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大 学 院 派 遣 研 修 報 告 書

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Academic year: 2021

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( 様 式 1 )

大 学 院 派 遣 研 修 報 告 書

所 属 校 三 鷹 市 立 第 一 小 学 校 氏 名 小 暮 敦 子

派 遣 大 学 院 東 京 学 芸 大 学 専 攻・コ ー ス 学 校 心 理 専 攻 ・ 学 校 心 理 コ ー ス 研 究 テ ー マ プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン 指 導 に お け る 評 価 項 目 の 検 討

Ⅰ 研 究 の 概 要 1 . 背 景

社 会 の 情 報 化 に と も な い 、 情 報 通 信 ネ ッ ト ワ ー ク が 急 速 に 進 展 し た 。 情 報 量 の 増 加 は 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に 変 化 を も た ら し 、必 要 な 情 報 を 整 理 し て 相 手 に う ま く 伝 え る 能 力 が こ れ ま で 以 上 に 求 め ら れ て き て い る 。 中 で も プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン ( 以 下 、 プ レ ゼ ン ) 能 力 は 、 情 報 化 社 会 を 生 き る 上 で 必 要 な 表 現 力 と し て 注 目 を 集 め て い る 。 プ レ ゼ ン 能 力 育 成 の た め に は 、 小 中 学 校 か ら 系 統 的 な 指 導 が 行 わ れ る こ と が 必 要 で あ る 。 高 等 学 校 で は プ レ ゼ ン を 教 科

「 情 報 」 の 中 で き ち ん と 位 置 付 け ら れ て い る 一 方 、 小 学 校 で は 各 教 科 や 総 合 的 な 学 習 の 時 間 の 中 に 入 れ 込 む 形 で 指 導 さ れ て い る 。 し か し 、 教 科 の ね ら い や 学 習 場 面 と の 明 確 な 対 応 が さ れ て お ら ず 、 プ レ ゼ ン 指 導 の 内 容 や 方 法 は 、 明 ら か で は な い 。 ス ラ イ ド を 作 る こ と が プ レ ゼ ン で あ る か の よ う な ス キ ル 偏 重 の 指 導 に 陥 り や す い 原 因 も こ こ に あ る と 思 わ れ る 。こ の よ う な 現 状 か ら 、 小 学 生 に は 、 ど の よ う な プ レ ゼ ン が 求 め ら れ る べ き な の か 、 何 を 重 点 に 指 導 す べ き な の か を 明 ら か に す る こ と が 急 務 で あ る と 考 え 、 次 の 3 点 を 本 研 究 の 目 的 と し た 。

2 . 目 的

プ レ ゼ ン 評 価 項 目 に つ い て 3 つ の 検 討 を 行 い 、 小 学 校 で 指 導 す べ き 内 容 を 明 ら か に す る 。 検 討 1 : 児 童 が 重 視 す る プ レ ゼ ン の 評 価 観 点 ・ 評 価 項 目 は 何 か

検 討 2 : 評 価 項 目 間 に ど の よ う な 相 関 関 係 が あ る か 検 討 3 : プ レ ゼ ン の 評 価 に 影 響 を 及 ぼ す 要 因 は 何 か

3 . 方 法

図 1 の よ う な 流 れ で 調 査 を 行 っ た 。 調 査 対 象 者 は 、 小 学 生 と 大 学 生 で あ る 。 本 研 究 は 、 小 学 生 と 大 学 生 の 結 果 を 比 較 す る こ と が 目 的 で は な く 、あ く ま で も 小 学 校 の プ レ ゼ ン 指 導 へ の 示 唆 を 得 る こ と を 目 的 と し て い る 。 そ の た め 、

大 学 生 の 結 果 は 、 小 学 生 の 結 果 解 釈 の 手 が か り の ひ と つ と し て 位 置 付 け 、 調 査 を 計 画 し た 。

