や太陽光などの再生可能エネルギー ( 自然エネルギー ) による 発電は不安定であり、独立電源では大容量の蓄電池に蓄えて利用する ことによって安定化を図る。しかし、大きな蓄電池を設置するには コストがかかるし、一体どのくらいの容量の蓄電池が必要となるの かの指針が必要。
停電率の定義
独立電源による生活を営むにあたり、 100 日間の内に停電が発生す る回数を停電率と定義する。或いは、 1 年 (365 日 ) を通しての使用に おいて、停電となり電気が使えなかった日数 /3.65 を停電率と定義し てもよい。
再生可能エネルギーによる生活を営むにあたり、停電率をある値以 下にするために必要なソーラパネルの枚数とバッテリ容量を、統計論 ( 待ち行列理論 ) に基づいて計算する。
つまり、ある家庭の平均消費電力が与えられた時、設備コストを最小 にするソーラパネルの枚数とバッテリ容量を導出することが我々の目 的。
そこで、バッテリを使い切って停電となる確率を、ある一定の値以
下にするために必要な最小システム構成を導出することが目的。
トラヒック 理論
デンマークの電話技師アーラン (Agner Krarup Erlang) によって提唱された理論 仙台から東京に電話をかけるための電話回線 ( 回線交換 ) を敷設することを 考える。仙台から東京に向けての接続要求 ( 呼という ) が 1 分あたり 8 回発生する。
また、通話時間は平均 5 分である。全ての回線が塞がっていて、接続しても らえない確率 ( 呼損率 ) を 1% 以下にするためには、何回線必要か ?
あるコールセンターには 1 時間あたり 50 件の呼が到着し、通話時間は平均 10 分である。すべての応対用回線が塞がっていて、客が待たされる時間を 3 分以下にするためには、何本の応対用回線を用意すればよいか ?
回線数 : S 回線交換器 東京
仙台
回線交換器
現在では、より一般的な待ち行列理論 (Queueing theory) として体系化されている
回線交換における所要回線 数
回線数 : S 回線交換器 回線交換器
回線交換における呼損率 B は、トラ ヒック理論によると
S
i i S
i a S a B
0 !
!
a: トラヒック量 S: 回線数
トラヒック量と所要回線数との関係 先の例でトラヒック量は、
で与えられる。
8( 回 / 分 )×5( 分 ) = 40 (erl)
待ち行列システ ム
ATM やチケット販売窓口、スーパーや食堂のレジ、出入国管理窓口などに並ぶ時
サーバ 待ち行列
( システム容量 ) サービスを受けている客
到着する可能性のある客
待ち行列システム
システム容量 無限の例 :
新型 iPhone 発売時の Apple Store 前の行列 有限の例 :
お昼時の中央食堂内の行列
待ち行列システムとして考えられる身近な 問題
問題 1
12 時~ 13 時の昼食時、工学部中央食堂には 1 分間当たり平均 20 名の学生 が訪れ、行列ができる。学生達は平均 30cm 間隔で行列を作るとして、中央 食堂のドア内に行列が収まるようにするためには、何名のレジ係を配置する 必要があるか ? なお、レジから食堂のドアまでの距離は 30m とし、レジ係 は一人当たり平均 15 秒で対応するものとする。また、 12 時の時点で行列に 並んでいる学生はいないものとし、時間当たりの学生の到来数は Poisson 分 布に従うものとする。 ( これは確率過程なので、正確には、ドアの外に学生 が並ぶことになる確率 ( 棄却率 ) を 1% 以下にする条件を求める問題と考えて 下さい )
問題 2
12 時~ 13 時の昼食時、工学部中央食堂には 1 分間当たり平均 20 名の学生 が訪れ、 3 名のレジ係を配置してこれに対応する。レジ係は一人当たり平均 15 秒で対応するとする。学生達は平均 30cm 間隔で行列を作るとして、中央 食堂のドア内に行列が収まるようにする ( ドアからはみ出す確率を 1% 以下に する ) ためには、レジから食堂のドアまでの距離を何 m 以上にする必要があ るのか ? ただし、 12 時の時点で行列に並んでいる学生はいないものとし、
時間当たりの学生の到来数は Poisson 分布に従うものとする。
インターネットなどのパケット通信の 場合
1 日あたり平均 10kWh の電力を消費して生活している A さんが、太陽光発 電 ( 定格 4kW のソーラーパネル ) のみで生活することを考えており、停電 率を 1% 以下にするためには、どれくらいの容量のバッテリーが必要とな るか ?
