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(Hanzer-Mui´c による ) p 進古典群の既約許容表現の Zelevinsky 分類

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(1)

p 進古典群の既約許容表現の Zelevinsky 分類 (Hanzer-Mui´c による )

今野 拓也

˚

平成 20 年 6 月 21 日

概 要

Hanzer-Mui´cによる非アルキメデス局所体上の古典群の既約許容表現の新たな分

類法を解説する。

目 次

0

記号

2

1 Zelevinsky

分類

2

2

古典群の表現論からの準備

4

2.1 Hopf 加群構造 . . . . 5 2.2 MVW 対合 . . . . 6 2.3 最大原理 . . . . 8

3

結果

10

4

網羅性の証明

11

4.1 定理 3.2 の網羅性 . . . . 11 4.2 定理 3.4 から定理 3.5 が従うこと . . . . 12

5

定理

3.2

の証明の完成

13

6

定理

3.4

の証明

15

˚九州大学大学院数理学研究院

E-mail:[email protected]

URL:http://knmac.math.kyushu-u.ac.jp/tkonno/index-j.html 訂正およびコメントなどありましたら、上記の電子メールアドレスまでお寄せ下さい。

(2)

7

定理

3.3

の証明

21

8 G

準同型への応用

22

0 記号

局所コンパクト完全不連結群 G に対してその長さ有限許容表現のなすアーベル圏を RpGq, その Grothendieck 群を K RpGq と書く [BZ76]。 G の既約許容表現の同型類の集合を Irr G と書けば、 K Rp G q は Irr G で生成される自由 Z 加群である。π, π

1

P K Rp G q のとき、

π ´ π

1

が Irr G で生成されるモノイドに属することを π π

1

と書くことにする。π P RpGq の反傾表現を π

_

で表す。

π

i

P Rp G

i

q, (i “ 1, 2) の外部テンソル積表現を π

1

£ π

2

P Rp G

1

ˆ G

2

q で表す。(従って π

1

, π

2

P RpGq の内部テンソル積表現 π

1

b π

2

P RpGqπ

1

£ π

2

P RpG ˆ Gq と対角埋め 込み G , Ñ G ˆ G との合成である。)

α

1

, . . . , α

r

からなる重複度付き集合を r α

1

, . . . , α

n

s と四角い括弧で表す。また重複度 付き集合 A, B の和を A ` B と書いて、集合としての合併 A Y B と区別する。

1 Zelevinsky 分類

まず非アルキメデス局所体上の一般線型群の既約許容表現の Zelevinsky による分類を 復習しておこう。

このノートを通して F は非アルキメデス局所体、 | |

F

をそのモジュラスとする。 EF の 分離 2 次拡大か F 自身を表すものとし、GalpE{F q の生成元を σ と書く。H

m

:“ GL

m

pEq とし、その対角極大トーラスを T

mH

, 上三角 Borel 部分群およびそのユニポテント根基を B

mH

, U

mH

と書く: B

mH

T

mH

˙ U

mH

. 準同型 ν : H

m

Q h ÞÑ | det h|

F

P R

ˆ`

を用意しておく。こ のノートでは m の分割とは総和が m の正整数の列 α “ pm

1

, . . . , m

r

q をさすものとする。

(減少列とはしない。 ) このような分割 α に対しては Levi 成分 M

αH

H

m1

ˆ H

m2

ˆ¨ ¨ ¨ˆ H

mr

である上三角放物的部分群 P

αH

M

αH

U

αH

Ă H

m

が対応する。

RpM

αH

q Q π からの放物的誘導表現を i

α

pπq :“ ind

HPHm

α

pπ £ 1

UαH

q P RpH

m

q と書く。完全

函手 i

α

が定める Grothendieck 群の準同型をやはり

i

α

: K RpM

αH

q ÝÑ K RpH

m

q

で表す。π

i

P RpH

mi

q, (1 ď i ď r) に対して π

1

ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ π

r

:“ i

α

1

£ ¨ ¨ ¨ £ π

r

q と書く。ま た π P Rp H

m

q の P

αH

に沿っての Jacquet

加群を

r

α

p π q : “ π

PH

α

P Rp M

αH

q と書く。 Frobenius

相互律

Hom

Hm

pπ, i

α

pτ qq » Hom

MαH

pr

α

pπq, τ q, π P RpH

m

q, τ P RpM

αH

q

が成り立つ。完全函手 r

α

が定める Grothendieck 群の準同型を同じ記号で表す [BZ76, 3.12]。

r

α

: K RpH

m

q ÝÑ K RpM

αH

q

(3)