調 査 対 象 者 : 都 内 M 小 学 校 5 年 1 組 3 0 名 調 査 期 間 : 平 成 1 7 年 4 月 ~ 7 月

指 導 内 容 : 社 会 科 ・ 総 合 的 な 学 習 の 時 間 「 都 道 府 県 調 べ 」

①Pre

自己評価 ②評価課題 ③Post 自己評価

④指導

1

調査の流れ

①Pre

自己評価 ②評価課題 ③Post 自己評価

④指導

1

調査の流れ

※ 日 本 の 水 産 業 、 農 業 の 学 習 の 過 程 で 一 人 一 県 を 担 当 し 、 調 べ た こ と を プ レ ゼ ン の 形 で 全 員 が 発 表 す る 。 社 会 科 は 2 7 時 間 、 プ レ ゼ ン 作 成 と 発 表 は 1 2 時 間 程 度 指 導 し た 。

① pre 自 己 評 価 ・ ③ post 自 己 評 価

指 導 前 後 の 自 身 に つ い て 評 価 す る 。 質 問 紙 の 内 容 と 項 目 数 は 次 に 示 す 。

1)

パ ワ ー ポ イ ン ト の 技 能 に つ い て

(12

項 目

)

( 辻 ら ,

2003)

2)

ス ラ イ ド の 見 や す さ に つ い て

(12

項 目

)( 堀 田 ,2004)

3)

プ レ ゼ ン で 重 視 す る 評 価 観 点 と 評 価 項 目 に つ い て

(21

項 目

)( 坂 元 ,2004)

(2)

② 評 価 課 題

授 業 の 中 で 友 達 の プ レ ゼ ン を 聞 い て 評 価 す る 。 内 容 と 項 目 数 は 次 に 示 す 。

1)プ レ ゼ ン 7 観 点 と ス ラ イ ド の 見 や す さ の 評 価(10

項 目

)

( 坂 元 ,

2004)

2)ス ラ イ ド 構 成 に つ い て の 評 価(5

項 目

)

( 堀 田 ,

2004)

3)プ レ ゼ ン ス ( 話 し 方 ) に 関 す る 評 価(8

項 目

)

( 堀 田 ,

2004)

※ 以 上 の 質 問 紙 は 、 先 行 研 究 の 一 部 を 引 用 、 ま た は 参 考 に し て 筆 者 が 作 成 し た 。 4 . 結 果 と 考 察

4.1 児 童 が 重 視 す る 評 価 観 点 ・ 評 価 項 目 は 何 か

プ レ ゼ ン の 評 価 観 点 は 7 つ 、 各 観 点 の 下 に 3 つ ず つ 評 価 項 目 を 設 定 し た ( 表 1 )。 評 価 観 点 と 項 目 を「 非 常 に 大 事 」「 か な り 大 事 」「 や や 大 事 」「 大 事 」「 少 し 大 事 」と 重 視 す る 度 合 い に 応 じ て 5 段 階 に 分 類 し て 回 答 を 得 た 。そ れ ぞ れ を 5 ~ 1 点 に 得 点 化 し て 重 視 す る 評 価 観 点 や 評 価 項 目 を 明 ら か に し た 。

図 2 は 、 重 視 す る 評 価 観 点 の 変 化 に つ い て 示 し た も の で あ る 。 縦 軸 は 得 点 の 高 さ 、 横 軸 は 指 導 前 と 後 を 示 す 。

評価観点

NO 評価項目

1 一番伝えたいことがはっきりしている 2 よいテーマをえらぶ

3 プレゼンを聞いてもらう目的がある 4 コンピュータやデジカメのよさを考えて使う 5 いろいろな機器や道具を使う

6 見やすくするために機器を使う 7 友だちがやらないような方法で調べてる 8 いろいろな考えと比べながら自分の考えを言う 9 プレゼンテーションに自分らしさが出ている 10 たくさんの資料を用意する