あるルータには、パケットが 1 秒あたり 100 個到着する。到着パケットは ルータ内のバッファに一時ストアされ、順次送出される。伝送速度が
1Gbps 、平均パケットサイズが 1kB であるとき、バッファが一杯で到着パ
ケットが棄却される確率 ( 棄却率という ) を 10-5 以下にするためには、何 kB のバッファを装備すればよいか ?
単一サーバモデル
ルータ ( バッファサイ
ズ ?)
1Gbps 到着パケット数 : 100 個 / 秒
平均パケットサイズ : 1kB
棄却率 <10-
5
バッテリ
( 容量 ?) 10kWh/ 日
平均発電量 : 12kWh/ 日
停電率 <10-
2
仙台で 4kW のパネルで の値
独立電源での生活に必要なバッテリ容量 は ?
本システムの状態遷移速度図は、 バッテリ容量を K とすると、以下で表される。
本システムは単一サーバモデルと考えられ、そのケンドール表記は、 M/M/1/K と なる。日々の発電量および電力使用量が Poisson 分布に従い、状態のマルコフ性 を仮定する。
発電余剰率は、 1.2 10
12
本システムの定常分布を求めればよい。
ここで、 λΔt: 単位時間あたりの発電率、 μΔt: 単位時間あたりの電力使用率である。
そこで、 1 日あたりの平均発電量 λ = 12 (kWh/ 日 )
1 日あたりの平均使用電力量 μ = 10 (kWh/ 日 ) とすると、
1 日あたりの平均発電量 λ とバッテリ容量 K を変えながら本システムの定常分布 を計算し、停電率を計算してみる。
となる。
0 1 2 3 K-1 K
λΔt μΔt
λΔt μΔt
λΔt μΔt
λΔt μΔt k
λΔt μΔt λΔt
μΔt
λΔt μΔt
λΔt μΔt
本システムの定常分 布
1E-05 1E-04 1E-03 1E-02
ρ = 1.001824879 ρ = 1.003005554 ρ = 1.004062882 ρ = 1.005020313 ρ = 1.005895175
λ = 12 kwh/ 日 (4kW) λ = 13.5 kwh/ 日
(4.5kW)
λ = 15 kwh/ 日 (5kW) λ = 16.5 kwh/ 日
(5.5kW)
λ = 18 kwh/ 日 (6kW)
K=1,000
バッテリ容量 : 100kWh を想定
k
πk ( 状態 k をとる確率 ) 1 日あたりの平均使用電力量を μ = 10 kWh/ 日とする
k =1 は 100Wh の電力量に相当
) ,
2 , 1 (
1, 1
1 0
0 K k kk k K
k
k
4 4.5
5 5.5
6 0
200 400 600 800 1,000 1,200 1,400
100 125
150 175
54.5
118
253
524
1048
92 258
705
1844
4566
151 552
1951 6457
19861
244 1176
5387 22592 86345
独立電源での生活における停電 率
バッテリ容量 (kWh) ソーラパネル定格出力 (kW)
1/ 停電率 ( 日 )
バッテリ残量が 5kWh を下回った時点を停電発生と定義すると、
出力 5.5kW のソーラパネルと 100kWh のバッテリがあれば、停電率を年 1 回以下にできる
電力 Off-grid 生活を始めるにあ たって
私の月ごとの電気使用量
ます、平均消費電力量を把握しておくこと
一世帯あたりの電力消費 量
1 ヶ月あたりの電気使用量 ( 全国平均)
私の生活に必要なシステム は ?