π P RpH

m

q は任意の非自明な分割 α に対して r

α

pπq “ 0 となるとき超カスプ表現 (super- cuspidal representation) と呼ばれる。 Irr H

m

内の超カスプ表現の同型類からなる部分集合を Irr

cusp

H

m

と書く。任意の π P Irr H

m

に対して、分割 α “ pm

1

, . . . , m

r

q と π

i

P Irr

cusp

H

mi

π , Ñ π

1

ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ π

r

となるものが並べ替えをのぞいてただ一つある。このとき重複度付

き集合 r π

1

, . . . , π

r

s を π の超カスプ台 (supercuspidal support) と呼び supp π と書く。

H

m

の既約許容表現の Zelevinsky 分類は H

m

の表現の Gelfand-Kazhdan 微分を用いて証 明されたが、古典群への拡張のためには Hopf 代数構造を使った見方が見通しがよい。形 式的に

K R

H

:“

8

à

m“0

K RpH

m

q, Irr

H

:“

8

ž

m“0

Irr H

m

と定める。ただし H

0

“ t1u とおく。π P Irr H

m

に対して mm

π

と書く。このとき K R

H

m : K R

H

b K R

H

Q π

1

b π

2

ÞÝÑ π

1

ˆ π

2

P K R

H

, m

˚

: K R

H

Q π ÞÝÑ

mπ

ÿ

k“0

r

pk,mπ´kq

p π q P K R

H

b K R

H

をそれぞれ積、余積とする Z 上の Hopf 代数になるのだった [Zel80, 1.7]。

H

m

のユニタリ化可能な既約超カスプ表現の同型類の集合を Π

cusp

pH

m

q Ă Irr H

m

と書 き、Π

cusp,H

:“ š

8

m“0

Π

cusp

pH

m

q とおく。

∆ “ r ν

´α

ρ, ν

β

ρ s “ p ν

´α

ρ, ν

1´α

ρ, ν

2´α

ρ, . . . , ν

β

ρ q , ρ P Π

cusp,H

, α, β P R , α ` β P N の形の既約超カスプ表現の列を分節 (segment) という。その指数 (exponent) を ep∆q :“

pβ ´ αq{2 と定める。二つの分節 ∆, ∆

1

が連携している (linked) とは、∆ Y ∆

1

が再び分節 でしかも ∆, ∆

1

の間に包含関係がないこととする。

定理

1.1 (Zelevinsky 分類). (0)

分節表現

[Zel80, 3.1]。分節 ∆ “ rν

´α

ρ, ν

β

ρs に対して ν

´α

ρˆ ν

1´α

ρ ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ ν

β

ρ はただ一つの既約部分表現 x ∆ y を持つ。

(i)

可約性の判定条件

[同 4.2]。分節 ∆

1

, . . . ,

k

に対して x∆

1

y ˆ x∆

2

y ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ x∆

k

y が可約 であるためには、ある ∆

i

, ∆

j

が連携していることが必要十分である。

(ii)

複分節表現

[同 6.1]。分節 ∆

1

, . . . ,

k

e p ∆

1

q ě e p ∆

2

q ě . . . e p ∆

k

q を満たすとき、

x∆

1

y ˆ x∆

2

y ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ x∆

k

y はただ一つの既約部分表現 x∆

1

,

2

, . . . ,

k

y を持つ。

(iii) Zelevinsky

分類

[同 6.1]。任意の π P Irr

H

は (ii) の x∆

1

,

2

, . . . ,

k

y の形の表現に同型 である。このとき分節列 p ∆

1

,

2

, . . . ,

k

q は並べ替えをのぞいて π から一意に定まる。

(iv) [同 7.5] 分節 ∆

1

, . . . ,

k

に対して x∆

1

y ˆ x∆

2

y ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ x∆

k

y の K R

H

でのクラスは

1

, . . . ,

k

の順番によらない。

Zelevinsky

双対性

Aubert は K RpH

m

q の対合的 (つまり位数 2 の) 自己同型 D

G

pπq :“ ÿ

α;nの分割

p´1q

|α|´1

i

α

˝ r

α

(4)