11 集めた資料の中で必要だと思うものを選んで使う 12 何種類かの資料を集めて調べる

13 聞いている人を意識して、アイコンタクトをとって話す 14 明るく、楽しく、身振りなどを入れて話す

15 自信をもって相手の心に強くひびく話し方をする 16 一番伝えたいことをどこで言うかを考える 17 スライドにタイトルや題を入れる 18 話の流れがスムーズである

19 下書きをして、スライドを作る前に計画を立てる 20 リハーサルをして間違っていたところを直しておく 21 本番前にだれかに聞いてもらう

表1 評価観点・評価項目一覧

リソース オリジナリティ

メディア テーマ

プロセス ストーリー プレゼンス

得 点 が 高 い ほ ど 重 視 す る 観 点 で あ る 。

150 200 250 300

pre post

テーマ メディア オリジナリティ リソース プレゼンス ストーリー プロセス

図2 重視する評価観点の得点の変化 150

200 250 300

pre post

テーマ メディア オリジナリティ リソース プレゼンス ストーリー プロセス

図2 重視する評価観点の得点の変化

児 童 が 重 視 し た 評 価 観 点 は 「 テ ー マ 」、

「 プ レ ゼ ン ス 」 だ っ た 。 特 に 「 テ ― マ 」 は 指 導 後 に 重 要 性 が 有 意 に 高 ま っ た 。

(t(80)=2.46,p<.05)

大 学 生 も 小 学 生 同 様 、「 テ ー マ 」「 プ レ ゼ ン ス 」 が 重 視 す る 評 価 観 点 で あ っ た 。

図 3 は 、

21

個 の 評 価 項 目 の

prepost

の 得 点 と 変 化 の 関 係 を 表 し た も の で あ る 。 図 3 は 、 図 4 に 示 す 4 つ の 領 域 か ら 成 る 。 A ~ D の 領 域 は そ れ ぞ れ 次 の よ う な 特 徴 を も っ て い る 。

prepost平均得点

図3 評価項目の得点と変化の関係 8 3

13

prepost平均得点

図3 評価項目の得点と変化の関係

prepost平均得点

図3 評価項目の得点と変化の関係 8 3

13

B A

C D

図4 関係の図の4領域

A B

C D

A B

C D

図4 関係の図の4領域

A 領 域 → 得 点 が 高 く 、 指 導 後 に 高 ま っ た 項 目

B 領 域 → 得 点 が 高 く 、指 導 後 に 高 ま る こ と が な い 項 目

C 領 域 → 得 点 が 低 く 、指 導 後 に 高 ま る こ と が な い 項 目

D 領 域 → 得 点 が 低 く 、 指 導 後 に 高 ま っ た 項 目

(3)

21

項 目 は 、 A 領 域 に 2 項 目

(1,2,)、 B 領 域 に 8 項 目(9,11,13,15,16,17,20,21,)、 C 領 域 に

2 項 目

(9,19,)

、 D 領 域 に 9 項 目

(3,4,5,6,7,8,10,12,14,)

と い う 分 布 結 果 だ っ た 。 t 検 定 の 結 果 、 有 意 差 が あ っ た 項 目 は 、「

13. 聞 い て い る 人 を 意 識 し て ア イ コ ン タ ク ト を と っ て 話 す 」

8.い ろ い ろ な 考 え と 比 べ て 意 見 を 言 う 」

3.

プ レ ゼ ン を 聞 い て も ら う 目 的 が あ る 」だ っ た 。

さ ら に 、 児 童 が 重 視 す る 評 価 項 目 に つ い て 右 の 表 2 の よ う に 分 類 し て 考 察 す る 。

① 重 視 上 位 群

1 : 伝 え た い こ と が は っ き り し て い る

11:

集 め た 資 料 の 中 か ら 必 要 な も の を 選 ぶ

16

: 一 番 伝 え た い こ と を ど こ で 言 う か 考 え る 変 化 大 変 化 小

(有 意 差 あ り) (有 意 差 な し)