バッテリ
( 容量 ?) 650Wh/ 日
平均発電量 : 約 730Wh/ 日
停電率
< 2.74×10-3 250W のパネ
ルでの値 ( 仙 台 )
12 . 650 1 730
(19.5kWh/ 月 ) 単身赴任の私の場合、昼間は不在のため、夜 10 時~翌朝 7 時の間に使用す る電力量は 19.5kWh/ 月程度で、これは 1 日当たりに換算すると 650Wh であ る。従って、それだけの電力を賄うためのソーラパネルとして、 250W のものを 用意する。
ただし、停電で電気が使えない日は年 1 回以下 ( 停電率 < 2.74×10-3/ 日 ) に したい。
発電余剰率
15 20 25 30
0 500 1000 1500 2000
127
307
720
1664
バッテリ容量(kWh)
1/停電率(日)
バッテリ残量が 500Wh を下回った 時点で停電発生と定義すると、停電 率を年 1 回以下にするために
は、 20kWh 以上の容量のバッテリ
が必要。
平均使用電力量
電力 Off-grid 生活実証実 験
ベランダに設置したソーラパネル
(12V, 125W×2枚 ) リビングに設置した蓄電池
(48V, 20kWh)
電力会社からの買電を解約し、再生可能エネルギーのみで生活が成り立つこ とを、身をもって実証中。
6 月より配電ブレーカー遮断
宿舎のベランダに設置したソーラパネル (250W) で発電した電力をハイブリ ッドバッテリ (48V, 20kWh) に蓄電し、 1.5KW のインバータで交流 100V に 変換し、屋内配線に流し込んで利用するオフグリッド生活を 7 月より開始 し、現在まで無停電を継続中。
照明器具、 TV 、パソコン、冷蔵庫、掃除機、扇風機、電子レンジ、オーブン トースター、石油ファンヒーター、電気カーペット、電気炬燵、電気毛布、温 水洗浄便座などを利用
←1.5kW DC/AC インバータ
電力 Off-grid 生活実証実 験
屋内配線をいじるためには 電気工事士の免許が必要 インバータ出力を屋内配線に流
し込むためのオス - オス電源ケ ーブル
たいへん危険ですので、生半可な知識
と技術でいじるのは、絶対に止めてく
ださい
電力 Off-grid 生活実証実 験
バッテリ残量の推移
日付 (Wh)
0 5,000 10,000 15,000 20,000
発電量 電力使用量 バッテリ残量
1-99 100-199
200-299 300-399
400-499 500-599
600-699 700-799
800-899 900-999
1000-1099 1100-1199
1200-1299
>=1300 0
5 10 15 20 25 30
1-99 100-199
200-299 300-399
400-499 500-599
600-699 700-799
800-899 900-999
1000-1099 1100-1199
1200-1299
>=1300 0
5 10 15 20 25 30
発電電力および消費電力分 布
発電電力分布 消費電力分布
Poisson 分布 Poisson 分布
電力範囲 (Wh) 電力範囲 (Wh)
日数 日数
Poisson 分布と指数分 布
ポアソン (Poisson) 分布とは、ランダムに発 生する離散的な事象を数える特定の確率変数 X をもつ離散確率分布のことで、フランスの 数学者 S. D. Poisson が 1838 年に確率論と共 に発表 e
k k X P
k
) ! (
ある離散的な事象に対して、ポアソン分布が 単位時間あたりの生起確率を示し、指数分布 は生起間隔の確率分布を示す。指数分布は無 記憶性も有する
) 0 (
)
;
(x e x f x
例 1) 地震の発生がポアソン課程に従うと仮 定し、千年に一度の大地震が今後 1 年以 内に k 回発生する確率は、
001 . 0
! 001 . ) 0
( e
k k X P
k
例 2) それでは、千年に 1 度の頻度で起きる 大地震から千年が無事に経過したとす る。この先千年の間にその大地震が再び 起きる確率は ?