を導入した [Aub95]。ここで |α| は α の濃度を表す。π P Irr H

m

の超カスプ台が M

αH

の表 現であるとき、

t

π :“ p´1q

|α|´1

D

G

pπq とおく。これは K R pH

m

q の対合的自己同型に延び る。もとの D

G

に比べて π Ñ

t

π は既約表現を既約表現に移すという長所がある。

中心指標を持つ π P Rp H

m

q が二乗可積分 (square integrable) とは、その任意の行列成 分が H

m

{ZpH

m

q 上で二乗可積分であることとする。ここで ZpH

m

q » E

ˆ

H

m

の中心で ある。

定理

1.2 ([Zel80] 9 節). (i) 分節 ∆ “ rν

´α

ρ, ν

β

ρs に対して

t

x∆y は ν

β

ρ ˆ ν

β´1

ρ ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ ν

´α

ρ のただ一つの既約部分表現である。

t

x ∆ y は中心指数 e p ∆ q が 0 のとき二乗可積分である。

(ii) H

m

の任意の既約二乗可積分表現はある分節 ∆ で ep∆q “ 0 なるものに対する

t

x∆y に 同型である。

(iii) 分節列 p ∆

1

, . . . ,

k

q に対して

t

x ∆

1

y ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ

t

x ∆

k

y は非退化 (Whittaker 模型を持つ)。

(iv) 任意の非退化な π P Irr H

m

はある互いに連携していない分節の列 p∆

1

, . . . ,

k

q を使っ て

t

x∆

1

y ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ

t

x∆

k

y と書ける。

この事実を使って定理 1.1 の Zelevinsky 双対を取ったものが Irr H

m

の Langlands 分類を 明示的に与えていることも示せるが、このノートではそれは必要ない。定理 (iii) から得ら れる次の帰結は有用である。

1.3. 分節列 Γ

1

, . . . , Γ

k

のどの二つも互いに連携していないとする。分節列 ∆

1

, . . . ,

, Ξ

1

, . . . , Ξ

m

x Ξ

1

y ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ x Ξ

m

y ˆ x ∆

1

, . . . ,

y x Γ

1

y ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ x Γ

k

y を満たせば x∆

1

y ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ x∆

y は既約である。

証明.

仮定の式の Zelevinsky 双対を取れば、双対性と放物的誘導函手は可換 [Aub95] だ から

t

x Ξ

1

y ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ

t

x Ξ

m

y ˆ

t

x ∆

1

, . . . ,

y

t

x Γ

1

y ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ

t

x Γ

k

y .

定理 1.2 (iii) からこの右辺は非退化だから、

t

x∆

1

, . . . ,

y も同様である。つまり互いに連 携していない分節列 ∆

11

, . . . ,

1q

があって

t

x∆

1

, . . . ,

y »

t

x∆

11

y ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ

t

x∆

1q

y と書ける (同 定理 (iv))。これは x ∆

1

, . . . ,

y » x ∆

11

y ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ x ∆

1q

y に同値だから、定理 1.1 (iii) により r∆

1

, . . . ,

s “ r∆

11

, . . . ,

1q

s となって、この分節列のどの二元も互いに連携していないこ とがわかる。

2 古典群の表現論からの準備

このノートでは古典群としてシンプレクティク群、直交群、それにユニタリ群の三種を

扱う。ϵ “ ˘1 として E 係数の n

0

ϵ エルミート行列 q

0

:

t

σpq

0

q “ ϵq

0

で非等方的なものを

(5)