*13 > 1、 11、 20、 16、

2、9、15、17、21、

*3< 、*8< 、 4、 10、 5、 18、 19、

6、7、12、14、

注 )重 視 上 位 群 ・重 視 下 位 群 ・・・全 体 平 均 3.05で項 目 を 分 け た 注 )*→ 有 意 差 の あ っ た 項 目   < → pre<post、> → pre>post 

20

: リ ハ ー サ ル を し て 間 違 っ て い た と こ ろ を 直 す

② 重 視 下 位 群

4 : コ ン ピ ュ ー タ や デ ジ カ メ の よ さ を 考 え て 使 う 5 : い ろ い ろ な 機 器 や 道 具 を 使 う

10:

た く さ ん の 資 料 を 使 う

18

: 話 の 流 れ が ス ム ー ズ で あ る

19:

下 書 き を し て ス ラ イ ド を 作 る 前 に 計 画 を 立 て る 注 )斜 体 字 の 項 目 は 、上 位 、下 位 か ら 5つ 目 ま での 項 目 表 2 小 学 生 の 重 視 項 目 と変 化 の 大 きさ

重 視 上 位 群

重 視 下 位 群

児 童 が 重 視 し た 項 目 の 要 素 は 、「 主 張 」「 結 論 」「 資 料 の 厳 選 」「 リ ハ ー サ ル 」 の 4 要 素 に ま と め ら れ る 。 こ の 4 要 素 は 、 児 童 が 十 分 に 認 識 で き る こ と か ら 、 こ れ ら が プ レ ゼ ン の 重 点 指 導 項 目 で あ る と い え る 。 逆 に 重 視 し な か っ た 項 目 は 「 使 用 機 器 」「 多 量 の 資 料 」「 ス ム ー ズ な 流 れ 」 「 下 書 き 」の 4 要 素 に ま と め ら れ る 。児 童 の 実 態 に 合 っ た 指 導 を 考 え る な ら ば 、 こ れ ら は 、 あ ま り 優 先 さ れ な い 指 導 内 容 で あ る と 解 釈 で き る 。

4.2 評 価 項 目 間 に ど の よ う な 相 関 関 係 が あ る か

21 の 評 価 項 目 が ど の よ う な 構 造 を し て い る の か を 明 ら か に す る た め 、因 子 分 析 を 行 っ た 。 抽 出 し た 因 子 を 図 5 の よ う に 解 釈 し 、評 価 構 造 が 明 ら か に し た 。指 導 前 (pre)は 4 因 子 だ っ た の が 指 導 後 (post)に は 5 因 子 に 増 え 、 因 子 が 細 分 化 し た こ と が 分 か る 。

ま た 、 指 導 後 に 新 た に 「 聞 き 手 意 識 」 と い う 評

因子内

平均 NO

因子名 因子名

NO 因子内平均

18 17

3 5

5 9

9 2

10 11

8 1

7 5

11 13

1 1

14 6

21 2

2 1

16 19

17 12

12 4

20 15

19 10

4 2

13 18

65.0

89.0

15 3

73.0

6 8

89.5

図5 因子分析の結果

84.0

準備

準備

80.0

84.5

93.8

素材の吟味 聞き手意識

84.8

結論の位置

82.0

82.0

結論の位置

素材の吟味

65.5

pre post

69.5

主張の端的さ 主張の端的さ

90.5

価 の 枠 組 み が で き た 。 こ れ は 、 指 導 の 過 程 で 評

1 1

4

6

0

価 課 題 を 使 っ て 継 続 的 に 友 だ ち の プ レ ゼ ン の 評 価 を 行 っ た こ と に よ る 効 果 で あ る と い え る 。

以 上 の こ と か ら 児 童 は 、 21 の 評 価 項 目 を 「 主 張 の 端 的 さ 」「 聞 き 手 意 識 」「 結 論 の 位 置 」「 素 材 の 吟 味 」「 準 備 」 と い う 5 つ の 枠 組 み で と ら え て い た と 解 釈 で き る 。 こ の よ う な 評 価 構 造 は 、 小 学 生 特 有 の 結 果 な の だ ろ う か 。 大 学 生 の 因 子 分 析 の 結 果 ( 表 3 ) と 比 較 し て 考 察 す る 。