λ: 事象の平均発生回数
x 指数分布 Poisson 分布
電力 Off-grid 生活のすす め
電力 Off-grid 生活に興味のある方は、
始めるにあたってアドバイスを差し上げます
ので、ぜひご連絡下さい。
より安定的な電力確保に向け て
風力発電や小水力発電など、太陽光発電とは異なる発電パター ンを有するものと組み合わせることにより、発電量の平準化を 図る
4kW ソーラパネルによ る月別予測発電量 ( 仙 台市 )
風力発電による月別発電量 ( 岩手 県 )
3 ~ 5 月に発電量が多い
12 ~ 3 月に発電量が多い
より安定的な電力確保に向け て
単一の独立電源で安定的な生活を営むためには大容量の蓄電池が必要 しかし、近隣の独立電源を連携させることにより、互いに電力を融 通し合うことが可能となり、より安定的電力確保が可能に
独立電源 独立電源
独立電源 独立電源
独立電源 送電
送電
独立電源を連携させるマイクログリッド電力網システム 残量少
残量少 残量多
低電圧直流
送電線 低電圧直流
送電網
低電圧直流 送電線
< 数百 m < 数百 m
< 数百 m
< 数百 m
電力の融通は、近距離のため、低電圧直流送電で
目指すべき理想のマイクログリッド 社会
集中蓄電設備
化石燃料や原子力に依存せず、太陽光や風力、小水力やバイオマス などの再生可能エネルギーによって発電した電力を蓄電し、家庭や オフィス、学校などで使用する全ての電力を賄う小規模電力網 ( マ イクログリッド ) 社会
民家の庭先に設置したソーラパネル 小水力発電
何故低電圧直流送電なの か ?
送電線による送電では、電圧が高い程送電損失は小さ い。従って、長距離の送電には高圧送電が行われる。
小さなコミュニティ内で、近距離 (< 数百 m) での電力を融通し合 うマイクログリッド内の送電であれば、低電圧送電でも電力損失 は比較的小さい。
マイクログリッド電力網は、近距離での低電圧直流送電網 低電圧直流送電では変電設備は不要
そのための変電設備が必要
送電による電力の融通が必要となるのは、ある独立電源 がバッテリを使い切った時のみであり、普段はその必要 はない。
ex) 長さ 100km 、その電気抵抗が 100Ω の送電線があるとする。
1. この送電線で 100kW の電力を送る場合、 1 万 V の電圧で送電した場合の 損失は ?
2. この送電線で 100kW の電力を送る場合、 10 万 V の電圧で送電した場合の 損失は ?
ex) 長さ 100m 、電気抵抗が 0.1Ω の送電線で、 50V から 48V のバッテリに送電する場合 20A の電流が流れ、約 1kW の電力を送れるが、送電損失は 40W と 約 4% である。
直流 対 交流の歴 史
電球の発明 (1882 年 ) 、直流発電、直 流送電を提唱 (GE 創 設者 )
交流発電、交流送電が主流に
Nikola Tesla Thomas Edison
交流システムの最大のメリット : 電圧変換が容易 ( 変圧器 )
しかし、同じ電圧なら直流の方が送電ロスは少ない !!
交流電動機、交流発電、
交流送電の効用を提唱 直流 VS 交流
ウェスティング・ハウスも交流に着目
高電圧にして送電することにより、送電ロスを低減可能
しかも、現在では半導体回路により、直流の電圧変換は比較的容易に
直流動作の家電機器
現在、身の回りには直流 (DC) 回路で動作している家電機器の方が多くなった
LED 電球
TV (DC12 ~ 20V) PC (DC12 ~ 19V)
各種情報家電
インバーター機器
エアコン 冷蔵庫
蛍光灯
交流を一旦直流に変換し、周波数の異なる交流に再変換して 使用
AC(50, 60Hz)100V → DC → AC( 任意の周波数、電圧 )
DC12 ~ BLD
洗濯機 扇風機 電話、 FAX
掃除機
直流機器を使用するための AC アダ プタ
機器ごとに所要電圧・電流が異なるので、個別にアダプタが必要
AC 電源アダプタ DC 電気機器
+
+ +
AC100V
直流機器用統一電源プラグのアイデ ア
全ての電気機器で使用可能な統一直流電源プラグができないものか ?