取る。すなわち vq

0t

σpv q “ 0 となる v P E

n0

は 0 に限る。特に EFϵ “ 1 なら n

0

ď 4, ϵ “ ´ 1 なら n

0

“ 0, E Ľ F なら n

0

ď 2 である。このとき我々が考える古典群は、ϵ エル ミート空間

p W

n

, x , y

n

q : “

´

E

2n`n0

,

¨

˚

˝

J

n

q

0

ϵJ

n

˛

¯

の等距変換の群

G

n

:“

$

’ &

’ %

g P H

2n`n0

ˇ ˇ ˇ ˇ ˇ ˇ ˇ g

¨

˚

˝

J

n

q

0

ϵJ

n

˛

t

σpgq “

¨

˚

˝

J

n

q

0

ϵJ

n

˛

‚ , / . / -

である。ただし

J

n

:“

¨

˚

˝

1 . . . 1

˛

と書いている。E{F が二次拡大の場合には ´ϵ エルミート行列は ϵ エルミート行列の定数 倍となって G

n

の同型類には影響を与えないので、常に ϵ “ ´ 1 と取ることにする。

0 ď m ď n の分割 α “ pm

1

, . . . , m

k

q, ř

k

j“1

m

j

m に対して、P

α

M

α

U

α

は上三 角 (標準) 放物的部分群で Levi 成分 M

α

H

m1

ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ H

mk

ˆ G

n´m

であるものを表す。

π P Rp M

α

q からの放物的誘導表現を

I

α

pπq :“ ind

GPαn

pπ £ 1

Uα

q

と書き、それが定める Grothendieck 群の間の準同型も同じ記号 I

α

: K RpM

α

q Ñ K RpG

n

q で表す。π

i

P Rp H

mi

q, τ P Rp G

n´m

q に対しては

π

1

ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ π

k

¸ τI

α

1

£ ¨ ¨ ¨ £ π

k

£ τ q

と略記する。同様に P

α

に沿っての Jacquet 函手を J

α

pπq :“ π

Pα

と書き、それが定める Grothendieck 群の間の準同型も J

α

: K RpG

n

q Ñ K RpM

α

q と書くことにする。

2.1 Hopf 加群構造

一般線型群の場合と同じように K R

G

: “ à

ně0

K Rp G

n

q , Irr

G

: “ ž

ně0

Irr G

n

と書く。このノートでは H

m

の場合の余積の類似 µ

˚

: K R

G

Q τ ÞÝÑ

n

ÿ

k“0

J

pkq

pτq P K R

H

b K R

G

(6)

が重要な働きをする。Tadi´c による µ

˚

の明示公式を思い出しておこう。π P RpH

m

q に対 して σ p π q : “ π ˝ σ と書く。

κ : K R

H

b K R

H

Q π

1

b π

2

ÞÝÑ π

2

b π

1

P K R

H

b K R

H

, M

˚

: K R

H

κ˝m˚

ÝÑ K R

H

b K R

H

π12ÞÑσpπ1q_bm˚2q

ÝÑ K R

H

b K R

H

b K R

H mbid

ÝÑ K R

H

b K R

H

とおく。

定理

2.1 ([Tad95]). µ

˚

p π ¸ τ q “ M

˚

p π q ¸ µ

˚

p τ q.

分節 ∆ “ rν

´α

ρ, ν

β

ρs に対しては

m

˚

px ∆ yq “

α`β`1

ÿ

a“0

xr ν

´α

ρ, ν

k´α´1

ρ sy b xr ν

k´α

ρ, ν

β

ρ sy (2.1) が成り立っていた [Zel80, 3.4]。これに M

˚

を施すと

M

˚

px∆yq “

α`β`1

ÿ

a“0 a

ÿ

b“0

xrν

´β

ρ, ν

α´a

ρsy ˆ xrν

´α

ρ, ν

b´α´1

ρsy b xrν

b´α

ρ, ν

a´α´1

ρsy

であるから、定理 2.1 は特に次を与える。

2.2. µ

˚

pτ q “ ř

π11

π

1

b τ

1

と書くとき、

µ

˚

px ∆ y ¸ τ q “

α`β`1

ÿ

a“0 a

ÿ

b“0

ÿ

π11

xr ν

´β

σ p ρ q

_

, ν

α´a

σ p ρ q

_

sy ˆ xr ν

´α

ρ, ν

b´α´1

ρ sy ˆ π

1

b xrν

b´α

ρ, ν

a´α´1

ρsy ¸ τ

1

.

2.2 MVW 対合

等距写像 I

0

: pE

n0

, q

0

q Ñ pE

n0

,

t

q

0

q を取り

I

n

:“

¨

˚

˝ 1

n

η

0

ϵ1

n

˛

(7)

とおく。σ 線型同型 η

n

: E

2n`n0

Q w ÞÑ σpwq.I

n

P E

2n`n0

n

pwq, η

n

pw

1

qy

n

“σpwq

¨

˚

˝

ϵJ

n

t

q

0

J

n

˛

t

w

1

w

1

¨

˚

˝

J

n

q

0

ϵJ

n

˛

t

σ p w q “ x w

1

, w y

を満たす。容易にわかるように Adpη

n

q : G

n

Q g ÞÑ η

n

˝

n´1

P G

n

は定義可能な位数 2 の 自己同型である。τ P RpG

n

q に対して τ

η

:“ τ ˝ Adpη

n

q と書くことにする。

定理

2.3 ([MVW87] 4 章定理 II.1). τ P Irr G

n

のとき τ

η

» τ

_

.