因子 Pre Post

1 混沌 主張の端的さ

2 調査 聞き手意識

3 主張の端的さ 調査

4 結論の位置

表3 命名された因子名(大学生)

(4)

大 学 生 も 指 導 前 よ り 指 導 後 に 因 子 数 が 増 え た こ と 、「 聞 き 手 意 識 」 因 子 が 新 し く 抽 出 さ れ た こ と が 共 通 し て い た 。 小 学 生 も 大 学 生 も 指 導 の 前 は 、 評 価 項 目 の 違 い を 意 識 す る こ と が で き な い ま ま 評 価 を 行 っ て い た が 、 指 導 後 に は 同 様 の 評 価 構 造 に な る こ と が 明 ら か に な っ た 。以 上 の こ と か ら 、プ レ ゼ ン の 評 価 項 目 は 、 「 主 張 の 端 的 さ 」 「 聞 き 手 意 識 」 「 結 論 の 位 置 」 と い う 主 要 な 評 価 の 枠 組 み か ら 構 成 さ れ て い る と 言 え る 。

4.3 プ レ ゼ ン の 評 価 に 影 響 を 及 ぼ す 要 因 は 何 か

プ レ ゼ ン の 評 価 は 、 発 表 者 、 評 価 者 、 項 目 の ど の 要 因 に 最 も 影 響 を 受 け る の か を 明 ら か に し た( 一 般 可 能 性 理 論 に よ り 要 因 を 検 討 )。ク ラ ス 全 員 の 発 表 を 4 回 に 分 け て 行 い 、毎 回 、 所 定 の 用 紙 を 使 っ て プ レ ゼ ン 評 価 を 行 っ た( ② 評 価 課 題 )。3 要 因 の う ち 、分 散 推 定 値 割 合 が 大 き い も の ほ ど プ レ ゼ ン 評 価 に 影 響 を 及 ぼ す 要 因 と 解 釈 す る こ と が で き る 。 図 6 は 、 第 1 ~ 4 回 の 3 要 因 の 割 合 の 変 化 を 示 し た も の で あ る 。

4 回 の 発 表 の う ち 3 回 が 「 項 目 」 要 因 の 割 合 が 最 も 大 き か っ た 。 つ ま り 児 童 は 、 項 目 に 忠 実 に プ

図6 小学生の分散推定値割合の変化

0% 50% 100%

第1回 第2回 第3回 第4回

発表者 評価者 項目

レ ゼ ン の 評 価 を 行 っ て い た と い う こ と が で き る 。 ま た 、 評 価 課 題 で 使 用 し た 評 価 項 目 の 識 別 性 が 高 か っ た こ と を 示 し て い る 。 こ の 結 果 か ら 、 こ の 評 価 項 目 で 児 童 に プ レ ゼ ン 評 価 を さ せ る 場 合 に は 、 各 項 目 が 示 す プ レ ゼ ン の 達 成 状 態 ( 基 準 ) を 児 童 に 具 体 的 に 示 す こ と が 必 要 で あ る 。

一 方 、 大 学 生 は 、 6 回 の 発 表 で 「 評 価 者 」 要 因 が 最 も 大 き い 結 果 と な っ た ( 図 7 )。 こ れ は 評 価 者 の 分 散 が 最 も 大 き か っ た と い う こ と で あ り 、 評 価

図7 大学生の分散推定値割合の変化

0% 50% 100%

第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回

発表者 評価者 項目

す る 人 に よ り 、 プ レ ゼ ン の 評 価 が 全 く 違 っ て お り 、 評 価 の 傾 向 が 大 き く 分 か れ て し ま っ て い る こ と を 示 す 。 以 上 の こ と か ら 、 小 学 生 と 大 学 生 で は 、 プ レ ゼ ン 評 価 に 影 響 を 与 え る 要 因 が 大 き く 違 っ て い た 。