全ての電気機器に共 通で使用可能な DC プラグ
現状では、機器によって電圧・極性はおろかプラグの形状もまちまち
ユニバーサル電源アダプ タ
プラグを付け替えることにより、異なる機器に接続でき、電圧と極性 を手動で設定することにより、あらゆる機器に適合可能な電源アダプ タが市販。
機器の電圧と極性を把握しておく必要があり、間違った設定で事故が起 きても自己責任
電圧と極性 を手動で設
定
付け替えることによ り、異なる機器に接
続可能
USB Power delivery との違 い
USB PD とは : 専用の USB ケーブルで、 100W までの電力供給を可能とする規格 通常の USB ケーブルは、 2 本の信号線と 2 本の電源線とからなり、信号
線を通して負荷機器とネゴシエーションをし、その機能に適合した場合の み、電源線を通して負荷機器に電力供給をする。標準の USB コネクター では最大 5A 、 microUSB コネクターでは最大 3A で、電圧は 5V 、 12V 、 20V が使われる。双方向の電力供給も可能。
USB PD では、 最大 20V/5A で、 100W(IT 機 器や情報家電の大部分はカバーされる ) まで の電力供給を可能とする。
我々が目指している統一電源プラグは、 480W(48V, 10A) までの電力
供給を可能とし、 4K 大画面 TV や照明機器や冷蔵庫、洗濯機、掃除機
なども使えるようにしたい。勿論、機器と常に通信しながら電力供給
を行うため、安全かつ効率的な電力供給が可能。ただし、電力供給は
一方向のみ。
IC チップによる機器の所要電力情報認識の仕組 み
IC チップ
電源ケーブル
+
-
機器の DC 電源プラグ +
- IC チップ
読み取り回路 DC 電
源回路 16V, 3.5A を供給
IC チップ読み取り 回路内蔵電源プラグ
読み取った機 器の電力情報 を電源側に送 信
IC チップに書き 込まれた機器ご との所要電力情 報
ex) 16V, 3.5A
負荷機器に所要電力情報を書き込んだ IC チップを内
蔵し、電源プラグが機器に接続されるとその情報を読
み取って電源に伝える。電源はその情報に基づいて必
要な電力を機器に供給。
RF ID による非接触での電力情報の読み取 り
RF ID タグ RF ID
アンテナ マイコンボード
電気機器
RF ID モジュー ル
12V, 5A
(12V, 5A) プログラマブル電
源
所要電力情報を 書き込んだ RF ID タグ
機器の所要電力情報が書き込ま
れた RF ID タグに電源プラグが
接近すると、その情報を読み取
って電源に伝える。電源はその
情報に基づいて必要な電力を機
器に供給。
統一電源プラグシステムの適用 先
ビジネスホテル
統一電源プラグ
新築住宅
統一電源プラグ
新幹線のテーブルトレイ
ワイヤレス給電によ る統一電源プラグ
壁に設置する統一電源プラ グ
家庭の AC100V コンセント
6 口 統一電源プラグ
電源ユニット 壁
壁の裏側 AC 100V
AC アダプタを用いた場合の電力利用効 率
低電圧直流回路で動作する機器 ( 各種情報家電、 LED 照明など )
AC100V
変圧器 ( トランス ) タイプ
スイッチング電源タイプ
~ 80%
~ 90%
エアコン 蛍光灯
インバータ機器 ( エアコン、冷蔵庫、蛍光灯など )
AC100V → DC → AC( 任意の周波数、電圧 )
~ 85% ~ 90% トータル :75 ~ 80%
太陽光発電による電力利用効率
太陽光発電等 → 低電圧直流回路で動作する機器 ( 各種情報家電、 LED 照明等 )
AC100V
~ 80%
~ 90%
太陽光発電による電力利用効率は、 70 ~ 80% と低い
DC12 or 24V → AC100V → AC アダプタ → 電気機器
85 ~ 90% 80 ~ 90% トータル :70 ~ 80%