この定理の応用をいくつか述べておこう。

命題

2.4. π P Irr H

m

, τ P R pG

n

q のとき、K R pG

m`n

q での等式 σpπq

_

¸ τπ ¸ τ が成り 立つ。

証明.

まず τ P Irr G

n

のとき、pπ £ τ q

η

» σpπq £ τ

η

に注意すれば、K RpG

m`n

q での等式 σ p π q

_

¸ τ » σ p π q

_

¸ p τ

_

q

η

“ p π

_

¸ τ

_

q

η

“ p π

_

¸ τ

_

q

_

π ¸ τ

が得られる。一般の τ P RpG

n

q に対する主張はこれと函手 I

α

の完全性から直ちに従う。

Irr

kH

ˆ Irr

G

Q pπ

1

, . . . , π

k

, τ q, pπ

11

, . . . , π

k1

, τ q が W

G共役とは、置換

s P S

k

があって任意 の 1 ď i ď k に対して π

1i

» π

spiq

または π

i1

» σpπ

spiq

q

_

が成り立つこととする。次の結果は

[BZ77, 定理 2.9] の拡張になっている。

2.5. Irr

kH

ˆ Irr

G

Q pπ

1

, . . . , π

k

, τ q, pπ

11

, . . . , π

k1

, τ q が W

G

共役ならば、K R

G

での等式 π

1

ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ π

k

¸ τπ

11

ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ π

k1

¸ τ

が成り立つ。

証明.

[Zel80, 定理 1.9] から任意の s P S

k

に対して K R

H

では π

sp1q

ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ π

spkq

π

1

ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ π

k

であるから、必要なら π

1

, . . . , π

k

を並べ替えて、任意の 1 ď i ď kπ

i1

» π

i

または

π

i1

» σpπ

i

q

_

が成り立つとしてよい。このとき系を k についての帰納法で証明する。k “ 0

のとき示すことは何もない。 k ´ 1 のときを仮定する: τ

1

: “ π

2

ˆ¨ ¨ ¨ˆ π

k

¸ τπ

21

ˆ¨ ¨ ¨ˆ π

k1

¸ τ .

このとき π

11

» π

1

なら明らかに、π

11

» σpπ

1

q

_

ならば命題 2.4 から π

1

¸ τ

1

π

11

¸ τ

1

であ

るから主張が従う。

(8)

MVW 対合のもう一つの応用として次が示せる。

命題

2.6. (i) π, π

1

, . . . , π

k

P Irr

H

とする。π が π

1

ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ π

k

の商表現であるためには、π が π

k

ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ π

1

の部分表現であることが必要十分。

(ii) τ, τ

1

P Irr

G

, π

1

, . . . , π

k

P Irr

H

とする。 τπ

1

ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ π

k

¸ τ

1

の商であるためには、τ が σ p π

1

q

_

ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ σ p π

k

q

_

¸ τ

1

の部分表現であることが必要十分。

証明.