Ⅱ 学 校 等 に お け る 研 修 成 果 の 活 用 計 画

・ プ レ ゼ ン の 評 価 項 目 に つ い て 定 量 的 な 検 討 を 行 っ た こ と に よ り 、 小 学 生 へ の プ レ ゼ ン 指 導

の 重 点 内 容 が 明 ら か に な っ た 。 今 後 は 、 プ レ ゼ ン 指 導 の 主 要 内 容 を よ り 具 体 的 に 示 す こ と が 必 要 で あ る 。 教 科 等 の 学 習 の ど の 場 面 で 、 ど の 学 年 で 、 ど の よ う な 指 導 を 行 う こ と が 有 効 で あ る か を 実 践 的 に 検 証 す る 。 具 体 的 に は 、 高 学 年 の 情 報 教 育 の “ 情 報 の 表 現 ” と 国 語 科 の 「 伝 え 合 う 力 」 の 育 成 と の 関 連 が 深 い と 思 わ れ る の で 、 ま ず は 、 こ の 分 野 で の 実 践 が 考 え ら れ る 。 研 究 で 得 た 知 見 を 学 習 指 導 案 の 中 で 具 現 化 す る こ と で 研 修 成 果 を 活 用 し て い く 。

・ 本 研 究 で 使 用 し た 質 問 紙 や 教 材 を 今 後 も 活 用 し て 、 継 続 調 査 を 実 施 し て 参 り た い 。 本 テ

ー マ の 研 究 を 通 し て 、小 学 生 用 の プ レ ゼ ン 指 導 の 手 引 き を 作 成 す る こ と を め ざ し て い る 。

今 後 、 研 究 授 業 や 学 会 等 な ど の 発 表 の 場 を 利 用 し 、 研 究 経 過 を 報 告 す る こ と で 指 導 を あ

お ぎ 、 自 身 の 研 さ ん に 努 め て い く 。 大 学 院 研 修 で 得 た 研 究 の 手 法 と 現 場 の 実 践 研 究 の 手

法 の 両 方 を 活 用 し た 実 践 的 研 究 を 通 し て 自 身 の 指 導 力 向 上 に 努 め て 参 り た い 。

(5)

大学院派遣研修成果活用状況

所属校 三鷹市立大沢台小学校 氏 名 小暮 敦子

派遣大学院 東京学芸大学 専攻・コース 学校心理専攻・学校心理コース 研究主題 プレゼンテーション指導における評価項目の検討

1 所属 校で の成果 活 用

本研修を経ての成果活用は、次の2点ととらえている。

1.所属校での質的な実践研究を定量的に検討することができた

前所属校では、プレゼンテーションを積極的に授業に取り入れ、どのような学習効果が期待でき るかを検証してきた。2年間の授業実践から、プレゼンテーションを指導する際のポイントや留意 点を低・中・高学年ごとにまとめた「プレゼン指導マニュアル」を作成することができた。これは、

実践研究の産物であり、現場の知見としての価値は大きいが、もう一歩深く考察したいと思った。

大学院では、児童がプレゼンテーションを行う学習過程を分析的に観察し、定量的にデータを収 集し、統計的な処理を施した上で学習効果を検証することができた。これまでの研究成果を別の視 点で考察できたことや、専門的な研究手法を習得できたことの意味はとても大きい。

2.プレゼンテーション指導の重点を明らかにすることができた

プレゼンテーションは、様々な形態で行われるものである。そこで本研究は、プレゼンテーショ ンを「コンピュータで作成したスライドによるプレゼンテーション」という枠組みでとらえて研究 を行い、3つの検討を行った。その結果、小学生の実態に合う指導目標や指導重点を明らかにする ことができた。

