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論文内容要旨

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Academic year: 2021

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論文内容要旨

論文題名

Acute tramadol enhances brain activity associated with reward anticipation in the nucleus accumbens (側坐核における報酬予

測に関連した脳活動に対するトラマドールの増強効果)

掲載雑誌名

Psychopharmacology (投稿中)

歯科麻酔科学 氏名 淺利 友紀

トラマドールはセロトニンおよびノルアドレナリン再取り込み阻害作 用並びにμオピオイド受容体活性を持ち、癌性疼痛や神経障害性疼痛など 鎮痛薬として幅広く使用されている。トラマドールはヒトにおいて乱用の 可能性が低いとされていたが、依存に関連したトラマドールの乱用が報告 されてきている。動物実験では、トラマドール投与によって報酬機能の中 心的役割を担う側坐核における細胞外ドパミン量を増加および場所嗜好 性の増強が報告されていることから、トラマドールにおける乱用の可能性 が示唆されている。本研究はヒトにおけるトラマドールの乱用や依存性の 可能性を評価するため、機能的磁気共鳴撮像法(fMRI)を用いて報酬機能に 対するトラマドールの効果を検討した。

本研究はプラセボ対照二重盲検クロスオーバー試験にて健常者

19

名(男 性

9

名、女性

10

名)を対象に行った。トラマドール

50mg

またはプラセボ を服薬

2

時間後に、MID 課題(Monetary incentive delay task:金銭的報 酬予測に対する神経反応を惹起する課題)を遂行している間の脳活動を

fMRI

によって撮像し、報酬予測時と損失予測時の脳活動を可視化した。

両側側 坐核 を関 心 領域と して 報酬 予 測時 お よび 損失 予 測時 に おける

Blood oxygenation level-dependent (BOLD)信号変化を計測し、トラマド

ール服薬とプラセボ服薬を比較した。服薬前後に主観的な気分の評価を行 った。

トラマドールあるいはプラセボ服薬において、報酬予測時に側坐核を含 む脳領域の

BOLD

反応が増大した。最大報酬金額に対する報酬予測では、

側坐核の

BOLD

信号変化がプラセボと比較してトラマドール服薬によっ て有意に増大した。主観的な気分の評価ではプラセボと比較してトラマド ール服薬は、有意に状態不安を低下させ、活気、満足感、くつろぎおよび 友好性の増大がみられた。

(2)

側坐核の報酬予測に対する

BOLD

反応は、側坐核のドパミン放出と正 の相関があるとされている。μオピオイド受容体、セロトニン神経系およ びノルアドレナリン神経系は、薬物乱用において重要な脳領域である側坐 核および腹側被蓋野を含むドパミン神経系に直接的または間接的に影響 するとの報告がある。本研究の結果から、μオピオイド受容体活性並びに セロトニンおよびノルアドレナリン再取り込み阻害作用を伴ったトラマ ドールは報酬機能を増強し、ヒトにおいて依存作用を有していると示唆さ れる。

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