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気泡網に関する研究 I : 二, 三の淡水魚について の駆集及び遮断効果

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Academic year: 2022

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の駆集及び遮断効果

著者 江波 澄雄

雑誌名 鹿児島大学水産学部紀要=Memoirs of Faculty of Fisheries Kagoshima University

巻 8

ページ 140‑144

別言語のタイトル Studies on Bubble‑Net I : Driving and

Interceping Effect on Some Fresh‑water Fishes

URL http://hdl.handle.net/10232/13473

(2)

140

気 泡 網 に 関 す る 研 究 − 1

一 二 , 三 の 淡 水 魚 に つ い て の 駆 集 及 び 遮 断 効 果 * 一 江 波 澄 雄

StudiesonBubble‑Net‑I‑

DrivingandlntercepingEffectonSome

Fresh‑waterFishes

SumioENAMI

InordertoseethedrivingandinterceptingeffectsongoldfishandkilliEshsome laboratoryexperimentsonbubble‑net,preparedwithairbubblejetsweredone,The factwasconErmedthateachofthetwospecieswastobepreventedfromeasycrossing throughabubble‑net・MoreoveritwasascertainedthattheseeBfectswerelmderthe influencesfromtheair‑amountofthebubble‑netandfromthespacelengthbetween bubbleholes,Theinterceptingeffects,whencomparedeachotherinthecaseofkill‐

ifishandthatofgoldnsh,wereprovedtoberatherweakintheformer,andstrongin

thelatter.

緒 言

気泡網とは,気泡をI賞出させることにより網漁具と同じ様な魚群に対する駆集,遮断,

誘導叉は蛸集等の効果をあげようとするものであり,これにより漁具資材の節減や漁獲性

能の向上を意図している.

元来,我が国の水揚量の大部分は網漁具によってあげられている.しかし,その最大の 欠点は殆んど消耗品に等しい莫大な網資材と多くの労力を必要とする点にある.このため 従来多くの改良や機械化の研究がなされて来た.本研究も勿論この主旨に副うものである

が,特に噴出気泡に対する魚類の感覚生態学的反応性を積極的に且つ合理的に利用するこ

とにより,漁獲性能の向上をはかり,旧来の所謂漁網という概念から少しでも脱皮したい

意図を持っている.

籾て,気泡に対する魚類の反応についての研究は従来殆んどない.最近,米国に於て

ニシンの誘導及び追い込承実験を試みた報告')があるが,基礎的に解明しなければなら

ない点が多い.今回はヒブナ,キンギョ,ヒメダカ及びメダカ等の二,三の淡水魚につ いての駆集及び避断効果について実験を行い,一応の見透しを得たのでその結果を報告す

本研究を開始する端緒を与えられ,種狗有益な御指導を賜った九州大学農学部相川広秋

教授及び九州大学応用力学研究所栗原道徳教授,更に懇切な御助言と御鞭継を頂いている 本学部黒木敏郎先生及び九州大学農学部塚原博先生等に夫友深く感謝の意を表する。

実験材料及び方法

実験魚にはヒプナ(Commongold且sh:C α皿"sα"rα奴s),キンギョ(JapanesegoldEsh:

*日本水産学会九州支部例会(1958年5月於長崎)にて発表.

(3)

〈−入 VerticalSe〔Pti

Ca『.α皿"saz".αr"s),メダカ(Killiiish:Oノツzias/α es)及びヒメグカ(Japanesekillifish)

の4種,体長範囲2.5〜3.5cmで,購入叉は採集後1週間以上室内で水槽飼育したものを使

用した.

実験水槽は鉄枠ガラス水槽を用い,長さ60cm,巾30cm水深15cmである.気泡発生用 の圧搾空気はサッカーにより水道圧を利用して,硬質細ロガラスビン(10/入)の中に貯え,

これをビニールホースに導いた.空気圧の調節は分枝管を利用し,ビニールホースロにて 0.2kg/cm2になるようにした.ビニールホース(内径3mm)の末端は気密にして閉じ,そ れより30cm(駆錐効果実験の場合,直線!従って気泡は平面型に出る)及び31.4cm(遮 断効果実験の場合,…円型,従って気泡は円筒型に出る)の間に夫交5,10及び20mm間 隔に0.3mmの穴をあけ気泡噴出孔とし,前者の場合は短形の針‑金枠の底辺に,後者の場 合円型の針金枠に夫禽ゴム輪で取付けた.