プレゼンテーションの重点指導項目

・主張・・・伝えたいことをはっきりさせる。 ・資料の厳選・・・集めた資料の中で必要なものを選ぶ ・結論・・・一番伝えたいことをどこで言うかを考える ・リハーサル・・・互いに練習を見合い、修正する

これは、今まで一般的に使われてきたプレゼンテーションの評価項目を整理する結果につながっ た。「小学生にどうプレゼンテーションを教えたらよいか」という課題に対するいくつかの答えを 出すことができたと自負している。どの学校でも、どの学級でも指導可能な内容にしていく必要が あると思っている。

2 委員会・研修会での成果活用

※今年度11月の時点で、都や区市町村教育委員会等における各種委員会や研修会においての発

表、及び公開授業は特に行っていません。

(6)

○授業実践Ⅰ「これからよろしくね」

日時:平成18年4月

教科:国語・総合(5時間扱い)

内容:学級編成替えのあった5年生。自己紹介をプレゼンテーションで行った。これまでプレゼン テーションソフトを使った経験がなかったため、基本的なスキルについて指導した。初期指導のた め、スライドの枚数を5枚までとし、必ず写真や画像を入れることや「はじめ・中・終わり」の展 開で発表原稿を作ることなどを条件に入れた。

成果:プレゼンテーション指導の重点のうち、今回は「主張」 (何を一番伝えたいか)」と「資料厳 選」(効果的な資料は何か)いうことにしぼって指導した。自分をアピールするという国語の学習 にもつながりをもたせた。短時間で自分のことを印象づけるためには、視覚に訴える工夫が必要な ことやはじめにインパクトを与える論理構成にすることなどを学習させた。

○授業実践Ⅱ「夏休み自由研究発表会」

日時:平成18年9月

教科:総合的な学習の時間(3時間)

内容:夏休みに取り組んだ自由研究をプレゼンテーションの形で発表する。これまでの発表では、

紙に書いたものは聞いている人にはよく見えないこと、実物を見せる際もどこを見てほしいのか分 からないことなど、これまでの発表のしかたの問題点を洗い出した。それらを解消しながらプレゼ ンテーションできないかを考えさせた。

成果:指導の重点のうち、今回は「資料の厳選」(どのように見せたらよく分かるか)、「リハーサ ル」を重点に授業を構成した。子どもたちの作品は教室に展示されているため、プレゼンテーショ ンでどのような情報を盛り込むことに効果があるのかを考えさせた。今回は、下書きの段階で教師 がチェックを入れ、スライドを修正する時間を意図的に設けた。前のスライドをどう修正したかが 後でわかるように記録させておいた。その結果、デジタルカメラで作品の一部を大きく写す、教材 提示装置を使って映しながら説明する、スクリーンの前で実演する、などの工夫が生み出された。

3 成果を生かした 研 究授業等

プレゼンテーション能力育成には、一度に多くの内容を盛り込むのではなく、指導の重点化を図る ことが必要であることを改めて感じた。

4 今後の活用計画等

今年度は、異動にともない現所属校での成果活用は十分とはいえない。所属校の経営方針、及び これまでの研究実績を踏まえ、自分自身の果たすべき役割をしっかり考えていきたい。今後、具体 的に取り組むこととして次の2つを考えている。

1つ目は、明らかにしたプレゼンテーション指導の重点具現化のため、本校の指導計画づくりを 行う。これまでの指導計画を生かしながら、情報教育部の中でさらによいものを作成して参りたい。

特に、国語や社会などの教科学習の内容と関連づけていくことも重要であると考えている。

2つ目は、授業を積極的に公開して多くの方から指導を仰ぎ、引き続き研究成果の検証を行うこ とである。小学校においてプレゼンテーションに関する実践は決して多いとは言えない。そこで、

自身の取り組みを校内のみならず、市内での研修会等で紹介することが2年間の研究成果を活用す

ることにつながると考える。そのためには、様々な研究機関とかかわり、自身の実践を発表できる

機会が得られるよう努力していく所存である。

参照

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