(i) H

m

の外部自己同型 θ

m

θ

n

p g q : “ Ad ´

¨

˚

˚

˚

˝

1

´1 . . . p´ 1 q

m´1

˛

¯

t

σ p g q

´1

により定める。 π P Rp H

m

q に対して π

θ

: “ π ˝ θ と書けば、 [BZ76, 定理 7.3] から π P Irr

Hm

に対して π

θ

» σpπq

_

である。このとき反傾表現を取る操作と放物的誘導函手は可換だ から、

Hom

H

1

ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ π

k

, πq »Hom

H

pσpπq

_

, σpπ

1

q

_

ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ σpπ

k

q

_

q

»Hom

H

θ

, σpπ

1

q

_

ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ σpπ

k

q

_

q

»Hom

H

pπ, pσpπ

1

q

_

ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ σpπ

k

q

_

q

θ

q

»Hom

H

pπ, σpπ

k_

q

θ

ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ σpπ

_1

q

θ

q

»Hom

H

pπ, π

k

ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ π

1

q となって主張が従う。

(ii) も同様に

Hom

G

1

ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ π

k

¸ τ

1

, τ q »Hom

G

_

, π

_1

ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ π

_k

¸ τ

1_

q

»Hom

G

η

, π

1_

ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ π

_k

¸ τ

1_

q

»Hom

G

pτ, σ pπ

1

q

_

ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ σpπ

k

q

_

¸ pτ

1_

q

η

q

»Hom

G

pτ, σ pπ

1

q

_

ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ σpπ

k

q

_

¸ τ

1

q から従う。

2.3 最大原理

τ P RpG

n

q が超カスプ表現とは、任意の真放物的部分群 P

α

Ĺ G に対して J

α

pτ q “ 0 と

なることだった。 Irr G

n

内の超カスプ的な同型類の集合を Irr

cusp

G

n

と書く。τ P Irr G

n

対しても ρ

i

P Irr

cusp

H

mi

, (1 ď i ď k), τ

sc

P Irr

cusp

G

n´m

τ , Ñ ρ

1

ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ ρ

k

¸ τ

sc

となる

ものがある。この pρ

1

, . . . , ρ

k

; τ

sc

q の W

G

共役類を τ の超カスプ台と呼び、supp τ と書く。

(9)

G

n

の既約表現の分類には次の最大原理が構成的な役割を果たす。

定理

2.7. τ P Irr G

n

ρ

i

P Irr

cusp

H

mi

, (1 ď i ď k), τ

1

P Irr G

n´m

τ , Ñ ρ

1

ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ ρ

k

¸ τ

1

を満たすとする。分節列 ∆

1

, . . . ,

k

τ , Ñ x ∆

1

y ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ x ∆

k

y ¸ τ

1

,

1

` ¨ ¨ ¨ ` ∆

k

“ r ρ

1

, . . . , ρ

k

s

となるもののうちで、pep∆

1

q

mx∆1y

, . . . , ep∆

k

q

mx∆ky

q が辞書式順序に関して最大となるもの とすると、優性 ep∆

1

q ě ep∆

2

q ě ¨ ¨ ¨ ě ep∆

k

q が成り立つ。

証明.

背理法による。定理の条件を満たす分節列 ∆

1

, . . . ,

k

を取り、仮に e p ∆

j´1

q ă e p ∆

j

q であったとする。∆

i

“ rν

´αi

ρ

i

, ν

βi

ρ

i

s と書く。

仮定から複分節表現 x∆

j

,

j´1

y , Ñ x∆

j

y ˆ x∆

j´1

y が定まり、命題 2.6 から x∆

j´1

y ˆ x ∆

j

y ³ x ∆

j

,

j´1

y である。特に ϕ ­“ 0, P Hom

H

px ∆

j´1

y ˆ x ∆

j

y , x ∆

j

y ˆ x ∆

j´1

yq が取れて

τ , Ñ x∆

1

y ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ x∆

k

y ¸ τ

1

ÝÑ x∆

ϕ 1

y ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ x

j´1 _

j

y ˆ x

j _

j´1

y ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ x∆

k

y ¸ τ

1

が成り立つ。ここで右辺に現れる分節列の指数は中央のそれより辞書式順序について真に 大きいので、仮定からこの G

n

準同型の合成は 0 でなくてはならない。つまり π :“ ker ϕ として

τ , Ñ x∆

1

y ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ x∆

j´2

y ˆ π ˆ x∆

j`1

y ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ x∆

k

y ¸ τ

1

(2.2) だから π ­“ 0 である。特に x∆

j´1

y ˆ x∆

j

y は可約だから ∆

j´1

, ∆

j

は連携している:

ρ

j´1

» ρ

j

, ´α

j´1

ă ´α

j

, β

j´1

ă β

j

.