実験に当っては魚の気泡に対する学習効果を出来るだけ除くため1匹連続使用を3〜5 回以内にとどめて新しいものに替えた.供試魚は一匹づつでブリキ製円筒(直径10cm底 なし)の中に入れ,駆柴の場合は進行方向の直前に,遮断の場合は円型枠の中におき,所 定の気泡を噴出させ,しばらく魚を落着かせて後,ブリキ円筒をなるべく魚に影響を及ぼ さないように引きあげる.同時に枠を毎秒1cmの速度で反対側に移動させ,魚が気泡網

(幕)から完全にぬけ出るまでの時間(距離)を夫為駆集及び遮断可能時間(距離)とし た.静止遮断効果実験の場合は水糟中央で,円筒を引あげると同時に時間をはかり,魚が 気泡網からぬけ出るまでの秒数を静止遮断可能時間とした.尚対照実験として毎回気泡を 出さない場合の実験も行った.(Fig.1参照).実験室は暗室にして,水槽水面中央上1.4m のところに100Wの白色電球をつけ出来るだけ光条件を均一にし,水温17.5〜21.5℃のも

とで,1実験20回宛繰返し観測した.

OnesidedrivingmethodMovementinterceptingmethod

IIoriz()ntalScctiol1

壷−ス

β 1

l L

J I P , j l ,

零−71

Fig.1.Drivingandinterceptingmethod

a:Cylindrictinplate,b:Vinylehose,C:Compressed‑aircurtain(bubble‑net)

d:Drivingdistancemcm,e:Interceptingtimesmsec,f2Fish.−AtErsta isdrawed,nexttimebismovedbythespeedoflc、/sec、−

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(4)

142

実 験 結 果 と そ の 考 察

1)駆脹効果について(Fig.1及びFig.2参照)駆柴効果を全休的にみると,気泡孔の 間隔が20mm,10mmそして5mmと順孜狭まくなるほどよく駆集されている.しかも間 隔が10mmと5mmとはあまりきわだったちがいはない.換言すれば送気圧が一定の場 合,気泡孔間隔がせまいほど駆集効果はあるが,ある間隔以上(この場合は10mm)にな るとその効果がほぼ一定してくる傾向がある.気泡のない場合の対照実験では駆41ミ距離 10cm前後で殆んど枠より出てしまっている.

気泡孔の間隔別に単位面積当り(10cm2)の気泡の数をみると(Tablel参照),20,10及 び5mmで夫点平均で117,178及び246ケとなり,間隔が狭まくなるほど多い.気泡自身 の大きさは気泡孔間隔がせまいほど若干小型が増加しているように観察された.気泡の大 さについての魚の反応は再検討する必要があるが,何れにしても,前述の駆集効果は気泡 の噴出状況,特に気泡孔間隔とそれに伴う単位面積当りの空気量に関係していると考える のが妥当のようである.これらのことは,将来気泡網を漁具として使用する場合,通常の 漁網の網目に相当することであるから,魚の種類,大さ及び温度,光度等の外的条件を充 分考慮した場合の有効気泡選定の条件として最も重要なことであるので,より精微な実験 で 究 明 さ れ ね ば な ら

−−Japallesegoldfish−−←−.IaPallesekillifish ない.

‑‑‑‑‑o‑‑‑CommongoIdfish一・詮一一Kiliifish 2)遮断効果につ いて(Fig.1.及び Fig.3,4.参照):気泡 を円筒型に出し,そ の中に魚を入れ,魚 が気泡網から出るま で の 時 間 を 一 応 遮 断 効果として観測した.

枠を前同様毎秒1cm の速度で移動させた場 (Fig.3参照)は駆集 効果の場合と略々同様 な傾向が認められ,気

c o n t r o I 2 0 1 0 5

泡間隔力§せまく,空気 Spacelengthbetweenbubbleholesinmm・ 量 が 多 い ほ ど 遮 断 効 果

F i g . 2 . C u r v e o f d r i v i n g e f f e c t b y t h e o n e s i d e d r i v i n g m e t h o d ・ が よ く 顕 れ て い る .