DC12 or 24V
85 ~ 90%
パワーコンディショナ
トータル : 75 ~ 80%
トータル : 70 ~ 75%
DC/AC インバータ
直流電源プラグの電力利用効
商用電源 (AC100V) 利用の場合 率
統一 DC プラグ AC100V 100%
90%
スイッチング電源
トータル :90%
太陽光発電等を利用する場合
統一 DC プラグ
100% トータル :85 ~ 90%
DC12 or 24V
DC/DC
コンバータ 85 ~ 90%
太陽光発電でも高い電力利用効率
複数機器の接続に対応可能なマルチ電源システ ム
今、右のように電源プラグに 3 台の異なる電気機器が接続 されたとする。この場合、
個々の電気機器の所要電力情 報を見ると、 3 台電気機器に 対して個別に 3 台の電源を動 かして電力供給する必要はな く、 12V, 10A の電源 1 台で まとめて電力を供給できるこ とが分かる。
電源プラグに複数の機器が接続された場合の知的電源制御
動作電圧 9 ~ 12V 電流 3A
動作電圧 12 ~ 15V 電流 4A
動作電圧 9 ~ 15V 電流 2A
12V, 10A の電源 従って、そのような賢い判 断ができる電源システムが あれば、個々の機器に個別 に電力を供給する場合に比 べて電力効率は良くなる。
機器の多様な動作モードに対応可能な知的電 源
スタンバイ時 (2V, 10mA)
リモコン操作など に対応できるよう に赤外線センサ回 路などを動作させ ておく
電源回路無し ブート ( 始動 ) 時
(15V, 10A)
パソコンなどは 起動時には大き な電力を必要と する
通常動作時
(12V, 5A) 省エネ動作時
(5V, 3A)
計算処理をして いない時は CPU の電圧とクロッ ク周波数を下げ て電力消費を抑 えている
知的電源が機器と常時通信 しながら、機器の求める電 力をリアルタイムに供給 知的電源
小型電気機器利用の将来ビジョ ン
現在の直流動作の小型電気機器 は、機器ごとに固有の電源回路を 有する
電源回路
電源回路
電源回路 その分コストや重量が嵩み、ま た複数機器を用いる場合は非効 率
全ての小型電気機器から電源回路を 除き、統一電源プラグによって電力 を供給
電源回路無し
電源回路無し
機器のコスト削減、軽量化、複数 機器を用いる場合は高効率
統一電源プラグによる電力供給
直流電力利用を主体とした生活 に
+
- IC チップ
読み取り回路
直流機器用統一電源プラグ DC 電源回路
蓄電池 充電コントローラ
DC/DC コンバータ 商用電源
• 従来からの電灯線 (AC100V) とは別に、 DC 電源 (24 ~ 48V) を備えた 新しい住宅を提案
• DC 電源は太陽光発電などによって得た電力をバッテリに蓄電し、電 圧を変換して機器に供給
• 情報家電製品や LED 照明などは元来直流駆動で比較的消費電力が小さ いので、この DC 電源から給電
• 足りない分は商用電源 ( 電灯線 ) から供給
ソーラパネルな ど
まと め
先の大震災を経験した我々としては、再生可能エネルギーに基づいた、
環境に優しくかつ災害に強い電源システムの普及を積極的に促進してい くべき
再生可能エネルギーに基づく安定的な電力確保は十分可能
マイクログリッド内では低電圧直流送電が効果的
様々な再生可能エネルギーに基づく発電を組み合わせたり、独立電源 のネットワーク化 ( マイクログリッド ) により電力確保の安定化が図れ る
現在のライフスタイルにマッチした電気機器利用形態に変えていくべき
統一電源プラグ システムの開発と普及を
皆さんが通信工学で学んだ知識 ( トラフィック理論など ) は、他の分野にも応用可能
都市部では既存の電力網に基づくスマートグリッド、山間部や離島の集 落では、独立電源に基づくマイクログリッドといった住分けを