このとき [Zel80, 命題 4.6] と命題 2.6 から π » xr ν

´αj´1

ρ

j

, ν

βj

ρ

j

sy ˆ xr ν

´αj

ρ

j

, ν

βj´1

ρ

j

sy が わかる。これを代入して (2.2) は

τ , Ñ x ∆

1

y ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ x ∆

j´2

y ˆ xr ν

´αj´1

ρ

j

, ν

βj

ρ

j

sy ˆ xr ν

´αj

ρ

j

, ν

βj´1

ρ

j

sy

ˆ x∆

j`1

y ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ x∆

k

y ¸ τ

1

となる。しかし明らかに pβ

j

´ α

j´1

q{2 ą ep∆

j´1

q であるから、これは ∆

1

, . . . ,

k

の取り 方に矛盾する。

注意

2.8. 以下の構成の中では次に述べる定理 2.7 の変形も使われる。証明は全く同様にで きる。τ P Irr G

n

, 分節列 Γ

1

, . . . , Γ

k

τ

1

P Irr G

n´m

τ , Ñ xΓ

1

y ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ xΓ

k

y ¸ τ

1

, epΓ

i

q ą ε, 1 ď i ď k を満たすとする。分節列 ∆

1

, . . . ,

τ , Ñ x ∆

1

y ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ x ∆

k

y ¸ τ

1

,

1

` ¨ ¨ ¨ ` ∆

“ Γ

1

` ¨ ¨ ¨ ` Γ

k

となるもののうち、pep∆

1

q

mx∆1y

, . . . , ep∆

q

mx∆y

q が辞書式順序に関して最大となるものと

すると、e p ∆

1

q ě e p ∆

2

q ě ¨ ¨ ¨ ě e p ∆

q ě ε が成り立つ。

(10)

3 結果

負表現とその分類

τ P Irr

Gn

が負 (negative) (真に負 (strongly negative)) とは、 ρ

i

P Irr

cusp

H

mi

, (1 ď i ď k), τ

cusp

P Irr

cusp

G

n´m

τ , Ñ ρ

1

ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ ρ

k

¸ τ

cusp

を満たすならば、その指数は 基本余ウェイトに関して 0 以下である (負である):

epρ

1

qm

ρ1

` ¨ ¨ ¨ ` epρ

j

qm

ρj

ď 0, pepρ

1

qm

ρ1

` ¨ ¨ ¨ ` epρ

j

qm

ρj

ă 0q こととし、それを τ ď 0 (τ ă 0) と略記する。

注意

3.1. Langlands-Casselman の判定律 [Kon03, 補題 2.4] によれば、τ P Irr

Gn

が二乗 可積分 (緩増加) であるためには、ρ

i

P Irr

cusp

H

mi

, (1 ď i ď k), τ

cusp

P Irr

cusp

G

n´m

τ , Ñ ρ

1

ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ ρ

k

¸ τ

cusp

を満たすとき、

epρ

1

qm

ρ1

` ¨ ¨ ¨ ` epρ

j

qm

ρj

ą 0, pepρ

1

qm

ρ1

` ¨ ¨ ¨ ` epρ

j

qm

ρj

ě 0q

であることが必要十分である。このことと [Aub95, 定理 1.7 (2)] から真に負 (負) である既 約表現は既約二乗可積分 (緩増加) 表現の Zelevinsky-Aubert 対合を取ったものに一致する。