Table1.NumberofbubblesinlOcm2ofthecompressed‑aircurtainrbubble‑net)

(Dia・ofbubblellole:0.3mm,Pressureair:Ibs/in2)

OO5 #怖

51

.日︒日の◎口且黒口切日彦pQ

M一一一

鹿 児 島 大 学 水 産 学 部 紀 要 鋪 8 巻

b u 詔 淵 淵 蹄 協 s o l N u m b " o R b u b b l e h o l e s i n 3 0 c m l N u m b o 正 o f b u b b l ・ s i n l O c m l

6

246 178 117

5 m m

(235〜258)

(161〜193)

(106〜134)

(5)

Jap2mGsekillifigh

口さきでつつくよう な 行 動 を し て い る 場

合(空気量力§少し、場 合に多い)②全く背

をむけて気↑包噴出に よって生ずる水平底

流に向って泳1,,でい〉、

◎ 、

るような行動の場合§‐

(比較的多くゑられ目 0

る.一般型)及び③気

1包垂直噴流にまきこ まれるようにして出 る 場 合 ( 空 気 量 が 多 い場合に時為ある)

等の3つの行動型に 気泡孔間隔を20mm にして,枠を水槽中 央で静止させ,送気 圧を0.2kg/cm2に一

定にして,気,包網力、

らぬけ出るまでの時d

間の頻度分布をみる,:

● 胃

と ( F i g . 4 参 照 ) , キ :

ン ギ ヨ , ヒ プ ナ , 上 室 , O

メダカ及びメダカの:目

''頂で魚種別の遮断効§5

果の相違力§顕著にあ員

らわれ キギヨが最 も よ く , メ ダ カ の 場 合 あ ま り そ の 効 果 は , 期待出来なかった.

本実験を通じて,

気泡網に対する魚の 行 動 を 素 朴 に 観 察 し てみると,①気泡を

合一Japanese宵O1dfiSh‑‑全−−JapaI1eSekillifish

‑‑o−−Common酉oldfish‑‑‑△一一−二Kinifish,

。 − ダ l L ′ ‐ こ } 、 ノ V ー し 〆 L l − L I

{二蝋噸to鈍

る 場 合 ( 空 気 量 が 多

い場合に時為ある)Fig.4.Frequencydistributionsoftheinterceptingtimes 等の3つの行動型に bythestationarystateinterceptingmethod.

( 鵜 § ; 熊 I 稚 撫 : . i 細 m 、 )

大別される.しかも 普通の場合,気泡網

から魚がぬけ出る時は大部分気泡列の間をぬうようにして出ている.何れにしても,魚種 別の相違はあるが,気泡そのもの,及び気泡によって生ずる流れ叉は音に対し,無関心で

' ' 1

』&p

W l

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1−1︲Ⅲ叫峠叩一︾︽川川畑洲ⅡI︲︲︲

一・一一

一一

f 三 三 三

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〆沙

' '

c o n t r o I 2 0 1 0 5

Spacelengthbetweenbuddleholesinmm,

Fig.3.CurveofinterceptingefTectbythemovement interceptingmethod

JapaneseRoldfiSh

<101020304050 CommongoIdfish

6 0 く 1 0 1 0 2 0 3 0 4 0 5 0 6 0 S e C

麹■q̲南鯨

一L曝露詞

Killifish

.g'

(6)

144 鹿 児 島 大 学 水 産 学 部 紀 要 第 8 巻

あるような行動は認められず,駆集及び遮断効果は気泡噴流の状態によって影響されてい ることは事実である.

む す び

漁網の作用機能の半面である魚に対する駆集及び遮断効果と同じような効果を期待し て,気泡網に対するキンギョ,ヒブナ,ヒメダカ及びメダカ等の淡水魚について実験した.

その結果,各魚種いづれも気泡網による駆錐及び遮断効果がみとめられた.魚種別の相 違は,静止遮断実験で顕著にみられ,キンギョが最もよく,ヒプナ,ヒメグカがこれにつ ぎ,メダカが最も劣っていた.

本実験の空気圧の範囲(0.2.kg/cm2)では,気泡孔間隔がせまくなり,空気量が多くなる ほど,駆集及び遮断効果があがる傾向になり,しかも一定の限界以上になるとその効果に さほどのちがいは認められないようになる.将来,各種条件を考慮した場合の有効気泡選 定についての法則性を求め,気泡網の実用化をはかりたい.

文 献

I)Drivingherringschoolswithcompressed‑air‑curtain:CommercialFisheriesReview

Janl958andDec、1957.

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