特に真に負な既約表現の分類は既約二乗可積分表現の分類に同値である。

定理

3.2. 任意の τ

neg

ď 0, P Irr G

n

に対して、e p ∆

i

q “ 0 なる分節列 ∆

1

, . . . ,

k

τ

sn

ă 0, P Irr G

n´m

があって、τ

neg

, Ñ x∆

1

y ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ x∆

k

y ¸ τ

sn

が成り立つ。さらにこの右辺は τ

neg

から W

G

共役をのぞいて一意に定まる。

定理

3.3. 分節列 ∆

1

, . . . ,

k

τ

sn

ă 0, P Irr G

n´m

ep∆

i

q “ 0 を満たすとき、x∆

1

y ˆ

¨ ¨ ¨ ˆ x∆

k

y ¸ τ

sn

の組成因子はすべて負である。

既約表現の

Zelevinsky

型分類

まず複文節表現の類似を構成する。

定理

3.4. (i) 分節列 ∆

1

, . . . ,

k

τ

neg

ď 0, P Irr G

n´m

ep∆

1

q ě ep∆

2

q ě ¨ ¨ ¨ ě ep∆

k

q ą 0 を満たすとき、x∆

1

y ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ x∆

k

y ¸ τ

neg

はただ一つの既約部分表現 x∆

1

, . . . ,

k

, τ

neg

y を 持つ。

(ii) x∆

1

, . . . ,

k

, τ

neg

y は x∆

1

y ˆ x∆

2

, . . . ,

k

, τ

neg

y の部分表現。

(iii) x∆

1

y ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ x∆

k

y ¸ τ

neg

の組成因子としての x∆

1

, . . . ,

k

, τ

neg

y の重複度は 1 である。

(iv) x ∆

1

, . . . ,

k

, τ

neg

y ă 0 となるのは k “ 0 の場合に限る。

(v) σpx∆

1

yq

_

ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ σpx∆

k

yq

_

¸ τ

neg

は x∆

1

, . . . ,

k

, τ

neg

y をただ一つの既約商表現に持つ。

(vi) x∆

1

, . . . ,

k

, τ

neg

y » x∆

11

, . . . ,

1

, τ

neg1

y であるためには、∆

11

, . . . ,

1

が ∆

1

, . . . ,

k

並べ替えで τ

neg

» τ

neg1

であることが必要十分である。

(11)

任意の既約表現は上の形に書ける。

定理

3.5. 任意の τ P Irr G

n

は x∆

1

, . . . ,

k

, τ

neg

y の形に書ける。

4 網羅性の証明

この節では前節で述べた結果のうち、定理 3.2 の構成がすべての既約負表現を網羅する ことと定理 3.5 を証明する。

4.1 定理 3.2 の網羅性

負だが真に負ではない τ

neg

P Irr G

n

を取る。[BZ77] から ρ

i

P Irr

cusp

H

mρi

, τ

cusp

P Irr

cusp

G

n´m

τ

neg

, Ñ ρ

1

ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ ρ

r

¸ τ

cusp

(4.1) となるものが W

G

共役をのぞいてただ一つある。このとき定理 3.2 のような p∆

1

, . . . ,

k

, τ

ă0

q が存在することを r についての帰納法で証明しよう。r “ 1 のときは仮定から e p ρ

1

q “ 0 で あるから、∆

1

ρ

1

, τ

sn

:“ τ

cusp

とすればよい。

一般の r のとき、仮定からある 0 ă k ď r で ř

k

j“1

epρ

j

qm

ρj

“ 0 となるものがある。 (4.1) に Frobenius 相互律を使うと、α “ p m

ρ1

, . . . , m

ρk

q に対して

Hom

Mα

`

J

α

neg

q, ρ

1

£ ¨ ¨ ¨ £ ρ

k

£ pρ

k`1

ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ ρ

r

¸ τ

cusp

q ˘

­“ 0

であることがわかる。よってある τ

1

P JHpρ

k`1

ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ ρ

r

¸ τ

cusp

q があって τ

neg

, Ñ ρ

1

ˆ

¨ ¨ ¨ ˆ ρ

k

¸ τ

1

である。これに最大原理を適用しよう。

τ

neg

, Ñ xΓ

1

y ˆ . . .

y ¸ τ

1

, Γ

1

` ¨ ¨ ¨ ` Γ

“ pρ

1

, . . . , ρ

k

q (4.2) となる分節列 Γ

1

, . . . , Γ

のうち p e p Γ

1

q

mxΓ1y

, . . . , e p Γ

q

my

q が辞書式順序で最大なものを取 れば、定理 2.7 により epΓ

1

q ě epΓ

2

q ě ¨ ¨ ¨ ě epΓ

q が保証される。

このとき Γ

i

“ rν

´αi

ρ

1i

, ν

βi

ρ

1i

s として、M :“ sup

1ďiďℓ

m

ρ1

i

i

` β

i

` 1q とおけば、

0 “

k

ÿ

i“1

epρ

i

qm

ρi

ÿ

i“1 βi

ÿ

j“´αi

m

ρ1

i

j

ÿ

i“1

m

ρ1

i

β

i

´ α

i

2 pα

i

` β

i

` 1q

ÿ

i“1

m

ρ1

i

i

` β

i

` 1qepΓ

i

q ď ℓM epΓ

1

q

(4.3)

だから epΓ

1

q ě 0 がわかる。一方、(4.1) と分節表現の定義から

τ

neg

, Ñ pν

´α1

ρ

11

ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ ν

β1

ρ

11

q ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ pν

´α

ρ

1

ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ ν

β

ρ

1

q ˆ ρ

k`1

ˆ ¨ ¨ ¨ ˆ ρ

r

¸ τ

cusp

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